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JP4286756B2 - エンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置 - Google Patents
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JP4286756B2 - エンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置 - Google Patents

エンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置に関する。
[前提構成]
本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置は、例えば図3(本発明)または図7(従来技術)に示すように、次の前提構成を有するものを対象とする。
図3は本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置の実施形態1を示す。図3(A)は偏心カム型機械式タイマの縦断右側面図、図3(B)は図3(A)のB-B線断面図、図3(C)は図3(A)のC-C線断面図、図3(D)は回転進角制限装置35の斜視図である。
図7は従来技術1のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置を示す。図7(A)は偏心カム型機械式タイマの縦断左側面図であって、図7(B)のA−A線断面図である。図7(B)は図7(A)の中央部縦断正面図である。
エンジンの偏心カム型機械式タイマを構成する入力輪(1)の一側部に出力輪(2)を、他側部に一対の遠心錘(3)(3)を配置する。
入力輪(1)と出力輪(2)とに亙って偏心カム型進角機構(4)を設ける。この偏心カム型進角機構(4)は一対の遠心錘(3)(3)の遠心力と圧縮コイルスプリング製の錘戻しばね(5)の求心側への張力との不釣合い力により作動して、入力輪(1)に対して出力輪(2)を進角制御作動するように構成する。
一対の遠心錘(3)(3)は、圧縮コイルスプリング製の始動進角用ばね(6)で遠心方向へ進角駆動するのに対して、感温作動手段(7)の高温側感温時の伸長作動で始動進角用ばね(6)の張力に抗して進角駆動解除するように構成する。
エンジンの冷機始動時には、図4(A)に例示するように、感温作動手段(7)が低温側感温により収縮作動して、始動進角用ばね(6)の張力で一対の遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げるように構成する。
エンジンの温暖時には、図4(B)に例示するように、感温作動手段(7)が高温側感温により伸長作動して、始動進角用ばね(6)を収縮させて、この始動進角用ばね(6)が一対の遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げるのを解除するように構成したものである。
[従来の技術]
上記前提構成において、始動進角用ばね(6)と感温作動手段(7)とを組み合わせるための構成として、従来技術では図7に示すものがある。
(特開平3−11131号公報)
図7は従来技術のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置を示す。図7(A)は偏心カム型機械式タイマの縦断左側面図であって、図7(B)のA−A線断面図である。図7(B)は図7(A)の中央部縦断正面図である。
前記感温作動手段(7)はワックス封入型の感温作動器(50)から成る。前記一対の遠心錘(3)(3)の内周面(53)の前半部分内に円錐穴カム面(51)を形成する。前記始動進角用ばね(6)の張力で円錐カム(52)を円錐穴カム面(51)に押し当てることにより、遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げるように構成されている。
[従来技術の問題点]
上記従来技術では、次の問題がある。
始動進角用ばね(6)から両遠心錘(3)(3)までの間の力の伝達途中で、円錐カム(52)と円錐穴カム面(51)とが摺動して摩擦ロスが発生する分だけ、つぎの問題点1・2および3がある。
問題点1: エンジンの冷機始動時の始動進角の制御精度は低下する。
問題点2: 感温作動器(50)および始動進角用ばね(6)は大能力・小形のものが必要になる。
問題点3: 始動進角用ばね(6)から遠心錘(3)(3)までの力の伝達部分に介在する円錐カム(52)と円錐穴カム面(51)とは、摺動摩擦により摩耗するため、耐久性が低下する。
特開平3−11131号公報
本発明の課題は、次のようにすることにある。
[イ]. 始動進角用ばねから両遠心錘までの間の力の伝達途中で摩擦ロスが介在するのを無くす分だけ、 1:エンジンの冷機始動時の始動進角の制御精度を向上させ、 2:始動進角用ばねおよび感温作動手段を小能力化・小形化でき、 3:始動進角用ばねから遠心錘までの力の伝達部分の耐久性を向上させる。
[ロ]. 上記形状記憶ばねと始動進角用ばねとを錘戻しばねに対して同心状に配置することにより、遠心錘の回転軸心方向の長さを短くする。
[ハ]. エンジンの冷機始動時には、両遠心錘同士を冷機始動進角用離間距離(Lc)だけ遠心方向に自由に大きく押し拡げて、充分に始動進角作動させることにより、エンジンを確実・強力に冷機始動させる事と、 エンジンの稼動運転時には、両遠心錘同士間の進角作動は温機時錘移動許容距離(Lw)に制限することにより、この進角過剰の場合に生ずるNOxや燃焼騒音の発生量の増大などの問題を解消する事とを、 両立させる。
[ニ]. 錘戻しばね・始動進角用ばね・形状記憶ばねのばね最大外径を小さくして、遠心錘の長さを短くすることにより、偏心カム型機械式タイマの全長を短縮する。
[ホ]. 上記形状記憶ばねと始動進角用ばねとは、ばね伸縮量に対するばね張力の変化率を小さくすることにより、偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の始動進角の制御精度を高める。
