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JP4249094B2 - 薄膜状微粒子集積体の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、各種光学部品、光集積回路などに有用であり、フォトニック結晶としても利用可能である薄膜状微粒子集積体の製造方法に関するものである。
微粒子の自己集積現象を利用した微粒子集積体の形成方法の先行技術として、永山国昭氏は、自己集積現象を利用した微粒子集積体の製造方法に関わる一連の特許を出願している(特許文献1〜7)。
また、厚膜で、大面積を実現した製造方法に関わるものとしては、Vicki L. ColvinやYurii A.Vlasovの研究成果が有名であり、彼らの代表的な論文としては、非特許文献1および2が挙げられる。
神奈川県地域結集型共同研究事業(KAST)の佐藤グループでも微粒子の自己集積現象を利用した微粒子集積体の製造に取り組んでおり、対向させた二つの基板間に微粒子を自己集積させて微粒子集積体を形成する方法については、平成12年度研究成果「外場応答性フォトニック結晶の作製と評価」に報告され、これと同様の内容は、非特許文献3で確認することができる。
微粒子分散液に、濡れ性のよい基板を立てた状態で浸した後に、基板を微粒子分散液から徐々に引き上げていく引き上げ法についても、非特許文献4に、KASTから報告がなされている。
特に特許文献1は、微粒子の分散液を基板に接触させて、雰囲気、基板、分散液によって作られる3相接触線にあるメニスカス先端部を掃引・移動させることによって、薄膜状微粒子集積体を形成する際に、メニスカス先端部の移動速度、微粒子の体積分率、液体蒸発速度をパラメータとして、薄膜状微粒子集積体の微粒子密度及び微粒子総数を制御するという発明である。
特許第2828386号公報 特許第2783487号公報 特許第2828374号公報 特許第2828375号公報 特許第2834416号公報 特許第2905712号公報 特開平8−229474号公報 Vicki L. Colvin等の"Single−Crystal Colloidal Multilayers of Controlled bbbThickness"(Chem.Mater.1999.11,2132−2140) Yurii A.Vlasov外3名著,"On−chip natural assembly of silicon photonic bandgap crystals"「Nature」,2001年11月15日,Vol.414, p.289−293 顧 忠沢、"機能性フォトニック結晶の構築"、[online]、[平成16年6月10日検索]、インターネット<URL:http://www.kast.or.jp/kenkyu/seika/h15/sato_2.pdf> Chem.Mater.2002,14,760−765
上述したように、微粒子の自己集積現象の研究と、この現象を利用した微粒子集積体の形成方法に関する基本的な発明は、永山国昭氏等によってなされている。特に、特許文献1では、薄膜状微粒子集積体を形成する際に、メニスカス先端部の移動速度、微粒子の体積分率、液体蒸発速度をパラメータとして、薄膜状微粒子集積体の微粒子密度及び微粒子総数を制御するという発明であり、本発明の上位概念として位置づけられると考えられる。
しかしながら、特許文献1は、永山国昭氏等の基本的な研究成果を特許として権利化したものであり、原理的・基本的なものを述べているにすぎない。特許文献1の要求する条件を実際に実現する方法は、依然として課題であり、工業的に意味のある大結晶の薄膜状微粒子集積体を得る方法は、依然として、研究開発の対象分野となっている。このことは、特許文献1の後に発表されている非特許文献1あるいは非特許文献4においても、永山国昭氏等の研究結果を引用しつつも、自分たちの成膜方法について報告し、議論がなされていることからもわかる。
以上、説明したように、実際に大面積の薄膜状微粒子集積体を得る方法は、現在でも、依然として、充分に解決されていない課題となっている。
次に、自己集積現象を利用した薄膜状微粒子集積体の形成方法の現状と課題について説明する。自由表面の基板上において、微粒子の自己集積現象により薄膜状微粒子集積体を形成する方法は、Vicki L. ColvinやYurii A.Vlasovが取り組んでいる、いわゆるConvective Self−Assembly 法と、KASTなどで行われている引き上げ法に大別することができる。
