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JP4265014B2 - 薄型電池 - Google Patents
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JP4265014B2 - 薄型電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極及び負極と、この正極及び負極との間に介在するゲル状電解質層又は固体電解質層とにより構成されてなる薄型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の携帯型電子機器やノート型パーソナルコンピュータ等の薄型電子機器等の電子機器の小型化、軽量化等が進む近年にあっては、この電子機器の電源として、電池が重要な地位を占めている。電源としての電池は、電子機器の小型化、軽量化等を実現するために、軽量でかつ機器内での収納スペースを効率的に利用可能であることが要請される。このような電池として、エネルギー密度、出力密度の大きなリチウム電池が最も好適である。
【0003】
リチウム電池の中でも形状の自由度が高い電池として、薄型大面積のシート型電池または薄型小面積のカード型電池が望まれている。しかしながら、従来の金属製の外装缶を用いた電池では、薄型大面積のシート型電池を作製することが困難である。
【0004】
薄型大面積のシート型電池の作製を容易にするために、有機、無機の固体電解質や、高分子ゲルを用いた半固体電解質を用いた、いわゆる非水電解質電池の開発が進められている。この非水電解質電池は、電解質が固定化されるため、金属製の外装缶により電解液を密閉する必要がない。また、非水電解質電池は、電極材と電解質の間に接着力があり、両者の接触を保持できるため、電池素子に対して圧力をかける必要がなくなる。このため、非水電解質電池には、外装に金属製の外装缶に代えてフィルム状の部材を用いることができ、薄型大面積のシート型電池を作製することが容易となる。
【0005】
上述したシート型電池及びカード型電池を含む薄型電池においては、イオン伝導性が小さく電池への実用化がまだ難しい固体電解質よりも、半固体のいわゆるゲル状電解質を用いたものが注目されている。ゲル状電解質を用いた薄型電池の外装としては、高分子膜や、金属薄膜などから構成されている多層フィルムが用いられている。特に、熱融着樹脂層、金属箔層から構成される防湿性多層フィルムは、熱融着によって容易に密閉構造が実現でき、また多層フィルム自体の強度や気密性が優れ、さらに金属ケースよりも軽量で薄くかつ安価であることからも外装材の候補として有力視されている。
【0006】
また、上述したゲル状電解質を用いた薄型電池としては、通常のリチウムイオン電池で使用している電極を用いたものがある。具体的には、この薄型電池においては、負極が炭素材料に結着剤を用いて銅箔上に塗布して作製されるとともに、正極がコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムを導電助剤の黒鉛等と混合し、アルミ箔上に塗布して作製される。正極と負極とは、どちらも電極活物質の塗布後、乾燥させ、プレスすることにより作製される。上述した薄型電池は、電極活物質とゲル状電解質を混合して集電体金属箔上に塗布するものに比して、電極と集電体との密着性が良好であり、またエネルギー密度を上げやすく、製造工程も容易なものとなるという利点がある。
【0007】
上述したように作製される薄型電池の電極は、通常、集電体上に電極活物質層を形成した帯状の電極上に電解質のゲル溶液(ゾル)を塗布してゲル状電解質層を形成し、これを数回巻回したり、積層したりされた後に外装材内に収納する。この場合、正極と負極とは、ゲル状電解質層によって隔離されるため、セパレータが不要となり、電池製造の際のコストを削減するとともに、製造工程を簡略化することができる。
【0008】
ところで、薄型電池においては、エネルギー密度を向上させるためにゲル状電解質層を薄くすることがある。薄型電池は、ゲル状電解質層を薄くすると、負極及び正極が帯状に裁断された場合に電極端部に生じるバリや、電極端子が負極及び正極の端部に溶接される場合に生じる電極端子との段差が、薄いゲル状電解質層を突き破って他方の電極に触れてしまいショートが生じやすくなる。
【0009】
そこで、薄型電池において、バリや段差が生じた部分を樹脂テープで覆ってショートを防止する方法が本願出願人によって提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる薄型電池は、図9に示すように、電極集電体51上に電極活物質層52を形成した電極50に樹脂テープ53を貼り付けた場合、電極50には、樹脂テープ53の厚みの分だけ段差が生じる。電極50に生じた段差は、電極活物質層52上に形成されるゲル状電解質層(図示は省略する。)の厚みを変える原因となる。すなわち、樹脂テープ53と電極活物質層52との段差部分には、塗布したゲル溶液が溜まり、他の部分よりもゲル状電解質層が厚く形成されてしまう。
