JP4281863B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、パターン要素を可変ピッチで配置した空気入りタイヤにおいて、ウェット制動性を改善するようにした空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りタイヤでは、トレッドパターンに起因するタイヤ騒音を改善するため、トレッド面にピッチ長さの異なるパターン要素をタイヤ周方向に連設したトレッドパターンを採用している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−201610号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにパターン要素を可変ピッチで配置した空気入りタイヤは、高速走行時にウェット路面で制動を加えた際に、制動距離にバラツキが発生し、一定しないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、パターン要素を可変ピッチで配置した空気入りタイヤにおいて、ウェット路面での制動距離のバラツキを低減し、ウェット制動性を改善することが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、トレッド面に溝を有するパターン要素をタイヤ周方向に可変ピッチで設けた空気入りタイヤにおいて、最大ピッチ長さを有するパターン要素における単位面積当たりの溝面積を最小ピッチ長さを有するパターン要素における単位面積当たりの溝面積より大きくした空気入りタイヤであって、前記トレッド面にタイヤ周方向に延在する1本以上の周方向溝を設け、該周方向溝の内の少なくとも1本の周方向溝において、前記最大ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅を前記最小ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅より広くし、かつ、前記少なくとも1本の周方向溝と前記トレッド面にタイヤ幅方向に延設した複数のラグ溝により該トレッド面のショルダー部にブロックを形成し、前記最大ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅をタイヤ内側に向けて広くしたことを特徴とする。
【0007】
このように最大ピッチ長さを有するパターン要素の溝面積を大きくすることで、最大ピッチ長さを有するパターン要素における排水性を高めることができる。そのため、ウェット路走行時における最大ピッチ長さを有するパターン要素での制動効果が増大するので、パターン要素間における制動距離のバラツキが低減してウェット制動性を改善することが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明を説明するための空気入りタイヤの一例(参考例)を示し、トレッド面1には、タイヤ周方向Tに沿って延在する複数の主溝2が設けられている。各主溝2間及び最外側の主溝2からタイヤ外側に向けて、タイヤ幅方向に沿って延びるラグ溝3がタイヤ周方向Tに沿って可変ピッチで配置され、これら主溝2とラグ溝3により区画された周方向長さの異なるブロック5を有するパターン要素6が、ラグ溝3によりタイヤ周方向Tに可変ピッチで区分形成されている。CLはタイヤセンターラインである。
【0010】
図示する例では、ピッチ長さがL,M,Sの3種類からなるパターン要素6L,6M,6Sが設けられ、各パターン要素6L,6M,6Sは2つずつ連設されている。なお、ここで言うブロックパターンにおけるピッチ長さは、タイヤ周方向Tに隣接するブロック5間のブロック表面に位置するタイヤ周方向一方側端間のタイヤ周方向長さであり、各パターン要素6は、ブロック5とそのブロック5のタイヤ周方向他方側に隣接するラグ溝3、及びこのピッチ長さの範囲にある主溝部分2Xを備えている。
【0011】
本発明では、上記のように溝を有するパターン要素6をタイヤ周方向Tに沿って可変ピッチで設けた空気入りタイヤにおいて、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lにおける単位面積当たりの溝面積が、最小ピッチ長さSを有するパターン要素6Sにおける単位面積当たりの溝面積より大きくなっている。
【0012】
図1は、主溝2により区分れされた各ブロック列(陸部列)8において、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lに含まれるラグ溝3Lの溝幅を、最小ピッチ長さSを有するパターン要素6Sに含まれるラグ溝3Sの溝幅より全体的に広くすることにより、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lにおける単位面積当たりの溝面積を、最小ピッチ長さSを有するパターン要素6Sにおける単位面積当たりの溝面積より大きくなるようにしている。
【0013】