[ヘ]. 偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の始動進角の制御精度を高めるうえ、始動進角用ばねと形状記憶ばねの耐久性を高める。
[ト]. 回転進角制限装置の構成を、簡単で安価に製造できるうえ、耐久性にも優れるようにする。
[チ]. 外鍔およびばね先端部に対して錘被係止部材を、両遠心錘の開閉方向にガタ付くこと無く高精度に安定良く位置決めすることにより、図5(B)に示す温機時錘移動許容距離(Lw)を高精度に確保することにより、エンジンの温機再始動時および稼動運転時の進角制限の値を高精度に保持する。
[リ]. 錘被係止ピンは、長円形部材で両側から直進案内させて、長円遊端部分の正規の受止め位置に精確に受け止めさせることにより、図5(B)に示す温機時錘移動許容距離(Lw)を高精度に確保して、エンジンの稼動運転時の進角制限の値を高精度に保持する。
本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置は、上記前提構成において、上記課題を解決するために、例えば図1−図6に例示するように、始動進角用ばね(6)と感温作動手段(7)とを組み合わせるための構成として、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
図1−図6は本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置の実施形態1を示す。図1は偏心カム型機械式タイマの遠心錘に錘戻しばね・始動進角用ばね・感温作動ばねを組み込んだものを示す。図1(A)は図1(B)のA−A線断面正面図、図1(B)は平面図、図1(C)は左側面図、図1(D)は図1(A)のD−D線断面図である。
図2は水冷縦形ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの駆動装置の縦断右側面図である。図3(A)は偏心カム型機械式タイマの縦断右側面図、図3(B)は図3(A)のB-B線断面図、図3(C)は図3(A)のC-C線断面図、図3(D)は回転進角制限装置35の斜視図である。
図4は図1(A)のIV部分の拡大図である。図4(A)は形状記憶ばねの低温側感温時の収縮作動状態を示す。図4(B)は形状記憶ばねの高温側感温時の伸長作動状態を示す。
図5は両遠心錘の進角作動状態を示す。図5(A)はエンジンの冷機状態での始動時の進角作動状態を示し、図4(A)と同じ図である。図5(B)はエンジンの温機状態での稼動運転時の進角作動状態を示す。
図6は両遠心錘のエンジン回転速度に対する進角作動特性曲線図である。図6(A)はエンジンの冷機始動時の進角作動特性曲線図であり、図5(A)の状態の作動特性を示す。図6(B)はエンジンの稼動運転時の進角作動特性曲線図であり、図5(B)の状態の作動特性を示す。
○ 請求項1の発明. 図1−図6参照.
前記感温作動手段(7)は圧縮コイルスプリングを形状記憶合金材料で製造した形状記憶ばね(8)により構成する。 この形状記憶ばね(8)と前記始動進角用ばね(6)とは、前記一対の遠心錘(3)・(3)同士の間に位置させるとともに、前記錘戻しばね(5)に対して同心状に配置する。
前記始動進角用ばね(6)と一方の遠心錘(3A)(3B)とに亘って回転進角制限装置(35)を設ける。この回転進角制限装置(35)は,温機時の一対の遠心錘(3A)(3B)同士間の最大離間距離を温機時錘移動許容距離(Lw)として制限するように構成した、 ことを特徴とする。
○ 請求項2の発明. 図1・図4参照.
この請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
前記一対の遠心錘(3)・(3)のうち、その一方の遠心錘(3A)(3B)の内部には錘戻しばね(5)を設けるのに対して、その他方の遠心錘(3B)(3A)の内部には始動進角用ばね(6)と形状記憶ばね(8)とを設けて構成した、 ことを特徴とする。
○ 請求項3の発明. 図1・図4参照.
この請求項3の発明は、上記請求項2の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは互いに内外に挿嵌させて配置して構成した、 ことを特徴とする。
○ 請求項4の発明. 図1・図4参照.
この請求項4の発明は、上記請求項3の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
互いに内外に挿嵌し合う前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)との間に伝動用筒(9)を挿入する。この伝動用筒(9)の筒一端部から外鍔(10)を遠心側に連出させるのに対して、その筒他端部から内鍔(11)を求心側に連出させる。
前記一対の遠心錘(3)・(3)のうちの前記他方の遠心錘(3B)(3A)に前記始動進角用ばね(6)のばね基短部(12)を受け止めさせるとともに、この始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)が前記外鍔(10)を介して前記一方の遠心錘(3A)(3B)を遠心側へ押圧するように構成する。
前記他方の遠心錘(3B)(3A)に錘開閉ガイド軸(14)を介して形状記憶ばね(8)のばね基端部(15)を受け止めさせるとともに、この形状記憶ばね(8)のばね先端部(16)が内鍔(11)・伝動用筒(9)・および外鍔(10)を順に介して前記始動進角用ばね(6)を圧縮させる側へ弾圧するように構成した、 ことを特徴とする。
○ 請求項5の発明. 図3−図5参照.
この請求項5の発明は、上記請求項1・2・3または4の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
前記回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)とを具える。 前記ばね連動部材(36)は、前記始動進角用ばね(6)のうちの、前記他方の遠心錘(3B)(3A)に対して伸縮移動するばね伸縮移動部分(6a)に連動連結する。 前記錘係止部材(37)は前記ばね連動部材(36)に固設する。 前記錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設した、 ことを特徴とする。
○ 請求項6の発明. 図3−図5参照.
