JP4273702B2 - 導電膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種表示装置および各種窓材や包装材料などの透光性電極及び透光性電磁波遮断膜、および太陽電池用透明電極として有用な、導電膜及びその製造方法に関する。詳しくは、湿式塗布した層の形成時に発生するクラックを利用することにより、版及びマスクなどを用いることなく製造可能な導電膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電メッシュを形成する技術としては、金属ワイヤなどの導電性繊維の織物を用いる技術、薄い金属板や蒸着した金属薄膜、金属めっき膜などのエッチングにより形成する技術、導電性ペーストなどをスクリーン印刷法によりメッシュ状に印刷する技術、基材に触媒をメッシュ状に印刷し無電解めっき法により形成する技術、などが用いられてきた。
【0003】
しかしながら、金属ワイヤなどの導電性繊維の織物を用いる場合、該織物が伸び縮みし易いためにその取り扱いが難しい。また、一般に、該繊維の線径が太いものは目が粗く、細いものは目が細かいことから、透光性を必要とする用途においては、目視による確認が困難なレベルの細い線径と良好な開口率を両立させることが非常に難しい。
【0004】
薄い金属板や蒸着した金属薄膜、金属めっき膜などのエッチングにより導電メッシュを形成する技術に関しては、多くの場合フォトリソグラフィー法を用いることから製造工程が煩雑であり、さらに、蒸着工程やめっき工程に関しても製造工程が煩雑であることから、低い生産性と高い製造コストを伴う。
【0005】
導電性ペーストなどをスクリーン印刷法によりメッシュ状に印刷することにより導電メッシュを形成する技術に関しては、線幅20μm程度が現在の技術では限界であり、目視による確認が困難なレベルには至っていない。
【0006】
基材に触媒をメッシュ状に印刷し無電解めっき法により導電メッシュを形成する技術に関しては、マイクロコンタクトプリンティング法を用いる微細なパターン形成法が開発されているが、生産技術としては確立されておらず、また、無電解めっき工程の煩雑さが、低い生産性と高い製造コストを伴う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の問題点を鑑みてなされたもので、簡便及び安価に製造可能、目視での確認が困難、且つ、透光性を有する、導電膜およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
塗膜には種々条件によりクラックが発生することが一般的に知られているが、発明者は、該クラックがメッシュ状に形成される場合が有ること、さらに、該クラックの溝内部に導電性物質を充填することにより、パターニング用の各種版及びマスクを用いずとも導電メッシュが形成できることを見いだし、前記課題を解決するに至った。
【0015】
請求項1に記載の発明は、基材上に、湿式塗布法により、粒径10μm以下の微粒子を含んだ塗液を塗布後、乾燥及び/または硬化させることにより、溝幅が10μm以下のメッシュ状のクラックを有するクラック層を形成する工程、ついで導電性物質を含んだ溶液、分散液またはペーストを、クラック層表面に湿式塗布し、乾燥及び/または硬化させることにより、該クラック層のメッシュ状クラックの溝内部に導電性物質を充填する工程、を有することを特徴とする導電膜の製造方法である。
【0016】
請求項2に記載の発明は、基材上に、湿式塗布法により、粒径10μm以下の微粒子を含んだ塗液を塗布後、乾燥及び/または硬化させることにより、溝幅が10μm以下のメッシュ状のクラックを有するクラック層を形成する工程、ついで導電性物質を含んだ溶液、分散液またはペーストを、クラック層表面に湿式塗布し、乾燥及び/または硬化させることにより、該クラック層のメッシュ状クラックの溝内部に導電性物質を充填後、溝内部以外の導電性物質を物理的及び/または化学的に取り除く工程、を有することを特徴とする導電膜の製造方法である。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記基材は、単位面積あたりの溶媒吸収量が、1cc/m2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電膜の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を具体的に説明する。
【0019】
