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JP4283567B2 - 金属薄膜の接合方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属接合方法に関し、特に、銅薄膜同士又は銅薄膜と金薄膜を拡散接合する金属薄膜接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、IC、LSIの高速動作時の問題として、配線遅延の問題がある。
これは、基板とチップの間の配線インピーダンスによって決定される信号伝達の時定数により、信号伝搬速度のタイミングがずれることによる誤動作があることを意味する。
【0003】
この問題に対処する方法としては、プリント基板とチップの間を配線せずに直接接合してこれらの間隔をできるだけ短くする方法がある。
【0004】
現状では、錫やインジウムといった比較的柔らかい低融点材を基本とするロウ材を用いて直接接合する手法が用いられているが、ロウ材が電極との間で合金化することによる抵抗値の増加、信頼性等が問題となっている。
【0005】
また、この方法の場合、半田やロウ材が溶ける温度まで加熱しなければならないので、その際の熱が周辺に拡大することによる熱ストレスがかかってしまうという問題がある。
【0006】
一方、プリント基板の多層化に伴い、プリント基板間の配線引き回し時にも上記同様の問題が生ずる。したがって、近年、被接合物同士を低温で直接接合する技術が求められている。
【0007】
また、このような部品は微細であるため、できるだけ小さな圧力で接合できる技術が必要とされている。
従来、溶接やロウ付け以外の手段で金属同士、特に銅同士の拡散接合を行う方法が提案されている。
【0008】
しかし、拡散接合を行う場合には、金属表面の平坦化と酸化膜除去による表面活性化等の被接合物の前処理が必要であり、この前処理に種々の課題がある。
【0009】
金属表面の平坦化は、接触面積を増加させる意味で非常に重要である。また、表面を不活性にしている酸化膜などの不活性化膜を除去できなければ、拡散接合が進行しない。
【0010】
これまで提案されている技術では、平坦化、活性化に用いられる手段として、真空中におけるイオンビーム、原子ビームやプラズマ照射等が用いられている。
【0011】
上述した表面の平坦化及び活性化に加え、高真空中において加圧することで、ロウ材を用いることなく金属同士を接合できることも確認されている。
【0012】
しかし、高真空中において加圧するには高価な真空装置を用いなければならず、装置のコストアップ、工程数の増加、工程の長時間化等を招き、接合コストの大幅増加につながる。
【0013】
上記問題点を解決する技術として、ハロゲン蒸気やハロゲンラジカルを用いて金属表面のハロゲン化処理を行う金属接合法も提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−5886号公報
【0015】
【特許文献2】
特開平11−239870号公報
【0016】
しかし、この金属接合法では、接合部位に残留した残留ハロゲンによる金属の修飾、残留ハロゲンの除去等が必要となり、特別な除去装置を設けなければならない。
【0017】
また、この方法では、ハロゲンとしてフッ酸が挙げられているが、フッ酸等のハロゲンは人体や周囲の環境に対する影響が甚大である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、半田やロウ材等を挟むことなく、また高価な装置を使用せず、大気圧下で、低温、低圧及び短時間で被接合物同士を容易に接合可能な金属接合方法を提供することを目的とする。
【0019】
さらに、本発明は、特別な薬品除去設備を必要とせず、人体や周囲の環境に悪影響を及ぼさない金属接合方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、表面粗さが10nm以下に平坦化された一対の金属被接合物の接合面である金属薄膜表面を酸溶液を用いて処理する工程と、前記金属薄膜表面に残る前記酸溶液を純水洗浄液を用いて洗浄する工程と、接合面である前記金属薄膜表面同士を接触させ、70〜180℃の温度に加熱しつつ0.5〜50MPaの圧力で加圧して接合する工程とを有する金属薄膜の接合方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記各工程を大気中で行うものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、前記酸溶液の洗浄の際に前記金属薄膜表面に前記純水洗浄液による保護層を形成するものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の発明において、接合する直前まで前記金属薄膜表面を加熱温度より低い所定の温度に保持するものである。