この請求項6の発明は、上記請求項4の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
前記回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)とを具える。 前記ばね連動部材(36)は、前記始動進角用ばね(6)のうちの、前記他方の遠心錘(3B)(3A)に対して伸縮移動するばね伸縮移動部分(6a)に連動連結する。 前記錘係止部材(37)は前記ばね連動部材(36)に固設する。 前記錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設する。
前記ばね連動部材(36)はリング状に形成する。 このリング状のばね連動部材(36)は、前記連動用筒(9)に外嵌させた状態で、この伝動用筒(9)の前記外鍔(10)と前記始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)との間に挟持させる。 このばね先端部(13)がばね伸縮移動部分(6a)を兼ねるように構成した、 ことを特徴とする。
○ 請求項7の発明. 図3−図5参照.
この請求項7の発明は、上記請求項5または6の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
前記錘係止部材(37)は長円形部材(39)の長円遊端部分(37a)から成る。 前記錘被係止部材(38)は錘被係止ピン(38a)から成る。この錘被係止ピン(38a)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)からその遠心移動方向と交差する方向に固着凸設する。 この錘被係止ピン(38a)は前記長円形部材(39)に摺動自在に内嵌させ、 たことを特徴とする。
本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置は、つぎの効果を奏する。
○ 請求項1の発明. 図1−図6参照.
[ 効果イ. 始動進角用ばね(6)から両遠心錘(3)(3)までの間の力の伝達途中で摩擦ロスが介在するのを無くした分だけ、 効果1:エンジンの冷機始動時の始動進角の制御精度は向上し、 効果2:始動進角用ばね(6)および形状記憶ばね(8)は小能力化・小形化でき、 効果3:始動進角用ばね(6)から遠心錘(3)(3)までの力の伝達部分は耐久性が向上する。 ]
請求項1の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記感温作動手段(7)は圧縮コイルスプリングを形状記憶合金材料で製造した形状記憶ばね(8)により構成する。
この形状記憶ばね(8)と前記始動進角用ばね(6)とは、前記一対の遠心錘(3)・(3)同士の間に位置させるとともに、前記錘戻しばね(5)に対して同心状に配置して構成した。
この特徴構成から、エンジンの冷機始動時には、図4(A)に例示するように、形状記憶ばね(8)が収縮作動して、始動進角用ばね(6)の張力で一対の遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げ、図1・図3に例示するように、進角機構(4)を介して、燃料噴射ポンプ(19)の燃料噴射時期を冷機始動用進角位置に進角させる。
このとき、この動進角用ばね(6)は両遠心錘(3)(3)に対して、直接遠心方向へ押し付けることから、その力の伝達途中で摩擦ロスが介在するのを無くす事ができ、この摩擦ロスを無くした分だけ、つぎの効果1・2および3を奏し得た。
効果1: エンジンの冷機始動時の始動進角の制御精度は、上記力の伝達途中での摩擦ロスが無くなった分だけ向上する。
効果2: 始動進角用ばね(6)および形状記憶ばね(8)は、上記力の伝達途中での摩擦ロスが無くなった分だけ、小能力化・小形化することができる。
効果3: 始動進角用ばね(6)から遠心錘(3)(3)までの力の伝達部分は、摩擦ロスが無くなった分だけ、摩耗が起こらなくなって、耐久性が向上する。
[ 効果ロ. 形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは錘戻しばね(5)に対して、遠心錘(3)(3)の回転軸心方向へ位置ずれさせなくて済む分だけ、遠心錘(3)(3)の長さを短くして、偏心カム型機械式タイマの全長の短縮に寄与する。 ]
図1・図4に例示するように、形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは錘戻しばね(5)に対して、遠心錘(3)(3)同士間の位置で同心状に配置されていて、遠心錘(3)(3)の回転軸心方向へ位置ずれさせなくて済む分だけ、遠心錘(3)(3)の回転軸心方向の長さを短くして、偏心カム型機械式タイマの全長の短縮に寄与することができる。
[ 効果ハ. 効果4:両遠心錘(3A)(3B)同士は、エンジンの冷機始動時に必要な冷機始動進角用離間距離(Lc)だけ遠心方向に自由に大きく押し拡げられて、充分に始動進角作動するので、エンジンを確実・強力に冷機始動させる事と、
効果5:エンジンの稼動運転時には、両遠心錘(3A)(3B)同士間の進角作動は温機時錘移動許容距離(Lw)に制限されるので、高速回転時の進角過剰を無くして、この進角過剰の場合に生ずるNOxや燃焼騒音の発生量の増大などの問題を、解消する事とを、 両立させることができる。 ]
請求項1の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記一対の遠心錘(3)(3)のうちの一方の遠心錘(3A)(3B)は、錘戻しばね(5)の張力で求心側へ弾圧するのに対して、始動進角用ばね(6)の張力で錘戻しばね(5)の張力に抗して遠心側へ移動させるように構成する。
