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JP4283538B2 - ピリジルメチルベンズアミド誘導体と複合体iiiを阻害する少なくとも1種の化合物に基づく殺菌剤組成物 - Google Patents
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JP4283538B2 - ピリジルメチルベンズアミド誘導体と複合体iiiを阻害する少なくとも1種の化合物に基づく殺菌剤組成物 - Google Patents

ピリジルメチルベンズアミド誘導体と複合体iiiを阻害する少なくとも1種の化合物に基づく殺菌剤組成物 Download PDF

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Description

本発明の主題は、少なくとも1種のピリジルメチルベンズアミド誘導体と植物病原性菌類におけるミトコンドリアのユビキノール:フェリシトクロム-c オキシドレダクターゼ(複合体IIIとしても知られている)の呼吸鎖の電子伝達を阻害することができる少なくとも1種の化合物を含有してなる新規な殺菌剤組成物;作物保護におけるその使用;及び、作物を菌類病から保護する方法である。
作物を攻撃するか又は攻撃することができる植物病原性菌類の増殖及び成長を阻止することを可能にする殺菌活性を有するピリジルメチルベンズアミド型の化合物は公知であり、欧州特許出願公開第 EP-A-1056723 号に記載されている。
さらに、植物病原性菌類におけるミトコンドリアのユビキノール:フェリシトクロム-c オキシドレダクターゼの呼吸鎖の電子伝達を阻害することができる殺菌活性化合物も知られている。特に、イミダゾリン誘導体及びオキサゾリジン誘導体は、作物の植物病原性病害の治療分野で既に知られている。そのような誘導体は、例えば、フェナミドン及びファモキサドン、並びに、それらの異性体及び農業上許容される酸付加塩などである。
仏国特許出願第 FR-2722652 号には、フェナミドンと殺菌活性化合物の特定の混合物が開示されているが、この刊行物は、ピリジルメチルベンズアミド誘導体との混合物に関しては全く言及していない。
しかしながら、作物の菌類病、特に、べと病を防除するために農業従事者が使用することができる製品を改善することは、今もなお望ましい。
作物を攻撃する菌類を防除するために環境中に散布される化学製品の薬量を、特に施用する製品の薬量を減らすことによって、低減することも望ましい。
最後に、農業従事者が利用できる抗菌製品の数を増やして、彼らがそのような抗菌製品の中から自分の特定の用途に最も適する殺菌剤を見いだすことができるようにするのもなお望ましい。
従って、本発明の1つの目的は、上記問題を解決するのに有用な新規殺菌剤組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、菌類病、例えば、ナス科植物、禾穀類及びブドウの菌類病の予防的処理及び治療的処理において有用な新規殺菌剤組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、禾穀類、ナス科植物及びブドウのべと病、うどんこ病、さび病及びボトリチス病に対して改善された効力を示す新規殺菌剤組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、ブドウのべと病及び/又はうどんこ病及び/又はボトリチス病に対して改善された効力を有する新規殺菌剤組成物を提供することである。
本発明の殺菌剤組成物を用いて上記目的を完全に又は部分的に達成することができることが見いだされた。
従って、本発明の主題は、
(a) 式(I):
Figure 0004283538
[式中、
・ Rは、水素原子、置換されていないか又は置換されているアルキル基、及び、置換されていないか又は置換されているアシル又はアルコキシカルボニル基から選択され;
・ Rは、水素原子、及び、置換されていないか又は置換されているアルキル基から選択され;
・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、-SF基、トリアルキルシリル基、置換されていないか又は置換されているアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、及び、基E、基OE若しくは基SEから独立して選択され、その際、Eは、各々が置換されていないか又は置換されているアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基及びヘテロシクリル基から選択され;
・ cは、0、1、2、3、4又は5を表し;
・ qは、0、1、2、3又は4を表す]
で表されるピリジルメチルベンズアミド誘導体又はその農業上許容される酸付加塩である少なくとも1種の化合物(I); 及び
(b) 植物病原性菌類におけるミトコンドリアのユビキノール:フェリシトクロム-c オキシドレダクターゼ(複合体III)の呼吸鎖の電子伝達を阻害することができる少なくとも1種の化合物(II); 並びに、農業上許容される担体及び/又は界面活性剤を含んでなる殺菌剤組成物である。
添付してある特許請求の範囲を含め、本明細書においては、用いられている様々な基及び化学用語は、別段の断りが無い限り、以下の意味を有する。
・ 「アルキル」及び「アルキル-」は、1〜6個の炭素原子を含んでいる直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を意味し;
・ 「アルケニル」は、2〜6個の炭素原子を含み、二重結合の形態の不飽和を含んでいる直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を意味し;
・ 「アルキニル」は、2〜6個の炭素原子を含み、三重結合の形態の不飽和を含んでいる直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を意味し;
・ 「アルコキシ」は、アルキル-オキシ基を意味し;
・ 「アシル」は、ホルミル基又はアリキルカルボニル基を意味し;
・ 「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含んでいる飽和環状炭化水素を意味し;
・ 「アリール」は、フェニル基又はナフチル基を意味し;
・ 「ヘテロシクリル」は、炭素、窒素、硫黄及び酸素から選択される3〜8個の原子(好ましくは、1個、2個又は3個のヘテロ原子を含んでいる)を含んでいる、不飽和の環状基又は完全に飽和しているか若しくは部分的に飽和している環状基、例えば、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピロリル及びオキサゾリニルなどを意味し;
・ 用語「置換されている」は、上記した基が、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、シアノ及びアシルから選択される1個以上の基で置換されていることを意味する。
