JP4283366B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、プラズマによって基板の表面に所定の処理を施すプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマによって基板の表面に所定の処理を施すことは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)をはじめとする各種半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の製造において盛んに行われている。例えば、基板の表面に微細な回路を形成する場合には、レジストパターンをマスクとしたエッチング工程において、プラズマによって基板をエッチングするプラズマエッチングが行われている。また、各種導電膜や絶縁膜の作成においては、プラズマ中での気相反応を利用したプラズマCVD(化学蒸着)の手法が実用化されている。
【0003】
図9は、従来のプラズマ処理装置の一例としてのプラズマエッチング装置の概略構成を示す正面図である。図9に示す装置は、排気系11を備えた処理チャンバー1と、処理チャンバー1内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系12と、導入されたプロセスガスにエネルギーを与えて処理チャンバー内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、プラズマによって処理される位置に基板を保持する基板ステージ2とを備えている。
【0004】
図9に示す装置では、高周波放電によってプラズマを形成するようになっている。即ち、プラズマ形成手段は、処理チャンバー1内に高周波電界を設定する高周波電源44によって構成されている。基板ステージ2は高周波放電のための下部電極4をその一部として備えており、下部電極4に高周波電源44が接続されている。
【0005】
また、下部電極4の上方には、上部電極5が設けられている。上部電極5は、処理チャンバー1とともに接地されている。上部電極5と下部電極4とは、一対の平行平板電極のように平行に対向している。
上部電極5は、処理チャンバー1内へのプロセスガスの供給経路にも兼用されている。即ち、上部電極5は、中空状であり、下面にガス吹き出し孔51を多数有する。プロセスガス導入系12の配管は上部電極5に接続されており、プロセスガスは、上部電極5の内部空間に一旦供給された後、ガス吹き出し孔51から吹き出して下方の放電空間に導入されるようになっている。
【0006】
基板ステージ2は、上面に基板9を載置して保持するようになっている。基板ステージ2は、基板9の温度を制御するための基板温度制御機構3を備えている。基板温度制御機構3は、基板ステージ2内に形成された空洞41に温媒を流通させるものであり、空洞41につながる温媒流入口42に接続された温媒供給管32と、空洞41につながる温媒流出口43に接続された温媒排出管33と、温媒供給管32と温媒排出管33との間に設けられたサーキュレータ31等から構成されている。
また、上記基板温度制御機構3による温度制御の精度を高めるため、基板9を静電気によって基板ステージ2に吸着する静電吸着機構45が設けられている。静電吸着機構45は、基板ステージ2の一部として上部に設けられた誘電体ブロック21内に埋設された吸着電極451と、吸着電極451に直流電圧を印加する吸着電源452とから主に構成されている。尚、基板ステージ2の周囲は、絶縁ブロック24で覆われている。
【0007】
図9に示す装置では、基板ステージ2上に基板9が載置されると、静電吸着機構45が動作して基板9が基板ステージ2に静電吸着される。その後、プロセスガス導入系12が動作してプロセスガスが所定の流量で導入され、この状態でプラズマ形成手段が動作する。即ち、高周波電源44が動作してプロセスガスに高周波放電が生じ、プラズマが形成される。このプラズマの作用によって、基板9の表面に所定の処理が施される。
例えばフッ化炭素系ガスを導入してプラズマを形成し、プラズマ中で生成されるフッ化炭素ラジカルやフッ素ラジカル等との反応を利用して基板9の表面をエッチングする。この際、プラズマと基板9との間に電界を設定してプラズマ中のイオンを基板9に入射させるリアクティブイオンビームエッチング(RIE)を行うと、異方性エッチングが行えるため好適である。
【0008】
具体的には、基板9に高周波電圧を与えて高周波とプラズマとの相互作用により基板9に負の自己バイアス電位を与える。この負の自己バイアス電位により基板9に垂直な電界が設定され、プラズマ中のイオンが垂直に入射する。そして、イオン入射によるエネルギーがラジカルのエッチング反応に作用し、イオンが入射した部分にのみ効率的にエッチングが行われる。この結果、レジストパターンの開口から垂直にエッチングが進行し、サイドエッチ等の問題のないエッチングが行われる。
【0009】
尚、基板ステージ2の基板保持面の周囲には、保護リング23が設けられている。保護リング23は、基板ステージ2の表面をプラズマから保護するためのものである。基板ステージ2の基板9によって覆われない表面部分は、処理の際にプラズマに晒される恐れがある。プラズマに晒されると、プラズマ中の活性種等の作用により表面がエッチングされ、基板ステージ2の材料のパーティクルが処理チャンバー1内に放出される。基板ステージ2の材料はステンレス等であり、基板9とは異なることが多い。従って、パーティクルが基板9の表面に付着すると、表面を汚損し、回路欠陥等を生じさせる場合がある。
そこで、プラズマに晒される恐れのある基板ステージ2の表面部分を覆うようにして、保護リング23が設けられている。保護リング23は、基板9と同様のシリコン等の材料であり、エッチングされても問題が無いようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のプラズマ処理装置では、基板ステージ2の表面や基板ステージ2の基板保持面の側方に存在する部材の表面に生成物が堆積する問題があった。この問題について、図10を使用して説明する。図10は、図9に示す従来のプラズマ処理装置の問題点を説明した図であり、図9に示す基板ステージ2の周辺部分を拡大した図である。
