Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP4287229B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP4287229B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP4287229B2
JP4287229B2 JP2003336935A JP2003336935A JP4287229B2 JP 4287229 B2 JP4287229 B2 JP 4287229B2 JP 2003336935 A JP2003336935 A JP 2003336935A JP 2003336935 A JP2003336935 A JP 2003336935A JP 4287229 B2 JP4287229 B2 JP 4287229B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
biaxially oriented
polyester
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003336935A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005103787A (ja
Inventor
真哉 渡邊
剛 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin DuPont Films Japan Ltd filed Critical Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority to JP2003336935A priority Critical patent/JP4287229B2/ja
Publication of JP2005103787A publication Critical patent/JP2005103787A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4287229B2 publication Critical patent/JP4287229B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は二軸配向ポリエステルフイルムに関する。更に詳しくは、優れた平坦性を具備し、蒸着およびDLC(ダイヤモンド状カーボン)を付与する工程での熱変形が少なくてハンドリング性に優れ、磁気記録媒体のベースフィルムとしたときに得られる磁気記録媒体に優れた電磁変換特性および走行耐久性ならびに少ないドロップアウトを具備させることができる二軸配向ポリエステルフイルムおよびそれをベースフィルムに用いた磁気記録媒体に関する。
1995年に実用化された民生用デジタルビデオテープは、厚さ6〜7μmのベースフィルム上にCoの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カーボン(DLC)膜をコーティングしてなり、DVミニカセットを使用したカメラ一体型ビ
デオの場合には基本仕様(SD仕様)で1時間の録画時間をもつ。
このデジタルビデオカセット(DVC)は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであり、a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が劣化しない、c.雑音の妨害を受けないから高画質・高
音質が楽しめる、d.ダビングを繰り返しても映像が劣化しない、等のメリットを持ち、市場の評価は高い。
そのベースフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着された不連続皮膜とからなるフィルムであって、該不連続皮膜は水溶性ポリエステル共重合体を含有するポリマーブレンド体と粒径50〜500オングストローム
の微細粒子とを主体とする皮膜であり、微細粒子により不連続皮膜上に微細突起が形成されたポリエステルフィルム(例えば特公昭63−57238号公報)等が用いられている。
これらDVCテープは非常に好評のため、生産量を増大させる要求がますます大きくなってきていて、DVCテープの生産性を上げるためにCo蒸着膜形成時、DLC膜形成時にベースフィルムに付加される熱量が増大してきている。
特公昭63−57238号公報
しかしながら、従来のベースフィルムを用いた場合では、DLC膜コーティング時の熱負荷が増大すると、ベースフィルムの平面性が崩れるためにDLC膜形成済みフィルムロールのロールにブツ状欠点やシワが発生し、次工程での巻出し時にフィルムが破れたり、しわによる歩留まりの悪化を招くことが発生するようになった。
そこで、本発明の課題は、磁気記録テープの製造工程において、DLC膜形成後に巻き取ったロールにブツ状欠点やしわの発生といったトラブルを生じず、電磁特性の優れた磁気記録テープを高い生産性で製造することができる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
かくして本発明の目的は、本発明によれば、一方の表面の水接触角が70度以上95度以下であること、150℃における製膜方向とそれに直行する方向(幅方向)との熱収縮率の比が1.0以上1.2以下であること製膜方向のヤング率が4.8GPa以上5.3GPa以下で、幅方向のヤング率が5.8GPa以上6.6GPa以下であること、製膜方向のヤング率と幅方向のヤング率との比が0.72〜0.92の範囲であることおよびフィルムの断面あたり15.3MPaの荷重を製膜方向に負荷した状態での150℃における製膜方向の伸縮挙動が3.0%以上4.0%以下である二軸配向ポリエステルフィルムによって達成される。
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、水接触角が70度以上95度以下である表面は、平均粒径100〜2000nmの不活性粒子Bおよび炭素数が8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールからなるエステルワックスを含有するポリエステル層(層B)からなり、層Bは、層Bの重量を基準として、不活性粒子Bを0.001〜5重量%およびエステルワックスを0.001〜10重量%含有すること、水接触角が70度以上95度以下である表面とは異なる側の表面は、ポリエステル層(層A)からなり、層Aは実質的に不活性粒子を含有しないか、平均粒径30〜200nmの不活性球状粒子Aを、層Bの重量を基準として、0.001〜0.2重量%含有すること、皮膜層Cを構成するバインダー樹脂が水溶性又は水分散性の樹脂であり、かつアクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル−ポリエステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であること、皮膜層Cを構成する不活性粒子Cの平均粒径が5〜100nmであり、該粒子Cの含有量が0.5〜30重量%(層Cに対して)であること、水接触角が70度以上90度以下の表面とは異なる側の表面の中心平均粗さ(WRaA)が0.1〜2nmであること、水接触角が70度以上90度以下の表面の中心平均粗さ(WRaB)が2〜20nmであることならびに蒸着型磁気記録媒体の支持体として使用されることの少なくとも一つを具備する二軸配向ポリエステルフィルムも提供される。
さらにまた、本発明によれば、150℃における製膜方向と幅方向との熱収縮率の比が0.9以上1.5以下であることおよびフィルムの断面あたり15.3MPaの荷重を製膜方向に負荷した状態での150℃における製膜方向の伸縮挙動が3.3%以上4.5%以下である二軸配向ポリエステルフィルムと、該二軸配向ポリエステルフィルムの他方の表面に設けられた金属薄膜とからなる磁気記録媒体、特にその好ましい態様として磁性層が強磁性金属薄膜層である磁気記録媒体も提供される。
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムは、蒸着およびDLC(ダイヤモンド状カーボン)層付後の、ロール欠点がなく生産性に優れており、得られる磁気記録媒体に、ドロップアウトが少なく、電磁変換特性に優れ、しかも走行耐久性に優れるという特性を同時に具備させることができ、その工業的価値は極めて高い。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、単層からなる単層ポリエステルフィルムでも2層以上が積層された積層ポリエステルフィルムであってもよい。好ましくは求められる平坦性と走行性とを高度に具備できることから、一方の表面が水接触角70度以上95度以下のポリエステル層Bで、他方の表面がポリエステル層Bに比べて比較的表面が平坦なポリエステル層Aからなる二軸配向積層ポリエステルフィルムが好ましく、特に該二軸配向積層ポリエステルフィルムの平坦な側の表面に皮膜層が設けられた二軸配向積層ポリエステルフィルムが好ましい。
