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JP4248639B2 - 超音波プローブ - Google Patents
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JP4248639B2 - 超音波プローブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内等に穿刺針等の処置具を導出可能な超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波ビームを送受信する超音波振動子を先端に備えた可撓性の挿入部を体腔内等に挿入し、この超音波振動子から体腔内等に送信した超音波ビームの反射波を電気信号として出力する超音波プローブが広く利用されている。この超音波プローブからの出力信号を外部装置で画像化した超音波断層像等の超音波画像は、モニタ表示して患部の診断等に用いられる。
このような超音波プローブは、超音波振動子を備えるばかりでなく、患部の組織片を採取したり患部に薬剤を注入する穿刺針等の処置具を挿通させるための処置具チャンネルを内部に備える場合がある。
このとき、処置具チャンネルを挿通して挿入部先端の処置具導出口から患部等に向けて導出された穿刺針等の処置具の位置が適切であるかを前記超音波画像によってリアルタイムに確認しようとする要求がある。そこで、例えば、特開平6−105847号では、挿入部先端に超音波振動子及び処置具導出口を配設し、超音波振動子の走査範囲に向けて穿刺針等の処置具が導出されるような向きに処置具導出口を配置した構成が提案されている。
しかしながら、体腔内等に挿入された挿入部は一般に湾曲しており、この湾曲した挿入部内の処置具チャンネルを挿通して処置具導出口より導出された穿刺針等の処置具の先端が湾曲してしまい、処置具導出口が超音波振動子の走査範囲を向いていても、穿刺針などの処置具の先端が走査範囲から外れてしまうことがある。このような場合には、超音波画像内に穿刺針等の処置具の先端が描出されるように挿入部先端の位置を調整する作業が生じる等して、作業性が損ねられていた。
このような背景に鑑みて、例えば、特開平9−135498号では、送信される超音波ビームのビーム幅を可変とした構成が示されている。この従来例では、穿刺針が湾曲した場合に、ビーム幅を広げることで、超音波画像内に穿刺針を描出することが可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術で述べた特開平9−135498号に示される構成では、超音波ビームのビーム幅を広げた際に、超音波ビームの分解能が劣化し、超音波画像の画質が劣化するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、穿刺針等の処置具が湾曲した場合でもこの処置具の位置に超音波ビームを照射することができ、且つ超音波ビームの分解能の劣化を防止できる超音波プローブを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、体腔内等へ挿入する挿入部と、前記挿入部の先端部に設けられた、処置具を導出可能な処置具導出口と、前記挿入部の先端部において前記処置具導出口より先端側に配設された、超音波ビームを送受信する超音波送受信ヘッドと、前記超音波送受信ヘッドの開口面に配設された超音波振動子アレイであって、前記挿入部の先端部の挿入方向に複数個並設された超音波振動子群を、当該挿入方向に平行な軸に沿って3列に配設して構成された超音波振動子アレイと、前記超音波振動子アレイにおける前記3列のうち、中央の列の超音波振動子群には第1の遅延時間を有する第1の遅延回路を接続可能とし、両側の2列の超音波振動子群には前記第1の遅延時間より長い第2の遅延時間を有する第2の遅延回路を接続可能とすることで、前記超音波振動子アレイにおける前記3列各列の超音波振動子群に供給する駆動信号の遅延時間を制御し、超音波ビームの走査範囲の方向を、ビーム幅を一定に維持しながら偏向可能とする偏向制御手段と、を具備し、前記偏向制御手段は、前記3列の超音波振動子群に対していずれの遅延回路も介さずに駆動信号を供給することにより前記超音波ビームの走査範囲の方向を偏向させない第1のモードと、両側のいずれかの列の超音波振動子群に対して前記第2の遅延回路を介して駆動信号を供給すると共に前記中央の列の超音波振動子群に対して前記第1の遅延回路を介して駆動信号を供給し、さらに前記第2の遅延回路を介して駆動信号を供給する列とは反対側の列の超音波振動子群に対しては遅延回路を介さずに駆動信号を供給することにより前記超音波ビームの走査範囲の方向を、ビーム幅を一定に維持しながら偏向する第2のモードとに制御可能とすることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0006】
