JP4273466B2 - 真空断熱パネル及びその製造方法並びにこの真空断熱パネルを用いた冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、冷蔵庫や保冷車などの断熱を要する壁面の金属製薄板と樹脂成型品で構成された間隙に断熱材として配設して用いる真空断熱パネルに係り、さらに詳しくは、外殻をアルミ箔などの不透気性のフィルムなどで作られた容器または包装材の内部にあって、主として内部を真空に保持していても大気圧による加圧に対して変形を来さず、形状を保持する機能を有する芯材を備えた真空断熱パネル及びその製造方法並びにこの真空断熱パネルを用いた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷蔵庫や保冷車などに用いる断熱体の壁面は、外郭を鉄板などの金属製薄板で覆い内面部分を樹脂成形品で形成して、その間隙に硬質ポリウレタンフォームを注入発泡して充填させたものが用いられてきた。
断熱材である硬質ウレタンフォームの発泡剤には、ハイドロクロロフルオロカーボン類である1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンが用いられてきたが、近年オゾン層破壊の原因となる塩素を分子中に含まないハイドロフルオロカーボン類やハイドロカーボン類を用いることが提案されている。
【0003】
例えば、特開平2−235982号公報では、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)や1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン(HFC−356mffm)のようなハイドロフルオロカーボン類を、特開平3−152160号公報ではシクロペンタンなどのハイドロカーボンを、発泡剤に適用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法が開示されている。
しかしながら、これらの硬質ポリウレタンフォームの断熱性は19〜20mw/mkであり、オゾン層破壊物質の仕様規制前に用いていたクロロフルオロカーボン類を用いた場合の16mw/mkの断熱性に比較すれば明らかに劣る。
【0004】
このため、各断熱材の性能を比較した図7に示すように、従来の硬質ポリウレタンフォームによって構成した真空断熱パネルの2倍以上の断熱性能が得られる真空断熱パネルを応用する技術が提案されている。例えば、特開昭60−243471号公報には、硬質ポリウレタンフォーム(以下、PUFという)の粉砕品を合成樹脂袋に投入してボード状に真空パックしたものを壁内に配設した断熱箱体が開示されており、特開昭60−60483号公報では、側板のフランジ側にPUFが流動する隙間を設けた真空断熱パネルの設置方法が開示されている。
このような真空断熱パネルの芯材は、大気圧相当以上の強度を有し、熱伝導と輻射伝熱の量を抑制することが必要になり、従って、芯材には伝熱量が小さい物質で作られた多孔質物質の板が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の条件を満たすものとして、特開昭60−205164号公報では連通気泡の硬質ポリウレタンフォームを、特開昭60−71881号公報ではパーライト粉末を、特開平4ー218540号公報では熱可塑性のウレタン樹脂粉体を型内で焼結させた板状成形品を、また、特開平7ー96580号公報ではガラスの長繊維を無機微粉末にフィビリル化した樹脂繊維により固化保持したボードを、真空断熱パネルのコア材として使用している。しかしながら、これらの方法では、真空断熱パネルの芯材として必要な断熱機構を一部にしか応用していないため、真空断熱パネルとしての熱伝導率が不十分であった。
【0006】
このため、断熱性能の向上を達成するために、輻射熱の遮蔽効果に優れる金属箔や金属蒸着フィルムを埋設する特開昭62−13979号公報や、ケイ酸カルシウム等の微粉末を混合したPUFを用いる特開昭63−135694号公報に開示された発明がある。
【0007】
しかしながら、ケイ酸カルシウム等の粒状物質を混合するには相当量が必要で、それら充填材の熱伝導率が高いために、十分な断熱性を得るに至っていない。また、金属箔を配設した芯材であっても伝熱が面方向に展開するのみで減衰することがないため、物質間の伝熱に対する抑制を得た構造にはなっていない。
しかも、特開昭60−243471号公報で述べているPUFの粉砕物をそのままで用いれば、真空断熱パネルへの挿入や包装用袋内を真空状態にした後の体積減少が大きいなど、取り扱いに困難が伴う。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、環境破壊をもたらすことなく製造でき、真空状態のパネル形状を保持でき、熱伝達と輻射伝熱の量を抑制でき、軽量で量産生に優れ、製造時の取扱性に優れた、断熱性の大きい真空断熱パネル及びその製造方法並びにこの真空断熱パネルを用いた冷蔵庫を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明にかかる真空断熱パネルは、芯材によって形状を保持してなる真空断熱パネルであって、芯材を、離型性が付与された粉砕片または切断片の板状充填材を含有する連通気泡の硬質ポリウレタンフォームからなる多孔体で構成し、板状充填材の面を芯材の面方向と平行に配向させたものである。