【0011】
前述したプラズマ処理装置の一例としてのプラズマエッチング装置では、エッチングの競合現象として生成物の堆積が生じている。例えば上述したようにフッ化炭素系ガスを導入してエッチングを行う場合、フッ素及び炭素から構成されている重合膜が生成物として堆積する。この場合、基板の表面等では堆積速度よりエッチング速度の方が遙かに高いため、このような膜が実際に堆積することはない。
【0012】
しかしながら、図10(1)に示すように、基板ステージ2の一部として設けられた誘電体ブロック21の側面には、生成物10が実際に堆積する。この理由は、図9に示す装置はRIEを行う装置であることに関係している。即ち、前述した通り、RIEでは、イオン入射のエネルギーを利用してエッチングを行う。従って、イオンが入射しないところでは、活性種が存在していてもエッチングが十分に進行しない。
図10(1)に示すように、誘電体ブロック21の上面(基板保持面)は基板9よりも少し小さく、従って、誘電体ブロック21の側面へのイオン入射は基板9によって遮蔽された状態となる。このため、誘電体ブロック21側面にはイオンが十分に入射せず、エッチングが十分に進行しない。この結果、堆積現象のみが専ら進行し、生成物10が堆積する。
堆積した生成物10は、内部応力等が原因で剥離する場合がある。剥離した生成物10は、パーティクルとなり、処理チャンバー1内を浮遊する。このパーティクルが基板9の表面に付着すると、回路の断線等の致命的な欠陥を発生させる場合がある。
【0013】
また、堆積した生成物10が基板9の搬入又は搬出の際などに飛散し、図10(2)に示すように基板保持面に付着することがある。基板保持面に生成物10が付着した状態で基板9が載置されると、基板ホルダー2と基板9との接触性が悪くなって基板温度制御機構3による温度制御の再現性が十分に得られなくなる。また、局所的に熱接触性の悪い部分ができるため、基板9の温度が不均一になり、プラズマ処理の均一性も悪くなる。さらに、プラズマに対する基板9の姿勢も変化するため、自己バイアス電位の与えられ方も不均一になり、この点もプラズマ処理の再現性や均一性を悪くする原因になる。
【0014】
このような生成物10の堆積は、上述したプラズマエッチング装置に限らず、他のプラズマ処理装置でも一般的に見られる現象である。例えば、プラズマ化学蒸着(CVD)装置では、もともと膜堆積用の装置であるため、基板の表面以外の不必要な場所への膜堆積が見られるし、アッシング(レジスト除去)装置などでも、除去したレジストの残査が生成物として堆積する現象が見られる。
本願の発明は、このようなプラズマ処理装置における生成物の堆積の問題を解決するために成されたものであり、生成物の堆積を抑制することで、パーティクルの発生や処理の再現性低下等の問題を未然に防ぐ技術的意義を有する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、排気系を備えた処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、導入されたプロセスガスにエネルギーを与えて処理チャンバー内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、プラズマによって処理される位置に基板を保持する基板ステージとを備えたプラズマ処理装置であって、前記基板ステージの表面又は基板ステージの基板保持面の側方に設けられた部材の表面に生成物が堆積するのを抑制するための堆積抑制用ガスを供給する堆積抑制用ガス供給系が設けられており、
堆積抑制用ガス供給系は、堆積抑制用ガスを基板ステージと基板との間を経由して基板ステージの側方に流出させるものであり、
基板ステージの基板保持面は、保持された基板に接触する突起と、基板に接触しない突起とを有する凹凸状に形成されており、基板に接触しない突起は、基板保持面の周縁に沿って延びる円周状の突起であり、基板に接触する突起は、この円周状の突起の内側に形成されているという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成において、前記基板に接触する突起は、均等間隔で設けられた複数の突起であるという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2の構成において、基板を静電気によって基板ステージに吸着する静電吸着機構が設けられており、前記基板に接触する突起の基板に接触する面の全面積は、基板の裏面の面積の5%以上10%以下であるという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3いずれかの構成において、前記生成物は、処理チャンバー内に導入されたガスの反応により生成し堆積するものであり、前記堆積抑制用ガスは、プリカーサ濃度を低下させるものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記基板ステージは、当該基板ステージを所定の温度に維持して前記基板の温度を制御する基板温度制御機構を備えており、前記基板ステージと前記基板との間で熱を伝える熱伝達用のガスを前記基板ステージと前記基板との間に供給する熱伝達用ガス供給系が設けられており、この熱伝達用ガス供給系は、前記堆積抑制用ガス供給系が兼用されているという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項6記載の発明は、上記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記基板ステージ内には当該基板ステージの側方に前記堆積抑制用ガスを導く側面用ガス供給路が設けられており、前記堆積抑制用ガス供給系は、前記基板ステージと基板との間を経由することに加えて、この側面用ガス供給路を経由させて基板ステージの側面から堆積抑制用ガスを供給するものであるという構成を有する。
