JP4254041B2 - 記録装置および記録制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置および記録制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータやファクシミリ装置などから出力される画像データを記録する装置としてインクジェット方式の記録装置がある。この方式は、静粛性、各種材質の用紙に記録可能であるという点で優れている。
【0003】
こうした記録装置ではヘッド部を備えたキャリッジと記録媒体(記録用紙)とを互いに相対移動させ、ヘッド部が記録媒体上に画像を形成して行く。このキャリッジ周辺の概要を図1に示す。キャリッジ10は、固定されたシャフト11に沿って移動可能にされており、プーリー13、14に架け渡されたタイミングベルト15が図示しないモータによって駆動されることにより移動される。この移動方向と平行にタイミングスリット16が設けられている。タイミングスリット16には複数のスリットが設けられており、キャリッジ10の下部に設けられたエンコーダがスリットの数を読み取ることにより、画像形成動作のタイミング取りに用いられるパルス信号を発生させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
キャリッジ10が一定速度で移動されれば、パルス信号は一定時間間隔で発生される筈である。しかし実際にはパルス信号が、一定時間間隔で発生されないことがある。これについて図2に示す。図2(a)は停止していたキャリッジ10が移動されるときの速度を示すグラフ、図2(b)は、図2(a)のようにキャリッジ10が移動した際のエンコーダからのパルス出力である。本図に示すように、キャリッジ10の速度は、定常状態に達した後もある程度のムラが発生する。これにより本来は一定時間間隔で発生して欲しいパルス信号も不均一なものとなる。
【0005】
この原因を詳しく説明するために示したのが、図3である。図3(a)はエンコーダからの出力信号、図3(b)はこの出力信号に基づいて発生されたパルス信号である。キャリッジ10の移動速度にムラがあると、エンコーダの出力信号の1つであるA相の信号は、本来は50:50になるべきデューティー比が図3(a)に示すように、異なる値となる。また、キャリッジ10の移動方向を検知するために発生されるB相の出力信号は、デューティー比もさることながら、本来は90°になるべきA相との位相差が、90°以外の値となってしまう。これらにより、A相、B相から生成される図3(b)のパルス出力は不均一なものとなる。なお、キャリッジ10の速度ムラ以外に、スリット間隔のバラツキ等が原因となってパルス出力が不均一になる場合もある。
【0006】
このようにパルス出力が不均一となると、画像形成に支障が出る場合がある。これについて図4に示す。図4はパルス信号に基づいてインクジェットヘッドの制御回路内で発生される信号を示したタイムチャートである。まず、当該制御回路の上位装置(通常、本制御回路が搭載された記録装置のCPU)から印字開始信号を受け取ると、前述のエンコーダのパルス出力に基づいて、吐出要求信号を発生させる。吐出要求信号は、予め定められた吐出周期で発生されるもので、ここでは簡単のため、パルス2個で1個の吐出周期を構成している。そして吐出要求信号が発生されるとそれに基づいて吐出開始信号が発生される。吐出開始信号が発生されると、その吐出周期において形成すべき画像(ドット)に対応する駆動波形を制御回路が発生する。この駆動波形を受け取ったインクジェットヘッドは、駆動波形に従って吐出動作を行ない、ドットを形成する。なお駆動波形は図においてLからHに遷移する過程で吐出を行う。
【0007】
パルス出力が不均一で、ある期間においてパルス間隔が短くなっている(例えば、本図中、Aの区間)と、駆動波形が1吐出周期内に納まらないことがある。すると、Aの区間の駆動波形が次の区間であるBにはみ出してしまう。駆動波形の出力中に発生された吐出開始信号は無視されるので、Bの区間においては本来出力されるべき駆動波形が出力されず、抜けが発生してしまう。同様の事態はインクジェット方式以外の記録装置においても発生する。
【0008】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、エンコーダのパルス出力が短くなった際にも抜けが発生しない記録装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる課題を解決するためになされた本発明の請求項1に記載の記録装置は、記録媒体 に対して主走査方向およびこれと垂直な方向に相対移動する記録ヘッドの位置に応じて逐次パルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
前記パルス信号出力手段により出力されるパルス信号に基づいて記録要求信号を出力する記録要求信号出力手段と、
前記記録要求信号出力手段により出力される記録要求信号に少なくとも基づいて記録開始信号を出力する記録開始信号出力手段と、
前記記録開始信号出力手段から前記記録開始信号が入力されると、前記記録ヘッドに供給するための所定パターンの駆動波形信号を出力する駆動波形信号出力手段と、
を備え、前記記録ヘッドを記録媒体に沿って移動しながら記録を行う記録装置において、
前記記録要求信号出力手段により前記記録要求信号が出力されるごとに一定数増加され、前記記録開始信号出力手段により前記記録開始信号が出力されるごとに前記一定数減少されるカウンタの値が、初期値よりも大きな値であり、且つ、前記駆動波形信号出力手段による前記駆動波形信号の出力が終了することを第一条件、