(第1の実施の形態)
図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は超音波プローブの全体構成を示す説明図、図2は先端部の構成を示す説明図、図3は超音波ビームを走査するための構成を示す説明図、図4は超音波ビームを偏向させるための構成を説明する説明図、図5は穿刺針が湾曲している場合の作用を示す作用説明図で、(A)は先端部を前方から見た正面図、(B)は(A)の右側面図、(C)は(A)の平面図である。
【0007】
図1に示すように、本実施の形態の電子走査式の超音波プローブ1は、体腔内等に挿入する細長の挿入部2と、この挿入部2基端に連設され超音波プローブ1を把持し操作するための操作部3と、この操作部3側部から延出し超音波プローブ1に照明光を供給する図示しない光源装置や超音波プローブ1からの出力信号を映像信号化する図示しない超音波観測装置に接続するためのユニバーサルコード4から主に構成されている。
前記挿入部2は、その先端に位置する先端部5と、操作部3からの操作により湾曲自在な湾曲部6と、可撓性の可撓部7が順に連設されて構成されている。 前記操作部3には、体腔内の患部等に処置を施す穿刺針等の処置具を挿入するための処置具挿入口8が設けられており、この処置具挿入口8は、挿入部2内を挿通する図示しない処置具チャンネルを介して、先端部に設けられた処置具導出口9に連通している。
【0008】
図2に示すように、先端部5は、前記処置具挿入口8から挿入された穿刺針等の処置具が導出される処置具導出口9と、前記光源装置からの照明光を被写体に向けて照射する照明窓11と、被写体を光学的に観察する観察窓12と、この観察窓12等を洗浄する水や空気を噴出する洗浄ノズル13と、先端部5側面方向に開口面を向けて配置され超音波ビームを走査し送受信する超音波ヘッド10を有して構成される。照明窓11と、観察窓12と、洗浄ノズル13は、処置具導出口9の近傍に配置され、超音波ヘッド10は、処置具導出口9より先端側の位置に配置されている。
前記超音波ヘッド10の開口面には、超音波振動子アレイ14が配設されており、この超音波振動子アレイ14には、圧電素子等で構成される超音波素子15が、挿入方向に複数段、挿入方向に直交する方向に例えば3列並べて配列されている。超音波素子15を並べる列数は3列に限らず、それ以上であってもよい。なお、本明細書では、超音波振動子アレイ14における超音波素子15の挿入方向への配列を「段」と呼び、挿入方向に直交する方向への配列を「列」と呼んでいる。
前記処置具導出口9は、超音波振動子アレイ14の開口面側から先端部5を見た場合に、超音波振動子アレイ14の挿入方向の中心軸D−D上に位置するように配置されている。
【0009】
図3に示すように、超音波振動子アレイ14の開口面上には、超音波レンズ21が配設されている。この超音波レンズ21は、図に示す向きから見た場合には、平面形状になっている。
超音波振動子アレイ14を構成する各超音波素子15は、各段毎に設けられた偏向制御回路22に接続され、各段毎の偏向制御回路22は、各段毎に設けられた電子スイッチ23にそれぞれ接続されており、これら電子スイッチ23の他端は、超音波素子15を駆動する駆動回路24に接続されている。超音波振動子アレイ14は、各電子スイッチ23が順次開閉することで、超音波ビームを挿入方向に直線的に走査いわゆるリニア電子走査を行うようになっている。
【0010】
図4に示すように、超音波レンズ21は、この図の向きから見ると凸レンズ状に形成されており、超音波振動子アレイ14から送信された超音波ビームを収束させるようになっている。
