JP4279981B2 - 給湯器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、燃焼熱により通水を加熱する熱交換器を備えた給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から給湯器は、給水管および出湯管が接続される熱交換器と、この熱交換器を加熱するバーナと、バーナに燃焼用空気を供給するファンとを備え、バーナの燃焼により熱交換器で通水を加熱し、出湯管より出湯する強制燃焼式給湯器が一般的に知られている。
こうした給湯器の中には、熱効率を向上するために、バーナから発生した燃焼排気中の水蒸気を熱交換器に凝縮させて、その潜熱を回収する潜熱回収型給湯器がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、凝縮したドレンは、燃焼排気中の硫黄(S)や窒素(N)と反応してpH3程度の酸性になり、地方自治体で定められる排水の基準(例えばpH5〜9)から外れることがあり、そのままでは下水道等の一般排水通路に排出することができなかった。
【0004】
そこで、酸性ドレンをマグネシウムや炭酸カルシウム等の中和剤を用いて中和したり、上水道からの多量の水に混合させて希釈する等して、酸性度を低下させてから排水しなくてはならなかった。
しかし、中和剤を用いる場合には、器具の一般的耐用年数(例えば10年)を考慮すると、かなり大型な装置が必要になり、中和装置だけで非常に高価になってしまう。
また、水道水で希釈する場合には、給湯器に設けた希釈装置にドレンの100倍以上の量の水を供給しなくてはならず、器体が大型化することに加えて水道代もかなりかかってしまい、解決策としては現実的でない。
そこで、本発明の給湯器は上記課題を解決し、低コストでドレンのpHを安全レベルまで上げてから一般排水通路へ排出することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明請求項1記載の給湯器は、
バーナの燃焼熱により通水を加熱すると共に燃焼排気中の潜熱を回収する熱交換器と、該熱交換器で発生するドレンを器体外へ排出するドレン通路とを備えた給湯器において、
上記ドレン通路を、上記熱交換器からの給湯が使用された後の給湯排水を一般排水通路へ排出する給湯器外の排水管に接続し、
上記排水管の、上記ドレン通路との接続部より上流位置に給湯排水の流量を検出する流量センサを設け、
該ドレン通路において上流から順に、ドレンを溜めるドレン溜めと、該ドレン通路を開閉する開閉弁とを設け、
上記流量センサが所定量以上の給湯排水流量を検出した時に、検出した給湯排水流量に応じた開度で上記開閉弁を開成して、上記ドレン溜めに溜まったドレンを給湯排水に混合させて一般排水通路へ排出することを要旨とする。
【0007】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の給湯器は、バーナの燃焼熱により熱交換器を加熱し、熱交換器に伝導された熱により通水を加熱して給湯する。
洗面所や台所等の給湯先で使用された給湯排水は、排水管内を流れる際に、熱交換器で発生しドレン通路内を流れるドレンと混合して下水道や側溝等の一般排水通路へ排出される。つまり、給湯排水とドレンの排水とが同じタイミングで行われ、ドレンを給湯排水で希釈する。このようにして、排水の酸性度は安全レベルになる。
【0008】
また、所定流量以上の給湯排水が排水管内を流れていることを流量センサが検出した時に、ドレン通路下流に設けられた開閉弁が開き、上流のドレン溜めに溜まったドレンを排水管へ流す。
このように、給湯排水が排出される時に限定してドレンを排出するため、給湯された水が一時的に溜められる場合においても、確実にドレンを希釈することができる。
例えば、浴槽に湯を張る時にも熱交換器でドレンが発生するが、浴槽に給湯された湯はすぐには排水管へ排出されないので開閉弁を閉じた状態にしておき、ドレンが希釈されないまま排水管を介して一般排水通路へ排出されることを防止する。
【0009】
【発明の実施形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、参考実施形態について説明した上で、本発明の給湯器の好適な実施形態を説明する。
《参考実施形態》
参考実施形態としての給湯器について図1を用いて説明する。
