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JP4288490B2 - 走査光ビームスポット測定方法 - Google Patents
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JP4288490B2 - 走査光ビームスポット測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、走査光ビームスポット測定方法に関し、特に、光走査装置において主走査方向あるいは光ビーム入射方向の光ビームスポットの形状等を連続的に測定・表示が可能な測定方法に関するものである。
走査光ビームスポットの形状等の測定に関して従来公知のものとして次のようなものがあげられる。
(1)市販のスポットサイズ/ビームプロファイル測定装置(メレスグリオ社ビームアライザー、フォトン社ビームスキャン)
米国メレスグリオ社の「ビームアライザー」は、回転ドラム上にナイフエッジを設けてあり、入射するビーム(光ビーム)をナイフエッジが横切る際の光量変化を基に、ビーム断面プロファイル及びスポットサイズを計測している。また、米国フォトン社の「ビームスキャン」では、同じく回転ドラム上に幅の狭いスリットが設けてあり、同様に結像状態の計測を行う。
しかし、これらは静止したビームしか測定できないという問題がある。また、静止状態と走査状態でスポット形状に差異がある場合には、不正確になる。例えば、動圧軸受のモーターを光偏向器(光走査装置)に用いる場合、静止時と回転時で軸の姿勢が微妙に異なる。また、センサーの受光部にビームを正確に位置決めする機構と位置決め動作を行うための時間が必要となる。
(2)特許文献1
ビームのねじれが発生しやすい正面入射走査光学系(多面鏡に対して副走査方向に直角とは異なる角度で入射する光学系)の例である。
(3)特許文献2
縦(副走査方向)スリットと走査線と平行に近い斜めスリットとで、主走査方向と副走査方向のスポットサイズを測定するものである。
(4)特許文献3
縦スリットと斜めスリット2本の計3つのスリットから、長径、短径、傾斜角を算出するものである。スポット形状は楕円が前提となっている。
(5)特許文献4
副走査方向に向いたスリット(縦スリット)と、斜めのスリット2つの計3つのスリットをスポットが走査することにより、ビームの主走査/副走査方向の大きさと、楕円スポットの向きを同時に計算する。縦スリットを2本置くことにより、走査速度を計算してスポットサイズの計算に用いる。線状のスリットではなく、縦のエッジと斜めのエッジをもったスリットを2つ組み合わせる実施例もある。また、反射型のパターンからの反射光を検出する方法の開示もある。
(6)特許文献5
副走査方向に向いたスリットにより主走査方向のスポットサイズを測定する。また、走査速度を検出する。主走査方向に対して僅かに傾いたスリットを2組用いて副走査方向のスポットサイズを測定する。スリット方向はビームの走査方向に合わせる。あるいは、正負2つの向きの斜めスリットを設け、ビームの走査方向とスリットのなす角の誤差の影響を取り除く。楕円スポットの傾きは考慮しない。
(7)特許文献6
1次元のリニアアレイCCDセンサーを用いて走査線のピッチムラを測定するものである。
(8)特許文献7
三角スリットを用いて走査線位置の上下変動を測定するものである。
上記とは別に、パワーメーターによる光量測定をすることが広く行われれいるが、上記(1)と同様に、センサーの受光部にビームを位置決めする機構が必要で、かつ、測定時間がかかる。
特開昭53−31147号公報 特開昭64−13514号公報 特公平6−70583号公報 特許第2876650号公報 特許第3050996号公報 特開平6−118329号公報 特開2000−292308号公報
電子写真においては、階調記録を行うためには網点の大きさかラインの太さで濃度の変化を表わしている。網点の配置は斜め方向に規則性を持つものである。ラインで表現する場合も、主走査/副走査何れの方向共平行ではない斜めのラインである。そして、多色印字を行う場合、色毎に網点やラインの角度を異ならせる場合が多い。
