JP4283453B2 - 微生物繁殖用担持体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水没性に優れた微生物繁殖用担持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、生活・産業排水の下水処理槽、合併浄化槽、生ごみディスポーザ、生物脱臭装置等の処理において、曝気法や活性汚泥法が一般的に行われているが、大きな設備を必要とする他、赤潮の原因となる窒素、リン等の削減が不十分であるといった問題があり、近年では設備をできる限り小型化し、さらに処理能力を向上させる為に微生物を効果的に利用する処理方法が検討されている。
【0003】
上記微生物を利用した処理方法では、微生物を繁殖させる為の担持体を使用するのが有効である。担持体としては多孔体が使用され、処理槽に投入された際、水中に水没して微生物が繁殖し始める。担持体に使用される多孔体としては、例えば、特開昭57−191027号公報に記載されたような連続気泡性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の他、ポリウレタン系樹脂やセルロース系樹脂などからなる連続気泡性発泡体、ポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂などからなる繊維を凝集、融合させた繊維体、ポリエチレングリコールやポリビニルアルコールなどからなる粒状ゲル等が挙げられる。
【0004】
しかしながら、上記多孔体は親水性の乏しい材料からなるものが多く、多孔体内部の空気が抜け難いため、処理槽に投入されてから完全に水没するまでに1〜3週間程度の時間がかかり、さらに、処理能力を発揮するまでには約1ヶ月程度の時間がかかるといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、処理槽に投入された際の水没性に優れ、速やかに処理能力を発揮することができる微生物繁殖用担持体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明(以下、「本発明1」と記す)の微生物繁殖用担持体は、ポリオレフィン系樹脂100重量部及び下記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤0.1〜5重量部からなる多孔体よりなる。
【0007】
【化9】
(式(1)中、R1及びR2はアルキル基であり、MはNa、K、Mg、Zn又はNH3である)
【0008】
【化10】
(式(2)中、R3及びR4は水素又はアルキル基であり、MはNa、K、Mg、Zn又はNH3である)
【0009】
【化11】
(式(3)中、R5は水素又はアルキル基であり、MはNa、K、Mg、Zn又はNH3である)
【0010】
【化12】
(式(4)中、R6及びR7は水素又はアルキル基であり、MはNa、K、Mg、Zn又はNH3であり、n1は自然数である)
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明(以下、「本発明2」と記す)の微生物繁殖用担持体は、ポリオレフィン系樹脂からなる多孔体に、上記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤が0.4〜20g/m3になるように塗布又は含浸されてなる。
【0012】
まず、本発明1について説明する。本発明1で使用される多孔体は、 ポリオレフィン系樹脂及び上記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤からなり、その形態は特には限定されず、例えば、連続気泡性発泡体、繊維体、粒状ゲル等が挙げられる。中でも、解繊したりすることがなく、かつ、体積あたりの表面積が多く、微生物の繁殖効率に優れているので、連続気泡性発泡体が好ましい。
【0013】
上記多孔体を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が用いられ、多孔体が連続気泡性発泡体である場合は、架橋されているのが好ましい。
【0014】
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレンを主成分とするエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを主成分とするエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンを主成分とするエチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。上記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0015】
また、上記ポリオレフィン系樹脂の比重は水よりも小さい場合が多く、該樹脂から得られる多孔体を微生物繁殖用担持体として使用した際、その内部に水が完全に浸透しても曝気条件によっても水没し難いことがあり、初期の水中浮沈流動性が低下するので、無機充填剤を添加してもよい。
【0016】
上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。無機充填剤の添加量は、少なくなると添加の効果が得られず、多くなると発泡段階で発泡し難くなるので、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、10〜80重量部が好ましく、より好ましくは20〜60重量部であり、無機充填剤添加後の樹脂の比重が水と同等又は水よりも若干大きくなるように調整するのが好ましい。
【0017】
