JP4248008B2 - 印判 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、捺印動作に連動して保護蓋を開放操作できる印判に関する。保護蓋は印面の下面側を覆い隠して、印面に含浸されたインクが他物に付着するのを防ぎ、あるいは印面に塵埃などが付着するのを防止するために設けてある。
【0002】
【従来の技術】
捺印動作に連動して保護蓋を開放操作する形態の印判は公知である(特許文献1参照)。そこでは、図11に示すように、内筒75、外筒76、両筒75・76間に介装される復帰ばね77、外筒76に支持筒78を介して装着される印字ユニット79、印字ユニット79の印面を保護する保護蓋80、および内筒75と外筒76の相対スライドを規制するロック筒(図示していない)等で印判を構成している。
【0003】
保護蓋80は、上下方向に長い揺動アーム82と、揺動アーム82の下端から直交状に突出するカバー83とで側面視がL字状に形成してあり、揺動アーム82の上端に設けた軸84を内筒75で軸支することにより、保護蓋80の全体が、軸84を中心にして前後に揺動開閉できるようになっている。揺動アーム82の上部には、保護蓋80を開放操作するためのレバー85が突設してあり、このレバー85を支持筒78に設けた押圧部86で押し下げることにより、外筒76の押し下げ操作に連動して保護蓋80を開放できる。外筒76の押し下げ力を開放すると、内筒75がばね77で押し出されて待機姿勢に戻り、同時に保護蓋80を閉じ操作できる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−238399号公報(段落番号0016、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の印判によれば、ばね77に逆らって外筒76を押し下げ操作するだけで保護蓋80を一気に開放揺動させて、印字体87の通過領域を一瞬のうちに開放できる。しかし、保護蓋80の全体が内筒75の前面側に配置した軸84で片持ち状に軸支してあるので、印字体87より下方に確保すべき、カバーの揺動開閉領域の上下寸法が大きくなるのを避けられず、その分だけ印判の上下寸法が大きくなってしまう。
【0006】
詳しくは、保護蓋80が閉じているときのカバー83の先端は、軸84の中心を通る垂直線より反時計回転方向へずれた位置、つまり時計の文字盤の4時位置付近にある。そのため、保護蓋80が閉じ位置から全開放するときの、カバー先端部分の揺動軌跡は下り傾斜する円弧軌跡となり、同軌跡に含まれる縦方向成分Hが大きくなるのを避けられず、その分だけ印判の上下寸法が大きくなる。
【0007】
保護蓋80を開放した状態においては、保護蓋80の軸84の近傍以外の部分、具体的には揺動アーム82の殆どとカバー83の全体とが内筒75の前面に大きく突出するので、開放揺動した揺動アーム82あるいはカバー83が他物と接当するおそれがある。つまり、周りに障害物がないスペースを確保しながら捺印しなければない不便がある。カバー83が揺動アーム82で片持ち支持してあるので、保護蓋80を開放操作した状態においてカバー83に外力が作用すると破損するおそれがあり、保護蓋80の構造強度に不安が残る。
【0008】
