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JP4259289B2 - 複合重合方法 - Google Patents
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JP4259289B2 - 複合重合方法 - Google Patents

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本発明は、単量体を経済的に有利に利用して、複数の重合反応工程で、それぞれ目的の重合体を効率よく得ることのできる複合重合方法に関する。更に詳しくは、一つの重合反応工程から回収した単量体の精製に負荷を掛けることなく、この回収した単量体を有効利用しつつ、複数の重合反応工程で、それぞれ目的の重合体を効率よく得ることができる複合重合方法に関する。
各種の合成ゴム、エラストマー、樹脂等の製造においては、単量体又は単量体混合物(以下、特に断らない限り、両者を併せて「単量体」という。)をその良溶媒に溶解させて、その良溶媒中で重合する溶液重合法が汎用される。溶液重合法においては、重合体の立体規則性や分子量の制御のために、単量体の重合体への転化率(重合転化率)を一定値以下に低く抑えることが、しばしば行われる。生成した重合体溶液は、典型的には触媒不活性化剤で処理した後、重合体分離工程に送られる。この重合体分離工程では、スチームストリッピング、フラッシュ蒸留等の常法により、重合体が分離される。ここで分離された重合体は、系外に設けられている乾燥工程に送られる。
一方、重合体分離後には、通常、未反応単量体及び重合反応工程で副生したオリゴマーのほか、重合反応工程で使用した重合溶媒、触媒不活性化剤、老化防止剤等の副資材等(以下、「回収留分」という)が残る。
この回収留分をそのまま廃棄することは、経済的観点から不利であり、環境に対する配慮からも許されない。従って、回収留分から微量不純物を除去し、洗浄、蒸留、遠心分離等の処理により、単量体、重合溶媒等の各成分(以下、「回収単量体等成分」という)に分離して、これらを再使用することが行われるのが普通である。
例えば、特許文献1では、イソプレンの連続重合方法において、重合阻害物質であるシクロペンタジエンを含有するイソプレンを重合した後、回収留分に含まれるシクロペンタジエンを特定の方法で除去して、重合系に供給するイソプレン中のシクロペンタジエンの濃度が一定値以上にならないようにしながら、未反応イソプレン及び重合溶媒を再使用している。
未反応単量体や溶媒から不要の不純物を除去し、所望の回収単量体等成分を分離回収する手段としては、不純物を水洗除去する、不純物を特定の化合物と反応させて除去する等の方法も行われるが、単蒸留や抽出蒸留等によることが多い。
不純物を特定の化合物と反応させて除去する場合、得られた反応生成物の処理に新たな問題が生じることがある。また、蒸留による場合において、特に、分離回収したい目的化合物と除去したい化合物との沸点が近いときには、分離が容易ではなく、強いて分離をしようとすると、装置面からも操作の面からも経済的に非常に不利になる。また、不純物を分離除去しないままで、回収された単量体や溶媒を再使用していくと、それらの中に微量に存在する不純物が次第に蓄積していき、不純物が重合阻害性化合物である場合には、重合の進行を阻害する、異常反応が起きる、目的の諸特性を有する重合体を得ることができなくなる、等の問題を引き起こす。
特開昭56−28207号
このような事情のもとに、本発明者らは、蒸留等の分離回収操作に頼ることなく、簡便に且つ経済的に、重合阻害性化合物を含有する回収単量体等成分を再使用する方法について、鋭意研究を進めた。この結果、一つの重合反応工程(第一の重合反応工程)から得られた回収単量体等成分を、他の特定の重合反応工程(第二の重合反応工程)に使用すれば、第一の重合反応工程からの重合阻害性化合物を含む回収単量体等成分から重合阻害性化合物を分離除去する必要がないこと、この重合阻害性化合物を第2の重合反応工程後に効率よく回収して有効利用できること、更に、第一の重合反応工程においては、回収単量体等成分の再使用をしなくてもよいことから、重合阻害性化合物の蓄積がなく、従って、目的とする諸特性を有する重合体が確実に得られること、を見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
