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JP4262882B2 - 樹脂ホース - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂ホース、とくに住設用樹脂ホースまたは自動車用樹脂ホースに関し、詳しくは家庭用水道配管などの冷温水輸送用の配管または自動車用ウォーターホースに好適な樹脂ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
水道用の配管には、従来、主に銅製もしくはステンレス製のパイプ、または配管表面を波形にコルゲート加工し、柔軟性向上を目的としたコルゲート管が用いられている。しかし、金属製パイプは柔軟性に乏しく、折り曲げに必要な荷重も大きくなり、施工が困難であり、作業性のうえで問題があるので、近年、熱可塑性樹脂もしくはエラストマーまたはゴムよりなるチューブの外周にステンレス繊維を編組したホースを使用し、作業性の向上が図られている。
【0003】
従来の樹脂ホースでは、柔軟性をもたせることで施工が容易になるという利点はある。しかし、内面チューブにゴムまたはゴム分を多量に含んだエラストマーを使用するので、長期の使用環境下において、媒体である水または湯の中に、カーボン、顔料類の異物が溶出するという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、柔軟性を保ちながら媒体中への有色の異物の溶出を防止する効果が得られる樹脂ホースを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂ホースは、内面層チューブと、内面層チューブの外周に補強用繊維が編組された繊維補強層とからなる樹脂ホースであって、内面層が高密度ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンからなる最内層と、最内層の外周の熱可塑性樹脂またはエラストマーからなる外層とからなる2層構造を有し、最内層を形成する高密度ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンが、硬度HD30〜70Hs、密度0.93g/cm3以上、数平均分子量1000000以上であり、かつカーボンおよび顔料を含有しないことを特徴とする。
【0006】
本発明の樹脂ホースは、前記繊維補強層の外周に熱可塑性樹脂またはエラストマーを被覆した外面カバーを有することが好ましい。本発明の樹脂ホースは、前記内面層チューブの外層が、着色した熱可塑性樹脂またはエラストマーからなることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態の樹脂ホースの構造を図1に示す。図1の樹脂ホースは、内面層チューブ1と繊維補強層とからなる。内面層チューブ1は、最内層1aと外層1bとの2層からなる。
【0008】
最内層1aは、カーボンおよび顔料を含有しない高密度ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンからなる。最内層1aを形成する高密度ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンは、硬度HDが30〜70Hs、好ましくは柔軟性と異物溶出のバランスの点で40〜60Hsであり、密度が0.93g/cm3以上、好ましくは0.94以上、通常は0.97以下であり、数平均分子量が1000000以上、好ましくは1200000以上、通常は1600000以下である。
【0009】
最内層1aの肉厚は、本発明において限定されるものではないが、通常0.05〜1mm、とりわけ0.1〜04mmであることが、柔軟性と異物溶出防止のバランスの点で好ましい。
【0010】
外層1bは、熱可塑性樹脂またはエラストマーからなり、好ましくは着色した熱可塑性樹脂またはエラストマーからなる。外層1bに着色した熱可塑性樹脂またはエラストマーを使用することによって、最内層1aおよび外層1bの肉厚の均一性を目視で確認することができる。外層1bの肉厚は、本発明において限定されるものではないが、通常0.1〜3mm、とりわけ0.5〜2mmであることが、柔軟性と異物溶出防止のバランスの点で好ましい。
【0011】
熱可塑性樹脂またはエラストマーは、たとえば、顔料を混合することによって着色することができる。熱可塑性樹脂またはエラストマーに混合される顔料は0.1〜2重量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂またはエラストマーとしては、たとえば、ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系エラストマーを使用することができ、具体的には、ポリプロピレンとEPDM(エチレンプロピレンブタジエン共重合体)とをブレンドしたオレフィン系熱可塑性エラストマーをあげることができる。
【0012】
繊維補強層は、内面層チューブ1の外周に補強用繊維を、たとえば、ブレード状またはスパイラル状に編組することによって形成することができる。繊維補強層は、1種類または2種以上の補強用繊維で形成することができ、また、1層または異なる2層以上を形成することができる。補強用繊維としては、ナイロン繊維などの有機繊維、ステンレス繊維などの金属繊維を使用することができる。図1の樹脂ホースでは、繊維補強層が、内面層チューブ1の外周にナイロン繊維をブレードまたはスパイラル状に編組した有機繊維補強層2、および有機繊維補強層2の外周にステンレス繊維をブレード状またはスパイラル状に編組した金属繊維補強層3からなる。
