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JP4248975B2 - 有機化合物分解触媒粒子及びそれを用いた有機化合物の分解方法 - Google Patents
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有機化合物分解触媒粒子及びそれを用いた有機化合物の分解方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機化合物分解触媒粒子及びそれを用いた有機化合物の分解方法に関し、更に詳しくは、有機化合物の酸化分解反応等に触媒として用いて好適であり、しかも安価な有機化合物分解触媒粒子、及び、この有機化合物分解触媒粒子を用いた有機化合物の分解方法に関するものである。
従来、例えば、排ガス中に含まれる有機化合物を酸化触媒を利用して分解除去することが行われており、この酸化触媒としては、従来より白金(Pt)触媒が多く用いられている。
一方、貴金属コロイドについても、その触媒性の観点から多くの研究がなされてきており、貴金属コロイドの合成に関しても多くの研究がなされている(非特許文献1、2等参照)。
チェルケビッチ、キム著、サイエンス(J.Turkevich and G.Kim, Science)169巻 873頁 (1970) トシマ、クシハシ、ヨネザワ、ヒミ著、ケミストリー・レターズ(N.Toshima, K.Kushihashi, T.Yonezawa and H.Himi, Chem.Lett.,)1769頁 (1989年)
しかしながら、従来のPt触媒は、有機化合物の酸化分解、特にカルボキシル基を有する有機化合物の分解には、200℃を超える高温が必要であり、必要なエネルギーの観点、及び、触媒の寿命の観点から、より低温度で有機化合物を酸化分解できる触媒、及び、有機化合物の分解方法が求められていた。
また、従来のPt触媒は、Pt自体が極めて高価であることから、その用途がPt触媒の価格を問題にしないような分野に限定されてしまうという問題点もある。
一方、貴金属コロイドについても、その触媒性について多くの研究がなされているが、今後重要となってくると思われる500℃以下の低中温領域での貴金属コロイドの性質についての研究は、ほとんど行われていないのが現状である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、有機化合物、特にカルボキシル基を有する有機化合物を200℃以下の温度にて酸化分解することができ、しかも、白金に比べて安価な貴金属粒子を用いることができる有機化合物分解触媒粒子及びそれを用いた有機化合物の分解方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含む粒子が、有機化合物、特にカルボキシル基を含む有機化合物を200℃以下にて酸化分解し得ることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機化合物分解触媒粒子は、カルボキシル基を含む有機化合物を200℃以下の温度下にて分解する触媒粒子であって、1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有してなることを特徴とする。
前記粒子の粒子径は、5nm以上かつ20nm以下であることが好ましい。
前記粒子は、金属酸化物に担持されていることが好ましい。
前記粒子は、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素を含む金属塩水溶液を還元してなることが好ましい。
本発明の有機化合物の分解方法は、1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有する有機化合物分解触媒粒子に、100℃以上かつ200℃以下の温度にてカルボキシル基を含む有機化合物を接触させ、該有機化合物を分解させることを特徴とする。
本発明の有機化合物分解触媒粒子によれば、1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有するので、200℃以下の低中温領域においてもカルボキシル基を含む有機化合物を分解することができる。しかも、白金より安価な金属である金、銀、パラジウムを用いたので、触媒の低価格を図ることができ、工業上非常に有益なものとなる。
本発明の有機化合物の分解方法によれば、1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有する有機化合物分解触媒粒子に、100℃以上かつ200℃以下の温度にてカルボキシル基を含む有機化合物を接触させ、該有機化合物を分解させるので、200℃以下の低中温領域においてもカルボキシル基を含む有機化合物を容易かつ速やかに分解することができる。
本発明の有機化合物分解触媒粒子及びそれを用いた有機化合物の分解方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[有機化合物分解触媒粒子]
本発明の有機化合物分解触媒粒子は、1つの粒子中に、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)の群から選択された2種以上の元素を含有するものであり、選択された2種以上の元素の含有量は、それぞれが5重量%以上である。
これらの元素は、1つの粒子中に共存していることが必要であるが、これらの元素は合金化されていても、されていなくても、どちらでもよい。また、選択された2種以上の元素の含有量は、それぞれが20重量%以上であることがより好ましい。
