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JP4282979B2 - ガイドワイヤ - Google Patents
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JP4282979B2 - ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドワイヤに関し、特に、内視鏡を経由して生体内に挿入されるガイドワイヤ(経内視鏡用ガイドワイヤ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡を用いた生体管腔等の観察や処置においては、内視鏡やその内視鏡のルーメンに挿入されたカテーテルを生体管腔等の所定位置まで誘導するために、ガイドワイヤが用いられる。
【0003】
ガイドワイヤを挿入する際、ガイドワイヤが単色であると、軸方向に動いていても動きが分らないため、ガイドワイヤの表面に位置等を示すマークが設けられているのが好ましい。このため、従来より、ガイドワイヤに対し種々のマークを設ける方法が提案されている。
【0004】
例えば、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン:テフロンは登録商標)等からなり、着色された複数の縞模様を有する中空チューブをガイドワイヤの芯材の上から熱収縮させて包むことにより付着させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、この方法では、ガイドワイヤの形成と同時にマークを設けるため、所望の位置にマークを設けることが困難である。また、マークの形状や幅も全体に画一的になってしまうという制約がある。
【0006】
また、マークを印刷により形成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、印刷による方法では、インクが耐溶媒性を持たないため、マーク形成後、ガイドワイヤの表面に親水性ポリマー等の潤滑コートを行うことが困難であり、また、曲面へのマーキングが難しいこと、インクを乾燥させる時間が必要であること、使用中にインクが剥離し生体中に流入する可能性があること等の欠点がある。
【0008】
上記印刷による方法の欠点を解消する方法として、マークを印刷した後に透明なフッ素樹脂のコーティング層を設ける方法もある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
しかし、インクの乾燥工程やコーティング層の形成工程が必須になるなど、製造工程が複雑なものとなり、また、コーティング層に透明な樹脂しか用いることができないという設計上の制約もある。
【0010】
さらに、スチール製のカテーテル誘導ワイヤ(ガイドワイヤ)のカラーマークを形成させる部位をテンパーカラー(焼戻し色)が現出する温度で加熱する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0011】
しかし、この方法は、スチール製のカテーテル誘導ワイヤにしか用いることができない。また、ガイドワイヤの芯材として一般的に用いられている超弾性合金(Ni−Ti合金)は、加熱等の熱処理により物性が変化し易いので、このような方法は適さない。さらに、特許文献4には、マークをスタンピングやレーザ光照射によって形成する方法も記載されている。しかし、前者の方法では、形成されるマーク部分が隆起するという欠点があり、後者の方法では、形成されるマーク部分が窪むという欠点がある。
【0012】
ところで、ガイドワイヤやカテーテルを内視鏡を介して生体管腔等の所定位置まで挿入するとき、内視鏡で観察できる範囲から外れて、更に末梢の管腔へ挿入する場合がある。末梢の管腔を診断するために、X線造影剤を注入し、X線を照射して管腔の径や形状を観察することが行なわれる。管腔に挿入されたガイドワイヤは、その先端の位置を把握する必要から、X線にて造影可能な材料をその構成材料の一部としている。
【0013】
このような内視鏡を介して挿入されるガイドワイヤについて、内視鏡下で視認可能なマークを備えつつ、X線造影が可能なものとしては、前述の特許文献1に記載のものの他に、特許文献5に記載のものが挙げられるが、同文献においても、マークの形成方法としては、予め模様の入ったチューブを熱収縮させたり、塗料を芯材に塗布するなど、上述のマーク形成における課題を解決し得るものではない。
【0014】
【特許文献1】
特表平9−501593号公報
【特許文献2】
実開平4−108556号公報
【特許文献3】
実開平4−63054号公報
【特許文献4】
特公平3−25945号公報
【特許文献5】
特開2001−46508号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、X線等による造影性を確保しつつ、所望の位置に所望の形状やサイズの消失し難いマーカを有し、マーカの形成の際に発熱を抑制し、より鮮明なマーカを得ることができるガイドワイヤを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0017】
(1) 線状の芯材と、
前記芯材の少なくとも一部を覆い、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された樹脂層と、
前記樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有することを特徴とするガイドワイヤ。
【0018】
(2) 前記芯材の先端部に、前記樹脂層より造影機能が高い造影部を有する上記(1)に記載のガイドワイヤ。
【0019】
(3) 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された第1樹脂層と、前記第1樹脂層の先端側に位置する第2樹脂層とを有する被覆層と、
前記第1樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有し、
前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっている重なり部を形成し、該重なり部の少なくとも一部が前記テーパ部上に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
【0020】
(4) 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された第1樹脂層と、前記第1樹脂層の先端側に位置する第2樹脂層とを有する被覆層と、
前記第1樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有し、
前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっている重なり部を形成し、該重なり部において、前記第1樹脂層の厚さが先端に向かって減少し、前記第2樹脂層の厚さが先端に向かって増加することを特徴とするガイドワイヤ。
【0021】
(5) 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された第1樹脂層と、その少なくとも一部が前記第1樹脂層と前記芯材との間に位置する第2樹脂層とを有する被覆層と、
前記第1樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有することを特徴とするガイドワイヤ。
【0022】
前記金属酸化物は、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化ビスマスのうちの少なくとも1種であるのが好ましい。
【0023】
前記造影剤の平均粒径は、1〜10μmであるのが好ましい。
前記樹脂層(第1樹脂層)中の前記発色剤の含有量は、0.01〜10重量%であるのが好ましい。
【0024】
前記樹脂層(第1樹脂層)中の前記造影剤の含有量は、30〜80重量%であるのが好ましい。
【0025】
前記造影部は、樹脂中に金属粉末よりなる造影剤が添加されたものであるのが好ましい。
【0026】
前記金属粉末は、タングステンまたは貴金属であるのが好ましい。
前記造影部は、金属製の部材で構成されたものであるのが好ましい。
【0027】
前記金属製の部材は、リング状またはコイル状をなすものであるのが好ましい。
【0028】
前記芯材の先端部は、その外径が先端に向かって漸減するテーパ状をなしているのが好ましい。
【0029】