本発明において、ポリエステルとしては、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルが挙げられるが、特に芳香族ポリエステルが好ましい。積層フィルムの場合、それぞれの層を構成するポリエステルは同じ種類でも、異なる種類であっても良い。以下、説明の便宜上、2層積層フィルムの場合、ポリエステル層Aを層A、水接触角70度以上95度以下の表面を構成するポリエステル層を層B、層Bとは異なる側の表面を形成するポリエステル層を層Aと称し、層Aを構成するポリエステルを樹脂AまたはポリエステルA、層Bを構成するポリエステルを樹脂BまたはポリエステルBと称することがある。
上記芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)などを例示することができる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
これらポリエステルは、ホモポリエステルであっても、コポリエステルであっても良い。コポリエステルの場合、例えば、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートの共重合成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコールなどの他のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸(ただし、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの場合)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(ただし、ポリエチレンテレフタレートの場合)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの他のジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成分などが挙げられる。これら共重合成分の量は、本発明の効果を損なわない限り、20モル%以下、さらには10モル%以下であることが好ましい。
さらにトリメリット酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトールなどの3官能以上の多官能化合物を共重合させることも出来る。この場合、ポリマーが実質的に線状である量、例えば2モル%以下で、共重合させるのが良い。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート以外の他のポリエステルの場合の共重合成分についても、上記と同様に考えるとよい。
更に上記ポリエステルには本発明の効果を損なわない程度であれば、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、遮光剤(例えばカーボンブラック、酸化チタン等)の如き添加剤を必要に応じて含有させることができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムが積層ポリエステルフィルムである場合、層Aと層Bは同じポリエステルからなるのが好ましいが、異なるポリエステルからなってもよい。例えば、層Aと層Bとが共にポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートからなる積層フィルムが好ましいが、層A(又は層B)がポリエチレンテレフタレートで層B(又は層A)がポリエチレン−2,6−ナフタレートからなる積層フィルムであっても良い。
前記ポリエステルは従来から知られている方法で製造することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートはテレフタル酸とエチレングリコールとをエステル化反応またはジメチルテレフタレートとエチレングリコールとをエステル交換反応せしめ、次いで反応生成物を重縮合せしめる方法で製造することができる。
上記の方法(溶融重合)により得られたポリエステルは、必要に応じて固相状態での重合方法(固相重合)により、さらに重合度の高いポリマーとすることができる。
上記の重合においては公知の触媒を用いることができ、溶融重合でのエステル交換触媒としてはマンガン、カルシウム、マグネシウム、チタンの酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等が好ましく、特に酢酸塩即ち、酢酸マンガン、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸チタンが好ましく挙げられる。
また、重縮合触媒としては、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物を挙げることができる。
前記アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン等が好ましく挙げられる。
前記チタン化合物としては、有機チタン化合物が好ましく挙げられ、例えば特開平5−298670号に記載されているものを挙げることができる。更に説明すると、チタンのアルコラートや有機酸塩、テトラアルキルチタネートと芳香族多価カルボン酸又はその無水物との反応物等を例示でき、好ましい具体例としてチタンテトラブトキシド、チタンイソプロポキシド、蓚酸チタン、酢酸チタン、安息香酸チタン、トリメリット酸チタン、テトラブチルチタネートと無水トリメリット酸との反応物等を挙げることができる。
また、前記ゲルマニウム化合物としては、例えば特許2792068号に記載されているものを挙げることができる。更に説明すると、(イ)無定形酸化ゲルマニウム、(ロ)結晶性ゲルマニウム、(ハ)酸化ゲルマニウムをアルカリ金属又はアルカリ土類金属もしくはそれらの化合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、および(ニ)酸化ゲルマニウムを水に溶解し、これにグリコールを加え水を留去して調整した酸化ゲルマニウムのグリコール溶液、等を挙げることができる。ただし、ゲルマニウム化合物を重縮合触媒として採用する場合、その量が多いと、ポリエステル合成の際の副生成DEG量が増加して先述のポリエステル層Aの熱安定性を低下させるので、ポリエステルAに含有されるゲルマニウム元素(Ge)としては10ppm以下にするのが好ましい。更に好ましくは5ppm以下である。
また、ポリエステルには熱安定性を維持するために、従来ポリエステルの製造工程で添加されるリン化合物を含有することが好ましい。このリン化合物は特に限定されないが、正リン酸、亜リン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェートが好ましく挙げられる。
ところで、積層フィルムの場合、ポリエステル層Aは、実質的に粒子を含有しないことが電磁気変換特性を高くすることができるために好ましい。ただし、磁気記録媒体としたときの走行耐久性を持たせるために不活性微粒子Aを少量含有させることも可能である。その際の不活性粒子Bの大きさは、平均粒径は30〜200nm以下であることが好ましく、添加量は0.001〜0.2wt%以下(層Aに対して)が電磁気変換特性を悪化させずに走行耐久性を両立させることができるために好ましい。不活性粒子Aの種類としては、例えば、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、(層Aに対して)酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、(3)金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、(4)金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、(5)炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモンドなど)、および(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる微粒子が挙げられる。この中で特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、カオリン及びクレーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましい。もちろん、上記の種類以外の粒子をフイルム特性に悪影響を及ぼさない範囲で更に添加することは問題はない。