【0010】
(2) 上記(1)記載の真空断熱パネルにおいて、板状充填材に無機物または金属の少なくとも一方を用いた。
(3) 上記(2)記載の真空断熱パネルにおいて、板状充填材にフレーク状マイカを用いた。
(4) 上記(2)記載の真空断熱パネルにおいて、板状充填材にプラスチックスフィルムを用いた。
【0011】
(5) 上記(2)記載の真空断熱パネルにおいて、板状充填材に金属薄膜を被覆したプラスチックスフィルムを用いた。
(6) 上記(2)記載の真空断熱パネルにおいて、板状充填材に金属箔を用いた。
(7) 上記(5),(6)記載の真空断熱パネルにおいて、金属薄膜または金属箔にアルミニウムを用いた。
【0012】
(8) 上記(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7)記載の真空断熱パネルにおいて、板状充填材の大きさを硬質ポリウレタンフォームのセルサイズよりも大きくした。
(9) 上記(1)記載の真空断熱パネルにおいて、芯材の表面層を削除した。
【0013】
(10) 本発明による真空断熱パネルの製造方法は、板状充填材の表面に離型剤を塗布し、板状充填材と硬質ポリウレタンフォームとの原料液を混合して板状成型型の端部から注入し、この端部から発泡させて流れ方向にシェアをかけ、板状充填材の面を板状成型品の面方向と平行に配向させ、得られた成型品の表面層を削除したものである。
【0014】
(11) 上記(10)記載の真空断熱パネルの製造方法において、板状充填材を硬質ポリウレタンフォームの原料液であるプレミックス液とイソシアネート液を混合する直前に投入し、これらの混合原料を発泡に間に合うように板状成型型の端部から注入し、この端部から発泡させてその後の発泡により流れ方向にシェアをかけ、板状充填材の面を板状成型品の面方向と平行に配向させるようにしたものである。
【0015】
(12) 上記(10),(11)記載の真空断熱パネルにおいて、板状充填材の大きさを硬質ポリウレタンフォームのセルサイズよりも大きくした。
(13) 上記(10),(11),(12)記載の真空断熱パネルの製造方法において、発泡液の流動距離Lに対する成型品厚さTの比率L/Tを、10以上にした。
【0016】
(14) 本発明にかかる冷蔵庫は、(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(8),(9)のいずれかに記載の真空断熱パネルを内箱と外箱の間に配設したものである。
(15) また、上記(14)の冷蔵庫において、真空断熱パネルを内箱又は外箱に貼り付け、残った空間に硬質ポリウレタンフォームを充填した。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
断熱性能の向上には、構成する材料に熱伝導の低い物質を用いること、材料間の接触面積を少なくするとともに物質を伝わる伝熱を断熱方向と直角の面方向に制御して断熱(厚さ)方向への伝熱量を抑制すること、さらに、熱の反射能力の高い物質を混入させて輻射による伝熱量の減少を両立させる断熱機構が必要になる。
【0018】
本発明においては、硬質ポリウレタンフォームに、輻射熱の遮蔽効果に優れるマイカなどの無機物やアルミニウムなどの金属箔のごとく高密度で熱反射性に優れた板状充填材を混合して、薄板状金型内を流動するように発泡成型させて得た成型品を、真空断熱パネルの芯材として用いたものである。
しかも、上記成型品の独立気泡をなくするために、従来の連通気泡を有する硬質ポリウレタンフォームを用いることに加えて、板状充填材に離型剤を塗布して用いるものである。
【0019】
上記のように構成した板状充填材を混合した連通気泡の硬質ポリウレタンフォームを真空断熱パネルの芯材として用いることによって断熱性能が向上するが、その機構は以下のごとくであると考えられる。すなわち、輻射熱の遮蔽効果に優れる板状充填材は、硬質ポリウレタンフォームの発泡液との混合状態を保持したままの状態で、硬質ポリウレタンフォームの発泡、膨脹に伴って金型内を流動する。
【0020】
この際、金型面で受ける流動抵抗に基づく流速差によって発生する剪断力を受けにくい流動方向、つまり面方向に板状充填材を配向する。板状充填材の伝熱係数が硬質ポリウレタンフォームのそれより大きいにもかかわらず、この断熱方向と直角にある面方向に配向することにより、断熱方向に連続して接触して配向せず、しかも、非常に薄い物質であるから、厚さ方向への熱伝達による断熱効果の顕著な悪化を来すこともない。しかも、板状充填材はフレーク状の小片であるから、横方向にも連続しておらず、伝熱量が減衰して拡がることもない。
【0021】
従って、従来の連通気泡の硬質ポリウレタンフォームのみを芯材に用いた場合と比較して、物質を伝わる伝熱量の増加も無視できる程度であるうえ、輻射伝熱量の低下がそれを上回ることにより、充填断熱体の断熱性能が向上できるものと考えられる。
さらに、硬質ポリウレタンフォームに板状充填材を面方向に配設した複合体であるから、これら芯材が真空下で受ける大気圧を上回る圧縮強度は十分に確保でき、真空断熱パネル内の芯材が包装材内を真空にしたときに受ける大気圧で変形を来すこともない。
【0022】
