JP4253566B2 - ゴルフパター - Google Patents
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Description
即ち、本発明では、従来技術では全く考慮されていなかったパターヘッドにおける3種類の慣性モーメントについて考察を行い、更に、パッティングストロークの特性について考察を加えた。即ち、パッティングストロークは、所謂ドライバーショットやアイアンショットなど他のクラブでのショットと比較してヘッド速度(ヘッドスピード)が格段に遅く、また振り幅も小さいなど、他のショットとは異なる点があり、当該ストローク中におけるヘッドの挙動も前記他のクラブと異なってくる。一方、パッティングストロークの中でも、ロングパットとショートパットとではヘッドの挙動が相違する。今回、かかるパッティングストロークの特性、特にロングパットにおけるストロークの特性に基づくヘッド挙動の特徴についても考察を加えた。これらの考察を行った結果、パターヘッドにおける前記3種類の慣性モーメントを適宜規定することにより、上述した各種正確性を更に向上させうるゴルフパターが得られることを見いだした。
(1) M1:前記ヘッドの重心を通り且つフェース面及び前記水平面と平行な第一軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(2) M2:前記ヘッドの重心を通る鉛直方向の軸である第二軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(3) M3:前記ヘッドの重心を通り前記第一軸に垂直で且つ前記第二軸に垂直な第三軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
また、前記M3と前記M1との比(M3/M1)が0.9以下であるのが好ましい。この場合、M2>M1>M3という条件下においてM1とM3との差が大きくなるため、後述するテニスラケットの定理により、M3に係る前記第三軸まわりのヘッドの回転が安定する。そうすると、特にロングパットにおいて比較的大きく回転する第三軸まわりのヘッド回転が安定するので、特にロングパットにおいてヘッド軌道が安定する。
ヘッド3は、その上面を構成するトップ面15と、その下面を構成するソール面4と、ソール面4とトップ面15との間に延びるサイド面5と、ボールを打撃するための平面であるフェース面2とを有する。トップ面15及びソール面4の輪郭形状は、図2(a)に示すように略半円状とされている。
また、図3(a)に示すように、ヘッド3の最もバック側の部分(バック側の頂点付近)では、バック側部分hbの輪郭形状がヘッド3(トップ面15やソール面4)の輪郭形状と略一致しているが、当該頂点付近を除いては両輪郭形状は一致しておらず、バック側部分hbの輪郭形状は、ヘッド3の輪郭形状よりもヘッド3の内部側に入り込んでいる。その結果、バック側部分hbのトウ側及びヒール側にも空洞部kが存在している。
まず、第二モーメントM2が第三モーメントM3及び第一モーメントM1よりも大きいので、第二軸A2まわりのヘッド3の回転が安定し、パッティングのストローク時、特にテークバック時におけるヘッド3の挙動が安定する。よって、ストローク、特にテークバックの軌道が安定する。パッティングのストロークにおいて、ヘッド3は並進運動とともに回転運動を行うこととなる。このヘッドの回転運動、は第一軸A1乃至第三軸A3の三つの軸のうち第二軸まわりの回転に近似した回転が主となる。前記のように第一モーメントM1乃至第三モーメントM3の中で第二モーメントM2を最大とすることにより、この第二モーメントM2の基準軸である第二軸A2まわりのヘッド3の回転が安定し、つまりはストローク時のヘッド3の回転が安定し、ストロークの軌道が安定する。その理論的根拠は、後述するテニスラケットの定理から導かれる。
パッティングストロークは、パター以外のゴルフクラブにおける通常のショットよりも振り幅が小さい。また、かかるパッティングストロークの中で、ロングパットは比較的振り幅が大きくなる。なお、ここでロングパットとは、目標(カップ)までの距離が4m程度以上のパッティングのことを意味している。
よって、第一モーメントM1〜第三モーメントM3のなかで第二モーメントM2を最大とし第三モーメントM3を最小とすることにより、比較的回転の大きい第二軸A2及び特にロングパットで影響の大きい第三軸A3まわりのヘッド回転を安定させることができる。よって、特にロングパットのストローク中におけるヘッド軌道が安定する。その理論的根拠は、後述するテニスラケットの定理である。
また、前記M3と前記M1との比(M3/M1)が0.9以下としたので、M2>M1>M3という条件下においてM1とM3との差が大きくなるため、後述するテニスラケットの定理により、M3に係る前記第三軸まわりのヘッドの回転が一層安定する。そうすると、特にロングパットにおいて影響の大きい第三軸まわりのヘッド回転が安定するので、特にロングパットにおいてヘッド軌道が安定する。
Iz=Ix+Iy ・・・(2)
この関係式(2)を式(1)に代入し、r=(Iy−Ix)/(Iy+Ix)とおくと、次の式(3)〜式(5)が得られる。
ωx=ωx(0) ・・・(6)
残る二つの方程式(4)及び(5)を解くには、次の式(7)のような複素変数を導入すればよい。
ωy(t)=a・sin(ωxt+α) ・・・(12)