その際、略楕円状の結像スポット(ビームスポット)が斜めに傾いていると、その傾斜角度が網点やラインの角度に近いと濃度が濃くなり、異なる方向に向くと濃度が薄くなる傾向にある。結像スポットの角度が主走査方向の場所によって異なると、その角度の変化に応じて濃度あるいは色合いが変化してしまう。さらに、2色を重ね合わせた中間調画像の場合、2色のスクリーンの方向(網点の配置の方向、ラインの方向)が異なると、スポットの長軸方向の傾きに応じて、一方の色は濃くなり、他方の色は薄くなるということが起こる。そして、スポットの長軸方向の傾きが主走査方向の場所によって異なると、中間調の画像が場所によって色合いが異なることになる。人間の目は、単色の濃度変化より、色合い(色調/色相)の変化により敏感なので、このようなスポットの長軸の傾斜角度を主走査の方向において連続的に評価する必要がある。
以上のような従来技術においては、このスポットの傾斜角度等を特定の像高位置(主走査方向の特定に位置)で測定することは可能でも、連続的に評価することはできない。従来技術においては、測定ポイントを増やしていけばよいが、測定に時間がかかることになる。また、定量的に測定データが得られても数字の羅列のため、直感的に画面内の問題を認識にし難い。さらに、多数の測定項目を1度に測定することができない。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光走査装置のビームスポット形状等の結像状態を連続的に計測することができる方法を提供することである。
上記目的を達成する本発明の走査光ビームスポット測定方法は、被走査面上を主走査方向に繰り返し移動する光走査装置からの走査光ビームによるビームスポットの特性を連続的に測定する走査光ビームスポット測定方法であって、
開口幅がビームスポットの主走査方向の寸法より小さく、主走査方向に対して略90°なして配置されたスリットと、主走査方向の開口幅がビームスポットの主走査方向の寸法より小さく、主走査方向に対して相互に異なる角度で傾斜している複数のスリットと、開口幅がビームスポットの主走査方向の寸法より大きく、主走査方向に対して略90°なして配置されたスリットとを主走査方向に並列させて一体に配置し、前記複数のスリットを主走査方向に走査光ビームの移動速度に比較して遅い速度で移動させ、前記複数のスリットの移動中に前記複数のスリットを通過する光量のピーク値を主走査位置に応じて連続的に取得し、それらのピーク値を主走査位置に応じて重畳表示することにより、主走査方向における結像状態の連続的な測定、主走査方向に対して相互に異なる角度で傾斜している方向における結像状態の連続的な測定、及び、主走査方向における光量分布の連続的な測定を同時に行うことを特徴とする方法である。
以上において、前記ピーク値の重畳表示は、前記光走査装置から出力される水平同期信号を基準として行うことが望ましい。
また、主走査方向に移動する光走査装置からの走査光ビームの移動速度が、前記光走査装置の使用時の移動速度より低い速度で測定に用いられることが望ましい。
本発明の走査光ビームスポット測定方法によると、走査中のビームスポットの形状を走査範囲内で連続的に評価することができる。そのビームスポットの形状の評価は、実際の階調表現のスクリーンの特性に即した評価が可能である。また、所定の走査幅全域で連続的に評価することが可能である。数値による定量的評価と同時に、目視による視覚的な即時の評価が可能である。また、光走査装置の特性を1つの方法・装置で全て計測することも可能である。
以下に、本発明の走査光ビームスポット測定方法及び測定装置を原理と実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の走査光ビームスポット測定装置の1実施例の構成を示す模式図である。図1において、光走査装置100は、例示として、光源101、レンズ102、ポリゴンミラー103、走査光学系104で構成されており、光源101からの光はレンズ102により平行光ビームに変換され(面倒れ補正を行う場合は、ポリゴンミラー103の回転軸に直交する方向には平行光になり、その回転軸に平行な方向にはポリゴンミラー103の偏光反射面105近傍に集光するように変換され)、その光ビームはポリゴンミラー103の偏向反射面105に入射し、その偏向反射面105の反射偏向された光ビームは走査光学系104を経て図の矢印方向へ偏向される走査光ビームBに変換され、被走査面に入射して集束する。偏向反射面105はポリゴンミラー103の回転軸の周りで回転するので、その走査光ビームBは偏向反射面105の回転速度の2倍の回転速度で回転して被走査面上に走査線aを描く。ポリゴンミラー103の回転に伴って光源101からの入射光ビームの入射位置に隣接する偏向反射面105が順次入っては出るので、ポリゴンミラー103の回転に伴って走査光ビームBは被走査面上の同じ位置に走査線aを一端から他端へ繰り返し描く。
