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JP4257699B2 - 分布測定装置、及び生体計測装置 - Google Patents
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JP4257699B2 - 分布測定装置、及び生体計測装置 - Google Patents

分布測定装置、及び生体計測装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象に送信し測定対象内を通った信号を受信することにより、測定対象領域内の信号伝搬にかかる分布を測定する分布測定装置に関する。測定対象が生体である場合には、生体内部の特定色素の分布を測定する生体計測装置に関し、生体診断に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
測定対象領域内の信号伝搬にかかる分布を測定する分布測定方法として、測定対象に送信し、測定対象内を通過した信号を受信し、その受信信号から測定対象における分布を測定する方法が知られている。このような分布測定方法において、生体に光を送受信して生体内部の情報を取得する生体光計測方法が知られている。この生体光計測方法では、例えば、可視光から赤外の波長の光を生体に照射し、生体を通過した散乱光あるいは透過光を、照射位置から所定距離(例えば、10〜50mm程度)離れた位置で受光し、この受光から生体内部の測定を行う。
【0003】
生体光計測による臨床応用としては、例えば頭部を測定対象とする場合には、脳の酸素代謝の活性化状態の測定や局所的な酸素代謝の変化の測定がある。このような測定では、脳機能などの計測において、2次元的に表示することにより、より大きな効果を得ることができる。このような生体光計測に用いる光イメージング装置では、送信端子と受信端子とを例えば3cm程度離して交互に等間隔でチェッカーボードのように配置し、最も隣接している送信端子と受信端子の組み合わせの間で測定を行っている。
【0004】
同一距離離れた送信端子と受信端子の組み合わせにおいては、上記配置のように、送信端子と受信端子を正方格子状に交互に等間隔配置とすることにより、送信端子と受信端子の組み合わせ数最も多く得ることができる。
【0005】
このように、送信端子と受信端子を交互に等間隔に配置する構成を備えた生体光計装置は、例えば、特許文献1に示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−19408号公報(段落番号0013)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
分布測定では、送信端子と受信端子の距離に応じた情報を取得することができる。例えば、生体光計測では、送光端子と受光端子との間の距離と、生体から得られる深さ方向の情報との間には関連性があり、送受光間の距離が長いほど生体の深い位置の情報を取得することができる。したがって、分布測定では、送信端子と受信端子は距離が異なる組み合わせを用いることにより、より多くの情報を取得することができる。
【0008】
一方、測定対象が生体のように強い散乱性と減衰性を備える場合には、測定対象内を通過する信号の強度は距離に対して指数的に減少する。そのため、送信端子と受信端子との距離が長くなると、受信信号の信号強度が低下して検出が困難となる。従来のように、送信端子と受信端子を交互に等間隔に配置する構成では、最も隣接している送信端子と受信端子の距離をPとしたとき、次に近接した送・受信端子間の距離は、√5・Pとなる。
【0009】
図7は、送信端子と受信端子の等距離配置を説明するための図である。図7(a)は、8個の送信端子A(図中の黒丸で示す)と8個の受信端子B(図中の白丸で示す)とを交互に等距離で配置した送・受信端子の配置を示している。この配置では、通常最も近接した送信端子と受信端子の組み合わせの間で送受信を行う。このとき、測定点を送信端子と受信端子の中間位置に定義すると、図中の送信端子Aと最近接の位置関係にある3個の受信端子との組み合わせよれば、測定点は図中のa,b,cで示される位置となる。
【0010】
図7(b),(c)は、この等距離配置における送信端子と受信端子の距離を示している。配置ピッチをPとしたとき、送信端子Aから最も近い位置にある受信端子B11までの距離はPとなり、次に近い位置にある受信端子B12までの距離は√5・Pとなり、さらに、次に近い位置にある受信端子B13までの距離は√13・Pとなる。したがって、最近接距離Pに対する次近接距離の比率は√5倍となり、次に近い距離の比率は√13倍となる。