前記記録要求信号出力手段による前記記録要求信号の出力が、前記主走査方向における最初の信号であることを第二条件として、
前記第一条件または前記第二条件を満たした場合、前記記録開始信号出力手段による前記記録開始信号の出力を許可する制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
この記録装置によれば、駆動波形信号の出力が終了するまで記録開始信号が出力されないので、その記録開始信号が前述のように無視される、ということはない。
【0011】
【0012】
また、駆動波形信号が発生されていない主走査方向の初期の時点においても適切に記録制御を行なうことができる。
【0013】
さらに、従来ならば抜けが連続して発生するような事態が発生しても、発生された記録要求信号の回数をカウンタが記憶しているため、もれなく記録開始信号を発生させることができる。従って、請求項1に記載の記録装置によれば、パルス信号が短くなっても抜けが発生することはない。なお、請求項2に記載された記録制御方法は、それぞれ請求項1に記載された記録装置を方法発明として記載したものである。従って、請求項1に記載の記録装置と同様の効果を奏することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態を図面と共に説明する。
まず、図5に本発明を適用したインクジェット式プリンタの主要部のブロック図を示す。すなわち本インクジェット式プリンタは、印字データ処理等の印字動作の制御を行なうゲートアレイ回路G/A、その他のプリンタ全体の制御を行なうCPU、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムPCと接続するためのインタフェースI/F、コンピュータシステムPCから受信した印字データを格納するイメージメモリ、CPUにそれぞれの駆動回路を介して接続されたCRモータ(キャリッジ移動用)、LFモータ(用紙搬送用)、キャリッジの原点センサ、印字位置に用紙があるか否かを検出する給紙センサ、キャリッジの位置を検出するためのキャリッジエンコーダ、プリントやデータ通信など本インクジェット式プリンタで実行される様々なプログラムやそのプログラムで使用されるデータが格納されたROM、そのプログラムの実行において一時的なデータ記憶を行なうRAM、ヘッドドライバ、Y・M・C・Kの4色分用意されたインクジェットヘッド、ヘッド駆動、ロジック電圧、モータ駆動の電圧源である電源を備えている。
【0015】
図6にゲートアレイ回路G/A内の動作ブロック図を示す。パルス出力回路20は、キャリッジ10のエンコーダ信号からパルス信号列を出力する。吐出要求信号出力回路21は、CPUから印字開始信号を受け取ると、パルス出力回路20が出力したパルス信号に基づいて吐出要求信号を出力する。カウンタAとカウンタBは、この吐出要求信号をカウントする。カウンタAは、初期値は0であり、吐出要求信号があるごとにカウントアップされると共に、そのカウント値が0でない時のみ出力がHとなる。カウンタBはキャリッジ10の1走査の吐出要求信号を全て累積カウントし、カウント値=1のときのみ出力がHとなる。また、キャリッジ10が1走査を終わるとクリアされる。
【0016】
AND回路24は、吐出要求信号出力回路21とカウンタBの双方の出力があるときのみ、出力がHとなり、その出力はOR回路26を介して吐出開始信号出力回路22に入力される。したがって、上記のようにキャリッジ10の1走査において印字開始信号を受けてから最初の吐出要求信号が出力されると、その吐出要求信号とカウンタBのHの出力とに基づいて、吐出開始信号出力回路22は、その入力に基づいて吐出開始信号を出力する。また、波形発生回路23は、1つの駆動波形信号の出力を終了すると、駆動波形出力終了信号を出力する。
【0017】
カウンタAは、吐出開始信号出力回路22からの上記吐出開始信号を入力すると、カウント値を1減算する。AND回路25は、カウンタAのカウント値が0でないときのH出力と、波形発生回路23からの駆動波形出力終了信号の出力の双方があるときのみ、出力がHとなり、その出力をOR回路26を介して吐出開始信号出力回路22に入力する。したがって、1行の最初の吐出要求信号を上記のように出力すると、カウンタAはカウント値を1減算し0に戻る。次の吐出要求信号が入力されると、カウンタAは出力をHとし、一方、波形発生回路23から1回目の駆動波形出力終了信号が出力されているので、AND回路25は出力をHとし、吐出開始信号出力回路22は、2回目の吐出開始信号を出力する。それによって波形発生回路23は所定の駆動波形信号をヘッドドライバに出力し、インク滴の吐出をおこなう。次回以降の吐出も同様に、カウンタAの出力と駆動波形出力終了信号によって、吐出開始信号を出力する。
【0018】
このようなゲートアレイ回路G/Aによって実現される吐出制御動作を図7に示す。図7は図6に示したゲートアレイ回路G/A内で発生される信号についてのタイムチャートである。まず、CPUからの印字開始信号があると、エンコーダのパルス出力に基づいて、吐出要求信号出力回路21は吐出要求信号を発生させる。図4の場合と同様、ここではパルス2個で1個の吐出周期を構成している。そして吐出要求信号が発生されると、1行の最初の吐出要求信号の場合、上記のように吐出要求信号とカウンタBの出力とに基づいて、吐出開始信号が出力される。2回目以降の吐出はカウンタAの出力と駆動波形出力終了信号とによって行なわれる。
