JP4267902B2 - 多連式ポンプ装置の運転制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はストローク調整機構を備えた容量の異なる複数の往復動型ポンプを、回転数制御機構を備えた一つの電動機にて駆動するようにしてある多連式ポンプ装置にて、要求流量の変化に応じて上記複数のポンプの切替えをスムースに行って、正確な注入を行うことができるようにする多連式ポンプ装置の運転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然ガスは発電用燃料として、又、工場や家庭にて燃料として広く使用されているが、この天然ガスは無臭であり、漏洩するとその検出が困難であるため、臭いの元となる薬品、すなわち、付臭剤を注入して混ぜ、あえて臭いを付けて供給するようにしている。
【0003】
天然ガスに付臭剤を注入する場合に用いる注入ポンプとしては、従来、ダイヤフラムを往復動させる形式の往復動型ポンプが用いられており、被注入側となるガス導管を流通する天然ガスの流量に比例して、ダイヤフラムのストローク幅の調整と、ポンプの回転数の調整とを行うようにしていた。
【0004】
ところで、天然ガスの付臭を行う場合、送ガス量に対する付臭剤の注入濃度は12〜16mg/m3(Normal)/hの範囲とすることが望まれる。一方、ガス導管を流通する天然ガスの送ガス量は2700〜150000m3(Normal)/hの幅で大きく変動することがあり、このために、付臭剤の注入量は、32〜2400g/hと微少流量から広い範囲に亘って調整することが求められる。
【0005】
このように、要求される最大容量と最小容量の比が大きくなる、すなわち、要求されるレンジアビリティが大きくなると、1台のポンプでは流量の制御が困難になる。そのため従来は、容量の異なる複数台の独立した往復動型ポンプを設けて、上記容量の異なる複数台のポンプのうち、注入すべき付臭剤の量に対応する容量を備えたポンプを択一的に選択して運用することが一般的に行われていた。
【0006】
又、近年では、図7にその一例の概略を示す如く、ストローク調整機構4,5を個別に有する容量の異なる複数台、たとえば、大容量と小容量の2台の往復動型のポンプ2と3を、図示しない同一ベッド上に設置すると共に、該各ポンプ2と3とを、回転数制御機構としてのインバータ7を装備した1台の電動機6に共に駆動可能に連結してなる多連式ポンプ装置1を用いることも提案されてきている。すなわち、これは、付臭剤8の注入先となる天然ガス9流通用ガス導管10の途中に、上記多連式ポンプ装置1の吐出側を、付臭剤供給管11を介し接続すると共に、上記多連式ポンプ装置1の吸入側には、図示しない付臭剤タンクより付臭剤8を導くための付臭剤吸入管12を接続して、ガス導管10を流通する天然ガス9の流量に応じて注入すべき付臭剤8の流量が定まると、該付臭剤8の要求流量の大小に対応して、上記多連式ポンプ装置1の小容量ポンプ3と大容量ポンプ2にて、それぞれ大小異なる流量域を分担させるように、電動機6により、上記各ポンプ2又は3のいずれか一方を切り替えて運転させることにより、上記要求流量に対応した流量の付臭剤8を吐出させ、付臭剤供給管11を通してガス導管10へ注入させるようにしてある。
【0007】
なお、上記ガス導管10に天然ガス9を流通させる場合、上記ガス導管10内の圧力は、3.5〜4.5Mpaの範囲で圧力変動することがある。
【0008】
又、多連式ポンプの他の例としては、プランジャストロークを個別に調整できるようにしてある複数のレシプロポンプを、一台の可変速モータに、シャフトを介し連結して、上記各レシプロポンプより主剤と複数の促進剤を同時に供給させて地盤注入用の薬液グラウト剤を調製しながら地盤への注入を行うときに、上記各レシプロポンプより供給させる主剤と各促進剤の供給比率を変動させることにより、該各成分薬液の混合比を、注入すべき地盤内性状に応じて変化させることができるようにしたものが従来提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭54−99309号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、レンジアビリティを上げるために、容量の異なる独立したポンプを複数台設置する場合には、該各ポンプにそれぞれ駆動用の電動機が必要となることから電動機を複数台設置する必要が生じると共に、その回転数を制御する機構であるインバータも電動機ごとに個別に必要になるため複数台設置する必要があり、これら複数台の電動機やインバータのために機器コストが嵩むと共に、広い設置スペースを必要とし、更には、配管、電気設備等の付帯設備が増加するという問題がある。
【0011】
一方、図7に示す如き多連式ポンプ装置1を使用する場合には、設置すべき電動機6やインバータ7は一台でよいため、上記のような問題は生じないが、大小異なる流量域を分担させるべく大容量ポンプ2と小容量ポンプ3との切り替えを行う場合、従来提案されているものでは、各ポンプ2と3の性能試験から、付臭剤8の要求流量に応じて、電動機6の回転数と、該電動機6により駆動するポンプ2又は3と、該ポンプ2又は3のポンプストロークとを一義的に決定するようにしていたため、付臭剤8の要求流量が、上記ポンプ2と3にそれぞれ分担させた流量域の境界付近で変動する場合には、付臭剤8の要求流量の変化が僅かであっても、過渡的に電動機6の回転数と、各ポンプ2と3のポンプストロークを急変させて対応する必要が生じることがあり、このために、付臭剤8の要求流量と、注入先となるガス導管10への実際の供給流量に大幅なずれを生じる虞があるという問題がある。
【0012】
更に、上記各ポンプ2や3の如き容積式ポンプは、吐出側の圧力の変化により容量が変化するため、注入先となるガス導管10内の圧力が大幅に変動するような場合には、上記多連式ポンプ装置1の各ポンプ2や3を、規定の回転数とした電動機6にて駆動させると同時に、上記各ポンプ2や3のポンプストロークの調整を規定通り行ったとしても、付臭剤8の所望する流量が正確に得られず、付臭剤8の要求流量と供給流量に大幅なずれを生じる虞があるという問題もある。
【0013】