【0011】
例えば、近赤外光を用いた生体測定では、最近接距離を3cmとしたときの検出信号強度に対して、送・受信端子間の距離が3√5cmの検出信号強度は数百分の1となる。最近接による検出信号強度と次近接による検出信号強度との間の信号強度に差が甚だしく信号増幅器のダイナミックレンジを越えてしまうため、実質的に測定が不可能である。
【0012】
そのため、従来の分布測定では、送信端子と受信端子の距離を最近接となるように等距離とし、異なる距離の送信端子と受信端子の組み合わせを用いていない。その結果、測定点の空間分解能は、送信端子と受信端子の最近接距離に依存し、高めることができない。図7(d)は、測定点の配置状態を示している。図示するような、送信端子及び受信端子がそれぞれ8個ずつの送・受信配置では、24点となる。
【0013】
なお、近赤外光を用いた測定において最近接距離を3cmとしたのは、表面から脳の血液量を測定するには、約1cmから2cm程度の深さの信号を検出する必要があり、成人の測定においてこの深さの信号をある程度確実に検出するには、送光端と受光端との距離を2.5cm以上とする必要があるためである。通常の脳計測では、3cm程度の距離が最も多く採用されている。
【0014】
上記したように、従来の分布測定では、異なる送・受信端子間距離で測定することができないという問題がある。また、ほぼ均等で高密度の測定点配置を得ることができないという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、分布測定において、異なる送・受信端子間距離による測定を可能とすることを目的とし、また、測定点を均等で高密度とすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の送信端子及び受信端子を面状に配置し、送信端子と受信端子間において測定対象領域を伝搬する信号を測定することにより、測定対象領域内の信号伝搬にかかる分布測定装置において、送・受信端距離を異にする送信端子と受信端子の組み合わせを用いて送・受信を行い、この受信端子から伝搬距離を異にする信号を検出する。これにより、測定対象において異なる送・受信端子間距離の測定値を取得する。また、送・受信端子間距離を複数に異ならせることにより、測定対象領域での測定点の配置を高密度化し均質化する。
【0017】
送信端子と受信端子の組み合わせにおいて、異なる送・受信端距離は計測に使用する最近接の送・受信端距離に対して2倍以内とする配置とし、これにより、異なる送・受信端距離で受信される受信信号の強度比の違いを小さくすることができる。これにより、信号増幅が容易となりS/N比を向上させることができる。
【0018】
受信端子で受信した検出信号の信号増幅において、対数増幅を利用することができる。検出信号を対数増幅することにより、A/D変換に伴って検出信号のダイナミックレンジが狭まった場合にも、分解能及びS/N比の低下を防ぐことができる。
【0019】
また、受信端子で受信した検出信号の信号増幅において、検出信号を増幅する増幅率を送・受信端距離に基づいて設定する。距離が異なる測定では、予め予測した比率で検出器あるいは増幅器の増幅率を変える。これにより、送・受信端距離による受信信号の強度の相違を補償し、実質的にダイナミックレンジを拡大する。
【0020】
送信端子及び受信端子の配置の一形態は、連続する2個の送信端子と連続する2個の受信端子を配置する組み合わせを所定角度で格子状に配列し、格子方向で隣接する配列を互いに一格子点分だけ同方向に順次ずらし、格子方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせと、格子方向に対して斜め方向の送・受信端子の組み合わせを用いて送・受信を行う。
【0021】
また、この格子として正方格子とした形態では、送信端子及び受信端子は、連続する2個の送信端子と連続する2個の送信端子を配置する組み合わせを行方向及び列方向に格子状に配列し、行方向及び列方向で隣接する配列を互いに一格子点分だけ同方向に順次ずらして配置する。この送信端子及び受信端子の配置において、行方向及び列方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせと、行方向及び列方向に対して斜め方向の送・受信端子の組み合わせを用いて送・受信を行う。
【0022】