本発明は、前述のように、各種表示装置及び各種窓材や包装材料などの透光性電極および透光性電磁波遮断膜、および太陽電池用透明電極として有用な導電膜に関するものである。その際、目視により確認困難であることを達成するためには、前記クラックの溝幅つまり充填された導電性材料からなる導電部の線幅は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、さらには1μm以下であることがより好ましい。また、各種表示装置からの表示内容、各種窓材外部及び内部の視覚情報および包装されたものの視覚情報、および太陽電池用電極として太陽光エネルギーを効率良く得るためには可視光透過率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
【0020】
次に本発明における導電膜の一実施の形態を、図1、図2をもとに具体的に説明する。ただし、この実施の形態は発明内容を限定するものではない。
【0021】
図1、図2は基材3の上にメッシュ状のクラックを有するクラック層2が形成されており、該クラックの溝内部に導電性物質1が充填されていること示す模式図である。
【0022】
基材3は、導電膜とした状態で、可視光透過率が30%以上となるものであり、且つ、適当な機械的強度を持つものであれば特に限定されるものではない。具体例としては、ガラス板、アクリル板、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィルム、セロファンフィルムなどが挙げられる。
【0023】
また基材3は、導電膜とした状態で、可視光透過率が30%以上となるものであり、且つ、適当な機械的強度を持つものであれば、支持体と、支持体片面もしくは両面に設けられた1層以上の機能層からなる多層構成であってもよい。機能層の具体例としては、導電メッシュを形成した後、他シートなどと張り合わせるための粘着層、導電メッシュ面に対する裏面を保護するためのハードコート層、基材とクラック層の密着性を向上させる易接着層などが挙げられる。
【0024】
前記粘着層の具体例としては、ジエン系粘着剤、アクリル酸エステル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが挙げられる。前記ハードコート層としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0025】
前記易接着層に関してはクラック層組成およびクラック層用塗液に用いる溶媒の種類により選択され、一般的には、該クラック層組成と密着性が良い材料および/または該クラック層用塗液に用いる溶媒と親和性の有る材料を含むことが好ましい。具体的には、クラック層がウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂またはポリビニルアルコール樹脂を含んでいる場合、易接着層に含有させる成分として、それらと同種の樹脂種、またはそれらと密着性の良いウレタンアクリレート樹脂を選択する例が挙げられる。また、クラック層用塗液に用いる溶媒が芳香族系溶媒を含んでいる場合、易接着層に含有させる成分としてポリスチレン樹脂またはポリカーボネート樹脂を選択する例や、クラック層用塗液に用いる溶媒が水系溶媒を含んでいる場合、易接着層に含有させる成分としてポリビニルアルコール樹脂またはポリ酢酸ビニル樹脂を選択する例などが挙げられる。
【0026】
また、基材3は多孔質材、または、支持体上に多孔質層を設けた基材であることが好ましい。前記多孔質材としては、多孔質ガラス、プラスチックフォームなどを例示することができ、前記多孔質層としては、酸化珪素微粒子または酸化アルミ微粒子を含んでいることにより多孔質となっている層、ガラス繊維を含んでいることにより多孔質となっている層などを例示することができる。また、基材は複数層からなるものでも構わない。
【0027】
また、後述する導電性物質1が、金属および/または金属酸化物微粒子を含む場合、基材3は多孔質材、または、支持体上に多孔質層を設けた基材であることが好ましい。理由は以下のとおりである。
【0028】
金属及び/または金属酸化物微粒子を含んだ溶液を多孔質材または多孔質層へ塗布することにより、溶媒の迅速な該多孔質材または該多孔質層への浸透が起こる。それに伴い、金属及び/または金属酸化物微粒子を含んだ溶液が濃縮されることにより微粒子同士の凝集が起こる。凝集した金属及び/または金属酸化物微粒子が該多孔質材または該多孔質層の細孔より大きくなると、溶媒及び、溶媒に溶解している分散剤などや、金属及び/または金属酸化物微粒子に吸着している分散剤などが選択的に細孔へ浸透していく。相対して、該多孔質材または該多孔質層の表面または付近では選択的に金属及び/または金属酸化物微粒子の凝集体が堆積していき、さらに金属及び/または金属酸化物微粒子に比べて分散剤などの量が十分に少なくなることから金属及び/または金属酸化物微粒子同士の接触面積が大きくなり、それに比例して導通パス数が増大し、導電性良好な導電層が該多孔質材または該多孔質層の表面付近に形成される。該多孔質材または該多孔質層の細孔径が金属及び/または金属酸化物微粒子よりも小さい場合は、溶液の濃縮などによる金属及び/または金属酸化物微粒子の凝集が起こらなくても、上述の現象により選択的に該多孔質材または該多孔質層の表面に良好な導電層が形成される。