式(I)の化合物又は式(II)の化合物が光学異性体、幾何異性体又は互変異性体として存在し得るということは理解される。そのような形態の全ては本発明に包含される。
化合物(I)又は化合物(II)が光学異性体として存在する場合、それらは、個々のエナンチオマーの形態でも使用し得るし、又は、ラセミ混合物を包含する、任意の比率のエナンチオマー混合物の形態でも使用し得る。
式(I)の化合物は、例えば、公開された特許出願である欧州特許出願公開第 EP-A-1056723 号に記載されている。好ましい化合物(I)は、以下に示す特徴:
・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、水素原子、及び、場合により置換されていてもよいアルキル基から独立して選択される;
・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、置換されていないか又は置換されているアミノ基、アシル基、及び、基E、基OE若しくは基SEから独立して選択され、その際、Eは、各々が置換されていないか又は置換されていることが可能であるアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基及びヘテロシクリル基から選択される;
・ cは、0、1、2又は3を表す;
・ qは、0、1、2又は3を表す;
の少なくとも1つを個別に有するか又は組み合わせて有する。
特に好ましくは、上記化合物は、以下に示す特徴:
・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、水素原子、メチル基又はエチル基から独立して選択される;
・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていないか又は置換されているアミノ基、及び、各々が置換されていないか又は置換されていることが可能であるアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又はヘテロシクリル基から選択される;
・ cは、1又は2を表す;
・ qは、1又は2を表す;
を個別に有するか又は組み合わせて有する。
さらに特に、上記化合物(I)は、以下に示す特徴:
・ RとRは、各々水素原子を表す;
・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される;
・ cとqは、互いに独立して2を表す;
を有する。
一例として、以下に示す式(I)で表される化合物
・ 化合物(Ia): 2,6-ジクロロ-N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}ベンズアミド;
・ 化合物(Ib): N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}-2-フルオロ-6-ニトロベンズアミド;
・ 化合物(Ic): N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}-2-メチル-6-ニトロベンズアミド;
及び、上記化合物の農業上許容される酸付加塩が最も特に好ましい。
一般に、本発明にかかる化合物(II)は、少なくとも2つのグループに分類することができる。前記2つのグループは、以下の通りである。
・ 一方は、複合体IIIのQin又はQと呼ばれる領域で、ユビキノンの還元を阻害することができる化合物(IIa)であり;
・ 他方は、複合体IIIのQout又はQと呼ばれる領域で、ユビキノールの還元を阻害することができる化合物(IIb)である。
本発明にかかる化合物(II)の標的酵素の名前の由来は、刊行物 Enzyme nomenclature 1992 (これは、特に、www.chem.qmw.ac.uk/iubmb/enzyme のアドレスでインターネットで利用可能である)、又は、刊行物 Enzyme Nomenclature 1992 [Academic Press, San Diego, California, ISBN 0-12-227164-5 (ハードカバー), 0-12-227165-3 (ペーパーバック)]、並びに、 Supplement 1 (1993)、Supplement 2 (1994)、Supplement 3 (1995)、Supplement 4 (1997) 及び Supplement 5 (それぞれ、Eur. J. Biochem. 1994, 223, 1-5; Eur. J. Biochem. 1995, 232, 1-6; Eur. J. Biochem. 1996, 237, 1-5; Eur. J. Biochem. 1997, 250, 1-6; 及び、Eur. J. Biochem. 1999, 264, 610- 650; に記載されている) [Copyright IUBMB.]。
本発明にかかる化合物(IIa)には、シアゾファミド及びアンチマイシンが包含される。
本発明にかかる化合物(IIb)には、ストロビルリンの合成誘導体又は天然誘導体、特に、アゾキシストロビン、ジコストロビン(dicostrobin)、クレソミム-メチル(kresomim-methyl)、メトミノストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン又はトリフロキシストロビンが包含される。
本発明にかかる別の化合物(IIb)には、特に、フェナミドンとその農業上許容される酸付加塩(フェナミドンは、「(S)-1-アニリノ-4-メチル-2-メチルチオ-4-フェニルイミダゾリン-5-オン」の化学名を有し、例えば、「 The Pesticide Manual 」, 第12版, C D S Tomlin, British Crop Protection Council, 第378頁, No.318に記載されている)、又は、ファモキサドンとその異性体及び農業上許容される酸付加塩(ファモキサドンは、「3-アニリノ-5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-1,3-オキサゾリジン-2,4-ジオン」の化学名を有し、例えば、「 The Pesticide Manual 」, 第11版, C D S Tomlin, British Crop Protection Council, 第500〜501頁, No.296に記載されている)が包含される。
有利には、本発明の組成物は、化合物(Ia)又は化合物(Ib)又は化合物(Ic)とフェナミドン又はファモキサドンを含有する。本発明の好ましい組成物は、化合物(Ia)とフェナミドン又はファモキサドンを含有する。
従って、本発明は、上記で定義されている式(I)の少なくとも1種のピリジルメチルベンズアミド誘導体と上記で定義されている少なくとも1種の化合物(II)を含有してなる殺菌剤組成物に関し、その際、化合物(I)/化合物(II)の比は、一般に、1/10〜10/1、好ましくは、1/5〜5/1、さらに好ましくは、1/5〜2/1、特に、1/2である。
