JP4286565B2 - 画像の対応点探索方法、対応点探索装置および対応点探索プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力画像と該入力画像の比較対象となる参照画像とを対応づける対応点を探索する画像の対応点探索方法、対応点探索装置および対応点探索プログラムに関し、特に、画像間の対応付けをおこなう際に、局所解に陥りにくい安定した対応付け結果を高速かつ効率良く取得することができる画像の対応点探索方法、対応点探索装置および対応点探索プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スキャナなどの画像入力装置から入力された入力画像をあらかじめ登録した参照画像とを照合する際に、両画像の対応点を探索して画像間の対応付けをおこなう技術が知られている。
【0003】
たとえば、非特許文献1(従来技術1)には、設定したエネルギー関数を変分法の枠組みにより最小化する標準正則化理論を適用した技術が開示されている。この従来技術1が採用する標準正則化理論は、局所的な情報のみを使った繰り返し計算によりエネルギーを最小化することによって対応点を計算するものであるので、並列分散処理をおこなうことができ、人間の脳情報処理に近い処理を実現できる可能性がある。
【0004】
また、非特許文献2(従来技術2)には、DP(Dynamic Programming)を用いて効率的に最適解を探索する2次元DPワープ法を採用した技術が開示されている。この従来技術2によれば、最適化問題を効率的に計算することができる。
【0005】
ところが、上記従来技術1のものは、局所的な情報のみを使った繰り返し計算によってエネルギーを最小化して対応点を計算するため、初期値の影響が大きくなるという問題や、局所解(ローカルミニマム)に陥り易いことから最適な対応付け結果を得られ難いという問題がある。また、従来技術2のものは、DPによって効率よく最適解を探索できるものの、その計算量が膨大なものになるという問題がある。具体的には、最適解を得るためには画像サイズの指数オーダーの計算時間が必要となる。
【0006】
これらのことから、本願特許出願人は、特願2002−056661号(従来技術3)において、画像間の対応付けをおこなう際に、局所解に陥ることなく安定した対応付け結果を得ることができる画像の対応点探索装置、対応点探索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提案した。また、非特許文献3において、弛緩法を用いた画像マッチング法(従来技術4)を提案した。
【0007】
【非特許文献1】
T.Poggio,V.TorreandC.Koch,”Computational vision and regularization theory”,NATURE Vol.317,pp. 314-319,1985
【非特許文献2】
内田誠一,迫江博昭,”動的計画法に基づく単調連続2次元ワープ法の検討”,信学論(D-II) Vol. J81-D-II no. 6,pp.1251-1258,June 1998
【非特許文献3】
大西弘之,金出武雄,”大局的弛緩法による画像マッチング”,画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2002),Vol. 1 , pp.95-100,July 2002
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術3によれば、j方向、−j方向、i方向、−i方向にそれぞれ累積加算した類似度画像をさらに加算する時に、注目する類似度画像に、j方向、−j方向、i方向、−i方向にそれぞれ隣接した類似度画像の近傍領域の最大値を加算することにより、大局的な整合性を考慮することができる。
【0009】
しかしながら、この従来技術3では、複数の類似度画像を作成し、j方向に累積加算をおこなった後に、−j方向に累積加算をおこない、その後i方向に累積加算をおこない、さらに−i方向に累積加算する一連の処理を繰り返すこととしていたので、これらの処理を並列化することができず、処理を迅速化する上での制約がある。
【0010】
