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JP4265277B2 - サージアブソーバ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話機、モデムなどの電子機器が通信線と接続する部分、或いはCRT駆動回路などの雷サージや静電気等の異常電圧による電撃を受けやすい部分に接続することで、異常電圧によって電子機器が破壊されるのを防ぐために使用される放電成型のサージアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
(a)は、従来のマイクロギャップ式サージアブソーバを示す断面図である。このサージアブソーバは、円柱状(多角柱状であっても良い。)のセラミック素体1の表面にマイクロギャップ2Aを設けてSnO等の導電性皮膜2を形成したマイクロギャップ式サージ吸収素子3の両端に、金属製のキャップ電極4A,4Bを被着したものを、鉛ガラスからなるガラス管5内に不活性ガスと共に挿入し、端子電極(スラグリード:リード線付き封止電極)6A,6Bで鋏持して固定、封止することにより作製される。
【0003】
このようなサージアブソーバに要求される特性に、放電開始電圧、絶縁抵抗、寿命特性及びサージ耐量がある。このうち、サージ耐量は、異常電圧によってサージアブソーバ内でアーク放電が発生した際に、セラミック素体1とガラス管5の熱容量と熱伝導性の差によってサージアブソーバが破壊に至る現像に対する耐久性の程度であり、サージアブソーバの形状により決定される特性である。このサージ耐量を増大させるために、
(1)(b)に示す如く、ガラス管として内径の大きいガラス管5Aを用い
る;
(2)(c)に示す如く、ガラス管として、肉厚の厚いガラス管5Bを用い
る;
ことが行われている。
【0004】
即ち、異常電圧によってサージアブソーバ内でアーク放電が発生したとき、アーク放電の熱はセラミック素体1よりなるサージ吸収素子3及びガラス管5に伝導し、それぞれが過熱される。この時、セラミック素体1は熱容量が小さく熱伝導度が大きいが、ガラス管5は熱容量が大きくかつ熱伝導度が小さいため、ガラス管5に比べてセラミック素体1の方が大きく熱膨張する。このため、大電流が流れたときにガラス管5内には引張応力が発生し、応力の集中する端子電極(スラグリード6A,6B)とガラス管5との接触点でクラックが発生し、破壊に至る。
【0005】
上記(1)では、このクラック発生を、内径の大きいガラス管5Aを用いることにより、セラミック素体1の熱膨張の影響を緩和して防止する。また、上記(2)では、肉厚が厚く、耐クラック性に優れたガラス管5Bを用いることにより、クラック発生を防止する。
【0006】
また、アーク放電によりギャップ電極が蒸発しマイクロギャップの特性が劣化してサージ吸収素子の特性が劣化することもある。これを防止するために、
(3) 金属キャップ電極4A,4Bを設けないサージ吸収素子を用いる;
ことも行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)(2)のサージ耐量の増大方法では、次のような問題があった。
【0008】
(b)に示す如く、内径の大きいガラス管5Aを用いると、当然、作製されたサージアブソーバ自体が大型化し、自動実装に必要な5mmピッチのアキシャルテーピングが不可能となる。また、ガラス管5Aの内径が大きくなった分、封止に使用する封止材(スラグリード6A’,6B’)の直径が大型化し、市販品で入手することが非常に困難になる。このように直径の大きな封止材を使用することなく、通常の封止材を用いて封止することができるように、図(d)に示す如く、スラグリード6A,6Bとガラス管5Aとの間にガラスビーズ7A,7Bを介在させることが考えられるが、この場合には、別途ガラスビーズ7A,7Bが必要となるため、コストアップにつながる。
【0009】
(c)に示す如く、肉厚のガラス管5Bを用いる場合にも、サージアブソーバが大型化すると共に、封止に使用するガラス量が増大する。また、ガラス管自体のコストアップにつながる。
【0010】
上記(3)のキャップ電極なしのサージ吸収素子をガラス管内に入れる場合にあっては、封止後のガラス管にクラックが発生し易い。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決し、サージ耐量が大きく、長寿命であり、小型で低コストなサージアブソーバを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)のサージアブソーバは、ガラス管と、該ガラス管内に挿入されたサージ吸収素子と、該ガラス管の両端に設けられた、該サージ吸収素子を鋏持して固定すると共に該ガラス管を封止する封止電極とを有するサージアブソーバにおいて、