本発明の目的は、保護蓋の開閉構造を改良することにより印面カバーの揺動軌跡を好適化し、以て、印面カバーの揺動開閉領域の上下寸法を減少し、その分だけ上下寸法が小さなコンパクトな印判を提供することにある。本発明の目的は、開放状態における保護蓋の印判外面への突出量を抑止でき、従って、従来の印判に比べて狭いスペースでも問題なく捺印できる、使用姿勢がコンパクトな印判を提供することにある。本発明の目的は、保護蓋の開閉構造を改良することにより、その構造強度を向上でき、その分だけ耐久性に優れた印判を提供することにある。本発明の目的は、捺印後に保護蓋を強制的に待機位置へ復帰操作でき、従って、不使用状態における印面の保護を確実に行える印判を提供することにある。本発明の目的は、余分な部品を用いる必要もなく、印判構成部品を一定の手順で組み付けるだけで印判を完成でき、全体として組立作業を能率よく行える印判を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の印判は、上下面が開口するベース筒1と、ベース筒1で上下スライド自在に案内支持される外筒2と、外筒2に装着されて、外筒2に同行してベース筒1内を上下スライドする内筒3と、内筒3に内嵌固定される印字ユニット4と、ベース筒1と外筒2との間に介装されて、外筒2を上方の待機位置へ押し上げ付勢するばね5と、印字ユニット4の印面を保護する保護蓋6とを備えている。図6に示すように、保護蓋6は、ベース筒1の周壁左右で前後揺動可能に軸支される左右一対の揺動アーム41と、両揺動アーム41の下端どうしを繋ぐ印面カバー42とで逆T字状に形成する。保護蓋6は印面の下面を覆い隠す閉じ姿勢と、ベース筒1の前面外方へ揺動変位して、印字ユニット4の下降領域から退避する開放姿勢との間で開閉揺動可能にベース筒1で支持される。図1に示すように、揺動アーム41の上部に設けた揺動軸44の中心P1が、ベース筒1の前後中心P2の近傍に配置する。
【0010】
内筒3と揺動軸44の軸端面との間に、外筒2の昇降動作に連動して保護蓋6を揺動開閉操作する蓋開閉機構が設ける。図1に示すように、蓋開閉機構は、内筒3の周面に設けられる上下に長いリブ状のカム突起30と、揺動軸44の軸端面に形成されて、前記カム突起30で回転操作される受動ピース55とを含む。
【0011】
カム突起30の下端と対向する内筒3の周面に、受動ピース55に接当して保護蓋6を強制的に閉じ操作するカム片31を設ける。該カム片31は閉じ操作面57と、閉じ限界を規制するストッパー面58とを備えて、カム突起30の下端には、受動ピース55を回転操作する開き操作面56が斜めに形成する。受動ピース55は、基部61と、該基部61に連続して突設して形成された受動片62とを含み、受動片62の先端の上面には、開き操作面56で回転操作される第1接当面63を斜めに形成し、受動片62の先端の下面には閉じ操作面57で回転操作される第2接当面64を突設する。保護蓋6が閉じ状態にあるとき、受動ピース55の受動片62は、カム突起30とカム片31との間に挟まれて、その下面側がカム片31で受け止められる。閉じ状態から外筒2を押し下げ操作すると、内筒3が同行移動して、カム突起30の開き操作面56が受動片62の第1接当面63に接当して受動ピース55が回動操作され、これにて、保護蓋6を閉じ姿勢から開放姿勢へ開放操作できるようになっており、保護蓋6を完全に開放揺動した状態では、第3接当面63がカム突起30の直線壁で受け止められて、印面カバー42は印字ユニット4の下降領域から退避揺動して、ベース筒1の前面外方に突出する。外筒2の押し下げ力を開放すると、外筒2、内筒3および印字ユニット4が、ばね5で押し上げられて上昇し、カム片31の閉じ操作面57が受動片62の第2接当面64に接当すると、揺動軸44が回転操作され、さらに受動片62の下面がカム片31のストッパー面58で受け止められることにより、保護蓋6の全体が閉じ状態に強制的に復帰されるようになっている。
【0012】
ベース筒1の下部周面の前半部に、保護蓋6の印面カバー42が出入りするカバー開口11を形成する。印面カバー42の周面前半部に蓋壁43が設ける。保護蓋6を閉じた状態において、カバー開口11が蓋壁43で塞ぐ。
【0013】
【発明の作用効果】