なお、上記特許文献1に開示されたものは、多連式ポンプにおける複数のレシプロポンプから、それぞれ異なる薬剤を供給するときに、上記各レシプロポンプ毎に供給比率を変化させることができるようにしたものであって、上記ガス導管10内を流通する天然ガス9に対して付臭剤8を供給する場合に要求される如き大きなレンジアビリティを達成できるものではない。
【0014】
そこで、本発明は、レンジアビリティを拡大すべく容量の異なる複数のポンプを一つの電動機に駆動可能に連結して備えてなる多連式ポンプ装置において、要求流量の変動に伴って過渡的に電動機の回転数と、ポンプストロークを急変させる必要をなくすことができて、要求流量に応じた正確な量で流体の供給を行うことができ、更には、注入先の圧力変動にかかわらず要求流量に応じた正確な量の流体を供給できるようにする多連式ポンプ装置の運転制御装置を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、ストローク調整機構を個別に備えた容量の異なる複数の往復動型ポンプを、回転数制御機構を備えた一つの電動機で駆動するようにしてある多連式ポンプ装置により注入すべき流体の要求量を決定する流体比率設定器を設け、該流体比率設定器で決定された流体の要求量を入力して、該入力された流体の要求量に応じて上記多連式ポンプ装置における上記各往復動型ポンプのストローク調整機構にそれぞれストローク制御指令を与えるようにすると共に、上記電動機の回転数制御機構に出力制御指令を与えるようにし、更に、上記流体比率設定器より入力される注入すべき流体の要求量に応じて上記容量の異なる往復動型ポンプの運転の切り替えを行うときに、要求量が増加傾向にあるときに容量が小さい側のポンプから容量が大きい側のポンプへ運転の切り替えを行う流量設定値よりも、要求量が減少傾向にあるときに容量が大きい側のポンプから容量が小さい側のポンプへ運転の切り替えを行う流量設定値の方がより小さくなるように上記往復動型ポンプの運転を切り替えるべきポイントをずらすようにしてある制御装置を備えてなる構成を有する多連式ポンプ装置の運転制御装置とする。
【0016】
注入すべき流体の要求量が増加し、流体要求量増加傾向時におけるポンプ切替用の所定の流量設定値にまで増加すると、容量の小さい側のポンプから容量の大きい側のポンプへ運転が切り替えられる。このように容量の小さい側のポンプから容量の大きい側のポンプの運転に一旦切り替わると、流体要求量が上記流量設定値付近で変動して上記流量設定値をわずかに下回ったとしても、容量の大きい側のポンプが継続して駆動され、この容量の大きい側のポンプの運転は、流体要求量が、上記流量設定値に比して小さい値として設定してある流体要求量減少傾向時におけるポンプ切替用の所定の流量設定値に減少するまで維持される。
【0017】
一方、注入すべき流体要求量が減少し、上記流体要求量減少傾向時におけるポンプ切替用の所定の流量設定値にまで減少すると、容量の大きい側のポンプから容量の小さい側のポンプへ運転が切り替えられ、このように容量の小さい側のポンプへ運転の切り替えが一旦行われると、流体要求量が上記流体要求量減少傾向時におけるポンプ切替用の所定の流量設定値付近で変動して該流量設定値をわずかに上回ったとしても、容量の小さい側のポンプが継続して駆動され、この容量の小さい側のポンプの運転は、流体要求量が、上記流体要求量減少傾向時におけるポンプ切替用の所定の流量設定値に比して大きな値として設定してある流体要求量増加傾向時におけるポンプ切替用の所定の流量設定値に増加するまで維持される。
【0018】
更に、多連式ポンプ装置の吐出側に接続されている流体供給管に、該多連式ポンプ装置の吐出側圧力を検出する圧力計を設置すると共に、該圧力計の検出値を入力して制御装置に圧力補正指令を発する圧力コントローラを備え、上記多連式ポンプ装置の吐出側圧力の変動に伴う容積型ポンプの容量の変化を考慮して注入すべき流体の要求量に圧力補正を行うようにした構成とすることにより、容積型ポンプである各ポンプの容量制御を精度よく行うことができて、多連式ポンプ装置の吐出側圧力の変動による影響を小さくすることができる。
【0019】
更に又、多連式ポンプ装置の吐出側に接続されている流体供給管に、該多連式ポンプ装置より流体供給管を通して注入される流体の流量を測定する流量計を設置し、該流量計の検出値により流体比率設定器から制御装置へ入力される流体の要求量に補正を加えるための流量制御機構を、上記流体比率設定器と制御装置との間に設けた構成とすることにより、多連式ポンプ装置からの流体の吐出量をフィードバックさせて、流体要求量を補正するようにしてあるため、フィードバック流量制御を行うことができて、流体の供給量をより精度よく制御することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1乃至図3(イ)(ロ)は本発明の多連式ポンプ装置の運転制御装置の実施の一形態として、天然ガスへの付臭剤の供給を行う多連式ポンプ装置へ適用する場合を示すもので、図7に示したものと同様の構成において、ガス導管10を流通する天然ガス9の流量と、所望する付臭剤濃度より、ガス導管10へ注入すべき付臭剤8の要求量F0を決定する付臭比率設定器13を設け、且つ該付臭比率設定器13にて決定される付臭剤要求量F0を入力し、該付臭剤要求量F0に応じて、上記多連式ポンプ装置1の各往復動型ポンプ2と3のストローク調整機構4と5へそれぞれストローク制御指令CS1とCS2を発するようにし、且つ電動機6の回転数を制御すべくインバータ7へ出力制御指令CPを発するようにしてある1入力3出力型の制御装置14を備えた構成とし、且つ該制御装置14は、上記付臭比率設定器13より入力される付臭剤要求量F0が増加傾向にあるか減少傾向にあるかに応じてモードを切り替えて、付臭剤要求量F0増加傾向時に小容量ポンプ3から大容量ポンプ2へ運転の切り替えを行う流量設定値よりも、付臭剤要求量F0減少傾向時に大容量ポンプ2から小容量ポンプ3へ運転の切り替えを行う流量設定値の方が小さくなるようにして、付臭剤要求量F0の変化に応じて大容量ポンプ2と小容量ポンプ3の運転を切り替えるべきポイントを、付臭剤要求量F0の増加傾向時と減少傾向時でずらすことができるようにしてある。
【0022】
以下詳述する。なお、上記付臭比率設定器13で決定される付臭剤要求量F0は、たとえば、0〜3000ml/hの範囲で変動するものとし、これに伴い上記多連式ポンプ装置1における小容量ポンプ3が、図2(ロ)に示す如く、0〜450ml/hの容量の範囲を、又、大容量ポンプ2が、図2(ハ)に示す如く350〜3000ml/hの容量の範囲をそれぞれカバーできるものとしておく。