【0011】
また、図10に示すように、平滑な場所やロールギャップでゲル溶液を塗布する場合、樹脂テープ53の段差によって持ち上げられる部分の電極50上には、他の部分よりもゲル溶液の塗布厚みが薄くなり、ゲル状電解質層が薄く形成される。
【0012】
薄型電池は、上述したようなゲル状電解質層の厚みにバラツキが生じることで、電極50を巻回や積層等することにより外装材内に収納される電池素子を作製する際に、電極50同士が密着せずに隙間が生じたり、ゲル状電解質層の薄い部分でショートを起こしたりするという問題がある。
【0013】
また、薄型電池は、ゲル状電解質層が薄く形成された部分により厚くゲル状電解質層を形成したり、電極50間にセパレータを介在させると、ショートのおそれはなくなるが、無駄に電池自体の厚みが増すため薄型電池のエネルギー密度を低下させるという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、ゲル状電解質層の厚みを一定に保ち、信頼性やエネルギー密度が向上した薄型電池を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄型電池は、帯状の集電体上に炭素材料を電極活物質層として含む負極と、帯状の集電体上にリチウム遷移金属酸化物を含む電極活物質層として含む正極と、負極及び正極と対向する少なくともゲル状電解質層または固体電解質層を含む電解質層とを有し、負極及び正極は該負極と該正極が対向する位置で、該負極及び該正極の両端部において、電極活物質層が形成されず集電体が露出している部分を有するとともに、少なくとも一方の端部に電極端子が取り付けられ、集電体が露出している部分及び電極端子上に樹脂テープが貼り付けられ、樹脂テープが電極端子を被覆している部分の厚さが電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以上であり、電極集電体のみを被覆する部分の厚さが上記電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以下である。
【0016】
本発明に係る薄型電池によれば、負極と正極が対向する位置で、負極及び正極の両端部において、負極及び正極の集電体が露出している部分を有し、少なくとも一方の端部に電極端子が取り付けられ、集電体が露出している部分及び電極端子上に樹脂テープが貼り付けられるとともに、樹脂テープが電極端子を被覆している部分の厚さが電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以上であり、電極集電体のみを被覆する部分の厚さが電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以下となるようにすることにより、電極活物質上に均一の厚さでゲル状電解質層等の固体電解質層を形成することができるため、ゲル状電解質層の界面の接合がよく、ショートの不具合も起こりにくくなり、信頼性や歩留まりが向上する。また、本発明に係る薄型電池によれば、無駄に部分的に電池の厚さが増すことが無くなるため、エネルギー密度が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る薄型電池の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
本実施の形態として説明する薄型電池1は、ポリマーリチウムイオン二次電池であり、図1及び図2に示すように、アルミニウム箔をポリオレフィンフィルムで挟んだ外装フィルム2に電池素子3を収納してなる。薄型電池1は、外装フィルム2の周縁部分を熱融着部2aとし、この熱融着部2aを熱融着して封止されることにより電池素子3を真空包装している。また、薄型電池1は、外装フィルム2の外方に電池素子3の正極及び負極にそれぞれに取り付けた負極端子4a及び正極端子4b(以下、併せて電極端子4と称する。)が外部端子として引き出されている。
【0019】
電池素子3は、上述した電極端子4を例えば抵抗溶接、超音波溶接等の方法により取り付けている。電極端子4は、図1に示すように、外装フィルム2の外方に引き出されるが、その際に外装フィルム2と接する部分に樹脂片5をあてがっている。
【0020】
外装フィルム2は、防湿性を有するものであればよく上述した構成を有するものの他、例えばナイロンフィルム、アルミニウム箔及びポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせて形成されてなるものであってもよい。
【0021】
また、外装フィルム2は、図1及び図2に示すように、電池素子3を収納する際に1枚のシート型のフィルムの略中央部を折り曲げ、その内側に電池素子3を挟み込む構成としているが、このような構成に限らず、例えば上部フィルムと下部フィルムの2枚のフィルムによって電池素子3を挟み込むものや、袋状に成形したフィルム内に電池素子3を封入する構成のものであってもよい。
【0022】