Convective Self−Assembly法は、微粒子分散液に、濡れ性のよい基板を立てた状態で浸し、微粒子分散液が蒸発して、微粒子分散液の濡れ界面が基板上で後退していった跡に微粒子配列薄膜が形成されるという方法である(図7)。引き上げ法は、微粒子分散液に、濡れ性のよい基板を立てた状態で浸した後に、基板を微粒子分散液から徐々に引き上げていくという方法である(図8)。
どちらの方法も、微粒子の自己集積現象を利用して、面心立方構造を有する微粒子集積体を比較的容易に得ることができるが、微粒子の自己集積現象を利用した薄膜状微粒子集積体の形成方法は、微粒子が分散した原料液が乾く際に発生する微粒子同士の凝集力を利用しているため、薄膜状微粒子集積体の成長速度は分散媒の乾燥速度に支配されている。
また、Convective Self−Assembly法の場合には、その成長速度は、通常、0.1μm/s以下であるため、数cm程度の大きさを有する薄膜状微粒子集積体を形成しようとすれば、数日かかってしまう。引き上げ法の場合には、基板を機械的に微粒子分散液から引き上げるわけであるが、無制限に高速な引き上げ成長が可能なわけではなく、引き上げ法においても、微粒子の自己集積する速度自体は、分散媒の蒸発速度に支配されているため、微粒子が自己集積する条件の範囲内での速度でしか引き上げることができない。したがって、ある程度の厚さの薄膜状微粒子集積体を得ようとすれば、分散媒の乾燥による濡れ界面の後退速度と同程度の引き上げ速度となってしまい、やはり、製造には長時間を要してしまう。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、微粒子集積体の品質を落とすことなく、従来よりも短時間に、充分な膜厚を得ることができる、微粒子の自己集積を利用した薄膜状微粒子集積体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく様々な検討を重ねた結果、基板の一部と、微粒子を分散媒に分散させて得られた微粒子分散液とを接触させた後、基板、微粒子分散液、基板および微粒子分散液の雰囲気で作られるメニスカス先端部の3相接触線を掃引展開して移動する際に、基板の温度を微粒子分散液の温度より高くすることによって、上記課題を達成することを見出し、本発明をするに至った。
即ち、請求項1に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法は、基板の一部と、微粒子を分散媒に分散させて得られた微粒子分散液とを接触させた後、当該基板、当該微粒子分散液、当該基板および当該微粒子分散液の雰囲気で作られるメニスカス先端部の3相接触線を掃引展開して移動させて微粒子集積体を製造する薄膜状微粒子集積体の製造方法であって、前記基板の温度を前記微粒子分散液の温度よりも高くし、前記3相接触線の近傍に形成された基板表面の濡れ膜の任意の位置を複数本のビームで隣同士のビームの偏光状態を直交させて重ね合わることによって加熱の程度を変えて加熱することを特徴とする。
請求項2に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法は、請求項1に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法において、前記微粒子分散液の温度を、前記基板および前記微粒子分散液の雰囲気の温度よりも高くすることを特徴とする。
請求項3に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法は、請求項1に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法において、前記基板および前記微粒子分散液の雰囲気の温度を、前記基板の温度以上にすることを特徴とする。
請求項に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法は、請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法において、前記加熱は、エネルギービーム発生装置を用いることを特徴とする。
請求項1に記載する薄膜状微粒子集積体の製造方法では、基板の温度が微粒子分散液の温度よりも高いため、基板表面の濡れ膜からの蒸発が微粒子分散液の液溜めからの蒸発よりも優勢となり、大きな成長速度を得ることができ、微粒子集積体の品質を落とすことなく、従来よりも短時間に、充分な膜厚を得ることができる。
請求項2に記載する薄膜状微粒子集積体の製造方法では、微粒子分散液の温度が基板および微粒子分散液の雰囲気の温度よりも高いため、微粒子分散液の対流が活発となり、微粒子が微粒子分散液中で沈殿するのを効果的に抑制することができる。