【0023】
上記制御装置14は、付臭比率設定器13より入力される付臭剤要求量F0が増加傾向にあるか、減少傾向にあるかを判断するために、付臭比率設定器13より付臭剤要求量F0が入力されたときに、該入力される付臭剤要求量F0が0から増加して450ml/h以上になると「1」の信号17aを出力する一方、付臭剤要求量F0が一旦450ml/h以上になった後は、付臭剤要求量F0が減少して350ml/h以下になると「0」の信号17bを出力するようにしてあるモニタスイッチ16の下流側に、ラッチリレー18を備えてなるモード設定部15を形成して設けて、付臭比率設定器13より入力される付臭剤要求量F0が0から増加傾向にあるときは、450ml/hに達するまでの間は「0」となり、その後、付臭剤要求量F0が450ml/h以上に増加すると「1」となり、一方、付臭剤要求量F0が450ml/hの大きな値より減少傾向にあるときには、上記付臭剤要求量F0が350ml/hよりも大きい間は「1」となり、その後、付臭剤要求量F0が350ml/h以下に減少すると「0」となる信号19を、上記ラッチリレー18より出力させて、後述する小容量ポンプ3用のストローク制御部20におけるAND回路21と、大容量ポンプ2用のストローク制御部22におけるNOT回路23と、インバータ7の出力制御部24におけるNOT回路25へそれぞれ入力させることができるようにしてある。
【0024】
上記小容量ポンプストローク制御部20は、上記付臭比率設定器13より入力される付臭剤要求量F0に応じて、図2(ロ)に示す如き関数FX1に基づいて小容量ポンプ3のストローク設定値26を出力する第1関数発生器27と、上記付臭剤要求量F0が350ml/hよりも大きくなると「1」の信号28を発するようにしてあるモニタスイッチ29と、上記モニタスイッチ29から出力される信号28と、上記モード設定部15のラッチリレー18から出力される信号19が共に「1」である場合にのみ「1」の切替信号30を出力するAND回路21と、該AND回路21より入力される切替信号30が「0」のときはリセット側b1に切り替わり、上記第1関数発生器27より出力されるストローク設定値26をそのままストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力する一方、上記AND回路21より「1」となる切替信号30が入力されるときはセット側a1に切り替わり、信号発生器31にて発生される0%信号32をストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力する切替器33を備えた構成としてある。
【0025】
上記大容量ポンプ用ストローク制御部22は、上記付臭比率設定器13より入力される付臭剤要求量F0に応じて、図2(ハ)に示す如き関数FX2に基づいて大容量ポンプ2のストローク設定値34を出力する第2関数発生器35と、上記付臭剤要求量F0が450ml/hよりも小さくなると「1」の信号36を発するようにしてあるモニタスイッチ37と、上記モード設定部15のラッチリレー18から出力される信号19が入力され且つ該信号19の反転信号38を出力するNOT回路23と、該NOT回路23から出力される反転信号38及び上記モニタスイッチ37から出力される信号36が共に「1」である場合にのみ「1」の切替信号39を出力するAND回路40と、該AND回路40より入力される切替信号39が「0」のときはリセット側b2に切り替わり、上記第2関数発生器35より出力されるストローク設定値34をそのままストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力する一方、上記AND回路40より「1」となる切替信号39が入力される場合はセット側a2に切り替わり、信号発生器41にて発生される0%信号42をストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力する切替器43を備えた構成としてある。
【0026】
上記インバータ出力制御部24は、付臭比率設定器13より入力される付臭剤要求量F0に応じて、図2(ニ)に示す如き関数FX3に基づいてインバータ7の出力設定値44を出力する第3関数発生器45と、上記付臭剤要求量F0が350ml/h以上になると「1」の信号46を発するようにしてあるモニタスイッチ48と、上記モード設定部15のラッチリレー18から出力される信号19が入力され且つ該信号19の反転信号48を出力するNOT回路25と、該NOT回路25から出力される反転信号48及び上記モニタスイッチ47から出力される信号46が共に「1」である場合にのみ「1」の切替信号49を出力するAND回路50と、該AND回路50より入力される切替信号49が「0」のときはリセット側b3に切り替わり、上記第3関数発生器45より出力されるインバータ出力設定値44をそのまま出力制御指令CPとしてインバータ7へ出力する一方、上記AND回路50より「1」となる切替信号49が入力されるときは、セット側a3に切り替わり、信号発生器50にて発生される60Hz信号52を出力制御指令CPとしてインバータ7へ出力する切替器53を備えた構成としてある。
【0027】
なお、54,55,56は、いずれも制限器であり、上記各ストローク制御部20,22の切替器33,43より対応するポンプ3,2へ、あるいは、インバータ出力制御部24の切替器53よりインバータ7へ、過大な出力がなされないようにしてある。
【0028】
ここで、上記制御装置14の作動について述べると、先ず、ガス導管10内を流通する天然ガス9の量が増加することに伴って、付臭比率設定器13にて決定される付臭剤8の要求量F0が0から徐々に増加する傾向にある場合、該付臭剤要求量F0が0〜350ml/hの間は、ラッチリレー18から出力される信号19は「0」となる。このため、小容量ポンプストローク制御部20では、AND回路21から「0」となる切替信号30が出力され、このため切替器33では、リセット側b1の第1関数発生器27で設定されるストローク設定値26がそのままストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力される。
【0029】