この2つの送・受信端子の組み合わせにより、送・受信端距離を異ならせることができ、また、計測に使用する最近接の送・受信端距離に対して2倍以内の配置を可能とする。行方向及び列方向に対して斜め方向の送・受信端子の組み合わせは、傾斜角度を変えることにより複数の組み合わせを設定することができる。
【0023】
本発明の分布測定装置では、測定に用いる信号は、光信号に限らず、電波や音波など波動性を有した信号など、測定領域内で散乱性を持つ信号であれば使用できる。また、送信源と受信源を設置した平面が他の領域に比べて特に信号伝達が悪い場合は、この限りでなく信号伝達が悪い面を避けた部位の分布を測定することができる。測定信号として光信号を用いる場合には、送信端子を送光端子として光源あるいは光源に接続される光ファイバを用いることができ、また、受信端子を受光端子として光検出器あるいは光検出器に接続される光ファイバを用いることができる。
【0024】
したがって、この場合の送信端子及び受信端子の配置は、光源又は光源に接続される光ファイバ端と、光検出器又は光検出器に接続される光ファイバ端の配置となる。
【0025】
また、上記した分布測定装置は測定対象を生体とする生体計測に適用することができ、送信端子を送光端子とし受信端子を受光端子とすることにより、生体を光を用いて計測することができる。
【0026】
本発明による生体計測装置は、複数の送光端子及び受光端子を面状に配置し、送光端子と受光端子間において生体を伝搬する光信号を測定することにより生体を計測する生体計測装置であって、送光端子及び受光端子は、連続する2個の送光端子と連続する2個の送光端子からなる組み合わせを行方向及び列方向に格子状に配列し、行方向及び列方向で隣接する配列を互いに一格子点分だけ同方向に順次ずらして配置する。送光端子及び受光端子の面状配置の行端及び列端部においては、送光端子あるいは受光端子の配置数が1個となる場合がある。なお、送信端子(送光端子)及び受信端子(受光端子)の配置に用いる格子は正方格子に限らない。
【0027】
本発明によれば、行方向及び列方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせと、行方向及び列方向に対して斜め方向の送・受信端子の組み合わせを用いることにより、この2つの送・受信端子の組み合わせにより、送・受信端距離を異ならせることができる。また、送・受信端子の中点の測定点は、行方向及び列方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせの場合には送・受信端子が配置される格子点上の位置となり、行方向及び列方向に対して斜め方向の送・受信端子の組み合わせの場合には格子点上からずれた位置となるため、測定点の配置密度を高めると共に、もれなく配置することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の分布測定装置、及び生体計測装置を説明するための例示図である。
【0030】
図1は、送信端子と受信端子の配置例を示している。なお、ここでは、17個の送信端子と19個の受信端子を配置した例を示し、また、各端子の配置位置はピッチPの間隔の格子点としている。
【0031】
送信端子A(図中では黒丸で示している)と受信端子B(図中では白丸で示している)は、連続する2個の送信端子Aと連続する2個の送信端子Bを配置する組み合わせを行方向及び列方向に格子状に配列し、行方向及び列方向で隣接する配列を互いに一格子点分だけ同方向に順次ずらして配置する。
【0032】
例えば、図中配置において上から下に向かって第1行から第6行とすると、第1行目では、左端から2個の受信端子、2個の送信端子、2個の受信端子が行方向(横方向)に配置される。第2行目では、左端から1個の送信端子、2個の受信端子、2個の送信端子、1個の受信端子が行方向(横方向)に配置される。この第2行目の端子配置は、第1行目の端子配置を行の右方向に1格子分ずらした配置(あるいは、行の左方向に3格子分ずらした配置)に対応している。
【0033】
なお、行をずらしたことにより、端部が空白となった場合(第2行目では、左端部分)には、第2列目と第3列目の配置に基づいて送信端子あるいは受信端子を配置する。例えば、第2列目と第3列目の配置が共に送信端子であれば受信端子を配置し、共に受信端子であれば送信端子を配置し、第2列目と第3列目の配置が異なる場合には、第2列目と同種の端子を配置する。この第2行目の例では、第2列目と第3列目が共に受信端子であるので送信端子を配置する。
【0034】