【0021】
本発明の場合、10nm以下の表面粗さに平坦化された二つの金属薄膜の接合面を酸溶液の処理液によって表面処理した後、この処理液を純水洗浄液を用いて洗浄し、70〜180℃の温度に加熱しつつ0.5〜50MPaの圧力で加圧するようにしたことから、活性な面同士を接触させることができるため、はんだやロウ材を使用することなく、大気圧下で、低温及び低圧で被接合物同士を直接拡散接合することができる。
【0022】
しかも、本発明の場合、ハロゲンを使用せずに活性化処理を行うことができるため、特別な除去設備を用いずに被接合物同士を接合でき、また、人体や周囲の環境に悪影響を及ぼすこともない。
【0023】
さらに、本発明の場合、大気中で接合することができ高真空中で加圧する必要がないため、高価な真空装置等を使用する必要がなく、少ない工程で短時間に接合を行うことができ、接合コストを低く抑えることができる。
【0024】
一方、本発明において、除去処理液の洗浄の際に金属被接合物の接合面に純水洗浄液による保護層を形成するようにすれば、大気中にある酸素など金属表面を酸化する成分が直接接合面に接触することが阻止され、接合面の酸化を防止することができる。
【0025】
また、本発明において、接合する直前まで金属被接合物の接合面を加熱温度より低い所定の温度に保持するようにすれば、接合までの間に接合面の再酸化を防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態の金属薄膜接合方法を示すフローチャート、図2(a)〜(c)は、同金属薄膜接合方法の工程を示す説明図(その1)、図3(d)〜(e)は、同金属薄膜接合方法の工程を示す説明図(その2)である。
【0027】
本発明においては、まず、一対の被接合物12、13を用意する。ここで、被接合物12、13は、図2(a)に示すように、基材12b、13b上に所定の金属薄膜(金属被接合物)12a、13aが形成されたものを用いる。
本発明を適用可能な金属材料としては、例えば、銅、金等があげられる。
【0028】
本実施の形態の場合は、図1のステップS1に示すように、金属薄膜12a及び13aの表面に平坦化処理された接合面120、130を形成する。
【0029】
本発明の場合、金属薄膜12a及び13aの接合面120、130の表面粗さ(Ra)は、特に限定されることはないが、接触面積拡大の観点から、10nm以下であることが好ましい。
【0030】
本発明の場合、接合面120、130は、金属被接合物の表面を所定の表面粗さに平坦化処理することにより、又は平坦化された下地層上に金属薄膜を例えばスパッタリング法、真空蒸着法によって形成することにより作成することができる。
【0031】
ステップS2では、図2(a)に示すように、被接合物12及び13を処理液11に浸漬し、平坦化処理時の残渣や酸化膜等を全て除去して金属薄膜12a及び13aの接合面120、130を活性化させる。
【0032】
本発明の場合、処理液11としては、特に限定されることはないが、表面酸化層除去及び残渣成分除去の観点からは、酸溶液を用いることが好ましい。
【0033】
このような酸溶液としては、例えば、硫酸、リン酸、塩酸等の溶液を好適に用いることができる。
【0034】
ステップS3では、図2(b)に示すように、被接合物12及び13を純水洗浄液14に浸漬し、金属薄膜12a、13aの接合面120、130を洗浄することによって処理液11の残渣を完全に取り除く。
【0035】
そして、図2(c)に示すように、金属薄膜12a及び13aの接合面120、130に純水洗浄液14による保護層14aを形成する(水置換)。
【0036】
これにより、大気中にある酸素など金属を酸化する成分が直接金属薄膜12a及び13aの接合面120、130に接触することが阻止される。
【0037】
その後、ステップS4では、金属薄膜12a及び13aを加熱温度より低い所定の温度に保持する。
【0038】
本発明の場合、金属薄膜12a及び13aを低温に保持する温度は特に限定されることはないが、金属表面の再酸化を防止する観点からは、40℃以下に保持することが好ましい。
【0039】
本実施の形態においては、図3(d)に示す接合装置10を用いて被接合物12、13の低温保持及び加熱加圧を行う。
【0040】
図3(d)に示すように、本実施の形態の接合装置10は、それぞれ金属からなる上下のホットプレート16a、16bを有している。
【0041】
ホットプレート16a、16bの内部には図示しないヒータが設けられ、これによりホットプレート16a、16bを所定の温度に制御するようになっている。