この間、大容量ポンプストローク制御部22では、モニタスイッチ37より「1」となる信号36が出力されると同時に、NOT回路23からは、上記ラッチリレー18より入力される信号19の反転信号38として「1」が出力され、これらがAND回路40に入力されることにより、該AND回路40から「1」となる切替信号39が発せられて切替器43に入力されるようになるため、該切替器43はセット側a2へ切り替えられて、信号発生器41からの0%信号42が、ストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力される。
【0030】
このとき、インバータ出力制御部24では、モニタスイッチ47より出力される信号が「0」となるため、AND回路50から出力される切替信号49は「0」となり、このため切替器53では、リセット側b3の第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44がそのまま出力制御指令CPとして選択されてインバータ7へ出力される。
【0031】
これにより、上記付臭剤要求量F0が0〜350ml/hの間で増加する場合は、図3(イ)に実線で示す如く、小容量ポンプ3のストロークが第1関数発生器27で設定されるストローク設定値26に応じて制御されると共に、図3(イ)に二点鎖線で示す如く、インバータ7の出力が、第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44に応じて制御されて電動機6の回転数が制御されることにより、上記付臭剤要求量F0に応じた量の付臭剤8が小容量ポンプ3より送出されて、ガス導管10を流通する天然ガス9へ注入される。なお、この間、大容量ポンプ2は、図2(ハ)に示した関数FX2に基づくストローク設定値34より明らかなように運用されない。
【0032】
次に、付臭剤要求量F0が350〜450ml/hまで増加する間は、ラッチリレー18より出力される信号19は「0」となる。このため、小容量ポンプストローク制御部20のAND回路21からは、引き続き「0」となる切替信号30が出力されることから、切替器33からは、リセット側b1の第1関数発生器27にて設定されるストローク設定値26が引き続きストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力される。
【0033】
この際、大容量ポンプストローク制御部22では、モニタスイッチ37より「1」となる信号36が継続して出力され、且つNOT回路23にて上記ラッチリレー18より入力する信号19の反転信号38は引き続き「1」として出力されるため、これによりAND回路40からは、継続して「1」となる切替信号39が出力され、よって、切替器43からは、引き続きセット側a2の0%信号42が、ストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力される。
【0034】
このとき、インバータ出力制御部24では、モニタスイッチ47より出力される信号46が「1」に切り替わり、NOT回路25からは上記ラッチリレー18の信号19の反転信号48として「1」が出力されるため、AND回路50から出力される切替信号49は「1」に切り替えられ、このため切替器53がセット側a3へ切り替えられることから、該切替器53からは、信号発生器51にて発生させる60Hz信号52が、出力制御指令CPとしてインバータ7へ出力される。
【0035】
これにより、付臭剤要求量F0が350〜450ml/hで増加する場合は、図3(イ)に二点鎖線で示す如く、インバータ7の出力が60Hzで一定に保持されて、電動機6の回転数が一定に保持された状態にて、図3(イ)に実線で示す如く、小容量ポンプ3のストロークが第1関数発生器27で設定されるストローク設定値26に応じて増加されるように制御させることにより、上記付臭剤要求量F0に応じた量の付臭剤8が、上記小容量ポンプ3より送出されて、ガス導管10を流通する天然ガス9へ注入される。この間、大容量ポンプ2は、図3(イ)に一点鎖線で示す如く、ストロークが常時0%に制御されるため該大容量ポンプ2は運用されない。
【0036】
次いで、付臭剤要求量F0が450ml/hを越えて増加する場合は、ラッチリレー18より出力される信号19は「1」に切り替わる。このため、小容量ポンプストローク制御部20のAND回路21には、モニタスイッチ29より出力される「1」となる信号28と上記ラッチリレー18からの「1」となる信号19が入力されることから、該AND回路21から出力される切替信号30は「1」となり、これにより、切替器33は、セット側a1に切り替えられて、信号発生器31より発せられる0%信号32が、ストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力される。
【0037】
この際、大容量ポンプストローク制御部22では、モニタスイッチ37より出力される信号36が「0」に切り替わると共に、NOT回路23より出力される上記ラッチリレー18の信号19の反転信号38が「0」に切り替わるため、AND回路40から出力される切替信号39は「0」となり、これにより、切替器43では、リセット側b2の第2関数発生器35で設定されるストローク設定値34が、そのままストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力される。
【0038】
このとき、インバータ出力制御部24では、モニタスイッチ47より出力される信号が「1」のままであるが、NOT回路25より出力される上記ラッチリレー18の信号19の反転信号48が「0」に切り替わるため、AND回路50から出力される切替信号49は「0」となり、このため切替器53は再びリセット側b3へ切り替えられるようになることから、該切替器53からは、第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44が、出力制御指令CPとしてインバータ7へ出力される。
【0039】