かくして、本発明によれば、シクロペンタジエンである重合阻害性化合物(A)を含有するイソプレンである第一の原料単量体(M1)を重合転化率がαとなるまで重合させる、チーグラーナッタ型触媒を用いるイソプレン重合反応工程である第一の重合反応工程(I)、第一の重合反応工程(I)で得られた重合反応生成物から重合体(P1)と回収留分とを得、次いで、該回収留分を蒸留して重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体(M1)を回収する分離工程(II)、及び分離工程(II)で得られた、重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体(M1)を、イソプレンおよびスチレンである第二の原料単量体(M2)の一部として使用し、第二の原料単量体(M2)の重合転化率がβ(但し、β>αである。)となるまで重合させる、アルキルリチウム触媒を用いるスチレン−イソプレンブロック共重合反応工程である第二の重合反応工程(III)を有する複合重合方法が提供される。
本発明の複合重合方法においては、分離工程(II)で得られた重合阻害性化合物(A)の実質的に全量を、第二の重合反応工程(III)に供給することが好ましい。
更に、本発明の複合重合方法は、第二の重合反応工程(III)の後、重合反応生成物から重合阻害性化合物(A)を分離回収する分離工程(IV)を有していてもよい
本発明の複合重合方法においては、第一の重合反応工程(I)における重合転化率αが90重量%以下であることが好ましい。
また、本発明の複合重合方法においては、第二の重合反応工程(III)における重合転化率βが95重量%以上であることが好ましい。
本発明の複合重合方法は、重合阻害性化合物(A)がシクロペンタジエンであり、原料単量体(M1)がイソプレンである。
また、本発明の複合重合方法は、第一の重合反応工程がチーグラーナッタ型触媒を用いるイソプレン重合反応工程であり、第二の重合反応工程がアルキルリチウム触媒を用いるスチレン−イソプレンブロック共重合反応工程である。
本発明の複合重合方法によれば、一つの重合反応工程から回収した単量体の精製に負荷を掛けることなく、この回収した単量体を有効利用しつつ、複数の重合反応工程で、それぞれ目的の重合体を効率よく得ることができる。
以下、詳細に説明する。
ず、第一の重合反応工程(I)において、第一の原料単量体(M1)が重合される。ここで、第一の原料単量体(M1)は、単一の単量体である必要はなく、複数の単量体の混合物であってもよい。
この第一の原料単量体(M1)は、それ(M1)に対する濃度が一定値以上となったときにその重合を阻害し得る重合阻害性化合物(A)を、第一の原料単量体(M1)の重合を実質的に阻害しない程度に、含有する。重合阻害性化合物(A)は、第一の重合反応工程では、重合触媒の活性低下成分として機能し、触媒不活性化剤で処理した後、元の重合阻害性化合物(A)に戻り重合反応液中に存在する。
合阻害性化合物は、一種類であっても二種類以上の混合物であってもよい。
合重合方法を適用できる第一の原料単量体(M1)は、特に限定されないが、その具体例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等のジエン系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、モノブチルイタコン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリル、フマロニトリル等のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸イソプロペニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル単量体;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、メチルブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン等のモノオレフィン単量体を挙げることができる
合重合方法において、使用できる重合触媒は、特に限定されない。
合重合方法において、使用できる重合方法は、特に限定されないが、第一の重合反応工程(I)が溶液重合工程であることが好ましい。