また積層ポリエステルフィルムである場合、ポリエステル層Bは巻取り性を付与するために粒子を含有するのが好ましい。不活性粒子は1種類でも2種類以上を併用してもよい。不活性粒子Bの平均粒径(dB)は50〜1000nm、さらには100〜800nm、よりさらには好ましくは150〜700nm、特に200〜600nmが好ましい。不活性粒子Bの含有量は、ポリエステル層Bの重量を基準として、0.001〜1重量%、さらには0.005〜0.8重量%、よりさらには0.01〜0.6重量%、特に0.01〜0.3重量%が好ましい。不活性粒子Bとしては、不活性粒子Aで説明したものを好適に用いることができる。
ところで、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの一方の表面(積層ポリエステルフィルムの場合は、ポリエステル層B)は、水接触角が70度以上95度以下であることが必要である。水接触角が下限よりも小さいとフィルム巻取り性の向上が不十分であり、ブロッキング改良効果も得られない。一方、水接触角が上限よりも大きいと、フィルム製造工程で、ロール上に巻き上げたときに接する反対側の表面に、ブリードアウトによってワックスなどが多量に転写されて、例えば金属蒸着層とベースフイルムの接着性を妨げたり、DLC(ダイヤモンド状カーボン)層付与後に巻き取ったロール中でとDCL(ダイヤモンド状カーボン)層にワックス成分が転写されることによると考えられる、DLC(ダイヤモンド状カーボン)層とB層の密着性が増し、次工程での巻出し時にフィルムが破れるといった弊害を生じる。
このような表面の水接触角は、例えば炭素数8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールからなるエステルワックスを0.001〜1重量%含有させることによって達成するが好ましい。ここで、エステルワックスとは、エステルワックスと部分的にケン化させた部分ケン化エステルワックスとを包含するものである。
上記脂肪族モノカルボン酸の炭素数は8個以上、好ましくは8〜34個である。この炭素数が8個未満であると、得られたエステルワックスの耐熱性が不充分で、ポリエステルに分散させる際の加熱条件で、該エステルワックスが容易に分解されてしまうため、不適切である。
炭素数8個以上の脂肪族モノカルボン酸としては、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ペヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸およびこれらを含む混合物などが挙げられる。
上記エステルワックスのアルコール成分は、水酸基を2個以上有する多価アルコールである。さらに耐熱性の観点から、水酸基を3個以上有する多価アルコールであることが好ましい。モノアルコールを用いたのでは、生成したエステルワックスの耐熱性が不足する。
上記水酸基を2個有する多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが好ましく挙げられる。水酸基を3個以上有する多価アルコールとしては、例えばグリセリン、エリスリット、トレイット、ペンタエリスリット、アラビット、キシリット、タリット、ソルビット、マンニットなどが好ましく挙げられる。
上記脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールから得られるエステルワックスとしては、多価アルコールの水酸基の数にもよるが、モノエステル、ジエステル、トリエステルなどが挙げられる。これらの中、耐熱性の観点から、モノエステルよりもジエステルが、ジエステルよりもトリエステルが好ましい。好ましいエステルワックスとしては、具体的にはソルビタントリステアレート、ペンタエリスリットトリペヘネート、グリセリントリパルミテート、ポリオキシエチレンジステアレートなどが挙げられる。
上記脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールからなる部分ケン化エステルワックスは、多価アルコールを炭素数8個以上の脂肪族モノカルボン酸で部分エステル化したのち、2価以上の金属水酸化物でケン化することにより得られる。具体的には、例えばモンタン酸ジオールエステルを水酸化カルシウムでケン化した、ワックスE、ワックスOP、ワックスO、ワックスOM、ワックスFL(全て、ヘキスト(株)社製商品名)などが挙げられる。かかる(部分ケン化)エステルワックスは1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記(部分ケン化)エステルワックスの層Bへの添加量は、0.001〜1重量%、好ましくは0.003〜0.5重量%、さらに好ましくは0.005〜0.5重量%、特に好ましくは0.01〜0.3重量%含有する。この(部分ケン化)エステルワックスの添加量が0.001重量%未満であると、フィルム巻取り性の向上が不十分であり、ブロッキング改良効果も得られない。一方、1重量%を超えると、フィルム製造工程で、ロール上に巻き上げたときに接する反対側の面に、ブリードアウトによってワックス成分が多量に転写され、そのため、例えば金属蒸着層とベースフイルムの接着性を妨げる、さらにDLC(ダイヤモンド状カーボン)層付与後に巻き取ったロール中でとDCL(ダイヤモンド状カーボン)層にワックス成分が転写されることによると考えられる、DLC(ダイヤモンド状カーボン)層とB層の密着性が増し、次工程での巻出し時にフィルムが破れるといった弊害を生じる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、150℃における製膜方向と幅方向との熱収縮率の比が0.9以上1.5以下であり、かつフィルムの断面に対して15MPaの荷重を製膜方向に負荷した状態での150℃における製膜方向の伸縮挙動が3.0%以上4.0%以下であることが必要である。熱収縮率の比は好ましくは0.95以上1.25以下、さらに好ましくは、1.0以上1.2以下である。熱収縮率の比が下限を下回ると、蒸着時、またはDLC(ダイヤモンド状カーボン)付与時に、熱による製膜方向および幅方向の収縮と製膜方向に働く張力によるフィルムの伸びのバランスが崩れて、幅方向の収縮が大きくなり、ロールに巻き取った時にしわが発生してしまう。また、熱収縮率の比が上限を超えると、製膜方向の収縮が大きくなるためにブツ状欠点が発生し、次工程での巻き出し時にブツ状欠点を起点としてフィルムが破断することがある。また、150℃における荷重下の製膜方向の伸縮挙動は、好ましくは3.2%以上3.6%以下が好ましい。製膜方向の伸縮挙動が下限未満であると蒸着時や、DLC(ダイヤモンド状カーボン)付与時の熱に対して、製膜方向の収縮率が小さくなってしまい、製膜方向の平面性が崩れブツ状欠点が発生する。一方、製膜方向の伸縮挙動が上限を超えると製膜方向の収縮量が大きすぎるために蒸着後、または、DLC(ダイヤモンド状カーボン)付与後のロールにしわが入ってしまう。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、製膜方向におけるヤング率が4.8GPa以上5.3GPa以下であって、幅方向のヤング率が5.8GPa以上6.6GPa以下であって、両者の比が0.72〜0.92の範囲であることが好ましい。製膜方向におけるヤング率が下限未満であると、蒸着時、またはDLC(ダイヤモンド状カーボン)付与後の製膜方向の張力によって、フィルムが伸びてしまい巻き取った後のロールにしわが入ってしまうことがある。一方、製膜方向におけるヤング率が上限を超えると、幅方向のヤング率が減少してしまい、テープ化したときのスティフネスが不足しヘッド当たりが悪くなり電磁気変換特性が低下しやすい。また、幅方向のヤング率が5.8GPaより低いとテープ化したときのスティフネスが不足しヘッド当たりが悪くなりやはり電磁気変換特性が低下しやすい。一方幅方向のヤング率が6.6GPaより大きいと製膜方向のヤング率が減少してしまい蒸着時、またはDLC(ダイヤモンド状カーボン)付与後の製膜方向の張力により、フィルムが伸びてしまい巻き取った後のロールにしわが入りやすくなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の表面の中心面平均粗さ(WRaと称する。)が0.5nm以上2.5nm以下であることが好ましい。該表面粗さが上限を超えると電磁変換特性が低下しやすく、下限未満だと走行性が悪化することがある。さらに好ましいWRaは0.7nm以上2.2nm以下であり、特に好ましいWRaは0.8nm以上1.7nm未満である。WRaは含有される粒子の粒径および添加量によって適宜調整でき、更にフイルム製造時の縦延伸温度および/または横延伸温度によっても調整できる。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムが積層ポリエステルフィルムである場合、ポリエステル層Aの表面の中心面平均粗さ(WRaと称する。)が0.5nm以上2.5nm以下であることが好ましい。該表面粗さが上限を超えると電磁変換特性が低下しやすく、下限未満だと走行性が悪化することがある。さらに好ましいWRaAは0.7nm以上2.2nm以下であり、特に好ましいWRaAは0.8nm以上1.7nm未満である。