また、上記従来技術4では、弛緩法の更新式において方向別(j方向、−j方向、i方向、−i方向)に独立に累積加算した4つの類似度画像をさらに加算して1つの類似度画像を作成するようになっており、その際更新された類似度画像の各点には、更新前の値に4倍の重みが付けられ、局所的に重みを付けた更新式を計算しているため、局所解に陥りやすくなるという問題がある。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、画像間の対応付けをおこなう際に、局所解に陥ることなく安定した対応付け結果を高速かつ効率良く取得することができる画像の対応点探索方法、対応点探索装置および対応点探索プログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る画像の対応点探索方法は、入力画像と該入力画像の比較対象となる参照画像とを対応づける対応点を探索する画像の対応点探索方法であって、前記入力画像と参照画像をそれぞれ複数のブロックに分割した入力部分画像と参照部分画像の間の類似度を画素値として持つ縦方向および横方向に整列した複数の類似度画像を生成する類似度画像生成工程と、前記類似度画像生成工程により生成された複数の類似度画像を形成する各画素の周辺画素の最大値を、横方向(j方向)、該横方向の逆方向(−j方向)、縦方向(i方向)、該縦方向の逆方向(−i方向)にそれぞれ隣接する類似度画像の画素値に対してそれぞれ独立に累積加算する処理を繰り返す累積加算工程と、前記累積加算工程により累積加算処理された類似度画像の各画素の周辺画素の最大値を前記類似度画像生成工程により生成された類似度画像の各画素の画素値に累積加算して前記類似度画像を更新する類似度画像更新工程と、前記類似度画像更新工程により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となるまで前記累積加算工程による累積加算と前記類似度画像更新工程による更新を繰り返して、前記入力画像と参照画像の対応点を決定する対応点決定工程とを含んだことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明に係る画像の対応点探索方法は、請求項1の発明において、前記対応点決定工程は、前記類似度画像更新工程により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となったときの更新後の各類似度画像の最大値の位置を前記対応点として決定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明に係る画像の対応点探索装置は、入力画像と該入力画像の比較対象となる参照画像とを対応づける対応点を探索する画像の対応点探索装置であって、前記入力画像と参照画像をそれぞれ複数のブロックに分割した入力部分画像と参照部分画像の間の類似度を画素値として持つ縦方向および横方向に整列した複数の類似度画像を生成する類似度画像生成手段と、前記類似度画像生成手段により生成された複数の類似度画像を形成する各画素の周辺画素の最大値を、横方向(j方向)、該横方向の逆方向(−j方向)、縦方向(i方向)、該縦方向の逆方向(−i方向)にそれぞれ隣接する類似度画像の画素値に対してそれぞれ独立に累積加算する処理を繰り返す累積加算手段と、前記累積加算手段により累積加算処理された類似度画像の各画素の周辺画素の最大値を前記類似度画像生成手段により生成された類似度画像の各画素の画素値に累積加算して前記類似度画像を更新する類似度画像更新手段と、前記類似度画像更新手段により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となった際の最大値の位置に基づいて、前記入力画像と参照画像の対応点を決定する対応点決定手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明に係る画像の対応点探索プログラムは、入力画像と該入力画像の比較対象となる参照画像とを対応づける対応点を探索する画像の対応点探索プログラムであって、前記入力画像と参照画像をそれぞれ複数のブロックに分割した入力部分画像と参照部分画像の間の類似度を画素値として持つ縦方向および横方向に整列した複数の類似度画像を生成する類似度画像生成手順と、前記類似度画像生成手順により生成された複数の類似度画像を形成する各画素の周辺画素の最大値を、横方向(j方向)、該横方向の逆方向(−j方向)、縦方向(i方向)、該縦方向の逆方向(−i方向)にそれぞれ隣接する類似度画像の画素値に対してそれぞれ独立に累積加算する処理を繰り返す累積加算手順と、前記累積加算手順により累積加算処理された類似度画像の各画素の周辺画素の最大値を前記類似度画像生成手順により生成された類似度画像の各画素の画素値に累積加算して前記類似度画像を更新する類似度画像更新手順と、前記類似度画像更新手順により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となるまで前記累積加算手順による累積加算と前記類似度画像更新手順による更新を繰り返して、前記入力画像と参照画像の対応点を決定する対応点決定手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像の対応点探索方法、対応点探索装置および対応点探索プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態で用いる対応点探索装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示す対応点探索装置1は、大まかには、(1)入力画像を分割した入力部分画像と参照画像を分割した参照部分画像との間の類似度を示す類似度画像を作成する類似度画像作成段階と、(2)複数の類似度画像を累積加算した結果に基づいて最適な対応点を決定する対応点決定段階の2つの段階の処理を行う。