一方、本発明により測定装置として、光走査装置100の被走査面に沿って配置された電動ステージ10と、その電動ステージ10上に取り付けられ、走査線aに沿った主走査方向へ一定速度で移動する移動台13とを備えており、その移動台13上に、走査光ビームB入射側にスリット板11がその背後に光センサー12が相互に一体に取り付けられていて、移動台13の移動に伴って走査線aに沿った主走査方向へ移動するようになっている。また、走査光ビームBの偏向方向の上流端には反射鏡14が配置され、その反射鏡14で反射された光は水平同期検出器(光センサー)15に入射するようになっている。
そして、水平同期検出器15からの信号は水平同期信号としてオシロスコープ16に入力され、光センサー12からの信号がオシロスコープ16の信号として入力されるように接続されている。
このような配置において、水平同期検出器15からの同期信号で光センサー12からの信号波形をトリガーとして重ね書きして表示する。
この測定の原理を以下に説明する。図2(a)に、スリット板11に設けれたスリット1aとスリット板11上に結像されるビームスポットSとの関係を示す。走査線aの方向(主走査方向)をx軸とする。この場合、スリット1aはx軸に直交する方向の幅の狭いスリットである。スリット板11の移動速度が走査光ビームBの移動速度に比べて十分遅い場合、固定されたスリット1a上をビームスポットSがx方向へ移動する場合の光強度信号がスリット板11の背後に配置した光センサー12から得られる。その光量波形を図2(b)に示す。横軸tは時間を表す。ここで、スリット1aのスリット幅はビームスポットSの寸法より小さいものを用いる。この光量波形は、ビームスポットSの光量プロファイルと略相似形になり、ビームスポットSのパワーが同じ場合、スポットサイズが小さい場合、すなわち結像状態が良好であると、図2(c)の波形Aのように、その波形の幅は狭くピークの高さは高くなる。スポットサイズが大きい場合、すなわち結像状態があまり良くないと、図2(c)の波形Bのように、その波形の幅は広くピークの高さは低くなる。
図3に、走査光ビームBが1回偏向される場合の水平同期検出器15からの水平同期信号Hsyncを基準として光センサー12からの信号の出力波形を示す。水平同期信号Hsync位置からスリット1aのx方向位置に依存する時間だけ遅れて、光センサー12からの出力波形が得られる。スリット板11は走査光ビームBの移動速度に比べて十分遅い速度で移動されるので、光走査装置100が周期的に繰り返し走査光ビームBを偏向すると、光センサー12からの出力波形は水平同期信号Hsync位置から偏向回数毎に遅れた(離れた)位置に出力される。そこで、オシロスコープ16の画面に水平同期信号Hsyncをトリガーとして繰り返し偏向されたときの出力波形のピーク値を重ね書きすると、図4に示すようなグラフが得られる。ピーク値をつないだ曲線は主走査方向のピーク値の変化を示している。このように、スリット1aを主走査方向に十分遅い速度で移動させながら出力波形のピーク値を走査光ビームBの偏向毎に連続的に取得することで、走査範囲内での走査光ビームBの結像状態の変化を連続的に測定することが可能となる。そして、図4のように、光走査装置100の水平同期信号Hsyncを基準にそのピーク値を重ね合わせることで、主走査方向における結像状態の変化を視覚的に把握することができるようになる。
ここで、例えば図5に示すように、ピーク値を重ね合わせた曲線中に局所的な変動Cが検出されることがある。このような変動は、光学系中の微小なキズ、レンズ内の欠陥、面精度不良、ゴミ、ケラレ等による。後記(図11〜図12)するように、ゴミ、ケラレによる変動は、太いスリットを用いた測定でも検出されるが、光学系中の微小なキズ、レンズ内の欠陥、面精度不良はこの方法によってのみ検出可能である。なお、従来の特定の像高位置でサンプリング的に測定する方法では、このような局所的な変動を検出することは困難であり、本発明の方法はこの点でも優れたものである。
もちろん、この場合に、従来技術と同様に、スリット1aの通過光量の波形(図2)の一定強度の幅を測定することで、ビームスポットSの主走査方向のスポットサイズを測定することも可能である。