図2は、上述したラグ溝に代え、周方向溝2において、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lに含まれる周方向溝部2Lの溝幅を最小ピッチ長Sさを有するパターン要素6Sに含まれる周方向溝部2Sの溝幅より広くすることにより、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lにおける単位面積当たりの溝面積を、最小ピッチ長さSを有するパターン要素6Sにおける単位面積当たりの溝面積より大きくしたものである。
【0014】
図2では、センター部1C及び両ショルダー部1Xを区分する両外側の周方向溝2において、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lに含まれる周方向溝部2Lの溝幅を広くしてあり、少なくとも1本の周方向溝2において、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lの周方向溝部2Lの溝幅を最小ピッチ長さSを有するパターン要素6Sの周方向溝部2Sの溝幅より広くなるようにしている。中間ピッチ長さMを有するパターン要素6Mに含まれる周方向溝部2Mの溝幅は、最小ピッチ長Sさを有するパターン要素6Sの周方向溝部2Sと同じである。
【0015】
図2のように両外側の周方向溝2において、パターン要素6Lの周方向溝部2Lの溝幅を広くする際には、図示するように、周方向溝部2Lのタイヤ内側に面するブロック5の幅を狭くすることにより周方向溝部2Lの溝幅をタイヤ内側に向けて広くするのが、旋回走行時にショルダー部1Xのブロック剛性低下によるブロック5の倒れ込みを抑制して操縦安定性の低下を回避する点からよい。
【0016】
図2では、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lの周方向溝部2Lの溝幅全体を広くしたが、それに代えて、周方向溝部2Lの溝幅を部分的に広くなるようにしてもよい。
【0017】
上記のように溝幅を広くした周方向溝部2Lの溝幅としては、好ましくは、最小ピッチ長さSのパターン要素6Sに含まれる周方向溝部2Sの溝幅より1.1〜2.5倍広くなるようにするのがよい。周方向溝部2Lの溝幅が1.1倍より狭いと、ウェット路面における制動距離のバラツキを効果的に改善することが難しくなり、逆に2.5倍を超えると、ブロック剛性の不均一に起因するユニフォミティの低下を招くので好ましくない。望ましくは、1.1〜1.5倍がよい。なお、部分的に広くした周方向溝部2Lの場合には、トレッド面1における周方向溝部2Lの面積Qをピッチ長さLで割った値Q/Lを周方向溝部2Lの溝幅とする。
【0018】
上記のように周方向溝2を広くする場合、好ましくは、最小ピッチ長さSのパターン要素6Sに含まれる周方向溝部2Sを除く各パターン要素6L,6Mの周方向溝部2L,2Mを広くすると共に、パターン要素6L,6M,6Sの周方向溝部2L,2M,2Sの溝幅を、各パターン要素6L,6M,6Sのピッチ長さL,M,Sに応じた広さを有するようにするのがよい。
【0019】
また、上述したように周方向溝部の溝幅を変える場合、パターン要素6L,6M間及びパターン要素6M,6S間で、パターン要素6Lの要素全溝体積(図示する例では、パターン要素6Lにおける全周方向溝部2Lと全ラグ溝3Lの合計体積)をパターン要素6Mの要素全溝体積より3%以下で大きくし、またパターン要素6Mの要素全溝体積をパターン要素6Sの要素全溝体積より3%以下で大きくし、隣り合うピッチ長さのパターン要素間で要素全溝体積の差が3%以下となるようにするのがよい。
【0020】
差が3%を超えると、ブロック剛性の不均一に起因するユニフォミティの悪化を招く。好ましくは、1%以下にするのがよい。
【0021】
このように溝体積に差を有するようにする手法としては、周方向溝2の溝壁角度を大きくあるいは小さく、またラグ溝3の深さを浅く、ラグ溝3の長さを短くするなどして調整することで容易に対応することができる。
【0022】
本発明者らは、パターン要素を可変ピッチで配置した空気入りタイヤにおいて、高速走行時にウェット路面での制動距離が一定しない原因について鋭意検討した結果、以下のことを知見した。
【0023】
ウェット路面で高速走行時にピッチ長さの大きいパターン要素を有するタイヤに制動を付与すると、制動距離が長く、逆にピッチ長さの小さいパターン要素をもつタイヤに制動を付与すると、制動距離が短くなる。
【0024】
従って、パターン要素を可変ピッチで配置した空気入りタイヤでは、ピッチ長さの小さいパターン要素が主に接地している際に制動を付与すると、制動距離が短くなり、逆にピッチ長さの大きいパターン要素が主に接地している場合に制動を付与すると、制動距離が長くなるのである。
【0025】
即ち、パターン要素を可変ピッチで配置した空気入りタイヤにおいて、制動距離にバラツキが生じるのは、制動開始時にどのパターン要素が接地しているかに大きく左右されるのである。
【0026】