本発明では、保護蓋6を逆T字状に形成したうえで、揺動アーム41に設けた揺動軸44の中心P1をベース筒1の前後中心P2の近傍に配置して、保護蓋6を閉じ姿勢と開放姿勢とに開閉揺動できるようにするので、印面カバー42の先端の揺動軌跡を好適化できる。具体的には、図1に示すように、印面カバー42の先端の揺動軌跡を、揺動軸44の中心を通る垂直線の前後で、下り傾斜状の円弧軌跡と上り傾斜状の円弧軌跡とすることができるので、揺動軌跡の全体が下り傾斜状の円弧軌跡で占められていた従来の保護蓋構造に比べて、揺動軌跡全体に含まれる縦方向の成分Hを概ね半減でき、その分だけ印判の上下寸法を小さくできる。
【0014】
左右一対の揺動アーム41と、両揺動アーム41の下端どうしを繋ぐ印面カバー42とで、保護蓋6を逆T字状に形成し、その揺動軸44の中心P1をベース筒1の前後中心P2の近傍に配置するので、従来のL字状の保護蓋に比べて、開放状態における保護蓋6の印判外面への突出量を抑止でき、従って、狭いスペースでも問題なく捺印できる使用姿勢がコンパクトな印判が得られる。逆T字状に形成した保護蓋6は、図5に示すように、前後方向から見て逆門形となるので、L字状の保護蓋に比べて、保護蓋5の構造強度を向上でき、その分だけ印判の耐久性を向上できる利点もある(請求項1)。
【0015】
内筒3の周面に設けたカム突起30、および揺動軸44の軸端面に形成した受動ピース55などで構成した蓋開閉機構によれば、保護蓋6をより迅速に開閉操作できる。受動ピース55が揺動軸44の回転中心に近い位置に設けてあるので、受動ピース55を一定角度回動操作するのに必要な、カム突起30の下降ストロークが少なくて済み、外筒2の押し下げ速度を一定とする場合の保護蓋6の開放速度を向上できるからである。保護蓋6を全開放するのに必要な、カム突起30の下降ストロークが少なくて済む分だけ、外筒2の下降ストロークを小さくして、印判の上下寸法を削減できる利点もある(請求項2)。
【0016】
カム突起30の下端と対向する内筒3の周面にカム片31を設けた蓋開閉機構によれば、外筒2が復帰上昇するとき、カム片31で受動ピース55を回転操作して、保護蓋6を強制的に閉じ操作できるので、不使用状態における印面の保護を確実に行えるうえ、印判構成部品の寸法のばらつきや誤差の集積などによって、保護蓋6の一部がベース筒1などに引っ掛かるような場合に、保護蓋6を確実に閉じ復帰できる(請求項3)。
【0017】
ベース筒1に設けたカバー開口11を、保護蓋6に設けた蓋壁43で塞ぐようにすると、不使用状態において塵埃などがカバー開口11から侵入してゴム印字体36の印面に付着するのを確実に防止できるうえ、不使用状態における印判の外観の印象をシンプルですっきりしたものとすることができる。左右の揺動アーム41と印面カバー42とを蓋壁43で一体に繋いで、保護蓋6の構造強度を向上できる利点もある(請求項4)。
【0018】
【実施例】
図1ないし図10は、本発明に係る印判の実施例を示す。図2ないし図5において、印判は、ベース筒1と、ベース筒1で上下スライド自在に案内支持される外筒2と、外筒2に同行してベース筒1内を上下スライドする内筒3と、内筒3に内嵌固定される印字ユニット4と、外筒2を押し上げ付勢する圧縮コイル形のばね5と、印字ユニット4の印面を保護する保護蓋6、および外筒2を下降移動不能にロックするロック体7などで構成する。
【0019】
ベース筒1は上下面が開口する円筒体からなり、その周壁左右に保護蓋6を支持するための軸受穴10が通設してある。図1に示すように軸受穴10の中心P1は、ベース筒1の前後中心P2より僅かに前寄りに位置させてある。つまり、後述する揺動軸44の中心P1は、ベース筒1の前後中心P2の近傍に配置してある。筒壁の前面下部には、保護蓋6の印面カバーが出入りするカバー開口11が形成してあり、筒上端の左右にはばね保持片12が突設してある(図3参照)。