以上は、スリット1aの方向が副走査方向(x軸に直交する方向)を向いていて、主走査方向のスポットサイズ等を連続的に測定評価しているが、スリット1aの方向を主走査方向に対して所定の斜めの角度傾いたものとすることにより、ビームスポットSの主走査方向に対して斜め方向のスポットサイズあるいは傾き角度等を連続的に測定評価することもできる。
なお、スリット1aと光センサー12からなる検出系の応答特性が不足する場合は、光走査装置100の走査光ビームBの走査(移動)速度を実際の使用時より小さくすることで、検出が可能となる。
次に、主走査方向に対して互いに相反する方向に向いた2つのスリットの出力を同時に取得することで、スポットの斜め方向の特性をより詳細に評価できる装置と方法を説明する。すなわち、図1の配置において、スリット板11に設けるスリットが、図6に示すように、例えば、x軸に対して+45°(右回り)の幅の狭いスリット1Xと−45°(左回り)の幅の狭いスリット1Yが主走査方向(x軸方向)に並列されてなるスリット板11を用いるものとする。ここで、スリット1X、1Yの主走査方向のスリット幅はビームスポットSの主走査方向の寸法より小さいものを用いる。このようなスリット板11を用いて走査光ビームBの移動速度に比べて十分遅い速度で主走査方向へ移動させるものとする。
光走査装置100により偏向される走査光ビームBの走査線a(x軸)に沿うビームスポットSの形状が、図7(a)に示すように、走査範囲の左から右へ、楕円の長軸の傾きが図の左上向き方向から右上向き方向へ連続的に変化するような場合、スリット1Xを経て検出される出力波形は図7(b)に示すようになり、スリット1Yを経て検出される出力波形は図7(c)に示すようになる。スリット1Xを経て検出される出力波形は、走査範囲の左から右へ行く程、波形の幅は狭くなり、ピークの高さは高くなる。それとは反対に、スリット1Yを経て検出される出力波形は、走査範囲の左から右へ行く程、波形の幅は広くなり、ピークの高さは低くなる。
したがって、図6に示すようなスリット板11を用いて、図4の場合と同様に、このような光走査装置100による走査光ビームBを周期的に繰り返し偏向させ、スリット板11の背後に配置された光センサー12からの出力波形を水平同期信号Hsyncでトリガーとしてそのピーク値を重ね書きすると、図8(b)に模式的に示すようなグラフが得られる(図8(a)は図7(a)の走査線a(x軸)に沿うビームスポットSの形状を示す図である。)。図8(b)では、スリット1Xを経て検出される出力波形とスリット1Yを経て検出される出力波形を時間軸tに沿って同じ位置に描かれているが、実際はスリット1Xとスリット1Yの位置ずれに対応する時間差がある(図10参照)。
図8(b)のようなオシロスコープ16の画面上の表示において、スリット1Xを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線Xと、スリット1Yを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線Yとは容易に区別でき、かつ、それぞれがx軸方向の位置によって相互に反対に変動していることから、主走査方向においてビームスポットSの傾きが位置に応じて連続的に変化していることが視覚的に把握することができるようになる。この場合は、画面上で濃度変化や色合い(色調/色相)の変化が問題になる。
一方、図9は、走査線a(x軸)に沿うビームスポットSの形状が同じ方向に傾いていて走査範囲でほとんど変化しない場合(図9(a)の図8と同様の図である。この場合は、図9(b)のように、スリット1Xを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線Xとスリット1Yを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線Yとは異なるが、それぞれx軸方向の位置によってほとんど変動しない。このことから、主走査方向においてビームスポットSの傾きは位置に応じて変化しないことが視覚的に把握することができる。この例のように、ビームスポットSの傾きが走査範囲内で均一であれば、電子写真のプロセス条件(バイアス電圧や露光エネルギー)を変えることで補正可能なので、画質上は問題にならない。
なお、図8と図9の比較から、スリット1X、1Yを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線の絶対値より、その変動が画質上問題になることが分かる。