上記式(1)で示される界面活性剤としては、具体的には、例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、ステアリル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩などのn−パラフィン−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩等が好ましい。上記式(2)で示される界面活性剤としては、具体的には、例えば、ジ−イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
【0018】
上記式(3)で示される界面活性剤としては、具体的には、例えば、イソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。上記式(4)で示される界面活性剤としては、具体的には、例えば、2−エチルヘキシルエトキシサルフェートナトリウム塩が好ましい。
【0019】
上記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤の中でも、上記式(1)で示される界面活性剤が、少量の添加で優れた水没性を有する微生物繁殖用担持体が得られるので、特に好ましい。上記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤は、単独で使用しても2種以上併用してもよく、その添加量は、少なくなると得られる微生物繁殖用担持体の水没性が低下し、多くなると得られる微生物繁殖用担持体の使用時に泡出ちが多くなり、使用に適さなくなり、また、多孔体が連続気泡性発泡体の場合は、連続気泡性発泡体の発泡段階での発泡性が低下するので、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部に限定され、好ましくは0.2〜2重量部である。また、上記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤以外の界面活性剤を使用すると、微生物繁殖用担持体の使用中に泡立ちが多くなり、使用に適さない。
【0020】
上記ポリオレフィン系樹脂及び界面活性剤から多孔体を得る方法としては特には限定されず、従来公知の任意の方法が採用されてよい。但し、多孔体の製造過程において、上記界面活性剤が水分と接触すると界面活性剤が水に溶けてしまうため、水分に接触しないようにするのが好ましい。
【0021】
例えば、上記多孔体が連続気泡性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の場合であれば、上記ポリオレフィン系樹脂及び界面活性剤に熱分解型発泡剤の他、必要に応じて架橋剤、発泡助剤等を添加し、熱分解型発泡剤が実質的に分解しない温度でバンバリーミキサー、ロール等の従来公知の方法により溶融混練し、凹金型、プレス金型等に流し込んで数分〜数十分保持することにより所定形状に成形した後、加熱して架橋発泡させ、得られた架橋発泡体に機械的変形を加えて気泡を連通させ、その後さらに連通孔を拡大させる方法が挙げられる。また、上記多孔体が繊維体の場合であれば、ポリオレフィン系樹脂及び界面活性剤を溶融混練した後、繊維状に押出し、該繊維をカードマシン等に供給して不織布を形成する方法等が挙げられる。
【0022】
上記熱分解型発泡剤としては特には限定されず、従来公知の任意のものが使用されてよく、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4‘−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。中でも、アゾジカルボンアミドが、発生ガス量、取り扱いの安全性等に優れているので好ましい。熱分解型発泡剤の添加量は、得られる連続気泡性発泡体の所望の見掛け密度に応じて適宜調整されるが、一般には、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、5〜30重量部が好ましい。
【0023】
上記架橋剤としては特には限定されず、従来公知の任意のものが使用されてよく、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン−3等の有機過酸化物が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。架橋剤の添加量は、所望のゲル分率に応じて適宜調整されるが、一般には、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.2〜1.5重量部が好ましい。
【0024】
また、上記架橋剤を添加せず、上記ポリオレフィン系樹脂にシラン化合物をグラフトしてポリオレフィン系樹脂を予め架橋性のものにしておく方法、電離性放射線照射する方法等により架橋を施すようにしてもよい。上記シラン化合物としては特には限定されず、従来公知の任意のものが使用されてよく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシシラン、ビニルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。上記電離性放射線としては、例えば、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられ、その照射量は適宜調整してよい。
【0025】
上記発泡助剤としては特には限定されず、従来公知の任意のものが使用されてよく、例えば、酸化亜鉛、尿素又はその誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。発泡助剤は上記熱分解型発泡剤の分解温度、分解速度等を調整するものであり、その添加量は製造条件、発泡剤量、得られる連続気泡性発泡体の気泡の大きさ等に応じて適宜調整される。さらに、上記ポリオレフィン系樹脂には、滑剤、顔料等の従来公知の任意の添加剤を必要に応じて適宜添加してもよい。
【0026】