【0029】
さらに、前記多孔質材および前記多孔質層の、金属及び/または金属酸化物微粒子を含んだ溶液に用いられている溶媒に対する溶媒吸収量は1cc/m2以上であることが好ましい。これは、以下の理由による。溶液全体に対して、20体積%以上の金属及び/または金属酸化物微粒子を分散させる場合、多量の分散剤、例えば櫛形ポリマーなどを含有させなければならず、一般的な濃度としては20体積%以下である。また、金属及び/または金属酸化物微粒子が20体積%以上である溶液を用いると、非常に溶媒吸収能力が良好な該多孔質材または該多孔質層にその溶液を塗布しても、多量の分散剤により導通パスが得られにくく、良好な導電性が得られないことから、導電膜を得るための溶液としては不適切である。良好な導電性を有する導電膜としては、100nm以上の膜厚が好ましく、金属及び/または金属酸化物微粒子の濃度が20体積%以下の溶液の塗布量としては、1cc/m2以上が好ましい。
【0030】
さらには、該多孔質材および該多孔質層の、金属及び/または金属酸化物微粒子を含んだ溶液に用いられている溶媒に対する溶媒吸収量は、迅速な溶媒吸収を実現すべく2cc/m2以上であることがより好ましく、さらに、金属及び/または金属酸化物微粒子が20体積%以上である溶液は保存安定性に乏しい場合が多く、より希薄な溶液を用いる場合が多いため、それに伴い、該多孔質材または該多孔質層の溶媒吸収能力としては、5cc/m2以上であることが好ましい。
【0031】
また、金属及び/または金属酸化物微粒子の凝集を促進させるため、該多孔質材および該多孔質層に、金属及び/または金属酸化物微粒子の表面電荷をイオン的に中和する機能を持たせても良い。具体的には、金属及び/または金属酸化物微粒子の表面電荷がマイナスの場合、該多孔質材および該多孔質層に、カチオン性の酸化珪素微粒子または酸化アルミ微粒子を添加する例が挙げられる。
【0032】
クラック層2は、導電膜とした状態で、可視光透過率が30%以上となるもので、且つ、クラック層用塗液を塗布後、乾燥および/または硬化工程を経て、溝幅が10μm以下のメッシュ状のクラックが形成するものであれば特に限定されるものではない。
【0033】
クラック層2の組成としては、粒径が10μm以下の微粒子を50重量%以上含有していることが好ましい。微粒子を50重量%以上含有していることによってクラック層用塗液を塗布後の乾燥および/または硬化時にクラックが発生し易いからであり、また、粒径が10μm以下の微粒子であることによりクラック溝幅が微細となり目視で確認困難なレベルを達成するからである。
【0034】
前記クラック層2に含まれる微粒子としては、粒径が10μm以下であれば特に限定されるものではないが、透明性を有するものが好ましい。具体的には、酸化珪素微粒子、酸化アルミ微粒子、酸化チタン微粒子、アクリル樹脂を含む樹脂微粒子、スチレン樹脂を含む樹脂微粒子などが例示できる。さらに、透明性を有し、且つ、導電性を有するものが好ましく、具体的には、インジウム/錫酸化物微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化アンチモン微粒子などが例示できる。
【0035】
クラック層2に含まれる他の成分としては特に限定はされないが、膜強度をもたせるために樹脂成分が含まれていても良い。具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。
【0036】
クラック層2を形成するための塗液(以下、クラック層形成溶液)としては、クラック層形成溶液を塗布後、乾燥および/または硬化工程を経て、溝幅が10μm以下のメッシュ状のクラックが形成するものであれば特に限定されるものではない。ただ、前述した理由により、形成された層が微粒子を50重量%以上含有するような微粒子濃度である塗液が好ましい。さらに、該微粒子が、酸化珪素微粒子、酸化アルミ微粒子、酸化チタン微粒子、アクリル樹脂を含む樹脂微粒子、スチレン樹脂を含む樹脂微粒子、インジウム/錫酸化物微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化アンチモン微粒子であることが好ましい。また、該塗液にアクリル系樹脂またはその前駆体、エポキシ系樹脂またはその前駆体、ウレタン系樹脂またはその前駆体、ポリビニルアルコール樹脂が含まれていても良い。