該サージ吸収素子の少なくとも一方の端部と封止電極との間に、表面が導電性材料で構成された緩衝部材を介在させたサージアブソーバであって、該緩衝部材は、絶縁性材料よりなる本体部分の表面に導電性材料を形成したものであり、前記ガラス管の軸方向に弾性変形して、前記サージ吸収素子の該軸方向の熱膨張の影響を緩和するものであることを特徴とする。
【0013】
本発明(請求項2)のサージアブソーバは、請求項1において、前記本体部分がポリイミドよりなることを特徴とするものである。
【0014】
本発明(請求項1,2)のサージアブソーバでは、異常電圧を受けた際のセラミック素体の瞬間的な熱膨張を緩衝部材の変形により吸収し、ガラス管に引張応力が発生するのを防止することで、サージ耐量を増大させることができる。
【0015】
本発明では、サージ吸収素子が金属キャップ電極を有していなくてもよい。この場合、金属キャップ電極からの放電による蒸発が無く、これに伴う素子劣化も無い。
【0016】
本発明では、緩衝部材を主放電電極としてもよい。この場合、従来に比べこの放電電極がサージ吸収素子のマイクロギャップから遠ざかっているので、主放電電極の蒸発の影響が小さい。この主放電電極は高融点金属よりなるものであるための蒸発がきわめて少ない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態及び参考例を詳細に説明する。
【0018】
1は参考例のサージアブソーバの断面図である。図1に示すサージアブソーバは、サージ吸収素子3の一端とスラグリード6Bとの間に緩衝部材10を介在させた点が図(a)に示す従来のサージアブソーバと異なり、その他の構成は同様の構成とされている。図1において図(a)と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0019】
図1に示す緩衝部材10は、図2(a)(平面図),(b)(側面図)に示す如く、金属板を円形に切り抜いたものを中央で好ましくはθ=約90〜178°とくに好ましくは150〜175°程度に折り曲げたものである。この緩衝部材10は、矢印X方向に弾性変形するので、セラミック素体1の熱膨張が吸収される。
【0020】
この緩衝部材10の直径はガラス管5の内径よりも若干小さい程度とし、その厚さは0.1〜1mm程度とするのが適当である。この厚さが0.1mm未満では弾性係数(バネ強さ)が小さすぎ、1mm超では弾性係数が大きすぎる場合がある。
【0021】
この金属板の材料としては、Fe,Ni,Cr,Co,Cu,Al,Mo,Wの単体或いはこれらの2種以上の合金を用いることができる。
【0022】
このような金属板よりなる緩衝部材は、円形に切り抜いた金属板を折り曲げ加工する他、多角形に切り抜いた金属板を折り曲げ加工することにより作製することもできる
【0023】
発明で用いる緩衝部材は、アルミナ、ムライト等のセラミック或いはポリイミド等の樹脂などの絶縁性材料よりなる本体部分に、Ti,TiN,W,Al,SnO,SiC,Nbの単体又は2種以上の合金、或いはBa−Al合金等のBa含有率50〜60重量%程度のBa合金のような導電性皮膜を形成して、表面を導電性としたものであ
【0024】
このような緩衝部材としては、具体的には、図(a)(平面図),図(b)(側面図)に示すような時計皿形状の緩衝部材10Bが挙げられる。この緩衝部材10Bにおいて、絶縁性材料の本体部分の直径は、ガラス管の直径よりも若干小さく、肉厚は1μm〜1mm、例えば10μm程度であることが好ましく、このような本体部分に対して、蒸着等の手段で容易に導電性皮膜を形成することができる。この緩衝部材10Bであっても、応力の負荷及び解除により容易に矢印X方向に可逆的に変形することで、セラミック素体の熱膨張分を吸収することができる
【0025】
発明において、このような緩衝部材は、サージ吸収素子の両端に設けても良いが、一般的には、一方の端部にのみ設ければ、十分にセラミック素体の熱膨張分を吸収してサージ耐量を高めることができる。
【0026】
本発明のサージアブソーバは、サージ吸収素子と共に緩衝部材をガラス管内に封止することにより、容易に作製することができる。
【0027】
図5は本発明のサージアブソーバの実施の形態を示す断面図である。図に示すサージアブソーバは、サージ吸収素子3がキャップ電極4A,4Bを有していない点、及び、サージ吸収素子3とスラグリード6A,6Bとの間に緩衝部材10Bを介在させた点が図(a)に示す従来のサージアブソーバと異なり、その他の構成は同様の構成とされている。図において図(a)と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある
【0028】
の緩衝部材10は、矢印X方向に弾性変形するので、セラミック素体1の熱膨張が吸収される
【0029】
発明のサージアブソーバも、サージ吸収素子と共に緩衝部材をガラス管内に封止することにより、容易に作製することができる。
【0030】
【実施例】
