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JP4285647B2 - エンジンのカム位相可変装置 - Google Patents
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JP4285647B2 - エンジンのカム位相可変装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室に開口してシリンダヘッドに形成されたポートを開閉する弁体を駆動するカムの位相を可変するエンジンのカム位相可変装置に関する。
近年、自動車に搭載されるエンジンでは、排気ガスの環境への影響、高出力化を考慮し、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているように、吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方のバルブタイミングを可変することのできる可変バルブタイミング制御装置が実用化されている。
このような可変バルブタイミング制御装置では、エンジン回転数センサを初めとする各種センサによりエンジン運転状態を検出し、油圧や電気的な駆動源を用いたアクチュエータを制御装置によって駆動制御することで、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバーラップ量をエンジン運転状態に応じて最適に制御している。
特開平2001−263102号公報 特開平2001−355462号公報
しかしながら、発電機や作業機、スノーモビル等の原動機として使用される汎用エンジンにおいては、コスト、重量、艤装上の面から、油圧や電気的なアクチュエータやセンサ類、制御装置等を備えることは困難であり、これらを要しない簡素な構成のカム位相可変装置が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、油圧や電気的な駆動源を要することなく、簡素な機構でカム位相を可変することのできるエンジンのカム位相可変装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるエンジンのカム位相可変装置は、燃焼室に開口してシリンダヘッドに形成されたポートを開閉する弁体を駆動するカムの位相を可変するエンジンのカム位相可変装置であって、クランクシャフトによって回転駆動される固定カムと、上記固定カムに連設され、上記固定カムに対して位相がずれるように相対回転可能な可動カムと、上記固定カムの回転に伴う遠心力により開角する第1のフライウェイトと、上記第1のフライウェイトの回転軸に上記可動カムを連結し、上記第1のフライウェイトの回転により上記可動カムを上記固定カムに対して位相がずれるように相対回転可能とする連結部とを備えたことを特徴とする。
その際、上記連結部を、上記第1のフライウェイトの回転軸に軸中心から偏心して設けた孔と、上記可動カムに設けた孔とに偏心ピンを挿入して構成することが望ましく、また、上記第1のフライウェイトを、上記固定カムに固設されて上記クランクシャフトからの回転を上記固定カムに伝達する回転伝達部に配設することが望ましい。さらに、上記固定カムの回転に伴う遠心力により開角する第2のフライウェイトを備えるデコンプ機構では、この第2のフライウェイトを、上記固定カムに固設され、上記クランクシャフトからの回転を上記固定カムに伝達する回転伝達部に配設することが望ましい。
本発明のエンジンのカム位相可変装置は、油圧や電気的な駆動源を要することなく、簡素な機構でカム位相を可変することができ、エンジン運転状態に応じた効率の良い吸排気タイミングとすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図5は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジンの要部断面図、図2はカム位相可変機構の断面図、図3は図2のA矢視図、図4は低速時のフライウェイト及び可動カムの位相を示す説明図、図5は高速時のフライウェイト及び可動カムの位相を示す説明図である。