【0037】
クラック層形成溶液には溶媒が含まれていても良い。該溶媒は特に限定されないが、該塗液中に微粒子を含む場合は微粒子の分散が良好となる溶媒、該塗液中に樹脂または樹脂前駆体を含む場合にはそれらが溶解可能な溶媒が好ましい。具体的には、アルキル基で被覆された酸化珪素微粒子を含む場合はヘキサンを用い、ポリビニルアルコール樹脂を用いる場合には水を用いる例が挙げられる。
【0038】
また、クラック層形成溶液に樹脂前駆体が含まれている場合、該樹脂前駆体を重合する効果を持つ重合開始剤が、該塗液に含まれていても良い。具体的には、該樹脂前駆体がアクリル系モノマーであった場合、ベンゾフェノン系光重合開始剤を含む例が挙げられる。
【0039】
クラック層形成溶液の塗布法としては特に限定されるものではなく、グラビアコート法、スピンコート法、インクジェット法、ロールコート法、スプレーコート法、バーコート法、コンマコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法などが例示される。
【0040】
また、クラック層2を形成するための塗液を塗布後の後処理を行っても良い。例えば、紫外線硬化樹脂前駆体や電子線硬化性樹脂前駆体が含まれている場合は、紫外線または電子線照射を行っても良い。また、常温での揮発性が迅速でない溶媒や、熱硬化性樹脂または樹脂前駆体などが、該塗液中に含まれている場合、加熱による乾燥を行ってもよい。行わない場合は、常温での自然乾燥によりクラック層を形成することができる。
【0041】
クラック層2の膜厚は、溝幅が10μm以下であり、且つ、メッシュ状となっているクラックが発生する膜厚であれば特に限定はされない。ただ、薄すぎるとクラック層用塗液を塗布後の乾燥および/または硬化時にクラックの発生が起こりにくく、厚過ぎるとクラック溝幅が広くなってしまうので、一般的には、0.5μm〜50μmの範囲が好ましい。
【0042】
クラック層2を形成するための塗液の塗布時および/または塗布後および/または該後処理後に、塗布機や巻き変え機によりかかるテンションまたは延伸機による延伸により、クラック層2のクラック形状やクラック溝幅を目的に応じて制御しても良い。
【0043】
導電性物質1は、導電性を有するものであれば特に限定されず、金属、金属酸化物、導電性ポリマーなどの中から適宜選択し使用できる。具体的には、Fe、Co、Ni、Cr、Al、In、Zn、Pd、Sb、Sn、Pb、Cu、Pt、AgおよびAuよりなる群から選ばれるいずれか、またはその酸化物、あるいは2種類以上の合金、チオフェン系ポリマー、フェニレンビニレン系ポリマー、フルオレン系ポリマーなどが例示される。
【0044】
導電性物質1をクラック層2のクラック溝内に充填する方法としては、充填可能な方法であれば特に限定はされない。具体的には、該導電性物質の微粒子を乾式によりクラック溝内に刷り込む方法、該導電性物質が溶解している溶液、または、該導電性物質の微粒子を含んだ溶液を湿式塗布する方法などが例示される。
【0045】
前記導電性物質の微粒子の作製方法としては、金属または金属酸化物のガス中蒸発法に代表される気相法、金属塩の分散剤溶液中での還元法に代表される液相法、導電性物質の塊を粉砕する粉砕法などの数多くの公知技術により比較的容易に製造可能である。
【0046】
該導電性物質の微粒子を乾式によりクラック溝内に刷り込む方法の、さらに具体的な例としては、鉄粉を粉体吐出器によりクラック層2表面に吐出し、布などにより鉄粉をクラック溝内部へ刷り込む方法が挙げられる。
【0047】
また、該導電性物質が溶解している溶液を湿式塗布する方法の、さらに具体的な例としては、チオフェン系ポリマーのクロロホルム溶液をスピンコート法により塗布する方法が挙げられる。
【0048】
また、該導電性物質の微粒子を含んだ溶液を湿式塗布する方法の、さらに具体的な例としては、金微粒子の水分散溶液をインクジェット法により塗布する方法が挙げられる。
【0049】
該導電性物質の微粒子を含む場合、微粒子の粒径としては、前述した理由により、クラックの溝幅は10μm以下であることが好ましいことから、充填効率を考慮すると5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下が好ましい。
【0050】