重合方法が溶液重合法である場合に、使用される重合溶媒に、特に限定はなく、使用される単量体、重合触媒等に応じて適宜選定することができる。その具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;等を挙げることができる。
また、複合重合方法において、単量体濃度、重合温度、重合時間、撹拌条件、反応雰囲気等の各種重合条件にも特に限定はなく、使用される単量体、重合触媒、重合溶媒、所望の重合体の特性等に応じて適宜選定すればよい。
第一の重合反応工程において実施される重合反応は、特に限定されないが、所望の特性を有する重合体を得るためには重合に使用する第一の原料単量体の一定量が重合体に転化した時に(重合転化率がαである時に)重合を停止する必要がある重合反応である場合に、複合重合方法を好適に適用できる。
この重合反応停止時の重合転化率が低い場合に、重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体を重合後に回収再使用する必要性が高いので、複合重合方法が有利である。
αは、好ましくは90重量%以下であり、より好ましくは70重量%以下である。
第一の重合反応工程(I)の終了後、重合反応生成物から重合体(P1)を分離し、未反応の第一の原料単量体(M1)及び重合阻害性化合物(A)を回収する分離工程(II)を行う。このとき、これらは、重合に使用した溶媒との混合物として回収してもよい。
分離工程(II)では、先ず、第一の重合反応工程(I)で得られた重合反応生成物から、重合体(P1)を分離する。重合体分離の方法は、特に限定されず、スチームストリッピング、フラッシュ蒸留等の従来公知の方法でよい。
次に、重合体(P1)を分離した後に得られる回収留分を、水洗、遠心分離、蒸留等の工程に付して、触媒不活性化剤や老化防止剤等の再利用不要ないし不可能な微量成分を、必要に応じて除去して、重合阻害性化合物(A)を含有する回収単量体等成分が得られる。なお、上記の微量成分は、次の第二の重合反応工程(III)で行われる第二の重合反応を阻害しなければ、敢えて除去するには及ばない。
次に、分離工程(II)で得られた、重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体(M1)を第二の原料単量体(M2)の一部として使用し、第二の原料単量体(M2)の重合転化率がβ(但し、β>αである。)となるまで重合させる第二の重合反応工程(III)を行う。
第二の重合反応工程(III)においては、第二の原料単量体(M2)を使用する。第二の原料単量体(M2)としては、第一の原料単量体(M1)と同様の単量体を使用することができる。
第二の重合反応工程(III)においては、上記のようにして得られた重合阻害性化合物(A)を含有する回収単量体等成分を使用することができる。即ち、重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体(M1)以外に、第一の重合反応工程で使用した溶媒等も第二の重合反応工程(III)で使用することができる。このとき、重合阻害性化合物(A)を含有する回収単量体等成分に含有される第一の原料単量体(M1)は、第二の重合反応工程(III)で使用する第二の原料単量体(M2)の一部として使用されることになる。即ち、第一の原料単量体(M1)と第二の原料単量体(M2)との組成は、同一である必要はない。
ここで、分離工程(II)で得られた重合阻害性化合物(A)を含有する回収単量体等成分は、そのまま、第二の重合反応工程(III)において使用してもよいが、蒸留等に付して、重合阻害性化合物(A)を濃縮したのち、第二の重合反応工程(III)に供してもよい。
また、重合阻害性化合物(A)の種類や含有量が異なる2以上の留分に分割することも可能である。
重合阻害性化合物(A)は、その一部を第二の重合反応工程(III)に供給し、残部を他の用途に供給してもよいが、第二の重合反応工程(III)後に、単離がより容易となるので、重合阻害性化合物(A)をできるだけ多く第二の重合反応工程(III)に供給するのが好ましい。
なお、重合阻害性化合物(A)を含有する回収単量体等成分は、支障のない範囲内において、第一の重合反応工程(I)において使用することができる。
