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JP4257936B2 - イソマレイミドおよび該化合物から誘導されるポリマ - Google Patents
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JP4257936B2 - イソマレイミドおよび該化合物から誘導されるポリマ - Google Patents

イソマレイミドおよび該化合物から誘導されるポリマ Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、イソマレイミドおよびポリイソマレイミド、これらの化合物の調製方法、ならびにこれらの化合物から得られるポリマ(すなわち、ポリマレアミド)に関する。本発明のポリマレアミドは、接着剤、シーラント、成形コンパウンド、保護塗料、研磨剤用バインダ、ポッティングコンパウンド、およびハイブリッド材料系用架橋剤として利用される。本発明のイソマレイミドおよびポリイソマレイミドは、界面活性剤として利用される。
発明の背景
有用な性質をもつ周囲条件下硬化性ポリマ材料に対する需要は、化学業界に絶えず存在する。長年にわたり、こうした需要はポリウレタンにより満たされてきたが、ポリウレタンの多用性および有用性は、こうした材料が工業的に普及したことから明らかである。しかしながら、ポリウレタンは、次第に規制の厳しくなってきた物質であるポリイソシアネートから調製される。
イソマレイミドおよびビス(イソマレイミド)は公知である。これらの化合物は、一般的には、次のようにして得られる。すなわち、アミンと無水マレイン酸とを反応させてマレアミド酸とし、続いて、マレアミド酸の環化脱水反応を行ってイソマレイミドを得る。マレアミド酸の生成は比較的簡単に行えるが、それに続く環化脱水処理では、該当する文献中に開示されたものについて言えば、高価な試薬および/または必ずしも高い収率で純粋なイソマレイミドを生成するわけではない条件が必要となることが時々ある。特に、酸、塩基、および熱が、イソマレイミドからマレイミドへの異性化を触媒すること、ならびに動力学的に有利なイソマレイミドよりも熱力学的に有利なマレイミドの方が優先的に単離される場合が多いこと、が知られている。
公知の低分子量非高分子ビス(イソマレイミド)はすべて、結晶質固体である。従って、それらを単離した後で反応に使用する場合、こうした固体材料を溶剤に溶解しなければならないが、その洗浄および廃棄は、困難で、高価で、および/または有害である可能性がある。
非高分子量ビス(イソマレイミド)から誘導されるポリマは、公知である。これらの化合物を得るための従来の方法では、好適なビス(イソマレイミド)と第一級または第二級のジアミンとの反応によりポリマレアミドを生成させるか、または好適なビス(イソマレイミド)と二価フェノールとの反応によりポリ(ハーフエステルハーフマレアミド)を生成させる。報告されたジアミン重合反応はすべて、有機溶剤中または希釈剤中で行われた。
発明の概要
簡潔に述べれば、本発明は、
(a)マレアミド酸およびポリマレアミド酸のうちの少なくとも1つと酸ハロゲン化物とを混合する工程と、
(b)得られた混合物と第三級アミンとを、マレイミドの生成を抑えるのに十分な低い温度において反応させる工程と、
(c)生成したイソマレイミドまたはポリイソマレイミドを単離する工程と、
をこの順序で含む、イソマレイミドおよびポリイソマレイミドの新規な調製方法を提供する。
「ポリイソマレイミド」とは、2つ以上のイソマレイミド官能基を有する分子を意味する。
この方法の反応物であるマレアミド酸またはポリマレアミド酸は、当該技術分野で周知のように、1つ以上の第一級アミン基を含有する化合物と無水マレイン酸とを反応させることにより調製することができる。第一級アミンはポリマであっても非ポリマであってもよいので、「ポリアミン」、「ポリマレアミド酸」、および「ポリイソマレイミド」という用語には、それぞれ、「高分子量ポリアミン」、「高分子量ポリマレアミド酸」、および「高分子量ポリイソマレイミド」も含まれる。
更にもう1つの態様において、本発明は、一般式(1):
Figure 0004257936
〔式中、
Rは、高分子量第一級ポリアミンの各アミノ基の両方の水素原子を、生成した各イソマレイミド基で置換することによって誘導された多価有機基を表し;
1およびR2は、同じであるかまたは異なっており、独立して、水素、C1〜C20の線状、分枝状、もしくは環状の脂肪族基、C6〜C20の芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基)、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から成る群より選ばれるか、またはR1およびR2は、互いに結合して、芳香族または脂環式の環を形成してもよく;
nは、イソマレイミド官能基の数を表し、少なくとも2、好ましくは2〜約50,000、より好ましくは2〜5000、最も好ましくは2〜100、更に好ましくは2〜10の整数である〕
で表される新規なポリイソマレイミドを提供する。
好ましい実施態様において、Rは、2つの第一級アミン基を有する化合物から誘導された二価有機基を表し、R1およびR2は水素であり、nは2である。
好ましくは、本発明の高分子量ポリイソマレイミドは、周囲温度(すなわち、20℃〜23℃)において液体である。
更にもう1つの態様において、本発明は、一般式(1’):
Figure 0004257936
〔式中、
R’は、高分子量第一級アミンのアミノ基の両方の水素原子を、生成したイソマレイミド基で置換することによって誘導された有機基を表し;
1およびR2は、先に規定した通りである〕
で表される高分子量イソマレイミドを提供する。
更にもう1つの態様において、本発明は、式(1)で表される液体の高分子量ポリイソマレイミドと、多重求核性の第一級もしくは第二級ポリアミンモノマ、多重求核性の非フェノール系ポリオールモノマ、または多重求核性のポリチオールモノマ、あるいはこれらを組合せたものと、の重合反応を行い、ポリマレアミド、またはポリマレアミドのハーフエステルもしくはポリマレアミドのハーフチオエステルを含むポリマ組成物を形成することによって調製された新規なポリマを提供する。好ましくは、求核性モノマは、少なくとも2つの第一級アミン基を含有するアミン、少なくとも2つの第二級アミン基を含有するアミン、少なくとも1つの第一級アミン基と少なくとも1つの第二級アミン基とを含有するアミン、2つ以上の-OH基を含有するポリオール、または2つ以上の-SH基を含有するチオールである。好ましい実施態様において、本発明は、液体の高分子量ポリイソマレイミドと高分子量多重求核性モノマとの重合反応を、周囲温度において有機の希釈剤または溶剤の不存在下で行うことによりポリマを調製する方法を提供する。好ましくは、多重求核性モノマは、液体であるか、または高分子量ポリイソマレイミドに溶解する。
こうしたポリマは、式:
Figure 0004257936
〔式中、
Aは、脂肪族基、脂環式基、または芳香族基であってもよい任意の多価高分子量有機基であり、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルカリーレン基などの炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、しかもAは、炭素鎖中に0個〜100個のヘテロ原子を挿入することにより、例えば、エーテル結合、チオ結合、またはアミノ結合を形成してもよく、ヘテロ原子としては、例えば、窒素、硫黄、非ペルオキシド系酸素、リン、ケイ素、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、更に、該多価高分子量有機基は、場合に応じて、置換基を含有していてもよく、ただし、Aおよびその置換基は、本発明のイソマレイミド、ポリイソマレイミド、またはポリマの生成を妨害しないものとし、
1およびR2は、先に規定した通りであり、
nは、Aの官能価を表す整数であり、先に規定した値を有する〕
で表される構造単位を含有することができる。
こうしたポリマは、好ましくは、式:
Figure 0004257936
〔式中、
-HN-A-NH-は、第一級ポリアミンの各第一級アミン基から少なくとも1つの水素原子を除去することにより誘導された多価高分子量基であり、
1、R2、およびAは、先に規定した通りである〕
で表される構造単位を含む。
もう1つの実施態様において、本発明のポリマは、一般式:
Figure 0004257936
〔式中、
Yは、独立して、-NH-、-O-、または-S-であり、