前記始動進角用ばね(6)と一方の遠心錘(3A)(3B)とに亘って回転進角制限装置(35)を設ける。この回転進角制限装置(35)は一対の遠心錘(3A)(3B)同士間の最大離間距離を温機時錘移動許容距離(Lw)として制限するように構成した。
この特徴構成から、つぎの効果4および効果5を奏する。
効果4: 両遠心錘(3A)(3B)同士は、エンジンの冷機始動時に必要な冷機始動進角用離間距離(Lc)だけ遠心方向に自由に大きく押し拡げられて、充分に始動進角作動するので、エンジンを確実・強力に冷機始動させる事。
エンジンがまだ温まっていない冷機始動時には、図5(A)および図6(A)に示すように、形状記憶ばね(8)が低温側感温作動により収縮し、始動進角用ばね(6)が両遠心錘(3A)(3B)同士を冷機始動進角用距離(Lc)だけ遠心方向に押し拡げる。
このとき、回転進角制限装置(35)は、始動用進角ばね(6)の伸長に伴って、回転進角制限解除側へ作動して、前記一方の遠心錘(3A)(3B)側へ移動するので、両遠心錘(3A)(3B)同士が遠心方向へ離れていく距離を制限することが無い。
これにより、両遠心錘(3A)(3B)同士は、エンジンの冷機始動時に必要な冷機始動進角用離間距離(Lc)だけ遠心方向に自由に大きく押し拡げられて、充分に始動進角作動するので、エンジンを確実・強力に冷機始動させる。
効果5: エンジンの稼動運転時には、両遠心錘(3A)(3B)同士間の進角作動は温機時錘移動許容距離(Lw)に制限されるので、高速回転時の進角過剰を無くして、この進角過剰の場合に生ずるNOxや燃焼騒音の発生量の増大などの問題を、解消する事。
エンジンが温まっている温機再始動時および稼動運転時には、図5(B)および図6(B)に示すように、形状記憶ばね(8)が高温側感温作動により伸長して、始動進角用ばね(6)を収縮させ、回転進角制限装置(35)を回転進角制限側へ移動させるので、両遠心錘(3A)(3B)同士が遠心方向へ開いていく距離を、前記温機時錘移動許容距離(Lw)に制限する。
このため、エンジンの温機再始動時および稼動運転時には、両遠心錘(3A)(3B)同士間の進角作動は、前記冷機始動進角用距離(Lc)よりも短い前記温機時錘移動許容距離(Lw)に制限されるので、高速回転時の進角過剰を無くして、この進角過剰の場合に生ずるNOxや燃焼騒音の発生量の増大などの問題を、解消することができる。
以上のように、 効果4: 両遠心錘(3A)(3B)同士は、エンジンの冷機始動時に必要な冷機始動進角用離間距離(Lc)だけ遠心方向に自由に大きく押し拡げられて、充分に始動進角作動するので、エンジンを確実・強力に冷機始動させる事と、
効果5: エンジンの稼動運転時には、両遠心錘(3A)(3B)同士間の進角作動は温機時錘移動許容距離(Lw)に制限されるので、高速回転時の進角過剰を無くして、この進角過剰の場合に生ずるNOxや燃焼騒音の発生量の増大などの問題を、解消する事とを、 両立させることができる。
○ 請求項2の発明. 図1・図4参照.
この請求項2の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]および[効果ハ]に加えて、つぎの効果を奏する。
[ 効果ニ. 錘戻しばね(5)・始動進角用ばね(6)・形状記憶ばね(8)のばね最大外径を小さくできる分だけ、さらに遠心錘(3)(3)の長さを短くして、偏心カム型機械式タイマの全長の短縮に寄与する。 ]
請求項2の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記一対の遠心錘(3)・(3)のうち、その一方の遠心錘(3A)(3B)の内部には錘戻しばね(5)を設けるのに対して、その他方の遠心錘(3B)(3A)の内部には始動進角用ばね(6)と形状記憶ばね(8)とを設けた。
この特徴構成から、錘戻しばね(5)と始動進角用ばね(6)・形状記憶ばね(8)とは、内外に挿嵌させ合わなくて済む分だけ、これら3者のばね(5) (6) (8)のばね最大外径を小さくできる分だけ、さらに遠心錘(3)(3)の長さを短くして、偏心カム型機械式タイマの全長の短縮に寄与することができる。
○ 請求項3の発明. 図1・図4参照.
この請求項3の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]・[効果ハ]および請求項2の発明の[効果ニ]に加えて、つぎの効果を奏する。
[ 効果ホ. 形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは、各ばね長さを長くできる分だけ、ばね伸縮量に対するばね張力の変化率を小さくして、偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角の制御精度を高める。 ]
この発明3は、つぎの特徴構成を有する。
前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは互いに内外に挿嵌させた。
この特徴構成から、形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは、互いに内外に挿嵌させることにより、互いに直接付き合わせる場合と比べて、各ばね(8)(6)のばね長さを長くすることができる分だけ、ばね伸縮量に対するばね張力の変化率を小さくして、偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角の制御精度を高めることができる。
○ 請求項4の発明. 図1・図4参照.