【0018】
具体的には、(1)類似度画像作成段階では、たとえば7×7画素のサイズからなる参照部分画像を21×21画素のサイズからなる入力部分画像内を移動させつつ順次相関値を求め、この相関値を画素値として持つ類似度画像を作成する。このため、この類似度画像は、参照部分画像上の中心点が入力部分画像上の点にどの程度類似しているかを示すことになる。
【0019】
次に、(2)対応点決定段階では、各類似度画像の画素値を垂直方向および水平方向別に独立に累積加算を繰り返した後に、これらの累積加算結果から得られる各画素の周辺画素の最大値を類似度画像の各画素の画素値に累積加算して類似度画像を更新し、更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となるまでこれらの処理を繰り返して、入力部分画像上での対応点を求める。
【0020】
次に、図1に示した対応点探索装置1の構成について説明する。なお、ここでは参照画像、入力画像の順に画像を入力する場合を示すこととする。図1に示すように、この対応点探索装置1は、画像入力部10と、分割処理部11と、参照部分画像一時記憶部12と、類似度画像作成部13と、累積加算処理部14と、類似度画像更新部15と、対応点決定部16とからなる。
【0021】
画像入力部10は、縦横のサイズI、Jからなる参照画像I0(i,j)および入力画像I1(i,j)(0≦i≦I−1,0≦j≦J−1)を入力する入力部である。具体的には、光学的に原稿を読み取って画像を取得するスキャナや、ネットワークから画像を取得するインターフェース部や、二次記憶装置から画像を読み出す読み出し部が該当する。ここで、この入力画像とは、対応点の探索対象となる画像であって、歪みや変形を伴うものであっても良い。これに対して、参照画像とは、入力画像の比較の対象となる画像であり、歪みなどを伴わないものであることが望ましい。
【0022】
図2(a)には参照画像21を示しており、同図(b)には入力画像22を示している。これらの参照画像21および入力画像22は、いずれもアルファベット「a」の文字画像であり、32×32画素からなる。
【0023】
分割処理部11は、画像入力部10により入力された入力画像および参照画像を入力部分画像および参照部分画像にそれぞれ分割する処理部である。ただし、入力画像の分割手順と参照画像の分割手順はそれぞれ異なる。
【0024】
参照画像を分割する場合には、参照画像上で縦方向にM個、横方向にN個サンプリングした点(pm,qn)(0≦m≦M−1,0≦n≦N−1)を中心とした参照部分画像を作成する。図3は、図2(a)に示した参照画像21の分割結果の一例を示す図であり、同図に示すように、ここでは32×32画素の参照画像21を7×7画素からなる25個の参照部分画像に分割している。具体的には、pm=round(I/M)、qn=round(J/N)としている。ただし、round()は四捨五入を示している。
【0025】
入力画像を分割する場合には、参照画像を分割する場合と異なり、各入力部分画像の一部が重なり合う重複したデータを持つように分割する。図4は、図2(b)に示した入力画像22の分割結果の一例を示す図であり、同図に示すように、ここでは32×32画素の入力画像22を21×21画素からなる25個の入力部分画像に分割している。
【0026】
参照部分画像一時記憶部12は、分割処理部11で分割した各参照部分画像を一時記憶する記憶部であり、類似度画像作成部13が類似度画像を作成する際に該当する参照部分画像が取り出される。
【0027】
類似度画像作成部13は、入力部分画像と参照部分画像の間の変形を考慮した類似度を算定して、該類似度を画素値として持つ類似度画像C(m , n , u , v)(0≦m≦M−1,0≦n≦N−1,0≦u≦U−1,0≦v≦V−1)を作成する処理部である。ただし、U,Vはそれぞれ類似度画像の縦横のサイズであるものとする。この類似度として正規化相関係数を用いることができる。
【0028】
図5は、参照部分画像と入力部分画像から類似度画像を作成する概念を説明するための説明図である。なお、ここでは図3および図4の2行2列に位置する入力部分画像と参照部分画像を用いることとする。
【0029】
同図に示すように、入力部分画像51と参照部分画像52の類似度を求める場合には、参照部分画像52の中心画素を入力部分画像52の左上部の画素に対応づけて正規化相関係数を計算し、その計算結果を類似度画像53の左上部の画素の画素値とする。その後、参照部分画像52を右にずらし、同様の処理をおこなう。上記処理を参照部分画像52をずらしながら入力部分画像51の全画素についておこなうことにより、類似度画像53が求められる。