給湯器10は、器具本体12内の下方位置に、給水管14と出湯管16とが配設される熱交換器18が燃焼室20内に装着された状態で設けられる。熱交換器18の上方には、熱交換器18を加熱するバーナ22がそのバーナ炎孔側を下向きにして取付板24を介して設けられる。
器具本体12には、外気を燃焼用空気として取り込むための給気口30と、給気口30より上方に排気口44とが開口される。
【0010】
一方、熱交換器18を支持する燃焼室20の下端には、バーナ22の燃焼排気により熱交換器18を加熱した後の燃焼排気を排出する排気フード32が設けられる。この排気フード32は上方に大きく開口した椀形状をなし、下方で塩化ビニル製のドレン通路35と接続している。尚、この排気フード32は、燃焼排気中のドレンの受け皿としてのドレンパンを兼ね備えている。
排気フード32の側面には排気管34が連結され、この排気管34の上端開口は排気口44に臨む。
【0011】
また、熱交換器18には、燃焼熱を吸収をするフィン18bに伝熱管18aが貫通し複数段蛇行して設けられる。この伝熱管18aは、熱交換器18の下段に設けられる給水管14と接続し燃焼室20を巻回してバーナ22の近傍で出湯管16と接続する。
給水管14には水流センサや水ガバナを備える水側制御ユニット50が設けられ、またバーナ22へのガス管52には主電磁弁54及びガス比例弁56が設けられる。
バーナ22を覆うバーナカバー26上のファン取付台38には、給気ファン36を取り付ける。この給気ファン36にはDCモータ48が連結される。
【0012】
また、給水管14に設けられる水側制御ユニット50内の水流センサや、バーナ22のガス管52に設けられる主電磁弁54及びガス比例弁56、そしてDCモータ48等はこの給湯器10の燃焼を制御するバーナコントローラ58に電気的に接続されている。
【0013】
給湯器10の出湯管16は、浴室や台所等へ延びる給湯配管60と接続しており、この給湯配管60の先端に給湯栓61が設けられる。そして、洗面所の洗面台63や台所のシンク64に接続される排水管65にはドレン通路35が接続され、排水管65の先端が公有の下水道66(一般排水通路)に連通される。尚、ドレン通路35,排水管65は家庭内にあって私有されており、排水の酸性度に関する規制は無い。
【0014】
このように構成された給湯器10では、給湯栓61を開くことにより給水管14に水(図中破線矢印)が流れ、水側制御ユニット50内の水流センサからの検知信号によりバーナコントローラ58が制御動作を行い、給気ファン36がDCモータ48の駆動により回転し始める。所定のプリパージが完了すると、バーナ22の主電磁弁54及びガス比例弁56が開いてバーナ22にガス(図中実線矢印)が供給され、図示しないイグナイタによりバーナ22に点火が行われる。
【0015】
点火動作が終了すると、比例制御が開始され、図示しない出湯温サーミスタで検出される湯温と設定温度との差があると、バーナコントローラ58でそれを判断しガス比例弁56へ信号を送り、ガス量を連続的に変化させて熱交換器18の出口温度を一定に保つ。また、ガス比例弁56によるガス量の変化に応じてバーナコントローラ58から給気ファン36のDCモータ48に信号が送られ、給気ファン36の回転数も変えられ、常にガス量と給気量との関係が一定に保たれるように制御される。
【0016】
このような燃焼制御において、給気ファン36の動作に伴い、器具本体12に設けられる給気口30より外気が器具本体12内に吸引され、バーナ22へ導入されて燃焼用空気として燃焼に供される。
バーナ22の炎口近傍では混合気が燃焼して火炎を形成し、熱交換器18の上流側近傍に至る間に燃焼が完結(完全燃焼)する。
バーナ22の燃焼排気は、給気ファン36により下向きに流れ、熱交換器18の各フィン18b間を貫流して熱交換した後、排気フード32,排気管34を介して排気口44から器具の外へ排出される。
【0017】
燃焼排気中の水蒸気は、熱交換器18での熱交換により冷却されて結露し、燃焼排気中の硫黄や窒素と反応して酸性ドレン(H2SO4、HNO3)になる。
この水蒸気の凝縮により熱交換器18は、顕熱に加えて蒸発潜熱も回収して非常に高い熱効率を実現する。
【0018】
熱交換器18で発生する酸性ドレンは、排気フード32内に落下し、ドレン通路35を通って排水管65へ流れる。この時、給湯栓61から給湯が行われており、シンク64や洗面台63から使用後の給湯排水が、酸性ドレンの排出と同じタイミングで排水管65へ排出される。そして、酸性ドレンは、排水管65内でこの給湯排水と混合して安全なpHレベルまで希釈されてから下水道66へ排出される。