この請求項4の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]・[効果ハ]、請求項2の発明の[効果ニ]、および請求項3の発明の[効果ホ]に加えて、つぎの効果を奏する。
[ 効果ヘ. 始動進角用ばね(6)と形状記憶ばね(8)とは、伝動用筒(9)を介して、正確に安定良く釣合い作動させることができる。しかも、両ばね(6)(8)同士間の干渉を伝動用筒(9)で防止して、偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角の制御精度・安定性を高めるうえ、両ばね(6)(8)の磨耗を防いで耐久性を高める。 ]
請求項4の発明は、つぎの特徴構成を有する。
互いに内外に挿嵌し合う前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)との間に伝動用筒(9)を挿入する。この伝動用筒(9)の筒一端部から外鍔(10)を遠心側に連出させるのに対して、その筒他端部から内鍔(11)を求心側に連出させる。
前記一対の遠心錘(3)・(3)のうちの前記他方の遠心錘(3B)(3A)に前記始動進角用ばね(6)のばね基短部(12)を受け止めさせるとともに、この始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)が前記外鍔(10)を介して前記一方の遠心錘(3A)(3B)を遠心側へ押圧するように構成する。
前記他方の遠心錘(3B)(3A)に錘開閉ガイド軸(14)を介して形状記憶ばね(8)のばね基端部(15)を受け止めさせるとともに、この形状記憶ばね(8)のばね先端部(16)が内鍔(11)・伝動用筒(9)・および外鍔(10)を順に介して前記始動進角用ばね(6)を圧縮させる側へ弾圧するように構成した。
この特徴構成から、始動進角用ばね(6)と形状記憶ばね(8)とは、外鍔(10)・伝動用筒(9)・内鍔(11)を順に介して、正確に安定良く釣合い作動させることができる。しかも、両ばね(6)(8)同士間の干渉を伝動用筒(9)で防止することができるので、偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角の制御精度・安定性を高めることができるうえ、両ばね(6)(8)の磨耗を防いで耐久性を高めることができる。
○ 請求項5の発明. 図3−図5参照.
この請求項5の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]および[効果ハ]に加えて、つぎの効果を奏する。
[ 効果ト. 回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)との僅か3つの構成要素から成る事、 ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)とは、始動進角用ばね(6)に連動連結する事、 および、錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設する事、 だけで済むので、 その回転進角制限装置(35)の構成が簡単で安価に製造できるうえ、耐久性にも優れる ]
請求項5の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)とを具える。 前記ばね連動部材(36)は、前記始動進角用ばね(6)のうちの、前記他方の遠心錘(3B)(3A)に対して伸縮移動するばね伸縮移動部分(6a)に連動連結する。 前記錘係止部材(37)は前記ばね連動部材(36)に固設する。 前記錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設した。
この特徴構成から、 回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)との僅か3つの構成要素から成る事、 ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)とは、始動進角用ばね(6)に連動連結する事、 および、錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設する事、 だけで済むので、 その回転進角制限装置(35)の構成が簡単で安価に製造できるうえ、耐久性にも優れる。
○ 請求項6の発明. 図3−図5参照.
この請求項6の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]・[効果ハ]、請求項4の発明の[効果ヘ]、および請求項5の発明の[効果ト]に加えて、つぎの効果を奏する。
[ 効果チ. 外鍔(10)およびばね先端部(13)に対して錘係止部材(37)が、両遠心錘(3A)(3B)の開閉方向にガタ付くこと無く高精度に安定良く位置決めされることにより、図5(B)に示す温機時錘移動許容距離(Lw)が高精度に確保されるので、エンジンの温機再始動時および稼動運転時の進角制限の値を高精度に保持することができる。 ]
請求項6の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記ばね連動部材(36)はリング状に形成する。 このリング状のばね連動部材(36)は、前記連動用筒(9)に外嵌させた状態で、この伝動用筒(9)の前記外鍔(10)と前記始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)との間に挟持させる。 このばね先端部(13)がばね伸縮移動部分(6a)を兼ねるように構成した。
この特徴構成から、リング状のばね連動部材(36)は、 伝動用筒(9)に対して外嵌してその径方向に安定良く位置決めされる事と、 外鍔(10)と始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)との間に挟持されて、その軸心方向に強力に固定される事とにより、 外鍔(10)およびばね先端部(13)に対して錘係止部材(37)が、両遠心錘(3A)(3B)の開閉方向にガタ付くこと無く高精度に安定良く位置決めされる。
これにより、図5(B)に示す温機時錘移動許容距離(Lw)が高精度に確保されるので、エンジンの温機再始動時および稼動運転時の進角制限の値を高精度に保持することができる。
○ 請求項7の発明. 図3−図5参照.
この請求項7の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]・[効果ハ]、請求項4の発明の[効果ヘ]、請求項5の発明の[効果ト]、および請求項6の発明の[効果チ]に加えて、つぎの効果を奏する。
[ 効果リ. 錘被係止ピン(38a)は、長円形部材(39)で両側から直進案内されて、長円遊端部分(37a)の正規の受止め位置に精確に受け止められることにより、図5(B)に示す温機時錘移動許容距離(Lw)が高精度に確保されるので、エンジンの稼動運転時の進角制限の値を高精度に保持することができる。 ]
請求項7の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記錘係止部材(37)は長円形部材(39)の長円遊端部分(37a)から成る。 前記錘被係止部材(38)は錘被係止ピン(38a)から成る。この錘被係止ピン(38a)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)からその遠心移動方向と交差する方向に固着凸設する。 この錘被係止ピン(38a)は前記長円形部材(39)に摺動自在に内嵌させた。
この特徴構成から、前記錘被係止ピン(38a)は、長円形部材(39)で両側から直進案内されて、長円遊端部分(37a)の正規の受止め位置に精確に受け止められ、この正規受止め位置から位置ズレすることが無くなる。
これにより、図5(B)に示す温機時錘移動許容距離(Lw)が高精度に確保されるので、エンジンの温機再始動時および稼動運転時の進角制限の値を高精度に保持することができる。
以下、本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置の実施の形態を、図面に基づき説明する。
○ 実施形態1. 請求項1・2・3・4・5・6・7. 図1−図6参照.