各段毎に設けられた偏向制御回路22は、超音波ビームの偏向方向を切り替える偏向切替スイッチ31を有し、この偏向切替スイッチ31の状態により、駆動回路24から電子スイッチ23を介して各列の超音波素子15に与えられる駆動信号の遅延時間を選択するようになっている。駆動信号の遅延は、偏向切替スイッチ31と超音波素子15との間に遅延回路32を設けて行う。図において、長さの異なる遅延回路32は、長いほど遅延時間が大きいことを示している。
【0011】
ここで、偏向切替スイッチ31を接点aに接続すると、各列の超音波素子15には、遅延回路32を介さないで駆動信号が供給される。また、偏向切替スイッチ31を接点bに接続すると、図中の左列の超音波素子15には、遅延時間の大きい遅延回路32を介して駆動信号が供給され、図中の中央列の超音波素子15には、遅延時間の小さい遅延回路32を介して駆動信号が供給され、図中の右列の超音波素子15には、遅延回路32を介さないで駆動信号が供給される。また、偏向切替スイッチ31を接点cに接続すると、接点cに接続した場合の左列と右列とを入れ替えた状態となる。なお、各段の偏向制御回路22の偏向切替スイッチ31は連動して動作するようになっている。このようにして、各列の超音波素子15に与えられる駆動信号の位相が制御され、偏向切替スイッチ31を接点aに接続すると、超音波ビームの走査範囲が方向Aに向けて偏向され、接点bに接続すると、超音波ビームのが走査範囲が方向Bに向けて偏向され、接点cに接続すると、超音波ビームの走査範囲が方向Cに向けて偏向されるようになっている。
【0012】
次に、本実施の形態の作用を述べる。
図3に示す電子スイッチ23は、同時に何段かの電子スイッチ23の一群がオン状態になり、このオン状態の一群が走査方向つまり挿入方向に移動するかの如く各電子スイッチ23が順次開閉制御されることで、超音波ビームがリニア電子走査される。図4に示す偏向切替スイッチ31は、通常は接点aに接続させておくことで、超音波ビームは、方向Aに向けて送出される。
【0013】
ここで、図5に示すように、患部等に処置を施すために、処置具導出口9から穿刺針41を導出させる。図中の実線で示すように、穿刺針41の湾曲が少ない場合には、穿刺針41は、方向Aに向けて送出されている超音波ビームの走査範囲内に位置している。
【0014】
ところが、図中の2点破線で示すように、穿刺針41の先端が湾曲した場合には、穿刺針41は、方向Aに向けて送出されている超音波ビームの走査範囲から外れてしまう。この場合には、偏向切替スイッチ31を接点bに接続する。すると、超音波ビームは方向Bに向けて送出され、穿刺針41は超音波ビームの走査範囲に位置するようになる。つまり、穿刺針41が湾曲しても、穿刺針41を超音波ビームの走査範囲に位置させることができるようになっている。また、このとき、偏向切替スイッチ31を切り替えても、各列の超音波素子15は、図4に示すように、いずれも開口した状態であり、超音波ビームのビーム幅は概ね一定に維持され、従って、超音波ビームの分解能は概ね一定に維持される。また、図4に示す向きから見た超音波レンズ21は、凸レンズ状に形成されており、これにより超音波ビームが収束するので、必要な分解能が得られるようになっている。
【0015】
以上説明した本実施の形態によれば、穿刺針41等の処置具が湾曲した場合でも、偏向制御回路22により超音波ビームを偏向させることで、穿刺針41の位置に超音波ビームを照射することができ、このとき超音波ビームを偏向させてもビーム幅は概ね一定に維持されるので、超音波ビームの分解能の劣化を防止できる。
【0016】
(第2の実施の形態)
図6ないし図10は本発明の第2の実施の形態に係り、図6は超音波プローブの全体構成を示す説明図、図7は先端部の構成を示す一部断面図を含む説明図、図8は超音波送受信ユニットの構成を示す断面図、図9は超音波ビームを偏向させる際の作用を示す断面図、図10は超音波ビームを図9とは反対側に偏向させる際の作用を示す断面図である
図6に示すように、本実施の形態の機械走査式の超音波プローブ51は、体腔内等に挿入する細長の挿入部52と、この挿入部52基端に連設され超音波プローブ51を把持し操作するための操作部53と、この操作部53側部から延出し超音波プローブ1に照明光を供給する図示しない光源装置に接続するためのユニバーサルコード54と、前記操作部53基端に連設され超音波ビームを走査する際の回転駆動力を発生させる図示しないモータやこのモータの回転量を検出するための図示しないエンコーダを有する副操作部55と、この副操作部55側部から延出し超音波プローブ51からの出力信号を映像信号化する図示しない超音波観測装置に接続するための超音波コード56から主に構成される。