第二の重合反応工程(III)においては、第二の原料単量体(M2)の重合転化率がβとなるまで重合を継続する。この重合終了時の重合転化率βは、第二の原料単量体(M2)から所望の重合体を得るために好適な数値であり、α<βとなるように、適宜決定しなければならないが、できるだけ高いことが望ましい。経済上、重合転化率が高いことが望ましいのは当然であるが、この重合転化率βが高ければ、第二の重合反応工程で得られる重合反応液から重合体を分離した後に得られる回収単量体等成分中の重合阻害性化合物(A)の濃度が高くなり、未反応の第二の原料単量体(M2)から、重合阻害性化合物(A)を効率よく分離することができる。これにより、回収した未反応の第二の原料単量体(M2)に含まれる重合阻害性化合物(A)の濃度を効率よく低下させることが可能となり、未反応の第二の原料単量体(M2)を回収して、これを第一の重合反応工程(I)、第二の重合反応工程(III)等において再使用する場合に、重合が阻害されることがない。
βは、95重量%以上であることが好ましく、99重量%以上であることが更に好ましい。
なお、第二の重合反応終了後に実施する、重合体、未反応の第二の原料単量体(M2)、溶媒及び重合阻害性化合物(A)等を、重合反応生成物から分離回収する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
合阻害性化合物(A)は、特に限定されず、広く重合を阻害する化合物をいい、いわゆる重合禁止剤等であってもよい。
しかしながら、いわゆる重合禁止剤は、通常、高沸点であって、原料単量体との沸点差が比較的大きく、或いは水洗等による分離ができる場合等があって、原料単量体からの分離がさほど困難ではないことから、複合重合方法は、第一の原料単量体(M1)の沸点と重合阻害性化合物(A)の沸点とが近い場合に、特に、上記の大気圧下における沸点差が20K以下である場合に好適である。
一般に、重合体の原料単量体としては、石油由来の炭化水素単量体が使用されることが多い。この炭化水素単量体は、構造が似通い、近似した性状を有するもの、特に沸点が近い重合性単量体及び非重合性化合物の混合物から、蒸留等の方法によって、成分毎に分離されたものである。従って、沸点が近い場合は、分離が容易でなく、主成分単量体に少量の他の重合性単量体や非重合性化合物等を含有する。これらの他の重合性単量体や非重合性化合物が重合に影響しない場合は、得られる重合体の特性への影響を別として、操業上にそれほど重大な問題を引き起こすことはない。ところが、それらが重合に影響する場合、特に重合を阻害する場合は、問題を引き起こす。
一般に、重合工程では、原料単量体を完全に重合体に転化できることは少なく、未反応単量体が残る。また、重合体特性の制御の観点から、低い重合転化率で重合を停止することもよく行われる。これらの場合に、未反応の原料単量体を回収して再使用するのが通常であるが、このときに未反応の原料単量体中に、重合を阻害する化合物(重合阻害性化合物)が含まれていると、重合−未反応の原料単量体の回収・再使用を繰り返すうちに、次第に原料単量体に対する重合阻害性化合物の濃度が高まり、遂には実質的に重合を阻害する程度になって、反応異常や生成する重合体の特性値の異常を引き起こすことになる。
合重合方法によれば、第一の重合反応工程(I)から発生する、重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体(M1)を、第一の重合反応工程(I)に再使用する必要がないので、上記のような反応異常や生成する重合体の特性値の異常を引き起こすことがない。
合重合方法は、重合阻害性化合物(A)による重合阻害の程度が、第二の重合反応工程(III)において、第一の重合反応工程(I)におけるよりも小さい場合に好適に適用できる。
重合阻害の程度が小さいとは、原料単量体に対する重合阻害性物質の濃度が同一である場合に、意図的に重合を停止しないときの最終重合転化率がより高くなることをいう。
即ち、複合重合方法は、第一の重合反応工程(I)及び分離工程(II)を経て得られた重合阻害性化合物(A)を含有する回収単量体等成分を、原料単量体(M1)に対して同一の重合阻害性化合物濃度で、第二の重合反応工程(III)に使用したとき、第二の重合反応の最終重合転化率が第一の重合反応の最終重合転化率よりも高くなるような場合に好適に適用できる。
一の重合反応の最終重合転化率αと第二の重合反応の最終重合転化率βとの差が5ポイント以上であることが、より好ましい。
合重合方法において、好ましい例として、第一の重合反応がチーグラーナッタ触媒を用いる重合反応であり、第二の重合反応がアルカリ金属有機化合物を用いるブロック共重合反応である組合せを挙げることができる。