一方、芯材内部の真空状態を維持するために、残存する独立気泡が内部のガスを放出して系内の真空度を低下させることに伴う断熱性能の劣化を防止するため、硬質ポリウレタンフォームを構成する100〜200μmの大きさの個々の泡、つまり、セルの境界に存在する膜を破壊して連通化させることに配慮する必要がある。この対応策として、板状充填材をこのセルの大きさ、つまりセルサイズよりも大きくして、しかも離型剤を塗布することにより、硬質ポリウレタンフォームが樹脂化時の収縮に伴う応力が面方向に配設した板状充填材との剥離時に、貫通するセル膜を破壊しながら新たな空隙を生み出すことにより達成する機能を付与させたものである。
【0023】
図1は、真空断熱パネルの製造工程の概略を示す説明図である。図に示すように、まず、マイカの粉砕またはアルミ箔の切断等から調製した板状充填材Aと、ポリオール液、触媒、連通化材、発泡剤等から調製したプレミックス液Bと、イソシアネート液Cとを混合し(ステップS−1)、これらを金型へ投入して、成型を行う(ステップS−2)。次いで、成型品の表面層を削除し(ステップS−3)、外周を切断する(ステップS−4)。
【0024】
そして、これを包装材に挿入し(ステップS−5)、真空パネル成形機によって、真空引き(ステップS−6)及び端片溶着をし(ステップS−7)、取り出す(ステップS−8)。
上記のような真空断熱パネルの製造工程を、さらに、(1)芯材の作成(ステップS−1〜ステップS−4)、(2)真空断熱パネルの作成(ステップS−5〜ステップS−8)に分けて詳述する。
【0025】
(1)芯材の作成(ステップS−1〜ステップS−4)
硬質ポリウレタンフォームと板状充填材であるマイカを複合化させてボード状に発泡成形した芯材を例として、まず、その芯材の作成方法を詳述する。
(a) 板状充填材Aの調整
板状の充填材は熱反射性に優れていることが必要で、無機物や金属のような高密度の物質が好ましい。また、板状片形成の容易性から反映される価格から鑑みれば、アルミ箔やマイカを用いることが最も好ましい。また、低密度物質であるプラスチックフィルムの、表面にアルミなどの金属被膜を被覆して用いても、同様の効果を得ることができる。
【0026】
ここでは、マイカをフレーク状にして用いた場合について説明する。フレーク状マイカは、硬質ポリウレタンフォームのセルサイズが70μm〜200μmであるから、粉砕によって直径が0.1mm以上、好ましくは、5mm〜0.1mm、さらに好ましくは、2mm〜0.5mmの大きさに粉砕する。
このときの粉砕には、ウオータジェットによる高速水流を応用すれば、層間の引き剥がしも同時に行われて、より薄いフレーク状のマイカが得られる。
これらの板状充填材に、パラフィン系、シリコーン系などの離型剤の1%〜10%溶液をスプレーしたり、投入、浸漬等の方法によって表面を覆った後、温風乾燥によって溶剤を除去して塗布したものを用いる。
【0027】
(b) 硬質ポリウレタンフォーム原料液B,Cの調製と発泡成形(ステップS−1〜ステップS−2)
硬質ポリウレタンフォーム原料液には、ポリオールを中心に、触媒、整泡剤、破泡剤、発泡剤などが混合されているプレミックス液、及びイソシアネートが主成分であるイソシアネート液の2液があり、各々の規定量を混合することによって発泡が開始される。離型剤を塗布した板状充填剤の任意の量を、これらを混合する直前に投入する。
【0028】
これらの原料を、インペラー式のミキサーを用いて混合し、数秒後に開始される発泡に間に合うように金型内に投入する。このときの金型温度は30℃〜60℃が好ましく、40℃〜50℃が特に好ましい。
用いる金型の発泡液の流動距離Lに対する成型品厚さTの好ましい比(L/T)は10以上であり、特に好ましくは、20〜40である。
また、流動距離Lは、1000mm以下にすることが、均質な成型品を得るうえで好適である。
【0029】
具体的に、以下の実施例を行うのに用いた金型の大きさは、幅(W):300mm、流動距離(L):500mm、成型品厚さ(T):30mmであった。
混合液は、金型を45度に傾けた端部にのみ液が溜まるようにして原料を投入し、投入後直ちに金型を密閉して静置し、5分以上の放置後にボード状の成型品を確保した。
【0030】
(c) 芯材の作製(ステップS−3〜ステップS−4)
得られた成型品を芯材にそのまま用いてもよいが、好ましくは、金型と接した表面部分にかかる剪断力が不足して板状充填剤の配向が不十分であるばかりか、独立気泡も多く残存しており、これを切断する等して削除する。削除する厚さは2mm以上が好ましく、5mm以上が特に好ましい。また、所定の大きさを得るために外周を切断する。
【0031】
(2)真空断熱パネルの作成(ステップS−5〜ステップS−8)
芯材は、多層シートの包装材内に格納し、次いで、真空雰囲気下で挿入口を熱溶着することにより得られる。以下に、真空断熱パネルの形成方法を述べる。
芯材には、所定の面大きさを得るために裁断して調整したものを用いる。断熱性を中心とした各種評価に用いる試料は、この芯材を予め3方向が熱シールされた包装材内に挿入した後、図2に示す装置に装填して所定の真空度の雰囲気を確保し、この中で残った1方向を熱シールすることによって得た。真空度は、1×101 〜10-3Torrの間の任意の値とした。
【0032】