図1においては、符号1は、発電機や作業機、スノーモビル等の原動機として使用される汎用エンジンであり、同図においては、SOHCエンジンである。このエンジン1は、クランクケース2と一体形成されるシリンダ3を傾斜させて全高を低く構成しており、クランクケース2に回動自在に軸支されるクランクシャフト4に、シリンダ3内で摺動自在に往復動するピストン5がコネクティングロッド6を介して連設されている。
尚、符号7は、コネクティングロッド6のクランクシャフト4を把持する大端部に固設されるオイルスクレーパであり、このオイルスクレーパ7によってクランクケース2の底部に貯留される潤滑オイルを掻上げ、各部を潤滑する。
ピストン5の上部には、シリンダヘッド8とシリンダ3とにより燃焼室9が形成され、この燃焼室9に、弁体としての吸気バルブ10、排気バルブ11、及び図示しない点火プラグが臨まされている。シリンダヘッド8には、吸気バルブ10によって開閉される吸気ポート12と排気バルブ11によって開閉される排気ポート13とが形成されており、下方に開口される吸気ポート12が図示しないエアクリーナに連通され、上方に開口される排気ポート13が排気管14を介してマフラ15に連通されている。
吸気バルブ10及び排気バルブ11は、バルブスプリングによって閉弁方向に付勢され、各バルブ10,11のステムエンドがシリンダヘッド8に揺動自在に軸支されるロッカーアーム16,16の一端に当接されている。ロッカーアーム16,16の他端には、シリンダヘッド8に軸支されるシャフト17に装着されたカム18に摺接するスリッパ部が設けられ、カム18の回転によりロッカーアーム16,16が揺動し、吸気バルブ10及び排気バルブ11が開閉駆動される。
本形態においては、カム18の軸方向一側に、回転伝達部の一例として、カム18と一体回転するカムスプロケット19が設けられており、このカムスプロケット19がクランクシャフト4に固設されたクランクスプロケット20に図示しないチェーンを介して連結され、カム18がクランクシャフト4の1/2の速度で同期回転するように設定されている。尚、カムスプロケット19に代えてカムギヤを設けても良く、例えば、カムギヤをクランクシャフトに設けたクランクギヤに直接あるいはアイドラギヤを介して噛合させ、クランクシャフトの回転をカムに伝達するようにしても良い。
ここで、カム18には、カム位相を可変する位相可変機構が設けられており、カム18を低速域と高速域とで異なったカム位相とし、エンジン1の運転領域に応じた最適なバルブタイミングに設定することができる。このカム位相可変機構は、電源や油圧等の作動用駆動源を要することなく、簡素な機械要素のみで構成されるものであり、以下、カム位相可変機構について説明する。
図2に示すように、カム18は、中空状の内部にシャフト17が貫通装着される固定カム21と、この固定カム21に連結され、固定カム21に対して相対回転可能な可動カム22とからなり、固定カム21の可動カム22と反対側の端部に、カムスプロケット19が一体的に形成されている。尚、固定カム21とカムスプロケット19とを別部材で構成し、両者を固定するようにしても良い。
固定カム21と可動カム22とは、低速域においては、同位相の状態で一体的に回転し、予め設定されたカムプロフィールに従ったタイミングで吸気バルブ10及び排気バルブ11が開閉される。一方、高速域では、可動カム22が固定カム21に対して相対回転してカム位相が可変され、吸気バルブ10と排気バルブ11との少なくとも一方の開閉タイミングが可変される。
例えば、排気バルブ11を開閉するロッカーアーム16のスリッパ部を固定カム21に摺接させ、吸気バルブ10を開閉するロッカーアーム16のスリッパ部を可動カム22に摺接させることにより、高速域における固定カム21と可動カムとの互いの位相をずらし、吸気バルブ10の開閉タイミングを可変する。或いは、固定カム21に吸気バルブ10側のロッカーアーム16のスリッパ部を摺接させ、可動カム22に排気バルブ11側のロッカーアーム16のスリッパ部を摺接させることにより、高速域における排気バルブ11の開閉タイミングを可変する。
更には、吸気バルブ10と排気バルブ11との双方のロッカーアーム16,16のスリッパ部を固定カム21及び可動カム22に摺接させるようにしても良い。この場合には、固定カム21と可動カム22とによるカムプロフィールが低速域と高速域とで変化し、吸気バルブ10及び排気バルブ11の開閉タイミングが可変される。