Wは、脂肪族基、脂環式基、芳香族基などの任意の多価有機基であり、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルカリーレン基などの炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、しかもWは、炭素鎖中に0個〜100個のヘテロ原子を挿入することにより、例えば、エーテル結合、チオ結合、またはアミノ結合を形成してもよく、ヘテロ原子としては、例えば、窒素、硫黄、非ペルオキシド系酸素、リン、ケイ素、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、更に、該多価有機基は、場合に応じて、置換基を含有していてもよく、ただし、Wおよびその置換基が本発明のイソマレイミド、ポリイソマレイミド、またはポリマの生成を妨害しないものとし、
Tは、脂肪族基、脂環式基、芳香族基などの任意の多価高分子量有機基であり、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルカリーレン基などの炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、しかもTは、炭素鎖中に0個〜100個のヘテロ原子を挿入することにより、例えば、エーテル結合、チオ結合、またはアミノ結合を形成してもよく、ヘテロ原子としては、例えば、窒素、硫黄、非ペルオキシド系酸素、リン、ケイ素、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、更に、該多価高分子量有機基は、場合に応じて、置換基を含有していてもよく、ただし、Tおよびその置換基が本発明のポリマに悪影響を及ばさないものとし、
1およびR2は、先に規定した通りであり、
sおよびmは、独立して、それぞれWおよびTの官能価を表す整数であり、しかもsおよびmは、独立して、2以上、好ましくは2〜約1000、より好ましくは2〜約100、最も好ましくは2〜約10の整数である〕
を有する。
こうしたポリマは、好ましくは、式:
Figure 0004257936
〔式中、W、T、Y、R1、およびR2は、先に規定した通りである〕
で表される繰返し単位を含む。
本明細書中において、
「熱力学的に有利」とは、候補となりうる反応生成物のうち最も安定性の高い反応生成物、すなわち、最も自由エネルギーの少ない反応生成物を意味し;
「動力学的に有利」とは、候補となりうる他の反応生成物よりも速く形成される反応生成物を意味し;
「ポリマ」または「高分子量」とは、2つ以上の繰返し単位を有する分子を意味し;
「ポリチオール」とは、2つ以上のチオール官能基を有する分子を意味し;
「ポリオール」とは、2つ以上のアルコール官能基を有する分子を意味し;
「ポリアミン」とは、2つ以上のアミノ官能基を有する分子を意味し;
「ポリマレアミド酸」とは、2つ以上のマレアミド酸官能基を有する分子を意味する。
本発明の方法は、高価でない試薬および触媒を用いて高収量(好ましくは、理論収量の80パーセントを超える収量)のイソマレイミドを提供する。使用温度において液体であるイソマレイミド(特にポリイソマレイミド)を使用すると、取扱が容易になるとともに、実質的に100%固形分処理が可能になり、環境に悪影響を及ぼさずに済む。また、固形分100%反応で得られる本発明のポリマの利点としては、製造および単離のコストが削減されること、環境への悪影響が低下すること、ならびに取扱が容易であることおよび生成物形態での適用が容易であることが挙げられる。
好ましい実施態様において、本発明は、ポリウレタンと同等またはそれよりも優れた物理的性質を有するポリマレアミドを提供するが、このポリマレアミドは、有害な影響を及ぼす可能性のある前駆物質(例えば、イソシアネート官能性モノマ)から調製されるものではなく、この点がポリウレタンとは対照的である。本発明のポリマは、中程度の温度(周囲温度)において、ポリイソマレイミドと多官能性求核試薬とを反応させることによって得られる。求核試薬がポリアミン(例えば、ジアミン、トリアミンなど)またはポリチオールの場合、反応は触媒なしで進行する。こうしたポリマは、ポリウレタンと同等な性質を呈するが、それにもかかわらず、そのモノマは、多くのイソシアネートに固有な有害性を示さない。
好ましい実施態様の詳細な説明
イソマレイミドの調製
イソマレイミドの合成ルートには、マレアミド酸の環化脱水反応が含まれるが、この反応では、熱力学的に有利なマレイミドよりも優先して、動力学的に有利なイソマレイミドが単離される。イソマレイミドが存在するときは常に、目的のイソマレイミドから目的外のマレイミドへの異性化に有利な条件またはこうした異性化を促進する条件を回避するように、注意しなけりばならない。回避すべき反応条件としては、過剰の酸、過剰の塩基、および約5℃を超える温度が挙げられる。本発明には、イソマレイミドの新規な調製方法が記載されているが、この方法によれば、こうした条件が回避されるとともに、低分子量および高分子量の両方のイソマレイミドの調製、ならびに好ましくは、ビス(イソマレイミド)、トリス(イソマレイミド)などの特定の高級同族体の調製を、再現性よく高収率および高純度で行うことができる。酸、塩基などの異性化を起こす触媒が含まれなければ、本発明のイソマレイミドの精製を、対応するマレイミドへの異性化を伴わずに、再結晶、減圧蒸留などの通常の方法により行うことができることが分かった。
イソマレイミドの従来の調製方法は、次の順序で行われた。すなわち、(1)無水マレイン酸と第一級アミン(例えば、n-ブチルアミン)との反応により、マレアミド酸(例えば、N-n-ブチルマレアミド酸)を形成する工程、(2)第三級アミン(例えば、トリエチルアミン)を用いてマレアミド酸を四級化し、例えば、N-n-ブチルマレアミド酸のトリエチルアンモニウム塩を形成する工程、(3)アンモニウム塩の環化脱水反応により、所望のイソマレイミドを形成する工程(ただし、脱水反応は、エチルクロロホルメートなどの酸ハロゲン化物を用いて行う)、および(4)イソマレイミドを単離する工程、の順序で行われた。この他、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)をマレアミド酸と反応させて、環化脱水反応が行われた。しかしながら、DCCDは高価な試薬であり、商業スケールで使用するのは実際的でない。エチルクロロホルメートなどの酸ハロゲン化物は、それほど高価ではないが、この脱水剤を用いた合成で、これまでに報告されたものについては、残念ながら純粋なイソマレイミドは低収率で得られることが示された。
本明細書中で特許請求された方法を用いると、エチルクロロホルメートのもつ経済的利点が得られるうえに、純粋なイソマレイミドが再現性よく高収率で得られる。酸ハロゲン化物脱水剤と四級化用アミンとの添加順序を逆にしてイソマレイミドを形成すれば、イソマレイミドの異性化を起こすのに十分な量の触媒の酸種または塩基種は存在しないことを見出した。本発明の方法では、反応温度を好ましくは約-8℃〜約+5℃に保つ。
本発明の方法を使用すれば、既に報告された方法(ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用しない方法)よりもイソマレイミドの収率が顕著に改良される。典型的には、従来法による収量の報告値は、反応生成物の50%以下であり、この反応生成物は融点の分布範囲が広いことから、いくつかの不純物が含まれることが示唆される。これとは対照的に、反応物の添加順序および上述の方法の工程(b)における第三級アミンの添加速度を調節し、これにより反応媒体の温度を制御する本発明の方法によれば、通常、理論量の85%を超える収量が得られ、しかも定量的収量が得られることも多い。更に、この方法でポリイソマレイミドが得られた場合、ポリイソマレイミドの純度が十分高いので、直接、重合工程に移ることができる。
従って、本発明は、イソマレイミドおよびポリイソマレイミドの調製方法を提供するが、この方法では、次の順序:すなわち、
(a)マレアミド酸および高分子量ポリマレアミド酸のうちの少なくとも1つと酸ハロゲン化物とを混合する工程、
(b)この混合物と第三級アミンとを、マレイミドの生成を抑えるのに十分な低い温度において反応させる工程、および
(c)イソマレイミドまたは高分子量ポリイソマレイミドを単離する工程、
の順序で調製が行われる。この反応およびこうして得られたポリイソマレイミドとポリアミンとの重合反応は、以下の反応順序IおよびIIに示されている。ポリアミンを、ポリチオールまたはポリオールなどの他の多官能性求核試薬と置き換えることもできる。反応順序IIIは、本発明の好ましいビス(イソマレイミド)の合成を示している。
Figure 0004257936
Figure 0004257936