また、他方の表面、すなわちポリエステル層B側の表面の中心面平均粗さ(WRaB)は、2.0nm以上20nm以下、さらに4.0nm以上15nm以下、よりさらに4.5nm以上12nm以下、特に5.0〜10nmの範囲にあることが好ましい。該WRaが上限を超えると、電磁変換特性等が低下しやすく、一方、該該WRaが下限未満だと、その平坦性の故に、ベースフィルムの製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しといったハンドリング性の悪化をきたし、またロールに巻いたときの形状(ロールフォーメーション)が悪化し、生産性の悪化、製品歩留りの低下、ひいては製品の製造コストの上昇をきたす。WRa、WRaは、層Aと層Bの層厚比、層Bに含有される粒子の粒径および添加量によって適宜調整でき、更にフイルム製造時の縦延伸温度および/または横延伸温度によって層B側の粒子の突き出しや層A側の表面平坦性をコントロールすることでも調整できる。
さらに、上述したWRa、WRaを所望の範囲に調整するために、層Bに含有せしめた不活性粒子の平均粒径と層Aの厚さとが特定の関係を満たすようにするのが好ましい。具体的には、層Bは、不活性粒子を1種類または種類や粒径の異なる不活性粒子を2種以上含有する。そして、不活性粒子が1種類の場合は、その平均粒径を、また、不活性粒子が2種類以上の場合は、粒子のうち最も平均粒径の大きな不活性粒子の平均粒径を、d(μm)とし、層Aの厚さをt(μm)としたときに、d/tは、0.01以上0.5以下、更に0.02以上0.4以下、特に0.03以上0.1以下であることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの全厚みは、通常2μm以上20μm以下であり、好ましくは2.5μm以上10μm以下、更に好ましくは3μm以上8μm以下である。また積層ポリエステルフィルムである場合は、平坦面を形成する層Aと走行面を形成する層Bとの層厚構成は、層Aの表面に前記表面欠陥が生じないように、層Bに添加する不活性粒子の平均粒径dと層Aの厚さとが、前述の関係を満足するように構成されるのが好ましい。また、層Aの厚さは、0.8μm以上であることが好ましく、層Bの厚さは、前記平均粒径dの1/2倍以上(μm)であることが好ましい。
ところで本発明の二軸配向ポリエステルフイルムは、磁気テープとした場合の諸特性向上のため、磁性層を設ける側の面、積層ポリエステルフィルムの場合はポリエステル層A側の表面に、皮膜層Cを設けることが好ましい。
前記皮膜層Cは、平均粒径5〜100nm、さらに10〜50nm、体積形状係数0.1〜π/6の不活性粒子Cを0.5〜30重量%含有していることが好ましい。
前記皮膜層Cを形成する樹脂としては、例えば水性ポリエステル樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂などが好ましく挙げられ、特に水性ポリエステル樹脂が好ましい。
この水性ポリエステル樹脂としては、酸成分が、例えばイソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、2−スルホテレフタル酸カリウム、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメリット酸モノカリウム塩、p−ヒドロキシ安息香酸などの多価カルボン酸の1種以上よりなり、グリコール成分が、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ジメチロールプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などの多価ヒドロキシ化合物の1種以上より主としてなるポリエステル樹脂が好ましく用いられる。また、ポリエステル鎖にアクリル重合体鎖を結合させたグラフトポリマーまたはブロックコポリマー、あるいは2種のポリマーがミクロな粒子内で特定の物理的構成(IPN(相互侵入高分子網目)型、コアシェル型など)を形成したアクリル変性ポリエステル樹脂であってもよい。この水性ポリエステル樹脂としては、水に溶解、乳化、微分散するタイプを自由に用いることができるが、水に乳化、微分散するタイプのものが好ましい。また、これらは親水性を付与するため、分子内に例えばスルホン酸塩基、カルボン酸塩基、ポリエーテル単位などが導入されていてもよい。
前記皮膜層Cに含有される不活性粒子Cとしては、特に限定されないが、塗液中で沈降しにくい、比較的低比重のものが好ましい。例えば、架橋シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステル、全芳香族ポリエステルなどの有機粒子、二酸化ケイ素(シリカ)、炭酸カルシウムなどからなる粒子が好ましく挙げられる。なかでも、架橋シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリカ粒子、コアシェル型有機粒子(コア:架橋ポリスチレン、シェル:ポリメチルメタクリレートの粒子など)が特に好ましく挙げられる。
前記不活性粒子Cの平均粒径(dC)は5〜100nm、さらに10〜50nm、よりさらに12〜45nm、特に15〜40nmであることが好ましい。この平均粒径が下限未満であると、フィルムの滑り性が不良となることがあり、一方、上限を超えると、磁気記録媒体の電磁変換特性が不良となることがある。
前記不活性粒子Cの形状は、後述の体積形状係数(f)が0.1〜π/6、さらに0.2〜π/6、特には0.4〜π/6が好ましい。体積形状係数(f)がπ/6である粒子の形状は、球(真球)である。すなわち、体積形状係数(f)が0.4〜π/6のものは、実質的に球ないしは真球、ラグビーボールのような楕円球を含むものであり、不活性粒子Cとして好ましい。体積形状係数(f)が0.1未満の粒子、例えば薄片状の粒子では、走行耐久性が低下してしまうので好ましくない。
前記不活性粒子Cの含有量は、皮膜層C(塗液の固形分)に対し、0.5〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは3〜10重量%である。この含有量が0.5重量%未満であると、フィルムの滑り性が不良となることがあり、一方、30重量%を超えると、磁気記録媒体の電磁変換特性が不良となることがあるため、好ましくない。皮膜層Cの厚みは、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、さらに好ましくは3〜10nm、特に好ましくは3〜8nmである。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、従来から知られている、または当業界に蓄積されている方法に準じて製造することができる。また積層ポリエステルフィルムである場合、ポリエステル層Aとポリエステル層Bとの積層構造は、共押出し法により製造するのが好ましい。さらにまた、表面に皮膜層Cを積層する場合、積層方法は塗布法により行うのが好ましい。
具体的に、二軸配向積層ポリエステルフィルムで説明すると、押出し口金内または口金以前(一般に、前者はマルチマニホールド方式、後者はフィードブロック方式と呼ぶ)で、上記(部分ケン化)エステルワックス及び不活性粒子Bを微分散、含有させたポリエステルBと、必要に応じて不活性粒子Aを含有させたポリエステルAとを、それぞれさらに高精度ろ過したのち、溶融状態にて積層複合し、上記好適な厚み比の積層構造となし、次いで口金より融点(Tm)〜(Tm+70)℃の温度でフィルム状に共押出ししたのち、40〜90℃の冷却ロールで急冷固化し、未延伸積層フィルムを得る。その後、上記未延伸積層フィルムを常法に従い、製膜方向に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(ただし、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜5.0倍の倍率で、好ましくは2.7〜4.5倍の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向とは直角方向に(Tg)〜(Tg+70)℃の温度で3.0〜7.0倍の倍率で、好ましくは3.5〜5.5倍の倍率で延伸する。さらに、必要に応じて、製膜方向および/または横方向に再度延伸してもよい。すなわち、2段、3段、4段あるいは多段の延伸を行うとよい。全延伸倍率としては、通常9倍以上、好ましくは10〜35倍、さらに好ましくは12〜30倍である。