ところで、スリット1Xとスリット1Yを主走査方向(x軸方向)に並列してなるスリット板11を用いる場合に、スリット板11と光センサー12からなる検出系を連続的に走査線aに沿って一定速度で移動させたときに光センサー12から得られる検出信号は、実際は、水平同期検出器15からの水平同期信号Hsyncに対して図10に示すような出力波形となる。各偏向毎にそのときのスリット1Xとスリット1Yのx軸方向の位置に応じて、その偏向回数時における水平同期信号Hsyncからそれぞれ時間遅れTXn、TXn(nは偏向回数に対応する。)を伴って出力が得られるが、この検出信号のそれぞれのピーク値を水平同期信号Hsyncをトリガーとして重ね書きすることにより、図8(b)、図9(b)に模式的に示すようなグラフが得られる。
なお、上記の図6〜図10に例示したように、像高に応じた走査光ビームBの捩じれを評価する走査光ビームスポットの測定方法は、特に、回転するポリゴンミラー等の光偏向器の偏向反射面に対して副走査方向に傾いて光ビームを入射させる光走査装置(特許文献1)や、偏向器によって偏向された光ビームを被走査面上に集光する走査光学系の少なくとも1つの光学面(レンズ面、反射面)が偏心して配置されているか又は副走査方向に傾いて配置されている光走査装置や、偏向反射面に2度入射する光走査装置の評価に有効なものである。
ところで、図2の場合は、スリット板11に設けるスリット1aはビームスポットSの寸法より小さいスリット幅のものであったが、図11(a)に示すように、スリット板11に設けるスリット1bとしてビームスポットSの主走査方向の寸法より大きなものを用いると、ビームスポットSの持つパワーを検出することができる。すなわち、図11(a)に、このスリット1bとスリット板11に結像されるビームスポットSとの関係を示すが、この場合は、上記のようにスリット1bはx軸に直交する方向の幅がビームスポットSの寸法より広いスリットであり、スリット板11の移動速度は走査光ビームBの移動速度に比べて十分遅く設定される。スリット1b上をビームスポットSがx方向へ移動する場合のスリット板11の背後に配置された光センサー12から得られる光量波形は、図11(b)に示す通りであり、そのピーク値Pは、走査光ビームBの結像状態によらずその走査光ビームBのパワーに比例した値を示す。
したがって、図4の場合と同様に、スリット板11は走査光ビームBの移動速度に比べて十分遅い速度で移動されるので、光走査装置100が周期的に繰り返し走査光ビームBを偏向すると、光センサー12からの出力波形は水平同期信号Hsync位置から偏向回数毎に遅れた(離れた)位置に出力される。そこで、オシロスコープ16の画面に水平同期信号Hsyncをトリガーとして繰り返し偏向されたときの出力波形のピーク値を重ね書きすると、図12に示すようなグラフが得られる。このグラフのピーク値をつないだ曲線は走査範囲内での走査光ビームBのパワーの変動を示すことになる。したがって、図12のように、光走査装置100の水平同期信号Hsyncを基準にそのピーク値を重ね合わせることで、主走査方向における走査範囲内での走査光ビームBの光量変動を視覚的に把握することができるようになる。これは、あたかも走査幅全長にわたる長さの光センサー(1次元光センサー)で光量分布を測定するのと同様の効果が得られるものである。
なお、図12の方法により検出される曲線の主走査方向の局所的な変動は、光学系中のゴミ、ケラレ等に起因するものであり、図5のような局所的な変動Cの検出と併用することで、それぞれの局所的な変動がいかなる原因で起きているか容易に推定できるようになる。
また、一般に走査光学系では、端部の光量は中央部に比べて低下する(シェーデイング)特性を有するが、その低下の度合いが、設計的に妥当なものであるか、ミラー等のコーティングの不具合によって異常に低下しているかも、図12の方法により容易に判別可能である。
さて、以上は、図1に示すように、スリット板11とその背後の光センサー12とを一体に取り付けた移動台13を被走査面上の走査線aに沿って移動させるものであったが、光走査装置100の光軸方向にスリット板11を移動させることで、走査光ビームBのビームウエスト位置を測定評価することもできる。その実施例を説明する。
図13はそのビームウエスト位置を測定する場合の装置の構成を示す模式図であり、光走査装置100は図1の場合と同様であり、また、水平同期信号を出力する構成も図1の場合と同様である。