さらに、第3行目では、左端から2個の送信端子、2個の受信端子、2個の送信端子が行方向(横方向)に配置される。この第3行目の端子配置は、第2行目の端子配置を行の右方向に1格子分ずらした配置(あるいは、行の左方向に3格子分ずらした配置)に対応している。同様に、以下の他の行についても、上側で隣接する行の端子配置を行の右方向に1格子分ずらして(あるいは、行の左方向に3格子分ずらして)配置される。
【0035】
この端子配置は、列方向に対しても同様の配置となる。例えば、図中配置において左から右に向かって第1列から第6列とすると、第1列目では、上端から1個の受信端子、2個の送信端子、2個の受信端子、1個の送信端子が列方向(縦方向)に配置される。第2列目では、上端から2個の受信端子、2個の送信端子、2個の受信端子が行方向(縦方向)に配置される。この第2列目の端子配置は、第1列目の端子配置を列の下方向に1格子分ずらした配置(あるいは、列の上方向に3格子分ずらした配置)に対応している。
【0036】
また、列をずらしたことにより、端部が空白となった場合(第2目では、上端部分)には、第2行目と第3行目の配置に基づいて送信端子あるいは受信端子を配置する。例えば、第2行目と第3行目の配置が共に送信端子であれば受信端子を配置し、共に受信端子であれば送信端子を配置し、第2行目と第3行目の配置が異なる場合には、第2行目と同種の端子を配置する。この第2列目の例では、第2行目と第3行目の配置が異なるので、第2行目と同種の受信端子を配置する。
【0037】
さらに、第3列目では、上端から1個の送信端子、2個の受信端子、2個の送信端子、1の受信端子が列方向(縦方向)に配置される。この第3列目の端子配置は、第2列目の端子配置を列の下方向に1格子分ずらした配置(あるいは、行の上方向に3格子分ずらした配置)に対応している。同様に、以下の他の列についても、左側で隣接する列の端子配置を列の下方向に1格子分ずらして(あるいは、列の上方向に3格子分ずらして)配置される。
【0038】
図1(b)は、この送・受信端配置において、送信端子と受信端子間の送・受信間距離を説明するための図である。図1(b)において、送信端子Aと組み合わせる受信端子として受信端子B1,受信端子B2,及び受信端子B3がある。なお、受信端子B2は行方向及び列方向に配置される受信端子であり、受信端子B1及び受信端子B3は行方向及び列方向に対して斜め方向に配置される受信端子である。もちろん、最初の端子が連続しておらず、単体で配置された場合も、同様に操作を行うことで、同じ効果を持つ配列を設けることができる。
【0039】
各端子間のピッチをpとすると、送信端子Aと受信端子B2との間の送・受信間距離は2・pとなる。また、送信端子Aと受信端子B1との間の送・受信間距離は√2・pとなり、送信端子Aと受信端子B3との間の送・受信間距離は√5・pとなる。送信端子Aと受信端子B1との間の送・受信間距離√2・pを最近接計測距離として使用する。
【0040】
図1(c)は、この送信端子と受信端子間の送・受信間距離を比較して示している。ここで、送信端子Aと受信端子B1との間の距離√2・pを基準(比率1とする)として他の送信端子と受信端子間の送・受信間距離を表すと、送信端子Aと受信端子B2との間の送・受信間距離は√2の比率で表され、送信端子Aと受信端子B3との間の送・受信間距離は√5/√2の比率で表され、各比率は1:√2:(√5/√2)となる。したがって、この送・受信端子配置によれば、各送・受信間距離の比率を均一配置が可能な最短距離の組み合わせの2倍以内とすることができる。
【0041】
図1(d)は、従来の送・受信端子配置における送・受信間距離の比率を比較のために示している。従来の送・受信端子配置によれば、各送・受信間距離の比率は、短い方から1:√5:√13となり、最短距離以外の各送・受信間距離の比率は最短距離の2倍を越えることになる。
【0042】
受信端子で受信される受信信号の信号強度は送・受信間距離に依存している。例えば、生体のような強散乱体の場合には、信号強度は送・受光間距離に対して指数的に減少する。従来の等距離配置において近赤外光で測定した場合には、次近接の受光端子(送・受光間距離の比率が√5)で受光した受光信号の信号強度は、最近接距離(約3cmとした場合)の受光信号の信号強度に対して数百分の1に減少する。
【0043】
図2は送・受光間距離と受光信号の信号強度との関係を模式的に表している。図2(a)は本発明による送・受光間距離と受光信号の信号強度との関係を示し、図2(b)は従来の等距離配置による送・受光間距離と受光信号の信号強度との関係を示している。なお、図2において、斜線部分は送・受光間距離の比率が2を越えた領域を示している。
【0044】