すなわち、図2に示すように、包装材1内に芯材2を挿入したものを上・下融着ヒータ3,3の間に装着した後、真空パネル成形機4内を所定の真空度になるように真空調整用バルブ5によって調整する。その後、シール用加圧装置6,6を用いて挿入口を固定し、熱シールした後ヒータを切り、冷却後に真空を解放して取り出せば、真空断熱パネル7が得られる。
【0033】
ここで用いる包装材1は、シール面が熱溶着の可能な熱可塑性樹脂、中間層が外気の侵入を完全に遮断するためのアルミ箔などの金属箔、さらに最外層が傷付きなどに耐性のあるナイロンやポリエステルなどの樹脂を用いた多層シートである。
芯材2は、厚さが20mm、面が180×180mmのものを用いた。また、芯材2と包装材1は100℃以上の温度で乾燥を行った後に使用することとした。
【0034】
図3は、真空断熱パネルを用いて製品(この場合は冷蔵庫)を組み立てる工程の概略を示す説明図、図4、図5は組み立てた製品の使用状態を示す斜視図とその要部イの縦断面図である。図に示すように、外箱8に真空断熱パネル7を貼り付けた(ステップS−1)後、内箱9を外箱8の嵌合部に挿入して(ステップS−2)合体させ、その他の部材も含めて箱体の組み立てを終える(ステップS−3)。次に、外箱8と内箱9の間に形成された空間部に硬質ポリウレタンフォームの原料混合液を注入して発泡成型させることにより断熱層10を形成する(ステップS−4)。その後、内部部品と冷媒回路部品を用いて内部部品の配置や冷媒回路の製品組立を行い(ステップS−5)、製品検査を完了すれば(ステップS−6)、製品として完成する(ステップS−7)。
【0035】
上記のようにして得られ、かつ製品に組み込まれた芯材の評価を、得られた真空断熱パネルを用いて、断熱性能とその経時変化、および形状の経時変化について行った(以下に示す、実施例A〜G)。
断熱性能の評価は熱伝導率で行い、その測定には、栄弘精機(株)社製の「オートラムダ」を用いた。また、断熱性能の経時変化は、真空断熱パネルを50℃の雰囲気中に任意の時間放置した後の熱伝導率を求め、その試料の作成直後との変化によって評価した。
形状の経時変化は、特に収縮が判別し易い側部の変形について目視観察を行った。
【0036】
実施例A
以下に、断熱性能の向上効果の確認について述べる。
まず、本発明の実施例1〜実施例3に試料として用いた芯材の組成を、表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
硬質ポリウレタンフォームは単体で発泡したときの密度が45kg/m3 、フレーク状マイカは平均直径が1.0mmのものを用いた。硬質ポリウレタンフォームの2液とフレーク状マイカをビーカにとった後、ただちに高速攪拌機にて攪拌を行い、500L×300W×30T(mm)で45℃に調温した金型の短辺側に投入した。このとき、金型を完全充填させる必要最低量に対し、10%の過剰充填量を投入、金型を密封状態にして7分間の静置後、ボード状成型品を得た。芯材にはこのボード状成型品の表面層2.5mmを削除して、さらに180×180(mm)の大きさに切断した板を用いた。
【0039】
また、本発明の比較例として、従来の真空断熱パネルとして特開昭60−243471号公報で代表される連通気泡の硬質ポリウレタンフォーム(比較例1)、及び特開昭62−13979号公報で示された輻射熱の遮蔽効果に優れたアルミ箔を連通気泡の硬質ポリウレタンフォームの薄板の間に配設したもの(比較例2)を、各々芯材に用いた。
比較例1である連通気泡の硬質ポリウレタンフォームは、密度が45kg/m3 、セルサイズが300μmのものを用いた。また、比較例2として上記の硬質ポリウレタンフォームを中央部分で切断したものに厚さが10μmのアルミ箔を挾み込んだものを、同様の芯材として用いた。
【0040】
試料とする真空断熱パネルは、上述した各芯材の厚さを20mm、面大きさを180×180mmの大きさに切断、これを150℃で1時間程度乾燥した後に使用した。試料とする真空断熱パネルは、110℃で30分乾燥した多層シートで作った包装材内に挿入後、100 〜10-3Torrの任意の真空雰囲気中で熱シールすることによって得た。
【0041】
実施例1〜実施例3の試料に加えて、連通気泡の硬質ポリウレタンフォームの芯材を用いた比較例1、アルミ箔を連通気泡の硬質ポリウレタンフォームの間に挾んだ芯材を用いた比較例2を、各々、熱シールするときの真空度が101 〜10-3Torrの任意の真空度で調整した真空断熱パネルの同様試料を作製、これら試料の断熱性能の真空依存性に関する評価結果を図6に示す。
表2に、図6の結果より、真空度が10-2Torr相当のときの断熱性能と50℃の雰囲気中に最大30日間放置後の経時変化、さらに変形の評価結果を示した。
【0042】
【表2】
【0043】
以上の結果から、硬質ポリウレタンフォームの発泡、流動によってマイカを面方向に配向させた芯材を用いた本発明である真空断熱パネルの断熱性能は、従来の連通気泡の硬質ポリウレタンフォームに比べて、約10ポイント以上の熱伝導率の低減、つまりの断熱性の向上を達成できた。
さらに、本発明品の経時変化についても、熱伝導率及び変形のいずれとも、比較例1及び比較例2として示した、フレーク状マイカを含まない従来材である連通気泡の硬質ポリウレタンフォームを芯材として用いた真空断熱パネルよりも安定した結果を示していることが確認できた。