【0013】
図1に示す樹脂ホースは、繊維補強層の外周に熱可塑性樹脂またはエラストマーを被覆した外面カバー4を有する。
【0014】
【実施例】
実施例1
図1に示す構造の樹脂チューブを製造した。内面層チューブ1として、硬度HDが58Hs、密度が0.94g/cm3、数平均分子量が1500000であり、かつカーボンおよび顔料を含有しない無色透明のポリオレフィン樹脂(種類:架橋ポリエチレン)を使用して厚さ0.3mmの最内層1aを形成し、最内層1aの外周にポリプロピレンとEPDMとをブレンドしたオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いて厚さ0.9mmの外層1bを形成した。
【0015】
内面層チューブ1の外周にナイロン繊維をスパイラル状に編組して有機繊維補強層2を形成し、有機繊維補強層2の外周にステンレス繊維をスパイラル状に編組して金属繊維補強層3を形成した。金属繊維補強層3の外周を熱可塑性樹脂で被覆して外面カバー4を形成した。
【0016】
製造した樹脂チューブについて、破裂試験を行なった。また、塩素水循環試験を行なって異物発生量を測定し、塩素水循環試験後の試験水をろ過してフィルターの変色の有無を観察した。さらに、塩素水循環試験前後の破断伸びを測定した。結果を表1に示す。
【0017】
比較例1〜3
図2に比較例1の樹脂ホースの積層構造を示す。比較例1の樹脂ホースは、既存の樹脂ホースであり、内面チューブ1が、ポリプロピレンとEPDMとをブレンドしたオレフィン系熱可塑性エラストマーの一層からなり、その外周にナイロン繊維をスパイラル状に編組した有機繊維補強層2、その外周にステンレス繊維をスパイラル状に編組した金属繊維補強層3、その外周に熱可塑性エラストマーにより被覆した外面カバー4からなる。
【0018】
比較例2の樹脂ホースは、内面層チューブ1の最内層1aを、硬度HDが60Hsで顔料を含有する有色(肌色)のポリオレフィン樹脂で形成したほかは実施例1と同様にして製造した樹脂ホースである。
【0019】
比較例3の樹脂ホースは、最内層1を硬度HDが20Hsで無色透明のポリオレフィン樹脂で形成したほかは実施例1と同様にして製造した樹脂ホースである。
【0020】
各樹脂ホースについて、実施例1と同様の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0004262882
【0022】
試験結果の評価
ポリオレフィン樹脂からなる最内層を有しない比較例1では、塩素水循環試験における異物発生量が実施例1の7倍であった。これより、実施例1の樹脂ホースは、特定のポリオレフィン樹脂の最内層を有することにより、耐腐食性に優れることが明確である。
【0023】
塩素水循環試験後の試験水をろ過すると、比較例1では、ろ過後のフィルターが、濃い肌色に変色し、最内層を有色ポリオレフィン樹脂で形成した比較例2では、薄い肌色に変色した。比較例1および2では、異物の原因となる内面を形成する樹脂そのものが顔料を含有して肌色であるので、異物の多寡にかかわらず、フィルターが発色したためと考えられる。
【0024】
最内層を硬度HDが20Hsで顔料を含有しない無色のポリオレフィン樹脂で形成した比較例3では、試験後の試験水をろ過したのちのフィルターは無色であったが、ホース内に残存する異物の量は実施例1の3倍となった。これは、材質的に同じポリオレフィン樹脂であっても、硬度の低いものは塩素による劣化が進むためと考えられる。
【0025】
実施例1の樹脂ホースは、塩素水循環試験において、異物発生量が少なく、しかも、試験後の試験水をろ過したのちのフィルターが全く変色を示さなかった。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、従来品に比べ、より衛生性に優れ、とくに水道配管などとして有用な樹脂ホースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態(実施例1)の樹脂ホースの積層構造を示す模式図である。
【図2】比較例1の樹脂ホースの積層構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 内面層チューブ
1a 最内層
1b 外層
2 有機繊維補強層
3 金属繊維補強層
4 外面カバー

Claims (3)

  1. 内面層チューブと、内面層チューブの外周に補強用繊維が編組された繊維補強層とからなる樹脂ホースであって、内面層が高密度ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンからなる最内層と、最内層の外周の熱可塑性樹脂またはエラストマーからなる外層とからなる2層構造を有し、最内層を形成する高密度ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンが、硬度HD30〜70、密度0.93g/cm3以上、数平均分子量1000000以上であり、かつカーボンおよび顔料を含有しないことを特徴とする配管用樹脂ホース。
  2. 前記繊維補強層の外周に熱可塑性樹脂またはエラストマーを被覆した外面カバーを有する請求項1記載の樹脂ホース。
  3. 前記内面層チューブの外層が、着色した熱可塑性樹脂またはエラストマーからなる請求項1または2記載の樹脂ホース。
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