本発明の送・受信端子の配置によれば、各送・受信間距離の比率が2倍の領域内に、3種類の送・受光間距離をとることができる。送・受信間距離の比率が2倍の領域内であれば、最も受信信号の信号強度が小さいものであっても増幅器で十分増幅することが可能となる。
【0045】
一方、図2(b)従来の等距離配置によれば、各送・受信間距離の比率が2倍の領域内には1種類の送・受光間距離しかとることができない。各送・受信間距離の比率が2倍を越える領域の場合には、受信信号の信号強度が極めて小さくなり信号増幅によっても良好なS/N比を得ることは難しい。
【0046】
したがって、本発明の送・受信端子の配置によれば、複数の異なる送・受信間距離の受信信号を得ることができる。
【0047】
図3は本発明による測定点を説明するための図である。
【0048】
送信端子と受信端子の組み合わせにより得られる面上の測定代表点を、伝播の対称性から送信端子と受信端子の中間位置で示す。従来の等距離配置による場合には、測定点は送信端子及び受信端子が配置された格子辺中点に限られ、配置密度を高めることはできない。これに対して、本発明によれば送受信端を配置した格子点にも配置でき、測定点の配置密度を高めもれなく測定を行うことができる。
【0049】
本発明の送・受信端子の配置によれば、3種類の送・受信端子の組み合わせを用いることができる。第1の送・受信端子の組み合わせは、行方向及び列方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせであり、第2の送・受信端子の組み合わせは、行方向及び列方向に対して斜め45度方向の送・受信端子の組み合わせである。第3の組み合わせは、斜め約63度(約27度)の方向の組み合わせである。したがって、本発明の送・受信端子の配置によれば、3種類の送・受信端子の組み合わせにより測定点の配置を増加させることができる。
【0050】
図3(a)は、行方向及び列方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせにより得られる測定点を示している。例えば、送信端子A1に対する行方向及び列方向の受信端子は、隣接する送信端子あるいは受信端子を1個とばした次の位置にある受信端子B21,B22,B23,B24である。これらの受信端子と送信端子A1との組み合わせで得られる測定点(図中の十字印で示している)は、C21,C22,C23,C24となる。これらの測定点は、送信端子あるいは受信端子が配置される格子上の位置となる。送信端子A2についても、受信端子との組み合わせにより同様に測定点が得られる。
【0051】
図3(b)は、行方向及び列方向に対して斜め45度方向の送・受信端子の組み合わせにより得られる測定点を示している。例えば、送信端子A1に対する行方向及び列方向に対して斜め方向の受信端子は、受信端子B11,B12である。これらの受信端子と送信端子A1との組み合わせで得られる測定点(図中の×印で示している)は、C11,C12となる。これらの測定点は、送信端子あるいは受信端子が配置される格子上からずれた位置となる。送信端子A2についても、受信端子との組み合わせにより同様に測定点が得られる。
【0052】
なお、図3(b)に示す斜め方向の受信端子は、送・受信間距離が√2・pの例を示しているが、送・受信間距離が√5・pとなる受信端子との組み合わせについても同様に、格子点からずれた位置に測定点を得ることができ、これら点は図3(b)に示した測定点とも異なっている。
【0053】
図4は、図3で示した2種類の送・受信端子の組み合わせによる測定点を示している。図4(a)は、図3(a)及び図3(b)において送信端子A1により得られる測定点C21,C22,C23,C24,及びC11,C12を示している。
【0054】
図4(b)は、17個の送信端子及び19個の受信端子による構成の場合における測定点を示している。この構成によれば、全部で57の測定点を得ることができる(第3の組み合わせを含めば77個)。なお、1〜32の番号が振られた測定点(図中の十字印で示す)は、前記した格子点上に配置される第1の種類の測定点であり、33〜57の番号が振られた測定点(図中の×印で示す)は、前記した格子点以外に配置される第2の種類の測定点である。さらに、送・受信間距離が√5・pとなる受信端子との組み合わせによる測定点を加えることにより、測定点の個数を増加させ、分布密度を高めることができる。
【0055】
図5は、送信端子と受信端子の他の配置例を示している。なお、ここでは、16個の送信端子と17個の受信端子を配置した例を示し、また、各端子の配置位置はピッチPの間隔の格子点としている。
【0056】