【0044】
実施例B
次に、本発明の材料組成であるフレーク状マイカの大きさについて述べる。
連続気泡の硬質ポリウレタンフォームに充填するフレーク状のマイカの大きさが異なる材料組成により、実施例Aと同様の成形方法で作製した芯材及び評価方法を用いて、10-2Torrの真空雰囲気の包装材料内に封入した真空断熱パネルに相当する試料としての断熱性能(初期値および50℃で10日間放置した後の経時変化後の値)を評価した。
【0045】
用いたマイカフレークの平均直径は、表3に示すごとく、連通気泡の硬質ポリウレタンフォームのセルと同一の平均直径である0.1mmからその50倍以上の7.0mmまで変化させた。
これら平均直径の異なるフレーク状マイカを含有した硬質ポリウレタンフォームを混合、配向させた芯材にに関する断熱性能と10日間の経時変化後の評価結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
以上の結果から、フレーク状マイカの平均直径が0.2mm〜4.0mmの各実施例における熱伝導率の差異はほとんどなく、50℃の雰囲気下で10日間放置した経時変化後の熱伝導率にも大きな変化がみられず、実用にて支障をきたすこともない。
しかし、比較例3の、直径が0.05mmのフレーク状マイカを用いた場合には熱伝導率の初期値が大きくなり、逆に、比較例4で示した直径が7mm以上のフレーク状マイカを用いた場合には、50℃の雰囲気下で10日間放置後した経時変化後の熱伝導率に大きな変化がみられ、いずれの場合にも実用に支障をきたす可能性が示唆された。
【0048】
実施例C
次に、アルミ箔を板状充填材として用いた場合について述べる。連通気泡の硬質ポリウレタンフォームと平均直径が1.0mmのアルミ箔との複合構造体となるように、実施例Aと同様の成形方法で作製した芯材および評価方法を用いて、10-2Torrの真空雰囲気の包装材内に封入した真空断熱パネルに相当する試料としての断熱性能(初期値および50℃で10日間放置した後の経時変化後の値)を評価した。
【0049】
表4に、上述した組成の芯材を用いた真空断熱パネルを実施例6として示し、その効果を確認する目的で、板状充填材にフレーク状マイカを用いた実施例2、および連通気泡の硬質ポリウレタンフォームを芯材を用いた比較例1、アルミ箔を連通気泡の硬質ポリウレタンフォームの間に挾んだ芯材を用いた比較例2についても熱伝導率の初期値と50℃の雰囲気下で10日間放置後の値を併記した。
【0050】
【表4】
【0051】
以上の結果、フレーク状マイカを用いた場合よりもさらに断熱性能の向上が確認され、しかも、比較例で示した連通気泡の硬質ポリウレタンフォームのように、事実上、断熱性能に支障を来すような経時劣化もなく、有効であることが確認された。
【0052】
実施例D
次に、硬質ポリウレタンフォームと、それを複合化した板状充填材との離型剤が及ぼす断熱性能の劣化抑制の効果について述べる。
連通気泡の硬質ポリウレタンフォームに表面に離型剤を塗布した平均直径が1.0mmのフレーク状マイカとの複合構造体となるよう、実施例Aと同様の成形方法で作製した芯材および評価方法を用いて、10-2Torrの真空雰囲気の包装材内に封入した真空断熱パネルに相当する試料としての断熱性能(初期値および50℃で10日間放置した後の経時変化後の値)を評価した。
【0053】
表5に、上述した組成の芯材を用いた真空断熱パネルを実施例6として示し、その効果を確認する目的で、別の離型剤を用いた例を実施例2に示した。
さらに、それら実施例の有効性を確認するために、離型剤を塗布しないフレーク状マイカを用いた例を比較例5に、充填剤を用いない連通気泡の硬質ポリウレタンフォームのみを芯材に用いた比較例1についても、熱伝導率の初期値と50℃の雰囲気下で10日間放置した後の値を併記した。
【0054】
【表5】
【0055】
以上の結果、離型剤を板状充填材の表面に塗布しなくても、断熱性能の初期値においては、比較例5と比較例1との差異から、連通気泡の硬質ポリウレタンフォームを芯材に用いることよりも遥かに優れた効果が得られることが確認できた。
しかし、経時変化後の数値は実用に支障を来すと予測される程の悪化を示した。これは、連通気泡の硬質ポリウレタンフォームを用いる場合に、完全な連通化が比較例5では不十分であったことから、残存する独立気泡内に二酸化炭素などの発泡ガスがセル外に放出され、これに伴う真空度の低下がもたらす断熱性能の悪化現象であると考えられる。
【0056】
これに対し、本発明による離型剤をフレーク状マイカの表面に塗布し、それによって発生する硬質ポリウレタンフォームとの剥離が独立気泡の残存をなくするという効果に関し、実施例6および実施例2と比較例5との差異から経時劣化を抑制することが確認できた。
【0057】
実施例E
次に、硬質ポリウレタンフォームに投入した板状充填材を配向させることによる断熱性能の向上効果について述べる。板状充填材の配向は、硬質ポリウレタンフォームの発泡速度を早くすることと、金型の厚さ(成型製品の厚さ)に対する流動距離の比(以下、L/Tという)が大きいことによって強くなる。
【0058】
用いる連通気泡の硬質ポリウレタンフォームの反応速度、およびL/Tを変えて作製した芯材を用い、これを10-2Torrの真空雰囲気下で包装材内に封入させた真空断熱パネルを試料として断熱性能を評価した。