化合物(I)/化合物(II)の上記比は、これら2種類の化合物の重量比として定義される。本明細書での以下の記載における2種類の化合物のいずれの比についても、当該比について異なった定義が特に示されていない限り、同様に重量比として定義される。
本発明の殺菌剤組成物が、化合物(I)の1種のみ又は2種以上を含有し得ること、及び、化合物(II)の1種のみ又は2種以上を含有し得ること、並びに、1種以上の別の化合物、例えば、殺菌活性化合物、除草活性化合物、殺虫活性化合物及び/又は植物成長調節剤をそれらが意図している用途に従って含有し得ることは理解されるであろう。
従って、本発明の殺菌剤組成物は、さらに、例えば、アシベンゾラルSメチル、ベナラキシル、ベノミル、ブラストサイジン-S、ブロムコナゾール、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、クロロタロニル、銅を主成分とする殺菌剤組成物、銅誘導体、例えば、水酸化銅及びオキシ塩化銅、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロラン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ドデモルフ、ドジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル(flumetover)、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペル(folpel)、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、カスガマイシン、マンコゼブ、マンネブ、メフェノキサム(mefenoxam)、メパニピリム、メタラキシル及びそのエナンチオマー形態、例えば、メタラキシル-M、メトコナゾール、メチラム-亜鉛、オキサジキシル、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、亜リン酸とその誘導体、例えば、ホセチル-Al、フサライド、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン(quinoxyfen)、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン(spiroxamine)、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、例えば、チオファネート-メチル、チウラム、トリアジメホン、トリアジメノール、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリチコナゾール、バリンアミドの誘導体、例えば、イプロバリカルブ、ビンクロゾリン、ジネブ、及び、ゾキサミド(zoxamide)から選択される1種以上の別の殺菌活性成分を含有し得る。
本発明はある場所での作物の植物病原性菌類を防除する方法を提供し、当該方法は、前記場所に化合物(I)及び化合物(II)を施用することを含んでなる。
従って、本発明は、有効な(農学的に有効な)量で且つ植物に毒性を示さない量の本発明の殺菌剤組成物を植物が成育している土壌若しくは成育することができる土壌、植物の葉及び/若しくは果実、又は、植物の種子に施用することを特徴とする、作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除する方法を提供する。
本発明の組成物は、例えば、禾穀類、野菜類、ナス科植物、市場向け園芸作物、ブドウ及び一般的な果実などの極めて多くの種類の作物の菌類病、特に、これら作物のべと病、
セプトリア病(Septoria diseases)、ピシウム(Pythium sp.)による病害を防除するのに有利である。
本発明の組成物は、作物(特に、ブドウ)に特に有害な多くの菌類、特に、ブドウのべと病に対する化合物(I)と化合物(II)のそれぞれの単独の効力を、それらの作物に対して薬害を引き起こすことなく、かなりの程度改善する。活性スペクトルが改善され得、使用する各活性成分のそれぞれの薬量が低減され得る。後に述べた特性は、容易に理解できる生態学上の理由により極めて重要である。
添付してある特許請求の範囲を含め、本明細書で使用されている用語「相乗効果」は、特に、「 Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations 」(Weeds, (1967), 15, pages 20-22)の標題の論文において、Colby S. R. によって定義されている相乗効果を意味するものと理解される。
上記論文では、式:
Figure 0004283538
が使用されている。上記式において、Eは、定められた薬量(例えば、それぞれ、xとyに等しい)の上記2種の殺菌剤の組み合わせに対して期待される病害の抑制割合(%)を表し、Xは、定められた薬量(xに等しい)の化合物(I)による観察された病害の抑制割合(%)を表し、Yは、定められた薬量(yに等しい)の化合物(II)による観察された病害の抑制割合(%)を表す。当該組み合わせに対して観察された抑制の割合がEより大きい場合、相乗効果が存在する。
用語「相乗効果」は、さらに、Tammes の方法(「 Isoboles, a graphic representation of synergism in pesticides 」, Netherlands Journal of Plant Pathology, 70(1964), pages 73-80)を適用することにより示される効果も意味する。
当業者は、本明細書の開示に基づいて、日常の試験により、化合物(I)と化合物(II)の間に相乗作用が存在するということを示すことができる。
本発明における化合物(I)/化合物(II)の比は、有利には、1/10〜10/1、好ましくは、1/5〜5/1である。
一般に、本発明の組成物は、化合物(I)/化合物(II)の比が1/2に等しいか又は1/2に近い値の時、良好な結果を示した。
本発明は、さらに、ある場所における作物の植物病原性菌類を防除する方法も包含し、当該方法は、該場所に化合物(I)と化合物(II)を施用することを含んでなる。
上記2種類の活性成分を含有する組成物を施用することも可能であるが、又は、それぞれが上記2種類の活性成分の内の1種を含んでいる2種の組成物を、同時に、別々に又は順次的に施用して、協力効果(conjugated effect)を得ることもできる。
これらの組成物は、処理すべき作物に対して、噴霧装置などの適切な装置を用いて直ぐに施用することができる組成物を包含するのみではなく、作物へ施用する前に希釈する必要のある商用の濃厚組成物も包含する。
本発明は、作物の様々な植物病原性病害を防除する方法、特に、セプトリア葉枯病(Septoria leaf blotch)及びベト病を防除する方法を提供する。これらの病害は、当該作物の葉に直接施用することにより防除することができる。
