JP4284703B2 - 水洗便器 - Google Patents
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Description
しかしながら、上述した水洗便器では、リムの下面と汚物受け面との境界部が上方から見て死角になり、特にリムの下面には洗浄水が廻り込まないため、汚れが残りやすいという問題があり、また境界部が見にくいため釉薬の塗布が完全に行えない場合があり、これも汚れが付着する原因になっていた。
この水洗便器は、ボウル部に臨むリム内側面と汚物受け面とをスムーズに連続した形状とすることで、陰になる部分をなくし、しかもボウル部への洗浄水の供給はボウル部の後部の1箇所に吐水口を設け、この吐水口からリムと汚物受け面との境界部近傍に洗浄水を吐水して旋回流を形成して、汚物受け面の全面に洗浄水を行き渡らせるようにしたものである。
また、特開平9−125502号公報(特許文献2)には、ロータンク下部にディストリビュータを配設し、気泡分散水(洗浄水)をボウル部に左右に分けて供給するようにした水洗便器が開示されている。
更に、特開2000−96689号公報(特許文献3)には、複数の吐水口を設け、これらの複数の吐水口により、1つの旋回流を形成するようにした水洗便器が開示されている。具体的に言えば、吐水口は、ボウル部の前端部及び後端部の2箇所、又は、ボウル部の前端部、後端部、右側中央部及び左側中央部の4箇所にぞれぞれ設けられている。
さらに、押込洗浄水吐水部から洗浄水を吐水して汚物を排水路に効果的に押し込むことが出来る。
このように構成された本発明によれば、第2の通水路がリム部の内部をUターンして第2の吐水部に連通しているので、第2の吐水部に洗浄水を供給する第2の通水路をリム部の内部を長い距離周回する必要がなくなり、摩擦抵抗が減少してエネルギーロスが低減する。
このように構成された本発明によれば、第1の吐水部から吐水される洗浄水によりボウル部の大部分が洗浄され、残りの部分が第2の吐水部から吐水される洗浄水により洗浄されるので、確実にボウル部の洗浄を行うことができる。また、第1の吐水口から吐水された洗浄水がボウル部先端側から排水口へ向かう流れ(主流部)を形成し易く、この形成された主流部により、汚物、特に浮遊汚物を排水路に押込む機能を発揮する。
このように構成された本発明においては、第1の吐水部から吐水された洗浄水の主流部が排水路の入口に向って流れ込むように、その幅が変化して形成されているため、比較的多くの水量(主流部の水量)が、排水路に向けて供給されるため、汚物、特に溜水面に浮遊していた汚物を排水路まで容易に導くことが出来る。
このように構成された本発明によれば、単に、ボウル部の棚幅を変化させることにより、簡易に、第1の吐水部から吐水された洗浄水の主流部が排水路の入口に向って流れ込むようにすることができる。
なお、通水路7a、63a、64a及び第1,第2の吐水口11,12の構造は、第1実施形態と同一である。
さらに、第3実施形態においては、導水路3を隔壁34にて上部導水路30aと下部導水路30bに分け、隔壁34に形成した開口35を介して給水源からの洗浄水が、下部導水路30b内に供給されるようになっており、隔壁34は、導水路内の空気の洗浄水への巻き込みによるサイホンの発生の遅れを防止している。そして、上部導水路30aは第2の吐水口12に洗浄水を供給する通水路64aと連通し、下部導水路30bは第1の吐水口11に洗浄水を供給する通水路63a及びゼット穴8に洗浄水を供給する通水路36と連通している。下部導水路30b内に供給された洗浄水は通水路36を介してゼット穴8から放出される。
この第4実施形態においては、第1実施形態と同様に、導水路内を上下に分けず、通水路63a,64a及びゼット穴8に洗浄水を供給する通水路36に洗浄水を送り込むようにしている。
この第5実施形態において、供給水源から供給された洗浄水は、導水路3の前部で左右に設けられたリム連結穴63、67により一部分岐され、リム連結穴63に入った水は水洗便器の平面視で左回りに、リム連結穴67に入った水は右回りに進む。
更に、リムの通水路構造が単純なため、通水路63a,67a,67bに重力方向に勾配をつけることで、洗浄後長期間にわたり吐水口より汚物受け面に少量ずつ放出し続ける水が低減され、汚物受け面に縦筋状に形成される水垢汚れを抑制することができる。
この第6実施形態においては、導水路3の開口3aに近い上流側部分の左右にリム連結穴69,70を設け、供給水源から供給された洗浄水は、これらリム連結穴69,70により一部分岐される。リム連結穴69から入った水は通水路69a、69bを経た後、第1の吐水口11より汚物受け面5に水洗便器の平面視で左回りに放出される。
また、リム連結穴70から入った水は通水路70a,70b,70cを経て第2の吐水口12より汚物受け面5に水洗便器の平面視で左回りに放出される。