なお、ここで用いた板状充填材は、平均直径が1.0mmのフレーク状マイカを用い、これと連通気泡の硬質ポリウレタンフォームとの複合構造体を得るため、実施例Aと同様の成形方法で作製した芯材および評価方法を用いて、10-2Torrの真空雰囲気の包装材内に封入した真空断熱パネルに相当する断熱性能(初期値および50℃で10日間放置した後の経時変化後の値)を評価した。
【0059】
表6に、断熱性能の評価に用いる真空断熱パネルの芯材を成型するときの流動速度の影響について調べた結果を示す。
硬質ポリウレタンフォームが泡立ち初める発泡開始の時間(以下、CTという)から樹脂化に至る時間(以下、GTという)までほぼ一定の速度で発泡流動が進むことから、流動速度の指標となる、GT−CT(秒)として示される反応速度を、用いる触媒の量を変えて作製した芯材を実施例2および実施例7、実施例8として組成とともに示した。
【0060】
【表6】
【0061】
同様に、表6には、成形に用いた金型(300W×500L×30T)の長さ(流動距離)Lを変えて、L/Tの異なる芯材を成形、これを用いて作製した真空断熱パネルの評価結果を、実施例2および実施例7、実施例9、実施例10として示した。
また、それらの効果を確認する目的で、反応速度を遅くした硬質ポリウレタンフォームから得た芯材を用いた例を比較例6、L/Tの小さな金型から得られた芯材を用いた例を比較例7として示し、熱伝導率の初期値と50℃の雰囲気下で10日間放置後の値を、各々併記した。
【0062】
以上のごとく、実施例2から実施例7さらに実施例8へと反応速度を変化させた場合、断熱性能は明らかに向上の傾向を有することが確認できた。逆に、比較例6で示したように、反応速度が遅い場合には、急激な断熱性能の低下をもたらすことも確認できた。これらの低下の要因については、流動に伴う壁面との速度比から生まれる剪断力を最小限に止めようとすることによってもたらされる板状充填材であるフレーク状マイカの面方向への配向によるものと考えられる。
【0063】
また、L/Tについても、実施例10から実施例2、さらに実施例9へと大きくなると、断熱性能が同様に向上する傾向を確認しており、逆に、L/Tが非常に小さい比較例7では断熱性能の悪化傾向を示しており、上述した流動の剪断力による充填材の配向が要因として大いに寄与しているものと考えられる。
【0064】
断熱性能の経時変化についても、適正な条件下で得られた各実施例では1〜3ポイントの変化に止まる結果が得られたが、比較例で示した剪断のかかりにくい流動形態をとった場合には7〜9ポイントもの悪化をもたらした。
これも、本来、厚さ方向の配向にかかる板状充填材との剥離が連続性をもたらしやすい亀裂を得るものであるのに対して、不十分な配向状態では非連続となって発泡ガスが残存しやすい状況を生み、それらのガスの漏洩から真空度の低下が断熱性能の悪化をもたらす結果を招いたものと考えられる。
【0065】
実施例F
次に、発泡成型品の表面層削除による断熱性能の安定性向上効果について述べる。硬質ポリウレタンフォームの最表面には樹脂の薄皮層が存在し、さらにその下には高密度なスキン層を有した後、コア層と呼ばれる均質で安定した品質を有するコア層がある。このうち、スキン層までは金型との流動抵抗が大きく、金型内を流動せずにコア層との界面で割れて、金型面にほとんど滞留した結果として生成される高密度な層である。従って、スキン層までの表面層には流動に伴う泡同士または板状充填材との間で剪断力が働かず、独立気泡が多く残存することが考えられる。
【0066】
板状充填材を含有する連通気泡硬質ポリウレタンフォームの成型品を実施例Aと同様の成形方法で作製した芯材および評価方法を用いて、10-2Torrの真空雰囲気の包装材内に封入した真空断熱パネルに相当する断熱性能(初期値および50℃で10日間放置した後の経時変化後の値)を評価した。
なお、ここで表面層から任意の厚さを均一に削除した芯材を作製して用い、板状充填材には平均直径が1.0mmのフレーク状マイカを用いて、これと連通気泡の硬質ポリウレタンフォームとの複合構造体を得た。
【0067】
表7に、断熱性能を評価する真空断熱パネルに用いた芯材の組成と、その芯材を得るために板状成型品の表面層を削除する量について、実施例2および実施例11、実施例12として示した。
成形に用いた金型(300W×500L×30T)の長さLと厚さTを変えてL/Tを一定(16.6)としたうえで、厚さTを25mm、30mm、40mmの板状成型品を作製し、これから表裏各2.5mm、5.0mm、10.0mmを削除して20mm厚の芯材を成形した。真空断熱パネルはこれら表面削除量の異なる芯材を用いて作製し、その熱伝導率の評価結果を、実施例2および実施例11、実施例12に示した。
【0068】
【表7】
【0069】
また、この表面層の削除による熱伝導率の安定確保を確認する目的で、表面層を削除しない例を比較例8に、削除する量を少なくした例を比較例9に、各々板状成型品のL/Tを一定とした上記と同様の方法で得た芯材を用いた真空断熱パネルについて、熱伝導率の初期値と50℃の雰囲気下で10日間放置後の値を併記した。
【0070】
以上の結果、実施例2、11、12の断熱性能にはほとんど差異がなく、かつ経時変化もきわめて少ない安定した結果が得られた。