【0030】
かかる類似度画像の作成処理を各入力部分画像ごとにおこなうと、図6に示すような複数の類似度画像が得られる。なお、参照部分画像の全ての画素の画素値が一定値である場合には、正規化相関係数の分母がゼロとなるため、この場合の類似度画像の画素値もゼロとなる。
【0031】
累積加算処理部14は、図7に示すように、各類似度画像をj方向、−j方向、i方向、−i方向にそれぞれ独立して累積加算する処理部である。具体的には、類似度画像全体C(m , n , u , v)を4枚複写して、これをそれぞれD1(m , n , u , v)、D2(m , n , u , v)、D3(m , n , u , v)、D4(m , n , u , v)とし、それぞれj方向、−j方向、i方向、−i方向の累積加算に使用する。たとえば、D1(m , n , u , v)を用いてj方向に累積加算する場合には、n=1〜N−1の類似度画像について、
D1(m , n , u , v)=C(m , n , u , v)+α・Max(D1(m , n-1 , p , q))
を順次再帰的に計算する。ただし、Max()は最大値を示し、αは定数であり、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、0≦m≦M−1、0≦n≦N−1、u−1≦p≦u+1、v−1≦q≦v+1とする。
【0032】
すなわち、j方向に累積加算する場合には、図8に示すように、D1(m , n-1 , u , v)を中心とする8近傍内の9画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してC(m , n , u , v)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0033】
また、−j方向に累積加算する場合には、n=N−2〜0の類似度画像について、
D3(m , n , u , v )=C(m , n , u , v)+α・Max(D3(m , n+1 , p , q))
を順次再帰的に計算する。ただし、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、0≦m≦M−1、0≦n≦N−2とする。すなわち、−j方向に累積加算する場合には、図9に示すように、D3(m , n+1 ,u , v)を中心とする8近傍内の9画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してC(m , n , u , v)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0034】
また、i方向に累積加算する場合には、m=1〜M−1の類似度画像について、
D2(m , n , u , v)=C(m , n , u , v)+α・Max(D2(m-1 , n , p , q))
を順次再帰的に計算する。ただし、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、1≦m≦M−1、0≦n≦N−1とする。すなわち、i方向に累積加算する場合には、図10に示すように、D2(m-1 , n , u , v)を中心とする8近傍内の9画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してC(m , n , u , v)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0035】
また、−i方向に累積加算する場合には、m=M−2〜0の類似度画像について、
D4(m , n , u , v)=C(m , n , u , v)+α・Max(D4(m+1 , n , p , q))
を順次再帰的に計算する。ただし、0≦u≦U−1、0≦v≦V−1、0≦m≦M−2、0≦n≦N−1とする。すなわち、−i方向に累積加算する場合には、図11に示すように、D4(m+1 , n , u , v)を中心とする8近傍内の9画素のうちの最大の画素値を求め、この最大の画素値をα倍してC(m , n , u , v)の画素値に加算する処理を再帰的に繰り返すことになる。
【0036】
類似度画像更新部15は、累積加算処理部14の累積加算後の類似度画像に基づいて類似度画像を更新する処理部である。具体的には、まず各方向についての累積加算処理をおこなったならば、図12の概念図に示すように、
C(m , n , u , v)=C(m , n , u , v)+α・Max(D1(m , n-1 , p , q))
+α・Max(D2(m-1 , n , p , q))
+α・Max(D3(m , n+1 , p , q))
+α・Max(D4(m+1, n , p , q))
の算定式によりC( m , n , u , v)を更新する。
【0037】