請求項3に記載する薄膜状微粒子集積体の製造方法では、基板および微粒子分散液の雰囲気の温度が基板の温度以上であるため、基板の温度が微粒子分散液の温度よりも高いという温度条件を安定して実現することが可能である。
請求項4に記載する薄膜状微粒子集積体の製造方法では、前記3相接触線の近傍に形成された基板表面の濡れ膜の任意の位置を加熱するため、基板表面の濡れ膜の温度を容易に上昇させることができる。
請求項5に記載する薄膜状微粒子集積体の製造方法では、エネルギービーム発生装置で加熱するため、基板表面の濡れ膜の任意の位置またはその近傍の温度をより容易に上昇させることが可能となる。
請求項6に記載する薄膜状微粒子集積体の製造方法では、加熱の程度が形成された基板表面の濡れ膜の位置によって異なるため、加熱の程度が弱い領域から成長する薄膜状微粒子集積体中に欠陥を発生させることができ、加熱の程度が強い領域から成長する薄膜状微粒子集積体中の欠陥発生を防止することができる。
上述したように、微粒子6の自己集積現象を利用した薄膜状微粒子集積体8の形成方法では、薄膜状微粒子集積体8の成長速度は分散媒7の乾燥速度に支配される。
微粒子6の自己集積現象を説明する場合に用いられるDimitrovと永山国昭氏による理論(Langmuir1997,12,11303)に従うと、微粒子6の自己集積による薄膜形成において、k=βLjφ/(0.605dv(1−φ))という関係が成立する。ここで、k;粒子層数、v;粒子膜の成長速度、φ;微粒子6の体積分率、j;分散媒7の蒸発速度、L;基板1表面の濡れ膜の長さ、β;分散媒7中の粒子速度と流速との比、d;微粒子6の粒子径である(図2参照)。前記式は、v=βLjφ/(0.605dk(1−φ))と書き換えることができる。
このように、粒子膜の成長速度vは、分散媒7の蒸発速度jに比例する。前記の式からわかるように、成長速度vを大きくするためには、基板1表面の濡れ膜の長さLを大きくする(基板1表面の濡れをよくする)、分散媒7の蒸発速度jを大きくする、微粒子6の体積分率φを大きくする(粒子濃度を濃くする)といった方法がある。この点は、特許文献1に記載されている通りである。
しかしながら、実際には、基板1表面の濡れ膜の長さLを制御するのは難しいので、通常は、微粒子分散液2の濃度により制御する。また、基板1表面の温度条件を高くすることにより、分散媒7の蒸発速度jも大きくすることもできるが、普通に成長時の基板1表面の温度条件を上昇させただけでは、微粒子分散液2の液溜めからの蒸発も大きくなってしまうので、膜を成長している間に、微粒子分散液2の濃度が濃くなってしまい、成長条件は次第にずれる(図9)。
そこで本発明では、基板1の温度を微粒子分散液2の温度よりも高くした。これにより、微粒子分散液2の液溜めからの蒸発を防止しつつ、基板1表面の濡れ膜からの蒸発速度jを大きくして、大きな成長速度を実現することが可能となった(図1)。
基板1の温度を微粒子分散液2の温度よりも高くする条件を実現するためには、微粒子分散液2の温度を基板1および微粒子分散液2の雰囲気3の温度よりも高くするのは好ましい。微粒子分散液2の対流が活発となり、微粒子6が微粒子分散液2中で沈殿するのを効果的に抑制することができるからである。
なお、微粒子分散液2の温度が基板1および微粒子分散液2の雰囲気3の温度よりも高くする場合には、微粒子分散液2の入った容器に対して温度制御をかけてもよく、微粒子分散液2の近傍の基板1の温度を基板1および微粒子分散液2の雰囲気3の温度より高い温度にして、その結果微粒子分散液2の温度が基板1および微粒子分散液2の雰囲気3の温度よりも高くなってもよい。
基板1の温度を微粒子分散液2の温度よりも高くする条件を実現するためには、上述した方法以外に、基板1および微粒子分散液2の雰囲気の温度を基板1の温度以上にするのも好ましい。基板1の温度が微粒子分散液2の温度よりも高いという温度条件を安定して実現することが可能であるからである。
なお、基板1の温度を微粒子分散液2の温度よりも高くする場合には、基板1の温度を直接加熱してもよく、微粒子分散液2の温度と基板1および微粒子分散液2の雰囲気3の温度を管理した結果、基板1の温度が微粒子分散液2の温度よりも高くなってもよい。
基板1の温度を微粒子分散液2の温度よりも高くする条件を実現するためには、3相接触線9の近傍に形成された基板1表面の濡れ膜の任意の位置を加熱するのはより好ましい。基板1表面の濡れ膜の温度を容易に上昇させることができるからである。
ここにいう加熱は、エネルギービーム発生装置を用いるのがさらに好ましい。基板1表面の濡れ膜の温度をより容易に上昇させることができるからである。エネルギービーム発生装置としては、例えば、炭酸ガスレーザ照射装置15等が挙げられる。