従って、本発明は、有効量で且つ植物に毒性を示さない量の上記で定義した組み合わせで、(例えば、施用又は投与により)作物を処理することを含んでなる、当該作物の植物病原性病害を治療的又は予防的に防除する方法を提供する。「作物を処理する」という表現は、例えば、植物病原性病害(例えば、べと病又はセプトリア葉枯病など)が発生しているか又は発生しそうな作物の地上部又は作物が成育している土壌に、上記した殺菌剤組成物を施用するか又は投与することを意味する。「作物を処理する」という表現は、さらに、例えば、種子又は塊茎などの作物の生殖生成物を処理することも意味する。
下記において記載されている本発明組成物は、一般に、成長している植物に施用するために、又は、作物を栽培する領域へ施用するために、又は、種子にコーティング若しくはフィルムコーティングするために使用される。
本発明の組成物を施用するのに適する手段には、粉剤、茎葉散布剤、顆粒剤、ミスト若しくはフォームの使用、又は、微粉砕された若しくはカプセル化された組成物の懸濁液の形態にある手段などがあり、土壌又は根の処理には液浸(liquid imbibitions)、粉剤、顆粒剤、ヒューム又はフォームなどがあり、植物の種子への施用には、種子をフィルムコーティング又はコーティングするためのものとして粉剤又は液体ブロスの使用などがある。
本発明の組成物は、適切には、植物、特に、植物病原性菌類が発生している葉に施用する。本発明にかかる化合物又は本発明の組成物を施用するための別の方法は、活性成分を含有している製剤を潅漑用水に添加することである。前記灌漑は、スプリンクラーを用いる灌漑であることもできる。
本発明の組成物を施用するのに適した製剤には、例えば、噴霧液、粉末、顆粒、ミスト、フォーム又はエマルションなどの形態で使用するのに適した製剤が包含される。
実際、作物の植物病原性病害を防除するための、1つの方法は、例えば、植物又は植物が成育している媒体に有効量の本発明組成物を施用することを含む。そのような方法では、一般に、上記複数の活性成分を、防除する必要がある菌類病の発生している同じ領域に、処理する領域1ha当たり活性成分約0.05g〜約500gの有効な薬量で施用する。理想的な条件下では、処理すべき植物病原性菌類の種類によって、さらに少ない薬量で植物を十分に保護できる場合もある。それとは逆に、気候条件がよくない場合や、耐性その他の要因によって、さらに多い活性成分の薬量が必要な場合もある。
本発明で使用する上記組み合わせの実用的な有効薬量は、特に、排除すべき植物病原性菌類の種類に応じて、又は、例えば、植物におけるそのような菌の発生の程度に応じて、幅広い範囲の比率で変動し得る。
最適な薬量は、通常、幾つかの要因、例えば、処理すべき植物病原性菌類のタイプ、菌類が発生している植物のタイプ又は成育段階、植生の密度、又は、施用方法などに依存する。活性成分(I)及び(II)の有効薬量は、一般に、約0.1g/ha〜約200g/haである。
本発明組成物の実際の使用に関しては、当該組成物は単独でも使用することができるし、また、有利には、所望の用途に適しており且つ農業における使用が許容できる、例えば、固体又は液体の増量剤又は希釈剤、アジュヴァント、界面活性剤又はその等価物などである1種以上の別の適合性成分と組み合わせて又は関連して、上記活性成分の一方若しくは他方又は両方を一緒に含有している製剤として使用することもできる。前記製剤は、全てのタイプのプランテーション又は作物への施用に適している、当該技術分野で知られている任意のタイプの製剤であることができる。そのような製剤は、当該技術分野で知られている任意の方法で調製することができるが、それらは、また、本発明の一部を形成する。
前記製剤は、さらに、別のタイプの成分、例えば、保護コロイド、固着剤、増粘剤、揺変剤(thixotropic agents)、浸透剤、噴霧用油、安定剤、防腐剤(特に、防黴剤(mouldproofing agents))又は金属イオン封鎖剤など、及び、殺有害生物性(特に、殺菌性、殺虫性、殺ダニ性又は殺線虫性)を有するか又は植物の成長を調節する性質を有する別の公知の活性成分を含有することもできる。より一般的には、本発明で使用する化合物は、通常用いられる製剤技術に相当する任意の固体添加剤又は液体添加剤と組み合わせることができる。
一般に、本発明の製剤は、通常、約0.05%〜約98.9%(重量基準)の本発明の1種以上の組み合わせと、約1%〜約95%の1種以上の固体又は液体増量剤と、場合により、約0.1%〜約50%の1種以上の別の適合性成分(例えば、界面活性剤)を含有する。
本明細書の記述において、用語「増量剤」は、上記活性成分と組み合わせて当該活性成分の、例えば、植物、種子又は土壌への施用を容易にする、有機又は無機の天然成分又は合成成分を意味する。従って、この増量剤は一般に不活性である。また、この増量剤は、許容されるもの(例えば、作物学的用途に関して許容できるもの、特に、植物の処理に関して許容できるもの)でなければならない。
上記増量剤は、固体であることができ、例えば、粘土、天然又は合成シリケート、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料(例えば、アンモニウム塩)、天然土壌鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、石灰、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ベントナイト若しくは珪藻土など、又は、合成鉱物、例えば、シリカ、アルミナ若しくはケイ酸塩、特に、ケイ酸アルミニウム若しくはケイ酸マグネシウムなどであることができる。顆粒剤に適する固体増量剤としては、砕いて粉砕された天然岩石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び白雲岩など;無機又は有機粉末の合成顆粒;おがくず、ココナッツの殻、トウモロコシの雌穂若しくは外被、又はタバコの茎などの有機材料の顆粒;珪藻土(kieselguhr)、リン酸三カルシウム、粉末状コルク又は吸着性カーボンブラック;水溶性ポリマー、樹脂、蝋;又は、固形肥料などを挙げることができる。上記した様な組成物は、望ましい場合には、1種以上の適合する物質、例えば、湿潤剤、分散剤、乳化剤又は着色剤などを含有することができ、これらは、固体である場合には、希釈剤としても作用することができる。
上記増量剤は、さらに、液体、例えば、水、アルコール、特に、ブタノール若しくはグリコール、及びそのエーテル若しくはエステル、特に、 メチルグリコールアセテート;ケトン、特に、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はイソホロン;石油留分、例えば、パラフィン系炭化水素又は芳香族炭化水素、特に、キシレン又はアルキルナフタレン;鉱油又は植物油;脂肪族クロロ炭化水素、特に、トリクロロエタン又は塩化メチレン;芳香族クロロ炭化水素、特に、クロロベンゼン;水溶性又は高極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド又はN-メチルピロリドンなど;N-オクチルピロリドン、液化ガス;などであることができ、それらは別個に用いることもでるし、混合物として用いることもできる。