前記挿入部52は、その先端に位置する先端部57と、操作部53からの操作により湾曲自在な湾曲部58と、可撓性の可撓部59が順に連設されて構成されている。
前記操作部53には、体腔内の患部等に処置を施す穿刺針等の処置具を挿入するための処置具挿入口60が設けられており、この処置具挿入口60は、挿入部52内を挿通する図示しない処置具チャンネルを介して、先端部に設けられた処置具導出口61に連通している。
【0017】
図7に示すように、先端部57は、前記処置具挿入口60から挿入された穿刺針等の処置具が導出される処置具導出口61と、前記光源装置からの照明光を被写体に向けて照射する照明窓62と、被写体を光学的に観察する観察窓63と、この観察窓63等を洗浄する水や空気を噴出する洗浄ノズル64と、超音波ビームを走査し送受信する超音波ヘッド65を有して構成される。照明窓62と、観察窓63と、洗浄ノズル64は、処置具導出口61の近傍に配置され、超音波ヘッド65は、処置具導出口61より先端側の位置に配置されている。
【0018】
前記超音波ヘッド65は、超音波ビームを送受信する超音波送受信ユニット71と、この超音波送受信ユニット71で送受信される超音波ビームを反射して超音波ビームの方向を変える超音波反射ミラー72と、前記副操作部55内のモータから超音波プローブ51内を挿通する柔軟なフレキシブルシャフト73を介して伝達された回転駆動力の回転軸を変換して前記超音波反射ミラー72に回転駆動力を伝達するためのベベルギヤ74と、このベベルギヤ74の回転軸を支持するベベルギヤ支持部材75と、超音波ヘッド65を前方から側方にかけて覆う超音波透過性の先端キャップ76を有して構成される。
【0019】
前記超音波反射ミラー72の回転軸は、挿入部52挿入方向と直交しており、前記超音波送受信ユニット71から送信される超音波ビームは、この超音波ビームを偏向させない場合には、超音波反射ミラー72の回転軸と略平行に、超音波反射ミラー72に向けて送信されるようになっている。そして、超音波反射ミラー72が回転すると、超音波反射ミラー72の回転軸に直交する断面内を走査する走査いわゆるセクタ機械走査が行われるようになっている。
【0020】
前記処置具導出口61は、この処置具導出口61から導出される穿刺針等の処置具が湾曲していない場合には、超音波反射ミラー72の回転軸に直交するような超音波ビームの走査範囲に処置具が導出されるように配置・形成されている。
【0021】
図8に示すように、超音波送受信ユニット71は、超音波ビームを送受信する超音波振動子81と、この超音波振動子81をハウジング82と、このハウジング82に対して超音波振動子81を回動自在に軸支する回動軸83と、ハウジング82と超音波振動子81背面との間に挟まれて配設され超音波振動子81を回動方向に付勢する支持バネ84と、ハウジング82に本体部85aが固定され、この本体部85aに対して進退自在に進退する進退軸85b先端が、回動軸83を挟んで支持バネ84と反対側の超音波振動子81背面に当接したマイクロシリンダ85と、前記超音波振動子81から超音波プローブ51手元側へ延出し、超音波振動子81を駆動する駆動信号等を伝送する同軸ケーブル86と、前記マイクロシリンダ85から超音波プローブ51手元側へ延出しこのマイクロシリンダ85を駆動制御するための制御信号ケーブル87を有して構成されている。
【0022】
前記超音波振動子81は、駆動信号を超音波に変換して送信し、受信した超音波を電気信号に変換する圧電素子からなる超音波素子81aと、この超音波素子81aにより送受される超音波の伝搬方向を収束させる音響レンズ81bと、超音波素子81aの背面側への超音波を減衰させる背面材81cを有して構成されている。
【0023】
次に、本実施の形態の作用を述べる。