なお、本実施の形態にかかる薄型電池1においては、電池素子3を収納する外装材として、厚さ、軽さ、コストの点から好ましいためアルミラミネートフィルムよりなる外装フィルム2を用いたが、これに限らず角形や円筒形の金属缶を外装材として使用してもよい。
【0023】
電池素子3は、負極及び正極となる2本の帯状の電極材10により構成される。電池素子3は、これら電極材10が正極を内周側として平たく渦巻状に巻回して構成される。また、電池素子3は、これら電極材10がつづら折りして構成されたものでも、積層して構成されたものでもよい。
【0024】
電極材10は、図3に示すように、電極集電体11の両面に電極活物質層12を形成して構成されている。電極集電体11は、負極の場合においては、例えば銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔等を使用することができ、正極の場合においては、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔を使用することができる。電極集電体11は、多孔性金属箔とすることが好ましい。電極材10は、電極集電体11を多孔性金属箔とすることで、電極集電体11と電極活物質層12との接着強度を高めることができる。このような多孔性金属箔としては、パンチングメタルやエキスパンドメタルの他、エッチング処理によって多数の開口部を形成した金属箔等を使用することができる。
【0025】
電極活物質層12は、負極の場合においては、負極活物質として黒鉛や難黒鉛化炭素等の炭素材料を使用することが好適であるが、その他リチウム金属やリチウム合金等も使用可能である。また、電極活物質層12は、正極の場合においては、正極活物質としてリチウムイオンを可逆に出し入れするリチウム遷移金属酸化物、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、さらにこれらの遷移金属を他の金属に置換したり、他の元素を添加した物質が使用可能である。
【0026】
なお、電極活物質層12は、上述した負極活物質又は正極活物質を2種類以上混合して形成してもよい。また、電極活物質層12を形成するに際して、上述した負極活物質又は正極活物質に公知の導電剤や結着剤等を含有させて形成してもよい。
【0027】
電極材10は、図3、図4及び図5に示すように、その長手方向の端部において電極活物質層12が形成されずに露出している電極集電体11の表裏に樹脂テープ13を貼り付けて被覆している。樹脂テープ13は、電極材10を所定の長さに裁断する際に生じることのあるバリや、図5(a)及び同図(b)に示すように電極端子4を取り付けた場合に生じる電極集電体11と電極端子4との段差が原因となる電池素子3のショートを防止する。
【0028】
電極材10は、電極集電体11が露出し、樹脂テープ13を貼り付ける部分が2mm〜12mm程度であることが望ましい。電極材10は、露出する電極集電体が上述した範囲よりも短いと良好な粘着力をもって樹脂テープ13を貼り付けることができず、また長すぎると電極材10自体の体積が増えるため、薄型電池1のエネルギー密度が低下してしまう。
【0029】
電極材10は、露出した電極集電体11の少なくとも表裏面を樹脂テープ13によって被覆していればよく、図4(a)及び同図(b)に示すように、電極集電体11の側面、すなわち樹脂テープ13を貼り付ける部分と垂直をなす部分を被覆していなくともよい。但し、電極材10の端部に電極端子4が取り付けられた場合には、図5(a)及び同図(b)に示すように、電極端子4と他方の電極との接触を防止するため、電極材10よりも幅広でかつ露出した電極集電体11よりも長い樹脂テープ13によって外装フィルム2の外方に引き出される部分を除いて電極端子4を被覆する必要がある。
【0030】
具体的には、電極材10に貼り付ける樹脂テープ13は、図3(a)及び図5(a)に示すように、その幅W1が電極材10の幅W2よりも幅広のものか、図4(a)に示すように、その幅W1が電極材10の幅W2と同じものを使用する。より具体的には、樹脂テープ13は、その貼付幅W1が電極材10の幅W2よりも片側で0.5mm〜3mm程度、両側で1mm〜6mm程度幅広のものまで使用可能であるが、片側1mm〜2mm幅広のものであれば十分である。
【0031】
また、電極材10には、図3(b)及び図4(b)に示すように、電極材10に樹脂テープ13を貼り付けた部分の総厚H1が電極活物質層12のみを形成した部分の厚さH2以下になる樹脂テープ13を使用する。電極材10は、樹脂テープ13を貼り付けた部分の厚さH1が少なくとも電極活物質12のみを形成した部分の厚さH2以下にすることで、電極活物質層12上から樹脂テープ13上にわたって形成されるゲル状電解質層を均一の厚さで塗布して、形成することができる。樹脂テープ13は、十分な強度があれば薄い方が望ましく、厚さが10μm〜100μmの範囲のものが好適であるが、例えば電極活物質層12の厚さが50μmの場合には50μmまたはそれ以下の厚さのものを使用する。
【0032】