送信端子A(図中では黒丸で示している)と受信端子B(図中では白丸で示している)は、連続する2個の送信端子Aと連続する2個の送信端子Bを配置する組み合わせを、それぞれ正三角形の組み合わせからなる格子の各頂点に配列し、格子方向で隣接する配列を互いに一格子点分(距離としては1/2格子分、以下同様)だけ同方向に順次ずらして配置する。
【0057】
例えば、図中配置において上から下に向かって第1行から第6行とすると、第1行目では、左端から2個の送信端子、2個の受信端子、2個の送信端子が格子方向(ここでは横方向)に配置される。第2行目では、左端から2個の送信端子、2個の受信端子、1個の送信端子が格子方向(ここでは横方向)に配置される。この第2行目の端子配置は、第1行目の端子配置が1格子点分(あるいは3格子点分)ずれた配置に対応している。
【0058】
なお、配置をずらしたことにより、端部が空白となった場合(例えば、第3行目では、左端部分)には、第2列目と第3列目の配置に基づいて送信端子あるいは受信端子を配置する。例えば、第2列目と第3列目の配置が共に送信端子であれば受信端子を配置し、共に受信端子であれば送信端子を配置し、第2列目と第3列目の配置が異なる場合には、第2列目と同種の端子を配置する。この第3行目の例では、第2列目と第3列目が共に送信端子であるので受信端子を配置する。
【0059】
同様に、以下の他の行についても、上側で隣接する行の端子配置を行の右方向に1格子点分ずらして(あるいは、行の左方向に3格子点分ずらして)配置する。この端子配置は、列方向に対しても同様の配置となる。もちろん、最初の端子は、連続して配列せず単体で設けることもできる。
【0060】
図5(b)は、この送・受信端配置において、送信端子と受信端子間の送・受信間距離を説明するための図である。図5(b)において、送信端子Aと組み合わせる受信端子として受信端子B1,受信端子B2,及び受信端子B3がある。なお、受信端子B2は格子方向に配置される受信端子であり、受信端子B1及び受信端子B3は格子方向に対して斜め方向に配置される受信端子である。もちろん、最初の端子が連続しておらず、単体で配列するを設けることもできる。
【0061】
各端子間のピッチをpとすると、送信端子Aと受信端子B2との間の送・受信間距離は2・pとなる。また、送信端子Aと受信端子B1との間の送・受信間距離は√3・pとなり、送信端子Aと受信端子B3との間の送・受信間距離は√7・pとなる。送信端子Aと受信端子B1との間が計測に使用する最近接距離となる。
【0062】
図5(c)は、この送信端子と受信端子間の送・受信間距離を比較して示している。ここで、送信端子Aと受信端子B1との間の最近接距離を基準(比率1とする)として他の送信端子と受信端子間の送・受信間距離を表すと、送信端子Aと受信端子B2との間の送・受信間距離は2/√3の比率で表され、送信端子Aと受信端子B2との間及び送信端子Aと受信端子B3との間の送・受信間距離は約1.15及び1.53の比率で表される。したがって、この送・受信端子配置によれば、各送・受信間距離の比率を均一配置が可能な最短距離の組み合わせの2倍以内とすることができる。
【0063】
したがって、図3,図4、図5に示すように、本発明の送・受信端子の組み合わせによれば、複数の異なる送・受信間距離を得ることができ、また、格子点と格子点以外の位置に測定点を得ることができ、測定点密度を高めることができる。
【0064】
なお、図1で示した送信端子及び受信端子の配置の一例によれば、17個の送信端子及び19個の受信端子を格子のピッチ幅を、従来配置の3cmのピッチ幅に対して約1.8cmとし、各辺が9cmの領域内とする構成とする。
【0065】
この1.8cmのピッチ幅は、異なる送・受信間距離の比率を1:√2としたとき、この二つの送・受信間距離の平均値が従来配置のピッチ幅3cmとなるように設定することで得られる。このピッチ幅(1.8cm)によれば、最近接の送・受信間距離は約2.5cm(1.8cm×√2)となり、次近接の送・受信間距離は約3.6cm(1.8cm×2)となる。9cm×9cmの同一領域内に3cmピッチの従来の方法と1.8cmピッチの本発明で配置した場合とを比較すると、送受信端は、従来型が8個の送信端子及び8個の受信端子であるのに対して、本発明では17個の送信端子及び19個の受信端子となり高密度に配置することができる。また、測定点は、本発明によれば、最近接測定点および次近接測定点を用いることによって、従来の24点に対して57点となり倍以上の測定点を得ることができる。
【0066】
次に、本発明の分布測定を生体計測に適用した生体計測装置の一構成例について図6を用いて説明する。