【0020】
カバー開口11は半円溝状に形成してあり、その左右端縁から軸受穴10の周りにわたって平坦面13が形成してある。図3に向かって左側のばね受片12の基端内面には、ロック体7を受け止めるストッパー壁15が内向きに張り出してある。
【0021】
外筒2は主外筒17と、主外筒17に着脱可能に圧嵌装着されるキャップ18とで構成する。主外筒17は上下面が開口する筒体からなり、筒上部にキャップ18用の装着部19が突設してある。筒壁の下半部左右には逃げ溝20が形成され、筒壁の前面に平坦な前印面21が形成してある。主外筒17の内面左右には、内筒3を圧嵌装着するための係合壁22が内向きに張り出してあり、内面前部の左右にクリック機構用の縦長のリブ23が形成してある(図8参照)。逃げ溝20より前側の筒壁の上下長さは、逃げ溝20より後側の筒壁の上下長さに比べて短く形成してある。
【0022】
キャップ18は下向きに開口する有底筒体からなり、筒壁の前面に主外筒17と同様の平坦な前印面21aを形成し、その内面に後述するロック体7を回動操作するための一対の操作リブ24が突設してある(図3参照)。筒壁の後側にはストラップを結びつけるための紐通し部32が、筒壁の外郭線より内側に凹む状態で形成してある(図6参照)。
【0023】
内筒3は、その大半を占める主筒壁25と、主筒壁25の上部に設けられる主筒壁25より小径の上筒壁26とを有し、上筒壁26の上端左右に係合爪27が突設してある。主筒壁25の前面を上筒壁26の周面に沿って切除することにより、ロック体7の周方向への変位を許す凹部28が形成してある。主筒壁25の左右周面に平坦なガイド面29を形成し、そこにカム突起30とカム片31を設けるが、その詳細は後述する。
【0024】
印字ユニット4は、上下に長い多段状の保持筒34と、保持筒34の内部下面に装着されるインク含浸マット35、およびゴム印字体36と、保持筒34の上端開口を塞ぐ筒栓37などで構成されるユニット部品からなり、それ自体単独で販売することもある。ゴム印字体36はポーラスゴムで形成してあり、保持筒34の下端周面に固定した印面金具38で抜け外れ不能に固定されている。
【0025】
保護蓋6は、左右一対の揺動アーム41と、両揺動アーム41の下端どうしを繋ぐ円形の印面カバー42とで、側面から見て逆T字状に形成してあり、印面カバー42の周面前半部に蓋壁43が設けてある。蓋壁43は、先に説明したベース筒1のカバー開口11を塞ぐために設けてある。両揺動アーム41の上端内面には、ベース筒1の軸受穴10で軸支される揺動軸44が設けてある。
【0026】
保護蓋6の揺動軸44をベース筒1の軸受穴10に嵌め込むことにより、保護蓋6は前後揺動可能に軸支されて、ゴム印字体36の下面を覆い隠す閉じ姿勢(図4の状態)と、ベース筒1の前面外方へ揺動変位して、印字ユニット4の下降領域から退避する開放姿勢(図6の状態)との間を揺動変位できる。揺動軸44を軸受穴10に組み込んだ状態においては、図10に示すように、揺動軸44の内面に設けた受動ピース55が、カム突起30と対向する。その詳細は後述する。
【0027】
ロック体7は、平面視がC字状のクリップ47の前部上下に、それぞれ部分円弧壁からなる操作片48とストッパー爪49とを突設してなる。クリップ47を、内筒3の上筒部26に嵌め込むことにより、ロック体7を内筒3と一体化でき、この組付状態においてストッパー爪49は凹部28に臨んでいる。従って、凹部28の形成範囲でロック体7を回転操作できる。
【0028】
操作片48は、キャップ18の内面に設けた操作リブ24と係合して、キャップ18の回転動作を受け継ぐ。キャップ18を切り換える毎にクリック感を付与するために、操作片48の外面に縦方向のクリック溝50を設けている。このクリック溝50に、主外筒17の内面に設けたリブ23が落ち込み係合することにより、クリック感が得られる。