なお、図5(b)に示すように、電極材10の端部に電極端子4を取り付けた場合には、電極端子4を被覆する部分の総厚H3が電極活物質12のみを形成した部分の厚さH2以上であっても、他の部分、すなわち電極集電体11のみを被覆する部分の総厚H1が電極活物質12のみを形成した部分の厚さH2以下であればよい。
【0033】
電極材10は、電極活物質層12を形成した部分と樹脂テープ13を貼り付けた部分との厚さが同じか、または樹脂テープ13を貼り付けた部分の方が薄いため、ゲル状電解質層を一定の厚みで電極活物質層12上から樹脂テープ13上にわたって形成することが可能である。このため、薄型電池1においては、電極材10に形成されるゲル状電解質層同士の界面の接合がよく、ショート等の不具合も起こりにくくなる。また、薄型電池1においては、ゲル状電解質層が一定の厚みで塗布され部分的に電極材10上に形成したゲル状電解質層の厚みが増すことがないため、エネルギー密度が向上する。
【0034】
樹脂テープ13は、電解液に使われる炭酸エステルなどに対して安定であればよく、ポリオレフィン、ナイロン、ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリイミド等が使用できる。樹脂テープ13は、接着剤等により貼り付けられて負極集電体11を被覆している。接着剤は、電解液に対して溶解等することにより、樹脂テープ13が負極集電体11から剥離することがなければいかなるものでも使用できる。また、樹脂テープ13は、ポリエチレン、ポリプロピレン等が使用される場合は、熱融着性の樹脂であるため、熱融着によって貼り付けることも可能である。
【0035】
上述したような樹脂テープ13は、貼り付ける場所が帯状の電極材の両端部の2箇所であるが、電池素子3を構成する際に、正極と負極とが対向する位置関係にない場合は貼り付けなくともよい。例えば、負極と正極とを平たく渦巻状に巻回して電池素子3を形成する際に、巻芯側で正極を数回巻いてから負極と正極とを巻回する場合には、正極の巻回し端部は負極と対向する位置にないため樹脂テープ13は省略し得る。
【0036】
また、図6(a)及び同図(b)に示すように、電極材10の端部以外にも電極活物質12が少なくとも片面に形成されずに、電極集電体11が露出している部分がある場合においても、樹脂テープ13を貼り付けてもよい。
【0037】
電池素子3は、正極と負極との活物質層上に形成したゲル状電解質層により絶縁するため、セパレータを不要とする構成とされているが、より安全を期すために、セパレータを介在させてもよい。。
【0038】
負極及び正極には、上述した集電体の両面に形成された活物質層上にゲル状電解質層を形成する。ゲル状電解質層は、非水溶媒として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、酢酸メチル、プロピレン酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、2,4−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、4−ブロモベラトロール等を単独若しくは2種類以上の混合溶媒として使用することができる。
【0039】
なお、非水溶媒としては、この他外装フィルム2として防湿性ラミネートフィルムを使用した場合、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はγ−ブチルラクトン、2,4−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、4−ブロモベラトロール等の沸点が150℃以上の溶媒を組み合わせて使用することが好ましい。
【0040】
ゲル状電解質層を形成するには、電解質塩として、例えばLiCl、liBr、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiB(C654、Li(CH3SO3)、LiCF3SO3等のリチウム塩を使用することができる。
【0041】
ゲル状電解質層は、ゲル状電解質に用いられる高分子材料として、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニリデンの共重合体を使用することができ、共重合モノマーとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレンやテトラフルオロエチレン等を挙げることができる。
【0042】
ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、この他に例えば、ポリアクリロニトリル及びポリアクリロニトリルの共重合体を使用することができる。共重合モノマー(ビニル系モノマー)としては、例えば、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、イタコン酸、水素化メチルアクリレート、水素化エチルアクリレート、アクリルアミド、塩化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等を挙げることができる。さらに、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ポリエチレンプロピレンジエンスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルメタアクリレート樹脂、アクリロニトリルアクリレート樹脂等を使用することができる。