無水マレイン酸と低分子量の第一級アミンとの反応によりマレアミド酸を形成することは、周知である。この反応に好適なアミンとしては、少なくとも1つの第一級アミン(すなわち、-NH2)基を有する任意のアミンが挙げられる。式R4NH2で表される任意の脂肪族、脂環式、または芳香族の第一級アミンは、この反応に好適である。ただし、R4は、100個までの炭素原子を有する一価の脂肪族基もしくは脂環式基または一価の芳香族基を表す。有用な第一級モノアミンの代表的なものとしては、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、t-ブチルアミン;種々の第一級のペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、および/またはオクチルアミンのいずれか;n-ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン;種々の置換モノアミン(例えば、2-クロロエチルアミン、クロロシクロヘキシルアミン、メトキシメチルアミン、ベンジルアミン、2-フェニルエチルアミンなど)、あるいはこれらの組合せが挙げられる。
2つ以上の第一級アミンを有する脂肪族または脂環式の炭化水素もまた、この反応に有用であり、こうした炭化水素としては、例えば、1,2-エタンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、およびビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン(ペンシルヴェニア州AllentownのAir Products and Chemicals Co.から入手可能なPACMTM20)が挙げられる。
芳香族の第一級アミンもまた、この反応に有用であり、その例としては、アニリンおよびナフチルアミンが挙げられる。芳香環上に他の置換基を有する芳香族第一級アミンは、好ましくは、他の置換基が電子供与性であるかまたは僅かに電子吸引性である化合物である。有用な置換芳香族第一級アミンとしては、例えば、o-、m-、およびp-トルイジン;o-、m-、およびp-アルコキシアニリン(例えば、p-メトキシアニリン);o-、m-、およびp-アルキルチオアニリン(例えば、p-(S-メチルチオ)アニリン);1,2-、1,3-、および1,4-フェニレンジアミン;ならびに4,4’-ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。やや好ましい置換基(すなわち、電子吸引性の置換基)としては、ニトロ、スルフェート、スルホネート、スルホンアミド、およびハロゲンが挙げられる。
アミノ化反応に使用するための好ましい高分子量第一級アミンとしては、ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Chemical Companyから市販されているアミン末端ポリエーテルのJeffamineTMシリーズ(例えば、JeffamineTMD-230、T-5000、EDR-148、D-2000、およびT-403)、ならびにニュージャージー州Mount OliveのBASF Corporationから市販されているアミン末端ポリ(テトラメチレンオキシド)(PTMO)(例えば、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)350、-750、-1100、および-2100)が挙げられる。米国特許第5,214,119号および同第5,290,615号(引用により本明細書中に含まれるものとする)に記載のアミン末端ポリ(ジメチルシロキサン)もまた、本発明の方法に有用である。
先に述べた材料のいくつかから調製されたビス(イソマレイミド)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0004257936
置換された無水マレイン酸もまた、本発明の方法に有用な場合がある。例えば、無水マレイン酸を無水フタル酸に置き換えると、イソフタルイミドまたはポリイソフタルイミドが得られ、3-メチル-または3,4-ジメチル無水マレイン酸を使用すると、対応するメチル-またはジメチル-イソマレイミドが得られる。本発明の方法は、無水マレイン酸の二重結合に1つまたは2つの置換基(例えば、メチル、クロロ、フェニル)が存在した場合でも適用できる。
本発明に有用なマレアミド酸は、一般式(2):
Figure 0004257936
〔式中、
W、R1、およびR2は、先に規定した通りであり;
tは、1以上、好ましくは1〜約1,000、より好ましくは1〜約100、最も好ましくは1〜約10の値をもつ整数である〕
を有する。
マレアミド酸の調製は、好ましくは、有機溶剤中で行われる。この調製に有用な溶剤としては、無水マレイン酸および第一級アミンの両方を溶解する溶剤、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルt-ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、N,N-ジメチルアセトアミド、o-キシレン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなど、が挙げられる。溶剤としては、水と混和しないもの、例えば、クロロホルム、トルエン、1,2-ジクロロエタン、メチルt-ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、o-キシレン、およびジクロロメタン、が好ましい。なぜなら、後続の調製工程に、好ましくは、水洗後に有機溶剤から単離する工程が含まれるからである。
従来技術では、マレアミド酸またはマレアミドアンモニウム塩の環化脱水反応は、いくつかの試薬:すなわち、ジシクロヘキシルカルボジイミド、トリフルオロ酢酸無水物、クロロ酢酸無水物、ケテン、およびエチルクロロホルメート型の酸無水物、を用いて行われてきた。ジシクロヘキシルカルボジイミドは有用な試薬であるが、非常に高価であり、商業スケールでのこうしたタイプの処理には適していない。この反応の副生物であるジシクロヘキシルウレアは、所望の生成物から分離し、かつ責任を持って処分しなければなせないが、いずれもについても処理コストがかさむ。上記の無水物はいずれも、次のような問題を抱えている。すなわち、脱水工程において、これらの無水物は有機酸を生成するため、この酸が、目的のイソマレイミドから目的外のマレイミドへの異性化反応の触媒となる可能性がある。イソマレイミドの収率が低下することが分かるであろうが、収率低下を防ぐには、第2のモル量の第三級アミン(以下を参照されたい)を用いて酸を中和することが望ましいことが分かるであろう。この場合でもまた、トリフロオロ酢酸アンモニウム塩などの副生物は、分離し、かつ除去しなければなせない。工業スケールでケテンを生成するには、かなりの資本支出が必要であり、しかも、このケテンは不安定なため、直ちに使用しなければならない。
こうした従来法の問題点は、今や克服された。本発明において、エチルクロロホルメートが、上記の方法で使用される物質に対する有用で好ましい代替物となる。この化合物は高価ではなく、しかも、その反応から得られる副生物は、エチルアルコールおよび二酸化炭素である。
一般的には、本発明の方法の環化脱水工程に有用な酸ハロゲン化物としては、式(3):
Figure 0004257936
〔式中、
3は、少なくとも1個、好ましくは2個〜12個の炭素原子を有する一価の脂肪族基、脂環式基、または芳香族基を表し;好ましくは、R3は、炭化水素基であり;Xは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、またはヨウ素原子を表す。R3の代表例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-アミル、n-ヘキシル、2-エチル-n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-ドデシル、およびシクロヘキシルが挙げられる。特に有用な具体例は、R3がC2H4、Xが塩素の場合に相当するエチルクロロホルメートである。〕
で表される化合物が挙げられる。
いずれの有機第三級アミンをマレアミド酸と反応させても、対応するアンモニウム塩を調製することができる。特に好ましい有機第三級アミンは、-COOH(カルボン酸)および-NH2(アミノ)ならびにオレフィン系またはアセチレン系の基などの妨害基を含まない有機第三級アミンである。本発明の方法に有用な有機第三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ-n-アミルアミン、トリ-n-ヘキシルアミン、トリ-(2-エチル-n-ヘキシル)アミン、トリ-n-ヘプチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルヘキシルプロピルアミン、N-メチル-N-エチルアニリン、N,N’-ジメチル-p-メトキシアニリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N’-ジメチルアニシジン、2-クロロピリジン、4-クロロピリジン、キヌクリジン、キノリン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N’-ジメチルピペラジンなど、更に、これらの組合せが挙げられる。取扱および混合を容易にするために、有機第三級アミンは、周囲条件下(20℃〜23℃、大気圧下)で液体であることが好ましい。コスト、入手可能性、および取扱の容易さの点で、有機第三級アミンとしては、トリエチルアミンが最も好ましい。