この実施形態においても、導水中に通水路36,70a,70b,70c内の空気が洗浄水と早期に置換し第1,2の吐水口11、12から排出されるので、通水路内で空気が圧縮されることがなくなる。そのため洗浄水の水流のエネルギーの損失が低減でき、洗浄時の静音化にも有利となる。
第7実施形態は、上述した第5実施形態(図13乃至図15参照)と基本構造は同じであるが、節水型の洗浄水タンク(6L〜8L)を備えていること、及び、棚部の幅及び傾斜を旋回流の流れに沿って変化させるようにしたことが異なっている。以下、これらの事項に関し、具体的に説明する。
ここで、棚部の形状を説明する前に、図21により、第1及び第2の吐水口11,13のそれぞれの配置位置を説明する。ボウル部2(棚部6c)は、ほぼ楕円形状をしており、前方視のとき左側と右側が対称となっており、また、概略的には、♯17〜♯4の領域及び♯8〜♯12の領域では相対的に曲率半径が大きく、一方、♯4〜♯8の領域及び♯12〜♯17の領域では相対的に曲率半径が小さくなっている。
なお、棚幅6cと汚物受け面5との間は、曲面で形成せず、平面をつなげて構成するようにても良い。
ここで、図26及び図27は、ボウル部に溜水を形成した状態で洗浄タンクに貯溜されている洗浄水のみを使用して洗浄を行ったときに得られたデータ(実験結果)を示している。
これらの限界値について、本実施形態による水洗便器(タンク容量6L)と従来技術による水洗便器(ボックスリムに設けられた多数の孔から吐水するタイプでタンク容量6L)とを比較して説明する。
なお、代用汚物は、健康状態が正常の際の大便に近似させたものであり、大便の8割以上をとされる水分と有機分及び灰分からなる固形物を元に硬度(硬さ)や形態を調整したものである。
性能限界Cは、代用汚物がきちんと排出されるゼット吐水量の限界値である。図26に示すように、この性能限界Cは、本実施形態と従来技術は両者とも、3.0Lである。
水飛び限界Eは、リムから洗浄水がほぼ水平方向に飛び出る(特に、便器先端部から洗浄水が飛び出る)リム吐水量の限界値である。水飛びは、ボックスリムに設けられた多数の孔から吐水するタイプである従来技術では発生せず、旋回流を用いる本実施形態のみに適用される。図26に示すように、水飛びの限界値は、各リム吐水量毎に判断され、本実施形態では、2.3L(第1の吐水口の吐水量R1)である。
また、図26図には、本実施形態の実施例Cとして、リム吐水量R(=R1+R2)が2.0L、ゼット吐水量Zが4.0Lとした水洗便器が示されており、この水洗便器は、洗浄限界A、搬送限界B、性能限界D及び水飛び限界Eの全ての限界を満たしている。
図27に示すように、従来技術では、ゼット吐水量が性能限界D'の3.0L以上で且つリム吐水量Rが搬送限界B'の1.8L以上となっている。一方、本実施形態では、ゼット吐水量が性能限界Dの3.0L以上で且つリム吐水量R(=R1+R2)が搬送限界Bの1.0L以上となっている。また、リム吐水量R1(又はR2)は、水飛び限界Eの2.3L未満となっている。図27には、更に、タンク容量が6Lの実施例Cが取り得るリム吐水量Rおよびゼット吐水量Zの値も示されている。
さらに、本実施形態では、リム吐水量Rに関し、第1の吐水口11から吐水される吐水量R1は、第2の吐水口12から吐水される吐水量R2よりも、多くの洗浄水が吐水されるように、その開口の大きさが設定されている。この吐水量R1と吐水量R2の配分(割合)は、各吐水口から次の吐水口までの旋回流の距離とほぼ比例するように設定されている。
本実施形態では、第1の吐水口11と第2の吐水口12は、上述した好ましい位置に配置されているので、リム吐水量Rにおいて、吐水量R1と吐水量R2の配分(割合)は、(55%:45%)〜(70%:30%)の範囲が好ましい。
洗浄水タンク80の底部には開口3aが形成されており、この開口3aがボール状の排水弁82により開閉されるようになっている。この排水弁82は、鎖84により電動モータ86に接続されており、洗浄スイッチ87の操作により、電動モータ86が駆動され、排水弁82を上昇させて、洗浄水タンク80内の洗浄水を導水路3及び通水路36を経由してゼット穴8に供給できるようになっている。なお、排水弁82は、フロート(図示せず)に連結され、洗浄水タンク80内の水位が所定以下になるまで開口3aを開放するようになっている。
また、水洗便器は制御装置98を備えており、この制御装置98には、操作スイッチ87の操作を検知した検知信号が入力され、それに基づき、電磁弁94,96にこれらの電磁弁の開閉操作を行う操作信号及び電動モータ86の駆動信号が出力される。具体的には、便器使用後に操作スイッチ87が操作されると、先ず、電磁弁96が開操作され、水道配管88から水道水が洗浄水として第2分岐管92を経由して、第1及び第2の吐水口11,12に供給される。次に、その数秒後に、電動モータ86が駆動され、排水弁82が上昇し、それにより、洗浄水タンク80内の洗浄水が、ゼット穴8に供給され、サイホン作用が発生し、汚物が排出される。その後、洗浄タンク80内の水位が低下して、排水弁82が開口3aを閉じ、その後、第2分岐管92から供給される洗浄水によりボウル部に封水に必要な溜水面が形成され、その後、電磁弁96を閉操作し、さらに、電磁弁94を開操作して、空になった洗浄水タンク80内に洗浄水を貯溜する。