これにより、付臭剤要求量F0が450ml/hを越えて3000ml/hまで増加する場合は、図3(イ)に一点鎖線で示す如く、大容量ポンプ2のストロークが第2関数発生器35で設定されるストローク設定値34に応じて制御されると共に、図3(イ)に二点鎖線で示す如く、インバータ7の出力が、第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44に応じて制御されて電動機6の回転数が制御されることにより、上記付臭剤要求量F0に応じた量の付臭剤8が大容量ポンプ2より送出されて、ガス導管10を流通する天然ガス9へ注入される。なお、このとき、小容量ポンプ3は、図2(ロ)に示した関数FX1に基づくストローク設定値26より明らかなように運用されない。
【0040】
したがって、付臭剤要求量F0が増加傾向にあるときは、該付臭剤要求量F0の増加に対応して行われる小容量ポンプ3から大容量ポンプ2への運転の切り替えは、450ml/hに達した時点で行われることとなる。
【0041】
一方、付臭剤要求量F0が減少傾向にある場合、該付臭剤要求量F0が3000〜450ml/hまでの範囲にある間は、上述した付臭剤要求量F0が増加傾向にあり且つ該付臭剤要求量F0が450ml/h以上の範囲となるときと同様に、ラッチリレー18からは「1」となる信号19が出力される。このため、小容量ポンプストローク制御部20のAND回路21には、モニタスイッチ29より出力される「1」となる信号28と、上記ラッチリレー18からの「1」となる信号19が入力されることから、該AND回路21からは「1」となる切替信号30が出力され、これにより、切替器33は、セット側a1に切り替えられて、信号発生器31より発せられる0%信号32が、ストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力される。
【0042】
この際、大容量ポンプストローク制御部22では、モニタスイッチ37より出力される信号36が「0」になると共に、NOT回路23より出力される上記ラッチリレー18の信号19の反転信号38が「0」となるため、AND回路40から出力される切替信号39は「0」となり、これにより、切替器43では、リセット側b2の第2関数発生器35で設定されるストローク設定値34が、そのままストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力される。
【0043】
このとき、インバータ出力制御部24では、モニタスイッチ47より出力される信号46は「1」となるが、NOT回路25より出力される上記ラッチリレー18の信号19の反転信号48が「0」であるため、AND回路50から出力される切替信号49は「0」となり、このため切替器53ではリセット側b3の第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44が、出力制御指令CPとしてインバータ7へ出力される。
【0044】
これにより、付臭剤要求量F0が3000ml/hより450ml/hまで減少する場合は、図3(ロ)に一点鎖線で示す如く、大容量ポンプ2のストロークが第2関数発生器35で設定されるストローク設定値34に応じて制御されると共に、インバータ7の出力が、図3(ロ)に二点鎖線で示す如く、第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44に応じて制御されて電動機6の回転数が制御されることにより、上記付臭剤要求量F0に応じた量の付臭剤8が大容量ポンプ2より送出されて、ガス導管10を流通する天然ガス9へ注入される。なお、このとき、小容量ポンプ3は、図2(ロ)に示した関数FX1に基づくストローク設定値26より明らかなように運用されない。
【0045】
次に、付臭剤要求量F0が450〜350ml/hまで減少する間は、ラッチリレー18より出力される信号19は引き続き「1」となる。このため、小容量ポンプストローク制御部20のAND回路21には、上記ラッチリレー18からの「1」となる信号19と、モニタスイッチ29からの引き続き「1」となる信号が入力されるため、該AND回路21からは引き続き「1」となる切替信号30が出力され、このため切替器33では、セット側a1の0%信号32が引き続きストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力される。
【0046】
この際、大容量ポンプストローク制御部22では、モニタスイッチ37より出力される信号36が「1」に切り替わるが、NOT回路23からは上記ラッチリレー18より入力する信号19の反転信号38として「0」が引き続いて出力されるため、AND回路40からは、継続して「0」となる切替信号39が出力されることから、切替器43では、引き続きリセット側b2の第2関数発生器35で設定されるストローク設定値34が、引き続きストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力される。
【0047】
このとき、インバータ出力制御部24では、モニタスイッチ47より出力される信号46が「1」のままとなるが、且つNOT回路25からは上記ラッチリレー18の信号19の反転信号48として引き続き「0」が出力されるため、AND回路50から出力される切替信号49は引き続いて「0」となり、このため切替器53では、リセット側b3の第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44が、出力制御指令CPとしてインバータ7へ出力される。
【0048】
これにより、付臭剤要求量F0が450〜350ml/hで減少する場合は、図3(ロ)に一点鎖線で示す如く、大容量ポンプ2のストロークが第2関数発生器35で設定されるストローク設定値34に応じて制御された状態にて、インバータ7の出力が、第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44に応じて制御されて電動機6の回転数が制御されることにより、上記付臭剤要求量F0に応じた量の付臭剤8が大容量ポンプ2より送出されて、ガス導管10を流通する天然ガス9へ注入される。なお、このとき、小容量ポンプ2は、図3(ロ)に実線で示す如く、ストロークが0%に制御されるため運用されない。
【0049】
更に、付臭剤要求量F0が350ml/hより減少すると、ラッチリレー18から出力される信号19は「0」に切り替えられる。小容量ポンプストローク制御部20では、モニタスイッチ29より出力される信号28が「0」に切り替えられると共に、上記ラッチリレー18より入力する信号19も「0」に切り替わるため、AND回路21から出力される切替信号30は「0」に切り替えられ、このため切替器33はリセット側b1へ切り替えられて、第1関数発生器27で設定されるストローク設定値26がそのままストローク制御指令CS2として小容量ポンプ3へ出力される。