【0029】
外筒2の昇降動作に連動して保護蓋6を揺動開閉操作するために、内筒3と、内筒3の周面と対向する揺動軸44の軸端面との間に蓋開閉機構を設けている。図1に示すように蓋開閉機構は、内筒3の外周面に設けられるカム突起30と、カム突起30の下方に設けられるカム片31と、揺動軸44の軸端面に形成されて、前記カム突起30およびカム片31で回転操作される受動ピース55とで構成する。
【0030】
カム突起30は上下に長いリブ状に形成してあり、図7(a)に示すように、その下端に、受動ピース55を回転操作する開き操作面56が斜めに形成してある。カム片31は受動ピース55を回転操作して、保護蓋6を閉じ位置へ復帰させるために設けてあり、逆ヘ字状の閉じ操作面57と、閉じ限界を規制するストッパー面58とを備えている。受動ピース55が回転するときに接当干渉するのを避けるために、カム突起30とカム片31とは所定の間隔を隔てて配置してある。
【0031】
受動ピース55は、4分円状の基部61に連続して横臥L字状の受動片62を突設して形成する。受動片62は、揺動軸44の周縁近傍に設けてあり、その先端の上面には、開き操作面56で回転操作される第1接当面63を斜めに形成し、受動片62の先端の下面には閉じ操作面57で回転操作される第2接当面64を突設する。基部61の上隅には、カム突起30の直線壁と接当して保護蓋6の開放限界を規定する第3接当面65が切り欠き形成してある。第1接当面63と第3接当面65との間には、三角形状の切欠が形成してあるが、この切欠は受動ピース55がカム突起30で開放回動操作されるとき、受動ピース55とカム突起30とが接当緩衝するのを避けて、保護蓋6の揺動を円滑化するためである。
【0032】
保護蓋6が閉じ状態にあるとき、受動ピース55の受動片62は、図1に示すようにカム突起30とカム片31との間に挟まれて、その下面側がカム片31で受け止められている。この状態から外筒2を押し下げ操作すると内筒3が同行移動して、図7(a)の下段に示すように、カム突起30の開き操作面56が受動片62の第1接当面63に接当するので、揺動軸44は回転モーメントを受けて時計回転方向に回転する。カム突起30は、図7(a)の中段に示す過程を経て、第1接当面63をくぐり抜けるようにして保護蓋6を開放操作する。
【0033】
保護蓋6が完全に開放揺動した状態では、図7(a)の上段に示すように、第3接当面65がカム突起30の直線壁で受け止められ、印面カバー42は印字ユニット4の下降領域から退避揺動して、ベース筒1の前面外方に突出する。この後、印字ユニット4がさらに下降移動して紙面に押し付けられインクを紙面に転写できる。つまり捺印できる。
【0034】
図6に示すように、開放状態における印面カバー42はベース筒1の前面外方に突出する。しかし、保護蓋6が逆T字状に形成してあり、その揺動軸44の中心がベース筒1の前後中心の近傍に配置してあるので、揺動アーム41の大半はベース筒1の外面に沿って傾斜している。そのため、従来の印判に比べて、保護蓋6の印判外面への突出を抑止でき、保護蓋6が他物に接当するのをよく防止できる。
【0035】
外筒2の押し下げ力を開放すると、外筒2、内筒3、および印字ユニット4がばね5で押し上げられて上昇する。ゴム印字体36の印面がカバー開口11を通過し終わるまで、保護蓋6は全開放姿勢に維持されている。内筒3がさらに上昇すると、図7(b)の上段に示すように、カム片31の閉じ操作面57が受動片62の第2接当面64に接当して、揺動軸44を反時計回転方向へ回転操作する。
【0036】