該導電性物質の微粒子を含んだ溶液を湿式塗布する方法を用いる場合、該溶液に用いられる溶媒としては、該導電性物質の微粒子を分散させる効果を持つものであれば特に限定はされない。具体的には、該導電性物質の微粒子としてアルキル基で表面を被覆された酸化珪素微粒子を用いる場合には、ヘキサンが例示される。
【0051】
該導電性物質の微粒子を含んだ溶液を湿式塗布する方法を用いる場合、該溶液には該導電性物質の微粒子および該溶媒以外の成分が含まれていても良い。具体的には、クエン酸ナトリウムなどの分散剤、ポリ酢酸ビニルなどのバインダ、ウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂、アクリルモノマーなどの硬化性モノマー、各種重合開始剤などが挙げられる。
【0052】
該導電性物質が溶解している溶液を湿式塗布する方法を用いる場合、該溶液に用いられる溶媒としては、該導電性物質を溶解するものであれば特に限定はされない。具体的には、該導電性物質としてチオフェン系ポリマーを用いる場合には、クロロホルムが例示される。
【0053】
該導電性物質が溶解している溶液を湿式塗布する方法を用いる場合、該溶液には該導電性物質および該溶媒以外の成分が含まれていても良い。具体的には、シリコーンなどの消泡剤、ヨウ素などのドーピング剤などが例示される。
【0054】
また、導電性物質を含んだ塗液を塗布後の後処理を行っても良い。また、紫外線硬化樹脂前駆体や電子線硬化性樹脂前駆体が含まれている場合は、紫外線または電子線照射を行っても良い。また、常温での揮発性が迅速でない溶媒や、熱硬化性樹脂または樹脂前駆体などが、該塗液中に含まれている場合、加熱による乾燥を行ってもよい。また、行わない場合は、自然乾燥させることにより、導電性物質をクラックの溝内部に固定させる。
【0055】
クラック層2のクラック溝以外の該導電性物質を除去する方法としては、除去可能な方法であれば特に限定はされない。具体的には、サンドブラスト法、スキージ法、布などによるワイピング法、酸の水溶液による溶解法、粘着剤による剥離法などが例示される。
【0056】
クラック層2のクラック溝以外の該導電性物質を除去するタイミングとしては、除去可能なタイミングであれば特に限定はされず、該導電性物質を含んだ塗液を塗布後の該後処理の、前であっても後であっても良い。
【0057】
また、クラック層2のクラック溝内部に導電性物質3が充填された後、その上層に各種機能層を1層以上設けてもよい。該機能層の具体例としては、ハードコート層、粘着層、反射防止機能層、アンチグレア機能層、防汚層などが挙げられる。
【0058】
【実施例】
(A.銀微粒子水溶液の調製)
Carey−Leaが1889年に発表した方法(Am.J.Sci.,vol.37,pp.491,1889)により、銀微粒子分散水溶液を調製した。TEM観察により平均一次粒子径は約7nmであった。さらに、Ag濃度が7重量%となるように蒸留水にて希釈し調製した。
【0059】
(B.多孔質層形成用塗布液の調製)
シリカゾル水溶液(日産化学工業製 スノーテックスAk、シリカ分20重量%)を20重量部及び、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA217)の10重量%水溶液を10重量部及び、蒸留水を30重量部の割合で混合した溶液を30分間攪拌して調製した。
【0060】
(C.クラック層形成用塗布液(a)の調製)
シリカゾル水溶液(日産化学工業製 スノーテックスC、シリカ分20重量%)を10重量部及び、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA217)の10重量%水溶液を1重量部、及び蒸留水を11重量部の割合で混合した溶液を30分間攪拌して調製した。
【0061】
(D.クラック層形成用塗布液(b)の調製)
アンチモン複酸化物微粒子水溶液(日産化学工業製 CX−Z300H、アンチモン複酸化物分30重量%)を7重量部及び、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA217)の10重量%水溶液を1重量部、及び蒸留水を10重量部の割合で混合した溶液を30分間攪拌して調製した。
【0062】
(E.評価方法)
表面抵抗は、三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用い測定した。可視光透過率測定は、反射・透過率計(村上色彩技術研究所製 HR−100)を用い測定した。
【0063】