このように、給湯排水と酸性ドレンの排水とが同時に行われるため、複雑な制御をしなくても簡単にドレンを給湯排水で希釈することができ、排水の酸性度は安全レベルになる。
また、バーナ22が熱交換器18の上方に設けられているため、熱交換器18から酸性ドレンが落下しても、バーナ22の炎孔を目詰まりさせることがなく、良好な燃焼状態が維持される。
【0019】
次に、発生した酸性ドレンが給湯排水によって安全レベルまで十分希釈される理由について説明する。
例えば、インプット(ガス供給量)が30,000kcal/時の給湯器10に総発熱量が10,991kcal/Nm3、真発熱量(顕熱)が9,923kcal/Nm3の天然ガス(13A)を使用した場合には、蒸発潜熱は、総発熱量から真発熱量を差し引いて1,068kcal/Nm3と求められる。
【0020】
ここで、ドレンが最大限発生した場合を想定するために、潜熱を回収して熱効率が100%であるとする。従って、潜熱は、総発熱量の9.7%であるため、2,915kcal/時となる。水の蒸発潜熱(0℃時)が597.1kcal/kgであることが知られているため、この例ではドレンが4.88リットル/時だけ発生する。
一般に給湯器が発生するNOxが60ppm以下の場合には、酸性ドレンの換算硝酸イオン濃度が70mg/リットル以下で、酸性ドレンのpHが3以上であることが知られている。
従って、酸性ドレンの希釈に必要な最低限の水量を算出するためには、pH3の酸性ドレンが、最大で1時間当たり4.88リットル発生する場合について考える必要がある。
【0021】
酸性ドレンを希釈するために利用できる最低水量を求めるためには、給湯器10が通水を最も温度上昇させる場合を考えればよく、それは水温5℃の水を60℃にまで加熱する場合(つまり、55℃温度上昇)であり、その時の使用水量は545リットル/時(=30,000kcal/時÷55cal/g)になる。
【0022】
従って、酸性ドレンの希釈用に使用できる水量は、酸性ドレン量の少なくとも112倍(=545/4.88)になる。
よって、pH3の酸性ドレンの希釈後の水素イオン濃度は、10-3/112=10-5.05mol/リットルとなり、pHは5.05で、希釈に最も厳しい条件で考えた場合でも、一般排水通路へ排出される水のpHが5以下になることはない。
【0023】
つまり、地方自治体の基準範囲(一般的にはpHが5〜9)を越えることがなく、安全に酸性ドレンを排出できる。
また、中和装置を設ける必要がないため、器具が大型化せず、しかも、希釈装置の構造が簡単であるため、製造コストを低く抑えることができる。
更に、希釈用にわざわざ上水道から水を引く必要もなく、水道料金アップにならない。
【0024】
さて、上述した例は、最悪条件を考えて酸性ドレンの発生量が最大限の場合で排水のpHを算出したが、一般的に高効率の給湯器であっても、熱効率は90〜95%である。次に、実使用状態での排水のpHを算出する。
例えば、熱効率が95%という非常に効率の高い給湯器において、総発熱量に対する真発熱量が90.3%のうち、仮に2.3%が損失したとすると、真発熱量は88%になり、潜熱は7%(=95−88)となる。
従って、インプットが30,000kcal/時の場合では、潜熱は、2,100kcal/Nm3と求められ、ドレン量は、3.52リットル/時(=2,100÷597.1)となる。
【0025】
熱効率が95%なのでインプット30,000kcal/時に対してアウトプットは、28,500kcal/時(=30,000×0.95)となり、通水を55℃温度上昇させる場合には、その時の使用水量は518リットル/時(=28,500kcal/時÷55cal/g)になる。
従って、酸性ドレンの希釈用に使用できる水量は、酸性ドレン量の148倍(=545/4.88)になる。
【0026】
よって、希釈後の酸性ドレンの水素イオン濃度は、10-3/148=10-5.17mol/リットルとなり、pHは5.17で、熱効率が100%の場合の5.05よりも更に酸性度が低い。
しかも、熱効率が95%の給湯器において、通水を10℃温度上昇させる場合では、使用水量が2,850リットル/時となり、酸性ドレン量の814倍になり、その時の排水のpHは、5.91となって更に中性に近づき、安全である。
また、熱効率が低い給湯器においては、排水のpHが更に増加して一層安全である。
【0027】
《第1実施形態》
