JP4265017B2 - 整流子用フェノール樹脂成形材料及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モーターの整流子(コンミテータ)を成形するために用いられるフェノール樹脂成形材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動モーターの整流子は、銅セグメント1とシリカ等の絶縁物2とを交互に配置して成形金型内にリング状にセットし、この内側に樹脂成形材料を射出成形して、銅セグメント1と絶縁物2とを樹脂成形品3で一体化することによって、図1に示すように形成されている。樹脂成形品3の中央にはシャフトを圧入する孔4が設けてある。ここで、樹脂成形品3を成形する成形材料としては、耐熱性や強度の面からフェノール樹脂成形材料を用いるのが一般的である。
【0003】
そして、整流子は電動モーターの中心部に位置しており、直流電流が連続的に流れ、使用温度は100℃以上になる。特に電動モーターが設置される場所が高温であるとその場合には使用温度は200℃以上にもなる。また整流子は40000rpm以上の高速で回転するため、銅セグメント1とブラシの間でアークが発生し、発熱する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように整流子に高温や発熱が作用すると、銅セグメント1を固定・絶縁している樹脂成形品3の強度が低下し、遠心力で剥離する力が作用している銅セグメント1を抑えきれなって、整流子はばらばらに破壊されてしまうおそれがある。また、整流子が長時間、高湿にさらされると、樹脂成形品3が吸湿して強度低下が起こり、この破壊が一層発生し易くなるものであった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、回転強度が高く、特に高温時や吸湿時においても回転強度が高い整流子を成形することができる整流子用フェノール樹脂成形材料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る整流子用フェノール樹脂成形材料は、重量平均分子量を数平均分子量で割った数値が1.15以下であるノボラック型フェノール樹脂を有機主成分とし、有機主成分以外の樹脂のポリエチレングリコールを有機充填材として含有すると共に無機充填材を含有して成ることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項2の発明は、上記無機充填材がガラス繊維と鉱物の少なくとも一方であることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項3の発明は、上記鉱物が、石膏、カオリンから選ばれるものであることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項4に係る整流子用フェノール樹脂成形材料の製造方法は、上記の請求項1乃至3のいずれかに記載の各材料をロールによって加熱・混練することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明において有機主成分の樹脂としてはノボラック型フェノール樹脂を用いるものであり、このノボラック型フェノール樹脂として重量平均分子量を数平均分子量で割った数値が1.15以下のものを使用するものである。このように有機主成分として重量平均分子量を数平均分子量で割った数値が1.15以下のノボラック型フェノール樹脂を用いることによって、整流子を成形する際に成形材料の均一な溶融状態を得ることができ、整流子の回転強度を向上させることができるものである。すなわち、重量平均分子量を数平均分子量で割った数値が1.15以下のノボラック型フェノール樹脂は分子量がかなり一定であると考えられるので、溶融粘度も一定であり、この結果、均一な溶融状態を得ることができるのである。重量平均分子量を数平均分子量で割った数値の下限は特に設定されないが、実用的には下限は1.05程度である。またこのノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は2300〜2800の範囲、数平均分子量は2000〜2600の範囲であることが望ましい。
【0013】
本発明において有機充填材として含有される有機主成分以外の樹脂としては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とポリエチレングリコール(PEG)のうち少なくとも一方を用いるのが好ましい。有機充填材としてNBRを用いることによって、整流子を成形する際に成形材料の均一な溶融状態を得ることができ、整流子の回転強度を向上させることができるものである。また有機充填材料としてPEGを用いることによって、整流子を成形する際の成形材料の溶融粘度が低くなり、より均一な溶融状態を得ることができ、整流子の回転強度を向上させることができるものである。
【0014】
本発明において無機充填材としては、ガラス繊維と鉱物の少なくとも一方を用いるのが好ましい。無機充填材としてこのようにガラス繊維や鉱物を用いることによって、熱変形温度の高い成形品を得ることができ、整流子の高温時での回転強度を向上させることができるものである。またこの鉱物としては、石膏とカオリンの少なくとも一方を用いるのが好ましい。このように石膏やカオリンを無機充填材として配合すると、成形品の吸湿率を低下させることができ、整流子の吸湿後の回転強度を向上させることができるものである。
【0015】
そして上記の有機主成分としてノボラック型フェノール樹脂、有機充填材、無機充填材、さらに必要に応じて離型剤、増量剤、顔料などを配合し、これを加熱混練して反応させることによって、本発明に係る整流子成形用フェノール樹脂成形材料を得ることができるものである。このとき、この加熱、混練、反応は、ロールによって行なうのが好ましく、材料の混練や分散を均一に行なうことができ、整流子の回転強度を向上させることができるものである。このロールによる混練の条件は、特に限定されるものではないが、温度90〜140℃、時間2〜5分の範囲が好ましい。また各材料の配合割合は、特に制限されるものではないが、有機主成分としてのノボラック型フェノール樹脂を25〜35重量%、有機充填材を4〜10%、無機充填材を50〜65%の範囲に設定するのが好ましい。
【0016】
【実施例】
次に本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0017】
表1の実施例1、参考例1〜4、比較例1の材料を2軸のロールで加熱・混練し、この混練品を粉砕機で粉砕造粒することによって、整流子成形用フェノール樹脂成形材料を得た。このとき、ロール混練は、ロールの表面温度100〜130℃、混練時間3分の条件で行なった。