なお、図28に示す水洗便器において、電磁弁94に代えて、洗浄水タンク80内の水位に応じて、機械的に第1分岐管90の吐水をオン・オフするボールタップバルブを用いても良い。
第9実施形態は、上述した第7実施形態及び第8実施形態と基本構造は同じであるが、第1及び第2の吐水口への洗浄水及びゼット穴への洗浄水の両者が水道配管から供給される点が異なっている。以下、これらの事項に関し、具体的に説明する。
また、ゼット用配管108は、便器本体内に設けられ配管により形成されたゼット通水路118を経由してゼット穴8に洗浄水を供給するようになっている。
さらに、洗浄スイッチ(図示せず)が設けられている。
図30において、実線は、リム用配管106の電動弁110の開閉によるリム吐水の流量を示し、鎖線は、ゼット用配管108の電動弁112の開閉によるゼット吐水の流量を示している。
図30に示すように、洗浄スイッチによる給水命令があると、時刻t0において、リム用配管106の電動弁110を開弁させて所定の流量で第1及び第2の吐水口11,12から吐水を行う。この状態を所定時間維持してボウル部2の汚物を溜水へ落とし込み、また、溜水を旋回させた後、時刻t1において、電動弁104を閉弁させると同時にゼット用配管108の電動弁112を開弁させることにより所定の流量でゼット穴8より吐水を行なう。このゼット穴8からの吐水によりサイホン作用によって汚物が排出されるが、ゼット穴8からの吐水が一定時間行われると、時刻t2において、電動弁112の開度を少し絞って流量を所定の流量よりも少なくし、その少なくなった流量をリム吐水に用いるために、電動弁110を僅かに開弁する。この後、所定時間が経過した時刻t3において、電動弁112を閉弁するとともに電動弁110を全開にして、第1及び第2の吐水口11,12からの吐水を再開する。所定の流量のリム吐水(ボウル給水)を所定時間継続した時刻t4において、電動弁110を閉弁して一連の洗浄動作を終了する。
しかしながら、第9実施形態は、これに限らず、このようなリム吐水とゼット吐水のオーバーラップが無く、単に、リム用配管106からの給水→ゼット用配管108からの給水→リム用配管106からの給水、といった吐水パターンとしても良い。さらに、ゼット穴8からの吐水を第1及び第2の吐水口11,12からの吐水と同時に行うようにしても良い。
4 排水路
5 汚物受け面
6 リム
6c 棚部
11 第1の吐水口
12 第2の吐水口
63a、64a、65、66 通水路
67a、67b、69a、69b、70a〜70c 通水路
70 洗浄水タンク
Claims (6)
- 洗浄水タンク内に貯溜された洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する水洗便器であって、
ボウル形状の汚物受け面と、上縁部でありその内周面が内方に向ってオーバーハングしたリム部と、このリム部と汚物受け面との間に形成された棚部とを備えたボウル部と、
このボウル部の下方にその入口が接続され汚物を排出する排水路と、
上記ボウル部の棚部上に洗浄水を吐水し旋回流を形成する第1の吐水部と、
上記ボウル部の棚部上に上記旋回流の旋回方向と同一方向に洗浄水を吐水する第2の吐水部と、
汚物を上記排水路に押し込む方向に洗浄水を吐水する押込洗浄水吐水部と、
上記洗浄水タンクから洗浄水を第1の吐水部に供給する第1の通水路と、
上記洗浄水タンクから洗浄水を第2の吐水部に供給する第2の通水路と、
上記洗浄タンクから洗浄水を押込洗浄水吐水部に供給する第3の通水路と、を有し、
上記第1の吐水部は、上記ボウル部の前後方向を中心として一方の側のボウル部の小さな曲率半径から大きな曲率半径に変化する位置の近傍に配置され、上記第2の吐水部は、他方の側のボウル部の大きな曲率半径から小さな曲率半径に変化する位置の近傍に配置されていることを特徴とする水洗便器。 - 上記第2の通水路は、Uターンして第2の吐水部に連通している請求項1記載の水洗便器。
- 上記第1の吐水部から吐水されるリム吐水量は、上記第2の吐水部から吐水されるリム吐水量よりも多い請求項1又は請求項2記載の水洗便器。
- 上記ボウル部の棚部は、第1の吐水部から吐水された洗浄水の主流部が上記排水路の入口に向って流れ込むように、その幅が変化して形成されている請求項1乃至3の何れか1項記載の水洗便器。
- 上記ボウル部の棚部は、その幅が上記ボウル部の前後方向を中心として両側領域では広く形成されボウル部の前端領域では狭く形成されている請求項4項記載の水洗便器。
- 上記ボウル部の棚部は、下方に向って傾斜しその傾斜角が下方に向って0度〜15度の範囲内である請求項1乃至5の何れか1項記載の水洗便器。
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