前記同軸ケーブル86を介して超音波プローブ51手元側から供給される駆動信号が超音波振動子81に印加されると、この超音波振動子81からは前記超音波反射ミラー72へ向けて超音波ビームが送出される。この超音波反射ミラー72で反射された超音波ビームは、先端キャップ76を透過して、例えば体内組織に向けて送信される。また、前記モータからフレキシブルシャフト73を介して伝達された回転駆動力は、ベベルギヤ74により回転軸が変換され、このベベルギヤ74は、挿入方向と略直交する軸を回転軸として超音波反射ミラー72を回転させる。これにより、超音波反射ミラー72で反射される超音波ビームは、体内組織をセクタ走査するようになっている。体内組織へ向けて送信された超音波ビームは、音響インピーダンスの異なる体内組織の境界面で反射し、超音波反射ミラー72を介して、超音波振動子81で受信され、受信された超音波から変換された電気信号は、同軸ケーブル86を介して超音波プローブ51手元側へ伝送される。
【0024】
このようにして送受信される超音波ビームは、次に説明するように、制御信号ケーブル87を介してマイクロシリンダ85に印加する電圧により、その走査範囲が偏向されるようになっている。
先ず、図9を使用して、マイクロシリンダ85に電圧を印加していない場合の作用を説明する。前記支持バネ84は、ハウジング82と超音波振動子81背面との間に押し縮められて配設されており、その伸張しようとする弾性力により、超音波振動子81は、回動軸83を軸として回動する方向に付勢されている。回動軸83を挟んで支持バネ84と反対側の超音波振動子81背面には、前記マイクロシリンダ85の進退軸85b先端が当接しており、この進退軸85bは、前記支持バネ84の付勢力により、本体部85a内へ押し込められる方向に力を受けている。ここで、マイクロシリンダ85に電圧が印加されていないので、進退軸85bは、前記支持バネ84の付勢力にそのまま従い、図9に示すように、本体部85a内に押し込められる。すると、図に示すように、超音波振動子81は、回動軸83を軸として傾いた状態となり、超音波振動子81から送信される超音波ビームの超音波反射ミラー72への入射角が変化し、この超音波反射ミラー72から出射される超音波ビームの方向は、図中の方向αへ傾く。つまり、超音波ビームの走査範囲が方向αへ偏向される。
【0025】
次に、図10を使用して、マイクロシリンダ85に電圧を印加した場合の作用を説明する。前記マイクロシリンダ85に電圧を印加すると、進退軸85bは本体部85aから伸び出す方向に力を受け、前記支持バネ84の付勢力に対抗する方向に、超音波振動子81を回動させる。図は、進退軸85bが最も伸び出した状態を示している。すると、超音波ビームの超音波反射ミラー72への入射角が変化し、この超音波反射ミラー72から出射される超音波ビームの方向は、図中の方向βへ傾く。つまり、超音波ビームの走査範囲が、図9に示す方向αとは反対の方向βへ偏向される。
【0026】
また、制御信号ケーブル87を介してマイクロシリンダ85に印加する電圧を調節することにより、超音波ビームの走査範囲を方向αと方向βの間の任意の方向に偏向させることができる。これにより、処置具導出口61から導出される穿刺針等の処置具が湾曲した場合でも、超音波ビームの走査範囲を偏向させることで、処置具の位置に超音波ビームを照射することができる。このとき、超音波振動子81の開口面の幅は一定であるので、超音波ビームのビーム幅は略一定に維持されている。
【0027】
以上説明した本実施の形態によれば、マイクロシリンダ85に印加する電圧を調節することで、超音波ビームの走査範囲を偏向させることができ、また、超音波ビームの走査範囲を偏向させてもビーム幅は概ね一定に維持されるので、超音波ビームの分解能の劣化を防止できる。つまり、本実施の形態に係る機械走査式の超音波プローブ51においても、第1の実施の形態に係る電子走査式の超音波プローブ1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0028】
なお、本発明は、上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
例えば、前述したように、超音波プローブは、電子走査式であっても機械走査式であってもよい。
また、例えば、超音波プローブ1の走査方式は、リニア走査に限らず、セクタ走査であってもよい。このとき、超音波素子15に与える信号の位相を制御するいわゆる位相制御型の構成とすることでセクタ走査を行ってもよいし、超音波振動子アレイ14の開口面形状を凸型にするいわゆるコンベックス型の構成とすることでセクタ走査を行ってもよい。