次に、本発明の第1実施形態について図2を用いて説明する。尚、参考実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。第1実施形態の給湯器11は、参考実施形態の給湯器10にドレン溜め39,ドレン弁37,流量センサ62を設けた点が基本的に異なる。
【0028】
参考実施形態の給湯器10では、ドレンが発生する給湯時に洗面台63,シンク64や図示しない浴槽に給湯された水を溜める場合には、給湯排水の排水管65への排出とドレンの排出とのタイミングがずれてドレンを希釈することが必ずしもできない。
そこで、第1実施形態の給湯器11では、ドレンを排出するタイミングを給湯排水を排出するタイミングに合わせることにより、確実にドレンを給湯排水で希釈するものである。
【0029】
本実施形態の給湯器11は、ドレン通路35における上流に設けられドレンを溜める塩化ビニル製のドレン溜め39と、下流に設けられドレン通路35を開度調整可能に開閉するドレン弁37と、排水管65におけるドレン通路35の上流に設けられる流量センサ62とを備える。
【0030】
こうした構成の給湯器11では、給湯時に熱交換器18で発生した酸性ドレンは、ドレン通路35を通って閉成されたドレン弁37上流のドレン溜め39に溜まる。このドレン弁37の開度は、流量センサ62が検出するシンク64,洗面台63や浴槽からの給湯排水流量が多いほど大きくなるように、バーナコントローラ58によって設定される。
流量センサ62が給湯排水が所定流量流れていることを検出すると、ドレン弁37が給湯排水流量に応じた開度で開成され、ドレン溜め39内の酸性ドレンは、ドレン通路35に設けられたドレン弁37を通過して排水管65へ流れ、シンク64や浴槽からの給湯排水と混合し、安全なpHレベルまで希釈されてから下水道66へ排出される。
このようにして、給湯排水流量に応じてドレン排出流量を設定して排水するため、浴槽に湯を張るなど、給湯と同時に排水を行わない場合でも、確実にドレンを給湯排水によって希釈することができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、熱交換器18をバーナ22の上方に配置し、これらの間にドレン受けを設けドレン通路35と接続してもよい。
【0032】
また、第1実施形態の給湯器11では、ドレン溜め39やドレン通路35の材料は、塩化ビニルに限定せず、耐酸性の材質であればよい。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の給湯器によれば、ドレン通路を排水管に接続して、ドレンと同時に発生する給湯排水によってドレンを希釈するため、一般排水通路へ流される排水の酸性度を弱くして安全レベルにすることを低コストでできる。
【0034】
また、所定流量以上の給湯排水が検出された時のみ、ドレンを給湯排水に混合させて一般排水通路へ排出するため、給湯された水を溜めて使用される場合においても、確実にドレンを希釈することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考実施形態の強制燃焼式給湯器の概略図である。
【図2】 第1実施形態の強制燃焼式給湯器の概略図である。
【符号の説明】
18…熱交換器、18a…伝熱管、18b…フィン、20…燃焼室、22…バーナ、32…排気フード、35…ドレン通路、37…ドレン弁、39…ドレン溜め、60…給湯配管、61…給湯栓、62…流量センサ、65…排水管、66…下水道。
Claims (1)
- バーナの燃焼熱により通水を加熱すると共に燃焼排気中の潜熱を回収する熱交換器と、該熱交換器で発生するドレンを器体外へ排出するドレン通路とを備えた給湯器において、
上記ドレン通路を、上記熱交換器からの給湯が使用された後の給湯排水を一般排水通路へ排出する給湯器外の排水管に接続し、
上記排水管の、上記ドレン通路との接続部より上流位置に給湯排水の流量を検出する流量センサを設け、
該ドレン通路において上流から順に、ドレンを溜めるドレン溜めと、該ドレン通路を開閉する開閉弁とを設け、
上記流量センサが所定量以上の給湯排水流量を検出した時に、検出した給湯排水流量に応じた開度で上記開閉弁を開成して、上記ドレン溜めに溜まったドレンを給湯排水に混合させて一般排水通路へ排出することを特徴とする給湯器。
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