上記課題を解決するため、本願の請求項7記載の発明は、上記請求項1乃至6いずれかの構成において、前記堆積抑制用ガス供給系は、供給する堆積抑制用ガスの流量を調整する流量調整器を備えており、この流量調整器は、堆積抑制用ガスの流量を10cc/分以上50cc/分以下の流量とするものであるという構成を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1は、本願発明の第一の実施の形態のプラズマ処理装置の構成を示した断面概略図である。以下の説明では、従来の技術の説明と同様、プラズマ処理装置の一例としてプラズマエッチング装置を採り上げて説明する。
【0017】
図1に示すプラズマ処理装置は、図9に示す従来の装置と同様に、排気系11を備えた処理チャンバー1と、処理チャンバー1内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系12と、導入されたプロセスガスにエネルギーを与えて処理チャンバー1内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、プラズマによって処理される位置に基板9を保持する基板ステージ2とを備えている。
【0018】
処理チャンバー1は、不図示のゲートバルブを備えた気密な容器で、電気的には接地されている。そして、処理チャンバー1は排気系11により10-6〜10-7Torr程度に排気されるよう構成されている。排気系11は、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプを備え、不図示の排気速度調整器が設けられている。
プロセスガス導入系12は、プラズマ処理に必要なプロセスガスを所定の流量で導入できるようになっている。本実施形態の装置は、従来と同様にプラズマエッチングを行うようになっており、プロセスガスとしてフッ化炭素系ガスを導入するようになっている。具体的には、プロセスガス導入系12は、四フッ化炭素等のプロセスガスを溜めたガスボンベ121と、処理チャンバー1とガスボンベ121を繋ぐ配管122と、配管122に設けられたバルブ123や流量調整器124とから主に構成されている。
【0019】
基板ステージ2は、処理チャンバー1内のプラズマに晒される位置に基板9を保持する台状の部材であり、その上面に基板9を保持するようになっている。基板ステージ2は、基板9が直接保持される部材である誘電体ブロック21と、誘電体ブロック21を載せた下部電極4とから構成されている。
【0020】
基板ステージ2の上方には、従来の装置と同様に上部電極5が設けられている。本実施形態では、上部電極5は、絶縁材53を介して処理チャンバー1内に設けられている。上部電極5と下部電極4とは、一対の平行平板電極のように平行に対向している。
上部電極5は、処理チャンバー1内へのプロセスガスの供給経路にも兼用されている。即ち、上部電極5は、中空状であり、下面にガス吹き出し孔51を多数有する。プロセスガス導入系12の配管122は上部電極5に接続されており、プロセスガスは、上部電極5の内部空間に一旦供給された後、ガス吹き出し孔51から吹き出して下方の放電空間に導入されるようになっている。
【0021】
プラズマ形成手段には、プロセスガス導入系12より処理チャンバー1内に導入されたプロセスガスに高周波電力を印加して、高周波放電によりプラズマを形成するものが採用されている。具体的には、プラズマ形成手段は、上述した上部電極5に接続されたプラズマ用高周波電源52により構成されている。プラズマ用高周波電源52は、周波数13.56MHzで、出力が最大で2500W程度のものである。上部電極5とプラズマ用高周波電源52との間には不図示の整合器が設けられている。
【0022】
また、本実施形態の装置では、プラズマからイオンを引き出して基板9に垂直に入射させるよう基板9に対して垂直な電界を設定する電界設定手段が設けられている。電界設定手段としては、高周波電力とプラズマとの相互作用により基板9に負の自己バイアス電位を与えるものが採用される。具体的には、電界設定手段は、下部電極4に接続された高周波電源44により構成されている。自己バイアス電位を与えるものとして、基板9と高周波電源44との間に適当なキャパシタンスが必要である。本実施形態では、上述した誘電体ブロック21がこのキャパシタンスを与えている。
【0023】
高周波電源44によって下部電極4に高周波電圧を印加すると、このキャパシタンスの充放電にプラズマ中の電子とイオンが作用し、電子とイオンの移動度の違いによって基板9に負の自己バイアス電位が生じる。プラズマの空間電位は殆ど0Vであるため、プラズマと基板9との間に基板9にむかって徐々に電位が下がる電界が設定される。プラズマ中の正イオンはこの電界によって基板9に垂直に入射する。
また、従来の装置と同様に、上述した上部電極5にプラズマ用高周波電源52を設けずに、この高周波電源44によってプラズマを形成する場合もある。
【0024】
基板ステージ2は、従来の装置と同様に基板温度制御機構3を備えている。本実施形態では、室温より低い温媒を基板ステージ2内に流通させて基板ステージ2を介して基板9を冷却するようになっている。この温媒としては、水よりも融点の低い液体、例えば、住友3M社製FX−300やアウジモント社製ガルテンHT等が用いられる。この温媒を−20〜30℃程度の範囲の所定の温度に保つことにより、基板9は70〜120℃程度の範囲の所定の温度に冷却維持される。
【0025】
また、本実施形態では、従来の装置と同様に、基板9を静電気によって基板ステージ2に吸着する静電吸着機構45が設けられている。尚、基板ステージ2の周囲は、絶縁ブロック24で覆われている。絶縁ブロック24は、プラズマにより基板ステージ2が損傷するのを防ぐためのものであり、セラミック、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)等のフッ素樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性の絶縁体で形成されている。
【0026】