その後、対応点決定部16は、各類似度画像の最大値の位置を検出し、それらの位置と前回の各類似度画像の最大値の位置との変化が所定の範囲内でなければ累積加算処理をフィードバックして繰り返し、所定の範囲内となった時点で繰り返しを終了し、そのときの各類似度画像の最大値の位置を対応点として決定する。なお、上述の前回の各類似度画像というのは、初回処理の場合は、類似度画像作成部13により作成された各類似度画像であり、初回以降は類似度画像更新部15により前回更新処理された各類似度画像となる。
【0038】
たとえば、累積加算処理および更新処理によって図13に示す各類似度画像が得られた場合には、各類似度画像の最大値の位置の前回の類似度画像の最大値の位置からの変化分を調べ、その変化分が所定の範囲内となった場合には、この時の最大値の位置を対応点とする。この最大値の位置の様子を図14に示す。そして、この対応点に基づいて入力画像の歪みを図示すると図15のようになる。
【0039】
次に、図1に示した対応点検索装置1の処理手順について説明する。なお、上記説明と一部重複するが、図2〜図15を用いて処理の流れを例示しつつ処理手順について説明することとする。
【0040】
図16は、図1に示した対応点検索装置1の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、この対応点検出装置1が参照画像と入力画像を取得したならば、この参照画像を参照部分画像に分割する(ステップS101)。たとえば、図2(a)に示した32×32画素の参照画像21を図3に示した7×7画素からなる25個の参照部分画像に分割して記憶する。この参照部分画像は、参照したい画像毎に予め記憶しておいてもよいし、また、参照部分画像ではなく、参照画像のみを予め別途記憶しておき、後述する入力画像と参照画像との類似度の計算の際に、記憶された参照画像から参照部分画像に分割してもよい。
【0041】
その後、入力画像を入力部分画像に分割する(ステップS102)。たとえば、図2(b)に示した32×32画素の入力画像22を図4に示した21×21画素からなる25個の入力部分画像に分割する。
【0042】
そして、この参照部分画像と入力部分画像の間の類似度画像を作成する(ステップS103)。たとえば、図5に示すようにして入力部分画像51と参照部分画像52の類似度を画素値とする類似度画像53の作成を各入力部分画像ごとにおこなって、図6に示したような複数の類似度画像を作成する。続いて、各類似度画像の画素値が最大となる位置(以下、「最大値の位置」と記す)を検出する(ステップS104)。
【0043】
その後、4方向、すなわち、j方向の累積加算処理、−j方向の累積加算処理、i方向の累積加算処理、−i方向の累積加算処理をそれぞれ独立しておこない(ステップ105)、j、−j、i、−i方向の累積加算された類似度画像の各画素の8近傍内の9画素の最大値をステップS103で作成された類似度画像の各画素に加算して各類似度画像を更新し(ステップS106)、続いて、この更新された類似度画像の最大値の位置を検出する(ステップS107)。具体的には、図8〜図12に示した加算処理を繰り返すことにより、図13に示したような類似度画像を作成し、図14に示すような各類似度画像の最大値の位置を検出する。
【0044】
次に、各類似度画像の最大値の位置変動を算出し(ステップS108)、すべての最大値の位置変動が所定値以内であるか否かを調べ(ステップS109)、所定値以内でなければ(ステップS109否定)、ステップS105に移行して同様の処理を繰り返し、所定値以内であれば(ステップS109肯定)、この位置を対応点と決定し(ステップS110)、処理を終了する。なお、上述のステップS109における処理は、各類似度画像の最大値の位置の前回の各類似度画像の最大値の位置からの変化分が所定値以内であるか否かを調べるという処理であり、所定値以内であれば、ステップS110において、更新処理後の各類似度画像の最大値の位置を入力画像の参照画像に対する対応点と決定する。
【0045】
なお、ここでは説明の便宜上、j方向の累積加算処理、−j方向の累積加算処理、i方向の累積加算処理および−i方向の累積加算処理を順次おこなうこととしたが、これらはそれぞれ独立した処理をおこなうことができるので、並列処理化することもできる。
【0046】
次に、図1に示した累積加算処理部14によるj方向の累積加算処理手順について詳細に説明する。図17は、図1に示した累積加算処理部14によるj方向の累積加算処理手順を示すフローチャートである。なお、−j方向、i方向、−i方向の累積加算処理も同様におこなうことができる。
【0047】
同図に示すように、まず変数m、uおよびvを0にするとともに、変数nを1とする初期化をおこなう(ステップS201〜S204)。ここで、この変数mはi方向のインデックスとして用いる変数であり、変数nはj方向のインデックスとして用いる変数である。また、変数u,vは探索範囲を示すi方向およびj方向の変数である。