ωz(t)=a・cos(ωxt+α) ・・・(13)
と表すことができる。初期条件により振幅aは小さいから、式(12)及び式(13)の二つの角速度成分の値は両方とも常に小さいことがわかる。このような近似解では、次の式(14)及び式(15)となる。
ωz(t)=ωz(0) ・・・(17)
ωx(t)=a・cos(ωzt+α) ・・・(18)
ωy(t)=a・sin(ωzt+α) ・・・(19)
この場合にも、軸のまわりの回転運動は安定である。
ωy(t)=ωy(0) ・・・(20)
が得られる。次に式(3)と式(5)から和および差を作れば、それぞれ次の式(21)及び式(22)となる。これらの一次結合の解はそれぞれ式(23)及び式(24)のようになる。これら式(23)及び式(24)を解いてωx及びωzを求めれば、式(25)及び式(26)が得られる。
第二モーメントM2が大きすぎると、ヘッドの重量が大きくなりすぎたり、ヘッド形状に違和感が生じたりする場合があるので、7000(g・cm2)以下が好ましく、6000(g・cm2)以下がより好ましく、5000(g・cm2)以下が特に好ましい。
本発明の効果を実施例及び比較例により確認した。実施例及び比較例は、それぞれ2種類ずつ作製した。なお、この実施例1、2及び比較例1、2の4種類のヘッドは全て同一形状とし、ヘッド重量は374gで共通とし、ヘッド高さHhは27mm、ヘッド幅Hwは97mm、ヘッド奥行きHdは85.5mmで共通とした。また、重量部材J及びバック側重量部材Jbの材料は銅とし、ヘッド本体hの材料はアルミ合金とした。
この実施例2では、実施例1におけるバック側重量部材Jbがヘッド本体hのバック側部分hbに置換されており、バック側重量部材Jbが存在しない。そして、バック側部分hbのフェース側面とフェース面2のヘッド内部側面(裏面)との間にフェース・バック方向に延びる中央重量部材Jsを備えている。中央重量部材Jsは、銅からなるとともに、その長手方向がフェース・バック方向に配向する断面矩形の直線棒状部材であって、トップ面15とソール面4との間の空間を埋めるように設けられている(図6(b)参照)。さらに、実施例1と比較して、ヘッド本体hにおけるフェース側部分hfのトウ側部分及びヒール側部分の重量が少なくなっている。フェース面中央部付近の薄肉部の肉厚をTf(図6(a)参照)を5mmとし、中央重量部材Jsのトップ側におけるヘッド本体hの肉厚Tc(図6(b)参照)を3mmとし、中央重量部材Jsのソール側におけるヘッド本体hの肉厚Tsを3mmとした。
比較例2では、上述の実施例1,2及び比較例1よりも空洞部kが大きくされており、また、ヘッド本体hにおいてバック側部分hbが無く、さらに、バック側重量部材Jbも設けられていない。そして、空洞部kはヘッド3のトウ側及びヒール側のみならず、ヘッド3のバック側にも開放されている。
試験結果を表1に示す。
開角差のσは、打球時のフェース面の向き(左右方向向き)の安定性を示す指標であって、その数値が少ないほど当該安定性が高いことを意味する。
開角とは、目標方向に対するフェース向きの左右方向ズレ角度を示すものであり、ストローク中のヘッドを上空から見た平面視において、目標(カップ)に対してフェースの向きが何度ずれているかを示すものである。フェースが目標に対してスクエアとなった状態が開角0度である。開角の測定は、CCDビデオカメラを用いて、60コマ/秒にて画像を撮影して、当該画像から開角を求めた。
開角差とは、ストローク中において、ヘッドがボールに当たる瞬間(インパクトの瞬間)の開角を開角1とし、ボールの20cm手前におけるヘッド(ボールに向かって移動中のヘッド)の開角を開角2としたとき、(開角2−開角1)で与えられる。なお、目標(カップ)に対してフェースが右を向いたときの開角をプラスとし、同左を向いたときの開角をマイナスとする。そして、開角差のσとは、各テスターがそれぞれ20ショットしたときの各テスターにおける開角差の標準偏差をそれぞれ求め、この12名分のデータを平均した値である。
前述の如く12名のテスターが各テストクラブにつき20回ずつ打球(パッティング)を行い、ストロークの安定性(ブレにくさ)について官能評価を行った。各テスターが、各クラブに関し、ストロークが安定していると感じるか、またはストロークが不安定と感じるかのいずれかについて評価した。そして、「ストロークが安定している」と感じたテスターが12人中10人以上の場合を◎、同8人〜9人の場合を○、同6人〜7人の場合を△、「ストロークが不安定である」と感じた人が7名以上の場合を×とした。
第二モーメントM2の大きいヘッドを作製するためには、第二軸A2からできるだけ離れた位置に多くの重量を配分すればよい。小さくするにはその逆である。例えば、第二モーメントM2を大きくするためには、ヘッド幅Hwを大きくしたり、ヘッド3のトウ側及びヒール側に配置された重量部材Jを重くしたりするなどにより適宜調整をすればよい。
第三モーメントM3の大きいヘッドを作製するためには、第三軸A3からできるだけ離れた位置に多くの重量を配分すればよい。小さくするにはその逆である。例えば、第三モーメントM3を小さくするためには、ヘッド高さHhを小さくしたり、ヘッド幅Hwを小さくしたりするなど適宜調整すればよい。
2 フェース面
3 ヘッド
G 重心
M1 第一モーメントM1
M2 第二モーメントM2
M3 第三モーメントM3
A1 第一軸
A2 第二軸