上記界面活性剤は、イオン性タイプ又は非イオン性タイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であるか、又は、これら界面活性剤の混合物であることができる。それら界面活性剤の中で、例えば、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコール又は脂肪酸又は脂肪族エステル又は脂肪族アミンの重縮合物、置換フェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸のエステル-塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、アルコールのリン酸エステル、エチレンオキシドとフェノールの重縮合物のリン酸エステル、脂肪酸とポリオールのエステル、又は、前記化合物のスルフェート官能性誘導体、スルホネート官能性誘導体若しくはホスフェート官能性誘導体などを使用する。上記活性成分及び/又は不活性増量剤が水に不溶性であるか又はほんの僅かしか溶けない場合及び施用する当該組成物に用いる増量剤が水である場合、一般に、少なくとも1種の界面活性剤を存在させることが必要である。
本発明の製剤は、固着剤又は着色剤などの別の添加剤も含有することができる。カルボキシメチルセルロース、又は、粉末、顆粒若しくはマトリックスの形態の天然若しくは合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ラテックス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール若しくはポリ酢酸ビニル、天然リン脂質、例えば、セファリン若しくはレシチン、又は、合成リン脂質などの固着剤を上記製剤中に使用することができる。無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン、紺青;有機着色性物質、例えば、アリザリン、アゾ又は金属フタロシアニンタイプのものなど;又は、微量元素のもの、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩若しくは亜鉛塩などの着色剤を使用することができる。
本発明の組成物を含有する製剤は作物の植物病原性菌類を防除するのに使用されるが、それは、安定剤、別の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、抗蠕虫薬、殺細菌薬、節足動物若しくは脊椎動物に対する忌避剤若しくはフェロモン、脱臭薬、矯味矯臭剤又は着色剤を含有することもできる。
これらは、作物の植物病原性菌類に対する、作用の強さ、持続性、安全性及びスペクトルを改善する目的で、又は、本発明組成物が処理される領域に対して他の有用な機能を発揮できるようにするために、選択することができる。
本発明の固体製剤又は液体製剤としては、以下に示すようなものがある。
固体製剤としては、粉剤(dustable powders)(活性成分の含有量は100%までとし得る)及び粒剤、特に、押出し、噴霧乾燥、成形、造粒された支持体への含浸、及び、粉末からの造粒によって得られた粒剤(上記方法で製造されたこれら粒剤中の活性成分の含有量は、0.5%〜80%である)などを挙げることができる。
粉剤としては、50gの活性成分と950gのタルクを含有する製剤、20gの活性成分と10gの微粉砕シリカと970gのタルクを含有する製剤などを挙げることができるが、これらの成分を混合粉砕して、得られた混合物を散粉により施用する。
液体製剤又は施用に際して液体組成物を形成することが意図されている製剤としては、液剤(solutions)、特に、水溶剤(water-soluble concentrate)、乳剤(emulsifiable concentrates)、エマルション、懸濁製剤(suspension concentrates)、水和剤(又は、噴霧用粉末(spraying powder))などを挙げることができる。
懸濁製剤は噴霧によって施用することができるが、それは、沈殿物を生じないように且つ上記活性成分の良好な生物学的利用能が得られるように調製される。これらの懸濁液は、通常、5%〜75%、好ましくは、10%〜25%の活性成分と、0.5%〜75%、好ましくは、5%〜50%の界面活性剤と、0%〜10%の適切な添加剤、例えば、有機物由来又は無機物由来の増粘剤、消泡剤、腐食防止剤、固着剤、防腐剤、例えば、Proxel GXL(登録商標)及び凍結防止剤などを含有し、さらに、担体として、水を含有するか、又は、上記活性成分が僅かしか溶けないか又は全く溶けない有機液体を含有する。沈澱を防止するのを補助するために又は水の凍結防止剤として、特定の有機固体物質又は無機塩を上記担体に溶解させてもよい。場合によっては、特に、種子を処理することを意図している製剤に関しては、1種以上の着色剤を添加してもよい。
茎葉施用の場合、上記活性成分の良好な生物学的利用能を確実に得るために、界面活性剤の選択は重要である。従って、親水性の性質(HLB>10)を有する界面活性剤と親油性の性質(HLB<5)を有する界面活性剤の組み合わせを用いることが好ましい。界面活性剤のそのような組み合わせに関しては、例えば、仏国特許出願第 0004015 号に記載されている。
以下に記載してある3つの製剤例は、様々な作物に適する可能な懸濁製剤を例証するものである。
製剤例 SC 1 (g/kg):
本製剤例は、どちらかと言えば、単子葉植物の作物(禾穀類及びイネなど)に適している。
Figure 0004283538
製剤例 SC 2 (g/kg):
本製剤例は、どちらかと言えば、双子葉植物の作物(ブドウの木及び果樹など)に適している。
Figure 0004283538
製剤例 SC 3 (g/kg):
本製剤例は、より特定的に、種子の処理に適している。
Figure 0004283538
これらの製剤を調製するために、以下に示す手順を用いるのが好ましい。
タービン撹拌機を用いて、選択された界面活性剤(親水性の性質を有する界面活性剤+親油性の性質を有する界面活性剤+エトキシル化トリスチリルフェノールホスフェート)を必要な量の水と混合し、均質化した後、上記処方の内、活性成分以外の残りの成分を混合する。次いで、粘性の稠度を有する媒体を得るために、活性成分と、場合により、無機物由来の増粘剤(Aerosil 200 及び Attagel 50)を添加する。次いで、得られた混合物を高速粉砕タービンを用いて粉砕した後、約1〜3μmのD50及び3〜8μmのD90が得られるまでボールグラインダを用いて粉砕する。無機物由来の増粘剤を使用しない場合は、次いで、天然物由来の増粘剤(Rhodopol G)を添加して、得られた混合物を、適切な粘度が得られるまで撹拌する。