【0048】
そして、この初期化を終えたならば、
D1(m , n , u , v)=C(m , n , u , v)+α・Max(D1(m , n-1 , p , q))
の算定式による計算をおこなう(ステップS205)。
【0049】
その後、変数vをインクリメントし(ステップS206)、この変数vがVよりも小さければ(ステップS207肯定)、ステップS205に移行して加算処理を繰り返す。つまり、探索範囲をj方向にずらすのである。
【0050】
これに対して、変数vがV以上であれば(ステップS207否定)、変数uをインクリメントし(ステップS208)、この変数uがUよりも小さければ(ステップS209肯定)、ステップS204に移行して加算処理を繰り返す。つまり、探索範囲をi方向にずらすことになる。
【0051】
そして、変数uがU以上であれば(ステップS209否定)、ある画素についての計算を終了し、次の画素に移行する。具体的には、変数nをインクリメントして注目画素をj方向に移行させた後に(ステップS210)、この変数nをNと比較し(ステップS211)、この変数nがNよりも小さければ(ステップS211肯定)、ステップS203に移行して加算処理を繰り返す。
【0052】
これに対して、変数nがN以上であれば(ステップS211否定)、変数mをインクリメントして注目画素をi方向に移行させた後に(ステップS212)、この変数mがMよりも小さければ(ステップS213肯定)、ステップS202に移行して加算処理を繰り返し、変数mがM以上であれば(ステップS213否定)、処理を終了する。上記一連の処理をおこなうことにより、各類似度画像の全画素についてj方向の累積加算結果が得られることになる。
【0053】
ところで、上記図17のフローチャートでは、変数u,vのインクリメントをおこないながら最大値を算出していた。別の計算方法として、あらかじめC(m , n-1 , u , v)に最大値フィルターをかけた最大値フィルター画像D1'(m , n-1, u , v)を作成しておき、α倍してからC(m , n , u , v)と加算することもできる。
【0054】
そこで、かかる最大値フィルターを用いる場合の処理手順を図18および図19を用いて説明する。図18は、図1に示した累積加算処理部14による最大値フィルターを用いたj方向の累積加算処理手順を示すフローチャートであり、図19は、最大値フィルターの処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
図18に示すように、変数mを0に初期化し(ステップS301)、変数nを1に初期化した後(ステップS302)、最大値フィルターD1'(m , n-1 , u
, v)を算定する(ステップS303)。
【0056】
具体的には、図19に示すように、変数u,vを0に初期化した後に(ステップS401〜S402)、D1'(m , n , u , v)=Max[D1(m , n , p , q)]を計算する(ステップS403)。ただし、u−1≦p≦u+1、v−1≦q≦v+1とする。そして、vをインクリメントして(ステップS404)、この変数vがVよりも小さい場合には(ステップS405肯定)、ステップS403に移行して同様に計算をおこなう。また、変数vがV以上である場合には(ステップS405否定)、変数uをインクリメントして(ステップS406)、この変数uがUよりも小さい場合には(ステップS406肯定)、ステップS402に移行して同様の処理を繰り返し、結果的に最大値を求める。
【0057】
このようにして最大値フィルターを算定したならば、変数uおよびvを0に初期化した後(ステップS304〜S305)、
D1(m , n , u , v)=C(m , n , u , v)+α・Max(D1'(m , n-1 , p , q))
の算定式による計算をおこなう(ステップS306)。
【0058】
その後、変数vをインクリメントし(ステップS307)、この変数vがVよりも小さければ(ステップS308肯定)、ステップS306に移行して加算処理を繰り返す。つまり、探索範囲をj方向にずらすのである。
【0059】
これに対して、変数vがV以上であれば(ステップS308否定)、変数uをインクリメントし(ステップS309)、この変数uがUよりも小さければ(ステップS310肯定)、ステップS305に移行して加算処理を繰り返す。つまり、探索範囲をi方向にずらすことになる。
【0060】
そして、変数uがU以上であれば(ステップS310否定)、ある画素についての計算を終了し、次の画素に移行する。具体的には、変数nをインクリメントして注目画素をj方向に移行させた後に(ステップS311)、この変数nをNと比較し(ステップS312)、この変数nがNよりも小さければ(ステップS312肯定)、ステップS303に移行して加算処理を繰り返す。
【0061】