この実施例においては、電動ステージ10の配置方向が光走査装置100光軸方向であり、その光軸は、走査光ビームBが走査線aの中心に入射するときの走査光ビームBの中心軸と一致している。この方向をz軸とする。その電動ステージ10上には、光軸方向に移動する移動台13が取り付けられ、その移動台13上に、走査光ビームB入射側にスリット板11がその背後に光センサー12が相互に一体に取り付けられていて、移動台13の移動に伴ってz軸に沿った光軸方向へ移動するようになっている。
そして、水平同期検出器15からの信号は水平同期信号としてオシロスコープ16に入力され、光センサー12からの信号はオシロスコープ16の信号として入力され、さらに、電動ステージ10から移動台13上のスリット板11の光軸上の位置信号がz座標信号として入力されるように接続されている。
このような配置において、水平同期検出器15からの同期信号をトリガーとして、時間軸tとz軸座標位置と関連付けて、光センサー12からの信号波形を図14に模式的に示したように重ね書きして3次元的に表示される。ただし、図14には、破線で副走査方向の波形も重ね書きしてあるが、図13のように、スリット板11に設けられたスリット1aがx軸に直交する方向(副走査方向)を向いているスリットの場合は、実線で描かれている主走査方向の波形のみが表示される。
図14のピーク値をつないだ曲線は光軸(z軸)方向のピーク値の変化を示しており、その曲線の最も高い位置(光量が最も大きな位置)が走査光ビームBの光軸上でのビームウエスト位置を表していることになる。
スリット板11に設けるスリットとして、副走査方向に向いているスリット1aと、走査線aと平行に近い斜めのスリットとを主走査方向に並列して近接配置することで、図14に破線で示した副走査方向のビームウエスト位置を示す曲線も同時に表示可能になり、光軸近傍の走査光ビームBの主走査方向と副走査方向のビームウエスト位置を同時に測定評価することができるようになる。
なお、特に、副走査方向のビームウエスト位置を測定する際に、走査範囲中央以外では、被走査面に対して走査光ビームBが垂直ではない角度で入射することになるので、その位置で光軸に沿った方向に走査線aと平行に近い斜めのスリットを移動させると、出力波形の位置が主走査方向に異なることになる。精密な測定を行う場合には、それを補正するように、そのスリットを主走査方向にも移動させる必要がある。
逆に、上記のように主走査方向に波形位置がずれることを利用して、水平同期同期信号で波形をトリガーして重ね書きすると、視覚的にビームウエスト位置を確認することが容易にできるようになる。
なお、図13は、光走査装置100の光軸方向に出る走査光ビームBのビームウエスト位置を測定評価する場合であったが、光軸以外の特定の像高位置に入射する走査光ビームBのビームウエスト位置を測定評価するには、図15に示したように、その特定の像高位置に入射する走査光ビームBの軸方向に沿って移動台13が移動できるように電動ステージ10を配置し、その方向各位置における光センサー12からの信号波形を重ね書きして3次元的に表示することにより、その像高位置に対するビームウエスト位置を測定評価することができる。
ただし、電動ステージ10の移動方向を図13のように光軸方向に固定したままで、像高の各位置で測定を行っても実際上はほとんど問題はなく、測定作業が簡単になるメリットがある。
ところで、スリット板11としては、図16に示すように、スリット幅がビームスポットSの主走査方向の寸法より小さく副走査方向に向くスリット1aと、x軸に対して+45°の同じく幅の小さいスリット1Xと、−45°の同じく幅の小さいスリット1Yと、ビームスポットSの主走査方向の寸法より大きい副走査方向に向くスリット1bとをx軸方向に並列されてなるスリット板11を用いて、これら複数スリットを同時に主走査方向に移動させることで、図5、図8(b)、図12のような曲線を同時に得るようにすることもできる。このように、複数のスリットを一体に同時に用いても、水平同期信号Hsyncで同期を取ることにより、正しい像高での対応するデータが得られ、スリット板11と光センサー12からなる検出系の移動速度によらず常に正しい像高のデータが得られる。
