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JP4255076B2 - 差筋アンカ - Google Patents
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Description

本発明は、擁壁や間仕切り壁等を構築する際に用いる差筋アンカに関するものである。
従来、擁壁や間仕切り壁等を構築する際は、ドリルでコンクリート躯体に下孔を開けておき、この下孔に差筋アンカを差し込んでハンマで差筋アンカを叩打することにより、差筋の先端に取り付けられているアンカスリーブに装着しておいたコッターピンがアンカスリーブ内に強制的に打込まれ、この打込みによってアンカスリーブの下部が強制的に拡開されて下孔の内周面に食い込んで差筋アンカをコンクリート躯体と一体化させている。しかしながら、差筋の先端にアンカスリーブを取り付けているため、コンクリート躯体にアンカスリーブが介入できる大きな下孔を穿設しなければならず、この下孔穿設に時間がかかるうえにコスト高となり、また、大きな下孔を穿設するとコンクリート躯体の強度低下をもたらすおそれもあった。
そこで、差筋の先端に複数の割溝を形成した中空のプラグ挿入部を設けてこのプラグ挿入部をプラグの挿入で拡開させて差筋を下孔に固定するものとすることにより、穿孔径を差筋外径と略同じとして前記のような問題を解決しようとしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、中空のプラグ挿入部の加工成形は、金型を必要とするため加工コストが高くつき、製品価格が高くなるという問題があった。
また、下孔をできる限り小さくするため差筋の下端を一つの割溝で分割するとともに、この割溝に嵌入される楔部を有する第1コッターピンと、第1コッターピンに嵌入される楔溝を有する第2コッターピンを設けたものも提案されているが(例えば、特許文献2)、差筋の下端に形成した一つの割溝に前記した第1コッターピンを打込んだだけでは、差筋に上方に向かう抜出し力が作用し易くて第1コッターピンが抜け出す恐れがあり、これを防ぐためには第1コッターに第2コッターピンを打込んで差筋を湾曲させて各コッターピンを抱持させる必要があって作業工数が増え、作業時間が長くなるうえに部品数が増し製品価格が高くなるという問題があった。
特開平8−91857号公報 実開平6−87432号公報
本発明が解決しようとするところは、前記のような問題点を解決して、施工が容易なうえ下孔に確実に固定でき、しかも、製造が容易で部品数が少なく安価な差筋アンカを提供することにある。
前記のような課題を解決した本発明の差筋アンカは、差筋本体の下端から所要長さにわたる部分に縦切込を放射状に設けて各縦切込により区画される3個以上の強制拡開自在な係止片部を形成した差筋と、前記した縦切込に対応させて放射状に張出させた3個以上の縦長翼片部が少なくとも先方部分に形成されている強制拡開用の楔状打込部材とからなり、この楔状打込部材の前記した縦長翼片部は、テーパ状厚肉部の先方に差筋の縦切込の切込幅挿し込まれる薄肉の先端ガイド板部を続かせるとともに、該先端ガイド板部の一部の先端を先細ガイド部としたものであることを特徴とする。なお、このような発明に用いる差筋本体は、多数の節が所要の間隔をおいて配設された異形丸鋼であって、その最下端の節を各係止片部の下部に配置してあることが好ましく、これを請求項2の発明とする。
前記したように本発明は、差筋本体の下端から所要長さにわたる部分に縦切込を放射状に設けて各縦切込により区画される3個以上の強制拡開自在な係止片部を形成した差筋と、前記した縦切込に対応させて放射状に張出させた3個以上の縦長翼片部が少なくとも先方部分に形成されている強制拡開用の楔状打込部材とからなるものとしたから、コンクリート躯体に穿孔される下孔は差筋の外径と略等しいものとすることができ、このために穿孔作業の時間を短縮できるうえに安価な小径ドリルを使用できるので、ランニングコストを低減でき、また、下孔を小さくできるのでコンクリート躯体の強度低下をもたらすおそれもない。しかも、放射状の縦切込は回転砥石などにより簡単に形成できるので、生産効率が高いものとなる。さらに、縦切込は放射状としているので、差筋本体の下端が3つ割り以上となって係止片部の下孔への当接面が小さく下孔へ深く食い込むことができ、差筋を下孔に確実に固定することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態を図1〜4に基づいて詳細に説明する。
図1において、1は差筋である。この差筋1の差筋本体は多数の節1aと該節1aを繋ぐリブ1bを形成した異形丸鋼よりなるものとしている。2は差筋1の下部の所要長さの部分に下面から縦切込3を放射状に切り込むことにより形成される強制拡開自在な係止片部である。この係止片部2は、各図に示されるように、差筋本体の下端から上方に向けて所要長さの縦切込を3〜6個程度設けることにより各縦切込間に形成したものであり、この部分は図4に示されるように、コンクリート躯体20に穿設された下孔21内で強制拡開されて下孔21に食い込むようになっている。また、係止片部2の下部に異形丸鋼の最下端の節1aが配置されるものとすることにより、下孔21に当接する節1aが下孔21に対する滑り止め効果をもたらし固定力が高められるようにしてある。なお、差筋本体は異形丸鋼に限るものではなく普通の丸鋼でもよいことは勿論である。