ここで、1つの粒子中に、Au、Ag、Pdの群から選択された2種以上の元素を含有するとは、例えば、AuとAgを選択した場合、1つの粒子中に、Auを5重量%以上、Agを5重量%以上、それぞれ含有するという意味である。
この有機化合物分解触媒粒子は、1つの粒子中に、Au、Ag、Pdの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有するものであればよく、他の成分は特に限定されないが、Au、Ag、Pdの群から選択された2種以上の元素のみからなることが好ましい。
この有機化合物分解触媒粒子は、所定の粒子径の範囲で最大(もしくは極大)の触媒活性を示すものが好ましく、この観点から、粒子径は、5nm以上かつ20nm以下が好ましく、より好ましくは、5nm以上かつ10nm以下である。
その理由は、粒径が20nmを超えると表面積が小さくなるため、十分な量の有機物を吸着することができなくなるからであり、また、粒径が5nm未満では、粒子の表面における活性が高いために、化学的反応性に富んだものとなる一方、表面エネルギーの増大とともに不安定になるために、触媒反応温度での有機化合物分解触媒粒子同士の不必要な融着が生じる虞があるからである。
この有機化合物分解触媒粒子は、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、安定化した酸化ジルコニウム(安定化ジルコニア)等の金属酸化物に担持させて使用することもできる。この場合、この有機化合物分解触媒粒子を、酸化アルミニウム(アルミナ)等の金属酸化物担体に対して1重量%以上担持させれば、有機化合物を酸化分解する触媒として使用することができる。
[有機化合物分解触媒粒子の製造方法]
この有機化合物分解触媒粒子は、湿式、乾式を問わず製造することができるが、以下のような方法により製造するのが好適である。
まず、上記の有機化合物分解触媒粒子を構成する複数の貴金属元素それぞれの貴金属塩を含む水溶液を作成し、さらに、貴金属コロイドの分散安定剤を添加した後、この水溶液に水素化硼素ナトリウム等の還元剤を加え、含まれる貴金属塩を同時に還元することにより、容易かつ速やかに作製することができる。
[有機化合物の分解方法]
この有機化合物の分解方法は、1つの粒子中に、Au、Ag、Pdの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有する有機化合物分解触媒粒子に、100℃以上かつ200℃以下の温度にて有機化合物を接触させ、該有機化合物を分解させる方法である。
有機化合物を接触させる条件としては、上記の有機化合物分解触媒粒子に200℃以下の温度下で有機化合物を接触させれば十分であり、分解の際の雰囲気としては、酸化性雰囲気、不活性雰囲気のいずれも適用することができる。特に、不活性雰囲気の場合、酸素が存在しないにもかかわらず、酸化分解反応を好適に生じさせることができる。また、その際、コンプレッサ等の空気圧縮機等を用いて加圧する必要はなく、常圧下で十分に有機化合物の酸化分解反応を生じさせることができる。
特に、カルボキシル基を有する有機化合物の場合、200℃以下の温度下で、常圧で、分解の際の雰囲気中に酸素が存在しなくても、好適に酸化分解を行うことができる。
カルボキシル基を有する有機化合物としては、カルボキシル基をその分子内に含有する有機化合物であればよく、低分子であるか、高分子であるかは問わず、酸化性雰囲気、不活性雰囲気のいずれにおいても分解することができる。
例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ジ(あるいはトリ)カルボン酸、不飽和脂肪酸、炭素環カルボン酸、複素環カルボン酸、あるいはこれらの塩等を効率よく分解することができる。
飽和脂肪族モノカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
飽和脂肪族ジ(あるいはトリ)カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等が挙げられる。
不飽和脂肪酸としては、アクリル酸、ポリアクリル酸、プロピオン酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
炭素環カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
複素環カルボン酸としては、ニコチン酸、イソニコチン酸等が挙げられる。
以下、実施例1〜9及び比較例1〜3により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[有機化合物分解触媒粒子の合成]
下記の5種類の有機化合物分解触媒粒子を合成した。
(A)Ag−PdコロイドによるAg−Pd触媒粒子(1)の合成
(Ag:Pd=50:50)
AgNOとPd(NO水溶液を所定量混合して金属成分であるAg及びPdの総量が0.03wt%の水溶液を作製し、さらに、Ag及びPdの総量に対してクエン酸3ナトリウム2水和物を等モル量となるように添加・溶解して原料用水溶液とした。
一方、NaBHの含有量が原料用水溶液のAg及びPdの総量に対して0.5モル量となるように、このNaBHを純水に溶解し還元用水溶液を作製した。
次いで、上記の原料用水溶液を40℃に加温した後、この原料用水溶液に還元用水溶液を5分間掛けて滴下させ、反応溶液を作製した。
次いで、この反応溶液の還元反応を促進させた。この還元反応は、上記の反応溶液を30分間、40℃に保ったまま撹拝して反応を促進させた。
