JP4248975B2 - 有機化合物分解触媒粒子及びそれを用いた有機化合物の分解方法 - Google Patents
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Description
一方、貴金属コロイドについても、その触媒性の観点から多くの研究がなされてきており、貴金属コロイドの合成に関しても多くの研究がなされている(非特許文献1、2等参照)。
チェルケビッチ、キム著、サイエンス(J.Turkevich and G.Kim, Science)169巻 873頁 (1970) トシマ、クシハシ、ヨネザワ、ヒミ著、ケミストリー・レターズ(N.Toshima, K.Kushihashi, T.Yonezawa and H.Himi, Chem.Lett.,)1769頁 (1989年)
また、従来のPt触媒は、Pt自体が極めて高価であることから、その用途がPt触媒の価格を問題にしないような分野に限定されてしまうという問題点もある。
一方、貴金属コロイドについても、その触媒性について多くの研究がなされているが、今後重要となってくると思われる500℃以下の低中温領域での貴金属コロイドの性質についての研究は、ほとんど行われていないのが現状である。
前記粒子の粒子径は、5nm以上かつ20nm以下であることが好ましい。
前記粒子は、金属酸化物に担持されていることが好ましい。
前記粒子は、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素を含む金属塩水溶液を還元してなることが好ましい。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の有機化合物分解触媒粒子は、1つの粒子中に、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)の群から選択された2種以上の元素を含有するものであり、選択された2種以上の元素の含有量は、それぞれが5重量%以上である。
ここで、1つの粒子中に、Au、Ag、Pdの群から選択された2種以上の元素を含有するとは、例えば、AuとAgを選択した場合、1つの粒子中に、Auを5重量%以上、Agを5重量%以上、それぞれ含有するという意味である。
その理由は、粒径が20nmを超えると表面積が小さくなるため、十分な量の有機物を吸着することができなくなるからであり、また、粒径が5nm未満では、粒子の表面における活性が高いために、化学的反応性に富んだものとなる一方、表面エネルギーの増大とともに不安定になるために、触媒反応温度での有機化合物分解触媒粒子同士の不必要な融着が生じる虞があるからである。
この有機化合物分解触媒粒子は、湿式、乾式を問わず製造することができるが、以下のような方法により製造するのが好適である。
まず、上記の有機化合物分解触媒粒子を構成する複数の貴金属元素それぞれの貴金属塩を含む水溶液を作成し、さらに、貴金属コロイドの分散安定剤を添加した後、この水溶液に水素化硼素ナトリウム等の還元剤を加え、含まれる貴金属塩を同時に還元することにより、容易かつ速やかに作製することができる。
この有機化合物の分解方法は、1つの粒子中に、Au、Ag、Pdの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有する有機化合物分解触媒粒子に、100℃以上かつ200℃以下の温度にて有機化合物を接触させ、該有機化合物を分解させる方法である。
カルボキシル基を有する有機化合物としては、カルボキシル基をその分子内に含有する有機化合物であればよく、低分子であるか、高分子であるかは問わず、酸化性雰囲気、不活性雰囲気のいずれにおいても分解することができる。
例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ジ(あるいはトリ)カルボン酸、不飽和脂肪酸、炭素環カルボン酸、複素環カルボン酸、あるいはこれらの塩等を効率よく分解することができる。
飽和脂肪族ジ(あるいはトリ)カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等が挙げられる。
炭素環カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
複素環カルボン酸としては、ニコチン酸、イソニコチン酸等が挙げられる。
下記の5種類の有機化合物分解触媒粒子を合成した。
(A)Ag−PdコロイドによるAg−Pd触媒粒子(1)の合成
(Ag:Pd=50:50)
AgNO3とPd(NO3)2水溶液を所定量混合して金属成分であるAg及びPdの総量が0.03wt%の水溶液を作製し、さらに、Ag及びPdの総量に対してクエン酸3ナトリウム2水和物を等モル量となるように添加・溶解して原料用水溶液とした。
一方、NaBH4の含有量が原料用水溶液のAg及びPdの総量に対して0.5モル量となるように、このNaBH4を純水に溶解し還元用水溶液を作製した。
次いで、この反応溶液の還元反応を促進させた。この還元反応は、上記の反応溶液を30分間、40℃に保ったまま撹拝して反応を促進させた。
反応終了後、この反応溶液を限外ろ過モジュール(旭化成社製)を用いて濃縮・脱イオン処理を行い、約30倍に濃縮した。この濃縮した反応溶液からフリーズドドライ法により固形分を採取した。
以上により、1つの粒子が、AgとPdからなり、その割合が50:50であるAg−Pd触媒粒子(1)を得た。
(Au:Pd=50:50)
Au源としてHAuCl4水溶液、Pd源としてPd(NO3)2水溶液を用いた以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAuとPdからなり、その割合が50:50であるAu−Pd触媒粒子(1)を得た。
(Au:Ag=50:50)
Au源としてNa3Au(SO3)2水溶液、Ag源としてAgNO3水溶液を用いた以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAuとAgからなり、その割合が50:50であるAu−Ag触媒粒子(1)を得た。
(Ag:Pd=75:25)
Ag源としてAgNO3水溶液、Pd源としてPd(NO3)2水溶液を用い、その比をAg:Pd=75:25とした以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAgとPdからなり、その割合が75:25であるAg−Pd触媒粒子(2)を得た。