このような知見に基づき、上述したように最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lにおける単位面積当たりの溝面積を最小ピッチ長さLを有するパターン要素における単位面積当たりの溝面積より大きくしたのである。これにより、最大ピッチ長さLを有するパターン要素6Lにおいて、排水性を高めることができるので、ウェット路高速走行時にパターン要素6Lでの制動効果が増大し、従って、パターン要素6間における制動距離のバラツキが低減してウェット制動性を改善することができる。
【0027】
本発明は、特に乗用車用空気入りタイヤに好ましく用いることができるが、それに限定されず、重荷重用空気入りタイヤなどにも適用することができる。
【0028】
【実施例】
タイヤサイズを205/65R15で共通にし、最大ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅を最小ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅の1.5倍にした図2に示す構成の本発明タイヤと、本発明タイヤにおいて周方向溝部の溝幅を広くしていない従来タイヤとをそれぞれ作製した。
【0029】
これら各試験タイヤをリムサイズ15×6.5JJのリムに装着し、空気圧を190kPaにして排気量3リットルの乗用車(ABS装置付き)に装着し、以下に示す測定条件により、ウェット制動性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
【0030】
ウェット制動性
水深平均1mmのウェット路面において、ABS制動試験(JASO−C465ABS付乗用車の実車試験方法に準拠)を初速100km/hで実施し、その制動距離を、従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が大きい程、ウェット路面でのパターン要素間の制動距離のバラツキが小さく、ウェット制動性が安定している。
【0031】
【表1】
表1から、本発明タイヤは、ウェット路面でのパターン要素間における制動距離のバラツキが小さく、ウェット制動性を改善できることがわかる。
【0032】
【発明の効果】
上述したように本発明は、最大ピッチ長さを有するパターン要素を上記のように規定することにより、ウェット路面での制動距離のバラツキを低減し、ウェット制動性を改善することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するための空気入りタイヤの一例(参考例)を示すトレッド面の要部展開図である。
【図2】 本発明の空気入りタイヤの一例を示すトレッド面の要部展開図である。
【符号の説明】
1 トレッド面
1C センター部
1X ショルダー部
2 周方向溝
2L,2M,2S 周方向溝部
3,3L,3M,3S ラグ溝
5 ブロック
6,6L,6M,6S パターン要素
8 ブロック列(陸部列)
CL タイヤセンターライン
L,M,S ピッチ長さ
T タイヤ周方向
Claims (4)
- トレッド面に溝を有するパターン要素をタイヤ周方向に可変ピッチで設けた空気入りタイヤにおいて、
最大ピッチ長さを有するパターン要素における単位面積当たりの溝面積を最小ピッチ長さを有するパターン要素における単位面積当たりの溝面積より大きくした空気入りタイヤであって、
前記トレッド面にタイヤ周方向に延在する1本以上の周方向溝を設け、該周方向溝の内の少なくとも1本の周方向溝において、前記最大ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅を前記最小ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅より広くし、
かつ、前記少なくとも1本の周方向溝と前記トレッド面にタイヤ幅方向に延設した複数のラグ溝により該トレッド面のショルダー部にブロックを形成し、前記最大ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅をタイヤ内側に向けて広くした空気入りタイヤ。 - 前記最大ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅を前記最小ピッチ長さを有するパターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅より1.1〜2.5倍広くした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 各パターン要素に含まれる周方向溝部の溝幅を各パターン要素のピッチ長さに応じて広くした請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 隣り合うピッチ長さのパターン要素間で要素全溝体積の差が3%以下となるようにした請求項1,2または3に記載の空気入りタイヤ。
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