【0018】
また表1の比較例2の材料をボールミルにより1時間混合して混合粉末を調製した後、これを1軸混練押出機で温度80〜100℃の条件で混練押し出し、この混練品を粉砕機で粉砕造粒することによって、整流子成形用フェノール樹脂成形材料を得た。
【0019】
ここで表1において、ノボラック型フェノール樹脂として、住友ケミカル(株)製「SKR−H−17」(重量平均分子量Mw:2400、数平均分子量Mn:2200、Mw/Mn:1.1)、松下電工(株)製「PAR」(重量平均分子量Mw:2450、数平均分子量Mn:2050、Mw/Mn:1.2)を用いた。また、NBRはゼオン・ケミカル・インコーポレイテッド製「ハイカ1411」を、PEGは三洋化成工業(株)製「PEG6000P」を、ガラス繊維は日本電気硝子(株)製「RES03」(平均直径8μm、平均長さ1.8mm)を、石膏は睦化学(株)製「A級睦石膏」を、カオリンはストーン・コンテナー・コーポレーション製「EPKカオリン」を、タルクは竹原化学工業(株)製「TTタルク」を用いた。尚、表1の各実施例や各比較例には、さらに、離型剤(ステアリン酸:堺化学工業(株)製「SZ−P」)、増量剤(水酸化カルシウム:昭和電工(株)製「H32」)、顔料(カーボン:三菱化成(株)製「#45」)が合計5重量部配合してある。
【0020】
【表1】
【0021】
上記のようにして得た実施例1、参考例1〜4、比較例1〜2の成形材料をタブレット化し、プレヒートをかけた後、トランスファー成形金型で成形温度175±5℃、硬化時間150秒の条件で成形し、図1のような直径33mm、内径23mm、高さ30mmのリング形の整流子成形品を得た。この整流子成形品の孔にシャフトを取り付けて回転させ、回転数を1000rpm/10秒の割合で増加させて回転強度の試験を行ない、破壊が発生したときの回転数を回転強度とみなし、常温回転破壊強度、熱時回転破壊強度、吸湿後回転破壊強度をそれぞれ測定した。常温回転破壊強度とは、室温雰囲気で試験を行なったときの回転強度、熱時回転破壊強度とは、雰囲気が250℃の中に整流子成形品を10分間放置した後、250℃を保ちながら試験を行なったときの回転強度、吸湿後回転破壊強度とは、整流子成形品を温度80℃、湿度80%RHの雰囲気中に250時間放置した後、試験を行なったときの回転強度である。これらの結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
表2にみられるように各実施例のものは、常温、熱時、吸湿後のいずれにおいても回転強度が高いものであった。
【0024】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る整流子用フェノール樹脂成形材料は、重量平均分子量を数平均分子量で割った数値が1.15以下であるノボラック型フェノール樹脂を有機主成分とし、有機主成分以外の樹脂を有機充填材として含有すると共に無機充填材を含有するので、有機主成分として重量平均分子量を数平均分子量で割った数値が1.15以下のノボラック型フェノール樹脂を用いることによって、整流子を成形する際に成形材料の均一な溶融状態を得ることができ、整流子の回転強度を向上させることができるものである。
【0025】
また有機充填材料としてポリエチレングリコールを用いることによって、整流子を成形する際の成形材料の溶融粘度が低くなり、より均一な溶融状態を得ることができ、整流子の回転強度を向上させることができるものである。
【0026】
また請求項2の発明は、上記無機充填材がガラス繊維と鉱物の少なくとも一方であるので、熱変形温度の高い成形品を得ることができ、整流子の高温時での回転強度を向上させることができるものである。
【0027】
また請求項3の発明は、上記鉱物が、石膏、カオリンから選ばれるものであるので、成形品の吸湿率を低下させることができ、整流子の吸湿後の回転強度を向上させることができるものである。
【0028】
本発明の請求項4に係る整流子用フェノール樹脂成形材料の製造方法は、上記の請求項1乃至3のいずれかに記載の各材料をロールによって加熱・混練するようにしたので、材料の混練や分散を均一に行なうことができ、整流子の回転強度を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】整流子の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
1 銅セグメント
2 絶縁板
3 樹脂成形品
4 孔
Claims (4)
- 重量平均分子量を数平均分子量で割った数値が1.15以下であるノボラック型フェノール樹脂を有機主成分とし、有機主成分以外の樹脂のポリエチレングリコールを有機充填材として含有すると共に無機充填材を含有して成ることを特徴とする整流子用フェノール樹脂成形材料。
- 上記無機充填材がガラス繊維と鉱物の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の整流子用フェノール樹脂成形材料。
- 上記鉱物が、石膏、カオリンから選ばれるものであることを特徴とする請求項2に記載の整流子用フェノール樹脂成形材料。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の各材料をロールによって加熱・混練することを特徴とする整流子用フェノール樹脂成形材料の製造方法。
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| JP01706399A JP4265017B2 (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | 整流子用フェノール樹脂成形材料及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01706399A JP4265017B2 (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | 整流子用フェノール樹脂成形材料及び製造方法 |
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| JP01706399A Expired - Fee Related JP4265017B2 (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | 整流子用フェノール樹脂成形材料及び製造方法 |
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