また、例えば、偏向制御回路22は、超音波素子15と電子スイッチ23との間に設ける代わりに、超音波素子15とグランドとの間に設けてもよい。これにより、偏向制御回路は1つで済む。
【0029】
[付記]
(付記項1−1)
体腔内等へ挿入する挿入部の先端部に設けられ、超音波ビームを送受信する超音波送受信手段と、
前記超音波送受信手段による超音波ビームの走査範囲に向けて穿刺針等の処置具を導出可能な処置具導出口とを備える超音波プローブにおいて、
前記超音波送受信手段による超音波ビームの走査範囲を偏向する超音波偏向手段を備えたことを特徴とする超音波プローブ。
【0030】
(付記項1−2)
付記項1−1に記載の超音波プローブであって、
前記超音波送受信手段による超音波ビームの走査範囲の偏向方向を偏向範囲の略中央に向けた際に、前記処置具導出口から湾曲せずに導出される前記処置具の先端は超音波ビームの走査範囲内に位置する。
【0031】
(付記項1−3)
付記項1−1に記載の超音波プローブであって、
超音波ビームの走査範囲を偏向させた際に、超音波ビームのビーム幅が略一定に維持される。
【0032】
(付記項2−1)
付記項1−1に記載の超音波プローブであって、
前記超音波送受信手段は、走査方向である第1の方向及び前記第1の方向に略直交する第2の方向に配列された略矩形の複数の超音波素子を有する。
【0033】
(付記項2−2)
付記項2−1に記載の超音波プローブであって、
前記第1の方向は、前記挿入部の挿入方向と略同方向である。
【0034】
(付記項2−3)
付記項2−1に記載の超音波プローブであって、
前記超音波偏向手段は、前記第2の方向の位置によって前記超音波素子に与える駆動信号の位相を選択的に遅延させることで、超音波ビームを偏向させる。
【0035】
(付記項2−4)
付記項2−1に記載の超音波プローブであって、
前記処置具導出口から湾曲せずに導出された処置具は、前記複数の超音波素子全体を前記第2の方向に略2分割し且つ前記複数の超音波素子の開口面に略垂直な平面の近傍に位置するように前記複数の超音波素子及び前記処置具導出口が配置されている。
【0036】
(付記項3−1)
付記項1−1に記載の超音波プローブであって、
前記超音波送受信手段は、超音波ビームを送受信する超音波振動子と、この超音波振動子による超音波ビームを反射しつつ回転する超音波反射手段を有する。(付記項3−2)
付記項3−1に記載の超音波プローブであって、
前記超音波偏向手段は、前記超音波反射手段に対する前記超音波振動子の向きを機械的に変更する手段を有する。
【0037】
(付記項3−3)
付記項3−2に記載の超音波プローブであって、
前記超音波振動子の向きを向きの偏向範囲の略中央にした際の前記超音波送受信手段による超音波ビームの走査範囲に、前記処置具導出口から湾曲せずに導出された処置具が位置するように前記超音波振動子と前記超音波反射手段と前記処置具導出口とが配置されている。
【0038】
(付記項4−1)
体腔内等へ挿入する挿入部の先端部に、超音波ビームを送受信する超音波送受信手段と穿刺針等の処置具を導出可能な処置具導出口とを設けた超音波プローブにおいて、
前記超音波送受信手段による超音波ビームの走査面を複数種類切り替える走査面切り替え手段を設けると共に、前記走査面の切り替え幅の中心面と前記処置具導出口中心軸が略同一平面内になるように配置したことを特徴とする超音波プローブ。
【0039】
(付記項4−2)
体腔内等へ挿入する挿入部の先端部に、複数の矩形超音波振動子を走査方向に並べた電子走査式超音波送受信手段と穿刺針等の処置具を導出可能な処置具導出口とを設けた超音波プローブにおいて、
前記処置具導出口を前記電子走査式超音波送受信手段の各前記矩形超音波振動子面に対して垂直で、且つ、走査幅方向の中心軸を通る面内と前記開口部中心軸が略同一となるように配し、更に、前記電気走査式超音波送受信手段を走査方向に平行な軸で複数列に分割し、隣り合う列の前記矩形超音波振動子に対して選択的に遅延可能な遅延回路を設けたことを特徴とする超音波プローブ
(付記項4−3)