そのため、受動片62の第2接当面64は、図7(b)の中段に示す過程を経ながら、さらに反時計回転方向へ回転操作されて、受動片62の下面がカム片31のストッパー面58で受け止められ、保護蓋6の全体が閉じ状態に復帰する。保護蓋6の一部がベース筒1などに引っ掛かっているような場合にも、保護蓋6を強制的に閉じ復帰できる。閉じ状態においては、保護蓋6の蓋壁43でカバー開口11を閉止できるので、不使用状態における印判の外観の印象をシンプルなものとすることができる。
【0037】
保護蓋6が開閉するときの軌跡を図1に示す。先に説明したように、保護蓋6は、ベース筒1の前後中心P2の近傍に配置した揺動軸44まわりに揺動開閉する。このときの印面カバー42の先端軌跡は、揺動軸44の中心を通る垂直線の前後で、斜め下向きの円弧から、斜め上向きの円弧へと変化する。そのため、印面カバー42の先端軌跡に含まれる縦方向の成分は、図1に符号Hで示す値となる。つまり、印面カバー42の先端軌跡のほぼ全部が、斜め下向きの円弧で構成されていた従来の印判に比べて、縦方向の成分Hの値を概ね半分にすることができ、その分だけ印判の上下寸法を小さくできることとなる。
【0038】
印判を構成する各部品は、次の手順で組み立てる。まずロック体7を先に説明した要領で内筒3に組む。次に、内筒3をベース筒1に下面側から差し込み、さらに保護蓋6の揺動軸44をベース筒1の軸受穴10に組み付けて、内筒3とベース筒1とを仮組みする。
【0039】
ベース筒1のばね保持片12の間にばね5を組み、両者1・5を外筒2に下面側から差し込むことにより、図5に示すように内筒3の左右の係合爪27を外筒2の係合壁22に係合させて、内筒3を外筒2と一体化する。その後、キャップ18を外筒2に圧嵌装着する。最後に、印字ユニット4を内筒3に下面側から差し込んで圧嵌固定することにより印判を完成できる。内筒3と印字ユニット4との圧嵌係合部を図5に符号53で示す。このように、各構成部品を所定の手順に従って圧嵌係合するだけで、印判を組み上げることができる。
【0040】
図8に示すように、キャップ18の内面に設けた操作リブ24は、ロック体7の操作片48を挟み係合している。アンロック状態におけるクリック溝50は、外筒2の片方のリブ23と係合しており、ストッパー爪49は図9に実線で示すようにベース筒1の筒壁内面に臨んでいる。このアンロック状態でのみ捺印できる。図8(b)に示すように、アンロック状態からキャップ18を時計回転方向へ回転操作することにより、ストッパー爪49を内筒3の周面に沿って図9に想像線で示す位置まで変位させると、ロック状態に切り換えることができる。ロック状態においては、外筒2を押し下げ操作しても、ストッパー爪49の下端面がベース筒1のストッパー壁15で受け止められるので、外筒2は下降できない。
【0041】
上記の実施例以外に、揺動軸44の中心P1はベース筒1の前後中心P2と一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】保護蓋の開閉構造および開閉軌跡とその縦方向成分との関係を示す縦断側面図
【図2】印判の斜視図
【図3】印判構成部品の分解斜視図
【図4】印判全体の縦断側面図
【図5】印判全体の縦断正面図
【図6】印判の捺印状態を示す縦断側面図
【図7】保護蓋の開閉動作を示す動作説明図
【図8】ロック体のロック動作を示す動作説明図
【図9】ストッパー爪とベース筒の関係構造を示す横断平面図
【図10】揺動軸とカム突起との関係構造を示す横断平面図
【図11】従来の印判の縦断側面図
【符号の説明】
1 ベース筒
2 外筒
3 内筒
4 印字ユニット
5 ばね
6 保護蓋
7 ロック体
11カバー開口
30 カム突起
31 カム片
41 揺動アーム
42 印面カバー
43 蓋壁
44 揺動軸
55 受動ピース
Claims (2)