図1−図6は本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置の実施形態1を示す。図1は偏心カム型機械式タイマの遠心錘に錘戻しばね・始動進角用ばね・感温作動ばねを組み込んだものを示す。図1(A)は図1(B)のA−A線断面正面図、図1(B)は平面図、図1(C)は左側面図、図1(D)は図1(A)のD−D線断面図である。
図2は水冷縦形ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの駆動装置の縦断右側面図である。 図3(A)は偏心カム型機械式タイマの縦断右側面図、図3(B)は図3(A)のB−B線断面図、図3(C)は図3(A)のC−C線断面図、図3(D)は回転進角制限装置35の斜視図である。
図4は図1(A)のIV部分の拡大図である。図4(A)は形状記憶ばねの低温側感温時の収縮作動状態を示す。図4(B)は形状記憶ばねの高温側感温時の伸長作動状態を示す。
図5は両遠心錘の進角作動状態を示す。図5(A)はエンジンの冷機状態での始動時の進角作動状態を示し、図4(A)と同じ図である。図5(B)はエンジンの温機状態での稼動運転時の進角作動状態を示す。
図6は両遠心錘のエンジン回転速度に対する進角作動特性曲線図である。図6(A)はエンジンの冷機始動時の進角作動特性曲線図であり、図5(A)の状態の作動特性を示す。図6(B)はエンジンの稼動運転時の進角作動特性曲線図であり、図5(B)の状態の作動特性を示す。
図2において、符号(19)は燃料噴射ポンプ、(20)は偏心カム型機械式タイマ、(21)は燃料噴射カムギヤ、(22)はタイマ入力軸、(23)は筒状の燃料噴射カム軸である。 エンジンのクランク軸(図外)の動力は、燃料噴射カムギヤ(21)からタイマ入力軸(22)および偏心カム型機械式タイマ(20)を経て、燃料噴射カム軸(23)に伝えられる。
この偏心カム型機械式タイマ(20)は次のように構成される。
図1・図3に示すように、エンジンの偏心カム型機械式タイマを構成する入力輪(1)の一側部に出力輪(2)を、他側部に一対の遠心錘(3)(3)を配置する。
入力輪(1)と出力輪(2)とに亙って偏心カム型進角機構(4)を設ける。この偏心カム型進角機構(4)は一対の遠心錘(3)(3)の遠心力と圧縮コイルスプリング製の錘戻しばね(5)の求心側への張力との不釣合い力により作動して、入力輪(1)に対して出力輪(2)を進角制御作動するように構成する。
一対の遠心錘(3)(3)は、圧縮コイルスプリング製の始動進角用ばね(6)で遠心方向へ進角駆動するのに対して、感温作動手段(7)の高温側感温時の伸長作動で始動進角用ばね(6)の張力に抗して進角駆動解除するように構成する。
エンジンの冷機始動時には、図4(A)に示すように、感温作動手段(7)が低温側感温により収縮作動して、始動進角用ばね(6)の張力で一対の遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げるように構成する。
エンジンの温暖時には、図4(B)に示すように、感温作動手段(7)が高温側感温により伸長作動して、始動進角用ばね(6)を収縮させて、この始動進角用ばね(6)が一対の遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げるのを解除するように構成する。
上記偏心カム型進角機構(4)は、周知のものであり、次のように構成される。
図3に示すように、入力輪(1)に大径偏心輪(25)と小径偏心輪(27)とを順に内嵌させてある。 入力輪(1)の点対称の2箇所の偏心位置に一対の各大輪枢支孔(24)が空けられている。
各大輪枢支孔(24)に一対の各大径偏心輪(25)が内嵌して、回転自在に枢支される。各大径偏心輪(25)の偏心位置に各小輪枢支孔(26)が空けられててる。各小輪枢支孔(26)に一対の各小輪偏心輪(27)が内嵌して、回転自在に枢支されている。
各大径偏心輪(25)の各偏心入力ピン(28)は一対の各遠心錘(3)に内嵌して連結されている。各小輪偏心輪(27)の各偏心出力ピン(29)は出力輪(2)に内嵌して連結されている。
入力輪(1)の筒軸部分(41)は、タイマ入力軸(22)に外嵌して、ナット(31)でタイマ入力軸(22)に固定されるとともに、キイで一体回転するように連結されている。出力輪(2)は燃料噴射カム軸(23)に外嵌して、キイで一体回転するように連結されている。
図1・図4に示すように、前記感温作動手段(7)は圧縮コイルスプリングを形状記憶合金材料で製造した形状記憶ばね(8)により構成する。この形状記憶ばね(8)と前記始動進角用ばね(6)とは、前記一対の遠心錘(3)・(3)同士の間に位置させるとともに、前記錘戻しばね(5)に対して同心状に配置する。
図3−図5に示すように、 前記始動進角用ばね(6)と一方の遠心錘(3A)(3B)とに亘って回転進角制限装置(35)を設ける。この回転進角制限装置(35)は一対の遠心錘(3A)(3B)同士間の最大離間距離を温機時錘移動許容距離(Lw)として制限するように構成した。
前記一対の遠心錘(3)・(3)のうち、その一方の遠心錘(3A)(3B)の内部には錘戻しばね(5)を設けるのに対して、その他方の遠心錘(3B)(3A)の内部には始動進角用ばね(6)と形状記憶ばね(8)とを設ける。前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは互いに内外に挿嵌させる。
互いに内外に挿嵌し合う前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)との間に伝動用筒(9)を挿入する。この伝動用筒(9)の筒一端部から外鍔(10)を遠心側に連出させるのに対して、その筒他端部から内鍔(11)を求心側に連出させる。
前記一対の遠心錘(3)・(3)のうちの前記他方の遠心錘(3B)(3A)に前記始動進角用ばね(6)のばね基端部(12)を受け止めさせるとともに、この始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)が前記外鍔(10)を介して前記一方の遠心錘(3A)(3B)を遠心側へ押圧するように構成する。