さて、本実施形態の大きな特徴点は、基板ステージ2の表面又は基板ステージ2の基板保持面の側方に設けられた部材の表面に生成物が堆積するのを防ぐための堆積抑制用ガスを供給する堆積抑制用ガス供給系25が設けられている点である。本実施形態の装置では、基板ステージ2の一部として設けた誘電体ブロック21の表面や保護リング23の内側面に生成物が堆積する恐れがあり、これらの面が「基板ステージの表面又は基板ステージの基板保持面の側方に設けられた部材の表面」(以下、堆積面と称す)に相当している。
【0027】
堆積抑制用ガス供給系25は、基板ステージ2内及び基板ステージ2と基板9との間の空間を経由して基板ステージ2の側方に堆積抑制用ガスを供給するようになっている。具体的には、堆積抑制用ガス供給系25は、堆積抑制用のガスを溜めたガスボンベ251と、ガスボンベ251と基板ステージ2を繋ぐ配管252と、配管252上に設けられたバルブ253や流量調整器254とから主に構成されている。
【0028】
基板ステージ2内には、基板ステージ2の上側の空間である基板ステージ2と基板9との間の空間に堆積抑制用ガスを供給するガス供給路255(以下、上側用ガス供給路)が形成されている。上側用ガス供給路255は、基板ステージ2の中心を垂直に貫くように設けられている。そして、この上側用ガス供給路255の下端開口に堆積抑制用ガス供給系25の配管252が気密に接続されており、堆積抑制用ガスがこの上側用ガス供給路255を経由して基板ステージ2と基板9との間に供給されるようになっている。
【0029】
本実施形態では、上記基板ステージ2と基板9との間に供給された堆積抑制用ガスが効率よく基板ステージ2の側方に流出するよう、基板保持面の形状に工夫を加えている。この点について、図1及び図2を使用して説明する。図2は、基板保持面の形状を説明する平面概略図である。
【0030】
基板ステージ2の基板保持面は、図1及び図2から分かるように、複雑な凹凸を成した面となっている。具体的には、図2に示すように、基板保持面の周縁に沿って延びるようにして周状突起29が設けられている。周状突起29は、幅が1.5mm程度の円周状である。また、周状突起29の内側には、複数の小突起28が設けられている。小突起28は、直径3mm程度の円柱状であり、約5mm程度の均等間隔で設けられている。尚、上側ガス供給路255の上端開口は、基板保持面の中央に位置している。
【0031】
周状突起29の高さは、小突起28のより少し低くなっている。このため、基板9が基板ステージ2に保持された際、小突起28の上端面は基板9の裏面に接触するものの、周状突起29の上端面は、基板9の裏面には接触しないようになっている。例えば、小突起28の高さは10μm程度、周状突起29の高さは5μm程度である。
堆積抑制用ガス供給系25によって基板ステージ2に供給された堆積抑制用ガスは、基板ステージ2内の上側用ガス供給路255を通って流れ、上端開口から基板9と基板ステージ2との間の空間に流出する。流出した堆積抑制用ガスは、小突起28の間をすり抜けるようにして流れ、周状突起29と基板9との間の隙間を通って基板ステージ2の側方に流出するようになっている。
【0032】
基板保持面が上述したような小突起28及び周状突起29からなる凹凸面でなく、通常の平坦面である場合でも、堆積抑制用ガスを流すことは可能である。というのは、鏡面加工等の特殊な処理を施さない限り、微視的には凹凸があって微小な隙間が形成されているから、上側用ガス供給路255を通して基板9と基板ステージ2との間に堆積抑制用ガスを供給すると、堆積抑制用ガスは微小な隙間を通って流れ、基板ステージ2の側方に流出させることができる。しかしながら、この場合、隙間が小さいためにコンダクタンスが小さく、小さい流量でしか堆積抑制用ガスを流せない。流量を多くしようとすると、圧力で基板9が基板ステージ2から浮いてしまう。
一方、本実施形態では、前述したように、小突起28及び周状突起29からなる相当程度大きな凹凸が基板保持面に形成されているので、堆積抑制用ガスのコンダクタンスが十分大きくなっている。このため、必要な流量で堆積抑制用ガスを流しても基板9が浮いてしまうことがない。
【0033】
尚、基板ステージ2上で処理された基板9は、吸着電源452の動作が停止された後、不図示の搬送ロボットのアームにより基板ステージ2から持ち上げられる。この場合、小突起28の基板9の裏面と接触する上端面の面積が基板9の裏面の面積の10%を超えると、小突起28の上端面上の残留電荷の影響が大きくなり、残留吸着力によって基板9が上手く持ち上げられない問題が生じる恐れがある。
【0034】
逆に、小突起28の上端面の全面積を小さくすると、コンダクタンスが大きくなって堆積抑制用ガスの流量を大きくできるが、基板9の静電吸着が十分でなくなる恐れがある。十分な静電吸着力を確保するには、小突起28の上端面の全面積が基板9の裏面の面積の5%を下回らないようにすることが好ましい。結局、十分な静電吸着力を確保しつつ十分な流量で堆積抑制用ガスを流すには、小突起28の上端面の全面積を基板9の裏面の面積の5〜10%程度にすることが好ましい。
【0035】
次に、上記堆積抑制用ガスの流出によって生成物10の堆積が抑制される状況について図3を用いて説明する。図3は、堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明した断面概略部分図である。
前述したように、プラズマ処理装置では、生成物が特定の反応によって生成され、堆積面に堆積する。生成物は、最終的には堆積面での表面反応によって生成される場合が多い。この場合、最終的な生成物の前の段階の物質(プリカーサ)が、堆積面を臨む空間(以下、堆積空間)に飛来してきている。本実施形態の装置では、基板保持面からはみ出した基板9の周辺部と、保護リング23と、基板ステージ2とで囲まれた空間にプリカーサが飛来してきている。このプリカーサが堆積面に達し、堆積面での最終的な表面反応を経て生成物を堆積させる。
【0036】