上記架橋発泡体に機械的変形を加えて気泡を連通させる方法としては、例えば、架橋発泡体の厚さよりもクリアランスの狭い1対のロール間に、架橋発泡体を通過させる方法が挙げられる。ロール間のクリアランス、ロールの速比、架橋発泡体をロールに通す回数等は適宜調整してよい。尚、上記機械的変形により架橋発泡体の気泡を連通させても、その連通孔は微細であることが多く、透気度が後述する範囲になり難いので、気泡の連通孔を拡大させるのが好ましい。
【0027】
上記気泡の連通孔を拡大させる方法としては、例えば、架橋発泡体を密閉容器に充填し、密閉容器内を十分に脱気した後、密閉容器内に酸素ガス及び可燃ガスを注入して、酸素ガス及び可燃ガスに点火する方法が挙げられる。この気泡の連通孔を拡大させる方法は連続気泡性ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の場合に限られず、連続気泡性ポリウレタン系樹脂発泡体、連続気泡性セルロール系樹脂発泡体等の場合にも適用することができる。
【0028】
上記密閉容器としては、架橋発泡体を充填可能であり、内部を真空の状態にし得るものであれば特には限定されず、その形状、大きさ等は適宜決定してよい。密閉容器を脱気する方法としては、例えば、密閉容器に真空ポンプを取り付け、真空ポンプにより密閉容器内部の空気をひく方法が挙げられる。
【0029】
密閉容器に酸素ガス及び可燃ガスを注入する方法としては特には限定されず、例えば、酸素ガス及び可燃ガスを充填した高圧ボンベから、減圧弁で所望の混合比に見合う分圧に調整して、ガス混合ミキサーを通して密閉容器に注入する方法、酸素ガス及び可燃ガスを充填した高圧ボンベから、減圧弁で所望の混合比に見合う分圧に調整して、各々別の注入口から注入する方法等が挙げられる。尚、ガス注入直後は密閉容器内のガス分散状態が不均一なので、注入後に数分間放置しておくのが好ましい。
【0030】
上記可燃ガスとしては、酸素ガスの存在下で燃焼可能なものであれば特には限定されず、例えば、水素ガス、メタンガス、プロパンガス等が挙げられる。
【0031】
上記酸素ガス及び可燃ガスの混合比は、点火した際、燃焼可能な範囲であれば特には限定されないが、完全燃焼比前後であるのが好ましい。例えば、可燃ガスとして水素ガスを使用する場合では、酸素ガス:水素ガスが体積比(圧力比)で1:2前後であるのが好ましい。
【0032】
密閉容器に充填された酸素ガス及び可燃ガスの圧力は、低くなると点火した際の気泡の連通孔の拡大が不十分で、得られる多孔体の透気度が上記範囲になり難く、得られる微生物繁殖用担持体内部の空気が水中で抜け難く、また、内部に曝気の空気泡を保持し易くなり、高くなると、点火した際、発泡体が燃焼熱により収縮し易くなるので、例えば、酸素ガス:水素ガスが体積比(圧力比)で1:2の可燃ガスの場合では、0.03〜0.20MPaが好ましく、より好ましくは0.05〜0.10MPaである。
【0033】
尚、上記酸素ガス及び可燃ガスの圧力が上記範囲内にあれば、その他の不活性ガスが混在していてもよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、炭酸ガス等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。
【0034】
上記酸素ガス及び可燃ガスを密閉容器に注入した後、点火する方法としては、例えば、予め密閉容器内にスパークスイッチを設置しておき、スパークさせる方法等が挙げられる。
【0035】
また、上記多孔体が連続気泡性発泡体である場合、その平均気泡径は、小さくなると通気性及び吸水性が低下し、得られる微生物繁殖用担持体の内部の空気が水中で抜け難く、処理能力が低下し、さらに、微生物が付着し、繁殖した場合でも目詰まりして微生物繁殖用担持体内部で水が自由に移動でき難くなり、酸素を含む水が内部にまで到達せずに微生物が死滅してしまい易く、大きくなると、得られる微生物繁殖用担持体の体積あたりの水との接触面積が少なくなり、それにより微生物が付着する領域が減り、処理能力が低下するので、連続気泡性発泡体の断面における長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数は6〜80個が好ましく、より好ましくは20〜40個であり、さらに好ましくは15〜25個である。
【0036】
上記平均気泡数は以下の方法により測定した値である。まず、連続気泡性発泡体を任意の部分で厚さ方向に切断し、さらに、前記切断面をxy面とした場合、yz面及びzx面が断面となる方向に切断し、その各断面と25mmの寸法目盛りとを、同一画面上に電子顕微鏡により写真撮影し、約10倍に拡大された写真を撮る。得られた写真の任意部分に、写真内の25mmの寸法目盛りと同一長さの直線を引き、該直線にかかる気泡の個数を数え、各断面での気泡の個数を平均したものが平均気泡数である。
【0037】
尚、本発明でいう気泡とは、気泡膜の連通の有無は問わず、写真撮影断面にある気泡膜で囲まれている部分を1つの気泡とする。上記写真撮影の際、連続気泡性発泡体の断面をマジックインキなどの着色剤で着色した後に写真撮影を行うのが、気泡の判別がし易くなるので好ましい。
【0038】
上記連続気泡性発泡体の見掛け密度は、小さくなると変形し易くなり、得られる微生物繁殖用担持体に微生物が付着しても微生物が剥離し易くなり、大きくなると得られる微生物繁殖用担持体の体積あたりの表面積が少なくなり、処理能力が低下するので、0.01〜0.20g/cm3が好ましく、より好ましくは0.02〜0.06g/cm3である。
上記見掛け密度は、連続気泡性発泡体の重量W(g)及び体積D(cm3)を測定し、得られた値から以下の式により算出される。
見掛け密度(g/cm3)=W(g)/D(cm3)
【0039】
本発明1の微生物繁殖用担持体は上記多孔体よりなる。該微生物繁殖用担持体の面積314mm2、厚さ10mmの部分に、5.56Nの空気圧を厚さ方向にかけた際、50cm3の空気が透過する時間(以下、この時間を「透気度」と記す)が、長くなると通気性及び吸水性が低下し、微生物繁殖用担持体の内部で水が自由に移動でき難くなり、処理効率が低下するので、10秒以下であるのが好ましく、より好ましくは5秒以下である。