水和剤(又は、噴霧用粉末)は、通常、20%〜95%の活性成分を含有し且つ、通常、固体担体の他に、0%〜30%の湿潤剤、3%〜20%の分散剤、及び、必要な場合には、0.1%〜10%の1種以上の安定剤及び/又は別の添加剤、例えば、浸透剤、固着剤、アジテイティング剤(agitating agents)及び着色剤などを含有するように調製する。
噴霧用粉末又は水和剤を得るために、適切な混合機内で、上記活性成分を追加される物質と十分に混合し、それらを、ミル又は別の適切なグラインダを用いて粉砕する。有利な湿潤性と懸濁性を有する噴霧用粉末を得る。そのような噴霧用粉末は、任意の所望の濃度で水に懸濁させることができ、得られた懸濁液は、特に、例えば植物の葉又は種子に施用するために、極めて有利に用いることができる。
以下に記載してある製剤例は、可能な水和剤(又は、噴霧用粉末)を例証するものである。
製剤例 PM 1:
Figure 0004283538
製剤例 PM 2:
Figure 0004283538
製剤例 PM 3:
この水和剤は、以下に示す割合で、先の製剤例と同じ成分を含有する。
Figure 0004283538
製剤例 PM 4:
Figure 0004283538
製剤例 PM 5:
Figure 0004283538
水性分散液及びエマルション、例えば、本発明の水和剤を水で希釈することで得られる組成物などは、本発明の一般的な範囲内に入る。上記エマルションは、油中水型又は水中油型であることができ、それらは、「マヨネーズ」のような、どろどろの稠度を有していてもよい。
本発明の殺菌剤組成物は、水中分散性顆粒剤(water-dispersible granules)の形態に製剤してもよく、そのような水中分散性顆粒剤もまた本発明の範囲内に入る。前記分散性顆粒剤は、一般に、約0.3〜約0.6の見かけ密度を有し、一般に、約150μm〜約2000μm、好ましくは、約300μm〜約1500μmの粒径を有する。
これら顆粒における活性成分の含有量は、一般に、約1%〜約90%、好ましくは、約25%〜約90%である。顆粒の残部は、本質的に、固体増量剤と、場合により、当該顆粒に水中での分散性を付与する界面活性剤のアジュバントから構成される。これらの顆粒には、本質的に、選択した増量剤が水中で可溶であるか否かによって2種類の異なったタイプがある。増量剤が水溶性である場合、それは、無機物であり得るか、又は、好ましくは、有機物であり得る。尿素を用いた場合に、良好な結果が得られている。不溶性増量剤の場合には、それは、好ましくは無機物、例えば、カオリン又はベントナイトなどである。それは、また、(上記顆粒の2重量%〜20重量%の量の)界面活性剤と一緒に用いるのが有利であり、その際、当該界面活性剤は、その半分以上が、例えば、ポリナフタレンスルホン酸アルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、又は、リグノスルホン酸アルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩などの、少なくとも1種の本質的にアニオン性の分散剤からなり、残部が、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩などの、非イオン性又はアニオン性の湿潤剤からなる。さらに、これは本質的なことではないが、起泡剤などの別のアジュバントを添加してもよい。
これらの顆粒は、所望の薬量が得られるように、水溶液又は水分散液として、単独で使用し得る。さらに、これらの顆粒を用いて、別の活性成分、特に、別の殺菌剤を含む組成物を調製してもよい。その際、別の活性成分、特に、別の殺菌剤は、水和剤の形態であるか、又は、顆粒の形態であるか、又は、水性懸濁液の形態である。
上記顆粒は、必須成分を混合した後、自体公知の数種類の技術(例えば、ペレタイザー、流動床、噴霧乾燥器及び押出しなど)に従って造粒することにより調製し得る。上記顆粒の調製プロセスは、一般に、粉砕によって終了するが、その後、篩にかけて、上記した範囲内の選択された粒径とする。上記したようにして得た後、活性成分を含む組成物を含浸させた顆粒を用いることも可能である。
好ましくは、押出しによって顆粒を得るが、その手順は、以下の製剤例に示してあるように行う。
製剤例 DG 1:分散性顆粒剤
混合機内で、90重量%の上記活性成分と10%のパール尿素(pearl urea)を混合する。次いで、得られた混合物を歯付きロールクラッシャー内で粉砕する。粉末を得て、これを、8重量%の水で湿らせる。得られた湿った粉末をパーフォレーテッドローラ押出し機で押出す。顆粒を得て、これを乾燥し、次いで、粉砕して、それぞれ、150μm〜2000μmの粒径を有する顆粒のみが残るように篩にかける。
製剤例 DG 2:分散性顆粒剤
混合機内で下記成分を混合する。
Figure 0004283538
この混合物を水の存在下に流動床内で造粒し、次いで、乾燥、粉砕して、0.15mm〜0.80mmの粒径の顆粒が得られるように篩にかける。
本発明の殺菌剤組成物は、通常、0.5%〜95%の、化合物(I)と化合物(II)の混合物を含有する。これは、濃厚な組成物、即ち、化合物(I)と化合物(II)を組み合わせて含む商品であることができる。これは、また、処理しようとする作物に直ぐに施用することができる希釈された組成物であることもできる。後者の場合、化合物(I)と化合物(II)を含有する市販されている濃厚な組成物(この混合物は、レディーミックスと呼ばれる)を用いて水で希釈してもよいし、又は、それぞれが化合物(I)又は化合物(II)を含有する2種類の市販されている濃厚な組成物のタンクミックスを用いて水で希釈してもよい。
本発明は、さらに、例えば、作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除する方法も提供し、当該方法は、処理しようとする植物に、有効な量で且つ植物に毒性を示さない量の本発明の殺菌剤組成物を施用することを特徴とする。
本発明の方法で防除し得る、作物の植物病原性菌類は、特に、以下に示すものである。
- 卵菌類の植物病害性菌類:
- フィトフトラ(Phytophthora)属、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)(ナス科植物のべと病、特に、ジャガイモとトマトの疫病);
- ペロノスポラセアエ(Peronosporaceae)科、特に、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)(ブドウのべと病)、プラスモパラ・ハルステジイ(Plasmopara halstedii)(ヒマワリのべと病)、シュードペロノスポラ(Pseudoperonospora sp.)(特に、ウリ科植物のべと病及びホップのべと病)、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)(レタスのべと病)、ペロノスポラ・タバシナエ(Peronospora tabacinae)(タバコのべと病)、ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)(キャベツのべと病)、ペロノスポラ・ビシアエ(Peronospora viciae)(エンドウのべと病)、及び、ペロノスポラ・デストルクトル(Peronospora destructor)(タマネギのべと病);