反応終了後、この反応溶液を限外ろ過モジュール(旭化成社製)を用いて濃縮・脱イオン処理を行い、約30倍に濃縮した。この濃縮した反応溶液からフリーズドドライ法により固形分を採取した。
以上により、1つの粒子が、AgとPdからなり、その割合が50:50であるAg−Pd触媒粒子(1)を得た。
(B)Au−PdコロイドによるAu−Pd触媒粒子(1)の合成
(Au:Pd=50:50)
Au源としてHAuCl水溶液、Pd源としてPd(NO水溶液を用いた以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAuとPdからなり、その割合が50:50であるAu−Pd触媒粒子(1)を得た。
(C)Au−AgコロイドによるAu−Ag触媒粒子(1)の合成
(Au:Ag=50:50)
Au源としてNaAu(SO水溶液、Ag源としてAgNO水溶液を用いた以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAuとAgからなり、その割合が50:50であるAu−Ag触媒粒子(1)を得た。
(D)Ag−PdコロイドによるAg−Pd触媒粒子(2)の合成
(Ag:Pd=75:25)
Ag源としてAgNO水溶液、Pd源としてPd(NO水溶液を用い、その比をAg:Pd=75:25とした以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAgとPdからなり、その割合が75:25であるAg−Pd触媒粒子(2)を得た。
(E)Ag−PdコロイドによるAg−Pd触媒粒子(3)の合成
(Ag:Pd=25:75)
Ag源としてAgNO水溶液、Pd源としてPd(NO水溶液を用い、その比をAg:Pd=25:75とした以外は、上記(A)のAg−Pd触媒粒子(1)の合成と同様にして、1つの粒子がAgとPdからなり、その割合が25:75であるAg−Pd触媒粒子(3)を得た。
[有機化合物の分解]
上記の5種類の有機化合物分解触媒粒子(Ag−Pd触媒粒子(1)〜Ag−Pd触媒粒子(3))を用いて有機化合物の分解を行った。
(実施例1)
クエン酸水溶液に上記(A)で得られたAg−Pd触媒粒子(1)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
この試料を、空気中、140℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を熱分析装置により確認したところ、炭素成分の残存は認められず、クエン酸が完全に酸化分解していることが確認された。なお、通常の状態でのクエン酸の分解温度は350℃である。
(実施例2)
上記(A)で得られたAg−Pd触媒粒子(1)を、酸化アルミニウム粒子100重量部に対し1重量部担持させた。
次いで、クエン酸水溶液に、この酸化アルミニウム粒子に担持されたAg−Pd触媒粒子(1)を添加し、この酸化アルミニウム粒子に担持されたAg−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
この試料を、空気中、180℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を実施例1と同様にして確認したところ、炭素成分の残存は認められず、クエン酸が完全に酸化分解していることが確認された。
(実施例3)
クエン酸水溶液に上記(A)で得られたAg−Pd触媒粒子(1)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
この試料を、空気中、200℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を実施例1と同様にして確認したところ、炭素成分の残存は認められず、クエン酸が完全に酸化分解していることが確認された。
(実施例4)
クエン酸水溶液に上記(B)で得られたAu−Pd触媒粒子(1)を添加し、このAu−Pd触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Au−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
この試料を、空気中、180℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を実施例1と同様にして確認したところ、炭素成分の残存は認められず、クエン酸が完全に酸化分解していることが確認された。
(実施例5)
クエン酸水溶液に上記(C)で得られたAu−Ag触媒粒子(1)を添加し、このAu−Ag触媒粒子(1)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Au−Ag触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
この試料を、空気中、200℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を実施例1と同様にして確認したところ、炭素成分の残存は認められず、クエン酸が完全に酸化分解していることが確認された。
(実施例6)
クエン酸水溶液に上記(D)で得られたAg−Pd触媒粒子(2)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(2)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(2)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