これに対し、比較例で示した表面層の削除量が少ない場合には、断熱性能の初期値には実施例との間で差異がない反面、経時変化については表面層を削除する量に応じて悪化の生じることが確認できた。表面層を削除する量に応じて経時変化が抑制でき、削除しない場合の悪化量が最も大きい傾向を有する。比較例における削除量では、実用に耐えうることが不可能であるといえる。
【0071】
実施例G
次に、本発明に係る真空断熱パネルを用いた冷蔵庫の運転性能を測定し、その効果を確認した。
まず、アルミ箔を中間層に有する包装材を用いて実施例Aに示す実施例1と同じ方法で作製した真空断熱パネルを用い、薄板鋼板の折り曲げ加工によって得られた外箱8にABS樹脂の真空成型によって得られた内箱9を嵌合して形成された空間に、図5に示すごとく、外箱8側に真空断熱パネル7を貼り付けて配設した。この状態で、図6に示すように、残りの空間に硬質ポリウレタンフォーム10を注入、発泡させ充填することで完全固定させた。
【0072】
上記方法で作製した断熱箱体を用いて組み立てた400Lクラスの冷蔵庫を実施例13とした。
一方、実施例Aに示す比較例1と同じ方法で作製した芯材を連通気泡の硬質ポリウレタンフォームを芯材とした真空断熱パネルを用いて同様に作製した断熱箱体を用いた冷蔵庫を比較例10、内箱と外箱の間隙のすべてを硬質ポリウレタンフォームで充填した断熱箱体を比較例11とし、これらすべての冷蔵庫をJIS9607における消費電力B法測定法に準拠して消費電力を求め、表8に併記した。
【0073】
【表8】
【0074】
以上の結果から、本発明の真空断熱パネルを用いた冷蔵庫の消費電力量は、硬質ポリウレタンフォームのみを断熱材として用いた比較例11の従来の冷蔵庫に比較して少なく、箱体の断熱性能が有為に優れていることが解った。しかも、同様の真空断熱パネルを断熱材の一部に用いた冷蔵庫と比較しても、連通気泡の硬質ポリウレタンフォームが芯材である従来仕様の真空断熱パネルを用いた比較例10の冷蔵庫より、消費電力量が少ない冷蔵庫を得られることも確認できた。
【0075】
以上、本発明の実施の形態である冷蔵庫について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、車載用小型冷蔵庫やプレハブ式簡易冷蔵庫、保冷車やパイプや建築物の保温材など、保温および保冷用製品の断熱用部品としての応用も可能であり、その要旨を脱し得ない範囲で種々変形して実施することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。なお、説明に当たっては、請求項の番号と同じ番号を付してそれぞれの請求項の効果を記述する。
【0077】
(1) 本発明にかかる真空断熱パネルは、芯材によって形状を保持してなる真空断熱パネルであって、芯材を、離型性が付与された粉砕片または切断片の板状充填材を含有する連通気泡の硬質ポリウレタンフォームからなる多孔体で構成し、板状充填材の面を芯材の面方向と平行に配向させたので、真空状態のパネル形状を保持することができ、熱伝達と輻射伝達の量を抑制でき、断熱性も大きい。また、板状充填材の表面に離型剤を塗布したので、ウレタン樹脂と板状充填材が剥離する際にセルの連通化がより確実に達成され、また、より確実に貫通される。しかも、その剥離が新たな空隙を形成して真空中での熱の伝搬を妨げる効果も生み、飛躍的に断熱性が向上する。また、板状充填材の面が熱の貫通方向と直交する方向に配向され、輻射熱の遮蔽効果向上による優れた断熱性能とその経時安定性を確保することができる。
【0078】
(2) 上記(1)の板状充填材に無機物または金属の少なくとも一方を用いたので、輻射熱を反射し易く、その遮断効果によって断熱性が向上する。
(3) 上記(2)の板状充填材にフレーク状マイカを用いたので、輻射熱を反射し易く、その遮蔽効果によって断熱性が向上する。
【0079】
(4) 上記(2)の板状充填材にプラスチックスフィルムを用いので、輻射熱を反射し易く、その遮蔽効果によって断熱性が向上する。
(5) 上記(2)の板状充填材に金属薄膜を被覆したプラスチックスフィルムを用いたので、輻射熱を反射しやすく、その遮蔽効果によって断熱性が向上する。
【0080】
(6) 上記(2)の板状充填材に金属箔を用いたので、輻射熱を反射しやすく、その遮蔽効果によって断熱性が向上する。
(7) 上記(5),(6)の金属薄膜または金属箔にアルミニウムを用いたので、輻射熱を反射しやすく、その遮蔽効果によって断熱性が向上する。
【0081】
(8) 上記(1),(2),(3),(4),(5),(6)又は(7)の板状充填材の大きさを硬質ポリウレタンフォームのセルサイズよりも大きくしたので、セルの連通化を効率よく促進させることができる。
(9) 上記(1)の芯材の表面層を削除したので、輻射熱の遮蔽効果が向上して、優れた断熱性能と経時安定性を確保することができる。
【0082】
(10) 本発明による真空断熱パネルの製造方法は、板状充填材の表面に離型剤を塗布し、板状充填材と硬質ポリウレタンフォームとの原料液を混合して板状成型型の端部から注入し、端部から発泡させて流れ方向にシェアをかけ、板状充填材の面を板状成型品の面方向と平行に配向させ、得られた成型品の表面層を削除したので、板状充填材を伝熱方向と直角に配向でき、輻射伝熱の遮断により一層の断熱性向上が可能となる。板状充填材の表面に離型剤を塗布したので、ウレタン樹脂と板状充填材が剥離する際にセルの連通化がより確実に達成され、また、より確実に貫通される。芯材の表面層を削除したので、輻射熱の遮蔽効果が向上して、優れた断熱性能と経時安定性を確保することができる。