A3 第三軸
Claims (5)
- 基準設置状態で水平面上に載置された場合に下記の(1)〜(3)で定義される三つの慣性モーメントM1、M2及びM3が、M2>M1>M3、及び、3000(g・cm2)≦M2≦7000(g・cm2)の関係式を満たす重量バランスに設定されているパターヘッドと、
このパターヘッドに取り付けられたシャフトと、を備えたことを特徴とするゴルフパター。
(1) M1:前記ヘッドの重心を通り且つフェース面及び前記水平面と平行な第一軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(2) M2:前記ヘッドの重心を通る鉛直方向の軸である第二軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(3) M3:前記ヘッドの重心を通り前記第一軸に垂直で且つ前記第二軸に垂直な第三軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント - 基準設置状態で水平面上に載置された場合に下記の(1)〜(3)で定義される三つの慣性モーメントM1、M2及びM3が、M2>M1>M3、及び、1000(g・cm2)≦M1≦3500(g・cm2)の関係式を満たす重量バランスに設定されているパターヘッドと、
このパターヘッドに取り付けられたシャフトと、を備えたことを特徴とするゴルフパター。
(1) M1:前記ヘッドの重心を通り且つフェース面及び前記水平面と平行な第一軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(2) M2:前記ヘッドの重心を通る鉛直方向の軸である第二軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(3) M3:前記ヘッドの重心を通り前記第一軸に垂直で且つ前記第二軸に垂直な第三軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント - 基準設置状態で水平面上に載置された場合に下記の(1)〜(3)で定義される三つの慣性モーメントM1、M2及びM3が、M2>M1>M3、及び、1000(g・cm2)≦M3≦4000(g・cm2)の関係式を満たす重量バランスに設定されているパターヘッドと、
このパターヘッドに取り付けられたシャフトと、を備えたことを特徴とするゴルフパター。
(1) M1:前記ヘッドの重心を通り且つフェース面及び前記水平面と平行な第一軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(2) M2:前記ヘッドの重心を通る鉛直方向の軸である第二軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント
(3) M3:前記ヘッドの重心を通り前記第一軸に垂直で且つ前記第二軸に垂直な第三軸まわりの当該ヘッドの慣性モーメント - 前記M1と前記M2との比(M1/M2)が0.6以上で且つ1.0未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフパター。
- 前記M3と前記M1との比(M3/M1)が0.9以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフパター。
Priority Applications (1)
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| JP2003399566A JP4253566B2 (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | ゴルフパター |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003399566A JP4253566B2 (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | ゴルフパター |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005160514A JP2005160514A (ja) | 2005-06-23 |
| JP4253566B2 true JP4253566B2 (ja) | 2009-04-15 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2003399566A Expired - Fee Related JP4253566B2 (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | ゴルフパター |
Country Status (1)
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2003
- 2003-11-28 JP JP2003399566A patent/JP4253566B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2005160514A (ja) | 2005-06-23 |
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