【0050】
この際、大容量ポンプストローク制御部22では、モニタスイッチ37より「1」となる信号36が出力されると同時に、NOT回路23から出力される上記ラッチリレー18の信号19の反転信号38が「1」に切り替わるため、AND回路40からは「1」となる切替信号39が発せられ、これにより切替器43はセット側a2に切り替えられて、信号発生器41からの0%信号42が、ストローク制御指令CS1として大容量ポンプ2へ出力される。
【0051】
このとき、インバータ出力制御部24では、NOT回路25から出力される上記ラッチリレー18の信号19の反転信号48が「1」に切り替わるが、モニタスイッチ47より出力される信号46が「0」に切り替えられるため、AND回路50から出力される切替信号49は引き続き「0」となり、このため切替器53では、リセット側b3の第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44がそのまま出力制御指令CPとして選択されてインバータ7へ出力される。
【0052】
これにより、付臭剤要求量F0が350〜0ml/hの間で減少する場合は、図3(ロ)に実線で示す如く、小容量ポンプ3のストロークが第1関数発生器27で設定されるストローク設定値26に応じて制御されると共に、インバータ7の出力が、図3(ロ)に二点鎖線で示す如く、第3関数発生器45で設定されるインバータ出力設定値44に応じて制御されて電動機6の回転数が制御されることにより、上記付臭剤要求量F0に応じた量の付臭剤8が小容量ポンプ3より送出されて、ガス導管10を流通する天然ガス9へ注入される。なお、この間、大容量ポンプ2は、図2(ハ)に示した関数FX2に基づくストローク設定値34より明らかなように運用されない。
【0053】
したがって、付臭剤要求量F0が減少傾向にあるときは、該付臭剤要求量F0の減少に伴う大容量ポンプ2から小容量ポンプ3への運転の切り替えは、付臭剤要求量F0が350ml/hまで減少した時点で行われることとなる。
【0054】
又、容積型ポンプでは、吐出側の圧力変動に伴ってポンプ容量の変化が生じることに起因して、規定のポンプストローク制御を行うと同時に規定のインバータ出力制御を行っても、ポンプ吐出量が変化してしまうことになるが、この吐出量の変化を防止できるようにするために、図1乃至図3(イ)(ロ)に示したものでは、本発明の実施の他の形態として、付臭剤供給管11の途中位置に、多連式ポンプ装置1の吐出側圧力を検出するための圧力計57を設置すると共に、該圧力計57の検出値Pを入力して上記制御装置14へ圧力補正指令Crを発する圧力コントローラ58を備え、且つ上記制御装置14には、上記圧力コントローラ58からの圧力補正指令Crに基づいて、付臭比率設定器13より入力される付臭剤要求量F0に補正を加える演算器59(図2)を設けて、該演算器59にて、付臭比率設定器13より上記制御装置14に入力される付臭剤要求量F0に対し、上記圧力コントローラ58からの圧力補正指令Crに基づいて、多連式ポンプ装置1の吐出側圧力の変動に伴う各ポンプ2,3の容量の変動を考慮して付臭剤要求量F0の補正を行い、該圧力補正後の付臭剤要求量F0を基に、上述した各ストローク制御部20と22における大容量ポンプ2と小容量ポンプ3のストローク制御、及び、インバータ出力制御部24におけるインバータ7の出力制御を行わせるようにする。
【0055】
更に又、付臭比率設定器13にて決定される付臭剤要求量F0を、多連式ポンプ装置1より付臭剤供給管11を通してガス導管10へ注入される付臭剤8の流量により正確に満足させることができるようにするために、付臭剤供給管11の途中位置に流量計60を設けると共に、上記付臭比率設定器13と制御装置14との間に、上記流量計60の検出値F1をフィードバックさせて、上記付臭比率設定器13より制御装置14へ入力される付臭剤要求量F0に補正を加えるための流量制御機構としての演算器61を設けた構成とする。
【0056】
なお、62は付臭剤供給管11より分岐させて設けた圧力調整弁63付きの付臭剤戻しラインであり、多連式ポンプ装置1の吐出圧力が過剰になった場合には、たとえば、上記圧力コントローラ58により上記圧力調整弁63の開度制御を行わせることにより、吐出される付臭剤8の一部を上記付臭剤戻しライン62を通して図示しない付臭剤タンクへ戻すことにより、上記多連式ポンプ装置1の吐出側圧力の引き下げを図ることができるようにしてある。
【0057】
上記本発明の多連式ポンプ装置の運転制御装置によれば、付臭剤要求量F0が増加傾向にあるときは、多連式ポンプ装置1の小容量ポンプ3から大容量ポンプ2への運転切替を450ml/hに達した時点で行わせ、一方、付臭剤要求量F0が減少傾向にあるときには、大容量ポンプ2から小容量ポンプ3への運転切替を350ml/hまで減少した時点で行わせることができる。付臭剤要求量F0が増加傾向の下で450ml/hを越えることにより小容量ポンプ3から大容量ポンプ2への運転の切り替えが一旦行われると、その後、付臭剤要求量F0が450ml/h付近で変動し、この変動に伴ってたとえ450ml/hを下回るようになっても、大容量ポンプ2から小容量ポンプ3への切り替えが直ぐに行われることはなく、その後350ml/hまで減少しない限り大容量ポンプが継続して運用される。逆に、付臭剤要求量F0が減少傾向の下で350ml/hを下回ることにより大容量ポンプ2から小容量ポンプ3への運転の切替が一旦行われると、その後、付臭剤要求量F0が350ml/hの上下で変動しても、小容量ポンプ3から大容量ポンプ2への切り替えは直ぐには行われず、450ml/hまで増加しない限り小容量ポンプ3が継続して運用されることから、各ポンプ2と3の切り替えポイントにヒステリシスを付与することができて、付臭剤要求量F0を350ml/h付近、もしくは、450ml/h付近で制御する必要が生じる場合であっても、過渡的に電動機6の回転数や各ポンプ2,3のポンプストロークに急変が生じる虞はなく、このため外乱の影響を小さく抑えることができ、付臭剤要求量F0が、多連式ポンプ装置1の各ポンプ2と3の容量範囲を組み合わせた広いレンジアビリティの内のどの部分に設定されていても、該付臭剤要求量F0を満足させるように正確な付臭剤8の吐出を行わせることが可能になる。