これに対して、変数nがN以上であれば(ステップS312否定)、変数mをインクリメントして注目画素をi方向に移行させた後に(ステップS313)、この変数mがMよりも小さければ(ステップS314肯定)、ステップS302に移行して加算処理を繰り返し、変数mがM以上であれば(ステップS314否定)、処理を終了する。
【0062】
上述してきたように、本実施の形態によれば、画像入力部10から参照画像と入力画像をそれぞれ入力し、分割処理部11で参照部分画像および入力部分画像をそれぞれ作成、類似度画像作成部13で参照部分画像と入力部分画像の類似度を求めた類似度画像をそれぞれ作成し、累積加算処理部14で複数の類似度画像の累積加算処理を各方向ごと独立して再帰的に行い、更新前の値に重みが付かないように、類似度画像更新部15で累積加算処理前の類似度画像の各画素の画素値に対して,4方向の類似度画像の累積加算処理後の画素値を加算して類似度画像を更新し、その結果に基づいて対応点決定部16が対応点を決定するよう構成したので、大局的な最適化が行われローカルミニマムに陥るケースを低減することができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、参照画像と入力画像のサイズが同じ場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、参照画像と入力画像のサイズを異なる場合に適用することもできる。かかる場合にも同様の処理をおこなうことができる。
【0064】
また、本実施の形態では、各類似度画像をj方向、−j方向、i方向、−i方向の順序で再帰的に累積加算する場合を示したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、斜め方向或いは一方向のみについて累積加算する場合に適用することもできる。一方向のみであっても、類似度が加算されることにより一定の大局情報が得られる。
【0065】
また、本実施の形態では、類似度として正規化相関係数を用いた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユークリッド距離などの他の指標を類似度として用いることもできる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力画像と参照画像をそれぞれ複数のブロックに分割した入力部分画像と参照部分画像の間の類似度を画素値として持つ縦方向および横方向に整列した複数の類似度画像を生成し、生成した複数の類似度画像を形成する各画素の周辺画素の最大値を、横方向(j方向)、該横方向の逆方向(−j方向)、縦方向(i方向)、該縦方向の逆方向(−i方向)にそれぞれ隣接する類似度画像の画素値に対してそれぞれ独立に累積加算する処理を繰り返し、累積加算処理された類似度画像の各画素の周辺画素の最大値を類似度画像の各画素の画素値に累積加算して類似度画像を更新する処理を更新前後の各類似度画像の最大値の位置の変動が所定値未満となるまで繰り返し、入力画像と参照画像の対応点を決定するよう構成したので、画像間の対応付けをおこなう際に、局所解に陥りにくい安定した対応付け結果を高速かつ効率良く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る対応点探索装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態で用いる参照画像および入力画像の一例を示す図である。
【図3】参照部分画像の一例を示す図である。
【図4】入力部分画像の一例を示す図である。
【図5】類似度画像の作成概念を説明するための説明図である。
【図6】図4に示した各入力部分画像に対応する類似度画像を示す図である。
【図7】累積加算手順を説明するための説明図である。
【図8】j方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図9】−j方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図10】i方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図11】−i方向の累積加算処理を説明するための説明図である。
【図12】各累積加算結果を加算する概念図である。
【図13】累積加算後の類似度画像を示す図である。
【図14】図13に示した類似度画像の最大値の位置を示す図である。
【図15】対応点に基づいて再構成した入力画像の歪み(変形)の一例を示す図である。
【図16】図1に示した対応点探索装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】累積加算処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】最大値フィルターを用いて累積加算処理をおこなう場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】最大値フィルターの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 対応点探索装置