前記発色部は、螺旋状または環状に形成された部分を有する視認マーカであるのが好ましい。
【0030】
前記重なり部において、前記第1樹脂層の厚さが先端に向かって漸減し、前記第2樹脂層の厚さが先端に向かって漸増するのが好ましい。
【0031】
前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端付近に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置しているのが好ましい。
【0032】
また、前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端より先端側に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置しているのが好ましい。
【0033】
また、前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端より基端側に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置しているのが好ましい。
【0034】
前記重なり部において、前記第2樹脂層が前記第1樹脂層の外側を覆うように積層されているのが好ましい。
【0035】
また、前記重なり部において、前記第1樹脂層が前記第2樹脂層の外側を覆うように積層されているのが好ましい。
【0036】
前記被覆層の外表面において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との境界は、実質的に段差のない連続面を構成しているのが好ましい。
【0037】
前記テーパ部は、そのテーパ角度が途中で変化する部分を有するのが好ましい。
【0038】
前記第2樹脂層の少なくとも一部が造影部を構成しているのが好ましい。この場合、前記第2樹脂層中に、造影剤が添加されているのが好ましい。また、前記第2樹脂層の部位が前記第1樹脂層の部位に比べて高い造影機能を有するのが好ましい。
【0039】
前記第1樹脂層中の造影剤の含有量が前記第2樹脂層中の造影剤の含有量より多いのが好ましい。
【0040】
前記第2樹脂層中の造影剤は、その全部または一部が金属粉末よりなる造影剤であるのが好ましい。
【0041】
前記芯材は、前記テーパ部の先端側に小径部または小片部を有するのが好ましい。
【0042】
前記芯材は、異種材料よりなる2種以上の芯材(線材)を連結してなるものであるのが好ましい。
【0043】
外表面に親水潤滑性コーティングおよび/または疎水潤滑性コーティングを有するのが好ましい。
【0044】
先端側に親水潤滑性コーティング、基端側に疎水潤滑性コーティングを有し、それらの境界がガイドワイヤ先端から30〜500mmの位置にあるのが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0046】
図1および図2は、それぞれ、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を模式的に示す縦断面図および側面図である。なお、説明の都合上、図1および図2中の右側を「基端」、左側を「先端」という。
【0047】
図1に示すように、本実施形態のガイドワイヤ1は、線状の芯材2と、この芯材2の少なくとも一部を覆う樹脂層(被覆層)3とを有している。
【0048】
芯材2は、ガイドワイヤ1のほぼ全長に渡って延びている。芯材2は、ガイドワイヤ1の本体部分に対応する本体部22と、その先端側に位置するテーパ部24とで構成されている。本体部22は、その外径がほぼ一定であり、テーパ部24は、その外径が先端方向に向かって漸減している(先細りとなっている)。
【0049】
このようなテーパ部24を設けたことにより、本体部22とテーパ部24との境界部付近から先端方向に向かって芯材2の柔軟性が徐々に増し、その結果、ガイドワイヤ1の柔軟性が増すので、生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する。
【0050】
芯材2の本体部22の外径は、特に限定されないが、0.3〜1.0mm程度とするのが好ましく、0.4〜0.7mm程度とするのがより好ましい。
【0051】
また、テーパ部24の長さは、ガイドワイヤ1の用途や種類により種々異なり、特に限定されるものではないが、例えば、10〜300mm程度とすることができる。
【0052】
このような芯材2の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti系合金、Ni−Al系合金、Cu−Zn系合金等の超弾性合金(擬弾性合金)、例えばCo−Ni−Cr−Fe系合金のようなコバルト系合金(コバルト基合金)等の種々の金属材料や、比較的高剛性の樹脂材料が挙げられる。
【0053】
本発明では、異種材料よりなる2種(または2種以上)の芯材(線材)を連結して芯材2とすることもできる。この場合、両芯材の連結部(接合端面)は、テーパ部24上、テーパ部24より先端側またはテーパ部24より基端側のいずれの箇所でもよいが、テーパ部24上またはテーパ部24より基端側にあるのが好ましい。また、連結部の結合力をより高めるために、連結部は、異形断面同士を嵌合した構成のものを用いることができる。両芯材の連結方法(接合方法)は、特に限定されず、例えば突合せ抵抗溶接のような溶接法が挙げられる。
【0054】
2種の芯材(線材)を連結して芯材2とする場合、基端側の芯材が先端側の芯材より剛性の高いものであるのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1は、特に両芯材の連結部付近において優れた柔軟性を得ることができ、また、基端側の部分が剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)に富んだものとなるため、ガイドワイヤ1は、優れた押し込み性やトルク伝達性を得て良好な操作性を確保しつつ、先端側においては良好な柔軟性、復元性が得られることとなる。このような芯材2の一例としては、基端側の芯材をステンレス鋼またはコバルト系合金、先端側の芯材を超弾性合金で構成したものが挙げられる。
【0055】
また、芯材2の外周面に、後述する樹脂層3の密着性を高めるための処理を施してもよい。この処理としては、例えば、芯材2の外周面の表面粗さを大きくするような処理(粗面加工のような物理的処理、薬品を用いた化学的処理、熱処理など)や樹脂層3と芯材2の間に接着層を設ける処理などが挙げられる。
【0056】
芯材2の先端部を除く部分は、その外周が樹脂層3により被覆されている。樹脂層3を構成する樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチレンアクリレート共重合体、ABS樹脂、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、柔軟性や芯材2への密着性が優れるという理由から、ポリウレタン等の比較的柔軟性の高い材料が好ましい。
【0057】
樹脂層3の構成材料中には、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と、金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加されている。以下これらについて詳述する。
【0058】
<発色剤>
発色剤は、レーザ光の照射により発色を生じるものであれば特に限定されないが、例えば、雲母、酸化チタン、あるいはこれらの化合物等の無機材料、その他各種有機系発色剤等が挙げられる。
【0059】
また、発色剤として、カーボンブラックやグラファイト等の炭素系微粒子を用いることもできる。この炭素系微粒子を樹脂層(被覆層)3を構成する材料に混合(分散)して樹脂層3中に存在させることにより、例えばレーザ光を樹脂層3に照射したときに炭素系微粒子の炭素が燃焼してCOとなり、ガスとして放出される。従って、レーザ光が照射された表面には炭素微粒子が存在しない部分が生じる。一般に、カーボンブラックやグラファイト等の炭素系微粒子は、それ自体黒色であり、またそれが混合された樹脂層3も黒色または暗色となるが、レーザ光照射によって炭素微粒子が存在しなくなった部分は、炭素微粒子の色(黒色)が脱色し、樹脂層3の材料本来の色となる。そこで、樹脂層3の樹脂材料またはそこに添加される顔料等によって所望の色の視認マーカ5を形成することができる。特に、黒色の地に、赤、黄、青、緑等の有色(有彩色)の視認マーカ5を形成することができる。
【0060】
