JP4283368B2 - 内接噛合遊星歯車構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるバランスウェイトを備えた揺動内接噛合式の遊星歯車構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、第1軸と、該第1軸の外周に設置された偏心体と、該偏心体に回転自在に支持される偏心体軸受と、該偏心体軸受の外周に組込まれた前記第1軸に対して偏心揺動回転を可能な外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車と、外歯歯車に該外歯歯車の偏心揺動成分を吸収可能に連結された第2軸と、を備えた内接噛合遊星歯車構造が知られている。この種の構造において、外歯歯車の遠心力による荷重バランスを取るためにバランスウェイトを備えたものとして、図4に示すようなものがある。
【0003】
図4は、モータm1と減速機rがパイプ内に収納されたモータローラmrの内部構造である。
【0004】
モータローラmrは、減速機rによってモータm1の回転を減速し、その減速された回転出力をパイプ10に伝達し出力する構造となっている。
【0005】
前記減速機rは、いわゆる揺動内接噛合式の遊星歯車減速機に属するもので、モータm1の回転を出力するモータ軸(第1軸)2と、該第1軸の外周に設置された偏心体4と、該偏心体4に回転自在に支持される偏心体軸受6と、該偏心体軸受6の外周に組込まれ、前記第1軸2に対して偏心揺動回転を可能な外歯歯車8と、該外歯歯車8と内接噛合する内歯歯車12と、外歯歯車8に該外歯歯車8の偏心揺動成分を吸収可能な伝動軸14(第2軸)を介して連結されたブロック24と、を備える。前記偏心体軸受6に隣接した位置には、前記外歯歯車8の遠心力による荷重バランスを取るためにバランスウェイト16が配置されている。
【0006】
前記モータm1は動力線であるリード線30から電源が供給される。前記モータm1のモータ軸2は軸受22によって回転自在に支持されている。
【0007】
また、前記内歯歯車12は該内歯歯車12自体を固定側部材(パイプ)10に相対回転不能に固定することにより、外歯歯車の自転成分のみを出力パイプ18側に出力する構造となっている。
【0008】
伝導軸14(第2軸)は、外歯歯車の偏心揺動成分を吸収する構造となっており、スプラインによってブロック24と連結されている。
【0009】
減速機rによって減速された回転は、該伝導軸14とスプラインで連結されたブロック24を介して出力パイプ18から出力される。
【0010】
出力パイプ18には、溝32が形成されており、該溝32に伝動ベルト20をかけられる構造となっている。
【0011】
ここで、図4のV部の拡大図を図5に示す。
【0012】
図5に示すように、バランスウェイト16は前記外歯歯車8の遠心力に伴う振動を抑制するために(荷重バランスをとるため)、該外歯歯車8の振動とは逆方向に振動させることにより振動を相殺するようにモータ軸2に組込まれている。このバランスウェイト16は、軸受(偏心体軸受6の)内輪押さえ機能も有するように段付き形状とする必要がある(図4参照)。この段付き形状のバランスウェイト16は焼結ならば容易に製作できるが、コストと強度上不利なため、図6に示すようなスペーサの役割をするディスタンスピース26を単純形状のバランスウェイト本体16Aと偏心体軸受6との間に、配置するようにしていることが多い(図5参照)。このようにバランスウェイト本体16Aとディスタンスピース26とを別部材の部品として分けることにより、軸受6の内輪6Aを押さえ、同時にバランスウェイト本体16Aと軸受6の外輪6Bや外歯歯車8とが摺動接触するのを防止している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以下に示すような問題があった。
【0014】
前記バランスウェイト16を焼結によって作る方法では大規模な施設が必要となり、前述したように設備投資の面でコスト高となってしまっていた。また、強度を高くできないという問題もあった。
【0015】
一方、バランスウェイト16をバランスウェイト本体16Aとディスタンスピース26とに部品を分けて製造するのはコストや強度の面ではメリットがあるものの、部品点数が増加してしまうという問題があった。
【0016】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであって、軸受内輪押さえ機能やスペーサの機能を有すると共に、安価に製作できるバランスウェイトを組込んだ内接噛合遊星歯車構造を提供することをその課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、第1軸と、該第1軸の外周に設置された偏心体と、該偏心体に回転自在に支持される偏心体軸受と、該偏心体軸受の外周に組込まれ、前記第1軸に対して偏心揺動回転を可能な外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車と、外歯歯車に該外歯歯車の偏心揺動成分を吸収可能に連結された第2軸と、を備え、且つ、前記偏心体軸受に隣接した位置に、前記外歯歯車の遠心力による振動を相殺する態様となるようにバランスウェイトを備えた内接噛合遊星歯車構造において、前記バランスウェイトが、積層した状態でかしめられた複数枚のプレートによって形成され、且つ、かしめられた結果形成された凸部が存在する方の面を前記偏心体軸受との接合側に向けて、前記第1軸に組込まれることにより、該凸部によって当該偏心体軸受の内輪の軸方向移動が規制される構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
【0018】
このようにすることで、従来の段付のバランスウェイトと同様の機能を有しながら、部品点数の削減、工数の削減、コストダウン、製作上の容易化、部品の耐久性を向上を実現することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は前記かしめる位置が、前記第1軸のバランスウエイトが組込まれている部分の外周から前記偏心体軸受の内輪の最外周径よりも小さい範囲までの間に設定されていることにより、同様に上記課題を解決したものである。
【0020】
請求項2は請求項1におけるかしめる位置を具体的に表したものである。
【0021】
このようにかしめる位置を設定することにより、前記バランスウェイトを偏心体あるいは偏心体軸受の内輪と一体的に回転させることができ、且つ、該バランスウェイトと偏心体軸受の外輪あるいは外歯歯車とが摺動接触するのを防止できる。そのため、発熱を防止できると共に、各部品の耐久性を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係るバランスウェイトを備えた内接噛合遊星歯車構造の断面図である。図1は、図2におけるI部の部分拡大図である。
【0024】
図2に示す内接噛合遊星歯車構造は、「従来の技術」にて説明した図4の内接噛合遊星歯車構造と基本的に同一であるため、同一又は類似する部分は図中で符号の下2桁に同一番号を付し、重複説明は省略する。
【0025】
図2に示すように、本実施形態においても外歯歯車108の遠心力に伴う振動を抑制するために(荷重バランスをとるため)、該外歯歯車108の振動とは逆方向に振動させることにより振動を吸収するバランスウェイト116がモータ軸102に組込まれている。
【0026】
本発明は、このバランスウェイト116自体と、組込みの仕方に特徴があるので、該バランスウェイト116を中心に説明していく。
【0027】
図3(a)は、本実施形態のバランスウェイト116の正面図、図3(b)は、(a)のB−B断面図である。
【0028】
このバランスプレート116は複数のプレス加工によるプレート124を複数枚積層して成る。そして、図3(b)に示す矢印に示すように、同方向からかしめてそれぞれを一体化する。このかしめる手段・方法に関しては公知の方法が採用でき、ここでは特に限定はしない。
【0029】
このように、複数枚プレート124を重ね合わせた状態でかしめた結果により、同方向に凸部130を形成させる。
【0030】
なお、かしめる位置は、本実施形態では図3(a)のように等間隔に4点かしめているが、かしめ位置及びかしめ個数に関しても本発明では特に限定はしない。なお、形成される凸部の大きさは均等でよい。また、モータ軸102の中心O1からRの距離にある破線部分Hすべてに(連続して)形成してもよい。
【0031】
なお、この半径Rは偏心体軸受106の内輪106Aの外周側の径より小さい範囲に抑える。それは、この範囲に収めることによってバランスウェイト116を偏心体104あるいは偏心体軸受106の内輪と一体的に回転させることができ、且つ、該バランスウェイト116と偏心体軸受106の外輪106Bあるいは外歯歯車108とが摺動接触するのを防止できるためである。
【0032】
そして、本実施形態では、このようにして、プレート124を複数枚重ね合わせた状態でかしめ、凸部130が形成されたバランスウェイト116を図1に示すように、該凸部130の形成された方の面Pを偏心体軸受104との接合側に向けてモータ軸(第1軸)102に組込むようにする。
【0033】
つまり、凸部が形成されたバランスウェイト116に軸受内輪押さえ機能も持たせるようにする。
【0034】
このようにすることで、従来使用していたディスタンスピース26を設置する必要を無くし、部品点数を削減できる。
【0035】
また、該凸部130の形成はプレス加工されたプレート124を積層してかしめることのみで済むため、(焼結による製造が不要となり)大規模な施設が不要となり、工数の削減、設備投資の減少(コストダウン)、製作する上での容易化が実現できる。
【0036】
さらに、凸部130は偏心体軸受106の内輪106Aとは互いに接しながら同一の回転をするため、互いに擦れ合うことから発生する熱を防ぐことができ、簡易に製作される凸部ではあっても、強度上の問題は特に発生することはなく、一方、激しく揺動するバランスウェイトの本体はプレスプレートの積層であるため、この点での強度は十分確保できる。
【0037】
なお、本実施形態では、パイプ110にモータ及び減速機が内蔵されたモータローラMRについて中心に説明したが、本発明は特にこの構造だけに限定されるものではない。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明によれば、複数枚のプレートを積層した状態でかしめ、その結果、凸部を形成させ、該凸部が形成された面を前記偏心体軸受との接合側に向けて第1軸に組込み、該凸部によって偏心体軸受の内輪の軸方向移動を規制するようにしたため、部品点数を削減でき、工数の削減、コストダウン、製作上の容易化、部品の耐久性の向上をすべて実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る内接噛合遊星歯車構造における図2のI部の部分拡大図
【図2】本実施形態に係る内接噛合遊星歯車構造における全体の内部構造を示す断面図
【図3】本実施形態に係るプレート、及びバランスウェイトを表す図
【図4】従来の技術における内接噛合遊星歯車構造における全体の内部構造を示す断面図
【図5】従来の技術における内接噛合遊星歯車構造における図4のV部の部分拡大図
【図6】従来技術におけるディスタンスピースを表す図
【符号の説明】
102…モータ軸(第1軸)
104…偏心体
106…偏心体軸受
110…パイプ
116…バランスウェイト
124…プレート
130…凸部
Claims (2)
- 第1軸と、該第1軸の外周に設置された偏心体と、該偏心体に回転自在に支持される偏心体軸受と、該偏心体軸受の外周に組込まれ、前記第1軸に対して偏心揺動回転を可能な外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車と、外歯歯車に該外歯歯車の偏心揺動成分を吸収可能に連結された第2軸と、を備え、且つ、前記偏心体軸受に隣接した位置に、前記外歯歯車の遠心力による振動を相殺する態様となるようにバランスウェイトを備えた内接噛合遊星歯車構造において、
前記バランスウェイトが、
積層した状態でかしめられた複数枚のプレートによって形成され、且つ、
かしめられた結果形成された凸部が存在する方の面を前記偏心体軸受との接合側に向けて、前記第1軸に組込まれることにより、該凸部によって当該偏心体軸受の内輪の軸方向移動が規制される
ことを特徴とする内接噛合遊星歯車構造。 - 請求項1において、
前記かしめる位置が、前記第1軸のバンランスウエイトが組込まれている部分の外周から前記偏心体軸受の内輪の最外周径よりも小さい範囲までの間に設定されていることを特徴とする内接噛合遊星歯車構造。
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