【0043】
また、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、上述した材料の他ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニリデンの共重合体を使用することができる。共重合モノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン等を挙げることができる。
【0044】
さらに、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、ポリエチレンオキサイド及びポリエチレンオキサイドの共重合体を使用することができる。共重合モノマーとしては、例えば、ポリプロピレンオキサイド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等を挙げることができる。
【0045】
その他、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、ポリエーテル変性シロキサン、及びその共重合体を使用することができる。
【0046】
上述したゲル状電解質に用いられる高分子材料は、これらを単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
【0047】
なお、上述したゲル状電解質層においては、固体電解質としてゲル状の固体電解質を用いたものとして説明したが、ゲル状の固体電解質に限定されるものではなく、固体電解質として上述した電解質塩を含有する非水溶媒を膨潤した高分子材料からなる高分子固体電解質であってもよい。
【0048】
【実施例】
本発明に係る薄型電池について、以下のようにして作製した実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4について試験を行った。なお、本発明に係る薄型電池は以下に示す実施例1〜実施例4の電池に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0049】
実施例1
まず、実施例1の薄型電池を以下のようにして作製した。
【0050】
正極は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)90重量%、粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%、粉状黒鉛7重量%をNメチルピロリドン(NMP)を溶媒として分散させた後、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、100℃条件下にて24時間減圧乾燥して作製した。さらに、適当に加圧したロールプレスにより圧縮し、これを640mm×118mmに切り出した。なお、正極の厚みは両面塗布の全厚で110μmである。
【0051】
負極は、人造黒鉛91重量%、紛状ポリフッ化ビニリデン9重量部%を用い、NMPに分散させた後、負極集電体となる厚さ10μmの銅箔の両面に塗布し、120℃条件下にて24時間減圧乾燥して作製した。さらに適当に加圧したロールプレスにより圧縮し、800mm〜120mmに切り出した。なお、負極の厚みは両面塗布の全厚で100μmである。
【0052】
負極用電極端子は、直径50μm銅線又はニッケル線を75μm間隔で編んだ金属網を裁断して、プレスして作製し、負極集電体未塗布部分に溶接した。正極側は、アルミニウムを用いて負極側と同様に作製した。電極端子の厚みはどちらも40μmである。
【0053】
電解質には、以下のようにして得たPVdf系ゲル状電解質を用いた。
【0054】
ヘキサフルオロプロピレンを重量比7%含む共重合体であるポリフッ化ビニリデン(PVdf)、電解液、ポリマーの溶剤であるジメチルカーボネート(DMC)を重量比1:5:8の割合で混合し、70℃条件下で撹拌して溶解した。
【0055】
電解液は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)を重量比EC=42%、PC=15%、GBL=43%で混合し、六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)を溶媒に対し1mol/kgとなるように調整した。
【0056】
正極、負極それぞれの活物質層上に、ポリマー、電解液、溶剤からなるゾル状態のゲル状電解質をバーコーターを用いて塗布し、70℃条件下の恒温槽で溶剤を揮発させて、厚みが電極上ほぼ30μm〜40μmとなるゲル状電解質層を形成した。
【0057】
そして、正極、負極それぞれのゲル状電解質層を介して活物質面をあわせるように平たく巻いて電池素子を作製した。
【0058】