ここで、上述したように基板ステージ2の側方に流出する堆積抑制用ガスは、堆積空間に供給され、この空間に飛来してきているプリカーサと混じり合う。この結果、堆積空間におけるプリカーサの濃度が低下し、プリカーサが堆積面に達して表面反応により生成物に変化する確率が減少する。また、基板ステージ2の側方に流出する堆積抑制用ガスは、堆積空間を経由して拡散し、最終的には排気系11によって排気される。この際、堆積抑制用ガスの分子は、堆積空間に飛来するプリカーサに衝突して押し返し、プリカーサが堆積面に到達するのを妨害することがある。このような物理的な作用によっても、堆積面での生成物の堆積が抑制される。
【0037】
また、本実施形態の装置では、基板保持面の周状突起29と基板9との間を通り基板9の裏面に沿って流れる堆積抑制用ガスの流れが存在する。この堆積抑制用ガスの流れは、基板9の周辺部の裏面や周状突起29の上端面に向かって飛来するプリカーサを押し返す作用がある。また、万が一、基板9の裏面や周状突起29の上端面に生成物が堆積しても、堆積抑制用ガスの流れによって容易に剥離する。このため、従来見られたような基板保持面への生成物の堆積によって基板9が持ち上がってしまうことがさらに効果的に防止されている。
【0038】
尚、生成物の堆積が抑制されるとはいっても、堆積面へのプリカーサの到達を完全にゼロにすることができないから、非常に低い堆積速度で生成物が堆積する。従って、非常に多くのプラズマ処理を繰り返すうちに、図3に示すように、生成物10が堆積することが避けられない。しかしながら、生成物10は、図3に示すように、基板ステージ2の基板保持面の周縁の高さよりも低い空間で堆積するのにとどまる。これは、前述した通り、基板ステージ2の基板保持面の周縁から基板9の裏面に沿って側方に流れる堆積抑制用ガスの物理的な作用によるものである。つまり、堆積抑制用ガスの流れによってプリカーサが押し返されるため、この基板ステージ2の基板保持面よりも上側の空間に生成物10が堆積することはない。従って、従来のように生成物10の堆積が基板9の裏面や基板ステージ2の基板保持面にまで達したりすることはない。
【0039】
また、周状突起29が設けられる構成は、この周状突起29が設けられない構成に比べ、基板ステージ2の側方に流出する堆積抑制用ガスの流速を速めることができる。即ち、周状突起29が存在することにより、基板保持面の周辺部分における堆積抑制用ガスの流路の断面積が小さくなる。この結果、周状突起29の上端面付近を流れる際の堆積抑制用ガスの流速は速くなる。このため、上記基板9の裏面や周状突起29の上端面への生成物の堆積抑制の効果がより高く得られるようになっている。
【0040】
また、本実施形態における堆積抑制用ガス供給系25は、基板温度制御機構3による熱を効率よく基板9に伝えるための熱伝達用ガス供給系に兼用されている。前述したように、本実施形態の装置では、基板ステージ2内に基板温度制御機構3が設けられており、基板ステージ2を介して基板9と熱交換を行うことにより基板9を所定の温度に調節するようになっている。この際、処理チャンバー1内は排気系11によって真空圧力となるので、従来の装置では、基板ステージ2と基板9との間の空間も真空圧力になる。従って、基板ステージ2と基板9との間の熱伝達効率が低下する。
【0041】
一方、本実施形態の装置では、堆積抑制用ガス供給系25によって供給された堆積抑制用ガスは、基板ステージ2と基板9との間の空間の圧力を上昇させる。この結果、基板ステージ2と基板9との間の熱伝達効率が向上し、基板温度制御機構3による温度制御の効率や精度が向上する。
本実施形態では、熱伝達用ガス供給系に兼用された堆積抑制用ガス供給系25は、堆積抑制用ガスとしてヘリウムを用いている。ヘリウムを採用することは、これが希ガスであるため、基板9と周状突起29との間から処理チャンバー1内に流出しても、プラズマ処理に影響を与えることが少ないためである。また、ヘリウムは、希ガスのなかでも熱伝達効率が大きいため、熱伝達用ガスとしても適している。
【0042】
尚、堆積抑制用ガス供給系25は、堆積抑制用ガスを流量10〜50cc/分で供給するようにすることが好ましい。熱伝達効率の向上のためにはより多くの堆積抑制用ガスを供給することが好ましいが、プラズマ処理への影響を考慮すると、処理チャンバー1内へ導入される全ガス流量(プロセスガス+堆積抑制用ガス)の10%程度が堆積抑制用ガスの流量の上限である。また、堆積抑制用ガスが10cc/分程度以下の流量であると、プリカーサ濃度の低下による生成物堆積抑制の効果が十分でなかったり、熱伝達効率向上の効果が十分でなかったりする恐れがある。
【0043】
次に、第一の実施形態のプラズマ処理装置における動作について説明する。
まず、基板9は不図示の搬送ロボットのアームにより不図示のゲートバルブを通して処理チャンバー1内に搬入される。基板ステージ2上に基板9が載置されると、静電吸着機構45が動作して、基板9は基板ステージ2に静電吸着される。処理チャンバー1内が排気系11によって所定の圧力まで排気されると、プロセスガス導入系12が動作し、四フッ化炭素等のプロセスガスが所定の流量で導入される。また、並行して堆積抑制用ガス供給系25により、堆積抑制用ガスが誘電体ブロック21と基板9との間に供給され、基板9と周状突起29との間から基板ステージ2の側方に流出する。
【0044】
プラズマ形成手段を構成するプラズマ用高周波電源52により上部電極5に高周波電力が印加されると、導入されたプロセスガスに高周波放電が生じ、プロセスガスがプラズマ化する。同時に、高周波電源44により下部電極4に高周波電圧を印加すると、高周波とプラズマとの相互作用により基板9の表面には負の自己バイアス電圧が生じる。この負の自己バイアス電圧により、基板9に垂直な電界が設定され、プラズマ中のイオンが垂直に入射する。プラズマ中では、フッ化炭素系のラジカルが生成される。そして、入射イオンのエネルギーを利用しながらこのラジカルとの反応により基板9の表面がエッチングされる。
【0045】
この際、前述したように、基板ステージ2の側方に堆積抑制用ガスが供給されることにより、生成物の堆積の原因物質であるプリカーサの濃度が減少し、生成物の堆積が防止される。このため、堆積した生成物の剥離に起因したパーテクルの発生が抑制される。また、従来見られたような生成物の堆積に起因した基板9の姿勢変化が無く、再現性に優れた処理を行うことができる。このようなことから、本実施形態では、従来の装置に比べ製品の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