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績製 A4300)上に、ディップコート法により、乾燥後の膜厚が20μmとなるよう多孔質層形成用塗布液を塗布せしめ、120℃で1分間乾燥させ、多孔質層を形成した。なお、この多孔質層の溶媒吸収量は、10cc/m2であった。この多孔質層上に、ディップコート法により、乾燥後の膜厚が4μmとなるようクラック層形成用塗布液(a)を塗布せしめ、120℃で1分間乾燥させ、クラック層を形成した。このクラック層表面を光学顕微鏡により観察したところ、塗布面の全面に、線幅0.5〜1.0μm、開口部が30μm×30μm〜70μm×70μmのクラックを有していることがわかった。さらにこのクラック層上に銀微粒子水溶液をワイヤーバーコート法により、ウェット膜厚で7μmとなるよう塗布せしめた後、120℃で1分間乾燥させ、その後、表面を綿布により拭き取ることにより、導電メッシュ付き透光性シートを作成することができた。この導電メッシュ付き透光性シートの表面抵抗値は30Ω/□、可視光透過率は80%であった。また、目視ではメッシュ構造の確認ができなかった。
【0064】
<実施例2>
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績製 A4300)上に、ディップコート法により、乾燥後の膜厚が20μmとなるよう多孔質層形成用塗布液を塗布せしめ、120℃で1分間乾燥させ、多孔質層を形成した。なお、この多孔質層の溶媒吸収量は、10cc/m2であった。この多孔質層上に、ディップコート法により、乾燥後の膜厚が6μmとなるようクラック層形成用塗布液(b)を塗布せしめ、120℃で1分間乾燥させ、クラック層を形成した。このクラック層表面を光学顕微鏡により観察したところ、塗布面の全面に、線幅2.0〜3.0μm、開口部が50μm×50μm〜100μm×100μmのクラックを有していることがわかった。さらにこのクラック層上に銀微粒子水溶液をワイヤーバーコート法により、ウェット膜厚で7μmとなるよう塗布せしめた後、120℃で1分間乾燥させ、その後、表面を綿布により拭き取ることにより、導電メッシュ付き透光性シートを作成することができた。この導電メッシュ付き透光性シートの表面抵抗値は5Ω/□、可視光透過率は50%であった。また、目視ではメッシュ構造の確認ができなかった。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、導電性が良好であり、メッシュ状の導電部が微細なため目視困難、すなわち視認性良好であり、可視光透過性が良好である導電膜を提供可能としている。さらには、該導電膜の、安価および簡便な製造方法の提供も可能としている。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電膜の1例を示す断面図である。
【図2】本発明の導電膜の1例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 導電性物質
2 クラック層
3 基材
3a 支持体
3b 多孔質層
Claims (3)
- 基材上に、湿式塗布法により、粒径10μm以下の微粒子を含んだ塗液を塗布後、乾燥及び/または硬化させることにより、溝幅が10μm以下のメッシュ状のクラックを有するクラック層を形成する工程、ついで導電性物質を含んだ溶液、分散液またはペーストを、クラック層表面に湿式塗布し、乾燥及び/または硬化させることにより、該クラック層のメッシュ状クラックの溝内部に導電性物質を充填する工程、を有することを特徴とする導電膜の製造方法。
- 基材上に、湿式塗布法により、粒径10μm以下の微粒子を含んだ塗液を塗布後、乾燥及び/または硬化させることにより、溝幅が10μm以下のメッシュ状のクラックを有するクラック層を形成する工程、ついで導電性物質を含んだ溶液、分散液またはペーストを、クラック層表面に湿式塗布し、乾燥及び/または硬化させることにより、該クラック層のメッシュ状クラックの溝内部に導電性物質を充填後、溝内部以外の導電性物質を物理的及び/または化学的に取り除く工程、を有することを特徴とする導電膜の製造方法。
- 前記基材は、単位面積あたりの溶媒吸収量が、1cc/m2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002132451A JP4273702B2 (ja) | 2002-05-08 | 2002-05-08 | 導電膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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