電池素子は、電極端子を取り付けた部分に予め厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートテープを貼り付けて端部を保護するようにした。正極の巻終わり端部もゲルを傷つけてショートすることがないように、同じようにテープで端部を保護した。その際、正極活物質層を除いてから正極集電体にテープを貼り、完全に集電体部分を被覆した。なお、電極端子を取り付けた部分には、正極活物質を塗布していない。
【0059】
その後、電池素子をアルミニウム箔をポリオレフィンフィルムでサンドイッチした汎用ラミネートフィルムで真空包装することによって薄型電池を作製した。
【0060】
実施例2
両面塗布の負極の厚みを180μm、正極の厚みを200μmで作製し、電極端部に貼るテープに厚さ80μmのポリイミドテープを用いた以外は、実施例1の電池と同様に作製した。
【0061】
実施例3
両面塗布の負極の厚みを60μm、正極の厚みを65μmで作製し、電極端部に貼るテープに厚さ20μmのポリエチレンテレフタレートテープを用いた以外は、実施例1の電池と同様に作製した。
【0062】
実施例4
ゲル状電解質層の厚さを各電極上15μmとするとともに、厚さ15μmの多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを正極、負極間に介在させた以外は実施例1の電池と同様に作製した。
【0063】
比較例1
実施例1と同様に電池を作製したが、電極端部にテープ類を一切貼らずに電池を作製した。電極活物質は、電極端子を接続する部分のみ除去した。
【0064】
比較例2
実施例1と同様に電池を作製したが、電極端部と電極端子との溶接部を除いて、電極活物質を除去せずに活物質上に直接ポリエステルテープを貼って電池を作製した。
【0065】
比較例3
両面塗布の負極の厚みを60μm、正極の厚みを65μmで作製し、電極端部に貼るテープに厚さ95μmのポリイミドテープ(商品名:カプトン)を用いた以外は、全て実施例1と同様に電池を作製した。
【0066】
比較例4
ゲル状電解質層の厚さを各電極上15μmとするとともに、厚さ15μmの多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを正極、負極間に介在させた以外は比較例3の電池と同様に作製した。
【0067】
評価
上述したように作製した実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4の薄型電池について、満充電した後に、開路状態で電池電圧を測定し、これが0に近づくかどうかでショートの有無を判断した。なお、充電は、0.2C(5時間で電池の定格容量になる電流値)で4.2Vの低電流低電圧充電を行い、12時間で充電終了とした。実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4の各電池の試験結果を図7及び表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0004265014
【0069】
図7及び表1に示すように、実施例1〜実施例4及び比較例4の各電池においては、電池電圧にほとんど変化が見られず、ショートが起きていないことが判断できる。これに対し、比較例1〜比較例3の各電池は、時間が経過するに従い、電池電圧が減少しており、ショートが起きていることが判断できる。
【0070】
また、上述した実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4を用いて電池のサイクル特性についての試験を行った。
【0071】
サイクル特性の試験は、各電池作製後に0.2C(5時間で電池の定格容量になる電流値)で4.2Vの定電流定電圧充電を行い、12時間で充電終了とし、0.2Cで3Vまで放電し、この充放電を5回繰り返し行った。この後、0.5C(2時間で電池の定格容量になる電流値)、4.2Vの定電流定電圧充電を行い、3時間で充電終了とし、放電は、0.5Cの定電流放電で電池電圧3Vで終了した。充電と放電とは、それぞれの終了後15分の間隔をおいて続行した。図8に各電池の毎回の放電容量を示す。
【0072】
実施例1〜実施例4及び比較例4では、図8に示すように、300サイクル後に初回の容量の約80%を維持しているのに対し、比較例1〜比較例3においてはいずれもこれを下回っている。
【0073】
また、試験終了後に実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4の電池を解体したところ、比較例1及び比較例2の電池からは、電極端部のゲル状電解質層の厚みムラに起因すると思われるシワがあり、その部分においてリチウムの析出が認められ、比較例3からは、小さなシワが確認された。実施例1〜実施例4の電池には、いずれもシワやリチウムの析出は認められなかった。
【0074】