- アデロマイセテス類(adelomycetes)の植物病害性菌類:
- アルテルナリア(Alternaria)属、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)(ナス科植物の夏疫病、特に、ジャガイモとトマトの夏疫病)、;
- グイグナルディア(Guignardia)属、特に、グイグナルディア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)(ブドウの黒腐病);
- オイジウム(Oidium)属、例えば、ブドウのうどんこ病(ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator))、マメ科作物のウドンコカビ、例えば、エリシフェ・ポリゴニ(Erysiphe polygoni(アブラナ科植物のうどんこ病)、レベイルラ・タウリカ(Leveillula taurica)、エリシフェ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)、スファエロテカ・フリゲナ(Sphaerotheca fuligena)(ウリ科植物のうどんこ病、キク科植物のうどんこ病、トマトのうどんこ病)、エリシフェ・オムニス(Erysiphe communis)(ビートの根とキャベツのうどんこ病)、エリシフェ・ピシ(Erysiphe pisi)(エンドウとアルファルファのうどんこ病)、エリシフェ・ポリファガ(Erysiphe polyphaga)(インゲンマメのうどんこ病、及び、キュウリのうどんこ病)、エリシフェ・ウムベリフェラルム(Erysiphe umbelliferarum)(セリ科植物のうどんこ病、特に、ニンジンのうどんこ病)、スファエロテカ・フムリ(Sphaerotheca humuli)(ホップのうどんこ病);
- 土壌菌類の植物病原性菌類:
- ピシウム(Pythium sp.)属;
- アファノマイセス(Aphanomyces sp.)属、特に、アファノマイセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)(エンドウの白紋羽病(white root rot))、アファノマイセス・コクリオイデス(Aphanomyces cochlioides)(黒根病(dry rot))。
「処理すべき植物へ施用する」という表現は、本発明の主題の目的のために、例えば:
- 当該植物の地上部に、組成物を含有する液体を噴霧すること;
- 散粉すること、土壌中に顆粒又は粉末を混入すること、当該植物の周囲に撒水すること、樹木の場合には、注入又は塗布すること;
- 組成物を含有するブロスを用いて、当該植物の種子にコーティングすること又は種子の表面にフィルムを形成させること;
などの様々な処理方法で本発明の殺菌剤組成物を施用し得るということを意味するものと理解される。
処理しようとする作物の地上部への液体の噴霧は、好ましい処理方法である。
下記実施例により、本発明を例証する。
実施例:ブドウのべと病に対する組成物の試験(Plasmopara viticola;予防作用)
プロトコル
プラスチックポットに詰めた砂質土壌で、ブドウ(品種:Chardonnay)をポット当たり1個体で成育させる。上記植物が2ヶ月齢(展開葉6〜7枚)になったとき、当該植物に、化合物(I)及び化合物(II)のそれぞれを単独で又は混合物として噴霧する。
それぞれの単独で又は混合物として、上記殺菌活性成分を500リットル/haに相当する薬量で施用する。
化合物(I)/化合物(II)の試験する比率は、1/2である。
処理3日後、汚染されている葉から得たプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)の胞子嚢の水性懸濁液を噴霧することによって、各植物に接種する。胞子嚢の濃度は、約100000単位/mLである。
汚染後、当該植物を飽和した大気下、18℃で2日間インキュベーションし、次いで、相対湿度90%〜100%、約20℃で5日間インキュベーションする。
汚染7日後、未処理の汚染植物と比較して、感染させた葉の裏側について病徴を評価する。
上記処理の効力を、以下の Abbott の式を用いて計算する。
Figure 0004283538
計算及び解析
適切な試験において、各成分について、50%、70%又は90%の効力を示す殺菌剤の単独の濃度又は混合剤としての濃度を、用量/反応S字状曲線モデルと対応するそれらの信頼区間に基づいて決定する。得られた結果を、Tammes モデル、又は、Colby モデルを用いて解析する。
Figure 0004283538
化合物(Ia)とフェナミドンを1/2の比率で含有する本発明組成物は、それぞれ、5mg/Lと10mg/Lの濃度で、活性成分の薬量を低減することを可能にするが、一方、極めて良好な効果をなお得ることができる。
もちろん、相乗効果は、別の薬量及び別の比率でも示すことができる。
本発明は、さらに、作物の植物病原性菌類を防除する上で、同時に、別個に又は順次に使用するための組み合わせ調製物として、化合物(I)と化合物(II)を含有する製品も提供する。
多くの好ましい態様について本発明を説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく多くの変更、置換、省略及び交換が可能であることは、当業者は理解するであろう。従って、本発明の範囲は、下記の「特許請求の範囲」の範囲及びその等価物によってのみ制限されるものである。

Claims (18)

  1. (a) 式(I):
    Figure 0004283538
    [式中、
    ・ Rは、水素原子、置換されていないか又は置換されているアルキル基、及び、置換されていないか又は置換されているアシル又はアルコキシカルボニル基から選択され;
    ・ Rは、水素原子、及び、置換されていないか又は置換されているアルキル基から選択され;
    ・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、-SF基、トリアルキルシリル基、置換されていないか又は置換されているアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、及び、基E、基OE若しくは基SEから独立して選択され、その際、Eは、各々が置換されていないか又は置換されているアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基及びヘテロシクリル基から選択され;
    ・ cは、0、1、2、3、4又は5を表し;
    ・ qは、0、1、2、3又は4を表す]