例えば、芯材2が炭素系微粒子を含有する樹脂にて被覆されたガイドワイヤであって、該樹脂の表面は、前記炭素系微粒子が存在しないか、他の部分よりも少ない部分を有することが挙げられる。この他の部分よりも少ない部分が視認マーカ5となって、他の部分の色と明確に区別することができる。
【0061】
以上のように、芯材2の外周を被覆する樹脂層3の少なくとも表面に炭素系微粒子による発色剤が存在することで、レーザ光照射等のエネルギー放射により、白色の他、有色の発色部(視認マーカ5)を形成することができる。
【0062】
また、例えば、雲母を含む発色剤を用いると、樹脂層3を構成する樹脂材料中に少量添加しただけで充分な発色を示すこと、発色部分に隆起や窪みが実質的に生じないことという利点がある。従って、添加量が少量でよいため、非発色部の色調変化が抑えられるという効果がある。
【0063】
雲母を含有する発色剤としては、例えば、クロウンモ系列に属する雲母、シロウンモ系列に属する雲母、合成雲母、さらに、雲母、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アンチモンドープ酸化スズからなる組成物、または、雲母および酸化アンチモンドープ酸化スズからなる組成物、雲母および酸化チタンからなる組成物、雲母、酸化チタンおよび酸化鉄からなる組成物、雲母および酸化鉄からなる組成物が挙げられる。上記の発色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用(特に混合)してもよい。
【0064】
なお、本発明における「発色」には、狭義の発色の他、変色、脱色、退色等の知覚し得る色の変化がすべて含まれる。前記炭素系微粒子による発色剤を用いた場合には、レーザ光の照射により炭素系微粒子の色(黒色)が脱色(退色)し、樹脂層3の色(樹脂の色またはそれに添加された顔料の色)が現われ、発色部を形成する。
【0065】
樹脂層3中の発色剤の含有量は、発色剤の種類、樹脂材料の組成や特性(特に色調等)にもよるが、過不足無く良好な発色を生じるためには、樹脂層3全体に対し、0.01〜10重量%程度であるのが好ましく、0.1〜2重量%程度であるのがより好ましい。0.01重量%未満であると、発色が不十分となることがある。本発明では、このような発色剤の含有量により、レーザ光の照射後の色調や発色強度を調整することができる。
樹脂層3中における発色剤は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば樹脂層3の外表面側に偏在していてもよい。
【0066】
<金属酸化物粉末造影剤>
金属酸化物の粉末による造影剤としては、例えば、X線に対し造影機能を有するものが挙げられる。このようなものとしては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化ビスマス等のX線不透過材料が挙げられるが、このなかでも、硫酸バリウム、酸化ビスマスが好ましい。このような造影剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用(特に混合)してもよい。
【0067】
金属酸化物の粉末による造影剤は、金属粉末による造影剤に比べ、次のような利点がある。
【0068】
後述するように、樹脂層3の表面にレーザ光を照射して視認マーカ5を形成するが、その際、金属粉末による造影剤は、レーザ光の照射による発熱で酸化等の変質を生じ易いのに対し、金属酸化物粉末による造影剤は、既に酸化物であるため、このような変質がほとんどなく、また、レーザ光照射の際に、スパークやそれによる発熱も生じない。従って、レーザ光の種類や照射強度(エネルギ)の選択の自由度が広く、発色剤の発色をより鮮明なものとすること(例えば、色のコントラストが大きくなるように発色させること)ができ、視認マーカ5の視認性向上に寄与する。
【0069】
このような金属酸化物粉末造影剤の平均粒径は、特に限定されないが、樹脂層3中における分散性を考慮して、1〜10μm程度であるのが好ましく、2〜4μm程度であるのがより好ましい。
【0070】
樹脂層3中の金属酸化物粉末造影剤の含有量は、その種類等にもよるが、過不足無く造影機能を発揮するためには、樹脂層3全体に対し、30〜80重量%程度であるのが好ましく、50〜80重量%程度であるのがより好ましい。30重量%未満であると、造影機能が不十分となることがあり、また、80重量%を超えると、樹脂への混練が難しくなる。本発明では、このような造影剤の種類や含有量により、造影機能(造影性)を調整することができる。
【0071】
樹脂層3中における金属酸化物粉末造影剤は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば樹脂層3の外表面側または内側(芯材2側)に偏在していてもよい。また、樹脂層3中における金属酸化物粉末造影剤の含有量は、ガイドワイヤ1の長手方向に沿ってほぼ等しくても、異なっている部分があってもよい。
【0072】
なお、樹脂層3は、X線透視下で造影可能なものに限らず、CTスキャン、MRI等においてその位置を確認することができるものであってもよい。
【0073】
<造影部>
このようなガイドワイヤ1では、芯材2の先端部に、樹脂層3よりX線造影機能(造影性)が高い造影部(後述する第2樹脂層32に対応する)4を有する。この造影部4は、例えば、樹脂中に金属粉末よりなる造影剤が添加されたものである。
【0074】
造影部4を構成する樹脂は、芯材2の先端部を覆っており、この樹脂としては、前述した樹脂層3の構成材料と同様のものを挙げることができる。この場合、造影部4を構成する樹脂は、樹脂層3を構成する樹脂と同種のものを用いてもよいが、樹脂層3を構成する樹脂より柔軟性に富んだ樹脂(軟質樹脂)を用いるのが好ましい。
【0075】
樹脂層3と造影部4の境界部は、2層構造となっている。すなわち、樹脂層3は、その厚さが先端に向かって漸減し、造影部4を構成する樹脂は、その厚さが先端に向かって漸増し、これらの部分が重なり合っている(重なり部33を形成している)。このような構成とすることにより、柔軟性等の特性が異なる樹脂を用いた場合に、その特性の長手方向の変化が緩徐となり、また、樹脂同士の密着性も向上し、剥離等も防止される。この重なり部33は、図1に示すように、その少なくとも一部がテーパ部24上に位置しているのが好ましい。その理由については、後述する第3実施形態で詳細に説明する。
【0076】
造影部4の樹脂中に添加される金属粉末の造影剤としては、例えばタングステンや、金、白金等の貴金属が挙げられるが、タングステンが特に好ましい。
【0077】
この造影部4は、樹脂層3よりも先端側に形成され、その外表面41は、樹脂層3の外表面30と段差のない連続面を形成している。また、ガイドワイヤ1の安全性を向上するため、造影部4の先端は、丸みを帯びた形状をなしている(図1および図2参照)。
【0078】
この造影部4に対しては、レーザ光の照射による視認マーカ5は形成されないため、前述したレーザ光照射による酸化、変質、スパーク等の問題は生じず、造影部4の樹脂中に添加される造影剤は、造影性の高い金属粉末を用いることができる。
【0079】
なお、造影部4には、前述した金属酸化物粉末による造影剤がさらに添加されていてもよい。
【0080】
造影部4における造影剤の含有量は、造影剤の種類等にもよるが、通常、30〜80重量%程度であるのが好ましく、50〜80重量%程度であるのがより好ましい。30重量%未満であると、造影機能が不十分となることがあり、また、80重量%を超えると、樹脂への混練が難しくなる。本発明では、このような造影剤の種類や含有量により、造影部4の造影機能(造影性)を調整することができる。
【0081】
このような造影部4を設けることにより、次のような効果が得られる。
前述したように、樹脂層3は、金属酸化物粉末造影剤の添加により造影性を有するが、特にガイドワイヤ1の先端部の位置をそれ以外の位置とは区別して把握することが好ましい場合があり、このような場合には、より強い造影性を有する造影部4を設けることが有利である。
【0082】
すなわち、例えば、内視鏡を介して生体管腔等の所定位置(目的部位)までガイドワイヤ1を挿入する際、ガイドワイヤ1が内視鏡で観察できる範囲から外れて、更に末梢の管腔へ挿入されても、X線透視下でガイドワイヤ1の先端部(造影部4)の位置をより確実に把握することができる。従って、ガイドワイヤ1の先端部を目的部位に確実に誘導することができる。
【0083】
なお、造影部4は、X線透視下で造影可能なものに限らず、CTスキャン、MRI等においてその位置を確認することができるものであってもよい。