【0067】
図6において、生体計測装置10は、複数の送信端子Aと複数の受信端子Bを備える送受信端子配置1と、複数の送信端子Aの送信信号を送る送信部2と、複数の受信端子Bで検出された受信信号を受信する受信部3と、受信信号を増幅する増幅器5と、信号増幅した受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器6と、得られた信号に基づいて所定の信号処理を行う演算手段7と、表示手段8を備える。また、送信部2、受信部3、増幅器5を制御する制御手段4を備える。
【0068】
送受信端子配置1は、複数の送信端子Aと複数の受信端子Bを備え、前記したように配置され、生体等の測定対象に取り付けられる。光信号を用いて生体計測を行う場合には、送信端子Aは例えば光源あるいは光源に接続された光ファイバとし、受信端子Bは例えば光検出器あるいは光検出器に接続された光ファイバとする。
【0069】
送信部2は、送信端子Aに送信信号を送る部分であり、送信手段2a〜2hを備える。なお、送信手段2a〜2hは、必ずしも各送信端子Aに一対一で対応する必要はなく、複数の送信端子に対して一つの送信手段を対応させることもできる。光信号を用いる場合には、送信手段2a〜2hは光源とすることができ、所定波長の光を発光し、光ファイバ等の導光体を介して送信端子Aに送光される。なお、送信端子Aを光源とする場合には、送信部2は光源を駆動する駆動手段あるいは発光を制御する制御手段とすることができる。
【0070】
受信部3は、受信端子Bからの受信信号を受信する部分であり、受信手段3a〜3hを備える。なお、受信手段3a〜3hは、必ずしも各受信端子Bに一対一で対応する必要はなく、複数の受信端子に対して一つの受信手段を対応させることもできる。光信号を用いる場合には、受信手段3a〜3hは受光器とすることができ、受信端子Bで検出された光信号を光ファイバ等の導光体を介して受光する。なお、受信端子Bを光検出器とする場合には、受信部3は受信信号を受信するターミナルとすることができる。
【0071】
送信部2の送信制御及び受信部3の受信制御は、制御手段4からの制御信号に基づいて行うことができる。例えば、送信と受信とを同期させて、送信端子と受信端子の組み合わせを定めることができる。この送信端子と受信端子の組み合わせは、あらかじめ記憶手段(図示していない)等に設定しておくことができる。また、制御手段は、送信と受信のタイミングを制御し、同一の受信端子により、複数の送信端子から送られる信号を区別して受信することができる。
【0072】
増幅器5は、受信部で受信した検出信号を信号増幅する。この信号増幅では、対数増幅や、測定距離に基づく増幅率の変更によりダイナミックレンジを拡大することができる。
【0073】
本発明の送・受信端配置において、各測定点での測定信号の信号強度のばらつきがなければ信号強度の変化は10倍程度である。信号強度の変化がこの程度であれば、増幅器のゲインを変更する必要はないが、光源強度や検出器感度、生体の吸収の度合いが異なると、全体としての信号強度変化は100程度まで広がる。この程度の信号強度の差は、光電子倍増管の検出範囲内であるが、A/D変換において信号強度の最も弱いものは、分解能が不足してS/N比が劣化し、実質的に測定することができない。そこで、本発明では、対数増幅や、測定距離に基づく増幅率の変更によりダイナミックレンジを拡大することにより、強度の低い信号についても測定可能とすることができる。
【0074】
生体計測において、生体内で散乱して得られる透過光の光量変化は、生体による吸収量に対して対数的に変化するため、対数処理を行うことで光学吸収率(アブソーバンス)により算出され表示される。しかし、通常は、A/D変換を行った後にデジタル処理されるため、光検出器で得られる信号の信号増幅に余裕があったとしても、最大光量はリニアアンプで制限されダイナミックレンジは狭くなる。このリニアアンプを対数アンプ等の信号が大きくなれば圧縮されるような非線形増幅に置き換えることにより、ダイナミックレンジを拡大することができる(対数増幅以外の非線形増幅の場合には、光学吸収率との演算とは異なるため、別途演算が必要となる)。
【0075】
また、送・受信端子距離を異にする測定において、その送・受信端子距離を異にする送・受信端子の組み合わせについて、あらかじめ測定して受信信号の信号強度を測定して信号強度の比率を求めておき、その比率に基づいて検出器あるいは増幅器の増幅率を変化させて各送・受信端子の組み合わせの受信信号の信号強度が同程度となるようにし、実質的にダイナミックレンジを拡大する。この検出器や増幅器の増幅率変化は、制御手段4からの制御により行うことができる。