また、図示例における係止片部2は各図に示されるように、下端面より22mmの高さまでクロス状に切り込んでこの放射状の縦切込3により区画される4個の係止片部2を形成したものとしているが、この係止片部2の数は3〜6個とするのが好ましい。その理由は係止片部2の下孔21への接触面積は係止片部2が小さいほど食込み力は強くなるが、6個以上の係止片部2を形成すると係止片部2の強度が不足し、強制拡開する際に係止片部2が下孔21に食い込むことなく曲がってしまい、固定力を発生しない恐れがあるからである。なお、1本の切込溝で2分割した2個の係止片部では下孔21に対して十分な食込み力が発生しにくいから係止片部は3個以上となるように縦切込3を放射状に形成することが必要である。
一方、4は少なくとも先方部分が前記した縦切込3に対応して放射状に張出された3枚以上の縦長翼片部4aに形成されている強制拡開用の楔状打込部材である。この楔状打込部材4の縦長翼片部4aはテーパ状厚肉部の先方に差筋の縦切込3の切込幅に対応させた薄肉の平板状をした先端ガイド板部5を続かせたものとするとともに、これら先端ガイド板部の一部の先端を図1および図5に示すように先細ガイド部として、的確容易に縦切込3への介入ができるうえに円滑に打ち込みができるようにしてある。そして、この楔状打込部材4は放射状に張出された先端ガイド板部5を放射状の縦切込3に挿し込んで楔状打込部材4を図3に示されるように縦切込3に挟持させて差筋1に仮止めしたうえ、打ち込みを行えばよいので作業性は向上し、また、楔状打込部材4の脱落による不良品の発生を防止できることとなる。なお、テーパ状厚肉部は図示するように楔状打込部材4の基端まで達するようにせずに、基部は丸棒状のまま残すようにしてもよいことは勿論である。
なお、図示例の楔状打込部材4は高さを20mmとした横断面が十字状のものとして縦切込3の深さより2mm程低くしたが、これは楔状打込部材4の高さ分だけが確実に打込まれないと係止片部2が規定の拡開量まで拡開されないからで、このようにして所定の固定力が発生するに必要な拡開量が得られるようにするためである。
このように構成されたものは、先ず、間仕切り壁を構築する位置のコンクリート躯体20に差筋1を取り付けるための下孔21をドリルで所定数穿設する。この下孔21の内径は差筋1の外径と略等しいものとする。そして、下孔21が穿設されたら差筋1の下端を係止片部2が下孔21内に配置されるように下孔21に挿入することとなるが、このとき差筋1の放射状の縦切込3には楔状打込部材4を仮止めされた状態としておく。このようにして差筋1の下端を下孔21に挿入したならば、図4に示されるように、ハンマ30で差筋1の上端を叩打すれば、楔状打込部材4の縦長翼片部4aは差筋1の放射状の縦切込3内に打込まれ、さらに叩打を続けると縦長翼片部4aが放射状の縦切込3に打込まれて、係止部片2が図4に示されるように外周方向に拡開されるので、係止片部2の外面に形成されている節1aを介して係止片部2は下孔21の内周面に食い込んで差筋1は下孔21に固定されることとなる。
このようにして、コンクリート躯体20に所定間隔下に差筋1を立設した後は、この差筋1を支えにして鉄筋を組上げ、次いで、鉄筋の周囲に型枠を作ってコンクリートを打って間仕切壁が構築されることは従来法と変わることはない。
本発明の好ましい実施の形態を示す一部切欠斜視図である。 本発明の好ましい実施の形態を示す一部切欠正面図である。 楔状打込部材を差筋に仮止めした状態を示す一部切欠正面図である。 本発明の好ましい実施の形態における使用状態を示す一部切欠正面図である。 先端部分の形状が異なる楔状打込部材の他の実施の形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 差筋
1a 節
2 係止片部
3 放射状の縦切込
4 楔状打込部材
4a 縦長翼片部
5 先端ガイド板部
5a 先細ガイド部

Claims (2)

  1. 差筋本体の下端から所要長さにわたる部分に縦切込を放射状に設けて各縦切込により区画される3個以上の強制拡開自在な係止片部を形成した差筋と、前記した縦切込に対応させて放射状に張出させた3個以上の縦長翼片部が少なくとも先方部分に形成されている強制拡開用の楔状打込部材とからなり、この楔状打込部材の前記した縦長翼片部は、テーパ状厚肉部の先方に差筋の縦切込の切込幅挿し込まれる薄肉の先端ガイド板部を続かせるとともに、該先端ガイド板部の一部の先端を先細ガイド部としたものであることを特徴とする差筋アンカー。
  2. 差筋本体は、多数の節が所要の間隔をおいて配設された異形丸鋼であって、その最下端の節を各係止片部の下部に配置してある請求項1に記載の差筋アンカー。
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