この試料を、空気中、150℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を実施例1と同様にして確認したところ、炭素成分の残存は認められず、クエン酸が完全に酸化分解していることが確認された。
(実施例7)
クエン酸水溶液に上記(E)で得られたAg−Pd触媒粒子(3)を添加し、このAg−Pd触媒粒子(3)に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(3)100重量部に対し約5重量部のクエン酸が吸着していた。
この試料を、空気中、180℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を実施例1と同様にして確認したところ、炭素成分の残存は認められず、クエン酸が完全に酸化分解していることが確認された。
(実施例8)
吸着する有機化合物をクエン酸からシュウ酸ナトリウム(カルボン酸塩)に変更した以外は、実施例1と同様にして、Ag−Pd触媒粒子(1)に、シュウ酸ナトリウムを、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部のシュウ酸ナトリウムが吸着していた。
この試料を、空気中、150℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を熱分析装置により確認したところ、炭素成分の残存は認められず、シュウ酸ナトリウムのうちの有機成分(オキサリル:カルボキシル基)が完全に酸化分解していることが確認された。
なお、通常の状態でのシュウ酸ナトリウムの分解温度は300℃以上である。
(実施例9)
吸着する有機化合物をクエン酸から酒石酸に変更した以外は、実施例1と同様にして、Ag−Pd触媒粒子(1)に、酒石酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag−Pd触媒粒子(1)100重量部に対し約5重量部の酒石酸が吸着していた。
この試料を、空気中、160℃、常圧にて、10分間、放置したところ、二酸化炭素と水がほぼ量論量、気体として発生した。残った試料の炭素成分の残存量を熱分析装置により確認したところ、炭素成分の残存は認められず、酒石酸が完全に酸化分解していることが確認された。
なお、通常の状態では、酒石酸は206℃から分解を開始するため、206℃以上の温度でないと分解しない。
(比較例1)
クエン酸水溶液にAgコロイド粒子を添加し、このAgコロイド粒子に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Ag粒子100重量部に対し5重量部のクエン酸が吸着していた。
その後、熱分析装置を用いて、この試料を、空気中、常圧にて加熱し、クエン酸の酸化分解が始まる温度を求めた。その結果、320℃まで温度を上げないと、クエン酸の酸化分解反応が始まらないことが確認された。
(比較例2)
クエン酸水溶液にPdコロイド粒子を添加し、このPdコロイド粒子に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Pd粒子100重量部に対し5重量部のクエン酸が吸着していた。
その後、熱分析装置を用いて、この試料を、空気中、常圧にて加熱し、クエン酸の酸化分解が始まる温度を求めた。その結果、300℃まで温度を上げないと、クエン酸の酸化分解反応が始まらないことが確認された。
(比較例3)
クエン酸水溶液にAuコロイド粒子を添加し、このAuコロイド粒子に、クエン酸を、水溶液中にて吸着させた。
その後、遠心分離を施し、固形分を分離して採取し、風乾させた。
この乾燥した試料においては、Au粒子100重量部に対し5重量部のクエン酸が吸着していた。
その後、熱分析装置を用いて、この試料を、空気中、常圧にて加熱し、クエン酸の酸化分解が始まる温度を求めた。その結果、340℃まで温度を上げないと、クエン酸の酸化分解反応が始まらないことが確認された。
本発明の有機化合物分解触媒粒子は、有機化合物、特にカルボキシル基を有する有機化合物を200℃以下の温度にて酸化分解することができ、しかも、白金に比べて安価な貴金属粒子を用いることができるものであるから、排ガス中に含まれる有機化合物を分解除去するための触媒として用いるのはもちろんのこと、その他の工業用触媒としても有用である。

Claims (5)

  1. カルボキシル基を含む有機化合物を200℃以下の温度下にて分解する触媒粒子であって、
    1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有してなることを特徴とする有機化合物分解触媒粒子。
  2. 前記粒子の粒子径は、5nm以上かつ20nm以下であることを特徴とする請求項1記載の有機化合物分解触媒粒子。
  3. 前記粒子は、金属酸化物に担持されていることを特徴とする請求項1または2記載の有機化合物分解触媒粒子。
  4. 前記粒子は、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素を含む金属塩水溶液を還元してなることを特徴とする請求項1、2または3記載の有機化合物分解触媒粒子。
  5. 1つの粒子中に、金、銀、パラジウムの群から選択された2種以上の元素をそれぞれ5重量%以上含有する有機化合物分解触媒粒子に、100℃以上かつ200℃以下の温度にてカルボキシル基を含む有機化合物を接触させ、該有機化合物を分解させることを特徴とする有機化合物の分解方法。
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