(Ag:Pd=25:75)
Ag源としてAgNO3水溶液、Pd源としてPd(NO3)2水溶液を用い、その比をAg:Pd=25:75とした以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAgとPdからなり、その割合が25:75であるAg−Pd触媒粒子(3)を得た。
上記の5種類の有機化合物分解触媒粒子(Ag−Pd触媒粒子(1)〜Ag−Pd触媒粒子(3))を用いて有機化合物の分解を行った。
(実施例1)
クエン酸水溶液に上記(A)で得られたAg−Pd触媒粒子(1)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
上記(A)で得られたAg−Pd触媒粒子(1)を、酸化アルミニウム粒子100重量部に対し1重量部担持させた。
次いで、クエン酸水溶液に、この酸化アルミニウム粒子に担持されたAg−Pd触媒粒子(1)を添加し、この酸化アルミニウム粒子に担持されたAg−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
クエン酸水溶液に上記(A)で得られたAg−Pd触媒粒子(1)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
クエン酸水溶液に上記(B)で得られたAu−Pd触媒粒子(1)を添加し、このAu−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Au−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
クエン酸水溶液に上記(C)で得られたAu−Ag触媒粒子(1)を添加し、このAu−Ag触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Au−Ag触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
クエン酸水溶液に上記(D)で得られたAg−Pd触媒粒子(2)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(2)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(2)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
クエン酸水溶液に上記(E)で得られたAg−Pd触媒粒子(3)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(3)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(3)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
吸着する有機化合物をクエン酸からシュウ酸ナトリウム(カルボン酸塩)に変更した以外は、実施例1と同様にして、Ag−Pd触媒粒子(1)に、シュウ酸ナトリウムを、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のシュウ酸ナトリウムが吸着していた。
なお、通常の状態でのシュウ酸ナトリウムの分解温度は300℃以上である。
吸着する有機化合物をクエン酸から酒石酸に変更した以外は、実施例1と同様にして、Ag−Pd触媒粒子(1)に、酒石酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部の酒石酸が吸着していた。
なお、通常の状態では、酒石酸は206℃から分解を開始するため、206℃以上の温度でないと分解しない。
クエン酸水溶液にAgコロイド粒子を添加し、このAgコロイド粒子に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag粒子100重量部に対し5重量部のクエン酸が吸着していた。
その後、熱分析装置を用いて、この試料を、空気中、常圧にて加熱し、クエン酸の酸化分解が始まる温度を求めた。その結果、320℃まで温度を上げないと、クエン酸の酸化分解反応が始まらないことが確認された。
クエン酸水溶液にPdコロイド粒子を添加し、このPdコロイド粒子に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Pd粒子100重量部に対し5重量部のクエン酸が吸着していた。
その後、熱分析装置を用いて、この試料を、空気中、常圧にて加熱し、クエン酸の酸化分解が始まる温度を求めた。その結果、300℃まで温度を上げないと、クエン酸の酸化分解反応が始まらないことが確認された。
クエン酸水溶液にAuコロイド粒子を添加し、このAuコロイド粒子に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Au粒子100重量部に対し5重量部のクエン酸が吸着していた。
その後、熱分析装置を用いて、この試料を、空気中、常圧にて加熱し、クエン酸の酸化分解が始まる温度を求めた。その結果、340℃まで温度を上げないと、クエン酸の酸化分解反応が始まらないことが確認された。
Claims (5)
- カルボキシル基を含む有機化合物を200℃以下の温度下にて分解する触媒粒子であって、
1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有してなることを特徴とする有機化合物分解触媒粒子。 - 前記粒子の粒子径は、5nm以上かつ20nm以下であることを特徴とする請求項1記載の有機化合物分解触媒粒子。
- 前記粒子は、金属酸化物に担持されていることを特徴とする請求項1または2記載の有機化合物分解触媒粒子。
- 前記粒子は、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素を含む金属塩水溶液を還元してなることを特徴とする請求項1、2または3記載の有機化合物分解触媒粒子。
- 1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有する有機化合物分解触媒粒子に、100℃以上かつ200℃以下の温度にてカルボキシル基を含む有機化合物を接触させ、該有機化合物を分解させることを特徴とする有機化合物の分解方法。
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