【0058】
したがって、既存設備のポンプの電動機を利用して、該電動機に小型ポンプを増設して多連式ポンプ装置1を形成させると共に、該多連式ポンプ装置1に、本発明の多連式ポンプ装置の制御方法及び装置を適用することにより、電気設備の増設や配管の増設を行うことなく広いレンジアビリティを満足させるポンプを得ることができる。
【0059】
又、制御装置14としては、汎用のプログラマブルコントローラを用いることで、各ポンプ2,3に固有の性能カーブを個別設定することが可能になり、適正な運用を維持することができる。
【0060】
更に、多連式ポンプ装置1の吐出側圧力の変動を検出し、該圧力検出値Pに基づく圧力補正指令Crにより、付臭比率設定器13より制御装置14に入力される付臭剤要求量F0を補正するようにしてあるため、容積型ポンプである大容量ポンプ2と小容量ポンプ3の容量制御を精度よく行うことができて、吐出側圧力の変動による影響を小さくすることができる。
【0061】
更に又、多連式ポンプ装置1からの付臭剤8の吐出量をフィードバックさせて、付臭比率設定器13より出力される付臭剤要求量F0を補正するようにしてあるため、フィードバック流量制御を行うことができて、より精度のよい付臭剤8の注入を行うことが可能になる。
【0062】
次に、図4乃至図6(イ)(ロ)は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1乃至図3(イ)(ロ)に示したと同様な構成において、多連式ポンプ装置1の大容量ポンプ2と小容量ポンプ3と同様に、付臭剤要求量F0に対して流量が図5(イ)及び図5(ロ)にそれぞれ示す如き設定値で設定される容量を備えてなる中容量ポンプ2aと小容量ポンプ3aに加えて、更に大容量の、たとえば、図5(ハ)に示す如く、2200〜6000ml/hの容量範囲をカバーし得るストローク調整機構65付きのポンプ64を備えてなる多連式ポンプ装置1aの運転制御に適用する場合を示すもので、付臭比率設定器13にて決定される付臭剤要求量F0が増加傾向にある場合における、図6(イ)に示す如き上記小容量ポンプ3aの運転状態(実線)から中容量ポンプ2aの運転(一点鎖線)へ切り替えを行う流量設定値(450ml/h)、及び、中容量ポンプ2aの運転状態(一点鎖線)から大容量ポンプ64の運転(破線)へ切り替えを行う流量設定値(3000ml/h)よりも、図6(ロ)に示す如く、付臭剤要求量F0が減少傾向にあるときに、中容量ポンプ2aの運転状態(一点鎖線)から小容量ポンプ3aの運転(実線)への切り替えを行う流量設定値(350ml/h)、及び、大容量ポンプ64の運転状態(破線)から中容量ポンプ2aの運転(一点鎖線)への切り替えを行う流量設定値(2200ml/h)の方がそれぞれ小さくなるように制御する制御装置14aを設けて、上記小容量ポンプ3aと中容量ポンプ2aとの切り替えポイントにヒステリシスを付与すると共に、中容量ポンプ2aと大容量ポンプ64との切り替えポイントにヒステリシスを付与できるようにしたものである。なお、図6(イ)(ロ)のいずれの場合も、二点鎖線はインバータ出力設定カーブを示す。
【0063】
その他、図4において図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0064】
本実施の形態によれば、付臭剤要求量F0を満たすべく小容量ポンプ3aと中容量ポンプ2aの運転切替を行うポイント付近で付臭剤供給量を制御する場合や、中容量ポンプ2aと大容量ポンプ64の運転切替ポイント付近で付臭剤供給量を制御する場合であっても、過渡的に電動機6の回転数やポンプストロークに急変が生じる虞はなく、このため大中小の各ポンプ64,2a,3aの容量を組み合わせることにより得られる更に拡大されたレンジアビリティのどの部分においても、外乱の影響を小さく抑えて付臭剤要求量F0を満足させる正確な付臭剤8の吐出を行わせることができる。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、付臭剤要求量F0が増加傾向にあるときにおける容量が小さい側のポンプから容量が大きい側のポンプへ切り替えるときの流量設定値よりも、付臭剤要求量F0が減少傾向時にあるときの容量が大きい側のポンプから容量の小さい側のポンプへの切り替えを行う流量設定値の方が小さくなるようにすれば、図1乃至図3(イ)(ロ)の実施の形態における小容量ポンプ3と大容量ポンプ2との運転の切り替えを行わせるポイント、及び、図4乃至図6(イ)(ロ)の実施の形態における小容量ポンプ3aと中容量ポンプ2a、及び、中容量ポンプ2aと大容量ポンプ64との運転の切り替えを行わせるポイントは、使用するポンプのカバーできる容量範囲に応じて自在に設定してよいこと、多連式ポンプ装置1、1aとしては、付臭剤以外の薬品を、ガス導管10以外の所要個所へ注入するために用いるものに適用してもよいこと、本発明は、容量の異なる4つ以上のポンプを備えた多連式ポンプにも適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1) ストローク調整機構を個別に備えた容量の異なる複数の往復動型ポンプを、回転数制御機構を備えた一つの電動機で駆動するようにしてある多連式ポンプ装置により注入すべき流体の要求量を決定する流体比率設定器を設け、該流体比率設定器で決定された流体の要求量を入力して、該入力された流体の要求量に応じて上記多連式ポンプ装置における上記各往復動型ポンプのストローク調整機構にそれぞれストローク制御指令を与えるようにすると共に、上記電動機の回転数制御機構に出力制御指令を与えるようにし、更に、上記流体比率設定器より入力される注入すべき流体の要求量に応じて上記容量の異なる往復動型ポンプの運転の切り替えを行うときに、要求量が増加傾向にあるときに容量が小さい側のポンプから容量が大きい側のポンプへ運転の切り替えを行う流量設定値よりも、要求量が減少傾向にあるときに容量が大きい側のポンプから容量が小さい側のポンプへ運転の切り替えを行う流量設定値の方がより小さくなるように上記往復動型ポンプの運転を切り替えるべきポイントをずらすようにしてある制御装置を備えてなる構成を有する多連式ポンプ装置の運転制御装置としてあるので、容量の小さい側と大きい側の各ポンプの切り替えポイントにヒステリシスを付与することができて、いかなる流体要求量においても、過渡的に電動機の回転数や各ポンプのポンプストロークに急変が生じる虞はなく、このため外乱の影響を小さく抑えることができて、各ポンプの容量範囲を組み合わせて得られる多連式ポンプ装置の広いレンジアビリティのどの部分においても、流体要求量を満足させるように正確な流体の吐出を行わせることができる。