また、熱固定は3ゾーン以上で実施することが好ましい。この時3ゾーンの場合は第1番目のゾーンの温度を横延伸温度と最高熱固定温度の中間の温度とすることが好ましく、160〜200℃が好ましい。第2番目のゾーンの温度を200〜230℃の温度とし、第3番目のゾーン(最後の熱固定ゾーン)は第2番目のゾーンよりも低い温度とし、その範囲は170〜210℃が好ましい。3ゾーン以上の場合は1番目のゾーンの温度と最高の熱固定温度のゾーン間で傾斜をつけて温度を増加させることが好ましい。また最後の熱固定ゾーンは最高の熱固定温度よりも低いことが好ましく、その範囲は170〜210℃が好ましい。
さらにこの最後の熱固定ゾーンではレール幅を好ましくは、フィルムの幅に対して0.5〜5%縮めることにより、縦熱収と横熱収の比を0.9〜1.5の範囲に設定することが可能となる。熱固定時間は1〜60秒が好ましい。熱固定ゾーン以降の冷却ゾーンの温度は80〜130℃の範囲に設定することにより縦熱収と横熱収の比を0.9〜1.5の範囲に設定することが容易になるために好ましい。
また、各ロール速度とフィルムの実速度の差が0〜1.5%以内とすることにより傷のほとんどないフィルムを得ることができるので好ましい。
なお、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造に際し、ポリエステルに所望により上記不活性粒子以外の添加剤、例えば安定剤、着色剤、溶融ポリマーの固有抵抗調整剤などを添加含有させることができる。
本発明における皮膜層Cの塗接は、水性塗液を塗布する方法で行うのが好ましい。
具体的に積層ポリエステルフィルムの場合について説明すると、塗布は最終延伸処理を施す以前のポリエステル層Aの表面に行い、塗布後にはフィルムを少なくとも一軸方向に延伸するのが好ましい。この延伸の前ないし途中で皮膜は乾燥される。その中で、塗布は、未延伸積層フィルムまたは製膜方向または幅方向に延伸した一軸延伸フィルム、特に製膜方向に延伸された一軸延伸フィルムに行うのが好ましい。塗布方法としては特に限定されないが、例えば、ロールコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記塗液、特に水性塗液の固形分濃度は、0.2〜8重量%、さらに0.3〜6重量%、特に0.5〜4重量%であることが好ましい。そして、水性塗液には、本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分、例えば他の界面活性剤、安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤などを添加することができる。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの結晶化度は、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合は30〜50%、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの場合は28〜38%であることが望ましい。いずれも下限を下回ると、熱収縮率が大きくなるし、一方上限を上回るとフィルムの耐摩耗性が悪化し、ロールやガイドピン表面と摺動した場合に白粉が生じやすくなる。
さらに本発明によれば、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムをベースフイルムとする磁気記録媒体も提供される。本発明の磁気記録媒体を製造について、以下に説明する。
本発明の磁気記録媒体は、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの水接触角が70以上95度以下の表面とは異なる側の表面、積層ポリエステルフィルムの場合は、ポリエステル層Aの表面、好ましくは皮膜層Cの表面、すなわち平坦面側の表面に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法により、鉄、コバルト、クロムまたはこれらを主成分とする合金もしくは酸化物より成る強磁性金属薄膜層を形成し、またその表面に、目的や用途などの必要に応じてダイアモンド状カーボン(DLC)等の保護層やフッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に水接触角が70以上95度以下の表面に公知のバックコート層を設けることにより製造できる。得られた磁気記録媒体は、特に短波長領域の出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体として好適に用いることができる。この蒸着型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用Hi8、デジタル信号記録用デジタルビデオカセットレコーダ(DVC)、データ8ミリ、マンモス、AIT用テープ媒体として極めて有用である。
もちろん、本発明の磁気記録媒体は、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの水接触角が70以上95度以下の表面とは異なる側の表面、積層ポリエステルフィルムの場合は、ポリエステル層Aの表面、好ましくは皮膜層Cの表面、すなわち平坦面側表面に、鉄または鉄を主成分とする針状微細磁性粉を塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、更に層B側の表面に公知の方法でバックコート層を設けることでも製造できる。得られた磁気記録媒体は、特に短波長領域での出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁気記録媒体として好適に用いることができる。また、必要に応じて、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもできる。このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W−VHS、データ8ミリ、DDSIV、デジタルβカム、D2,D3,SX、LTO、DLT等用テープ媒体として極めて有用である。
本発明の磁気記録媒体は、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムをベースフィルムとして用いている。そのため、ベースフィルムは、150℃における製膜方向と幅方向との熱収縮率の比が0.9以上1.5以下で、かつフィルムの断面あたり15.3MPaの荷重を製膜方向に負荷した状態での150℃における製膜方向の伸縮挙動が3.3%以上4.5%以下を有する。ベースフィルムの水接触角が上記範囲を外れると、磁気記録媒体にするまでの工程でしわやブロッキングなどが発生して、効率よく生産されなかったり、それらの異常によって、得られる電磁変換特性などが損なわれる。また、150℃における製膜方向と幅方向との熱収縮率の比が上記範囲を外れると、磁気記録媒体にするまでの工程でしわやブロッキングなどが発生して、効率よく生産されなかったり、それらの異常によって、得られる電磁変換特性などが損なわれる。さらにまた、フィルムの断面あたり15.3MPaの荷重を製膜方向に負荷した状態での150℃における製膜方向の伸縮挙動が上記範囲を外れると、磁気記録媒体にするまでの工程でしわやブロッキングなどが発生して、効率よく生産されなかったり、それらの異常によって、得られる電磁変換特性などが損なわれる。なお、ベースフィルムの一方の表面の水接触角は、70度以上95度以下であることが好ましいが、磁性層を形成後はこの範囲にある必要がないことは容易に理解されるだろう。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明における各特性は、以下の方法によって測定または評価される。また、実施例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、「重量部」および「重量%」である。
(1)ポリエステルフィルム中の不活性粒子の平均粒径