またここにいう加熱は、基板1表面の濡れ膜の位置によって加熱の程度を変えるのがさらに好ましい。3相接触線9の近傍に形成された基板1表面の濡れ膜の任意の位置(以下、「薄膜状微粒子集積体8の成長フロント近傍」という。)への加熱にエネルギービーム発生装置を用いた特徴を活かし、薄膜状微粒子集積体8の成長フロント近傍において、加熱の程度が強い箇所と弱い箇所を作ることにより、加熱の程度が弱い領域27から成長する薄膜状微粒子集積体8中に欠陥を発生させ、加熱の程度が強い領域26から成長する薄膜状微粒子集積体8中の欠陥発生を防止することができるからである。
図7や図8に示した従来法や、図1や図3に示した本発明の方法で形成した薄膜状微粒子集積体8を顕微鏡で観察すると、通常、図5に示すような、成長方向に平行なバウンダリ20が見られる。こうしたバウンダリ20は、その発生する位置が、ランダムであるため、薄膜状微粒子集積体8をデバイス等に応用する場合には、都合がよくないことも生じうる。そこで、エネルギービーム発生装置による加熱の特徴を活かし、図6に示すような、加熱の程度が強い箇所と弱い箇所を作りだす。こうすることにより、加熱の程度が強い領域26に近い成長フロントは、分散媒7の蒸発速度が速く、ここと比較して、加熱の程度が弱い領域27に近い成長フロントは、分散媒7の蒸発速度が遅い状態を作り出すことができる。この結果、分散媒7の蒸発速度が速い位置から成長がはじまり、分散媒7の蒸発速度が遅い位置は、この後に成長することになり、加熱の程度が強い領域26から成長する薄膜状微粒子集積体8中には欠陥が発生せず、加熱の程度が弱い領域27から成長する薄膜状微粒子集積体8中に欠陥を集めることが可能になる(図6)。
基板1表面の濡れ膜の位置によって加熱の程度を変える方法としては、例えば、複数のエネルギービーム発生装置を用い、複数本のレーザービームを重ね合わせることにより、図6に示すような、加熱の程度が強い領域26と弱い領域27を形成することができる。レーザービームの重ね合わせを行う際には、隣同士のレーザービームの偏光状態を直交させると、きれいにレーザービームの重ねあわせを行うことができる。
以下、実施例により、詳細に説明する。
(実施例1)
微粒子分散液2の調製は以下のように行った。粒径300nmの球形状単分散シリカ粒子をエタノール分散媒させたものを遠心分離し、上澄み液を除去した後、沈殿物にエタノールを加え、球形状単分散シリカ粒子をエタノールに再度分散させた。この分散液に対し、同様に遠心分離を行い、上澄み液除去、エタノール添加、再分散を行う。以上の工程を3回行い、最終のエタノール添加の際に、粒子の濃度を5重量%に調整したものを微粒子分散液とした。
基板1は、まず、アセトン超音波洗浄を行い、この後に、濃硫酸と過酸化水素水の混合液に1時間浸漬し、純水ですすぎ(リンス)した後に、乾燥させたものを使用した。
引き上げ装置5は、温度T3=25℃に温度制御された雰囲気3内に配置した。また、引き上げ装置5は、一定速度での引き上げることの可能な駆動機構を有し、薄膜状微粒子集積体8の成長フロント近傍を加熱するための炭酸ガスレーザ照射装置15と薄膜状微粒子集積体8の成長フロント近傍の温度を計測するための放射温度計19、及び、放射温度計19の測定値を炭酸ガスレーザ照射装置15にフィードバックするためのフィードバック機構16を有するものであった。薄膜状微粒子集積体8の成長フロント近傍の温度をT1に制御した(図3)。
本実施例では、加熱のためのエネルギービーム発生装置として、炭酸ガスレーザを使用し、基板および微粒子分散液の雰囲気の温度T3=25℃中で、微粒子分散液の近傍の基板の温度をT1=50℃(T1>T3)に加熱して、微粒子分散液の温度を基板および微粒子分散液の雰囲気の温度T3より高い温度T2にした(T3<T2<T1)。なお、図3では、微粒子分散液を入れた容器の温度制御機構は記述していない。
以上に述べた微粒子分散液2、基板1、引き上げ装置5を用いて、基板1の一部を微粒子分散液2に図3に示すように接触させた後、引き上げ速度1.0μm/sで基板1を引き上げた。微粒子分散液2は、雰囲気3の温度である25℃よりもわずかに高い温度で、成長中、安定化した。
この条件で成長を行った結果、3時間で、長さ約1cmの薄膜状微粒子集積体8を得ることができた。
(実施例2)
微粒子分散液2と基板1は、実施例1と同様のものを使用した。
引き上げ装置5は、温度T3に温度制御された雰囲気3内に配置した。また、引き上げ装置5は、一定速度での引き上げることの可能な駆動機構を有し、微粒子分散液2の温度T2が基板1の温度T1よりも低くなるようにする冷却浴機構11を有するものを使用した。この冷却浴機構11は、微粒子分散液2の入った液溜容器をできる限り覆った形状とし、雰囲気から微粒子分散液が暖まらないようにした。また、液溜容器の上面は、微粒子分散液2の表面から蒸発を防止するため、基板1を引き上げる部分を除いて、覆い(蓋)12をした(図4)。