また、複合重合方法を適用可能な重合阻害性化合物(A)の一例として、シクロペンタジエンを挙げることができる。
本発明の複合重合方法、重合阻害性化合物がシクロペンタジエン(大気圧下における沸点41.5〜42℃)であり、第一の重合反応がチーグラーナッタ触媒を用いるイソプレン(同34℃)の重合反応であり、第二の重合反応がアルキルリチウム触媒を用いるスチレン(同145℃)−イソプレンブロック共重合反応である複合重合方法である。本発明では、第一の原料単量体(M1)は、2−メチル−1,3ブタジエン(イソプレン)であり、第二の原料単量体(M2)は、2−メチル−1,3ブタジエン(イソプレン)及びスチレンである。
合重合方法においては、第二の重合反応工程(III)後に重合反応生成物から重合体(P2)を分離し、重合体分離後の重合反応生成物から、重合阻害性化合物(A)を分離回収することができる。
このとき、第二の重合反応における最終重合転化率が高いので、重合阻害性化合物(A)を分離するのに未反応の第二の原料単量体(M2)の損失が少なくて済む。特に、重合転化率が実質的に100%に近い場合には、未反応の第二の原料単量体(M2)が実質的に存在しないので、重合阻害性化合物(A)を分離する際の未反応の第二の原料単量体(M2)の損失が無い。
以下に、本発明の態様を図面により説明する。
図1において、単量体精製工程で第一の原料単量体(M1)を含有する粗原料単量体混合物を精製して得られた、微量の重合阻害性化合物(A)を含有する第一の原料単量体(M1)に、重合溶媒を添加して、第一の原料単量体(M1)、微量の重合阻害性化合物(A)及び重合溶媒からなる第一の原料単量体(M1)組成物を得た。これに触媒を添加して、重合を行い、重合転化率αの時点で、重合停止剤を添加して重合を停止する。分離工程(II)において、第一の原料単量体(M1)の重合体(P1)を得、重合体(P1)分離後に得られた回収留分を蒸留等に付して回収単量体等成分(未反応の第一の原料単量体(M1)、重合阻害性化合物(A)及び溶媒の混合物=留分B)を得る。この回収単量体等成分を第二の重合反応工程(III)の第二の原料単量体(M2)の一部として使用する。また、上記留分Bから、重合阻害性化合物(A)の含有量の異なる二つの留分(含有量の高い留分D及び含有量の低い留分C)を得て、留分Dを第二の重合反応工程(III)に供給し、留分Cを第一の重合反応工程(I)に戻して使用することも可能である。第二の重合反応工程(III)における重合転化率βを高く設定することにより、第二の重合反応工程(III)後の回収単量体等成分における重合阻害化合物(A)の濃度を高くすることができ、その分離が容易になる。第二の重合反応工程(III)における転化率を実質100重量%とすれば、重合阻害化合物(A)の分離が非常に容易である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、特に言及しない限り、[部]及び[%]は、重量基準である。
また、各図中、CPDはシクロペンタジエンであり、数値は部数を示す。
[比較例1](図2参照)
単量体精製工程におけるC5留分(「炭素数5の炭化水素留分」をいう)の精製によって得られたシクロペンタジエン含有量1ppmのイソプレン(以下、「フレッシュイソプレン」という)167部に、ブタン556部を添加して、第一の原料単量体(M1)組成物を得た。これにトリイソブチルアルミニウム及び四塩化チタンから本質的になるチーグラーナッタ型触媒(以下、単に「チーグラー触媒」という)を添加して、第1回目の第一の重合反応工程(I)を行い、重合転化率60%の時点で、メタノールを1.7部添加して重合を停止し、分離工程(II)において、ポリイソプレン100部と、イソプレン67部、シクロペンタジエン0.000167部及びブタン556部からなる回収単量体等成分(留分B)とを得た。
この回収単量体等成分(留分B)を、フレッシュイソプレン100部に添加して、原料単量体組成物(M1)を得た。このときのイソプレン100部に対するシクロペンタジエンの量」は0.000267部である。これにチーグラー触媒を添加して、第2回目の第一の重合反応工程(I)を行い、重合転化率60%の時点で、重合を停止し、分離工程(II)において、ポリイソプレン100部を得た。一方、得られた回収単量体等成分(留分B)は、イソプレン67部、シクロペンタジエン0.000267部及びブタン556部からなっていた。