【0042】
本実施の形態では、下側のホットプレート16b上の中空に保持された金属製の中間プレート15上に被接合物13を載置し、さらに、金属薄膜12a及び13a同士を対向させて被接合物13の上に被接合物12を載置する。
【0043】
中間プレート15内には図示しない空冷又は水冷による冷却手段が設けられ、この中間プレート15によって被接合物12、13の接合面120、130を低温に保持する。
【0044】
ステップS6では、図3(e)に示すように、被接合物12、13を背面側からホットプレート16a、16bによって加圧し、これにより接合面120、130に対して所定の温度及び圧力で加熱加圧処理を行う。
【0045】
本発明の場合、加熱温度は特に限定されることはない。被接合物12、13の耐熱性を考慮すると、低温であることが好ましいが、70〜180℃の範囲で選択できる。
【0046】
また、加圧の際の圧力は、被接合物12、13の強度や硬度によって0.5〜50MPaの範囲で選択できる。
【0047】
さらに、加熱加圧の時間は、加熱時にも酸化が進行するので、5分以内が好ましく、より好ましくは、1〜5分である。
【0048】
このような条件で加熱加圧することによって被接合物12、13の金属薄膜12a及び13a同士が接合される。
なお、接合面120、130表面の保護層14aは、加熱の際に蒸発して消散する。
【0049】
以上述べたように本実施の形態によれば、例えば10nm以下の表面粗さに平坦化された金属の接合面120、130を酸溶液等の処理液11によって活性化処理した後、この処理液11を純水洗浄液14を用いて洗浄するようにしたことから、活性面を直接接触できるため、はんだやロウ材を使用することなく、大気圧下で、低温及び低圧で金属薄膜12a、13a同士を直接接合することができる。
【0050】
しかも、本実施の形態によれば、ハロゲンを使用せずに接合面120、130の活性化処理を行うことができるため、特別な除去設備を用いずに金属薄膜12a、13a同士を接合でき、また、人体や周囲の環境に悪影響を及ぼすこともない。
【0051】
さらに、本実施の形態の場合、大気中で接合することができ高真空中で加圧する必要がないため、高価な真空装置等を使用する必要がなく、少ない工程で短時間に接合を行うことができ、接合コストを低く抑えることができる。
【0052】
さらに、本実施の形態においては、処理液11の洗浄の際に金属薄膜12a、13aの接合面120、130に純水洗浄液14による保護層14aを形成することから、大気中にある酸素など金属表面を酸化する成分が直接接合面120、130に接触することが阻止され、接合面120、130の再酸化を防止することができる。
【0053】
さらにまた、本実施の形態においては、接合する直前まで金属薄膜12a、13aの接合面120、130を加熱温度より低温に保持することから、接合までの間に接合面120、130の再酸化を防止することができる。
【0054】
図4は、本発明の他の実施の形態の金属薄膜接合方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、本実施の形態においては、純水洗浄処理後のステップS4において、金属薄膜12a、13aの接合面120、130に窒素ガスや乾燥空気等を用いてガスブローを行い、接合面120、130に残っている純水洗浄液14を除去するようにする。
【0055】
本実施の形態の場合は、金属薄膜12a及び13aの酸化防止のため、上記実施の形態より加熱加圧時間を短くすることが好ましく、より好ましくは1分以内である。
【0056】
このような本実施の形態によれば、接合の際に金属薄膜12a、13aの接合面120、130に純水洗浄液14が存在しないので、純水が蒸発しにくい温度(100℃以下)で接合する場合に短時間で接合を行うことができるというメリットがある。その他の構成及び作用効果については上述の実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0057】
図5(d)、(e)は、本発明のさらに他の実施の形態の要部工程を示す説明図である。
図5(d)に示すように、本実施の形態においては、ホットプレート16a、16b上に、ホットプレート16a、16bからの輻射熱を遮るための輻射熱防止板17を配置して加熱加圧を行うようにしている。
【0058】
加熱加圧前には、中間プレート15及び輻射熱防止板17は、ホットプレート16b上の中空に保持されていて、被接合物12、13が40℃以下に保たれている。
【0059】
