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JP4283035B2 - 溶融炉及びプラズマアークの再着火方法 - Google Patents
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JP4283035B2 - 溶融炉及びプラズマアークの再着火方法 - Google Patents

溶融炉及びプラズマアークの再着火方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、都市ごみ、下水汚泥、或いはその他の廃棄物を廃棄物焼却炉で焼却することによって発生する焼却灰等の被溶融物をプラズマアークで溶融処理する溶融炉に関し、特にプラズマアークが消滅した場合、炉体内に再着火棒を自動的に挿入し、即座にプラズマの着火再生が可能な溶融炉及びプラズマアークの再着火方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ、下水汚泥、或いはその他の廃棄物を廃棄物焼却炉で焼却することによって発生する焼却灰の減容化処理方法として、この焼却灰をプラズマ溶融炉等の溶融炉に投入し溶融する方法が行われている。図1は従来のこの種の溶融炉であるプラズマ溶融炉の概略構成を示す図である。プラズマ溶融炉1は炉蓋2、炉体3を具備し、炉蓋2にはプラズマトーチ4を挿入するトーチ挿入口5が設けられ、炉体3の底部には対極6が設けられている。プラズマトーチ4と対極6の間に電圧を印加し、該プラズマトーチ4と対極6の間にプラズマアーク10を発生させ、その熱により炉体3内に投入された焼却灰7を溶融し、溶融スラグ8aとする。溶融スラグ8aは排出口9からオーバフローにより炉外に排出され、埋立処分、再資源化(路盤材等)に利用される。また、成形機により成形されて製品化される。なお、焼却灰7の溶融に伴って発生する排ガスGは排ガス処理システム(図示せず)に送られ処理される(非特許文献1参照)。
【0003】
上記構成のプラズマ溶融炉において、プラズマトーチ4と対極6の間にプラズマアークを発生させ、焼却灰7のように酸化物を主成分とする廃棄物を溶融処理するためには、溶融スラグ8a及びベースメタル8bの電気的抵抗が低く保たれなければならない。ベースメタル8bは温度に関わらず、液体(溶融状態)、固体であっても電気的抵抗はきわめて低い。しかし、溶融スラグ8aは温度が高く溶融状態であるとその電気的抵抗は低いが、温度が下がり粘性が高くなるとともに電気的抵抗値は上昇し、電気伝導性が悪くなり、アークの再発生ができない。また、溶融スラグ上に酸化物等の組成が不均一な温度の低い焼却灰7が多量に投入されると、アーク電力の変動が大きく、また、プラズマアーク10が消滅する現象が発生する。このプラズマアーク10が消滅した場合は、ベースメタル8b上を導電性のない焼却灰が覆った状態となるため、プラズマアーク10の再発生ができないという問題があった。
【0004】
従来、プラズマアークが消滅し再度プラズマアークを発生させる場合、例えば再着火棒11を用意し、プラズマ溶融炉1のトーチ挿入口5から挿入ハンドルの先端に装着した再着火棒11を挿入し、図2に示すように、対極6上に載置し、ベースメタル8bが安定するまで挿入ハンドルを押え、溶融部分が若干固化してきて再着火棒11が転倒しない状態になったら、ハンドルを再着火棒から抜く。その後、再着火棒11とプラズマトーチ4の間にプラズマアーク10を発生させプラズマアークの再生を行っていた。この人手による再着火棒11を炉体3内に挿入し、対極6上に載置し固定する作業は困難で煩わしいものであった。特に、プラズマアーク10がアーク電力の変動により消滅した場合、炉体3内の溶融スラグ8aの中に柱状の再着火棒11を挿入し、対極6の上に配置する作業は危険を伴う極めて困難な作業であった。
【0005】
【非特許文献1】
選鉱製錬研究所彙報 第46巻第1号 1990年 6月 東北大学
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、人手によることなく、自動的に炉体内に再着火棒を挿入し、即座にプラズマアークの再着火ができる溶融炉及びプラズマアークの再着火方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の本発明は、炉体、プラズマトーチ、炉体上部に設けたプラズマトーチ挿入口を具備し、該炉体内に投入された被溶融物を該プラズマトーチと炉体底部で且つプラズマトーチ挿入口に対向する位置に設けた対極の間に発生させたプラズマアークにより溶融し、該対極上にベースメタル及び該ベースメタルの上部に溶融スラグを形成する溶融炉において、再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を対極上で且つ対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構と、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合、再着火棒を再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を対極上部に形成されている溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させてベースメタル中で、且つ対極の上に挿入し、プラズマトーチと対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を保持部から離脱させ、再着火棒装着部を上昇させて炉体から抜き出す制御を行う制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0008】
上記のように再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を対極上で且つ対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構と、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合、再着火棒を再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を対極上部に形成されている溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させてベースメタル中で、且つ対極の上に挿入し、プラズマトーチと対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を保持部から離脱させ、再着火棒装着部を上昇させて炉体から抜き出す制御を行う制御手段とを設けたので、人手によることなく、自動的に再着火棒をプラズマトーチと対極の間に挿入し、プラズマトーチと再着火棒の間でプラズマアークを発生することができる。また、再着火棒をプラズマトーチと対極の間に挿入すると、即座にプラズマトーチと再着火棒の間でプラズマアークを発生させることができるから、プラズマアークの再生が即座(短時間)にできる。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の溶融炉において、再着火棒挿入機構は、先端に再着火棒を保持する保持部を有し、且つ軸受部材で回転自在に支持された円柱状部材と、該円柱状部材を覆う二重管とを具備することを特徴とする。
【0012】
上記のように回転自在な円柱状部材と、該円柱状部材を覆う二重管を具備するので、二重管に冷媒を供給し、円柱状部材先端の保持部に再着火棒を保持して、円柱状部材を高温から保護しながら、再着火棒を高温の溶融炉内に挿入することができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の溶融炉において、再着火棒挿入機構が具備する二重管には、冷却水を注入するための給水口と、該注入された冷却水を排出するための排水口を設けたことを特徴とする。
【0014】
上記のように二重管に給水口及び排水口を設けたので、二重管内に冷却水を供給することにより、円柱状部材を高温雰囲気に曝すことなく、該円柱状部材先端の保持部に保持した再着火棒を、高温の溶融炉内に挿入することができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、炉体、プラズマトーチ、炉体上部に設けたプラズマトーチ挿入口を具備し、該炉体内に投入された被溶融物を該プラズマトーチと炉体底部で且つプラズマトーチ挿入口に対向する位置に設けた対極の間に発生させたプラズマアークにより溶融し、該対極上にベースメタル及び該ベースメタルの上部に溶融スラグを形成する溶融炉におけるプラズマアークの再着火方法において、再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を対極上で且つ対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構を備え、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合、再着火棒を再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を対極上部に形成されている溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させてベースメタル中で、且つ対極の上に挿入し、プラズマトーチと対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を保持部から離脱させ、再着火棒装着部を上昇させて炉体から抜き出すことを特徴とする。
【0016】
上記のように再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を対極上で且つ対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構を備え、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合、再着火棒を再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を対極上部に形成されている溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させてベースメタル中で、且つ対極の上に挿入し、プラズマトーチと対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を保持部から離脱させることにより、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合に、短時間にプラズマアークの再生が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図3及び図4は本発明に係る溶融炉の概略構成例を示す図であり、図3は平面図、図4は側面図である。図3及び図4において、図1と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。溶融炉であるプラズマ溶融炉1は炉蓋2、炉体3を具備し、炉蓋2にはプラズマトーチ4を挿入するトーチ挿入口5が設けられ、炉体3の底部にはプラズマトーチ4と対向して対極(図示は省略)が設けられている。
【0018】
20はプラズマ溶融炉1内にトーチ挿入口5からプラズマトーチ4を挿入するプラズマトーチ挿入機構であり、該プラズマトーチ挿入機構20は支柱21に旋回機構26等で旋回自在に支持された旋回台32にブラケット33を介して取付けられている。プラズマトーチ挿入機構20はプラズマトーチ4の上端部を保持し、プラズマトーチを上下動させる上下動機構22を具備している。また、プラズマ溶融炉1の炉体3の周囲には高融点物質を含む焼却灰を炉体3内に供給するための焼却灰供給装置24が1台ないし2台又は3台設置されている。また、炉体3の周囲には排ガスや溶融スラグを排出するための排出口25が設けられている。
【0019】
プラズマトーチ挿入機構20は旋回機構26で図3のA位置、即ちプラズマトーチ4がトーチ挿入口5の真上に達する位置Aと、B位置、即ちプラズマトーチ4の待機位置との間を旋回できるようになっている。また、炉蓋2に再着火棒挿入口12が設けられており、該再着火棒挿入口12から再着火棒挿入機構13に装着された再着火棒11を炉体3内に挿入できるようになっている。
【0020】
図5及び図6は再着火棒挿入機構13の構成を示す図で、図5は再着火棒挿入機構13の全体構成を、図6(a)は再着火棒装着部の詳細構成を、図6(b)、(c)はそれぞれ再着火棒11の端部を示す一部側断面図、正面図である。再着火棒挿入機構13は該再着火棒装着部14を具備し、該再着火棒装着部14は円柱状部材14−1を内管14−2aと外管14−2bからなる二重管14−2で覆った構造である(図7参照)。該円柱状部材14−1は再着火棒装着部14の先端部に設けた軸受部材14−4に回転自在に支持され、モータ14−3で回転するようになっている。
【0021】
また、再着火棒装着部14は電気絶縁部材30及び30を介在させ電気絶縁部材15−1及び15−2に取付けられ、該電気絶縁部材15−1及び15−2はねじ部材16に螺合し、該ねじ部材16をモータ19で回転することにより、電気絶縁部材15−1及び15−2を介して再着火棒装着部14は矢印A方向に移動するようになっている。再着火棒装着部14の移動量はリミットスイッチ18−1、18−2で検出されるようになっている。なお、再着火棒挿入機構13は台部材31に搭載され、該台部材31は支柱45、45で支持されている(図4参照)。また図4に示すように、支柱45、45の途中には電気絶縁板46、46が介在し、再着火棒挿入機構13は支柱45、45の下部と電気的に絶縁されている。
【0022】
再着火棒11の後端部を保持する再着火棒保持部17は、図6(a)、(b)、(c)に示すように再着火棒11の後端部に設けた円錐台形状凹部11aに設けた雌ねじ溝11bに、再着火棒装着部14の円柱状部材14−1の先端に設けた雄ねじ溝14−1aを螺合させることにより、再着火棒11を円柱状部材14−1に装着保持できる保持機構となっている。
【0023】
また、再着火棒11の後端外周には四角錐台状凸部11cが形成され、再着火棒装着部14の先端部に設けた軸受部材14−4にはこの四角錐台状凸部11cが挿入される四角錐台状凹部14−4aが形成されており、再着火棒11の後端部を軸受部材14−4の四角錐台状凹部14−4aに押し当て、モータ14−3を正回転させることにより円柱状部材14−1先端の雄ねじ溝14−1aを再着火棒11後端部の雌ねじ溝11bにねじ込み螺合させて再着火棒11を円柱状部材14−1に装着する。また、モータ14−3を逆転させることにより再着火棒11から円柱状部材14−1を脱着する。この装着及び脱着に際して再着火棒11の後端部の四角錐台状凸部11cは軸受部材14−4の四角錐台状凹部14−4aに嵌合して再着火棒11の回転は阻止されるから、装着及び脱着は容易に実現できる。
【0024】
なお、モータ14−3の回転軸と円柱状部材14−1は電気絶縁部材30を介在させたカップリング14−7で連結され、モータ14−3の回転軸と円柱状部材14−1は電気的に絶縁されている。また、二重管14−2も電気絶縁部材30を介在させたブラケット15−3を介して台部材31に移動自在に支持されている。このようにモータ14−3の回転軸と円柱状部材14−1の間、及び再着火棒装着部14の二重管14−2と電気絶縁部材15−1の間、モータ14−3と電気絶縁部材15−2の間にそれぞれ電気絶縁部材30を介在させて再着火棒装着部14と台部材31の間を電気的に絶縁することにより、再着火時に再着火棒11に発生する高電圧が台部材31に伝わるのを阻止し、感電の危険を防止することができる。例えば、再着火棒11と炉底対極間にほんの1Ωの抵抗があると、再着火時に最低400Aの電流を流すので、再着火棒11に400Vの電圧が発生する。この電圧が台部材31に伝わり、感電の危険がある。
【0025】
再着火棒装着部14の円柱状部材14−1を覆う二重管14−2には、図7に示すように、その内外管の間の空間14−2aに連通する給水口14−5と排水口14−6が設けられ、給水口14−5から空間14−2a中に冷却水を注入し、排水口14−6から排水することにより、再着火棒装着部14を水冷却するようになっている。このように二重管14−2の内管と外管の間の空間14−2aに冷却水を流すことにより、外からの強い輻射熱をこの冷却水で冷却し内部の昇温を防ぐことができる。また、円柱状部材14−1を収容する内管の空間14−2bに冷却空気等の冷却ガスを流すことで、再着火棒11を把持する円柱状部材14−1の先端部まで冷却できる。ここで冷却水による冷却と冷却ガスによる冷却を併用しているのは、冷却ガスを二重管14−2の内管先端部から炉内に放散することにより、再着火棒11を把持する円柱状部材14−1をその先端部まで効果的に冷却することができると共に、冷却空気等の冷却ガスは炉内に放散しても弊害が少ないからである。なお、円柱状部材14−1の先端部まで冷却する水冷ジャケットを形成することは構造上難しい。
【0026】
上記構成の溶融炉において、図4に示すように、再着火棒装着部14に、再着火棒11を装着し、モータ19を正回転させることにより、再着火棒11は再着火棒挿入口12に向って移動し、更に該再着火棒挿入口12を通って、その先端が図8に示すように炉体3内の所定位置(対極6の真上で且つベースメタル8b中の位置)に到達する。この再着火棒11の所定位置での停止は、再着火棒装着部14の移動量をリミットスイッチ18−1で検出し、その検出信号を図示しない制御装置が受信したら、モータ19を停止する信号を出力し、モータ19を停止させる。また、再着火棒11の先端が炉底に到達するとモータ19の負荷電流値が増大するから、上記制御装置がモータ19の負荷電流値を監視し、所定の電流値を越えた時モータ19を停止する信号を出力してモータ19を停止するようにしてもよい。
【0027】
プラズマアーク10を再着火させる場合は、図8に示すように、再着火棒挿入機構13の再着火棒装着部14で再着火棒11を保持し、その先端を対極6上で且つベースメタル8bの中に保持した状態でプラズマトーチ4と対極6の間に電圧を印加し、プラズマアーク10を発生させる。プラズマアーク10が発生した後、モータ14−3を逆転させることにより再着火棒11を離脱させる。その後、モータ19を逆転させることにより、再着火棒装着部14は炉体3から抜け出て、炉体3外の所定位置に達したら、それをリミットスイッチ18−2が検出し、モータ19を停止することにより、再着火棒装着部14は停止する。なお、再着火棒11はプラズマアーク10の熱により溶融し、炉体3内に形成されるベースメタル8bと混合される。また、ベースメタル8bの上にはそれより比重の軽い溶融スラグ8aの層が形成される。
【0028】
なお、上記再着火棒挿入機構13において、上記のように円柱状部材14−1、二重管14−2は電気絶縁部材30、30を介して台部材31、電気絶縁部材15−1と電気的に絶縁され、更に円柱状部材14−1とモータ14−3の回転軸はカップリング14−7の電気絶縁部材30で電気的に絶縁されているから、図5に示すように、再着火棒11を円柱状部材14−1の再着火棒保持部17に保持したままプラズマトーチ4と対極6の間に電圧を印加して、プラズマアーク10を発生させても電気的には問題ない。
【0029】
上記のように再着火棒装着部14で再着火棒11を保持したまま、プラズマアーク10を発生させることができ、プラズマアーク10が発生後、再着火棒11を離脱させることができるから、即座にプラズマアーク10を再発生させることができる。これに対して、従来のプラズマアーク10の再生方法例では、再着火棒11の先端部周辺の溶融部分が若干固化して再着火棒11が転倒しない状態になったら、再着火棒11を離脱させ、その後プラズマトーチ4と再着火棒11の間にプラズマアーク10を発生させるので、即座にプラズマアーク10の再発生ができない。
【0030】
図9及び図10は本発明に係る溶融炉の概略構成例を示す図であり、図9は平面図、図10は側面図である。図において、40はプラズマトーチ挿入機構であり、該プラズマトーチ挿入機構40は支柱21に旋回機構26で旋回自在に支持された旋回台32にブラケット41を介して取付けられている。また、プラズマトーチ挿入機構40は、プラズマトーチ4を取付けるトーチ取付台42を具備し、該トーチ取付台42にプラズマトーチ4を取り付ける。
【0031】
トーチ取付台42は、プラズマトーチ4を上下動できるようになっている。また、前後移動機構43を具備し、該前後移動機構43により矢印Eに示すように前後に移動できるようになっており、更に左右移動機構44を具備し、該左右移動機構44により矢印Fに示すように左右に移動できるようになっている。また、プラズマトーチ挿入機構40のトーチ取付台42にプラズマトーチ4を取付け、旋回機構26による図9のA位置とB位置の旋回動作、上下動機構の上下動作により、プラズマトーチ4をプラズマ溶融炉1の炉体3内に挿入できるようになっている。再着火棒挿入口12からは、図示は省略するが、図4に示すのと同様、再着火棒挿入機構13により、再着火棒11を炉体3内に挿入し、所定位置に位置決めできるようになっている。
【0032】
上記の構成の溶融炉において、再着火棒挿入機構13により再着火棒11を再着火棒挿入口12から図8に示すように、炉体3内の所定位置に挿入する。その後、図9のB位置から旋回機構26でプラズマトーチ挿入機構40をA位置まで旋回させ、この状態で上下動機構により下降させ、プラズマトーチ4の先端を対極6の上方の所定位置まで下降させ、プラズマトーチ4と対極6の間に所定の電圧を印加し、プラズマアークを発生させる。プラズマアークの着火、再着火棒11の脱着を行い、再着火棒挿入機構13の再着火棒装着部14を炉体3から抜出す。焼却灰供給装置24から焼却灰を供給し、これを溶融する。
【0033】
プラズマアークがアーク電力の変動等により不意に消滅し、即座にプラズマアーク10を発生する必要がある場合は、図8に示すように、再着火棒挿入機構13の再着火棒装着部14に再着火棒11を装着し、対極6上に保持した状態でプラズマトーチ4と対極6の間に電圧を印加し、プラズマアーク10を発生させる。プラズマアーク10が発生した後、モータ14−3を逆転させることにより、上記のように再着火棒11を再着火棒装着部14の円柱状部材14−1の先端部から脱着させる。
【0034】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように各請求項に記載の発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
【0036】
請求項1に記載の発明によれば、再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を対極上で且つ対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構と、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合、再着火棒を再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を対極上部に形成されている溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させてベースメタル中で、且つ対極の上に挿入し、プラズマトーチと対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を保持部から離脱させ、再着火棒装着部を上昇させて炉体から抜き出す制御を行う制御手段とを設けたので、人手によることなく、自動的に再着火棒をプラズマトーチと対極の間に挿入し、プラズマトーチと再着火棒の間でプラズマアークを発生することができる。また、再着火棒をプラズマトーチと対極の間に挿入すると、即座にプラズマトーチと再着火棒の間でプラズマアークを発生させることができるから、プラズマアークの再生が即座(短時間)にできる。
【0038】
請求項に記載の発明によれば、回転自在な円柱状部材と、該円柱状部材を覆う二重管を具備するので、二重管に冷媒を供給し、円柱状部材先端の保持部に再着火棒を保持して、円柱状部材を高温から保護しながら、再着火棒を高温の溶融炉内に挿入することができる。
【0039】
請求項に記載の発明によれば、二重管に給水口及び排水口を設けたので、二重管内に冷却水を供給することにより、円柱状部材を高温雰囲気に曝すことなく、該円柱状部材先端の保持部に保持した再着火棒を、高温の溶融炉内に挿入することができる。
【0040】
請求項4に記載の発明によれば、再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を対極上で且つ対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構を備え、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合、再着火棒を再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を対極上部に形成されている溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させてベースメタル中で、且つ対極の上に挿入し、プラズマトーチと対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を保持部から離脱させることにより、被溶融物の溶融中にプラズマアークが消滅した場合に、短時間にプラズマアークの再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の溶融炉であるプラズマ溶融炉の概略構成を示す図である。
【図2】プラズマ溶融炉に再着火棒を配置しプラズマアークを発生させた状態を示す図である。
【図3】本発明に係る溶融炉の概略構成例を示す平面図である。
【図4】本発明に係る溶融炉の概略構成例を示す側面図である。
【図5】本発明に係る溶融炉に用いる再着火棒挿入機構の全体構成例を示す図である。
【図6】図6(a)は再着火棒挿入機構の再着火棒装着部の詳細構成を、図6(b)、(c)はそれぞれ再着火棒の端部を示す一部側断面図、正面図である。
【図7】再着火棒挿入機構の再着火棒装着部の断面図である。
【図8】本発明に係る溶融炉に再着火棒を配置しプラズマアークを発生させた状態を示す図である。
【図9】本発明に係る溶融炉の概略構成例を示す平面図である。
【図10】本発明に係る溶融炉の概略構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ溶融炉
2 炉蓋
3 炉体
4 プラズマトーチ
5 トーチ挿入口
6 対極
7 焼却灰
8a 溶融スラグ
8b ベースメタル
9 排出口
10 プラズマアーク
11 再着火棒
12 再着火棒挿入口
13 再着火棒挿入機構
14 再着火棒装着部
14−1 円柱状部材
14−2 二重管
14−3 モータ
14−4 軸受部材
14−5 給水口
14−6 排水口
14−7 カップリング
15−1 電気絶縁部材
15−2 電気絶縁部材
15−3 ブラケット
16 ねじ部材
17 再着火棒保持部
18−1 リミットスイッチ
18−2 リミットスイッチ
19 モータ
20 プラズマトーチ挿入機構
21 支柱
22 上下動機構
24 焼却灰供給装置
25 排出口
26 旋回機構
28 トーチ取付台
30 電気絶縁部材
31 台部材
32 旋回台
33 ブラケット
40 プラズマトーチ挿入機構
41 ブラケット
42 トーチ取付台
43 前後移動機構
44 左右移動機構
45 支柱
46 電気絶縁板

Claims (4)

  1. 炉体、プラズマトーチ、前記炉体上部に設けたプラズマトーチ挿入口を具備し、該炉体内に投入された被溶融物を該プラズマトーチと前記炉体底部で且つ前記プラズマトーチ挿入口に対向する位置に設けた対極の間に発生させたプラズマアークにより溶融し、該対極上にベースメタル及び該ベースメタルの上部に溶融スラグを形成する溶融炉において、
    再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を前記対極上で且つ前記対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構と、
    前記被溶融物の溶融中に前記プラズマアークが消滅した場合、前記再着火棒を前記再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を前記対極上部に形成されている前記溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させて前記ベースメタル中で、且つ前記対極の上に挿入し、前記プラズマトーチと前記対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を前記保持部から離脱させ、前記再着火棒装着部を上昇させて炉体から抜き出す制御を行う制御手段とを設けたことを特徴とする溶融炉。
  2. 請求項1に記載の溶融炉において、
    前記再着火棒挿入機構は、先端に前記再着火棒を保持する保持部を有し、且つ軸受部材で回転自在に支持された円柱状部材と、該円柱状部材を覆う二重管とを具備することを特徴とする溶融炉。
  3. 請求項に記載の溶融炉において、
    前記再着火棒挿入機構が具備する前記二重管には、冷却水を注入するための給水口と、該注入された冷却水を排出するための排水口を設けたことを特徴とする溶融炉。
  4. 炉体、プラズマトーチ、前記炉体上部に設けたプラズマトーチ挿入口を具備し、該炉体内に投入された被溶融物を該プラズマトーチと前記炉体底部で且つ前記プラズマトーチ挿入口に対向する位置に設けた対極の間に発生させたプラズマアークにより溶融し、該対極上にベースメタル及び該ベースメタルの上部に溶融スラグを形成する溶融炉におけるプラズマアークの再着火方法において、
    再着火棒を先端に着脱可能に保持する保持部を有し、該再着火棒の先端を前記対極上で且つ前記対極上部に形成されているベースメタル中に挿入する再着火棒装着部と該再着火棒装着部と電気的に絶縁され該再着火棒装着部を上下動させる上下機構を設けた再着火棒挿入機構を備え、
    前記被溶融物の溶融中に前記プラズマアークが消滅した場合、前記再着火棒を前記再着火棒挿入機構の保持部に保持したまま該再着火棒の先端を前記対極上部に形成されている前記溶融スラグが固化する前に該溶融スラグを貫通させて前記ベースメタル中で、且つ前記対極の上に挿入し、前記プラズマトーチと前記対極の間に電圧を印加し、該プラズマトーチと該再着火棒の間でプラズマアークが再生した後に該再着火棒を前記保持部から離脱させ、前記再着火棒装着部を上昇させて炉体から抜き出すことを特徴とする溶融炉におけるプラズマアークの再着火方法。
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