以下、同様に、この回収単量体等成分(留分B)をフレッシュイソプレン100部に添加して重合する第一の重合反応工程(I)を繰り返した。
この繰り返しにより、第一の重合反応工程(I)に供されるイソプレン中のシクロペンタジエン濃度が上昇していき、シクロペンタジエン濃度が5ppmに達した段階では、最終重合転化率は40%にまで低下し、生成したポリイソプレンのムーニー粘度は、当初の85から70にまで低下した。
[比較例2](図3参照)
フレッシュイソプレン167部に、ブタン556部を添加して、第一の原料単量体組成物(M1)を得た。これにチーグラー触媒を添加して、第1回目の第一の重合反応工程(I)を行い、重合転化率60%の時点で、重合を停止し、分離工程(II)において、ポリイソプレン100部と、イソプレン67部、シクロペンタジエン0.000167部及びブタン556部からなる回収単量体等成分(留分B)とを得た。(ここまでの操作は、比較例1における第1回目の第一の重合反応工程(I)及びその後の分離操作に同じである。)
この回収単量体等成分(留分B)を、蒸留に付して、ブタン556部、イソプレン65部及びシクロペンタジエン0.000067部からなる留分C、並びに、イソプレン2部及びシクロペンタジエン0.0001部とからなる留分Dを得た。この留分Dを抽出蒸留によるシクロペンタジエン除去工程に付して、シクロペンタジエンを除去して、イソプレン2部(留分E)を回収した。
留分C及び留分Eをフレッシュイソプレン100部に添加して、第一の原料単量体(M1)組成物を得た。このときのイソプレン100部に対するシクロペンタジエンの量は0.0001部である。これにチーグラー触媒を添加して、第2回目の第一の重合反応工程(I)を行い、重合転化率60%の時点で、重合を停止し、分離工程(II)において、ポリイソプレン100部を得た。一方、得られた回収単量体等成分は、イソプレン67部、シクロペンタジエン0.000167部及びブタン556部からなっていた。
以下、同様に、この回収単量体等成分(留分B)から得られる留分C及び留分Eをフレッシュイソプレン100部に添加して第一の重合反応工程(I)を繰り返した。
この繰り返しの間、重合に供されるイソプレン100部あたりのシクロペンタジエンの量は、0.0001部に維持され、重合転化率は60%に保つことができ、生成したポリイソプレンのムーニー粘度も、当初の85を維持することができた。
[実施例1](図4参照)
フレッシュイソプレン167部に、ブタン556部を添加して、第一の原料単量体(M1)組成物を得た。これにチーグラー触媒を添加して、第1回目の第一の重合反応工程(I)を行い、重合転化率60%の時点で、重合を停止し、分離工程(II)において、ポリイソプレン100部と、イソプレン67部、シクロペンタジエン0.000167部及びブタン556部からなる回収単量体等成分とを得た。(ここまでの操作は、比較例1における第1回目の第一の重合反応工程(I)及びその後の分離操作に同じである。)
この回収単量体等成分を、蒸留に付して、ブタン556部、イソプレン65部及びシクロペンタジエン0.000067部からなる留分C、並びに、イソプレン2部及びシクロペンタジエン0.0001部からなる留分Dを得た。
この留分Cをフレッシュイソプレン102部に添加して、第一の原料単量体(M1)組成物を得た。このときのイソプレン100部に対するシクロペンタジエンの量は0.0001部である。これにチーグラー触媒を添加して、第2回目の第一の重合反応工程(I)を行い、重合転化率60%の時点で、重合を停止し、分離工程(II)において、ポリイソプレン100部を得た。一方、得られた回収単量体等成分は、イソプレン67部、シクロペンタジエン0.000169部及びブタン556部からなっていた。
以下、同様に、この回収単量体等成分(留分B)を蒸留に付して得られる、ブタン556部、イソプレン65部及びシクロペンタジエン0.000067部からなる留分Cをフレッシュイソプレン102部に添加して重合する第一の重合反応工程(I)を繰り返した。
この繰り返しの間、重合に供されるイソプレン100部に対するシクロペンタジエンの量は0.0001部に維持され、重合転化率は60%に保つことができ、生成したポリイソプレンのムーニー粘度も、当初の85を維持することができた。