【0040】
上記透気度は、B型ガーレ式デンソメーター(東洋精機製作所製)を用いて測定した値である。具体的には、微生物繁殖用担持体の任意部分から厚さ10mmの試料を採取し、該試料を314mm2の円孔を有する2つの締付板の間に、試料の厚さ方向を締め付けるようにして挟み、B型ガーレ式デンソメーターにセットする。デンソメーターにセットした試料の一方は開放されており、他方は閉鎖された気密空間となっている。次に、試料に接触しないように気密空間側から5.56Nの空気圧を試料厚さ方向にかけ、その際、50cm3の空気が試料を通過するのに要した時間(透気度)を測定する。尚、多孔体の厚さが10mmに満たない場合には積層して測定する。
【0041】
次に、本発明2について説明する。本発明2で使用される多孔体としては、樹脂に界面活性剤が配合されていない以外は本発明1と同様のものが挙げられる。
【0042】
本発明2においては、上記多孔体に上記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤が塗布又は含浸される。
【0043】
上記式(1)〜(4)の何れかで示される界面活性剤としては、本発明1と同様のものが挙げられ、その塗布量又は含浸量が、少なくなると得られる微生物繁殖用担持体の水没性が低下し、多くなると得られる微生物繁殖用担持体の使用時に泡立ちが多くなり、使用に適さなくなるので、0.4〜20g/m3に限定される。
【0044】
上記多孔体に上記界面活性剤を塗布又は含浸する方法としては特には限定されず、従来公知の任意の方法が採用されてよい。但し、界面活性剤が水分と接触すると界面活性剤が水に溶けてしまうため、水分に接触しないようにするのが好ましい。塗布方法として、例えば、ロールにより塗布する方法、はけにより塗布する方法等が挙げられ、塗布した後、必要に応じて乾燥工程を設けてもよい。含浸方法としては、例えば、界面活性剤を含有する溶液に多孔体を浸し、その後乾燥させて溶媒を除去する方法等が挙げられる。
【0045】
本発明2の微生物繁殖用担持体の透気度は、長くなると通気性及び吸水性が低下し、微生物繁殖用担持体の内部で水が自由に移動でき難くなり、処理効率が低下するので、10秒以下であるのが好ましく、より好ましくは5秒以下である。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
見掛け密度が0.036g/cm3の連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数36個)を、50重量%濃度のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩水溶液に浸し、含浸させた後取り出して乾燥させた。次に、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を一対のロール間に通してしごき、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩の残存量を3.6g/m3とし、さらに80℃のギヤオーブン中で乾燥させ、微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.8秒であった。
【0048】
(実施例2)
連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を、見掛け密度が0.04g/cm3の連続気泡性ポリウレタン発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数37個)にかえた以外は実施例1と同様にして微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.5秒であった。
【0049】
(実施例3)
連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を、見掛け密度が0.10g/cm3のポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布にかえた以外は実施例1と同様にして微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.4秒であった。
【0050】
(実施例4)
見掛け密度が0.041g/cm3の連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数36個)に、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩を噴霧器により、一面の塗布量が1.8g/m3になるように両面に塗布し、微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.6秒であった。
【0051】
(実施例5)
酢酸ビニル含有量が9重量%、密度が0.940g/cm3のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部、ステアリル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム1重量部、アゾジカルボンアミド13重量部、ジクミルパーオキサイド0.8重量部及びステアリン酸亜鉛0.3重量部を、バンバリーミキサーにより約125℃で溶融混練した後、縦160mm×横100mm×深さ25mmの凹型金型に充填し、約140℃で20分間保持し、成形体を得た。得られた成形体を約170℃に加熱された縦500mm×横500mm×深さ80mmの凹型金型に移し、該金型内に約100分間保持して発泡させ、エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を得た。
【0052】