好ましい実施態様において、本発明のイソマレイミドは、次のように調製される。すなわち、ジクロロメタンなどの適切な溶剤に溶解された無水マレイン酸の溶液を、約-5℃において理論量の第一級アミンで処理する。こうして得られたマレアミド酸を、反応混合物を-5℃に保ちながら、等モル量のエチルクロロホルメートで一度にまとめて処理する。次に、ジクロロメタンに溶解されたトリエチルアミンの溶液を、反応温度を0℃未満に保ちながら、攪拌された混合液に滴下する。トリエチルアミンの添加が終了すると、かなりの量のトリエチルアミン塩酸塩の白色沈殿が観測される。反応混合物を攪拌しながら室温まで加温する。この間、CO2ガスの発生が観測される。濾過によりアミン塩を分離し、残存するジクロロメタン溶液を飽和NaHCO3溶液および蒸留水で洗浄する。ジクロロメタン層を分離し、乾燥し、溶剤を除去する。こうして得られたイソマレイミドは、そのまま使用できるか、または、例えば、蒸留、カラムクロマトグラフィー、もしくは再結晶により更に精製することができる。
ポリマレイミド
本発明の新規な高分子量液体ポリイソマレイミドと、有機ポリアミン(ただし、2つ以上の第一級アミン基;2つ以上の第二級アミン基;または少なくとも1つの第一級アミン基および少なくとも1つの第二級アミン基、を含有する)、多重求核性非フェノール系ポリオール、または多重求核性ポリチオールと、の反応は、今や溶剤を用いずに良好に実施できることが示された。求核試薬がポリアミンまたはポリチオールの場合、20℃〜23℃において触媒を用いずにこの反応を行えることは、特筆すべきことである。得られたポリマは、有用な物理的および化学的性質を呈する。例えば、本発明に従って調製されたポリマレアミドは、類似のポリウレタンよりも著しく高い耐熱性を呈する。すなわち、熱重量分析により測定した場合の分解温度が高い。表1および2に示されたデータから、分解温度が310℃を超えることが分かる。また、ポリウレタンの典型的な分解温度が約300℃であるのに対して、多くの実施例では375℃程度の分解温度を呈する。
ポリイソマレイミドと反応するモノマとして好適な有機ポリアミンには、いくつかの市販の高分子量ポリアミンが含まれる。こうした例としては、ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Chemical Companyから市販されているアミン末端ポリエーテルのJeffamineTMシリーズ(例えば、Jeffamine D-230、T-5000、D-2000、およびT-403)およびアミン末端ウレアポリエーテルのJeffamineTMDUシリーズ);ニュージャージー州Mount OliveのBASF Corporationから市販されているアミン末端ポリ(テトラメチレンオキシド)(例えば、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン350、-750、-1100、および-2100);オハイオ州ClevelandのB.F.Goodrich Co.から市販されているアミン末端ブタジエン-アクリロニトリル(ATBN)コポリマのHycarTMシリーズ(例えば、HycarTM1300X21および1300X16);ならびにペンシルヴェニア州AllentownのAir Products and Chemicals,Inc.から市販されているアミン末端ポリテトラヒドロフランおよびアミン末端ポリプロピレンオキシドのVersalinkTMシリーズが挙げられる。米国特許第5,214,119号および同第5,290,615号(引用により本明細書中に含まれるものとする)に記載のアミン末端ポリ(ジメチルシロキサン)もまた、本発明の方法に有用である。更に、H2N-(CH2m-(NH)-(CH2m-NH2(ただし、m=5〜100)などのオリゴマ型アルキレンアミンを使用することもできる。
モノマ種の第2のグループは、2つ以上の反応性-SH基を有するチオールで表される。高分子量ポリイソマレイミドと重合させる場合、チオールは非高分子量化合物であってもよい。こうした例としては、エチレンビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、およびペンタエリトリトールテトラ-(3-メルカプトプロピオネート)〔いずれもマサチューセッツ州LexingtonのEvans Chemeticsから市販されている〕が挙げられる。チオールモノマはまた、イリノイ州LaGrangeのHenkel Corporationから市販されているチオールエンドキャップ型ポリマであるCapcureTM3-800で表されるような高分子量チオールであってもよい。エポキシ樹脂技術分野で周知の高分子量ビス-チオール硬化剤もまた、ポリイソマレイミドと併用されるモノマとして使用できる。こうした例としては、イリノイ州ChicagoのMorton International,Inc.から市販されているLP-2TM、LP-3TM、LP-12TMなどのチオール末端ポリスルフィドポリマが挙げられる。多官能性チオールまたは多官能性チオール含有コポリマと、イソマレイミドとの反応生成物を含むポリマはすべて、新規であると考えられる。
モノマ種の第3のグループは、1分子あたり2つ以上の-OH基を有する所定の有機ポリヒドロキシ化合物(すなわち、非フェノール系ポリオール)で表される。高分子量ポリイソマレイミドと重合させる場合、ポリオールは、非高分子量の脂肪族ポリオール、環状脂肪族ポリオール、もしくはアルカノール置換アレンポリオール(好ましくは、ポリマの可撓性を改良するために、二価または多価のフェノールを含有しないもの)、またはこれらの混合物であってもよく、この場合、18個までの炭素原子、および2個〜5個、好ましくは2個〜4個のヒドロキシ基が含まれる。「二価または多価のフェノール」とは、2つ以上の-OH基が芳香環炭素原子に直接結合した化合物を意味する。
有用なポリオールとしては、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ペンタンジオール、2,2-オキシジエタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、および2-ブテン-1,4-ジオールが挙げられる。有用なポリオールの他の例が、米国特許第4,503,211号に開示されている。
高分子量ポルオールとしては、約200〜約20,000の分子量範囲にあるポリエチレンオキシドポリマおよびポリプロピレンオキシドポリマ〔例えば、ポリ(エチレンオキシド)化合物のCarbowaxTMシリーズ(コネティカット州DanburyのUnion Carbide Corp.から入手可能)およびポリ(プロピレンオキシド)化合物のARCOLTMシリーズ(ペンシルヴェニア州Newtown SquareのARCO Chemicalsから入手可能)〕;約200〜約5000の分子量範囲にあるカプロラクトンポリオールなどのポリエステルポリオール〔例えば、ポリオールのToneTMシリーズ(Union Carbideから入手可能)〕;約200〜約4000の分子量範囲にあるポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール〔例えば、ポリオールのTerathaneTMシリーズ(デラウェア州WilmingtonのDuPont Co.から入手可能)〕;ヒドロキシ末端ポリブタジエン材料〔例えば、ポリオールのPoly bdTMシリーズ(ペンシルヴェニア州PhiladelphiaのElf Atochemから入手可能)〕;およびポリ(テトラメチレンオキシド)/ポリカーボネートのランダムコポリマ〔例えば、ポリオールのPolyTHFTMCDシリーズ(BASFから入手可能)〕が挙げられる。
上記の高分子量のポリアミン、ポリオール、またはポリチオールは、非高分子量のポリイソマレイミド(すなわち、無水マレイン酸と非高分子量第一級ポリアミンとの反応により調製されたポリイソマレイミド)と反応させるか、またはそれ自体がポリマであるポリイソマレイミドと反応させることができる。いずれの場合においても、反応混合物は均一であることが好ましく、具体的には、ポリアミン、ポリオール、もしくはポリチオール(またはこれらの組合せ)、およびポリイソマレイミドが、互いに溶解または混和することが好ましい。
また、ポリイソマレイミドおよびポリアミンのポリマには、特定の短鎖非高分子量多官能性コモノマ(「連鎖延長剤」と呼ばれることが多い)が含まれていてもよい。ポリウレタン系の場合と同じように、2つ以上(好ましくは2つ)の第一級アミン基、第二級アミン基、もしくは第一級アミン基と第二級アミン基との組合せ、を含むアミン;または2つ以上(好ましくは2つ)のヒドロキシル基を含むポリオールを、ポリイソマレイミドおよびポリアミンと共反応させて、生成するポリマを改質してもよい。こうした連鎖延長剤を使用してポリママトリックス中に硬質セグメントを導入することにより、ポリマ中での相分離を増大させてもよく、この場合にはまた、ポリマの引張強度およびガラス転移温度も増大する。連鎖延長剤として有用な有機ジアミンには、2つ以上の第一級アミンを有する脂肪族および脂環式炭化水素が含まれるが、こうした例としては、1,2-エタンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン(ペンシルヴェニア州AllentownのAir Products Corporationから入手可能なPACMTM20)、ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Chemical Co.から市販されているJeffamineTMEDR-148(ジエチレングリコールジエチルアミン)、ルイジアナ州Baton RougeのAlbemarle Corp.から市販されているEthacureTM100(ジエチルトルエンジアミン)、ペンシルヴェニア州PhiladelphiaのRohm & Haas Co.から市販されているPrimene MDTM(1,8-ジアミノ-p-メタン)、テキサス州HoustonのShell Chemicals Companyから市販されている硬化剤H-2TM(エチレンジアミンおよびメチルイソブチルケトンケチミンの混合物)、およびイリノイ州Des PlainesのUOPから市販されている芳香族第二級ジアミンのUnilinkTMシリーズ(例えば、UnilinkTM4100、4102、4132、4200、および4230)が挙げられる。
連鎖延長剤として有用な他の二官能性アミンとしては、4,4’-メチレンビス(o-クロロアニリン)(MOCAまたはMBOCA)、4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)(MCDEA)、プロピレングリコールビス(4,4’-アミノベンゾエート)、3,5-ジ(チオメチル)-2,4-トルエンジアミン、メチレンビス(4,4’-アニリン)(MDA)、エチル-1,2-ジ(2-アミノチオフェノール)、4-クロロ-3,5-ジアミノイソブチルベンゾエート、N,N’-ジアルキル(メチレンジアニリン)、N,N’-ジアルキル(1,4-ジアミノベンゼン)、およびこれらの組合せが挙げられる。
有用なジオール連鎖移動剤としては、例えば、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビス(2-ヒドロキシエチル)ヒドロキノン(HQEE)、およびこれらの組合せから成る群より選ばれる化合物が挙げられる。連鎖延長剤の使用量は、所望のポリマ特性の改質を行うのに十分な量とする。
アミン連鎖延長剤とジオール連鎖延長剤とを併用することもできる。
ポリイソマレイミドおよび多官能性モノマの反応生成物を含むプレポリマもまた、本発明の範囲内にある。プレポリマの調製および使用については、ポリマ化学では周知であり、この場合には、理論量よりも過剰の一方のモノマを他方のモノマと反応させて、更なる重合反応を行うことのできる末端基を有する反応中間体を形成する。例えば、ポリウレタン化学において、「純」プレポリマでは、NCO/OHの理論比が2/1以下であり、一方、「擬」プレポリマでは、NCO/OH比が2/1を超える。本発明において、「純」プレポリマおよび「擬」プレポリマの両方を調製することができる。例えば、本発明のポリイソマレイミドを、理論量よりも過剰に、アミン官能性ポリマと反応させることにより、例えば、同じまたは異なるアミン官能性ポリマと更に反応して有用な材料を与えることのできるイソマレイミド末端プレポリマを形成することができる。同じように、ポリイソマレイミドをポリオールまたはポリチオールと反応させて、プレポリマを調製することもできる。
以下の反応において、
Y、T、A、R1、R2、m、およびnは、先に規定した通りであり、ただし、AおよびYは、独立して選ばれ、
pは、2以上の整数であり、繰返し単位の重合度を表すが、この重合度は、モノマの正確な当量比により制御可能であり、好ましくは、pは、2〜50,000、より好ましくは、2〜1000である。
反応順序IVは、種々のタイプのプレポリマを得るための合成ルートを示している。
Figure 0004257936
ただし、「当量」という用語は、各モノマまたりの官能基のモル数を意味する。
mおよびnの様々な値に対するこのプレポリマの構造の例は次の通りである。
Figure 0004257936
mおよびnの様々な値に対するこのプレポリマの構造の例は次の通りである。
Figure 0004257936
ただし、E’はHであってもよく、E”は-Y-T-(Y-H)m-1(多重求核試薬が過剰であることを示す)であってもよく;あるいは、
E’は、次の構造であってもよく、
Figure 0004257936
E”は、次の構造であってもよい。
Figure 0004257936
mおよびnの様々な値に対するこのプレポリマの構造の例は次の通りである。
Figure 0004257936
Figure 0004257936
こうした反応の統計的性質により、上記の反応(a)および(b)に示された生成物は、重合度が1を超える少量の分子を含む可能性がある。更に、反応(c)では、重合度pの分布を生じる生成物が形成される。
ポリイソマレイミドと、ポリアミン、ポリオール、またはポリチオールと、の重合反応は、有機溶剤中で行ってもよいし、溶剤を使用せずに(例えば、純反応成分だけで)行ってもよいが、後者が好ましい。溶剤を使用する場合、溶剤としては、モノマおよび生成するポリマの両方を溶解するものが好ましく、例えば、環状および線状のケトン、環状および線状のアルキルエーテル、ハロゲン化アルカン、芳香族炭化水素、環状および線状のアルキルエステルなどが挙げられる。
本発明のポリマは、接着剤、シーラント、成形コンパウンド、保護塗料、研磨剤用バインダ、ポッティングコンパウンド、およびハイブリッド材料系用架橋剤として利用される。
以下の実施例により、本発明の目的および利点について更に説明するが、これらの実施例中に記載の特定の物質およびそれらの量、ならびに他の条件および詳細によって、本発明が不当な制限を受けるものではないことを理解すべきである。
評価方法
引張強度および伸びパーセント
引張強度および伸びパーセントの試験は、Sintech Model 10引張試験機(ミネソタ州Eden PraireのMTS Systems Corp.)を用いて行った。試験は、本質的にはASTM試験法D638-89に従って行った。幅約0.318cm(0.125インチ)および厚さ約0.159cm(0.0625インチ)(断面積約0.05cm2)、または幅約0.635cm(0.250インチ)および厚さ約0.119cm(0.0469インチ)(断面積約0.076cm2)のダンベル型試験片を作製し、クロスヘッド速度5.08cm/分(2インチ/分)または50.8cm/分(20インチ/分)で試験した。
引裂抵抗
引裂抵抗試験は、Sintech Model 10引張試験機を用いて行った。試験は、本質的にはASTM試験法D624-86に従って行った。Cダイ型のダイを用いて厚さ約0.159cm(0.0625インチ)のサンプルを作製し、クロスヘッド速度5.08cm/分(2インチ/分)または50.8cm/分(20インチ/分)で試験した。
ゲル化時間
ゲル化時間の測定は、本質的にはASTM試験法D1338-56に従って行った。
分解温度
分解温度は、Perkin-Elmer TMA-7アナライザ(コネティカット州NorwalkのPerkin-Elmer Corp.)を用いて、本質的にはASTM試験法E1131-93に従って熱重量分析により測定した。50mL/分で窒素を流しながら、10℃/分で25℃から1000℃まで加熱した。
実施例1
JeffamineTMD-230のビス(イソマレイミド)の合成
ビス(マレアミド酸):機械的攪拌機、N2吹込口およびバブラ、滴下漏斗、ならびに温度計を備えた3リットル反応フラスコ(オーブン乾燥済み)に、無水マレイン酸99.0gおよびジクロロメタン1500mLを仕込み、N2でゆっくりとパージングしながら、生成したスラリーを攪拌した。フラスコの周りに氷浴を配置し、10℃より低い温度まで溶液を冷却した。JeffamineTMD-230ポリ(プロピレンオキシド)ジアミン(ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Chemical Co.)121.7gをジクロロメタン約150mL中に溶解した溶液を、10℃未満の温度に保ちながら滴下した。滴下中、溶液は均一な状態であった。溶液を一晩攪拌した。
ビス(マレアミド酸)の環化脱水によるビス(イソマレイミド)の形成:こうして得られたビス(マレアミド酸)溶液を、氷/塩浴を用いて0℃まで冷却し、次に、エチルクロロホルメート(ウィスコンシン州MilwaukeeのAldrich Chemical Co.)96.6mL(109.6g)を一度にまとめて添加した。この溶液を軽く攪拌し、次に、ジクロロメタン約110mL中に溶解されたトリエチルアミン(Aldrich)140.8mL(102.2g)を滴下することにより処理した。初期滴下速度は、約60滴/分であった。この滴下中、反応による発熱で0℃から1℃まで温度が上昇し、この試薬の約半分を滴下した時点で、遊離したCO2によるガスの発生が始まった。トリエチルアミン溶液の滴下速度を低下させることにより、発熱を制御し、温度を1℃〜0℃に保った。滴下が終了に近づくと、NEt3・HCl(ただし、Et=エチル)が白色沈殿として生成し始めた。滴下終了時点における反応混合物は、不透明な橙色気味の褐色スラリーの外観を呈し、溶液状態のビス(イソマレイミド)生成物が大量のNEt3・HClの沈殿と共に含まれていた。氷/塩浴を除去し、反応混合物を20℃まで迅速に加温した。これにより、かなりのガスの発生が起こった。濾過によりNEt3・HClを除去し、濾液を、NaHCO3飽和溶液(1×2リットル)で、続いて蒸留水(2×2リットル)で洗浄した。ジクロロメタン層をNa2CO3で脱水し、濾過し、溶剤を除去することにより、褐色の油としてビス(イソマレイミド)生成物を得た。これを減圧オーブン中に入れ、60℃〜65℃において一晩加熱し、残りの揮発成分を除去した。収量:176g(89%)。NMR分析を行ったところ、この物質の純度は94%より高いことが分かった。この物質は、更に精製を行うことなしに配合処理に使用するうえで好適である。
実施例2
α,ω-ビス(アミノプロピル)ポリ(テトラヒドロフラン)のビス(イソマレイミド)の合成
ビス(マレアミド酸)合成:機械的攪拌機、N2吹込口およびバブラ、滴下漏斗、ならびに温度計を備えた5リットル反応フラスコ(オーブン乾燥済み)に、無水マレイン酸65.05gおよびジクロロメタン1700mLを仕込み、N2でパージングしながら、生成したスラリーを攪拌した。無水マレイン酸のほとんどが溶解した後、氷浴を用いて反応液を10℃未満まで冷却し、α,ω-ビス(アミノプロピル)ポリ(テトラヒドロフラン)-750(ニュージャージー州Mount OliveのBASF Corp.から市販されている)248.76gをジクロロメタン約150mL中に溶解した溶液を滴下した。この滴下中、温度を10℃未満に保った。滴下中、溶液は均一な状態であった。溶液を一晩攪拌した。
ビス(マレアミド酸)の環化脱水によるビス(イソマレイミド)の形成:こうして得られたビス(マレアミド酸)溶液を、氷/塩浴を用いて-6℃まで冷却し、次に、エチルクロロホルメート63.4mL(72.0g)を一度にまとめて添加した。この溶液を軽く攪拌し、次に、トリエチルアミン92.5mL(67.2g)をジクロロメタン約100mL中に溶解した溶液を滴下することにより処理した。初期の滴下速度は、約100滴/分であった。この滴下中、反応による発熱で-6℃から0℃まで温度が上昇し、この試薬の約1/4を滴下した時点で、遊離したCO2によるガスの発生が始まった。トリエチルアミン溶液の滴下速度を低下させることにより、発熱を制御し、温度を2℃未満に保った。滴下が終了に近づくと、NEt3・HClが白色沈殿として生成し始めた。この時点における反応混合物は、薄橙色の溶液の外観を呈し、少量の白色沈殿を含んでいた。氷/塩浴を除去し、反応混合物を20℃まで迅速に加温した。これにより、かなりのガスの発生が起こった。ジクロロメタン溶液を、NaHCO3飽和溶液(1×2リットル)で、続いて蒸留水(2×2リットル)で洗浄し、次いでNa2CO3で脱水し、濾過し、溶剤を除去することにより、褐色かがった橙色の油としてビス(イソマレイミド)生成物を得た。この油を、減圧下、60℃〜65℃において一晩加熱し、残りの揮発成分を除去した。収量:290g(97%)。NMR分析を行ったところ、この物質にはマレイミドが含まれておらず、純度は99%を超えることが分かった。このポリマは、更に精製を行うことなしに材料の配合処理に使用するうえで好適である。
実施例3
4,4’-メチレンジアニリンのビス(イソマレイミド)の合成
ビス(マレアミド酸)合成:機械的攪拌機、N2吹込口およびバブラ、滴下漏斗、ならびに温度計を備えた3リットル反応フラスコ(オーブン乾燥済み)に、無水マレイン酸123.6gおよびジクロロメタン1300mLを仕込み、N2でパージングしながら、生成したスラリーを攪拌した。無水マレイン酸のほとんどが溶解した後、氷浴を用いて混合液を1℃未満まで冷却し、次いで4,4’-メチレンジアニリン(Aldrich)125.0gをジクロロメタン約600mL中に溶解した溶液を滴下した。この滴下中、温度を5℃未満に保った。ジアミンの滴下開始直後に、ビス(マレアミド酸)生成物が、黄色の固体として溶液から沈殿した。溶液を一晩攪拌した。翌朝までに大量の黄橙色のビス(マレアミド酸)が沈殿した。
ビス(マレアミド酸)の環化脱水によるビス(イソマレイミド)の形成:ビス(マレアミド酸)スラリーを、氷/塩浴を用いて-4℃まで冷却し、次に、エチルクロロホルメート120.5mL(136.8g)を一度にまとめて添加した。このスラリーを軽く攪拌し、次に、トリエチルアミン175.6mL(127.5g)をジクロロメタン460mL中に溶解した溶液を滴下した。NEt3の滴下により、ビス(マレアミド酸)がジクロロメタン溶剤中に溶解するようになり、エチルクロロホルメートとの反応およびビス(イソマレイミド)への転化が促進された。同時に、NEt3・HClが反応の副生物として沈殿した。この滴下中、反応による発熱で-4℃から-2℃まで温度が上昇した。トリエチルアミン溶液の滴下速度を制御して、反応温度を-2℃未満に保った。この滴下は2時間〜3時間で終了した。氷/塩浴を除去し、直ちに反応混合物を濾過し、ジクロロメタン濾液を、NaHCO3飽和溶液(1×2リットル)で、続いて蒸留水(2×2リットル)で洗浄した。ジクロロメタン層をNa2CO3で脱水し、濾過し、溶剤を除去することにより、黄色の固体としてビス(イソマレイミド)生成物を得た。水による洗浄、続いて残存固体の減圧乾燥を行うことにより、濾過ケークから更に生成物を回収した。これらのバッチの混合物は、94%の粗収率を呈した。この生成物のNMRを測定したところ、所望のビス(イソマレイミド)が約92%含まれ、この組成物の残りはマレイミドおよびエステルの不純物から成ることが分かった。これらの不純物は、次のようにして容易に除去された。すなわち、ジエチルエーテルの存在下で一晩摩砕し、続いて、濾過および減圧乾燥を行うことにより、さらさらした鮮黄色粉末を得た。NMR分析によれば、この粉末には、99%を超えるビス(イソマレイミド)が含まれていた。精製工程からの回収率は91%であり、全体の収率は86%であった。生成した物質は、155℃〜156℃に鮮明な融点を呈し、材料の配合処理に使用するうえで十分な純度であった。
実施例4
PACM-20のビス(イソマレイミド)の合成
ビス(マレアミド酸)合成:機械的攪拌機、N2吹込口およびバブラ、滴下漏斗、ならびに温度計を備えた5リットル反応フラスコ(オーブン乾燥済み)に、無水マレイン酸100.42gおよびジクロロメタン1700mLを仕込み、N2でゆっくりとパージングしながら、生成したスラリーを攪拌した。氷浴を用いて溶液を10℃未満まで冷却し、次いでビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン(ペンシルヴェニア州AllentownのAir Products Corp.から市販されているPACM-20)107.71gをジクロロメタン約100mL中に溶解した溶液で処理した。この処理中、温度を10℃未満に保った。滴下するにつれて、ビス(マレアミド酸)が、白色の固体として沈殿した。このスラリーを一晩攪拌した。
ビス(マレアミド酸)の環化脱水によるビス(イソマレイミド)の形成:ビス(マレアミド酸)スラリーを、氷/塩浴を用いて0℃まで冷却し、次に、エチルクロロホルメート98mL(111.2g)を一度にまとめて添加した。このスラリーを軽く攪拌し、次に、ジクロロメタン約100mLで希釈されたトリエチルアミン143mL(103.8g)を、反応液に滴下した。NEt3の滴下により、ビス(マレアミド酸)がジクロロメタン溶剤中に溶解するようになり、エチルクロロホルメートとの反応およびビス(イソマレイミド)への転化が促進された。同時に、NEt3・HClが反応の副生物として沈殿した。NEt3溶液は、約75滴/分で滴下したが、これは温度を0℃に保つのに有効であった。この試薬の約3/4を滴下した時点で、遊離したCO2によるガスの発生が激しくなった。氷/塩浴を除去し、反応混合物を20℃まで迅速に加温した。これにより、かなりのガスの発生が起こった。NEt3・HClを濾過により除去し、ジクロロメタン濾液を、NaHCO3飽和溶液(1×2リットル)で、続いて蒸留水(2×2リットル)で洗浄した。ジクロロメタン層をNa2CO3で脱水し、濾過し、溶剤を除去することにより、赤褐色の固体としてビス(イソマレイミド)生成物を得た。室温において2日間減圧乾燥することにより、更に揮発分を除去した。収量:171g(91%)。NMR分析を行ったところ、この物質の純度は98%を超えることが分かった。ビス(イソマレイミド)を再びジクロロメタンに溶解し、n-ヘキサンより沈殿させ、軟化点124℃〜130℃を有する灰白色の固体を得た。この固体は、NMR分析により99.5%を超える純度を有することが分かった。この精製されたモノマは、材料の配合処理に使用するうえで好適であった。
実施例5
sec-ブチルイソマレイミドの合成
ビス(マレアミド酸)合成:機械的攪拌機、N2吹込口およびバブラ、滴下漏斗、ならびに温度計を備えた5リットル反応フラスコ(オーブン乾燥済み)に、無水マレイン酸142.47gおよびジクロロメタン2000mLを仕込み、N2でゆっくりとパージングしながら、生成したスラリーを攪拌した。氷浴を用いてフラスコを10℃未満まで冷却し、sec-ブチルアミン(Aldrich)113.7gをジクロロメタン約100mL中に溶解した溶液を滴下した。この滴下中、温度を10℃未満に保った。反応中、溶液は均一な状態が保たれ、薄黄色に変化した。この溶液を一晩攪拌した後、次の工程に移った。
ビス(マレアミド酸)の環化脱水によるイソマレイミドの形成:マレアミド酸溶液を、氷/塩浴を用いて-8℃まで冷却し、次に、エチルクロロホルメート148.7mL(168.8g)を一度にまとめて添加した。この溶液を軽く攪拌し、次に、トリエチルアミン217mL(157.5g)をジクロロメタン約100mLに溶解した溶液を、攪拌された反応混合液に、初期速度約100滴/分で滴下した。この滴下中、反応による発熱で-8℃から2℃まで温度が上昇し、この試薬の約1/2を滴下した時点で、遊離したCO2によるガスの発生が始まった。トリエチルアミン溶液の滴下速度を低下させることにより、温度を2℃未満に保った。滴下が終了に近づくと、NEt3・HClが白色沈殿として生成し始めた。氷/塩浴を除去し、反応混合物を20℃まで迅速に加温した。これにより、かなりのガスの発生が起こった。NEt3・HClを濾過により除去し、ジクロロメタン濾液を、NaHCO3飽和溶液(1×2リットル)で、続いて蒸留水(2×2リットル)で洗浄し、次いでNa2CO3で脱水し、濾過し、溶剤を除去することにより、薄橙色の液体としてイソマレイミド生成物を得た。室温において15分間減圧乾燥して更に揮発分を除去した。収量:239g(100%)。NMR分析を行ったところ、この物質の純度は約98%であることが分かった。80℃〜102℃において2.4トルで減圧蒸留することにより更に精製を行い、無色の液体を得た。
実施例6
エラストマタイプのポリマを、次のようにして調製した。グリセリルポリ(オキシプロピレン)トリアミン(ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Chemical Co.から市販されているJeffamineTMT-5000)33.30g、およびジエチルトルエンジアミン(ルイジアナ州Baton RougeのAlbemarle Corp.から市販されているDETDAであるEthacureTM100)6.66gを、237mL(8オンス)容器に入れ、均一になるまで約5分間混合した。この混合物に、実施例1で得られたビス(イソマレイミド)(これ以降ではD-230 BIMIと記す)18.00gを添加した。66cm(30インチ)Hgの減圧下で約3分間の混合を行った後、均質混合物を得た。この混合物を、厚さ約1.5mm(0.06インチ)となるようにプレート上に注ぎ、23±2℃、50±2% R.H.において少なくとも1週間かけて硬化させた。評価用サンプルを作製し、引張強度、伸びパーセント、および引裂抵抗を測定した。結果は、以下の表1に示されている。
実施例7
実施例6の方法によりポリマを調製したが、ただし、T-5000:DETDA比を変更した。アミン混合物は、T-5000 42.16gおよびDETDA 4.22gから成っていた。これをD-230 BIMI 13.60gと混合した。得られたポリマに対する評価結果は、以下の表1に示されている。
実施例8
実施例6の方法によりポリマを調製したが、ただし、DETDAを保護基のついたジアミンに置き換えた。アミン混合物は、T-5000 35.20gおよびエチレンジアミン/メチルイソブチルケトンケチミン(EDA/MIBK)(テキサス州HoustonのShell Chemical Co.から市販されているEponTM硬化剤H-2)7.04gから成っていた。これをD-230 BIMI 16.00gと混合した。得られたポリマに対する評価結果は、以下の表1に示されている。
実施例9〜11
実施例8の方法によりポリマを調製したが、ただし、T-5000:EDA/MIBK比を次のように変更した。
Figure 0004257936
得られたポリマに対する試験結果は、以下の1に示されている。
実施例12
プラスチックタイプのポリマを、次のようにして調製した。メルカプタン末端ポリマ(イリノイ州LaGrangeのHenkel Corp.から市販されているCapcureTM3-800)32.88gおよびD-230 BIMI 24.00gを、237mL容器に入れ、均一になるまで66cm(30インチ)Hgの減圧下で1.5〜3分間の混合した。この混合物をタイプIVの型(ASTMD-638)に注ぎ、23±2℃、50±2% R.H.において少なくとも1週間かけて硬化させた。得られたポリマに対する評価結果は、以下の表1に示されている。
実施例13
実施例12の方法によりポリマを調製したが、ただし、グリコールジメルカプトプロピオネート(マサチューセッツ州LexingtonのEvans Chemeticsから市販されているエチレンビス(3-メルカプトプロピオネート))19.91gをD-230 BIMI 33.00gと混合した。得られたポリマに対する評価結果は、以下の表1に示されている。
実施例14
実施例12の方法によりポリマを調製したが、ただし、トリメチロールプロパントリス-(3-ジメルカプトプロピオネート)(Evans Chemetics)22.22gをD-230 BIMI 33.00gと混合した。得られたポリマに対する評価結果は、以下の表1に示されている。
実施例15
実施例12の方法によりポリマを調製したが、ただし、ペンタエリトリトールテトラ-(3-ジメルカプトプロピオネート)(Evans Chemetics)20.46gをD-230 BIMI 33.00gと混合した。得られたポリマに対する評価結果は、以下の表1に示されている。
実施例16
ポリマを次のように調製した。実施例3から得られたビス-イソマレイミド(これ以降ではMDA BIMIと記す)2.86gを、237mLジャー中でテトラヒドロフラン(THF)50mL〜100mLに溶解した。この溶液に、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン1100(ニュージャージー州Mount OliveのBASF Corp.から市販されている)8.35gおよびEDA/MIBK 0.09gを添加した。この混合液を約30分間攪拌し、開放タイプの10cm×21cmの型にキャストした。THFを周囲温度で蒸発させ、得られたフィルムを、23±2℃、50±2% R.H.において少なくとも1週間かけて硬化させた。評価用のサンプルを作製したが、これに対する引張強度および伸びパーセントのデータは以下の表2に示されている。
実施例17
実施例16の方法によりポリマを調製したが、ただし、THFに溶解されたMDA BIMI 3.48gを、JeffamineTMT-3000 2.5g、JeffamineTMD-2000 2.5g、およびDETDA 1.30gと混合した。評価用のサンプルを作製し、引張強度および伸びパーセントを測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
実施例18
実施例16の方法によりポリマを調製したが、ただし、50℃においてトルエン:メチルエチルケトンの1:1溶液約250mL〜300mLに溶解されたMDA BIMI 16.86gを、JeffamineTMT-5000 45.00gおよび2,2’-(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(JeffamineTMEDR-148)5.00gと混合した。評価用のサンプルを作製し、引張強度および伸びパーセントを測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
実施例19
実施例16の方法によりポリマを調製したが、ただし、実施例3の方法によりイソホロンジアミン(Aldrich製のIPDA)から調製されたビス(イソマレイミド)(これ以降ではIPDA BIMIと記す)3.58gを、メチレンクロリド約100mLに溶解し、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン1100 11.34gおよびEDA/MIBK 0.12gと混合した。評価用のサンプルを作製し、引張強度および伸びパーセントを測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
実施例20
実施例16の方法によりポリマを調製したが、ただし、実施例4のビス(イソマレイミド)(これ以降ではPACM BIMIと記す)5.42gを、メチレンクロリド約100mLに溶解し、ポリ(オキシプロピレンジアミン)(ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Chemical Co.製のXTE-220)14.42gおよびJeffamineTMT-403 2.27gと混合した。評価用のサンプルを作製し、引張強度および伸びパーセントを測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
実施例21
実施例16の方法によりポリマを調製したが、ただし、実施例2の方法によりビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン350(ニュージャージー州Mount OliveのBASF)から調製されたビス(イソマレイミド)10.00gを、メチレンクロリド約50mLに溶解し、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン350 6.90gと混合した。評価用のサンプルを作製し、引張強度および伸びパーセントを測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
実施例22
ポリマを次のように調製した。MDA BIMI 1.4gをメチレンクロリド50gに溶解した溶液と、HycarTMATBN 1300X21(オハイオ州ClevelandのB.F. Goodrich Co.から市販されているアミン末端ブタジエン-アクリロニトリルコポリマ)8.6gをメチレンクロリド70gに溶解した溶液と、を混合し、得られた溶液を開放タイプの10cm×21cm(4インチ×6インチ)の型にキャストし、周囲温度で溶剤を蒸発させた。得られたフィルムを、23±2℃、相対湿度50±2%において少なくとも7日間かけて硬化させた。評価用のサンプルを作製し、引張強度、伸びパーセント、および引裂抵抗を測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
実施例23
実施例22の方法によりポリマを調製したが、ただし、MDA BIMI 1.60gをメチレンクロリド50gに溶解した溶液と、HycarTMATBN1300X16 8.52gをメチレンクロリド70gに溶解した溶液と、を混合した。評価用のサンプルを作製し、引張強度、伸びパーセント、および引裂抵抗を測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
実施例24
実施例22の方法によりポリマを調製したが、ただし、PACM BIMI 1.60gをメチレンクロリド50gに溶解した溶液と、HycarTMATBN1300X16 8.24gをメチレンクロリド70gに溶解した溶液と、を混合した。評価用のサンプルを作製し、引張強度、伸びパーセント、および引裂抵抗を測定したが、その結果は以下の表2に示されている。
Figure 0004257936
Figure 0004257936
実施例25
実施例2に従って調製されたα,ω-ビス(イソマレイミドプロピル)ポリ(テトラヒドロフラン)5gを、Jeffamine D-2000(ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Chemical Co.から入手可能なアミン末端ポリエーテル)と共に、後者の量を順次減少させて、窒素をパージングしながら1時間攪拌することにより、イソマレイミド末端プレポリマを調製した。得られたプレポリマのイソマレイミド/アミン比は、2/1、3/1、および4/1であった。これらのプレポリマは液体状態を保ち、粘度はそれぞれ74,670cps、36,270cps、および26,330cpsであった。
実施例26
2つの溶液を、次のように調製した。すなわち、実施例3に従って調製された4,4’-メチレンビス((2,6-ジエチルフェニル)イソマレイミド)25gをテトラヒドロフラン100mLに溶解し、イソマレイミド/アミン比がそれぞれ2/1および4/1であるプレポリマを調製するために、それぞれ53.6gおよび26.7gのJaffamine D-2000を添加した。これらの溶液を、23℃において1時間攪拌した後、ロータリーエバポレータで溶剤を除去し、液体のプレポリマを得た。NMRスペクトルがイソマレイミド官能基およびマレアミド官能基の両方の存在を示したことから、プレポリマの形成が確認された。イソマレイミド/アミンが2/1であるプレポリマ10gを、更に、2,2’-(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(EDR-148)0.5gと反応させることにより、エラストマ材料を得た。また、イソマレイミド/アミンが4/1であるプレポリマ10gを、EDR-148(1.14g)と反応させることにより、強靱なゴム状ポリマレアミドを得た。
実施例27
エラストマタイプのポリマを、次のようにして調製した。分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(BASF Corp.製PolyTHF 1000)5gを小型のバイアルに入れて、70℃まで加熱した。これに、PACM BIMI(実施例4に従って調製されたもの)1.87gを添加した。バイアルの頭部の空間を窒素でパージングし、混合物を70℃まで加熱した。PACM BIMIは、バイアルをときどき振盪させることにより、4時間でPolyTHF中に溶解した。この混合物は、70℃において24時間以内にゲル化し、ポリ(ハーフエステルハーフマレアミド)を含有する透明な琥珀色のエラストマを形成した。
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の種々の修正および変更を行えることは、当業者には自明であろうが、本発明は、本明細書中に記載の実施態様に不当に限定されるものではないことを理解すべきである。

Claims (2)

  1. (a)式:
    Figure 0004257936
    〔式中、
    Wは、0〜100個のヘテロ原子を含む多価有機基であり;
    1およびR2は、同じであるかまたは異なっており、独立して、水素、C1〜C20の線状、分枝状、もしくは環状の脂肪族基、C6〜C20の芳香族基、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から成る群より選ばれるか、またはR1およびR2は、互いに結合して、芳香族もしくは脂環式の環を形成してもよく;
    tは、1より大きい値をもつ整数である〕
    を有するマレアミド酸と、式:
    Figure 0004257936
    〔式中、
    3は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−ドデシル基、およびシクロヘキシル基から成る群より選ばれ;
    Xは、塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素を表す〕
    を有する酸ハロゲン化物を混合する工程と、
    (b)この混合物とトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−アミルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−(2−エチル−n−ヘキシル)アミン、トリ−n−ヘプチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルヘキシルプロピルアミン、N−メチル−N−エチルアニリン、N,N′−ジメチル−p-メトキシアニリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N′−ジメチルアニシジン、2−クロロピリジン、4−クロロピリジン、キヌクリジン、キノリン、およびN,N′−ジメチルピペラジン、ならびにこれらの組合せ、から成る群より選ばれる第三級アミンとを、−8℃〜+5℃の温度において反応させる工程と、
    (c)生成したイソマレイミドまたはポリイソマレイミドを単離する工程と、
    をこの順序で含む、イソマレイミドまたはポリイソマレイミドの調製方法。
  2. 前記ポリイソマレイミドを、溶剤の存在しない条件下で、ポリチオール、非フェノール系ポリオール、および第一級または第二級ポリアミンから成る群より選ばれた多重求核性モノマと重合する工程を更に含む請求項1記載の方法。
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