【0084】
<発色部(視認マーカ)>
樹脂層3の外表面30の所定部位には、発色部として、視認マーカ5が設けられている。この視認マーカ5は、図2に示すように、ガイドワイヤ1の先端側、すなわち樹脂層3の先端部付近に設けられている。視認マーカ5の形成方法については、後に詳述する。
【0085】
視認マーカ5の形状、寸法は、特に限定されないが、図示の構成では、螺旋状に設けられている。螺旋状(または環状)の視認マーカ5の場合、例えば、幅1〜10mm、ピッチ(間隔)1〜10mmにて、ガイドワイヤ1の長手方向に3〜50cmの範囲で設けられる。
【0086】
視認マーカ5の形状は、螺旋状や環状に限らず、例えば、直線、波形、水玉模様、格子模様、網目模様等の他、数字、文字、記号、目盛り等、視認できるものであればいかなるものでもよい。さらに、螺旋状に続いて環状の視認マーカを設けるなど、異なる模様(パターン)を2種類以上組み合わせることによって、位置確認を可能としてもよい。
【0087】
さらに、このような視認マーカ5は、樹脂層3の長手方向の一部に設けられている場合のみならず、樹脂層3の全長に渡って設けられていてもよい。
【0088】
内視鏡を通してガイドワイヤ1の動きを認識するには、視認マーカ5の色も重要な要素の一つであるが、これは樹脂層3の色(非発色部の色)との組み合わせを考慮すべきである。一例として、視認マーカ5が白色または黄色であり、樹脂層3が黒色の場合、両者の色の明度の差は大きく(高コントラスト)、これにより、視認マーカ5の視認性は高く、好ましい。また、両者の色が例えば補色の関係にある場合も同様に、視認マーカ5の視認性は高く、好ましい。このような視認マーカ5の色は、主に、樹脂層3に含まれる発色剤の種類や特性と、その含有量とによって決まるが、例えば、黒または濃色(チャコールグレー、こげ茶色、紺色、紫色等)に対しての黄色、黄緑色、オレンジ色や、青に対して赤色、オレンジ色、ピンク色等、明確なコントラストを発現する組み合わせを選択することは、特に好ましい。また、濃淡が異なる同系色、例えば紺色と水色、小豆色とピンク色であってもよい。
【0089】
次に、視認マーカ5の形成方法について説明する。
視認マーカ5は、発色剤を含有する樹脂層3の外表面30の所定部位にエネルギを与え、そのエネルギによって発色剤が発色することにより形成される。エネルギを与える手段としては、レーザ光の照射が特に好ましいが、その他例えば、通常の光(可視光等)をレンズで集光し、照射する方法などが挙げられる。以下、エネルギを与える手段の一例として、レーザ光の照射について説明する。
【0090】
照射するレーザ光は、発色剤に応じて適宜選択されるが、例えば、Nd−YAGレーザ光等の近赤外線レーザ光、COレーザ光等の遠赤外線レーザ光、エキシマレーザ光が挙げられる。
【0091】
Nd−YAGレーザ光は、波長1.06μmの近赤外線であり、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)ロットにアークランプの光を照射することにより得ることができる。
【0092】
COレーザ光は、波長10.6μmの遠赤外線であり、CO混合ガスを封入した管に高周波(RF)、高電圧(TEA)をあてて励起させることにより得ることができる。
【0093】
レーザ光の照射量は、例えばNd−YAGレーザ光の場合、照射元のエネルギ出力として1.8〜2.0kW程度であるのが好ましい。
【0094】
レーザ照射装置は、特に限定されず、公知のいずれのものを用いてもよく、例えば、スキャニングタイプ、ドットタイプ、マスクタイプのものを用いることができる。スキャニングタイプのレーザ照射装置は、発信器から発射されたレーザ光が、2枚の回転ミラーでXY方向にスキャニングされた後、レンズで集光され、放射されるという方式のものである。また、ドットタイプのレーザ照射装置は、レーザ光を高速回転する多角形ミラーに同調させて放射するという方式のものである。マスクタイプのレーザは、レーザ光が所定パターンを切りぬいたマスクおよび集光レンズを通過して放射されるという方式のものである。
【0095】
本発明のガイドワイヤ1では、上記のようなエネルギを与える手段(レーザ光の照射)により、発色剤を含有する樹脂層3の外表面30の特定部位にエネルギを与えて熱を発生させる。そして、その熱によって発色剤が発色して視認マーカ5を形成する。
【0096】
<外表面のコーティング>
ガイドワイヤ1の外表面には、親水潤滑性コーティングおよび/または疎水潤滑性コーティングが施されているのが好ましい。
【0097】
例えば、芯材2のテーパ部24の長手方向中間地点に対応するより先端側の外表面には、親水潤滑性コーティングが施されており、前記中間地点に対応する位置から基端側の外表面には、疎水潤滑性コーティングが施されている。
【0098】
親水潤滑性コーティングを施すことにより、親水潤滑性コーティングが生体内で湿潤し、滑りをよくするので、挿入をより円滑、安全に行なうことができる。
【0099】
また、疎水潤滑性コーティングを施すことにより、ガイドワイヤ1が挿通されるルーメン、例えばカテーテルの内腔や内視鏡のルーメンに対し、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなり、ガイドワイヤ1の挿入、抜去の操作性が向上する。
【0100】
なお、親水潤滑性コーティングと疎水潤滑性コーティングの境界は、本実施態様においてはテーパ部24の中間地点に対応する位置としたが、これに限らず、例えばテーパ部24の基端と先端の間の任意の位置に対応する位置であってもよく、また、その他の位置であってもよい。
【0101】
親水潤滑性コーティング(先端側)と疎水潤滑性コーティング(基端側)との境界は、ガイドワイヤ1の先端から30〜500mmの位置にあるのが好ましい。境界がこの範囲にあると、前記親水潤滑性コーティングによる効果と前記疎水潤滑性コーティングによる効果とをバランスよく発揮することができる。
【0102】
なお、本発明では、親水潤滑性コーティングと疎水潤滑性コーティングのいずれか一方のみが施されているものでもよい。また、それらの形成位置も、特に限定されない。
【0103】
親水潤滑性コーティングのコーティング材料としては、例えば、セルロース系、ポリエチレンオキサイド系、無水マレイン酸系、アクリルアミド系の高分子物質等が挙げられる。
【0104】
疎水潤滑性コーティングのコーティング材料としては、例えば、シリコーン等が挙げられる。
【0105】
図3は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第2実施形態について説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0106】
第2実施形態のガイドワイヤ1は、樹脂層3が芯材2の先端まで覆うように形成されているとともに、造影部4の構成が異なっており、それ以外は前記第1実施形態のガイドワイヤ1と同様である。すなわち、第2実施形態のガイドワイヤ1における造影部4は、芯材2のテーパ部24の少なくとも一部を囲むように設置された造影性を有する金属部材42で構成されている。
【0107】
この金属部材42は、図3に示すように、コイル状をなしているが、リング状のものでもよい。特に、複数のリング状金属部材を芯材2の長手方向に沿って連設したものでもよい。
【0108】
金属部材42の構成材料としては、例えば、タングステンや、金、白金等の貴金属が挙げられるが、タングステンが特に好ましい。
【0109】
このような金属部材42を備えたガイドワイヤ1では、ガイドワイヤ1の先端部により優れた造影性を得ることができる。
【0110】
また、本実施形態では、樹脂層3が芯材2の基端から先端までのほぼ全長を覆うように形成されているので、造影部4の外表面においても、視認マーカ5等の発色部を形成することができる。
【0111】
図4および図5は、それぞれ、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を模式的に示す縦断面図および側面図である。以下、この第3実施形態について説明するが、前述の第1、第2実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、説明の都合上、図4および図5中の右側を「基端」、左側を「先端」という。
【0112】
図4に示すように、本実施形態のガイドワイヤ1は、線状の芯材2と、この芯材2の外周を覆う被覆層3とを有している。
【0113】
芯材2は、ガイドワイヤ1のほぼ全長に渡って延びている。芯材2は、ガイドワイヤ1の本体部分に対応する本体部22と、その先端側に位置するテーパ部24と、その先端側に位置する小径部26とで構成されている。本体部22は、その外径がほぼ一定であり、テーパ部24は、その外径が先端方向に向かって漸減しており(先細りとなっており)、小径部26は、その外径がほぼ一定である。
【0114】
芯材2にテーパ部24を設けたことにより、本体部22とテーパ部24との境界部(テーパ部基端241)付近から先端方向に向かって芯材2の柔軟性が徐々に(連続的に)増し、その結果、ガイドワイヤ1の柔軟性が増すので、生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する。
【0115】
また、テーパ部24の先端側に小径部26を有することにより、最先端の柔軟な部分を長くでき、最先端部分がより柔軟になるという効果が生じる。
【0116】
芯材2の本体部22の外径(=テーパ部基端241の外径)Dは、特に限定されないが、0.3〜1.0mm程度とするのが好ましく、0.4〜0.7mm程度とするのがより好ましい。
【0117】
芯材2の小径部26の外径(=テーパ部先端242の外径)Dは、特に限定されないが、0.05〜0.3mm程度とするのが好ましく、0.1〜0.2mm程度とするのがより好ましい。なお、小径部26の外径は、一定である場合に限らず、外径が先端に向かって漸減しているものでもよい。
【0118】
また、テーパ部24の長さは、ガイドワイヤ1の用途や種類により種々異なり、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜300mm程度、より好ましくは30〜250mm程度とすることができる。
【0119】
また、小径部26の長さは、特に限定されるものではないが、好ましくは0〜100mm程度、より好ましくは10〜50mm程度とすることができる。
【0120】
なお、小径部26は、平板状(帯状)、角柱状等の小片部に代えてもよい。
また、小径部26の先端に拡径部を設けてもよい。この拡径部としては、芯材2自体の径を部分的に大きくして全体に丸みのある形状にするのが好ましい。また、X線不透過性のリングやコイルを小径部26の先端に挿入(装着)して拡径部としてもよい。また、平板状の小片部を有することにより、最先端部がより柔軟になる。
【0121】
芯材2の構成材料としては、前述した第1実施例と同様のものが挙げられる。この場合、前記と同様に、芯材2は、異種材料よりなる2種の芯材(線材)を例えば溶接により連結してなるものでもよい。この場合、両芯材の連結部(接合端面)は、いずれの箇所でもよく、例えば、本体部22の途中、本体部22とテーパ部24の境界部、テーパ部24の途中、テーパ部24と小径部26の境界部、小径部26の途中とすることができる。前記と同様の理由から、2種の芯材(線材)を連結して芯材2とする場合、基端側の芯材が先端側の芯材より剛性の高いものであるのが好ましい。
【0122】
このような芯材2は、被覆層(樹脂層)3により被覆されている。被覆層3は、第1樹脂層31と、第1樹脂層31の先端側に位置する第2樹脂層32とで構成されている。第2樹脂層32は、第1樹脂層31の構成材料より柔軟性に富む材料で構成されているのが好ましい。
【0123】
第1樹脂層31には、前述した発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加されている。これらの添加量や添加による効果については、前記と同様である。
【0124】
また、第2樹脂層32には、造影剤が添加されているのが好ましい。この造影剤としては、前述した金属酸化物の粉末による造影剤の他、金属粉末による造影剤が挙げられ、これらのうちの少なくとも一方を用いることもできる。金属粉末の造影剤としては、例えばタングステンや、金、銀、白金等の貴金属が挙げられるが、造影性に優れるという点で、タングステンが特に好ましい。
【0125】
第2樹脂層32に対しては、例えば、金属粉末の造影剤を用いたり、金属酸化物粉末の造影剤の添加量を第1樹脂層31よりも多くしたりすることにより、第2樹脂層32の造影性を第1樹脂層31の造影性より高くすること(すなわち、前記造影部4を形成すること)ができる。
【0126】
第1樹脂層31は、芯材2の本体部22を覆うとともにテーパ部24の一部を覆っており、第2樹脂層32は、テーパ部24と小径部26とを覆っている。この場合、第1樹脂層31の先端部と第2樹脂層32の基端部とは部分的に重なっており、この重なり部(第2樹脂層32の基端から第1樹脂層31の先端までの間の部位)33の少なくとも一部(好ましくは半分以上)は、テーパ部24上に位置している。このような構成とすることによって、外径が先端に向かって漸減するテーパ部24において柔軟性の異なる第1樹脂層31から第2樹脂層32へ移行するので、テーパ部24に備わる先端に向かって徐々に柔らかくなる特性をそのまま発揮することができる。
【0127】
図4に示す実施形態では、重なり部33の基端は、テーパ部24のテーパ部基端241付近に位置し、重なり部33の先端は、テーパ部24の途中に位置している。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、▲1▼重なり部33の基端および先端が、それぞれテーパ部24の途中に位置している構成や、▲2▼重なり部33の基端がテーパ部基端241より基端側に位置し、重なり部33の先端がテーパ部24の途中に位置している構成でもよい。さらに、重なり部33の先端は、テーパ部先端242付近またはそれより先端側に位置していてもよい。
【0128】
重なり部33においては、第2樹脂層32が第1樹脂層31の外側(外周)を覆うように積層されている。そして、重なり部33における第1樹脂層31は、その厚さが先端に向かって漸減し、重なり部33における第2樹脂層32は、その厚さが先端に向かって漸増している。このような構成としたことにより、次のような効果が発揮される。
【0129】
重なり部33においては、比較的硬質の材料で構成された第1樹脂層31の厚さが先端に向かって漸減し、第1樹脂層31の構成材料より柔軟性に富む材料(比較的軟質な材料)で構成された第2樹脂層32の厚さが先端に向かって漸増し、これらが重なり合っているため、被覆層3自体(両層の積層体部分)の柔軟性は、先端に向かって徐々に増している。ここで、前述したように、テーパ部24の存在により、芯材2は、テーパ部基端241付近から先端方向に向かって柔軟性が徐々に増すが、このような芯材2の柔軟性の漸増に、重なり部33における被覆層3自体の柔軟性の漸増が加えられることにより、両者の相乗効果が発揮され、ガイドワイヤ1の柔軟性は、特にテーパ部24およびその前後において徐々に変化(先端に向かって増大)し、よりしなやかに湾曲することができる。その結果、ガイドワイヤ1をカテーテル等を介して生体に挿入する際の操作性や安全性が格段に向上する。
【0130】
被覆層3の外表面30においては、第1樹脂層31と第2樹脂層32との境界は、実質的に段差のない連続面を構成しているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル等を介して生体に挿入する際の操作性や安全性が格段に向上する。
【0131】
重なり部33における第1樹脂層31と第2樹脂層32とは、融着、接着等により結合している。この場合、第1樹脂層31と第2樹脂層32との結合面は、その境界面が明確な場合に限らず、第1樹脂層31と第2樹脂層32との結合面(境界面)付近において、第1樹脂層31の構成材料と第2樹脂層32の構成材料とが混在していてもよい。
【0132】
このような重なり部33では、第1樹脂層31の厚さが先端に向かって漸減し、第2樹脂層32の厚さが先端に向かって漸増し、これらの部分が重なり合っている構造であるため、ガイドワイヤ長手方向における柔軟性等の特性の変化がより緩徐となり、しなやかに湾曲することができるという効果に加え、第1樹脂層31と第2樹脂層32の結合面の面積をある程度広く確保することができるので、両層の密着性が向上し、曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、第1樹脂層31と第2樹脂層32の剥離等が防止されるという効果を奏する。この効果は、第1樹脂層31と第2樹脂層32とが本来密着性の良い同種の樹脂材料で構成されている場合に限らず、異種の樹脂材料で構成されている場合や、両層中の添加剤(前記発色剤、造影剤、可塑剤等を含む)の組成(質)、添加量等に違いがある場合にも発揮される。
【0133】
以上、第1樹脂層31と、第1樹脂層31の構成材料より柔軟性に富む材料(比較的軟質な材料)で構成された第2樹脂層32について説明した。しかし、第1樹脂層31と第2樹脂層32とでそれらの樹脂材料の柔軟性に大きな差がない場合、例えば、当該樹脂層に混合されている添加剤(前記発色剤や造影剤を含む)に量的、質的な違いがある場合においても、第1樹脂層31と第2樹脂層32の結合面の面積をある程度広く確保することができるので、両層の密着性が向上し、曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、第1樹脂層31と第2樹脂層32の剥離等が防止されるという効果を奏する。
【0134】
本実施形態では、ガイドワイヤ1の外径、すなわち被覆層3の外径は、ガイドワイヤ1の全長にわたってほぼ一定となっているが、途中で変化(特に先端に向かって漸減)している箇所があってもよい。例えば、ガイドワイヤ1の外径は、本体部22の途中から先端に向かって漸減する構成、テーパ部基端241付近から先端に向かって漸減する構成、またはテーパ部24の途中から先端に向かって漸減する構成であってもよい。
【0135】
第1樹脂層31および第2樹脂層32を構成する樹脂は、特に限定されず、それぞれ、前述した樹脂層3と同様の材料が挙げられる。一例を挙げれば、第1樹脂層31の構成材料として、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、第2樹脂層32の構成材料として、ポリウレタンを用いることができる。
【0136】
また、第1樹脂層31、第2樹脂層32共に同種の樹脂材料(例えばポリウレタン)を用いた場合でも、例えばその平均分子量(重合度)を変えること、可塑剤の添加量を変えること等により両者の柔軟性に差異を持たせることもできる。例えば、第1樹脂層31の材料の平均分子量の方が、第2樹脂層32の材料の平均分子量よりも大きくすることが挙げられる。
【0137】
本実施形態では、被覆層3として、比較的硬質の材料で構成された第1樹脂層31と比較的軟質の材料で構成された第2樹脂層32とを組み合わせて用いたことにより、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性を確保することができ、生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する一方、ガイドワイヤ1の外表面30の大部分を占める第1樹脂層31を比較的硬度(剛性)が高い樹脂材料で構成することで、ガイドワイヤ1を挿入するカテーテル内腔や内視鏡のルーメン等の内面との摺動抵抗を低減することができ、ガイドワイヤ1の挿入、抜去の操作や位置決めの際の操作性を向上することができる。
【0138】
ガイドワイヤ1の安全性を向上するため、第2樹脂層32の先端部は、丸みを帯びた形状をなしている。また、同様に、第1樹脂層31の基端部も、丸みを帯びた形状をなしている。
【0139】
本発明のガイドワイヤ1の用途は、特に限定されないが、内視鏡を介して使用されるもの、より詳しくは、内視鏡のルーメンに挿入されたカテーテルを生体管腔等の目的部位まで誘導するのに用いられるガイドワイヤ(経内視鏡ガイドワイヤ)に適用することができる。
【0140】
経内視鏡ガイドワイヤでは、ガイドワイヤの外表面に視認マーカ(発色部)5を設け、内視鏡を介してその視認マーカを視認する。視認マーカの形成は、例えば印刷など、種々の方法が可能であるが、レーザ光の照射により発色剤を発色させて形成する方法が挙げられる。この方法を採用する場合、ガイドワイヤ1の被覆層3中、特に第1樹脂層31の構成材料中に、発色剤が添加されている。発色剤、視認マーカ5およびその形成方法については、前述した通りである。
【0141】
第1樹脂層31および/または第2樹脂層32の構成材料中における造影剤の含有量は、その種類等にもよるが、過不足無く造影機能を発揮するためには、被覆層3全体に対し、30〜80重量%程度であるのが好ましく、50〜80重量%程度であるのがより好ましい。30重量%未満であると、造影機能が不十分となることがあり、また、80重量%を超えると、樹脂への混練が難しい。本発明では、このような造影剤の種類や含有量により、造影機能(造影性)を調整することができる。
【0142】
また、第1樹脂層31および/または第2樹脂層32中における造影剤は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば層の外側または内側(芯材2側)に偏在していてもよい。
【0143】
また、第1樹脂層31および/または第2樹脂層32中における造影剤の含有量は、ガイドワイヤ1の長手方向に沿ってほぼ等しくても、異なっている部分があってもよい。特に、第2樹脂層32中の造影剤の含有量を第1樹脂層31中の造影剤の含有量よりも多くすることができる。これにより、ガイドワイヤ1の先端部をより鮮明に造影することができる。
【0144】
第1樹脂層31中および第2樹脂層32中に、ほぼ等しい含有量で造影剤が添加されている場合、第2樹脂層32は、第1樹脂層31に比べて層の厚さが厚くなっているため、第2樹脂層32の方が造影剤がより多く存在することとなる。より正確には、第2樹脂層32では、第1樹脂層31に比べガイドワイヤ1の単位長さ当りの造影剤含有量が多い。そのため、第2樹脂層32のあるガイドワイヤ1の先端部(テーパ部24および小径部26付近の部位)は、X線等の造影機能(造影性)がより高い造影部を構成することとなる。ましてや、第1樹脂層31中より第2樹脂層32中の方が造影剤の含有量が多い場合は、より高い造影性が得られる。
【0145】
このように、ガイドワイヤ1の先端部の造影性が他所よりも高くなることにより、次のような効果が得られる。
【0146】
第2樹脂層32は、造影剤の添加により造影性を有するが、特にガイドワイヤ1の先端部の位置をそれ以外の位置とは区別して把握することが好ましい場合があり、このような場合には、より強い造影性を有する造影部を設けることが有利である。
【0147】
すなわち、例えば、内視鏡を介して生体管腔等の所定位置(目的部位)までガイドワイヤ(経内視鏡ガイドワイヤ)1を挿入する際、ガイドワイヤ1が内視鏡で観察できる範囲から外れて、更に末梢の管腔へ挿入されても、X線透視下でガイドワイヤ1の先端部(造影部)の位置をより確実に把握することができる。従って、ガイドワイヤ1の先端部を目的部位に確実に誘導することができる。
【0148】
また、ガイドワイヤ1の先端部に造影性を付与する(またはより高い造影性を付与する)別の方法として、第2樹脂層32(ガイドワイヤ1の先端部)内に、前述したような金属部材42を別途埋設することもでき、この場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0149】
本実施形態のガイドワイヤ1においても、前述した外表面30のコーティングが施されるのが好ましい。
【0150】
なお、本発明のガイドワイヤ1において、造影される部位(樹脂層3、第1樹脂層31または第2樹脂層32に添加される造影剤)は、X線透視下で造影可能なものに限らず、CTスキャン、MRI等においてその位置を確認することができるものであってもよい。
【0151】
図6は、本発明のガイドワイヤの第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第4実施形態について説明するが、前述の第1〜第3実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0152】
図6に示す第4実施形態のガイドワイヤ1では、重なり部33において、第1樹脂層31が第2樹脂層32の外側を覆うように積層されており、それ以外は前記第3実施形態と同様である。このガイドワイヤ1においても、前記第3実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果を発揮する。
【0153】
図7は、本発明のガイドワイヤの第5実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第5実施形態について説明するが、前述の第1〜第4実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0154】
第5実施形態のガイドワイヤ1は、芯材2のテーパ部24においてそのテーパ角度が途中で変化する部分を有する一例として、複数の角度(テーパ角度)の異なるテーパ部を有している。図7に示す構成では、2つの角度の異なるテーパ部を有する。すなわち、テーパ部24の基端側には第1テーパ部244を有し、先端側には第2テーパ部246を有する。
【0155】
第1テーパ部244のテーパ角度(芯材2の中心軸に対する角度)は、第2テーパ部246のテーパ角度よりも小さく、すなわち第1テーパ部244の方が先端に向かって細くなる割合が第2テーパ部246よりも小さい。
【0156】
重なり部33は、少なくともその一部が第1テーパ部244上に位置しており、図7においては、第1樹脂層31の先端部と第2樹脂層32の基端部は、いずれも第1テーパ部244上に位置している。
【0157】
なお、重なり部33は、少なくともその一部が第2テーパ部246上に位置していてもよく、また、重なり部33は、第1テーパ部244と第2テーパ部246との境界部にまたがっていてもよい。
【0158】
図8は、本発明のガイドワイヤの第6実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第6実施形態について説明するが、前述の第1〜第5実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0159】
第6実施形態のガイドワイヤ1は、芯材2のテーパ部24においてそのテーパ角度が途中で変化する部分を有する他の例として、そのテーパ角度が、基端から先端に向けて連続的に変化しているものである。すなわち、第1実施形態のガイドワイヤ1のテーパ部24の側面視の輪郭が直線的であるのに対し、第6実施形態のガイドワイヤ1のテーパ部24の側面視の輪郭は、曲線状(図8ではS字状)となっている。
【0160】
図8に示す構成では、本体部22の外径D1から滑らかに外径が変化(減少)している。具体的には、テーパ部24の基端部では、先端に向かってその外径の縮小率が一定の割合で高くなり、縮小率が最も高くなる点を有し、その点を超えると、縮小率は一定の割合で低くなる。テーパ部24の先端部においては、小径部26の外径D2へと滑らかに移行している。このような構成とすることにより、ガイドワイヤ1の急激な折れ曲がり(キンク)をより確実に防止することができる。
【0161】
重なり部33は、少なくともその一部がテーパ部24上に位置しており、図8に示す構成においては、第2樹脂層32の基端部はテーパ部24の基端部付近に位置し、第1樹脂層31の先端部はテーパ部24の中ほど、好ましくは外径の縮小率が最も高くなる点よりも基端側に位置している。なお、重なり部33のテーパ部24に対する位置は、これに限定されないことは言うまでもない。
【0162】
なお、前記第5実施形態における第1テーパ部244、第2テーパ部246の少なくとも一方に対し、第6実施形態のテーパ部24の形状(側面視の輪郭が曲線状)を適用してもよい。
【0163】
図9は、本発明のガイドワイヤの第7実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第7実施形態について説明するが、前述の第1〜第6実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0164】
第7実施形態のガイドワイヤ1は、外径がほぼ一定の本体部22と、本体部22の先端側に設けられたテーパ部24を有する線状の芯材2を有する。芯材2の外周には、前記と同様の被覆層3を有している。すなわち、被覆層3は、第1樹脂層31と、第1樹脂層31の先端側に位置し、第1樹脂層31の構成材料よりも柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層32とで構成されている。
【0165】
第1樹脂層31の先端部と第2樹脂層32の基端部とが重なっている部分である重なり部33は、第2樹脂層32が第1樹脂層31の外側(外周)を覆うように積層されている。そして、重なり部33において、第1樹脂層31は、その厚さが先端に向かって減少し、第2樹脂層32は、その厚さが先端に向かって増加している。
この重なり部33は、芯材2の本体部22の先端部付近に位置している。
【0166】
なお、第7実施形態のガイドワイヤ1において、テーパ部24は、前記第5実施形態の構成や第6実施形態の構成であってもよい。
【0167】
また、第5〜第7実施形態のガイドワイヤ1においても、重なり部33の構成は、前記第4実施形態の構成であってもよい。
【0168】
図10は、本発明のガイドワイヤの第8実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第8実施形態について説明するが、前述の第1〜第7実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0169】
第8実施形態のガイドワイヤ1は、外径がほぼ一定の本体部22と、本体部22の先端側に設けられたテーパ部24を有する線状の芯材2を有する。芯材2の外周には、被覆層3を有している。
【0170】
被覆層3は、第1樹脂層31と、芯材2と第1樹脂層31との間に位置する第2樹脂層32とで構成されている。すなわち、被覆層3は、内層である第2樹脂層32と、外層である第1樹脂層31の2層積層構造となっている。この場合、第1樹脂層31、第2樹脂層32共に、芯材2のほぼ全長にわたって形成されている。
【0171】
第2樹脂層32の厚さは、本体部22においてはほぼ一定であり、テーパ部24においては、先端に向かって徐々に増大し、小径部26において最も厚くなっている。また、第1樹脂層31の厚さは、ガイドワイヤ1の全長にわたってほぼ一定である。第2樹脂層32の外径は、ほぼ一定であるが、テーパ部24に対応する部分より先端側は、本体部22に対応する部分よりも、その外径が小さくてもよい。
【0172】
第1樹脂層31には、前述した発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加されており、その所定箇所には、前記と同様の視認マーカ(発色部)5が形成される。
【0173】
また、第2樹脂層32には、好ましくは造影剤(造影剤の組成は問わず)が添加されている。この場合、前述したように、造影剤の添加量を多くしたり、造影剤として金属粉末の造影剤を用いたりして、ガイドワイヤ1のテーパ部24およびそれより先端側の部位(小径部26等)、すなわち第2樹脂層32の厚さが厚くなっている部位(造影部4)の造影性を高めることができる。また、この部位に、前述の金属部材42等を設置してもよい。
【0174】
第2樹脂層32は、第1樹脂層31の構成材料よりも柔軟性に富む材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1のテーパ部24およびそれより先端側の部位、すなわち第2樹脂層32の厚さが厚くなっている部位では、第2樹脂層32の占める割合が高くなり、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性が確保される。
【0175】
ここで、第1樹脂層31と第2樹脂層32の柔軟性に関しては、両者に同種の樹脂材料(例えば、ポリウレタン)を用いた場合でも、例えばそれらの平均分子量(重合度)を変えること、可塑剤の添加量を変えること、造影剤やその他の添加剤の種類や添加量を変えることなどにより、柔軟性に差異を持たせることができる。例えば、第1樹脂層31の材料の平均分子量を、第2樹脂層32の材料の平均分子量よりも大きくすることが挙げられる。
【0176】
本実施形態では、第1樹脂層31が芯材2の基端から先端までのほぼ全長を覆うように形成されているので、造影部4、すなわちガイドワイヤ1のテーパ部24およびそれより先端側の部位の外表面においても、視認マーカ5等の発色部を形成することができる。
【0177】
なお、図示の構成では、第2樹脂層32の全体が第1樹脂層31により覆われているが、これに限らず、第2樹脂層32の一部(例えば先端部)がガイドワイヤ1の表面に露出していてもよい。
【0178】
なお、芯材2と第1樹脂層31との間に位置する第2樹脂層32は、テーパ部基端241より先端側にのみ存在してもよい。この場合では、テーパ部基端241よりも基端側は、芯材2と第1樹脂層31によって構成される。すなわち、被覆層3は、テーパ部基端241よりも先端側は、外側の第1樹脂層31と内側の第2樹脂層32からなり、テーパ部基端241よりも基端側は、第1樹脂層31からなる構成を備えている。この態様について、テーパ部基端241を境に第2樹脂層32の有無を述べたが、テーパ部24の途中の部分を境に、その先端側は、外側の第1樹脂層31と内側の第2樹脂層32からなり、該部分よりも基端側は、第1樹脂層31からなる構成を備えていてもよい。
【0179】
ガイドワイヤ1の最先端部および最基端部は、図10に示すように、第1樹脂層31および第2樹脂層32によってほぼ半球状に形成されている。芯材2の最先端部および最基端部は第2樹脂層32によって覆われ、両端部は滑らかな表面を有している。さらに、その表面は、第1樹脂層31によって覆われている。なお、ガイドワイヤ1の最先端部および最基端部として、第2樹脂層32を半球状に形成してもよい。また、第1樹脂層を半球状に形成してもよい。
さらには、第1樹脂層31および第2樹脂層32と異なる樹脂によって、半球状の最先端部および最基端部としてもよい。具体的には、第1樹脂層31よりも柔軟な樹脂によってガイドワイヤ1の最先端部および最基端部を半球状に形成することによって、特に先端側において血管内壁へのダメージが抑制できる。
【0180】
以上、本発明のガイドワイヤを図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができ、また、任意の構成のものが付加されていてもよい。
【0181】
特に、第1〜第8実施形態のうちの任意の2以上を組み合わせた構成であってもよい。
【0182】
また、本発明のガイドワイヤの用途は、内視鏡のルーメンに挿入して使用するもの(経内視鏡ガイドワイヤ)に限定されない。
【0183】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のガイドワイヤによれば、X線等による造影性を確保しつつ、マーカ等を構成する発色部を有することで、例えば内視鏡での観察により生体内においてガイドワイヤの位置等を視認することができる。
【0184】
特に、発色部は、所望の位置に所望の形状やサイズで形成された視認マーカとすることができ、視認性の向上が図れる。
【0185】
また、発色部は、芯材を被覆する樹脂層(被覆層)の素地との鮮明な色差、明度(コントラスト)を与えることができ、また、剥離、溶解等による消失や退色が生じ難く、よって、視認性に優れたマーカを得ることができる。そして、隆起や窪みのないマーカとすることができる。
【0186】
樹脂層(第1樹脂層)中に含まれている造影剤が金属酸化物粉末であるため、樹脂層の表面にレーザ光を照射して発色部を形成する際に、造影剤の酸化等の変質、劣化が生じ難く、スパーク等も生じない。従って、レーザ光の種類や照射強度(エネルギ)の選択の幅が広く、発色剤の発色をより鮮明なものとすることができ、マーカのさらなる視認性向上に寄与する。
【0187】
また、本発明のガイドワイヤによれば、ガイドワイヤの先端部分において、その柔軟性が先端に向かって徐々に増大し、しなやかに湾曲することができる。そのため、キンク(急峻な折れ曲がり)を防止することができるとともに、ガイドワイヤをカテーテル等を介して生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する。
【0188】
また、ガイドワイヤに曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、被覆層の剥離や、重なり部における第1樹脂層と第2樹脂層との剥離は生じない。
【0189】
特に、重なり部において、第1樹脂層の厚さが先端に向かって漸減し、第2樹脂層の厚さが先端に向かって漸増するよう構成した場合には、重なり部およびその前後近傍付近におけるガイドワイヤの柔軟性の変化がより緩徐となり、また、第1樹脂層と第2樹脂層との密着性も高まるので、上記効果がより顕著に発揮される。
【0190】
また、ガイドワイヤの先端部に造影性を付与しあるいはより高い造影性を付与した場合には、ガイドワイヤの生体内での位置、特にガイドワイヤ先端部の位置を体外にて容易に確認することができる。
【0191】
また、外表面に親水潤滑性コーティングおよび/または疎水潤滑性コーティングを施した場合には、ガイドワイヤの挿入や抜去の際の操作をより円滑、安全に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガイドワイヤの第1実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本発明のガイドワイヤの第1実施形態を模式的に示す側面図である。
【図3】本発明のガイドワイヤの第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図4】本発明のガイドワイヤの第3実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図5】本発明のガイドワイヤの第3実施形態を模式的に示す側面図である。
【図6】本発明のガイドワイヤの第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図7】本発明のガイドワイヤの第5実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図8】本発明のガイドワイヤの第6実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図9】本発明のガイドワイヤの第7実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図10】本発明のガイドワイヤの第8実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ガイドワイヤ
2 芯材
22 本体部
24 テーパ部
241 テーパ部基端
242 テーパ部先端
244 第1テーパ部
246 第2テーパ部
26 小径部
3 樹脂層(被覆層)
30 外表面
31 第1樹脂層
32 第2樹脂層
33 重なり部
4 造影部
41 外表面
42 金属部材
5 視認マーカ(発色部)

Claims (5)

  1. 線状の芯材と、
    前記芯材の少なくとも一部を覆い、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された樹脂層と、
    前記樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有することを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記芯材の先端部に、前記樹脂層より造影機能が高い造影部を有する請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
    前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された第1樹脂層と、前記第1樹脂層の先端側に位置する第2樹脂層とを有する被覆層と、
    前記第1樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有し、
    前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっている重なり部を形成し、該重なり部の少なくとも一部が前記テーパ部上に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
  4. 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
    前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された第1樹脂層と、前記第1樹脂層の先端側に位置する第2樹脂層とを有する被覆層と、
    前記第1樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有し、
    前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっている重なり部を形成し、該重なり部において、前記第1樹脂層の厚さが先端に向かって減少し、前記第2樹脂層の厚さが先端に向かって増加することを特徴とするガイドワイヤ。
  5. 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
    前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、レーザ光の照射により発色し得る発色剤と金属酸化物の粉末よりなる造影剤とが添加された第1樹脂層と、その少なくとも一部が前記第1樹脂層と前記芯材との間に位置する第2樹脂層とを有する被覆層と、
    前記第1樹脂層に設けられ、前記発色剤の発色による発色部とを有することを特徴とするガイドワイヤ。
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