なお、比較例4においては、正極と負極との間にセパレータが介在しているので電池電圧の低下やサイクロ特性の劣化が確認されなかった。しかしながら、比較例4は、同様にセパレータが介在された実施例4に比して電極に貼り付けたテープが厚いため、テープを貼り付けた部分が貼り付けていない活物質層のみの部分に比して60μm〜70μm程厚くなっており、実施例4の電池よりもエネルギー密度が低いことが確認された。
【0075】
このように、電極端部をテープで覆うことにより電池内部のショートが回避できること、なおかつ電極にテープを貼った部分の厚さを電極のその他の部分の厚さと同等以下にすることによって、電池内部の微小なショートさえも防止でき、電池のエネルギー密度、信頼性の向上が図られることが明らかになった。また、セパレータを用いてさらにショートの防止を期す場合であっても、電極が無駄に厚くなることを抑え、エネルギー密度が向上することが明らかになった。
【0076】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明に係る薄型電池によれば、負極と正極が対向する位置で、負極及び正極の両端部において、電極の電極集電体が露出した部分を有し、少なくとも一方の端部に電極端子が取り付けられ、集電体が露出している部分及び電極端子上を樹脂テープで被覆しかつ、樹脂テープが電極端子を被覆している部分の厚さが電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以上であり、電極集電体のみを被覆する部分の厚さが電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以下にすることにより、電極上に塗布して形成するゲル状電解質層の厚みを一定にすることができるため、ゲル状電解質層の界面の接合がよく、ショートの不具合も起こりにくくなり、信頼性や歩留まりの向上を図ることができる。また、本発明に係る薄型電池によれば、無駄に部分的に電池の厚さが増すことが無いため、エネルギー密度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄型電池の外装フィルムに電池素子を収納する前の状態を示す斜視図である。
【図2】薄型電池の斜視図である。
【図3】(a)は、電極材の平面図であり、(b)は、電極材の縦断面図である。
【図4】(a)は、電極材の平面図であり、(b)は、電極材の側面図である。
【図5】(a)は、端部に電極端子が取り付けられた電極材の平面図であり、(b)は、同電極材の縦断面図である。
【図6】(a)は、端部以外に樹脂テープが貼り付けられた電極材の平面図であり、(b)は、同電極材の縦断面図である。
【図7】実施例及び比較例の薄型電池の電池電圧の変化を示す特性図である。
【図8】実施例及び比較例の薄型電池のサイクル特性の変化を示す特性図である。
【図9】薄型電池に用いられる従来の電極材の縦断面図である。
【図10】薄型電池に用いられる従来の電極材の縦断面図である。
【符号の説明】
1 薄型電池,2 外装フィルム,3 電池素子,10 電極材,11 電極集電体,12 電極活物質層,13 樹脂テープ,

Claims (5)

  1. 帯状の集電体上に炭素材料を電極活物質層として含む負極と、
    帯状の集電体上にリチウム遷移金属酸化物を含む電極活物質層として含む正極と、
    上記負極及び上記正極と対向する少なくともゲル状電解質層または固体電解質層を含む電解質層とを有し、
    上記負極及び上記極は該負極と該正極が対向する位置で、該負極及び該正極の両端部において、上記電極活物質層が形成されず上記集電体が露出している部分を有するとともに、少なくとも一方の端部に電極端子が取り付けられ、上記集電体が露出している部分及び上記電極端子上に樹脂テープが貼り付けられ、
    上記樹脂テープが上記電極端子を被覆している部分の厚さが上記電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以上であり、上記電極集電体のみを被覆する部分の厚さが上記電極活物質層のみを形成した部分の厚さ以下である薄型電池。
  2. 上記ゲル状電解質層が、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニリデンの共重合であり、
    上記負極、上記正極及び上記電解質層が、アルミニウム箔をポリオレフィンフィルムで挟んだ外装フィルムからなる外装容器に収容された請求項1記載の薄型電池。
  3. 巻芯側で上記正極を数回巻いてから、上記負極と上記正極とを平たく渦巻状に巻回してなる電池素子を有する請求項1又は請求項2記載の薄型電電池。
  4. 上記樹脂テープは、その幅寸法が上記負極及び上記正極の集電体の幅寸法よりも大きい請求項1乃至請求項3の何れか一項記載の薄型電池。
  5. 上記負極には、負極活物質として黒鉛、難黒鉛化性炭素、リチウム金属又はリチウム合金のいずれかが用いられ、上記正極には、正極活物質として可逆にリチウムを脱挿入できる化合物が用いられる請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の薄型電池。
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