試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC−1100型イオンエッチング装置)を用いてフィルム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。条件は、ベルジャー内に試料を設置し、約10-3Torrの真空状態まで真空度を上げ、電圧0.25kV、電流12.5mAにて約10分間イオンエッチングを実施する。更に同装置にて、フィルム表面に金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡にて5,000〜10,000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて各不活性粒粒子の等価球径分布を求める。得られら等価球形分布から、粒径が100nmを超える不活性粒子を抜き出し、その重量積算50%の点から、粒径100nmを超える不活性粒子の平均粒径を算出する。
(2)皮膜層中の不活性粒子の平均粒径
小突起を形成する平均粒径0.06μm未満の粒子は、光散乱法を用いて測定する。即ち、Nicomp Instruments Inc.社製のNICOMP MODEL 270 SUBMICRON PARTICLE SIZERにより求められる全粒子の50重量%の点にある粒子の「等価球直径」をもって表示する。
(3)層厚
フィルムの全厚はマイクロメーターにてランダムに10点測定し、その平均値を用いる。層厚は、薄い側の層厚を以下に述べる方法にて測定し、また厚い側の層厚は全厚より薄い側の層厚に引き算して求める。即ち、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ5000nmの範囲のフィルム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M/C)を粒子濃度とし、表面から深さ5000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面という界面の為に粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明の場合、粒子濃度は一旦安定値1になった後、上昇或いは減少して安定値2になる場合と、単調に減少する場合とがある。この分布曲線をもとに、前者の場合は(安定値1+安定値2)/2の粒子濃度を与える深さをもって、また後者の場合は粒子濃度が安定値1の1/2になる深さ(この深さは安定値1を与える深さよりも深い)をもって、当該層の層厚とする。
測定条件は以下の通りである。
(i)測定装置
二次イオン質量分析装置(SIMS):PERKIN ELMER社製 6300
(ii)測定条件一次イオン種:O
一次イオン加速電圧:12kV
一次イオン電流:200nA
ラスター領域:400μm□
分析領域:ゲート30%
測定真空度:6.0×10−9Torr
E−GUNN:0.5kV−3.0A
なお、表層から5000nmの範囲に最も多く含有する粒子がシリコーン樹脂以外の有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングしながらFT−IR(フーリエトランスフォーム赤外分光法)、粒子によってはXPS(X線高電子分光法)等で上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚を求める。
(4)中心面平均粗さ(WRa)
非接触式三次元表面粗さ計(WYKO社製:NT−2000)を用いて測定倍率25倍、測定面積246.6μm×187.5μm(=0.0462mm)の条件にて測定し、該粗さ計に内臓された表面解析ソフトにより中心面平均粗さWRaを以下の式より求める。
Figure 0004287229
ここで、上記式中のZjkは測定方法(246.6μm)、それと直行する方法(187.5μm)をそれぞれm分割、n分割したときの各方向のj番目、k番目の位置における2次元粗さチャート上の高さである。
(5)ヤング率
フィルムを試料巾10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件下で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
(6)固有粘度(cm/g)
硝酸カルシウムを溶媒とし、25℃で行った。
(7)熱収縮率
温度150℃に設定されたオーブン中に予め正確な長さを測定した長さ約30cm四方のフィルムを懸垂し、無荷重下に30分間保持処理した後取り出し室温に戻してからその寸法の変化を計測する。熱収縮率は下記式で定義される。
熱収縮率=(ΔL/L)X100(%)
ΔL=|L−L|
ここで、Lは熱処理前のフィルムの長さ、Lは熱処理後のフィルム同方向の長さである。また、熱収縮率は、フィルムの製膜方向(製膜方向)、横方向(製膜方向と直交方向)について、10枚の試料を採取し平均値を求める。
(8)荷重下の伸縮挙動
TMA(セイコーインスツルメント社製SS6000)を用い、50%RH下においてフィルム厚み6.4μm、サンプル幅4mm、チャック間20mmにて製膜方向(製膜方向)に15.3MPaの荷重をかけて、昇温速度10℃/分で昇温させる。このとき150℃におけるフィルムの伸縮量を測定する。
伸縮量=(ΔM/M)X100(%)
ΔM=|M−M|
ここで、Mは熱処理前のフィルムの長さ、Mは熱処理後のフィルム同方向の長さである。また伸縮率は、フィルムの製膜方向について10枚の試料を採取し平均値を求める。
テープ化後の伸縮率は、テープの磁性層およびバックコート層を取り除きベースフィルムの伸縮挙動について上記方法に基づき実施した。
(9)磁気テープの製造及び特性評価
積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの第一の層側の表面に、真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの厚みで形成する。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法によりダイヤモンド状カーボンを10nmの厚みで形成させ15000m巻き取った。この時の巻き取ったロールの表面欠点としてブツ状欠点としわについての有無を測定する。
ブツ状欠点
ブツ状欠点が0の時を○、1つの時を△、2つ以上の場合を×で評価した。
ブツ状欠点が1つでもある場合は、そこを起点に次工程での巻き出しで破断してしまうので好ましくない。
しわ
しわが0本の時を○、1本のときを△、2本以上のときを×で評価した。
巻き取ったロール表面にしわがある場合は、その部分は製品とならないために歩留まりを落としてしまうため好ましくない。
更に含フッ素カルボン酸系潤滑剤を順次設ける。続いて、コバルト−酸素薄膜を形成したのとは反対側の表面に、カーボンブラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を厚みが500nmとなるように設け、スリッターにより幅8mm及び6.35mmにスリットし、市販のリールに巻き取り、磁気テープを作成した。市販のHi8方式8mmビデオテープレコーダーを用いてビデオS/N比を、市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーを用いてドロップアウト(DO)個数を求める。
DO個数の測定は、作成した6.35mmテープを市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーで録画後、1分間の再生をして画面に現れたブロック状のモザイクの個数をカウントすることによって行う。
D/Oの評価は、3個/分未満を○、3個以上6個未満を△、6個以上を×として評価した。
C/Nは、市販のHi8用VTR(SONY株式会社製、EV−BS3000)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販のHi8用ビデオテープ(SONY株式会社製、蒸着型テープ E6−120HME4)と比較して、+3dB以上のフィルムを優、+1〜+3dBのフィルムを良、+1dB未満を不良として、評価した。
高温恒湿下の走行耐久性は40℃、80%RHで記録再生を700回繰り返した後のC/Nを測定し、初期値からのずれで判定する。
○:初期値に対して+0.0dB以上
△:初期値に対して−1.0dB以上〜+0.0dB未満
×:初期値に対して−1.0dB未満
[実施例1]
ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール70部の混合物に、エステル交換触媒として酢酸マンガン・4水塩0.025部を添加し、内温を150℃から徐々に上げながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応が95%となった時点で、安定剤として亜リン酸を0.01部添加し、充分撹拌した後、エチレングリコール2.5部中で無水トリメリット酸0.8部とテトラブチルチタネート0.65部を反応せしめた液(チタン含有率は11重量%)0.014部を添加して充分撹拌した後、次いで反応生成物を重合反応器に移し、高温真空下(最終内温295℃)にて重縮合を行い、固有粘度0.60のポリエステルA用のポリエチレンテレフタレート(樹脂A1)を得た。
さらに、上記と同様の方法で、エステル交換反応を行い、エステル交換反応が95%となった時点で、安定剤として亜リン酸を0.01部添加し、充分撹拌した後、三酸化アンチモンを0.03部添加した。系内に混入した水を充分留出させた後、滑剤(不活性粒子B)として、平均粒径300nmのシリコーン粒子および平均粒径40nmのθ型アルミナを、樹脂中にそれぞれ0.05%および0.2%添加して充分撹拌した後、次いで反応生成物を重合反応器に移し、高温真空下(最終内温295℃)にて重縮合を行い、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを得た。この際、本ポリマー中のアンチモン残存量は250ppmであった。
得られたポリエチレンテレフタレート99.7%に、炭素数が8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールからなる(部分ケン化)エステルワックスとしてソルビタントリステアレート(融点55℃)の粉末0.2%をまぶし、ベント付き二軸ルーダーにて練り込み、固有粘度0.69のポリエステル層B用のポリエチレンテレフタレート(樹脂B1)を得た。
得られた樹脂A1、樹脂B1を、それぞれ170℃で3時間乾燥後、2台の押し出し機に供給し、溶融温度280〜300℃にて溶融し、平均目開き11μmの鋼線フィルターで高精度ろ過したのち、マルチマニホールド型共押出しダイを用いて、樹脂A1からなるポリエステル層Aの片面に樹脂B1からなるポリエステル層Bを積層させ、急冷して厚さ93μmの未延伸積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた未延伸フィルムを予熱し、さらに低速・高速のロール間でフィルム温度100℃にて製膜方向に3.4倍に延伸し、急冷して製膜方向に延伸した一軸延伸フィルムを得た。次いで一軸延伸フィルムのA層側に下記に示す組成(固形分換算)の水性塗液(全固形分濃度1.0%)をキスコート法により塗布した。
<塗液の固形分組成>
バインダー:アクリル変性ポリエステル(高松油脂株式会社製、IN−170−6) 60%
不活性粒子C:アクリルフィラー(平均粒径30nm、体積形状係数0.40、日本触媒株式会社製、エポスター) 7%
界面活性剤X:(日本油脂株式会社製、ノニオンNS−208.5) 3%
界面活性剤Y:(日本油脂株式会社製、ノニオンNS−240) 30%
C層厚み(乾燥後):8nm
続いてステンターに供給し、110℃にて幅方向に4.3倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを、3ゾーンある熱固定ゾーンでそれぞれ200℃、230℃、180℃の熱風で4秒間熱固定し第3ゾーンで幅方向に1.5%弛緩処理を実施した。さらに冷却ゾーンの温度を100℃として、全厚み6.4μmで、ポリエステル層Bの厚み1.3μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル層A、Bの厚みについては、2台の押し出し機の吐出量により調整した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例2]
ポリエステル層B用のポリエチレンテレフタレートとして、添加するエステルワックスをソルビタントリステアレート(融点55℃)の粉末0.08%に変更した以外は樹脂B1と同様な操作を繰り返して樹脂B2を得た。そして、樹脂B1の代わりに樹脂B2を用いた以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例3]
製膜方向の延伸条件をフィルム温度95℃での延伸倍率3.5倍に変更し、幅方向の延伸条件を延伸温度110℃での延伸倍率4.3倍に変更し、その後の熱処理条件を熱風での4秒間熱固定とし、3ゾーンある熱固定ゾーンの温度をそれぞれ200℃、220℃、180℃とし、かつ第3ゾーンで幅方向に2.0%弛緩処理とした以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例4]
製膜方向の延伸条件をフィルム温度95℃での延伸倍率3.4倍に変更し、幅方向の延伸条件を延伸温度110℃での延伸倍率4.3倍に変更し、その後の熱処理条件を熱風での4秒間熱固定とし、3ゾーンある熱固定ゾーンの温度をそれぞれ200℃、215℃、180℃とし、かつ第3ゾーンで幅方向に2.5%弛緩処理とした以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例5]
滑剤(不活性粒子B)を平均粒径500nmのシリコーン粒子および平均粒径40nmのθ型アルミナとし、それぞれの樹脂中における添加量を0.06%および0.2%に変更した以外は樹脂B1と同様な操作を繰り返してポリエチレンテレフタレート(樹脂B3)を製造した。そして、樹脂B1の代わりに樹脂B3を用いた以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例6]
ポリエステル層A用の樹脂として、ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール70部の混合物に、エステル交換触媒として酢酸マンガン・4水塩0.025部を添加し、内温を150℃から徐々に上げながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応が95%となった時点で、安定剤として亜リン酸を0.01部添加し、充分撹拌した後、エチレングリコール2.5部中で無水トリメリット酸0.8部とテトラブチルチタネート0.65部を反応せしめた液(チタン含有率は11重量%)0.014部を添加して充分撹拌した後、不活性粒子Aとして、平均粒径60nmの真球状シリカを0.03wt%添加した。次いで反応生成物を重合反応器に移し、高温真空下(最終内温295℃)にて重縮合を行い、固有粘度0.60のポリエステルA用のポリエチレンテレフタレート(樹脂A2)を得た。そして、樹脂A1の代わりに樹脂A2を用いた以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例7]
ポリエステル層Aの樹脂として樹脂A2、ポリエステル層Bの樹脂として樹脂B3を用いた以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[比較例1]
エステルワックスとしてソルビタントリステアレート(融点55℃)の粉末0.0009%をまぶした以外は樹脂B1と同様な操作を繰り返して、樹脂B4を得た。そして、樹脂B1の代わりに樹脂B4を用いた以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[比較例2]
熱固定第3ゾーンで幅方向の弛緩処理を実施しない以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[比較例3]
製膜方向の延伸条件をフィルム温度95℃での延伸倍率3.7倍に変更し、幅方向の延伸条件を延伸温度110℃での延伸倍率4.3倍とし、その後の熱処理条件を熱風での4秒間熱固定とし、3ゾーンある熱固定ゾーンの温度をそれぞれ200℃、220℃、180℃とし、かつ第3ゾーンで幅方向に6.0%弛緩処理とした以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
[比較例4]
エステルワックスとしてソルビタントリステアレート(融点55℃)の粉末1.2%をまぶした以外は樹脂B1と同様な操作を繰り返して、樹脂B5を得た。そして、樹脂B1の代わりに樹脂B5を用いた以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性、およびそれに強磁性薄膜およびダイヤモンド状カーボンを付与して得られたロールの表面欠点およびそれを用いた強磁性薄膜蒸着型磁気テープの特性を表1に示す。
Figure 0004287229
表1中のMDは製膜方向、TDは幅方向、STSはソルビタントリステアレートを意味し、磁気テープの荷重化伸縮および熱収縮率は、磁気テープを構成するベースフィルムの特性である。