【0076】
本発明の実施態様によれば、測定点数を増加させることができる他、送・受信端子距離によって測定深さを変更することができるため、位置情報の他に深さ方向の情報を得ることができる。
【0077】
従来の分布測定では、送受信端が置かれている位置を測定点とすることはできない。これに対して、本発明によれば、送受信端が置かれている位置についても測定点とすることができる。
【0078】
光での生体計測の場合、測定点を送受の中間に置いているが、実際には送受を含む楕円領域を代表して測定点とし、送受信端が置かれている位置も測定領域内となっている。しかし、この送受信端の真下は中央部に対して感度が低く、ほとんど情報を得ることができない。そのため、従来の分布測定では、送受信端の真下の情報が得られない。本発明によれば、送受信端が置かれている位置が測定点となるような送受信端の距離を選択することにより、送受信端が置かれている位置を測定点とすることができる。
【0079】
また、上記説明では、生体計測を例として説明しているが、鉱物探査など地下探査や水面下探査などに適用することもできる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、分布測定において、異なる送・受信端子間距離による測定を可能とすることができ、また、測定点を高密度化し、より均質なデータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分布測定、及び生体計測説明するための例示図である。
【図2】送・受光間距離と受光信号の信号強度との関係を模式的に表した図である。
【図3】本発明による測定点を説明するための図である。
【図4】本発明による測定点を説明するための図である。
【図5】本発明の送信端子と受信端子の他の配置例を示す図である。
【図6】本発明の生体計測装置の一構成例を説明するための概略図である。
【図7】従来の送信端子と受信端子の等距離配置を説明するための図である。
【符号の説明】
1…送受信端子配置、2…送信部、2a〜2h…送信手段、3…受信部、3a〜3h…受信手段、4…制御手段、5…増幅器、6…A/D変換器、7…演算手段、8…表示手段、10…生体計測装置、A…送信端子、B…受信端子、C…測定点。

Claims (4)

  1. 複数の送信端子及び受信端子を面状に配置し、送信端子と受信端子間において測定対象を伝搬する信号を測定することにより、測定対象領域内の信号伝搬にかかる分布を測定する分布測定装置であって、
    前記送信端子及び受信端子の配置は、連続する2個の送信端子と連続する2個の受信端子を配置する組み合わせを所定角度で格子状に配列し、格子方向で隣接する配列を互いに一格子点分だけ同方向に順次ずらし、格子方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせと、格子方向に対して斜め方向の送・受信端子の組み合わせを用いて送・受信を行うことを特徴とする、分布測定装置。
  2. 複数の送信端子及び受信端子を面状に配置し、送信端子と受信端子間において測定対象を伝搬する信号を測定することにより、測定対象領域内の信号伝搬にかかる分布を測定する分布測定装置であって、
    前記送信端子及び受信端子の配置は、連続する2個の送信端子と連続する2個の受信端子を配置する組み合わせを行方向及び列方向に格子状に配列し、行方向及び列方向で隣接する配列を互いに一格子点分だけ同方向に順次ずらし、行方向及び列方向において間に1端子を挟む送・受信端子の組み合わせと、行方向及び列方向に対して斜め方向の送・受信端子の組み合わせを用いて送・受信を行うことを特徴とする、分布測定装置。
  3. 前記測定対象を生体とし、前記送信端子を送光端子とし、前記受信端子を受光端子とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の分布測定装置。
  4. 複数の送光端子及び受光端子を面状に配置し、送光端子と受光端子間において生体を伝搬する光信号を測定することにより生体を計測する生体計測装置であって、
    前記送光端子及び受光端子は、連続する2個の送光端子と連続する2個の受信端子からなる組み合わせを行方向及び列方向に格子状に配列し、行方向及び列方向で隣接する配列を互いに一格子点分だけ同方向に順次ずらして配置することを特徴とする、生体計測装置。
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