(2) 既存設備のポンプの電動機を利用して、該電動機に小型ポンプを増設して多連式ポンプ装置を形成させ、且つ該多連式ポンプ装置に、上記本発明の多連式ポンプ装置の運転制御装置を適用することにより、電気設備の増設や配管の増設を行うことなく広いレンジアビリティを満足させるポンプを得ることができる。
(3) 制御装置としては、汎用のプログラマブルコントローラを用いることで、各ポンプに固有の性能カーブを個別設定することが可能になり、適正な運用を維持することができる。
(4) 又、多連式ポンプ装置の吐出側に接続されている流体供給管に、該多連式ポンプ装置の吐出側圧力を検出する圧力計を設置すると共に、該圧力計の検出値を入力して制御装置に圧力補正指令を発する圧力コントローラを備え、上記多連式ポンプ装置の吐出側圧力の変動に伴う容積型ポンプの容量の変化を考慮して注入すべき流体の要求量に圧力補正を行うようにした構成とすることにより、容積型ポンプである各ポンプの容量制御を精度よく行うことができて、多連式ポンプ装置の吐出側圧力の変動による影響を小さくすることができる。
(5) 更に、多連式ポンプ装置の吐出側に接続されている流体供給管に、該多連式ポンプ装置より流体供給管を通して注入される流体の流量を測定する流量計を設置し、該流量計の検出値により流体比率設定器から制御装置へ入力される流体の要求量に補正を加えるための流量制御機構を、上記流体比率設定器と制御装置との間に設けた構成とすることにより、多連式ポンプ装置からの流体の吐出量をフィードバックさせて、流体要求量を補正するようにしてあるため、フィードバック流量制御を行うことができて、流体の供給量をより精度よく制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多連式ポンプ装置の運転制御装置の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】 図1の装置に用いられている制御装置の詳細を示すもので、(イ)は制御回路の詳細図、(ロ)は小容量ポンプのストローク設定値を示す図、(ハ)は大容量ポンプのストローク設定値を示す図、(ニ)はインバータの出力設定値を示す図である。
【図3】 図2に示す制御装置により制御される多連式ポンプの各ポンプの運用状態を示すもので、(イ)は付臭剤要求量が増加傾向にある場合を示す図、(ロ)は付臭剤要求量が減少傾向にある場合を示す図である。
【図4】 本発明の実施の更に他の形態を示す概要図である。
【図5】 図4の実施の形態で用いられている3つのポンプのストローク設定値を図2(イ)(ロ)に対応して示すもので、(イ)は小容量ポンプのストローク設定値、(ロ)は中容量ポンプのストローク設定値、(ハ)は大容量ポンプのストローク設定値をそれぞれ示すものである。
【図6】 図4の制御装置により制御される多連式ポンプの各ポンプの運用状態を示すもので、(イ)は付臭剤要求量が増加傾向にある場合を示す図、(ロ)は付臭剤要求量が減少傾向にある場合を示す図である。
【図7】 従来提案されている多連式ポンプ装置の一例を示す概要図である。
【符号の説明】
1,1a 多連式ポンプ装置
2 大容量ポンプ(往復動型ポンプ)
2a 中容量ポンプ(往復動型ポンプ)
3,3a 小容量ポンプ(往復動型ポンプ)
4 ストローク調整機構
5 ストローク調整機構
6 電動機
7 インバータ(回転数制御機構)
8 付臭剤(流体)
11 流体供給管
13 付臭比率設定器(流体比率設定器)
14,14a 制御装置
57 圧力計
58 圧力コントローラ
60 流量計
61 演算器(流量制御機構)
64 大容量ポンプ(往復動型ポンプ)
65 ストローク調整機構
F0 付臭剤要求量(要求量)
F1 検出値
CS1 ストローク制御指令
CS2 ストローク制御指令
CP 出力制御指令
Cr 圧力補正指令
P 圧力検出値
Claims (3)
- ストローク調整機構を個別に備えた容量の異なる複数の往復動型ポンプを、回転数制御機構を備えた一つの電動機で駆動するようにしてある多連式ポンプ装置により注入すべき流体の要求量を決定する流体比率設定器を設け、該流体比率設定器で決定された流体の要求量を入力して、該入力された流体の要求量に応じて上記多連式ポンプ装置における上記各往復動型ポンプのストローク調整機構にそれぞれストローク制御指令を与えるようにすると共に、上記電動機の回転数制御機構に出力制御指令を与えるようにし、更に、上記流体比率設定器より入力される注入すべき流体の要求量に応じて上記容量の異なる往復動型ポンプの運転の切り替えを行うときに、要求量が増加傾向にあるときに容量が小さい側のポンプから容量が大きい側のポンプへ運転の切り替えを行う流量設定値よりも、要求量が減少傾向にあるときに容量が大きい側のポンプから容量が小さい側のポンプへ運転の切り替えを行う流量設定値の方がより小さくなるように上記往復動型ポンプの運転を切り替えるべきポイントをずらすようにしてある制御装置を備えてなる構成を有することを特徴とする多連式ポンプ装置の運転制御装置。
- 多連式ポンプ装置の吐出側に接続されている流体供給管に、該多連式ポンプ装置の吐出側圧力を検出する圧力計を設置すると共に、該圧力計の検出値を入力して制御装置に圧力補正指令を発する圧力コントローラを備え、上記多連式ポンプ装置の吐出側圧力の変動に伴う容積型ポンプの容量の変化を考慮して注入すべき流体の要求量に圧力補正を行うようにした請求項1記載の多連式ポンプ装置の運転制御装置。
- 多連式ポンプ装置の吐出側に接続されている流体供給管に、該多連式ポンプ装置より流体供給管を通して注入される流体の流量を測定する流量計を設置し、該流量計の検出値により流体比率設定器から制御装置へ入力される流体の要求量に補正を加えるための流量制御機構を、上記流体比率設定器と制御装置との間に設けた請求項1又は2記載の多連式ポンプ装置の運転制御装置。
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