10 画像入力部
11 分割処理部
12 参照部分画像一時記憶部
13 類似度画像作成部
14 累積加算処理部
15 類似度画像更新部
16 対応点決定部
21 参照画像
22 入力画像
51 入力部分画像
52 参照部分画像
53 類似度画像
Claims (4)
- 入力画像と該入力画像の比較対象となる参照画像とを対応づける対応点を探索する画像の対応点探索方法であって、
前記入力画像と参照画像をそれぞれ複数のブロックに分割した入力部分画像と参照部分画像の間の類似度を画素値として持つ縦方向および横方向に整列した複数の類似度画像を生成する類似度画像生成工程と、
前記類似度画像生成工程により生成された複数の類似度画像を形成する各画素の周辺画素の最大値を、横方向(j方向)、該横方向の逆方向(−j方向)、縦方向(i方向)、該縦方向の逆方向(−i方向)にそれぞれ隣接する類似度画像の画素値に対してそれぞれ独立に累積加算する処理を繰り返す累積加算工程と、
前記累積加算工程により累積加算処理された類似度画像の各画素の周辺画素の最大値を前記類似度画像生成工程により生成された類似度画像の各画素の画素値に累積加算して前記類似度画像を更新する類似度画像更新工程と、
前記類似度画像更新工程により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となるまで前記累積加算工程による累積加算と前記類似度画像更新工程による更新を繰り返して、前記入力画像と参照画像の対応点を決定する対応点決定工程と
を含んだことを特徴とする画像の対応点探索方法。 - 前記対応点決定工程は、前記類似度画像更新工程により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となったときの更新後の各類似度画像の最大値の位置を前記対応点として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像の対応点探索方法。
- 入力画像と該入力画像の比較対象となる参照画像とを対応づける対応点を探索する画像の対応点探索装置であって、
前記入力画像と参照画像をそれぞれ複数のブロックに分割した入力部分画像と参照部分画像の間の類似度を画素値として持つ縦方向および横方向に整列した複数の類似度画像を生成する類似度画像生成手段と、
前記類似度画像生成手段により生成された複数の類似度画像を形成する各画素の周辺画素の最大値を、横方向(j方向)、該横方向の逆方向(−j方向)、縦方向(i方向)、該縦方向の逆方向(−i方向)にそれぞれ隣接する類似度画像の画素値に対してそれぞれ独立に累積加算する処理を繰り返す累積加算手段と、
前記累積加算手段により累積加算処理された類似度画像の各画素の周辺画素の最大値を前記類似度画像生成手段により生成された類似度画像の各画素の画素値に累積加算して前記類似度画像を更新する類似度画像更新手段と、
前記類似度画像更新手段により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となった際の最大値の位置に基づいて、前記入力画像と参照画像の対応点を決定する対応点決定手段と
を備えたことを特徴とする画像の対応点探索装置。 - 入力画像と該入力画像の比較対象となる参照画像とを対応づける対応点を探索する画像の対応点探索プログラムであって、
前記入力画像と参照画像をそれぞれ複数のブロックに分割した入力部分画像と参照部分画像の間の類似度を画素値として持つ縦方向および横方向に整列した複数の類似度画像を生成する類似度画像生成手順と、
前記類似度画像生成手順により生成された複数の類似度画像を形成する各画素の周辺画素の最大値を、横方向(j方向)、該横方向の逆方向(−j方向)、縦方向(i方向)、該縦方向の逆方向(−i方向)にそれぞれ隣接する類似度画像の画素値に対してそれぞれ独立に累積加算する処理を繰り返す累積加算手順と、
前記累積加算手順により累積加算処理された類似度画像の各画素の周辺画素の最大値を前記類似度画像生成手順により生成された類似度画像の各画素の画素値に累積加算して前記類似度画像を更新する類似度画像更新手順と、
前記類似度画像更新手順により更新された更新後の各類似度画像の最大値の位置と更新前の各類似度画像の最大値の位置との変動が所定値未満となるまで前記累積加算手順による累積加算と前記類似度画像更新手順による更新を繰り返して、前記入力画像と参照画像の対応点を決定する対応点決定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像の対応点探索プログラム。
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