【0046】
次に、本願発明の第二の実施形態のプラズマ処理装置について説明する。図4は、第二の実施形態のプラズマエッチング装置の構成を示す断面概略図である。
上述した第一の実施形態では、堆積抑制用ガスを誘電体ブロック21と基板9との間に供給し、基板ステージ2の側方にこの堆積抑制用ガスが流出するよう構成された。第二の実施形態では、堆積抑制用ガスを基板ステージ2の側面から基板ステージ2の側方に供給する構成になっている。
具体的には、基板ステージ2内には、基板ステージ2の側面から基板ステージ2の側方に堆積抑制用ガスを供給するガス供給路(以下、側面用ガス供給路)211が設けられている。図4及び図5を用いて側面用ガス供給路211の構成を説明する。図5は、図4に示す装置における一点鎖線X−Xにおける断面図である。
【0047】
側面用ガス供給路211は、図4及び図5に示すように、中央に設けられた円環状流路211Aと、円環状流路211Aから放射状に延びるようにして設けられた放射状流路211Bと、円環状流路211Aから垂直に下方に延びるようにして設けられた垂直流路211Cとからなっている。垂直流路211Cは基板ステージ2の下面に達しており、堆積抑制用ガス供給系27の配管272が接続されている。また、放射状流路211Bは、基板ステージ2の側面まで達しており、その先端がガス流出口211Dになっている。
【0048】
堆積抑制用ガス供給系27は、アルゴン等の堆積抑制用ガスを溜めたガスボンベ271と、ガスボンベ271と、基板ステージ2をつなぐ配管272と、配管272上に設けられたバルブ273や流量調節器274とから主に構成されている。配管272を通して堆積抑制用ガス供給系27が堆積抑制用ガスを供給すると、堆積抑制用ガスは、垂直流路211Cを上昇して円環状流路211Aに達し、円環状流路211A内に一旦溜まる。そして、堆積抑制用ガスは、円環状流路211Aから放射状流路211Bを経て基板ステージ2の側面のガス流出口211Dから流出し、基板ステージ2の側方に供給されるようになっている。
【0049】
次に、図6を用いて第二の実施形態において堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明する。図6は、第二の実施形態において堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明した断面概略部分図である。
前述したように、第二の実施形態においては、基板ステージ2の側面から堆積抑制用ガスが堆積空間に供給される。この結果、第一の実施形態の場合と同様に、堆積空間に飛来するプリカーサの濃度を低下させ、堆積面への生成物の堆積を防止する。
【0050】
この第二の実施形態においても、堆積面への生成物の堆積を完全にゼロにすることはできず、図6に示すように、非常に低い堆積速度で生成物10が堆積することが避けられない。生成物は、図6に示すように、基板ステージ2の側面のガス流出口211Dから下側の空間に堆積する。この理由は、ガス流出口211Dから上側の空間では、ガス流出口211Dからの堆積抑制用ガスの流れがあり、この流れの物理的な作用により生成物の堆積が殆どゼロになるからである。
【0051】
ここで、図3と図6とを比べると分かる通り、第二の実施形態では、第一の実施形態に比べて最終的な生成物10の堆積量は少ない。このことは、パーティクルの発生原因となる物質が少ないことを意味する。従って、第一の実施形態に比べて第二の実施形態の方がパーティクルの発生の確率がさらに小さくなっている。
【0052】
第二の実施形態における堆積抑制用ガスとしては、アルゴン等の希ガス又は不活性ガスが好適に用いられる。尚、この第二の実施形態においては、堆積抑制用ガスの流量は、10〜50cc/分とすることが好ましい。10cc/分より少ないと、堆積抑制用ガスの量が不足し、プリカーサ濃度の低下による生成物堆積抑制効果が十分得られない恐れがある。また、50cc/分より多いか又はプロセスガスの流量+堆積抑制用ガスの流量の10%より多いと、基板9の上方の空間に堆積抑制用ガスが拡散し、プラズマ処理に必要な反応を阻害する恐れがある。
【0053】
第二の実施形態においても、基板温度制御機構3による熱を効率よく基板9に伝えるための熱伝達用ガス供給系26が設けられている。但し、この熱伝達用ガス供給系26は、第一の実施形態と異なり、堆積抑制用ガス供給系に兼用されてはいない。熱伝達用ガス供給系26は、ヘリウム等の熱伝達用のガスを溜めたガスボンベ261と、ガスボンベ261と基板ステージ2とを繋ぐ配管262と、配管262上に設けられたバルブ263や流量調節器264とから主に構成されている。
基板ステージ2の中心には、第一の実施形態と同様に上側用ガス供給路255が設けられている。配管262と上側用ガス供給路255は気密に接続されており、熱伝達用ガスが誘電体ブロック21と基板9との間に供給されるようになっている。
【0054】
また、第二の実施形態では、供給された熱伝達用ガスは、堆積抑制の役割を持たないため、基板ステージ2の側方へ流出しないような構成になっている。具体的には、誘電体ブロック21の基板保持面は、第一の実施形態と同様に、小突起28と周状突起29とが形成されている。但し、第一の実施形態と異なり、周状突起29は小突起28と同じ高さであり、基板ステージ2に基板9が保持された際、小突起28の上端面とともに周状突起29の上端面も基板9の裏面に接するようになっている。従って、熱伝達用ガスが基板ステージ2と基板9との間に供給されると、この熱伝達用ガスは基板ステージ2の側方に流出しない。
【0055】
熱伝達用ガスが基板ステージ2の側方に流出しない構成であるため、熱伝達用ガスの供給量は、第一の実施形態における堆積防止用ガスに比べて少ない。即ち、基板9が基板ステージ2に静電吸着された後、熱伝達用ガス供給系26を動作させて所定量の熱伝達用ガスを供給し、基板9と基板ステージ2との間の空間の圧力が所定の値になったら、熱伝達用ガスの供給は止められる。
また、第二の実施形態では、生成物の堆積抑制という技術課題とは無関係に熱伝達用ガスの種類や流量を定めることができるというメリットもある。
【0056】
次に、本願発明の第三の実施形態のプラズマ処理装置について説明する。図7は、第三の実施形態のプラズマ処理装置の構成を示す断面概略図である。第三の実施形態の装置では、第一の堆積抑制用ガス供給系6及び第二の堆積抑制用ガス供給系7を備えている。
まず、第一の堆積抑制用ガス供給系6は、基板ステージ2と基板9との間に堆積抑制用ガスを供給するようになっている。そして、基板ステージ2と基板9との間に堆積抑制用ガスが供給されると、基板ステージ2の側方にこの堆積抑制用ガスが流出するようになっている。
【0057】
具体的には、基板ステージ2には、第一の実施形態と同様の上側用ガス供給路255が設けられている。この上側用ガス供給路255は、第一の堆積抑制用ガス供給系6の配管62と気密に接続されており、堆積抑制用ガスが基板ステージ2と基板9との間に供給されるようになっている。尚、第一の堆積抑制用ガス供給系6は、同様に、ヘリウム等の堆積抑制用ガスを溜めたガスボンベ61と、ガスボンベ61と基板ステージ2とをつなぐ配管62と、配管62上に設けられたバルブ63や流量調節器64とから主に構成されている。
【0058】
また、基板ステージ2の基板保持面には、同様に小突起28及び周状突起29が設けられている。小突起28及び周状突起29の構成は、第一の実施形態と同様である。即ち、第一の堆積抑制用ガス供給系6により上側用ガス供給路255を経由して誘電体ブロック21と基板9との間に堆積抑制用ガスが供給されると、堆積抑制用ガスは小突起28の間をすり抜けるようにして流れ、基板9と周状突起29との間から基板ステージ2の側方に流出するようになっている。
【0059】
一方、第二の堆積抑制用ガス供給系7は、基板ステージ2の側面から堆積抑制用ガスを供給するようになっている。具体的には、基板ステージ2には、第二の実施形態と同様に側面用ガス供給路211が設けられている。そして、この側面用ガス供給路211と第二の堆積抑制用ガス供給系7の配管72とが気密に接続されており、堆積抑制用ガスが基板ステージ2の側面から供給されるようになっている。尚、第二の堆積抑制用ガス供給系7は、同様に、アルゴン等の堆積抑制用ガスを溜めたガスボンベ71と、ガスボンベ71と基板ステージ2とをつなぐ配管72と、配管72上に設けられたバルブ73や流量調節器74とから主に構成されている。
【0060】
次に、図8を用いて第三の実施形態において堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明する。図8は、第三の実施形態において堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明した断面概略部分図である。
【0061】
第三の実施形態においても、第一の堆積抑制用ガス供給系6と第二の堆積抑制用ガス供給系7とから供給された堆積抑制用ガスにより、堆積空間に飛来するプリカーサの濃度が低下し、堆積面への生成物の堆積が抑制される。また、この際、第一の堆積抑制用ガス供給系6は、基板ステージ2の基板保持面の周縁(周状突起29の上端面)から基板2の裏面に沿って基板ステージ2の側方に向けて堆積防止用ガスを流出させるので、堆積抑制用ガスの物理的な作用により、基板9の裏面や基板保持面の周縁への生成物の堆積が特に抑制される。そして、極めて低い堆積速度で生成物が堆積するのが避けられないものの、第二の堆積抑制用ガス供給系7により、基板ステージ2の側面から堆積抑制用ガスが供給されるので、第二の実施形態の場合と同様、生成物の堆積は途中で停止し、パーティクルの発生がさらに抑制される。
【0062】
この第三の実施形態における第一の堆積抑制用ガス供給系6は、第一の実施形態の場合と同様、熱伝達用ガス供給系に兼用されている。即ち、第二の堆積防止用ガス供給系7はアルゴン等の希ガス又は不活性ガスを供給すれば足りるものの、第一の堆積防止用ガス供給系6はヘリウム等の熱伝達効率の良いガスを供給するよう構成されている。但し、堆積防止用ガスが二つの経路から供給されるため、第一の堆積防止用ガス供給系6のガス流量は、第一の実施形態における堆積抑制用ガス供給系7よりも少なくてよい。また、同様の理由から、第二の堆積防止用ガス供給系7のガス流量も第二の実施形態より少ない。第一の堆積防止用ガス供給系6のガス流量と第二の堆積防止用ガス供給系7のガス流量の合計は、前述したのと同様の理由から10〜50cc/分程度又は全ガス流量の10%以下であることが好ましい。尚、第一の堆積抑制用ガス供給系6のガス流量が少なくて済む構成は、大流量のガスの流れによる基板ステージ2からの基板9の浮き上がりの恐れを少なくする意味で好適な構成となっている。
【0063】
以上の説明では、プラズマエッチング装置を例に採り上げたが、本願の発明は、プラズマCVD装置やアッシング装置等の他のプラズマ処理装置にも同様に実施できる。
尚、請求項1の発明は、プリカーサ濃度を低下させることを必須条件としていない。これは、生成物の堆積がある種の反応の結果でない場合があり、前述した物理的作用のみからなる場合のようにプリカーサ濃度の低下によらない生成物堆積抑制の構成があり得ることを想定したものである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の請求項1の発明によれば、堆積抑制用ガスが供給されることにより、基板ステージの側方に存在する部材の表面に生成物が堆積することを防ぐことができる。この結果、生成物の剥離に起因したパーティクルの発生が抑制され、プラズマ処理の品質を向上させることができる。また、基板ステージの基板保持面や基板の裏面に沿って堆積抑制用ガスが流れるので、これらの面への生成物の堆積を物理的に抑制することもできる。従って、基板保持面への生成物の堆積による基板の姿勢変化等の問題も未然に防止され、再現性に優れたプラズマ処理が行える。さらに、周状突起により、基板ステージの側方に流出する堆積抑制用ガスの流速を早めることができるので、堆積抑制の効果がより高く得られる。
また、請求項3の発明によれば、上記請求項1の発明の効果に加え、十分な静電吸着力を確保しつつ十分な流量で堆積抑制用ガスを流すことができる。
また、請求項4の発明によれば、上記請求項1乃至3いずれかの発明の効果に加え、生成物の堆積がある種の反応の結果である場合、より好適な構成となる。
また、請求項5の発明によれば、上記請求項1乃至4いずれかの発明の効果に加え、基板温度制御機構による基板の温度調整の効率や精度が向上するとともに、生成物の堆積抑制と熱伝達効率の向上とが一つのガス供給系で行えるため、装置の構成が簡略化される。
また、請求項6の発明によれば、上記請求項1乃至5いずれかの発明の効果に加え、基板ステージの側面からも堆積防止用ガスが流出するので、基板ステージの側面への生成物の堆積がさらに物理的な作用によっても抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施の形態のプラズマ処理装置の構成を示した断面概略図である。
【図2】図1のプラズマ処理装置における基板ステージ2の基板保持面の形状を説明する平面概略図である。
【図3】第一の実施形態において堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明した断面概略部分図である。
【図4】第二の実施形態のプラズマ処理装置の構成を示す断面概略図である。
【図5】図4に示す装置の一点鎖線X−Xにおける断面図である。
【図6】第二の実施形態において堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明した断面概略部分図である。
【図7】第三の実施形態のプラズマ処理装置の構成を示す断面概略図である。
【図8】第三の実施形態において堆積抑制用ガスが生成物の堆積を抑制する状況について説明した断面概略部分図である。
【図9】従来のプラズマ処理装置の一例としてのプラズマエッチング装置の概略構成を示す正面図である。
【図10】図9に示す従来のプラズマ処理装置の問題点を説明した図であり、図9に示す基板ステージ2の周辺部分を拡大した図である。
【符号の説明】
1 処理チャンバー
10 生成物
11 排気系
12 プロセスガス導入系
2 基板ステージ
21 誘電体ブロック
211 側面用ガス供給路
23 保護リング
24 絶縁ブロック
25 堆積抑制用ガス供給系
255 上側用ガス供給路
26 熱伝達用ガス供給系
27 堆積抑制用ガス供給系
28 小突起
29 周状突起
3 基板温度制御機構
4 下部電極
44 高周波電源
45 静電吸着機構
451 吸着電極
452 吸着電源
5 上部電極
51 ガス吹き出し孔
52 プラズマ用高周波電源
53 絶縁材
6 第一の堆積抑制用ガス供給系
7 第二の堆積抑制用ガス供給系
9 基板
Claims (7)
- 排気系を備えた処理チャンバーと、処理チャンバー内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入系と、導入されたプロセスガスにエネルギーを与えて処理チャンバー内にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、プラズマによって処理される位置に基板を保持する基板ステージとを備えたプラズマ処理装置であって、前記基板ステージの表面又は基板ステージの基板保持面の側方に設けられた部材の表面に生成物が堆積するのを抑制するための堆積抑制用ガスを供給する堆積抑制用ガス供給系が設けられており、
堆積抑制用ガス供給系は、堆積抑制用ガスを基板ステージと基板との間を経由して基板ステージの側方に流出させるものであり、
基板ステージの基板保持面は、保持された基板に接触する突起と、基板に接触しない突起とを有する凹凸状に形成されており、基板に接触しない突起は、基板保持面の周縁に沿って延びる円周状の突起であり、基板に接触する突起は、この円周状の突起の内側に形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記基板に接触する突起は、均等間隔で設けられた複数の突起であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 基板を静電気によって基板ステージに吸着する静電吸着機構が設けられており、前記基板に接触する突起の基板に接触する面の全面積は、基板の裏面の面積の5%以上10%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
- 前記生成物は、処理チャンバー内に導入されたガスの反応により生成し堆積するものであり、前記堆積抑制用ガスは、プリカーサ濃度を低下させるものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記基板ステージは、当該基板ステージを所定の温度に維持して前記基板の温度を制御する基板温度制御機構を備えており、前記基板ステージと前記基板との間で熱を伝える熱伝達用のガスを前記基板ステージと前記基板との間に供給する熱伝達用ガス供給系が設けられており、この熱伝達用ガス供給系は、前記堆積抑制用ガス供給系が兼用されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記基板ステージ内には当該基板ステージの側方に前記堆積抑制用ガスを導く側面用ガス供給路が設けられており、前記堆積抑制用ガス供給系は、前記基板ステージと基板との間を経由することに加えて、この側面用ガス供給路を経由させて基板ステージの側面から堆積抑制用ガスを供給するものであることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記堆積抑制用ガス供給系は、供給する堆積抑制用ガスの流量を調整する流量調整器を備えており、この流量調整器は、堆積抑制用ガスの流量を10cc/分以上50cc/分以下の流量とするものであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のプラズマ処理装置。
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