このような本実施の形態によれば、ホットプレート16a、16b上に輻射熱防止板17を配置することによって、被接合物12、13の温度を低温に保てるため、加熱前の酸化を防止することができる。その他の構成及び作用効果については上述の実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0060】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限られず、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、接合しようとする金属被接合物の双方に除去処理液による処理及び純水洗浄液による処理を行うようにしたが、本発明はこれに限られず、一方が酸化されにくい金属であれば他方の金属被接合物のみこれらの処理を行うことも可能である。
【0061】
また、上述の実施の形態においては、接合しようとする金属被接合物の双方を加熱するようにしたが、本発明はこれに限られず、金属被接合物の熱容量によっては、一方の金属被接合物のみ加熱することも可能である。
【0062】
さらに、接合の対象となる金属被接合物は、薄膜のみならず種々の形状の金属が含まれる。
【0063】
さらにまた、接合する金属被接合物の種類については、同種の金属又は異種の金属のいずれにも適用することができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明に係る固体接合方法の実施例を説明する。
【0065】
<実施例1>
本実施例では、被接合物としてメッキによって作成された銅薄膜を用いた。
この場合、メッキによって作成された銅薄膜に化学機械的研磨(CMP)処理を行い、表面粗さを10nm以下にした。
【0066】
そして、この銅薄膜を体積濃度20%の硫酸に浸漬した後、純水に浸漬して硫酸を除去した。
【0067】
さらに、銅薄膜を40℃以下に保持し、温度100℃、圧力65g/mm2、時間1分の条件で加熱加圧を行った。
【0068】
<実施例2>
接合時間を5分とし、接合温度を70℃とした以外は、実施例1と同様の方法によって接合を行った。
【0069】
<実施例3>
実施例1、2と同様の条件で、平坦化されたシリコンウェハ上にスパッタリング法により形成された銅薄膜同士の接合を行った。
【0070】
<実施例4>
実施例3と同様の条件で、平坦化されたシリコンウェハ上に形成された銅薄膜と、平坦化されたシリコンウェハ上に形成された金薄膜との接合を行った。この場合には、銅薄膜のみ酸溶液浸漬による処理及び純水洗浄を行った。
【0071】
<結果>
上記実施例1〜4のいずれの場合も接合が可能であり、本発明によれば、大気中で、低温、低圧下で金属同士の直接接合が可能であることが実証された。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、半田やロウ材等を挟むことなく、高価な装置を使用せず、大気圧下で、低温、低圧及び短時間で被接合物同士を容易に接合することができる。
また、本発明によれば、特別な薬品除去設備を必要とせず、人体や周囲の環境に悪影響を及ぼさない金属接合方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の金属薄膜接合方法を示すフローチャート
【図2】(a)〜(c):同金属薄膜接合方法の工程を示す説明図(その1)
【図3】(d)〜(e):同金属薄膜接合方法の工程を示す説明図(その2)
【図4】本発明の他の実施の形態の金属薄膜接合方法を示すフローチャート
【図5】(d)、(e):本発明のさらに他の実施の形態の要部工程を示す説明図
【符号の説明】
11…表面処理溶液 12、13…被接合物 12a、13a…金属薄膜(金属被接合物) 12b、13b…基材 14…純水洗浄液 14a…保護層 15…中間プレート 16a、16b…ホットプレート 17…輻射熱防止板

Claims (4)

  1. 表面粗さが10nm以下に平坦化された一対の金属被接合物の接合面である金属薄膜表面を酸溶液を用いて処理する工程と、
    前記金属薄膜表面に残る前記酸溶液を純水洗浄液を用いて洗浄する工程と、
    接合面である前記金属薄膜表面同士を接触させ、70〜180℃の温度に加熱しつつ0.5〜50MPaの圧力で加圧して接合する工程とを有する金属薄膜の接合方法。
  2. 前記各工程を大気中で行う請求項1記載の金属薄膜の接合方法。
  3. 前記酸溶液の洗浄の際に前記金属薄膜表面に前記純水洗浄液による保護層を形成する請求項1又は2のいずれか1項記載の金属薄膜の接合方法。
  4. 接合する直前まで前記金属薄膜表面を加熱温度より低い所定の温度に保持する請求項1乃至のいずれか1項記載の金属薄膜の接合方法。
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