次に、得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を冷却した後、クリアランスが6mmの1対のロール間に20回通し、圧縮変形によりその気泡を連通させ、さらに、表面のスキン層を除去した後、1辺が300mmの立方体状の密閉容器に入れ、該密閉容器内の圧力を真空ポンプにより0,007MPaにした。その後、酸素ガス:水素ガスが体積比で1:2に混合された混合ガスを0.1MPaになるように密閉容器内に注入し、スパークプラグで点火して密閉容器内の混合ガスを燃焼させ、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を取り出し、微生物繁殖用担持体を得た。尚、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体の長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数は55個であり、微生物繁殖用担持体の透気度は0.7秒であった。
【0053】
(実施例6)
ステアリル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウムの配合量を0.2重量部にした以外は実施例5と同様にして微生物繁殖用担持体を得た。尚、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体の長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数は36個であり、微生物繁殖用担持体の透気度は0.8秒であった。
【0054】
(実施例7)
ステアリル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウムの配合量を4重量部にした以外は実施例5と同様にして微生物繁殖用担持体を得た。尚、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体の長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数は8個であり、微生物繁殖用担持体の透気度は0.3秒であった。
【0055】
(実施例8)
見掛け密度が0.035g/cm3、縦50cm×横50cm×厚さ1cmの連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数34個)を、75重量%濃度のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩水溶液に浸し、ロールで押し潰しながら含浸させた後取り出して乾燥させた。次に、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を一対のロール間に通してしごき、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩の残存量を2.0g/m3とし、さらに80℃のギヤオーブン中で乾燥させ、微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.8秒であった。
【0056】
(実施例9)
見掛け密度が0.034g/cm3、縦50cm×横50cm×厚さ1cmの連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数34個)を、75重量%濃度のジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩水溶液に浸し、ロールで押し潰しながら含浸させた後取り出して乾燥させた。次に、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を一対のロール間に通してしごき、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩の残存量を2.0g/m3とし、さらに80℃のギヤオーブン中で乾燥させ、微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.8秒であった。
【0057】
(実施例10)
見掛け密度が0.035g/cm3、縦50cm×横50cm×厚さ1cmの連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数34個)を、75重量%濃度のイソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩水溶液に浸し、ロールで押し潰しながら含浸させた後取り出して乾燥させた。次に、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を一対のロール間に通してしごき、イソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩の残存量を2.0g/m3とし、さらに80℃のギヤオーブン中で乾燥させ、微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.7秒であった。
【0058】
(実施例11)
見掛け密度が0.036g/cm3、縦50cm×横50cm×厚さ1cmの連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数34個)を、75重量%濃度の2−エチルヘキシルエトキシサルフェートナトリウム塩水溶液に浸し、ロールで押し潰しながら含浸させた後取り出して乾燥させた。次に、連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を一対のロール間に通してしごき、2−エチルヘキシルエトキシサルフェートナトリウム塩の残存量を2.0g/m3とし、さらに80℃のギヤオーブン中で乾燥させ、微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.7秒であった。
【0059】