- 上下面が開口するベース筒(1)と、ベース筒(1)で上下スライド自在に案内支持される外筒(2)と、外筒(2)に装着されて、外筒(2)に同行してベース筒(1)内を上下スライドする内筒(3)と、内筒(3)に内嵌固定される印字ユニット(4)と、ベース筒(1)と外筒(2)との間に介装されて、外筒(2)を上方の待機位置へ押し上げ付勢するばね(5)と、印字ユニット(4)の印面を保護する保護蓋(6)とを備えており、
保護蓋(6)は、ベース筒(1)の周壁左右で前後揺動可能に軸支される左右一対の揺動アーム(41)と、両揺動アーム(41)の下端どうしを繋ぐ印面カバー(42)とで逆T字状に形成されており、
保護蓋(6)は印面の下面を覆い隠す閉じ姿勢と、ベース筒(1)の前面外方へ揺動変位して、印字ユニット(4)の下降領域から退避する開放姿勢との間で開閉揺動可能にベース筒(1)で支持されており、
揺動アーム(41)の上部に設けた揺動軸(44)の中心(P1)が、ベース筒(1)の前後中心(P2)の近傍に配置してあり、
内筒(3)と揺動軸(44)の軸端面との間に、外筒(2)の昇降動作に連動して保護蓋(6)を揺動開閉操作する蓋開閉機構が設けられており、
蓋開閉機構が、内筒(3)の周面に設けられる上下に長いリブ状のカム突起(30)と、揺動軸(44)の軸端面に形成されて、前記カム突起(30)で回転操作される受動ピース(55)とを含み、
カム突起(30)の下端と対向する内筒(3)の周面に、受動ピース(55)に接当して保護蓋(6)を強制的に閉じ操作するカム片(31)が設けてあり、該カム片(31)は閉じ操作面(57)と、閉じ限界を規制するストッパー面(58)とを備えており、
カム突起(30)の下端には、受動ピース(55)を回転操作する開き操作面(56)が斜めに形成してあり、
受動ピース(55)は、基部(61)と、該基部(61)に連続して突設して形成された受動片(62)とを含み、受動片(62)の先端の上面には、開き操作面(56)で回転操作される第1接当面(63)を斜めに形成し、受動片(62)の先端の下面には閉じ操作面(57)で回転操作される第2接当面(64)が突設されており、
保護蓋(6)が閉じ状態にあるとき、受動ピース(55)の受動片(62)は、カム突起(30)とカム片(31)との間に挟まれて、その下面側がカム片(31)で受け止められており、
閉じ状態から外筒(2)を押し下げ操作すると、内筒(3)が同行移動して、カム突起(30)の開き操作面(56)が受動片(62)の第1接当面(63)に接当して受動ピース(55)が回動操作され、これにて、保護蓋(6)を閉じ姿勢から開放姿勢へ開放操作できるようになっており、
保護蓋(6)を完全に開放揺動した状態では、第3接当面(63)がカム突起(30)の直線壁で受け止められて、印面カバー(42)は印字ユニット(4)の下降領域から退避揺動して、ベース筒(1)の前面外方に突出しており、
外筒(2)の押し下げ力を開放すると、外筒(2)、内筒(3)および印字ユニット(4)が、ばね(5)で押し上げられて上昇し、カム片(31)の閉じ操作面(57)が受動片(62)の第2接当面(64)に接当すると、揺動軸(44)が回転操作され、さらに受動片(62)の下面がカム片(31)のストッパー面(58)で受け止められることにより、保護蓋(6)の全体が閉じ状態に強制的に復帰されるようになっていることを特徴とする印判。 - ベース筒(1)の下部周面の前半部に、保護蓋(6)の印面カバー(42)が出入りするカバー開口(11)が形成されており、
印面カバー(42)の周面前半部に蓋壁(43)が設けられており、
保護蓋(6)を閉じた状態において、カバー開口(11)が蓋壁(43)で塞がれる請求項1に記載の印判。
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