表1から明らかなように、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、濡れ指数と、熱収縮率の比および製膜方向の伸縮挙動が一定の範囲にあるものは、DLC(ダイヤモンド状カーボン)層付与後の巻取りロールに欠点がなく、生産性の高いロールを提供することができる。一方、本発明の要件を満たさないものは、これらの特性を同時に満足できない。

Claims (6)

  1. 一方の表面の水接触角が70度以上95度以下であること、150℃における製膜方向とそれに直行する方向(幅方向)との熱収縮率の比が1.0以上1.2以下であること、製膜方向のヤング率が4.8GPa以上5.3GPa以下で、幅方向のヤング率が5.8GPa以上6.6GPa以下で、製膜方向のヤング率と幅方向のヤング率との比が0.72〜0.92の範囲であることおよび製膜方向にフィルムの断面あたり15.3MPaの荷重を負荷した状態での150℃における製膜方向の伸縮挙動が3.0%以上4.0%以下であることを同時に具備することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 水接触角が70度以上95度以下である表面は、平均粒径100〜2000nmの不活性粒子Bおよび炭素数が8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールからなるエステルワックスを含有するポリエステル層(層B)からなり、層Bは、層Bの重量を基準として、不活性粒子Bを0.001〜5重量%およびエステルワックスを0.001〜重量%含有する請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 水接触角が70度以上95度以下である表面とは異なる側の表面は、ポリエステル層(層A)からなり、層Aは実質的に不活性粒子を含有しないか、平均粒径30〜200nmの不活性球状粒子Aを、層Aの重量を基準として、0.001〜0.2重量%含有する請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 少なくとも一方の表面の中心平均粗さ(WRa)が0.5〜2.5nmである請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 水接触角が70度以上95度以下の表面の中心平均粗さ(WRaB)が2.0〜20nmで、他方の表面の中心平均粗さ(WRaA)が0.5〜2.5nmである請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 蒸着型磁気記録媒体の支持体として使用される請求項1〜のいずれか1項に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
JP2003336935A 2003-09-29 2003-09-29 二軸配向ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP4287229B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003336935A JP4287229B2 (ja) 2003-09-29 2003-09-29 二軸配向ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003336935A JP4287229B2 (ja) 2003-09-29 2003-09-29 二軸配向ポリエステルフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005103787A JP2005103787A (ja) 2005-04-21
JP4287229B2 true JP4287229B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=34532903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003336935A Expired - Fee Related JP4287229B2 (ja) 2003-09-29 2003-09-29 二軸配向ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4287229B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264683A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Teijin Ltd 支持体
JP6049337B2 (ja) * 2012-07-23 2016-12-21 帝人フィルムソリューション株式会社 二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP6072623B2 (ja) * 2013-06-19 2017-02-01 帝人フィルムソリューション株式会社 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005103787A (ja) 2005-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005199724A (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP3686407B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
KR100626129B1 (ko) 자기기록매체 및 그것을 위한 베이스 필름
JP3920033B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4505276B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルム
US7048994B2 (en) Laminated polyester film and magnetic recording medium
JP4287229B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP4266528B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4243143B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP2001001460A (ja) 積層熱可塑性樹脂フィルム
JP4104420B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4014392B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4832235B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP4391255B2 (ja) 磁気記録媒体用フィルムロールならびに磁気記録媒体およびその製造方法
JP4243142B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP3797903B2 (ja) 2軸配向ポリエステルフィルムの製造方法および磁気記録媒体の製造方法
JP4097503B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2006318524A (ja) ポリエステルフィルムロールならびに磁気記録媒体およびその製造方法
JP2003103739A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP3942410B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP4391256B2 (ja) ポリエステルフィルムロールならびに磁気記録媒体およびその製造方法
JP2002248722A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2004195825A (ja) 積層ポリエステルフィルム、フィルムロールおよび磁気記録媒体
JP3933360B2 (ja) 積層熱可塑性樹脂フィルム
JP3856630B2 (ja) 積層熱可塑性樹脂フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090326

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees