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JP4257989B2 - 赤外線検出装置及びそれを用いた赤外線検出器アレイ - Google Patents
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JP4257989B2 - 赤外線検出装置及びそれを用いた赤外線検出器アレイ - Google Patents

赤外線検出装置及びそれを用いた赤外線検出器アレイ Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
この発明は、入射赤外線を感知する赤外線検出器の特に信号読み出し回路に関するものである。また、この検出器を平面アレイ状に配置した赤外線検出器アレイに関するものである。
【0002】
【背景技術】
赤外線検出器は、物体から放射される赤外線を検出素子(検出部)が吸収することで、検出素子温度を上昇させ、検出器を構成する検出素子の温度上昇分の特性変化を検出することで、物体の温度情報を検知するものである。
【0003】
従来のボロメータ型赤外線検出器の一例を説明するために、検出器を構成する検出素子部の概略斜視図を図10に示す。ボロメータ型赤外線検出器は、入射赤外線を感知する熱型赤外線検出器の一方式で、検出器を構成する抵抗体の温度上昇による抵抗変化分を電流、電圧等に変換して物体の温度情報を検知するものである。図において、101は抵抗体で、温度による抵抗変化率の大きい材料を用いており、この抵抗体101の温度を効率的に上昇させ、かつ上昇した検出素子温度を低下させないよう、シリコン基板103上にマイクロマシニング技術を用いて、熱絶縁構造104(空洞部)が形成されている。102は信号を検出素子から外部に取り出すための電極配線である。
【0004】
また、熱型赤外線検出器には、半導体の接合ダイオードの順方向電圧の変化を利用したものも提案されている。図11に接合ダイオード型の赤外線検出器を説明するための回路図を示す。105は接合ダイオードで、ここでは4個接続されており、このダイオード105には定電流源106により一定電流が流れる。物体からの光(IR)がダイオード105に照射されると、ダイオードの順方向の電圧が変化するので、信号出力線107でその変位量を検知することで、物体の温度情報を得ることができる。これらの順方向電圧の変化量は抵抗変化率の大きい材料を用いたボロメータ型と比べ変化量が小さいため、感度の面で劣る。しかし信号読み出し回路と共にシリコンICプロセスを使って作り込むことができる利点がある。またボロメータのような特性の不安定性やウエハ面内の不均一性がほとんどないという利点もある。また感度に関しては複数個ダイオードを連結することで増加させることができる。
【0005】
上記説明した、熱型赤外線検出器を複数個2次元に並べた赤外線検出器アレイは固体撮像素子として暗視カメラ等に利用されている。赤外線検出器アレイの性能は雑音等価温度差(NETD:Noise Equivalent Temperature Difference、以下NETDと称する)で表される。これは各検出器間の信号の雑音と温度感度の比であるので、NETDを改善するためには温度感度の上昇以外に雑音の抑制が重要である。
【0006】
雑音は検出器または検出器を構成する検出素子および読み出し回路で発生するが、不要な信号帯域を制限することで雑音が効果的に抑制される。信号帯域の制限方法として代表的なものに積分回路があげられる。図12は、量子型赤外線検出器にゲート変調回路(積分回路の一つ)を用いた例について説明するための図である。図において、111は量子型の検出素子で、光が入射すると検出素子111で発生したキャリアは負荷抵抗112を伝わり、ノード113の電圧を変化させる。電気的容量114は予めリセットスイッチ115により、ある電圧に充電されている。ノード113の変化はMOSFET117の電流を変化させるため電気的容量114から放電される電流量が変化する。ある一定期間放電したときの信号出力線116の電流値変化は検出素子111で発生するキャリア量すなわち光の入射に応じて変化し、その変化量はノード113の電圧変化量と電気的容量114の大きさ、放電時間、MOSFET117の相互コンダクタンスで決まる。一方、この時の放電時間が信号の帯域を決めるため、放電時間を長くするほど帯域を制限し雑音を押さえることができる。
【0007】
上記のように、量子型検出器では、ゲート変調による積分回路を用いることにより、雑音抑制を図っていたが、このような手法を熱型検出器に利用した場合、検出器温度が変化すると出力変動が大きく変化し、本来の目的である入射赤外線による検出素子の微少な温度変化を読み出せないといった問題が発生する。
【0008】
本発明は上記のようなため、問題を解決するためになされたもので、熱型赤外線検出器に量子型で用いた雑音抑制手法を適用することが可能な検出器を提供するものである。すなわち、検出素子以外に検出器全体の温度を検知するセンサを使って検出器温度による出力変動の抑制された出力の得られる検出器を提供することを特徴とする。さらに、このような赤外線検出器を1次元または2次元アレイ状に配置した赤外線検出器アレイを提供することを目的とする。
【0009】
発明の開示
本発明の第1の発明に係る第1の赤外線検出器は、シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第1の接合ダイオード群からなる熱型赤外線検出素子部と、前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続された第1の定電流源と、ゲートが前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続され、入射された赤外線量に応じて変化する前記熱型赤外線検出素子部の出力をゲート電圧とするデプレッション型のMOSFETと、前記シリコン基板上に絶縁膜を介して形成された断熱構造をもたない前記第1の接合ダイオード群と同数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群からなり、その出力を前記MOSFETのソース電圧とするために前記第2の接合ダイオード群のカソードが前記MOSFETのソースに接続された温度検出素子部と、前記第2の接合ダイオード群のカソードに接続された第2の定電流源と、前記MOSFETのドレインに一端が接続され、他端が接地された電気的容量部と、前記電気的容量部の一端に接続されたスイッチと、を備え、前記スイッチを介して前記電気的容量部が充電され、前記ゲートと前記ソース間の電圧変動を前記電気的容量部の放電量の変化分として出力するので、断熱構造をもたない第2の温度検出素子部の出力は検出器自身の温度変動であり、これにより、赤外線の真の検知部である、第1の熱型赤外線検出素子部の出力を補正することが可能となり、雑音の抑制された高性能な検出器を得ることが可能となる。
【0010】
また、上記赤外線検出器において、型赤外線検出素子部は、接合ダイオードが複数個連結された第1のダイオード群からなり、度検出素子部は、接合ダイオードが複数個連結された第2のダイオード群からなることを規定したので、検出器の周辺回路とともにシリコンICプロセスで簡便に作り込むことが可能となる。
また、上記赤外線検出器において、前記第2の接合ダイオード群の上方に赤外線を遮光する遮光部を有していてもよい。
また、上記赤外線検出器において、断熱構造をもたない複数の接合ダイオードが直列に連結された前記第2の接合ダイオード群に代えて、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群を有していてもよい。
また、上記赤外線検出器において、前記第1のダイオード群の接合ダイオードの数と、前記第2のダイオード群の接合ダイオードの数が同じであってもよいし、ことなっていてもよい。したがって、MOSFETとしてエンハンストメント型も使用可能であり、設計の自由度が向上する。
【0011】
本発明の第2の発明に係る第2の赤外線検出器は、シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第1の接合ダイオード群からなる熱型赤外線検出素子部と、前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続された第1の定電流源と、ベースが前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続され、入射された赤外線量に応じて変化する前記熱型赤外線検出素子部の出力をベース電圧とするバイポーラトランジスタと、前記シリコン基板上に絶縁膜を介して形成された断熱構造をもたない前記第1の接合ダイオード群より1個多い数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群からなり、その出力を前記バイポーラトランジスタのエミッタ電圧とするために前記第2の接合ダイオード群のカソードが前記バイポーラトランジスタのエミッタに接続された温度検出素子部と、前記第2の接合ダイオード群のカソードに接続された第2の定電流源と、前記バイポーラトランジスタのコレクタに一端が接続され、他端が接地された電気的容量部と、前記電気的容量部の一端に接続されたスイッチと、を備え、前記スイッチを介して前記電気的容量部が充電され、前記ベースと前記エミッタ間の電圧変動を前記電気的容量部の放電量の変化分として出力するので、断熱構造をもたない温度検出素子部の出力は検出器自身の温度変動であり、これにより、赤外線の真の検知部である、熱型赤外線検出素子部の出力を補正することが可能となり、雑音の抑制された高性能な検出器を得ることが可能となる。
【0012】
また、上記第2の発明による赤外線検出器において、型赤外線検出素子部は接合ダイオードが複数個連結された第1のダイオード群からなり、度検出素子部は接合ダイオードが複数個連結された第2のダイオード群からなるので、検出器の周辺回路とともにシリコンICプロセスで簡便に作り込むことが可能となる。
また、上記第2の発明による赤外線検出器において、前記第2の接合ダイオード群の上方に赤外線を遮光する遮光部を有していてもよい。
また、上記第2の発明による赤外線検出器において、断熱構造をもたない複数の接合ダイオードが直列に連結された前記第2の接合ダイオード群に代えて、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群を有していてもよい。
【0013】
本発明の第3の発明に係る外線検出器アレイは、上記第1、第2の発明に係る赤外線検出器を1次元または2次元アレイ状に配置したので、検出器毎に温度補正のされた出力(画像)を得ることができ、高性能な赤外線検出器アレイを得ることができる。
【0014】
本発明の第4の発明に係る第2の赤外線検出器アレイは、シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部の形成された第1の熱型赤外線検出素子部を1次元または2次元アレイ状に配置し、前記アレイの列毎にシリコン基板上に絶縁層を介して形成された第2の温度検出素子部と電気的容量とを配置し、前記各列の第1の赤外線検出素子部の出力をゲート電圧とし、同じ列の前記第2の温度検出素子部の出力をソース電圧とするMOSFETを列毎に備え、前記MOSFETのゲート・ソース間の電圧変動により放電した前記電気的容量の電圧を読み出し信号として出力するので、検出器毎に温度補正部を有するものより、構成が簡便で、列毎に温度補正のされた出力(画像)を容易に得ることができ、高性能な赤外線検出器アレイを得ることができる。
【0015】
発明を実施するための最良の形態 本発明の第1の発明においては、一検出器の構成として、シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部が形成され断熱構造を有する第1の熱型赤外線検出素子部と、同様にシリコン基板上に絶縁層を介して形成され、断熱構造をもたない第2の温度検出素子部とを形成し、この第2の素子部は実際入射された赤外線を検出する機能をもたず、検出器全体の温度変動を検知するように動作させる。入射された赤外線量に応じて変化した前記第1の熱型赤外線検出素子部の出力をゲート電圧とし、第2の温度検出素子部の出力をソース電圧とするMOSFETのゲート・ソース電圧変動を温度補正のされた信号とし、この信号をMOSFETに接続された電気的容量部の放電量の変化分として出力するように構成した。これにより、赤外線の真の検知部である、第1の熱型赤外線検出素子部の出力を補正することが可能となり、雑音の抑制された高性能な検出器を得ることが可能となる。
【0016】
また、上記赤外線検出器において、第1の熱型赤外線検出素子部及び第2の温度検出素子部を接合ダイオードが複数個連結されたダイオード群で構成したので、検出器の周辺回路とともにシリコンICプロセスで簡便に作り込むことが可能となる。さらに、第1、第2の検出素子部を構成するダイオード群のダイオードの数が異なるようにすることで、MOSFETとしてエンハンストメント型の使用を可能とした。
【0017】
一方、上記第1の発明による赤外線検出器において、第1の熱型赤外線検出素子部及び第2の温度検出素子部を抵抗体で構成し、抵抗の温度係数の高いものを選ぶことにより感度の高い検出器を得ることが容易となった。さらに、第1、第2の検出素子部を構成する抵抗体が同じ抵抗値とすることで、MOSFETとしてデプレッション型の使用を可能とした。
【0018】
本発明の第2の発明に係る第2の赤外線検出器は、一検出器の構成として、シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部が形成され断熱構造を有する第1の熱型赤外線検出素子部と、同様にシリコン基板上に絶縁層を介して形成され、断熱構造をもたない第2の温度検出素子部とを形成し、この第2の素子部は実際入射された赤外線を検出する機能をもたず、検出器全体の温度変動を検知するように動作させる。入射された赤外線量に応じて変化した前記第1の熱型赤外線検出素子部の出力をベース電圧とし、第2の温度検出素子部の出力をエミッタ電圧とするバイポーラトランジスタのベースエミッタ電圧変動を温度補正のされた信号とし、この信号をバイポーラトランジスタに接続された電気的容量部の放電量の変化分として出力するように構成した。これにより、赤外線の真の検知部である、第1の熱型赤外線検出素子部の出力を補正することが可能となり、雑音の抑制された高性能な検出器を得ることが可能となる。
【0019】
また、上記第2の発明による赤外線検出器は、第1の熱型赤外線検出素子部及び第2の温度検出素子部を、接合ダイオードが複数個連結されたダイオード群で構成したので、検出器の周辺回路とともにシリコンICプロセスで簡便に作り込むことが可能となる。また、第1の熱型赤外線検出素子部及び第2の温度検出素子部を、抵抗体で構成したので、抵抗の温度係数の高いものを選べば感度の高い検出器を得ることが容易になる。
【0020】
本発明の第3の発明に係る第1の赤外線検出器アレイは、上記第1、第2の発明に係る赤外線検出器を1次元または2次元アレイ状に配置し、垂直シフトレジスタ、水平シフトレジスタにより、順次読み出すようにしたので、検出器毎に温度補正のされた出力(画像)を得ることができ、高性能な赤外線検出器アレイを得ることができる。
【0021】
本発明の第4の発明に係る第2の赤外線検出器アレイは、シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部の形成され断熱構造を有する第1の熱型赤外線検出素子部を1次元または2次元アレイ状に配置し、前記アレイの列毎にシリコン基板上に絶縁層を介して形成された断熱構造をもたない第2の温度検出素子部と電気的容量とを配置し、前記各列の第1の赤外線検出素子部の出力をゲート電圧とし、同じ列の前記第2の温度検出素子部の出力をソース電圧とするMOSFETを列毎に備え、前記MOSFETのゲート・ソース間の電圧変動により放電した前記電気的容量の電圧を読み出し信号として出力するので、第2の温度検出素子部は実際入射された赤外線検出の機能をもたず、列毎のあるいはアレイ全体の温度変動を検出し出力するので、検出器毎に温度補正部を有するものより、構成が簡便で、列毎に温度補正のされた出力(画像)を容易に得ることができ、高性能な赤外線検出器アレイを得ることができる。
以下、この発明の実施例を図について説明する。
【0022】
【実施例1】
図1は、本発明の第1の実施例を説明するための検出器回路図である。図において、1は赤外線受光部(受光素子)で、接合ダイオードを4個連結してある。これらのダイオードは断熱構造が施されており、入射赤外線に対して効果的な温度上昇が行われる。2は検出器全体の温度変動の出力への影響を抑制するための補償部で、1と同様にダイオードを4個連結してある。2は断熱構造が施されていないため赤外線が入射してもほとんど温度変化しない。それぞれのダイオード群1、2は順方向バイアス状態で、定電流源3、4により、一定電流が流れる。ダイオードの両端にかかる電圧はダイオードの温度によって変動する。そのためダイオード群1、2は同一検出器内に作り込まれているため、検出器全体の温度が変動した場合、各ダイオードの温度による電圧変動幅は同じになる。5はMOSFET、6は電気的容量、7はリセットスイッチ、8は信号出力線である。受光部1に赤外線が入射するとノード9の電圧は増加し、MOSFET5のゲート・ソース間の電圧が変化する。予めリセットスイッチ7を通して充電された電気的容量6は、MOSFET5を介して放電するが、放電電流量はノード9の電圧つまり入射赤外線の量に応じて変化する。結果として放電を開始してからある時間tint経過したときの信号出力線8の電圧は、入射赤外線の量で変化する。この時の信号出力の帯域は1/2tintで表され、放電時間が長いほど帯域は制限され雑音は小さくなる。ある放電時間後の信号出力電圧は定電流電源3のしきい値電圧や相互コンダクタンスと電気的容量6の容量値を適当に選べば、所望の値に調整することができる。
【0023】
この実施例では赤外線が入射するとMOSFET5のゲート電圧のみが変動するが、検出器全体の温度が変動してもソースはゲート電圧と同じように変化するため、すなわち、ソース電圧はダイオード群1と同様に変動するダイオード群2の変動に依存するため、ゲート・ソース間電圧は変化しない。このため検出器の温度変動による出力変動を効果的に押さえることができる。
【0024】
図2に、本発明の実施例1による赤外線検出器の断面構造の一部を模式的に示したものである。図中(a)は構造の一例で、シリコン基板11上に例えば多結晶シリコンあるいは非晶質シリコンからなる台座12を形成し、この台座を覆うように例えばSiOや窒化シリコンからなる絶縁層13を形成する。その際に、ダイオード群1、2および配線等(図示せず)を作り込む。ダイオード群1側の絶縁層に台座に到達するホール(図示せず)を形成し、このホールを介してKOH等のエッチャントにより、ダイオード群1の下方の台座を除去し、空洞部12bを得る。一方、ダイオード群2の下方はエッチングされないため、断熱構造となる空洞は形成されず、台座部12a残る。
【0025】
図2中(b)は他の構造の一例で、基板としてSOI(Semiconductor On Insulator)を用いる。SOI基板14はシリコン基板上にSiOからなる絶縁膜が形成されたものである。SOI自身が低雑音であるため、高性能な検出器を作成するのに非常に有効である。SOI基板を用いた場合の製造工程の一例について説明する。SOI基板14上にダイオード群1、2及び配線等(図示せず)を形成し、これを覆うようにさらに絶縁膜(保護膜)13を形成する。その上に、ダイオード群1の周囲をエッチングするためのレジストをパターニングし、ドライエッチングを施す。すると、ダイオード群1の周囲にホールが形成され、そのホールを介してさらに下方のシリコン基板がエッチングされ、空洞部15を形成する。
【0026】
図中(c)はダイオード群2の上方に遮光部16を設けたものである。ダイオード群2を(a)のダイオード群1と同様に下方に空洞部を設け断熱構造を有するものにして、遮蔽部を設けて赤外線の影響を除くようにしてもよい。また、(a)(b)のような断熱構造を有しないダイオード群2とし、これは赤外線センサとしては鈍感であるが、その影響をさらに除去するためにこのような遮光部16を設けてもよい。
【0027】
【実施例2】
上記実施例1では、MOSFET5として、デプレッション型MOSFETを用いた例について説明したが、エンハンスメント型MOSFETを用いることもできる。図3は、本発明の第2の実施例を説明するための検出器回路図である。図において、21は赤外線受光部で、接合ダイオードを例えば3個連結してある。ダイオード群21はダイオード群2よりもダイオードが1つ少ないので、ダイオード1つ分の電圧差がMOSFET20のソース・ドレイン間で発生する。そのため、エンハンスメント型でも放電が可能になり、MOSFET20にエンハンスメント型を用いることが可能となる。
【0028】
上記実施例2では、実施例1(図1)において、個々の接合ダイオードと、定電流電源3、4とは全く同じ物で、同じ電流を流しており、ダイオード群21とダイオード群2とで、その個数を1つ変えた例について説明したが、ダイオード群21とダイオード群2との間での個数の差は1に限定されるものではない。また、実施例1(図1)において、接合ダイオード群1、2の接合面積の大きさを変更したり、定電流電源3、4の電流値をそれぞれ調整することで5のMOSFETをエンハンスメント型MOSFET20にすることも可能である。
【0029】
【実施例3】
上記実施例2では、実施例1のMOSFET5として、エンハンスメント型MOSFET20を用いる例について説明したが、バイポーラトランジスタ12を用いることもできる。図4は、本発明の第3の実施例を説明するための検出器回路図である。図において、22は積分用MOSFETをバイポーラトランジスタとしたもので、この方法は特に検出器をダイオードにした場合に有利である。受光部21の接合ダイオードは実施例2と同様に接合ダイオードを3個連結してある。これらのダイオードは断熱構造が施されており、入射赤外線に対して効果的な温度上昇が行われる。2には接合ダイオードを4個連結してある。こちらは断熱構造が施されていないため赤外線が入射してもほとんど温度変化しない。第1の実施例では検出器全体の温度が変動してもゲートとソースの電圧が同時に動くため検出器温度に対する補正がほぼ行われるが、積分用MOSFET5の電流値が温度により変動するため、わずかに温度変動による影響が出てしまう。しかし第4図による本実施例ではバイポーラトランジスタ22を使用しているため、ダイオード群21とダイオード群2とのダイオード連結数の違いによるエミッタ・コレクタ間の電圧の温度変動分をバイポーラトランジスタの温度変動が補い、温度変動による信号出力変動が全く無くなる。
【0030】
【実施例4】
上記実施例1乃至3においては受光部に接合ダイオードを用いた熱型赤外線検出器の例について説明したが、本実施例では受光部の温度検出材料をボロメータとした例について説明する。
【0031】
図5は、本発明の第4の実施例を説明するための検出器回路図である。図において、31は赤外線受光部(受光素子)で、抵抗体からなり、断熱構造が施されており、入射赤外線に対して効果的な温度上昇が行われる。32は検出器全体の温度変動の出力への影響を抑制するための補償部で、抵抗体31と同一の材料からなる抵抗体である。抵抗体32は断熱構造が施されていないため赤外線が入射してもほとんど温度変化しない。動作原理は実施例1と同様である。それぞれの抵抗体31、32には、定電流源3、4により一定電流が流れる。抵抗体の両端にかかる電圧は抵抗体の温度によって変動する。抵抗体31、32は同一検出器内に作り込まれているため、検出器全体の温度が変動した場合、各抵抗体の温度による電圧変動幅は同じになる。抵抗体31に赤外線が入射するとノード9の電圧は変化し、MOSFET5のゲート・ソース間の電圧が変化する。予めリセットスイッチ7を通して充電された電気的容量6は、MOSFET5を介して放電するが、放電電流量はノード9の電圧つまり入射赤外線の量に応じて変化する。結果として放電を開始してからある時間tint経過したときの信号出力線8の電圧は、入射赤外線の量で変化する。この時の信号出力の帯域は1/2tintで表され、放電時間が長いほど帯域は制限され雑音は小さくなる。ある放電時間後の信号出力電圧は定電流電源3のしきい値電圧や相互コンダクタンスと電気的容量6の容量値を適当に選べば、所望の値に調整することができる。
【0032】
この実施例では赤外線が入射するとMOSFET5のゲート電圧のみが変動するが、検出器全体の温度が変動してもソースはゲート電圧と同じように変化するため、すなわち、ソース電圧は抵抗体31と同様に変動する抵抗体32の変動に依存するため、ゲート・ソース間電圧は変化しない。このため検出器の温度変動による出力変動を効果的に押さえることができる。
上記のように、ボロメータ型でも実施例1の接合ダイオード型と同様に検出器温度変動による出力変動を押さえることができる。
【0033】
【実施例5】
上記実施例4では、MOSFET5として、デプレッション型MOSFETを用いた例について説明したが、エンハンスメント型MOSFETを用いることもできる。図6は、本発明の第5の実施例を説明するための検出器回路図である。図において、31は赤外線受光部で、抵抗体31からなり、33は抵抗体で、抵抗体31とはその抵抗値、すなわち長さや幅が異なる。20はエンハンスメント型のMOSFETである。この時は4抵抗体31、32の長さや幅の比を調整することで積分用MOSFET20のゲートソース間の電圧を調整する。あるいは、抵抗体31と抵抗体33とを全く同じものとし、定電流源34と35の電流値を調整しても同様に、MOSFET20のゲート・ソース間の電圧を調整できる。これにより、エンハンスメント型のMOSFET20を用いても、電気的容量6の放電が可能となり、実施例4と同様の効果、すなわち、このため検出器の温度変動による出力変動を効果的に押さえることができる。
【0034】
【実施例6】
接合ダイオード型の実施例3と同様に、抵抗体を用いたボロメータ型においても積分用トランジスタをバイポーラトランジスタ12に変更することは可能であることは言うまでもない。この時の回路図を図7に示す。
なお、上記実施例2〜6においては、実施例1の図2で説明したような製造工程に順じて同様に検出器が製造される。
また、上記実施例1〜6においては、電気的容量の放電を利用していたが、電気的容量を充電するような動作でも同様な効果が得られる。
【0035】
【実施例7】
上記実施例1〜6で構成された、検出器の温度変動の抑制された出力の得られる赤外線検出器を、1次元、あるいは2次元に配置して、赤外線固体撮像素子に適用することができる。
【0036】
図8は、本発明の第7の実施例を説明するための、2次元状に配置した検出器アレイの構成を示した図である。図中(a)において、各検出器1011a、1011b…は二次元アレイ状に配置し、それぞれ水平シフトレジスタ1002に接続される垂直信号線1004に接続されて列をなし、垂直シフトレジスタ1001に接続される水平信号線1005に接続されて行をなす。また、1003はバッファである。各検出器の構成を図中(b)に示す。検出器の主要部Aは例えば、実施例2(図3)で説明した検出器からなり、信号出力がサンプルホールド41を介して水平信号線1004へと出力される。
【0037】
垂直シフトレジスタ1001により、アレイ状に配置された検出器のある行が選択される。選択された行の検出器は、すでに電気的容量6が充電され、リセットスイッチ7が開放されており、検出器全体の温度変動の補正された出力が電気的容量6の変化分として、サンプルホールド41へ出力される。垂直シフトレジスタ1001による1行の選択期間中に、水平シフトレジスタ1002により各列が順次選択され、選択された行・列の出力信号がサンプルホールド41から順次読み出される。読み出された出力信号は、バッファを介して外部へ出力される。
【0038】
上記の構成により、それぞれの画素に対応する検出器からの出力信号は、検出器の温度変動が補正され、雑音の抑制された信号であるので、赤外線検出器アレイとして、高性能なものが提供できる。
【0039】
なお、上記実施例では検出器A部を実施例2のものである例について説明したが、他の実施例1、3〜5のものであっても、同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、本実施例は2次元アレイ状に配置したものについて説明したが、1次元に配置したものであってもよい。
【0040】
【実施例8】
上記実施例7では、各画素毎に検出器(画素)分の温度補正用の回路を設けた例について示したが、アレイ状に配置した場合は、この温度補正用の回路を列毎に設けてもよい。この場合、温度補正は列毎になるため上記実施例7よりも補正の精度は劣るが、レイアウトが容易となり、製造工程も実施例7より簡便である。
【0041】
図9は、本発明の第8の実施例を説明するための、2次元状に配置した検出器アレイの構成を示した図である。図において、2011a、2011b…は赤外線検出器で、接合ダイオードを複数個連結したものからなり、検出器の順方向の信号は、垂直信号線2004を介して、積分用MOSFET2051のゲートに入る。他方向は、垂直シフトレジスタ2001に接続された水平信号線2005に接続される。2021a、2021b、…はそれぞれの列の検出器の温度補正部で、検出器2011a、2011b、…と同様に複数個連結された接合ダイオードからなる。2061a、2061b、…は検出器2011a、…と温度補成部2021a、…用の定電流源、2071a、2071b、…は放電用の電気容量である。2002は水平シフトレジスタ、2003はバッファ、2007はサンプルホールドである。
【0042】
次に動作について説明する。放電用の電気容量2071、…をある電圧に充電した後、垂直シフトレジスタ2001により、ある行が選択される。検出器2011、…には電流が流れ、積分用MOSFET2051、…のゲートソース間に所定の電圧が発生し、電気容量2071、…からの放電が始まる。垂直シフトレジスタ2001の選択が解除されると、電気容量2071、…の放電が止まり、電気容量2071、…の電圧を水平シフトレジスタ2002により、順次読み出す。以下、垂直シフトレジスタ2001により、順次行を選択して同様の動作を繰り返すことで、全ての画素に相当する検出器の信号を読み出すことができる。読み出された信号はサンプルホールド2007、バッファ2003を介して外部へ出力される。
【0043】
上記のような構成により、列毎に温度補正回路を有するので、それぞれの画素に対応する検出器からの出力信号は、検出器の温度変動が列毎に補正され、雑音の抑制された信号であるので、赤外線検出器アレイとして、高性能なものが提供できる。
なお、上記実施例では検出器2011a、…と温度補正部2061a、…とについては複数個連結された接合ダイオードを用い、積分用MOSFET2051a、…を用いた例について説明したが、これらの関係は実施例1〜6で説明した組み合わせであっても、同様の効果を奏することは言うまでもない。例えば、検出器2011a、…と温度補正部2061a、…とについては個数の異なる接合ダイオードや抵抗値の異なる抵抗体を用い、2051a、…についてはバイポーラトランジスタを用いるような組合わせであってもよい。
また、本実施例は2次元アレイ状に配置したものについて説明したが、1次元に配置したものであってもよい。
【0044】
【産業上の利用可能性】
この発明による赤外線検出器及び検出器アレイは暗視カメラ等に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施例による接合ダイオードを用いた熱型赤外線検出器の構成を説明するための回路図である。
【図2】 図2は第1の実施例による検出器要部の断面模式図で、図中(a)と(b)はダイオード群1の下方の空洞部(断熱構造)の形成の異なる例、(c)はダイオード群2の上方に遮光部を設けた例である。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施例による接合ダイオードを用いた熱型赤外線検出器の構成を説明するための回路図である。
【図4】 図4は、本発明の第3の実施例による接合ダイオードを用いた熱型赤外線検出器の構成を説明するための回路図である。
【図5】 図5は、本発明の第4の実施例による抵抗体を用いた熱型赤外線検出器の構成を説明するための回路図である。
【図6】 図6は、本発明の第5の実施例による抵抗体を用いた熱型赤外線検出器の構成を説明するための回路図である。
【図7】 図7は、本発明の第6の実施例による抵抗体を用いた熱型赤外線検出器の構成を説明するための回路図である。
【図8】 図8は、本発明の第7の実施例による赤外線検出器アレイの構成を説明するための図で、図中(a)は全体構成図、図中(b)は一検出器分の構成を示したものである。
【図9】 図9は、本発明の第8の実施例による赤外線検出器アレイの構成を説明するための図である。
【図10】 図10は、従来技術のボロメータを用いた熱型赤外線検出器の構造を説明するための模式的斜視図である。
【図11】 図11は従来技術の接合トランジスタを用いた熱型赤外線検出器の構成を説明するための回路図である。
【図12】 図12は従来技術の量子型の赤外線検出器を説明するための回路図で、信号帯域を制限するための積分回路を設けたものである。
【符号の説明】
1:赤外線受光部(受光素子)、2:補償部、3、4:定電流源、5:MOSFET、6:電気的容量、7:リセットスイッチ、8:信号出力、9:ノード

Claims (7)

  1. シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第1の接合ダイオード群からなる熱型赤外線検出素子部と、
    前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続された第1の定電流源と、
    ゲートが前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続され、入射された赤外線量に応じて変化する前記熱型赤外線検出素子部の出力をゲート電圧とするデプレッション型のMOSFETと、
    前記シリコン基板上に絶縁膜を介して形成された断熱構造をもたない前記第1の接合ダイオード群と同数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群からなり、その出力を前記MOSFETのソース電圧とするために前記第2の接合ダイオード群のカソードが前記MOSFETのソースに接続された温度検出素子部と、
    前記第2の接合ダイオード群のカソードに接続された第2の定電流源と、
    前記MOSFETのドレインに一端が接続され、他端が接地された電気的容量部と、
    前記電気的容量部の一端に接続されたスイッチと、
    を備え、
    前記スイッチを介して前記電気的容量部が充電され、前記ゲートと前記ソース間の電圧変動を前記電気的容量部の放電量の変化分として出力することを特徴とする赤外線検出器。
  2. 前記第2の接合ダイオード群の上方に赤外線を遮光する遮光部を有する請求項1記載の赤外線検出器。
  3. 断熱構造をもたない複数の接合ダイオードが直列に連結された前記第2の接合ダイオード群に代えて、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群を有する請求項2記載の赤外線検出器。
  4. シリコン基板上に絶縁層を介して形成され、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第1の接合ダイオード群からなる熱型赤外線検出素子部と、
    前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続された第1の定電流源と、
    ベースが前記第1の接合ダイオード群のカソードに接続され、入射された赤外線量に応じて変化する前記熱型赤外線検出素子部の出力をベース電圧とするバイポーラトランジスタと、
    前記シリコン基板上に絶縁膜を介して形成された断熱構造をもたない前記第1の接合ダイオード群より1個多い数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群からなり、その出力を前記バイポーラトランジスタのエミッタ電圧とするために前記第2の接合ダイオード群のカソードが前記バイポーラトランジスタのエミッタに接続された温度検出素子部と、
    前記第2の接合ダイオード群のカソードに接続された第2の定電流源と、
    前記バイポーラトランジスタのコレクタに一端が接続され、他端が接地された電気的容量部と、
    前記電気的容量部の一端に接続されたスイッチと、
    を備え、
    前記スイッチを介して前記電気的容量部が充電され、
    前記ベースと前記エミッタ間の電圧変動を前記電気的容量部の放電量の変化分として出力することを特徴とする赤外線検出器。
  5. 前記第2の接合ダイオード群の上方に赤外線を遮光する遮光部を有する請求項4記載の赤外線検出器。
  6. 断熱構造をもたない複数の接合ダイオードが直列に連結された前記第2の接合ダイオード群に代えて、その下方に空洞部の形成された断熱構造を有する複数の接合ダイオードが直列に連結された第2の接合ダイオード群を有する請求項5記載の赤外線検出器。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の赤外線検出器を1次元または2次元アレイ状に配置したことを特徴とする赤外線検出器アレイ。
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