体腔内等へ挿入する挿入部の先端部に、単一の超音波振動子から送信される超音波を機械的に走査する機械走査式超音波送受信手段と穿刺針等の処置具を導出可能な処置具導出口とを設けた超音波プローブにおいて、
前記処置具導出口を前記機械走査型超音波送受信手段による超音波の走査面と前記処置具導出口中心軸が略同一となるように配し、且つ、前記超音波振動子を前記走査面を偏向する方向に偏向可能としたことを特徴とする超音波プローブ。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、穿刺針等の処置具が湾曲した場合でもこの処置具の位置に超音波ビームを照射することができ、且つ超音波ビームの分解能の劣化を防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は超音波プローブの全体構成を示す説明図
【図2】先端部の構成を示す説明図
【図3】超音波ビームを走査するための構成を示す説明図
【図4】超音波ビームを偏向させるための構成を説明する説明図
【図5】穿刺針が湾曲している場合の作用を示す作用説明図で、(A)は先端部を前方から見た正面図、(B)は(A)の右側面図、(C)は(A)の平面図
【図6】図6ないし図10は本発明の第2の実施の形態に係り、図6は超音波プローブの全体構成を示す説明図
【図7】先端部の構成を示す一部断面図を含む説明図
【図8】超音波送受信ユニットの構成を示す断面図
【図9】超音波ビームを偏向させる際の作用を示す断面図
【図10】超音波ビームを図9とは反対側に偏向させる際の作用を示す断面図
【符号の説明】
1…超音波プローブ
2…挿入部
5…先端部
9…処置具導出口
10…超音波ヘッド
14…超音波振動子アレイ
15…超音波素子
21…超音波レンズ
22…偏向制御回路
23…電子スイッチ
24…駆動回路
31…偏向切替スイッチ
32…遅延回路
41…穿刺針
51…超音波プローブ
52…挿入部
57…先端部
61…処置具導出口
65…超音波ヘッド
71…超音波送受信ユニット
72…超音波反射ミラー
74…ベベルギヤ
81…超音波振動子
83…回動軸
84…支持バネ
85…マイクロシリンダ

Claims (2)

  1. 体腔内等へ挿入する挿入部と、
    前記挿入部の先端部に設けられた、処置具を導出可能な処置具導出口と、
    前記挿入部の先端部において前記処置具導出口より先端側に配設された、超音波ビームを送受信する超音波送受信ヘッドと、
    前記超音波送受信ヘッドの開口面に配設された超音波振動子アレイであって、前記挿入部の先端部の挿入方向に複数個並設された超音波振動子群を、当該挿入方向に平行な軸に沿って3列に配設して構成された超音波振動子アレイと、
    前記超音波振動子アレイにおける前記3列のうち、中央の列の超音波振動子群には第1の遅延時間を有する第1の遅延回路を接続可能とし、両側の2列の超音波振動子群には前記第1の遅延時間より長い第2の遅延時間を有する第2の遅延回路を接続可能とすることで、前記超音波振動子アレイにおける前記3列各列の超音波振動子群に供給する駆動信号の遅延時間を制御し、超音波ビームの走査範囲の方向を、ビーム幅を一定に維持しながら偏向可能とする偏向制御手段と、
    を具備し、
    前記偏向制御手段は、前記3列の超音波振動子群に対していずれの遅延回路も介さずに駆動信号を供給することにより前記超音波ビームの走査範囲の方向を偏向させない第1のモードと、両側のいずれかの列の超音波振動子群に対して前記第2の遅延回路を介して駆動信号を供給すると共に前記中央の列の超音波振動子群に対して前記第1の遅延回路を介して駆動信号を供給し、さらに前記第2の遅延回路を介して駆動信号を供給する列とは反対側の列の超音波振動子群に対しては遅延回路を介さずに駆動信号を供給することにより前記超音波ビームの走査範囲の方向を、ビーム幅を一定に維持しながら偏向する第2のモードとに制御可能とする
    ことを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記処置具導出口は、前記超音波振動子アレイの挿入方向中心軸上に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
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