    で表されるピリジルメチルベンズアミド誘導体又はその農業上許容される酸付加塩である少なくとも1種の化合物(I);及び
    (b) フェナミドン;
    並びに、農業上許容される担体及び/又は界面活性剤を含んでなる殺菌剤組成物。
  2. 化合物(I)が以下に示す特徴:
    ・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、水素原子、及び、置換されていないか又は置換されているアルキル基から独立して選択される;
    ・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、置換されていないか又は置換されているアミノ基、アシル基、及び、基E、基OE若しくは基SEから独立して選択され、その際、Eは、各々が置換されていないか又は置換されているアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基及びヘテロシクリル基から選択される;
    ・ cは、0、1、2又は3を表す;
    ・ qは、0、1、2又は3を表す;
    の少なくとも1つを個別に有するか又は組み合わせて有することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌剤組成物。
  3. 化合物(I)が以下に示す特徴:
    ・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、水素原子、メチル基及びエチル基から独立して選択される;
    ・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ニトロ基、場合により置換されていてもよいアミノ基、及び、各々が置換されていないか又は置換されているアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又はヘテロシクリル基から選択される;
    ・ cは、1又は2を表す;
    ・ qは、1又は2を表す;
    の少なくとも1つを個別に有するか又は組み合わせて有することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌剤組成物。
  4. 化合物(I)が以下に示す特徴:
    ・ RとRは、各々水素原子を表す;
    ・ RとRは、同じであるか又は異なっていて、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される;
    ・ cとqは、互いに独立して2を表す;
    の少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌剤組成物。
  5. 前記式(I)の化合物が以下の:
    ・ 2,6-ジクロロ-N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}ベンズアミド;
    ・ N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}-2-フルオロ-6-ニトロベンズアミド;及び
    ・ N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}-2-メチル-6-ニトロベンズアミド;
    並びに、それらの農業上許容される酸付加塩から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の殺菌剤組成物。
  6. 化合物(I)が、2,6-ジクロロ-N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}ベンズアミド、N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}-2-フルオロ-6-ニトロベンズアミド、及び、N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}-2-メチル-6-ニトロベンズアミドから選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の殺菌剤組成物。
  7. 化合物(I)が2,6-ジクロロ-N-{[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]メチル}ベンズアミドであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌剤組成物。
  8. 化合物(I)/フェナミドンの重量比が1/10〜10/1であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の殺菌剤組成物。
  9. 前記比が1/5〜5/1であることを特徴とする、請求項8に記載の殺菌剤組成物。
  10. 前記比が1/5〜2/1であることを特徴とする、請求項9に記載の殺菌剤組成物。
  11. 化合物(I)とフェナミドンの組み合わせを0.5重量%〜99重量%の量で含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の殺菌剤組成物。
  12. ある場所で作物の植物病原性菌類を防除する方法であって、当該場所に請求項1で定義されている化合物(I)とフェナミドンを施用することを含んでなる、前記方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載されている殺菌剤組成物を、植物が成育している土壌若しくは成育することができる土壌、植物の葉及び/若しくは果実、又は、植物の種子に施用することを特徴とする、作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除する請求項12に記載の方法。
  14. 処理すべき作物の地上部に液体を噴霧することにより前記殺菌剤組成物を施用することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  15. 殺菌剤組成物の量が、0.1g/ha〜200g/haの薬量の化合物(I)と0.1g/ha〜200g/haの薬量のフェナミドンに相当することを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 処理する作物がブドウであることを特徴とする、請求項13、14又は15に記載の方法。
  17. 処理する植物病原性菌類が、ブドウべと病であることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 作物の植物病原性菌類の防除において、同時に使用するか、別々に使用するか、又は、順次に使用するための組み合わせ調製物として、請求項1で定義されている化合物(I)及びフェナミドンを含有する製品。
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