本実施例では、温度T3=50℃の雰囲気3で、微粒子分散液2の液溜容器を冷却するための冷却浴機構の温度調整を25℃の設定にし、微粒子分散液2の温度をT3より低い温度T2とした微粒子分散液2から基板1を引き上げた。微粒子分散液2から引き上げられた基板1の部分は、ただちに温度T3の雰囲気に暴露されるため、引き上げの最中には、薄膜状微粒子集積体8の成長フロント近傍の基板位置において、T2<T1≦T3となるT1で安定化した(図4)。
この条件で、図4に示すように、基板1の一部を微粒子分散液2に接触した後、引き上げ速度1.0μm/sにて基板1を引き上げた。
この条件成長をおこなうことにより、3時間で、長さ約1cmの薄膜状微粒子集積体8を得ることができた。
(実施例3)
微粒子分散液2と基板1は、実施例1と同様のものを使用した。引き上げ装置5は、図3とほぼ同様の構成のものを使用したが、加熱の程度が強い箇所と弱い箇所を作るため、炭酸ガスレーザ発生装置は複数本使用した。複数本のレーザービームを重ね合わせ、図6に示すような、加熱の程度が強い領域26と弱い領域27を形成した。
以上に述べた微粒子分散液2、基板1、引き上げ装置5を用いて、温度T3=25℃の雰囲気3の下で、薄膜状微粒子集積体8の成長フロント近傍における基板1の平均温度をT1=50℃に制御して、基板1を引き上げ速度1.0μm/sにて基板を引き上げた。微粒子分散液2の温度は、雰囲気3の温度である25℃よりもわずかに高い状態で、成長中、安定化した(T3<T2<T1)。
この条件で成長をおこなうことにより、3時間で、長さ約1cmの薄膜状微粒子集積体8を得ることができた。また、得られた薄膜状微粒子集積体8中に発生するバウンダリ20は、加熱の程度が弱い領域27に掃き寄せられており、加熱の程度が強い領域26にバウンダリの発生は認めることができなかった。
本発明の薄膜状微粒子集積体の製造方法に用いる装置の一例を示す一部概略断面図である。 微粒子集積現象を支配している各パラメータを説明する図である。 本発明の薄膜状微粒子集積体の製造方法に用いる装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の薄膜状微粒子集積体の製造方法に用いる装置の他の一例を示す略断面図である。 薄膜状微粒子集積体に見られるバウンダリを示す説明図である。 加熱の空間変調とバウンダリの掃き寄せを示す説明図である。 Convective Self−Assembly法の一例を示す概略図である。 引き上げ法の一例を示す概略図である。 本発明の解決しようとする課題を説明する図である。
符号の説明
1 基板
2 微粒子分散液
3 基板および微粒子分散液の雰囲気
5 引き上げ装置
6 微粒子
7 分散媒
8 薄膜状微粒子集積体
9 3相接触線
10 メニスカス
11 冷却浴機構
12 蓋
15 炭酸ガスレーザ照射装置
16 フィードバック機構(レーザ電源)
17 導入窓
18 集光レンズ
19 放射温度計
20 バウンダリ
21 成長上流
22 成長下流
23 成長方向
24 微粒子集積体の結晶相
25 微粒子集積体の液相
26 加熱の程度が強い領域
27 加熱の程度が弱い領域

Claims (4)

  1. 基板の一部と、微粒子を分散媒に分散させて得られた微粒子分散液とを接触させた後、当該基板、当該微粒子分散液、当該基板および当該微粒子分散液の雰囲気で作られるメニスカス先端部の3相接触線を掃引展開して移動させて微粒子集積体を製造する薄膜状微粒子集積体の製造方法であって、
    前記基板の温度を前記微粒子分散液の温度よりも高くし、
    前記3相接触線の近傍に形成された基板表面の濡れ膜の任意の位置を複数本のビームで隣同士のビームの偏光状態を直交させて重ね合わることによって加熱の程度を変えて加熱することを特徴とする薄膜状微粒子集積体の製造方法。
  2. 前記微粒子分散液の温度を、前記基板および前記微粒子分散液の雰囲気の温度よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法。
  3. 前記基板および前記微粒子分散液の雰囲気の温度を、前記基板の温度以上にすることを特徴とする請求項1に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法。
  4. 前記加熱は、エネルギービーム発生装置を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜状微粒子集積体の製造方法。
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