具体的には、可動カム22は、固定カム21のカムスプロケット19と反対側に設けられた小径部21aに相対回転可能に嵌合されており、軸端部に装着されたサークリップ23によって抜止めされている。また、カムスプロケット19の固定カム21と反対側の面にはボス19aが突設され、このボス19a側部のカム頂点側(ベースサークルからランプを経て突出する側)に、カムスプロケット19から固定カム21にかけて軸方向に貫通する貫通孔24が穿設されている。貫通孔24には、カムスプロケット19の回転に伴う遠心力で開角するフライウェイト25(第1のフライウェイト)を軸端に形成したフライウェイトシャフト26が挿通され、ボス19aの端部に装着されたサークリップ27により、フライウェイト25のカムスプロケット19からの抜止めがなされている。
図3に示すように、フライウェイト25は略L字状に形成され、カムスプロケット19の側面に立設されたピン28と、フライウェイト25の基部に立設されたピン29との間に張設されたスプリング30により、フライウェイト25がボス19aに押圧される方向(閉角方向)へ常時付勢されている。また、カムスプロケット19側面のピン28と反対側の部位には、ストッパピン31が立設され、図3中に破線で示すように、フライウェイト25が遠心力によって開角したとき、フライウェイト25の基部側側面がストッパピン31に当接して開角方向の開度が規制される。スプリング30は、低速域の遠心力ではフライウェイト25を閉角状態に保持し、高速域の遠心力によってフライウェイト25が開角するよう、スプリング荷重が設定されている。
可動カム22はフライウェイトシャフト26に連結され、フライウェイト25の回転により可動カム22が固定カム21に対して相対回転可能とされている。本形態においては、可動カム22とフライウェイトシャフト26とを連結する連結部を、図2に示すように、偏心ピン32を用いて構成し、この偏心ピン32を介して可動カム22が固定カム21に対して相対回転可能としている。
偏心ピン32は、可動カム22のカム頂点側に穿設された孔22aに回転自在に嵌入される太径部32aと、フライウェイトシャフト26に回転軸中心から偏心量eだけ偏心して穿設された孔26aに回転自在に嵌入される細径部32bとを有し、可動カム22の孔22aが偏心ピン32の太径部32aに対して僅かに遊びを有するように形成されている。これにより、フライウェイト25の開角動作に連動して偏心ピン32が揺動運動したとき、可動カム22が固定カム21に対して相対回転可能となる。
尚、可動カム22とフライウェイトシャフト26とを、偏心ピン32を用いることなく、リンク機構やギヤ機構を介して可動カム22が固定カム21に対して相対回転可能に連結することも可能である。例えば、可動カム22の孔22aをフライウェイトシャフト26より若干大きい径の貫通孔として内歯ギヤを形成すると共に、フライウェイトシャフト26を延長して延長部分に外歯ギヤを形成し、可動カム22側の内歯ギヤとフライウェイトシャフト26側の外歯ギヤとを噛合させることで連結部を構成し、フライウェイト25の開角動作に連動して可動カム22を固定カム21に対して相対回転させるようにしても良い。
一方、図2,図3において、符号40は、周知のデコンプ機構のフライウェイト(第2のフライウェイト)であり、カムスプロケット19の側面に、カム位相可変用のフライウェイト25に略対向して配設され、図示しないスプリングによって閉角方向に付勢されている。また、デコンプ機構のフライウェイト40の基部に立設されたシャフト41が、カムスプロケット19のボス19a側部に穿設された孔を挿通して固定カム21のベースサークルに形成されている溝部に臨まされている。
以上のカム位相可変機構を有するエンジン1は、エンジン回転数が設定回転数(例えば、3000rpm)より低い低速域の運転状態においては、フライウェイト25に作用する遠心力よりもスプリング30の付勢力が大きく、図4に示すように、フライウェイト25が閉角状態に保持される。従って、低回転数域においては、固定カム21と可動カム22とが同位相の位置に保持され、低回転域で最適特性を得られるよう予め設定されたカムプロフィールに従ったタイミングで吸気バルブ10と排気バルブ11とが開閉される。
次に、エンジン回転数が上昇し、エンジン回転数が設定回転数以上の高速域に達すると、図5に示すように、フライウェイト25に作用する遠心力がスプリング30の付勢力を上回り、フライウェイト25が開角してフライウェイトシャフト26が回動し、このフライウェイトシャフト26の回動により、偏心ピン32が揺動する。例えば、図5に半時計回り方向で示す方向にフライウェイト25が開角し、フライウェイトシャフト26に挿入された偏心ピン32が揺動して細径部32bが閉角時の初期位置から角度θの位置に変位すると、この細径部32bの変位に連動して、太径部32aを介して可動カム22が固定カム21に対して進角方向(図の半時計回り方向)に相対回転する。