下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0031】
実施例1
ポリイミド製本体(直径1.6mm,厚さ10μm)にタングステン導電性皮膜を2μmの厚さに形成して、図に示す緩衝部材10Bを作製し、緩衝部材としてこの緩衝部材10Bを用いて、図1に示すような本発明のサージアブソーバを作製した。
【0032】
円柱状セラミック素体(直径1mm,長さ3mm,コランダムムライト製)1に、厚さ2μmのSnO導電性皮膜2を形成し、両端にキャップ電極(SUS製,肉厚0.1mm)4A,4Bを圧入し、導電性皮膜2の中央部に周方向にマイクロギャップ2A(幅50μm)を形成して、サージ吸収素子3を作製した。
【0033】
これをガラス管(外径3mm,内径1.8mm,長さ7.3mm)5に挿入し、次いで上記緩衝部材10Bを挿入した。このガラス管5の端部をスラグリード(封止部の直径1.7mm,長さ1.8mm)でガラス管5の端部を閉じた後、ガラス管5内を封止ガス(Arガス,800Torr)雰囲気に置換し、その後加熱して封止した。
【0034】
このサージアブソーバについて、サージ耐量(波形8/20μsecのインパルス電流を3回印加したときにガラス管にクラックが発生する電流値)を調べると共に、5mmピッチのアキシャルテーピングの可否を調べ、結果を表1に示した。
【0035】
比較例1
実施例1において、緩衝部材10Bを用いなかったこと以外は同様にして、図(a)に示すサージアブソーバを作製し、同様にサージ耐量及びテーピングの可否を調べ、結果を表1に示した。
【0036】
比較例2
ガラス管として外径5.3mm,内径1.8mm,長さ7.3mmのものを用いたこと以外は比較例1と同様にして、図(c)に示すサージアブソーバを作製し、同様にサージ耐量及びテーピングの可否を調べ、結果を表1に示した。
【0037】
比較例3
ガラス管として外径5.3mm,内径3.3mm,長さ7.3mmのものを用い、外径3.1mm,内径1.8mm,長さ1.8mmのガラスビーズを介してスラグリードを取り付けたこと以外は比較例1と同様にして図(d)に示すサージアブソーバを作製し、同様にサージ耐量及びテーピングの可否を調べ、結果を表1に示した。
【0038】
比較例4
比較例3において、ガラスビーズを用いず、封止部の直径が3.3mmのスラグリードを用いたこと以外は同様にして図(b)に示すサージアブソーバを作製し、同様にサージ耐量及びテーピングの可否を調べ、結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004265277
【0040】
表1より、本発明のサージアブソーバは、小型でしかもサージ耐量が大きいことが明らかである
【0041】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のサージアブソーバは、サージ耐量が大きく、寿命特性に優れ、しかも、ガラス管の内径や肉厚を大きくする必要がないため、小型で、自動実装に必要な5mmピッチのテーピングが可能であると共に、市販品で入手が容易な通常の封止材で封着することができる。また、ガラスビーズが不要で、ガラス管自体のコストアップの問題がないため、安価に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例のサージアブソーバの実施の形態を示す断面図である。
【図2】 図2(a)は緩衝部材の参考例を示す平面図、図2(b)は同側面図である。
【図3】 図3(a)は緩衝部材の実施例を示す平面図、図3(b)は同側面図である。
【図4】 従来のサージアブソーバを示す断面図である。
【図5】 本発明のサージアブソーバの実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック素体
2 導電性皮膜
2A マイクロギャップ
3 サージ吸収素子
4A,4B キャップ電極
5,5A,5B ガラス管
6A,6B スラグリード
10,1 緩衝部材

Claims (2)

  1. ガラス管と、該ガラス管内に挿入されたサージ吸収素子と、該ガラス管の両端に設けられた、該サージ吸収素子を鋏持して固定すると共に該ガラス管を封止する封止電極とを有するサージアブソーバにおいて、
    該サージ吸収素子の少なくとも一方の端部と封止電極との間に、表面が導電性材料で構成された緩衝部材を介在させたサージアブソーバであって、
    該緩衝部材は、絶縁性材料よりなる本体部分の表面に導電性材料を形成したものであり、前記ガラス管の軸方向に弾性変形して、前記サージ吸収素子の該軸方向の熱膨張の影響を緩和するものであることを特徴とするサージアブソーバ。
  2. 請求項1において、前記本体部分がポリイミドよりなることを特徴とするサージアブソーバ。
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