【0019】
ここで、次の吐出要求信号が発生した際にまだ前の駆動波形が発生されていた(駆動波形出力終了信号が出ていない)とする。これは図7の区間Aの状態である。この状態では、吐出要求信号によってカウンタAの値がカウントアップされても吐出開始信号が発生されることはない。駆動波形出力終了信号が波形発生回路23から発生されると、カウンタAの出力(区間Bに対応する吐出要求信号によりカウント値が1になっているためH)とにより図6の下側のAND回路の出力がHとなり、吐出開始信号出力回路22により吐出開始信号が出力される。区間Bに対応する駆動波形が更にこの区間に納まらないと、同様に上記の処理を繰り返すことにより、発生された吐出要求信号に対して漏れなく駆動波形が出力される。
【0020】
このような制御方式によれば、エンコーダのパルス出力が短くなり、駆動波形が1吐出周期内に納まらなくなっても、駆動波形の出力終了を待って吐出開始信号が発生され、これに伴って次の駆動波形が出力されるので、抜けが発生する虞がない。
【0021】
ここで、本実施の形態と本発明の構成の対応について説明する。ゲートアレイ回路G/A中のパルス出力回路20が本発明のパルス信号出力手段に相当し、同じく吐出要求信号出力回路21が本発明の記録要求信号出力手段に相当し、同じく吐出開始信号出力回路22が本発明の記録開始信号出力手段に相当し、波形発生回路23が本発明の駆動波形信号出力手段に相当し、カウンタAがカウンタに相当し、AND回路24,25及びOR回路56が本発明の制御手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット方式の記録装置のキャリッジ10の周辺を示した斜視図である。
【図2】 キャリッジ10を移動させた際にエンコーダから出力されるパルス信号を示すタイムチャートである。
【図3】 キャリッジ10の移動速度にムラがある際にエンコーダにて発生されるパルス信号を示すタイムチャートである。
【図4】 パルス信号に基づいてインクジェットヘッドのドライバ内で発生される信号を示したタイムチャートである。
【図5】 本発明を適用したインクジェット式プリンタの主要部のブロック図である。
【図6】 ゲートアレイ回路G/A内の動作ブロック図である。
【図7】 ゲートアレイ回路G/Aによって実現される吐出制御動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10…キャリッジ 11…シャフト
13…プーリー 15…タイミングベルト
16…タイミングスリット
G/A…ゲートアレイ回路
Claims (2)
- 記録媒体に対して主走査方向およびこれと垂直な方向に相対移動する記録ヘッドの位置に応じて逐次パルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
前記パルス信号出力手段により出力されるパルス信号に基づいて記録要求信号を出力する記録要求信号出力手段と、
前記記録要求信号出力手段により出力される記録要求信号に少なくとも基づいて記録開始信号を出力する記録開始信号出力手段と、
前記記録開始信号出力手段から前記記録開始信号が入力されると、前記記録ヘッドに供給するための所定パターンの駆動波形信号を出力する駆動波形信号出力手段と、
を備え、前記記録ヘッドを記録媒体に沿って移動しながら記録を行う記録装置において、
前記記録要求信号出力手段により前記記録要求信号が出力されるごとに一定数増加され、前記記録開始信号出力手段により前記記録開始信号が出力されるごとに前記一定数減少されるカウンタの値が、初期値よりも大きな値であり、且つ、前記駆動波形信号出力手段による前記駆動波形信号の出力が終了することを第一条件、
前記記録要求信号出力手段による前記記録要求信号の出力が、前記主走査方向における最初の信号であることを第二条件として、
前記第一条件または前記第二条件を満たした場合、前記記録開始信号出力手段による前記記録開始信号の出力を許可する制御手段を備えることを特徴とする記録装置。 - 記録媒体に対して主走査方向およびこれと垂直な方向に相対移動する記録ヘッドの位置に応じて逐次パルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
前記パルス信号出力手段により出力されるパルス信号に基づいて記録要求信号を出力する記録要求信号出力手段と、
前記記録要求信号出力手段により出力される記録要求信号に少なくとも基づいて記録開始信号を出力する記録開始信号出力手段と、
前記記録開始信号出力手段から前記記録開始信号が入力されると、前記記録ヘッドに供給するための所定パターンの駆動波形信号を出力する駆動波形信号出力手段と、
を備えた記録装置を制御する記録制御方法において、
前記記録要求信号出力手段により前記記録要求信号が出力されるごとに一定数増加され、前記記録開始信号出力手段により前記記録開始信号が出力されるごとに前記一定数減少されるカウンタの値が、初期値よりも大きな値であり、且つ、前記駆動波形信号出力手段による前記駆動波形信号の出力が終了することを第一条件、
前記記録要求信号出力手段による前記記録要求信号の出力が、前記主走査方向における最初の信号であることを第二条件として、
前記第一条件または前記第二条件を満たした場合、前記記録開始信号出力手段による前記記録開始信号の出力を許可することを特徴とする記録制御方法。
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