【0083】
(11) 上記(10)の板状充填材を硬質ポリウレタンフォームの原料液であるプレミックス液とイソシアネート液を混合する直前に投入し、これらの混合原料を発泡に間に合うように板状成型型の端部から注入し、この端部から発泡させてその後の発泡により流れ方向にシェアをかけ、板状充填材の面を板状成型品の面方向と平行に配向させるようにしたので、板状充填材を伝熱方向と直角に配向でき、輻射伝熱の遮断により一層の断熱性向上が可能となる。また、製造時の取扱いが容易で、量産性に優れる。
【0084】
(12) 上記(10),(11)の板状充填材の大きさを硬質ポリウレタンフォームのセルサイズよりも大きくしたので、セルの連通化を効率よく促進させることができる。
(13) 上記(10),(11)又は(12)の発泡液の流動距離Lに対する成型品厚さTの比率L/Tを、10以上にしたので、断熱性能を大幅に向上させることができる。
【0085】
(14) 本発明にかかる冷蔵庫は、(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(8),(9)のいずれかに記載の真空断熱パネルを内箱と外箱の間に配設したので、断熱性が増して消費電力の低減が達成できる。
【0086】
(15) 上記(14)の真空断熱パネルを内箱又は外箱に貼り付け、残った空間に硬質ポリウレタンフォームを充填したので、上記(14)の効果と共に外箱と内箱を完全に固定でき、また従来の構造仕様を変更する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 真空断熱パネルの製造工程を示す説明図である。
【図2】 真空断熱パネル製造装置を示す側面図である。
【図3】 真空断熱パネルを用いた製品組立工程を示す説明図である。
【図4】 真空断熱パネルを組込んだ製品の斜視図である。
【図5】 図4の要部の縦断面図である。
【図6】 断熱性能の真空度依存性を示す線図である。
【図7】 各断熱材の断熱性能を比較した説明図である。
【符号の説明】
2 芯材、7 真空断熱パネル、8 外箱、9 内箱、10 硬質ポリウレタンフォーム。
Claims (15)
- 芯材によって形状を保持してなる真空断熱パネルにおいて、
前記芯材を、離型性が付与された粉砕片または切断片の板状充填材を含有する連通気泡の硬質ポリウレタンフォームからなる多孔体で構成し、板状充填材の面を芯材の面方向と平行に配向させたことを特徴とする真空断熱パネル。 - 前記板状充填材に無機物または金属の少なくとも一方を用いたことを特徴とする請求項1記載の真空断熱パネル。
- 前記板状充填材にフレーク状マイカを用いたことを特徴とする請求項2記載の真空断熱パネル。
- 前記板状充填材にプラスチックスフィルムを用いたことを特徴とする請求項2記載の真空断熱パネル。
- 前記板状充填材に金属薄膜を被覆したプラスチックスフィルムを用いたことを特徴とする請求項2記載の真空断熱パネル。
- 前記板状充填材に金属箔を用いたことを特徴とする請求項2記載の真空断熱パネル。
- 金属薄膜または金属箔にアルミニウムを用いたことを特徴とする請求項5または6記載の真空断熱パネル。
- 前記板状充填材の大きさを前記硬質ポリウレタンフォームのセルサイズよりも大きくしたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の真空断熱パネル。
- 前記芯材の表面層を削除したことを特徴とする請求項1記載の真空断熱パネル。
- 板状充填材の表面に離型剤を塗布し、該板状充填材と硬質ポリウレタンフォームとの原料液を混合して板状成型型の端部から注入し、該端部から発泡させて流れ方向にシェアをかけ、前記板状充填材の面を板状成型品の面方向と平行に配向させ、得られた成型品の表面層を削除したことを特徴とする真空断熱パネルの製造方法。
- 前記板状充填材を硬質ポリウレタンフォームの原料液であるプレミックス液とイソシアネート液を混合する直前に投入し、これらの混合原料を発泡に間に合うように板状成型型の端部から注入し、該端部から発泡させてその後の発泡により流れ方向にシェアをかけ、前記板状充填材の面を板状成型品の面方向と平行に配向させることを特徴とする請求項10記載の真空断熱パネルの製造方法。
- 前記板状充填材の大きさを硬質ポリウレタンフォームのセルサイズよりも大きくしたことを特徴とする請求項10または11記載の真空断熱パネルの製造方法。
- 発泡液の流動距離Lに対する成型品厚さTの比率L/Tを、10以上にしたことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の真空断熱パネルの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の真空断熱パネルを内箱と外箱の間に配設したことを特徴とする冷蔵庫。
- 真空断熱パネルを内箱又は外箱に貼り付け、残った空間に硬質ポリウレタンフォームを充填したことを特徴とする請求項14記載の冷蔵庫。
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