その結果、例えば、可動カム22によって吸気バルブ10を開閉する場合には、高回転域における吸気バルブ10の開閉タイミングが進角方向に可変され、吸気バルブ10と排気バルブ11とのバルブオーバーラップを増加させて充填効率及び掃気効率を高めることができ、エンジン出力の向上や燃費低減を実現することができる。
また、固定カム21及び可動カム22の両者で吸気バルブ10及び排気バルブ11を開閉駆動する場合には、高速域において、固定カム21と進角側に相対回転した可動カム22との双方を合成したカムプロフィールとなり、同様に、高速域でのバルブオーバーラップを増加させて充填効率及び掃気効率を高め、エンジン出力向上や燃費低減を実現することができる。
尚、カムにかかる力はカム頂点を境としてランプ期間の昇りと下降とで逆転するが、偏心ピン32の偏心量や取付け位置を適切に設定することにより、キックバックによる位相のずれは発生しない。
このように、電源や油圧等の作動用駆動源を要することなく、簡素な機械要素のみのカム位相可変機構で低速域と高速域とに対して効率の良い吸排気タイミングとすることができる。また、このような簡素な機械要素のみでカム位相可変機構を構成するため、コスト上昇や重量増を最小限に抑制することができるばかりでなく、回転部分を全て面接触とすることができ、応力分散を図って耐摩耗性を向上することができる。更に、カム位相可変機構をカム単体としてコンパクトに構成できることから、デコンプ機構との併用が容易であり、汎用エンジンに効果的に適用することができる。
エンジンの要部断面図 カム位相可変機構の断面図 図2のA矢視図 低速時のフライウェイト及び可動カムの位相を示す説明図 高速時のフライウェイト及び可動カムの位相を示す説明図
符号の説明
1 エンジン
4 クランクシャフト
8 シリンダヘッド
9 燃焼室
10 吸気バルブ
11 排気バルブ
12 吸気ポート
13 排気ポート
18 カム
19 カムスプロケット
21 固定カム
22 可動カム
25 フライウェイト
26 フライウェイトシャフト
32 偏心ピン
e 偏心量

代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (5)

  1. 燃焼室に開口してシリンダヘッドに形成されたポートを開閉する弁体を駆動するカムの位相を可変するエンジンのカム位相可変装置であって、
    クランクシャフトによって回転駆動される固定カムと、
    上記固定カムに連設され、上記固定カムに対して位相がずれるように相対回転可能な可動カムと、
    上記固定カムの回転に伴う遠心力により開角する第1のフライウェイトと、
    上記第1のフライウェイトの回転軸に上記可動カムを連結し、上記第1のフライウェイトの回転により上記可動カムを上記固定カムに対して位相がずれるように相対回転可能とする連結部とを備えたことを特徴とするエンジンのカム位相可変装置。
  2. 上記連結部を、上記第1のフライウェイトの回転軸に軸中心から偏心して設けた孔と、上記可動カムに設けた孔とに偏心ピンを挿入して構成することを特徴とする請求項1記載のエンジンのカム位相可変装置。
  3. 上記第1のフライウェイトを、上記固定カムに固設され、上記クランクシャフトからの回転を上記固定カムに伝達する回転伝達部に配設したことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンのカム位相可変装置。
  4. 上記固定カムに作用するデコンプ機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジンのカム位相可変装置。
  5. 上記デコンプ機構は、上記固定カムの回転に伴う遠心力により開角する第2のフライウェイトを備え、
    上記第2のフライウェイトを、上記固定カムに固設され、上記クランクシャフトからの回転を上記固定カムに伝達する回転伝達部に配設したことを特徴とする請求項4記載のエンジンのカム位相可変装置。
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