(比較例1)
見掛け密度が0.038g/cm3の連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数38個)を微生物繁殖用担持体とした。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.5秒であった。
【0060】
(比較例2)
連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体として見掛け密度が0.030g/cm3の連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体(長さ25mmの直線上にかかる平均気泡数34個)を使用し、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩の残存量を6.0g/m3とした以外は実施例1と同様にして微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.5秒であった。
【0061】
(比較例3)
ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩の残存量を0.05g/m3とした以外は実施例2と同様にして微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.5秒であった。
【0062】
(比較例4)
ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩の残存量を7g/m2とした以外は実施例2と同様にして微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.5秒であった。
【0063】
(比較例5)
実施例と同様のポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布連続気泡性エチレン−酢酸ビニル共重合体架橋発泡体を1cm角の立方体状にカットして微生物繁殖用担持体を得た。得られた微生物繁殖用担持体の透気度は0.4秒であった。
【0064】
実施例及び比較例で得られた微生物繁殖用担持体から、1cm角の立方体状の試料を切り出し、該試料を用いて以下の評価を行い、結果を表1及び表2に示した。
【0065】
水没性
試料を200個用意し、該試料を、縦20cm×横20cm×深さ30cmのコンクリートスラブ製の水槽に入れた蒸留水6lの水面に静かに置いた。その後放置し、1時間後に水没性を目視により評価した。尚、試料が水面より1mm以上出ているものを浮上しているものとした。また、浮上している試料が0個になるまでの時間を測定した。
○:浮上している試料はなかった
△:浮上している試料が1〜9個であった
×:浮上している試料が10個以上であった
【0066】
微生物付着性、泡立ち性
試料を1000個用意して100個ずつ網状袋に入れ、該網状袋10個と少量の微生物(活性汚泥)を、縦20cm×横20cm×深さ40cmのアクリル系樹脂製の水槽に入れた約20℃のグルコース水溶液(グルコース濃度は約1mg/cm3)10l中に投入した。その後、水槽底面より1.5l/分で曝気し続け、泡立ちの有無を目視により観察するとともに、14日経過後及び30日経過後に網状袋を取り出した。次に、網状袋から10個の試料を取り出し、取り出した10個の試料を蒸留水80cm3中に入れ、ピンセットで試料を数回絞り、試料に付着した微生物を剥離した。さらに、別の蒸留水80cm3中に入れ、前記と同様にして試料を絞り、試料に付着した微生物を剥離した。その後、さらに別の蒸留水80cm3中に入れ、前記と同様にして試料を絞り、試料に付着した微生物を剥離した後、超音波振動を与え、微生物を試料から略完全に剥離した。微生物が剥離分散した蒸留水(80cm3×3)を一つにまとめ(以下、「分散液」と記す)、該分散液の濃度を光線透過により測定し、予め検量しておいた濁度と微生物分散濃度との関係から、分散液の微生物濃度を求め、分散液中の微生物量(試料10個に付着していた微生物量)を算出した。尚、泡立ち性は以下の通り評価した。
◎:泡は発生しなかった
○:泡が発生したが、発生から1時間以内になくなった
△:泡が発生し、発生から1時間を超え、1日以内になくなった
×:泡が発生し、発生から1日を経過してもなくならなかった
【0067】
耐摩耗性
試料を10個用意し、該試料の合計乾燥重量W1(mg)を測定した。次に20cm×横20cm×深さ30cmのコンクリートスラブ製の水槽に蒸留水6lを入れ、その中に試料10個を投入した。その後、攪拌機で300回転/分で攪拌し続け、30日経過後に試料を取り出し、その合計乾燥重量W2(mg)を測定した。得られた値から、以下の式により重量減少率を算出し、以下の通り評価した。
重量減少率(重量%)={(W1−W2)/W1}×100
○:重量減少率が2重量%未満
△:重量減少率が2重量%以上5重量%未満
×:重量減少率が5重量%以上
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】
本発明の微生物繁殖用担持体は、通気性及び通水性に優れ、処理槽等の水中に投入された際の水没性に優れるとともに、泡立ちが少なく、速やかに処理能力を発揮することができるとともに、微生物による目詰まりが生じ難い。また、耐摩耗性に優れており、長期にわたり優れた処理能力を維持することができる。
Claims (5)
- 多孔体が連続気泡性ポリオレフィン系樹脂発泡体である、請求項1又は2に記載の微生物繁殖用担持体。
- 多孔体が繊維体である、請求項2に記載の微生物繁殖用担持体。
- 面積314mm2、厚さ10mmの部分に、5.56Nの空気圧を厚さ方向にかけた際、50cm3の空気が透過する時間が10秒以下のものである、請求項1〜4のいずれかに記載の微生物繁殖用担持体。
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