前記他方の遠心錘(3B)(3A)に錘開閉ガイド軸(14)を介して形状記憶ばね(8)のばね基端部(15)を受け止めさせるとともに、この形状記憶ばね(8)のばね先端部(16)が内鍔(11)・伝動用筒(9)・および外鍔(10)を順に介して前記始動進角用ばね(6)を圧縮させる側へ弾圧するように構成した。
前記回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)とを具える。前記ばね連動部材(36)は、前記始動進角用ばね(6)のうちの、前記他方の遠心錘(3B)(3A)に対して伸縮移動するばね伸縮移動部分(6a)に連動連結する。前記錘係止部材(37)は前記ばね連動部材(36)に一体に固設する。前記錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設する。
前記ばね連動部材(36)はリング状に形成する。このリング状のばね連動部材(36)は、前記連動用筒(9)に外嵌させた状態で、この伝動用筒(9)の前記外鍔(10)と前記始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)との間に挟持させる。このばね先端部(13)がばね伸縮移動部分(6a)を兼ねるように構成した。
前記錘係止部材(37)は長円形部材(39)の長円遊端部分(37a)から成る。前記錘被係止部材(38)は錘被係止ピン(38a)から成る。この錘被係止ピン(38a)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)からその遠心移動方向と交差する方向に固着凸設する。この錘被係止ピン(38a)は前記長円形部材(39)に摺動自在に内嵌させたものである。
本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置は、例えばディーゼルエンジンに用いる偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置に好適である。
図1−図6は本発明のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置の実施形態1を示す。 図1は偏心カム型機械式タイマの遠心錘に錘戻しばね・始動進角用ばね・感温作動ばねを組み込んだものを示す。図1(A)は図1(B)のA−A線断面正面図、図1(B)は平面図、図1(C)は左側面図、図1(D)は図1(A)のD−D線断面図である。
図2は水冷縦形ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの駆動装置の縦断右側面図である。 図3(A)は偏心カム型機械式タイマの縦断右側面図、図3(B)は図3(A)のB−B線断面図、図3(C)は図3(A)のC−C線断面図、図3(D)は回転進角制限装置35の斜視図である。
図4は図1(A)のIV部分の拡大図である。図4(A)は形状記憶ばねの低温側感温時の収縮作動状態を示す。図4(B)は形状記憶ばねの高温側感温時の伸長作動状態を示す。 図5は両遠心錘の進角作動状態を示す。図5(A)はエンジンの冷機状態での始動時の進角作動状態を示し、図4(A)と同じ図である。図5(B)はエンジンの温機状態での稼動運転時の進角作動状態を示す。
図6は両遠心錘のエンジン回転速度に対する進角作動特性曲線図である。図6(A)はエンジンの冷機始動時の進角作動特性曲線図であり、図5(A)の状態の作動特性を示す。図6(B)はエンジンの稼動運転時の進角作動特性曲線図であり、図5(B)の状態の作動特性を示す。
図7は従来技術のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置を示す。図7(A)は偏心カム型機械式タイマの縦断左側面図であって、図7(B)のA−A線断面図である。図7(B)は図7(A)の中央部縦断正面図である。
符号の説明
1…入力輪、 2…出力輪、 3・3A・3B…遠心錘、 4…偏心カム型進角機構、 5…錘戻しばね、 6…始動進角用ばね、 6a…ばね伸縮移動部分、 7…感温作動手段、 8…形状記憶ばね、 9…伝動用筒、 10…外鍔、 11…内鍔、 12…ばね基端部、 13…ばね先端部、
14…錘開閉ガイド軸、 15…ばね基短部、 16…ばね先端部、 35…回転進角制限装置、 36…ばね連動部材、 37…錘係止部材、 37a…長円遊端部分、 38…錘被係止部材、 38a…錘被係止ピン、 39…長円形部材、 Lc…冷機始動進角用距離、 Lw…温機時錘移動許容距離。

Claims (7)

  1. エンジンの偏心カム型機械式タイマを構成する入力輪(1)の一側部に出力輪(2)を、他側部に一対の遠心錘(3)(3)を配置し、
    入力輪(1)と出力輪(2)とに亙って偏心カム型進角機構(4)を設け、この偏心カム型進角機構(4)は一対の遠心錘(3)(3)の遠心力と圧縮コイルスプリング製の錘戻しばね(5)の求心側への張力との不釣合い力により作動して、入力輪(1)に対して出力輪(2)を進角制御作動するように構成し、
    一対の遠心錘(3)(3)は、圧縮コイルスプリング製の始動進角用ばね(6)で遠心方向へ進角駆動するのに対して、感温作動手段(7)の高温側感温時の伸長作動で始動進角用ばね(6)の張力に抗して進角駆動解除するように構成し、
    エンジンの冷機始動時には、感温作動手段(7)が低温側感温により収縮作動して、始動進角用ばね(6)の張力で一対の遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げるように構成し、
    エンジンの温暖時には、感温作動手段(7)が高温側感温により伸長作動して、始動進角用ばね(6)を収縮させて、この始動進角用ばね(6)が一対の遠心錘(3)(3)を始動進角位置に押し拡げるのを解除するように構成した、
    エンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置において、
    前記感温作動手段(7)は圧縮コイルスプリングを形状記憶合金材料で製造した形状記憶ばね(8)により構成し、
    この形状記憶ばね(8)と前記始動進角用ばね(6)とは、前記一対の遠心錘(3)・(3)同士の間に位置させるとともに、前記錘戻しばね(5)に対して同心状に配置し、
    前記始動進角用ばね(6)と一方の遠心錘(3A)(3B)とに亘って回転進角制限装置(35)を設け、この回転進角制限装置(35)は一対の遠心錘(3A)(3B)同士間の温機時の最大離間距離を温機時錘移動許容距離(Lw)として制限するように構成した、
    ことを特徴とするエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置において、
    前記一対の遠心錘(3)・(3)のうち、その一方の遠心錘(3A)(3B)の内部には錘戻しばね(5)を設けるのに対して、その他方の遠心錘(3B)(3A)の内部には始動進角用ばね(6)と形状記憶ばね(8)とを設けて構成した、
    ことを特徴とするエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置において、
    前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)とは互いに内外に挿嵌させて配置して構成した、
    ことを特徴とするエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置。
  4. 請求項3に記載のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置において、
    互いに内外に挿嵌し合う前記形状記憶ばね(8)と始動進角用ばね(6)との間に伝動用筒(9)を挿入し、この伝動用筒(9)の筒一端部から外鍔(10)を遠心側に連出させるのに対して、その筒他端部から内鍔(11)を求心側に連出させ、
    前記一対の遠心錘(3)・(3)のうちの前記他方の遠心錘(3B)(3A)に前記始動進角用ばね(6)のばね基端部(12)を受け止めさせるとともに、この始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)が前記外鍔(10)を介して前記一方の遠心錘(3A)(3B)を遠心側へ押圧するように構成し、
    前記他方の遠心錘(3B)(3A)に錘開閉ガイド軸(14)を介して形状記憶ばね(8)のばね基端部(15)を受け止めさせるとともに、この形状記憶ばね(8)のばね先端部(16)が内鍔(11)・伝動用筒(9)・および外鍔(10)を順に介して前記始動進角用ばね(6)を圧縮させる側へ弾圧するように構成した、
    ことを特徴とするエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置。
  5. 請求項1・2・3または4に記載のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置において、
    前記回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)とを具え、
    前記ばね連動部材(36)は、前記始動進角用ばね(6)のうちの、前記他方の遠心錘(3B)(3A)に対して伸縮移動するばね伸縮移動部分(6a)に連動連結し、
    前記錘係止部材(37)は前記ばね連動部材(36)に固設し、 前記錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設し、
    て構成したことを特徴とするエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置。
  6. 請求項4に記載のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置において、
    前記回転進角制限装置(35)は、ばね連動部材(36)と錘係止部材(37)と錘被係止部材(38)とを具え、
    前記ばね連動部材(36)は、前記始動進角用ばね(6)のうちの、前記他方の遠心錘(3B)(3A)に対して伸縮移動するばね伸縮移動部分(6a)に連動連結し、
    前記錘係止部材(37)は前記ばね連動部材(36)に固設し、 前記錘被係止部材(38)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)に固設し、
    前記ばね連動部材(36)はリング状に形成し、 このリング状のばね連動部材(36)は、前記連動用筒(9)に外嵌させた状態で、この伝動用筒(9)の前記外鍔(10)と前記始動進角用ばね(6)のばね先端部(13)との間に挟持させ、 このばね先端部(13)がばね伸縮移動部分(6a)を兼ねるように構成した、
    ことを特徴とするエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置。
  7. 請求項5または6に記載のエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置において、
    前記錘係止部材(37)は長円形部材(39)の長円遊端部分(37a)から成り、
    前記錘被係止部材(38)は錘被係止ピン(38a)から成り、この錘被係止ピン(38a)は前記一方の遠心錘(3A)(3B)からその遠心移動方向と交差する方向に固着凸設し、
    この錘被係止ピン(38a)は前記長円形部材(39)に摺動自在に内嵌させ、
    て構成したことを特徴とするエンジンの偏心カム型機械式タイマの冷機始動時の進角装置。

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