他方、イソプレン2部及びシクロペンタジエン0.0001部からなる留分Dを、そのまま(即ち、シクロペンタジエン除去工程に付することなく)、フレッシュイソプレン98部(このものは、シクロペンタジエン0.000098部を含んでいる。)及び溶媒であるシクロヘキサン200部と混合して、第二の単量体(M2)混合物[イソプレン100部、シクロヘキサン200部及びシクロペンタジエン0.000198部からなる。]を得、これをアルキルリチウム触媒を用いて第二の重合反応工程(III)であるスチレン17部とのブロック共重合に供した。重合は、重合転化率100%まで進行した。重合反応生成物を分離工程(IV)に付して、スチレン/イソプレンブロック共重合体117部を得た。また、スチレン/イソプレンブロック共重合体の回収後に得られた、シクロペンタジエンを含有するシクロヘキサン(常圧における沸点81℃)を蒸留に付して、シクロペンタジエンとシクロヘキサンとに分離し、シクロペンタジエンは系外に排出した。また、シクロヘキサンは、第二の重合反応工程(III)に繰り返し使用した。
本発明の複合重合方法によれば、比較例1に示すような、第一の重合反応工程(I)後に分離回収された回収単量体等成分を第一の重合反応工程(I)に循環使用するときのような重合阻害性化合物(A)の蓄積がなく、従って、第一の重合反応工程(I)における反応異常を防止することができる。
また、本発明の複合重合方法によれば、比較例2に示すような、イソプレン/シクロペンタジエン混合物(両成分の沸点差は、約8〜9℃である。)(留分D)からシクロペンタジエンを分離する工程を必要とせず、混合物のまま、第二の重合反応工程において使用することができるので、装置上の負担が少なく、操作上も簡便であって、経済的である。
更に、本発明の複合重合方法によれば、重合阻害性化合物(A)は、第二の重合反応工程(III)後、沸点差の大きい溶媒から分離すればよく(シクロヘキサン及びシクロペンタジエン両成分の沸点差は、約39〜40℃である。)、装置上の負担が少なく、操作上も簡便であって、経済的である。
複合重合方法の概念を示す図である。 第一の重合反応工程(I)からの未反応の第一の原料単量体(M1)を第一の重合反応工程(I)に循環使用する例(比較例1)である。 第一の重合反応工程(I)からの回収単量体等成分を、未反応の原料単量体(M1)及び重合阻害性化合物(A)からなる混合物と、未反応の原料単量体(M1)、重合阻害性化合物(A)及び溶媒の混合物とに分離し、前者の混合物から重合阻害性化合物(A)を抽出蒸留で分離除去する工程を含む例(比較例2)である。 本発明の複合重合方法を示す(実施例1)。

Claims (5)

  1. シクロペンタジエンである重合阻害性化合物(A)を含有するイソプレンである第一の原料単量体(M1)を重合転化率がαとなるまで重合させる、チーグラーナッタ型触媒を用いるイソプレン重合反応工程である第一の重合反応工程(I)、第一の重合反応工程(I)で得られた重合反応生成物から重合体(P1)と回収留分とを得、次いで、該回収留分を蒸留して重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体(M1)を回収する分離工程(II)、及び分離工程(II)で得られた、重合阻害性化合物(A)を含有する未反応の第一の原料単量体(M1)を、イソプレンおよびスチレンである第二の原料単量体(M2)の一部として使用し、第二の原料単量体(M2)の重合転化率がβ(但し、β>αである。)となるまで重合させる、アルキルリチウム触媒を用いるスチレン−イソプレンブロック共重合反応工程である第二の重合反応工程(III)を有する複合重合方法。
  2. 分離工程(II)で得られた重合阻害性化合物(A)の実質的に全量を、第二の重合反応工程(III)に供給することを特徴とする請求項1記載の複合重合方法。
  3. 第二の重合反応工程(III)の後、重合反応生成物から重合阻害性化合物(A)を分離回収する分離工程(IV)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合重合方法。
  4. 第一の重合反応工程(I)における重合転化率αが90重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合重合方法。
  5. 第二の重合反応工程(III)における重合転化率βが95重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合重合方法。
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