また、スリット板11にビームスポットSの寸法より小さいスリット幅のスリット1aを1個のみ設けて構成し、そのスリット板11を移動台13上で光センサー12に対して回転調整可能に配置して、主走査方向及び副走査方向のビームスポットSの特性を検出するスリットとして兼用させるようにすることもできる。
なお、図6〜図10に例示したように、像高に応じた走査光ビームBの捩じれを評価する走査光ビームスポットの測定方法において、図6の示されるように2つのスリット1Xと1Yが一体に設けられたスリット板11を用いるのではなく、1つのスリットをまずx軸に対して+45°方向に傾けて測定し、次に−45°方向に傾けて2回目の測定を行い、その2回の測定の表示を重ね合わせることでも、同様の作用効果が得られる。
なお、スリット1a、1b、1X、1Yとしては、ガラス板上に反射防止コーティングを施し、その上のスリット部以外に遮光層を形成することにより、微細で精度が良いガラススリットが比較的容易に製作できる。あるいは、スリット部を孔としたエアスリットとして構成することもできる。さらに、ナイフエッジによりエアスリットを構成することもできる。
ここで、ガラススリットとエアスリットの製法の詳細を説明すると、ガラススリットは、ガラス上に形成された金属薄膜による遮光層をフォトエッチングで部分的に除去する方法や、レーザービームで直接加熱除去する方法が好適である。また、エアスリットとしては、薄い金属板を上記と同様にフォトエッチングやレーザービームで加工することで、微細なスリットが形成できる。また、精密放電加工によっても精度の良いスリットが形成できる。
また、図6に示したような2本の斜めのスリット1X、1Yは、その2本のスリット1X、1Yの相互になす開き角度を調整可能に構成することもできる。
さらに、スリット板11の背後に配置する光センサー12としては、PINフォトダイオード等の高速応答のセンサーを用いることが望ましい。一般に、光センサーの面積が大きいと高速応答性が悪くなるので、可能な限り小さな面積のセンサーで測定可能なように、スリットの大きさや配置を選ぶ必要がある。
また、センサーパッケージの表面での反射が問題となる場合は、樹脂モールドやガラス窓のない素子を選択する必要がある。
なお、スリット幅とビームスポットSの寸法との関係は、特許文献2に記載されており、それに基づくことが望ましい。結像状態の計測用には、ビームスポットSの寸法より幅の小さいスリットが必要である。しかし、あまりスリット幅が狭いと、光センサーが受光できる光量が減るという問題がある。一般的なレーザープリンターに用いられる50〜100μm程度のスポットサイズ(1/e2 での径)においては、スリットの幅は5〜20μmが好ましい。
なお、x軸に対して±45°のビームスポットSの寸法より幅の狭いスリット1X又はスリット1Yを用い、そのスリットの位置を予め正確に測定しておくことにより、走査光ビームBのの副走査方向の位置が連続的に測定できる。また、走査線aの湾曲の様子も連続的に計測できる。この場合、主走査方向の位置は、予め副走査方向に向いているスリット1aを用いて測定しておき、スリット1aによって検出した時間との差を副走査方向の値として計算する(スリット1X又はスリット1Yだけでは、主走査方向の位置と副走査方向の位置を分離することが困難なため)。
また、図6、図16のように、複数のスリットを1枚の基板に形成する際に、その背後に設ける光センサー12は、単一のものであってもよいが、上記のように、受光面積が小さい素子の方が応答特性が良いので、受光面積の小さい複数の光センサーをスリット板11の背後に整列させて配置するようにしてもよい。その場合、各スリットに対応して信号を個別に取出せるという利点がある。ただし、複数の光センサーをの出力を演算して結果を得る場合(例えば、スリット1Xと1Yを経た光量比でビームスポットSの捩じれ測定するような場合)には、各光センサーの出力値が等しくなるように調整あるいは校正することが必要である。
上記に述べた各実施例においては、オシロスコープ16の画面上に波形を重ね書きすることによって、結像状態や光量変動を視覚的に把握できるという効果が得られたが、走査毎の波形のピーク値を機械的に順次収録し、そのピークの波高と時間軸上の位置を元に例えば2次元の曲線に近似し、その曲線の係数を比較することで、結像状態や光量変動の検査値に対する合否を自動的に判別することも可能である。また、光走査装置の製品の各々について、上記のようにピーク波高と時間軸上の位置を保存することで、品質管理データとして活用することも可能である。
以上、本発明の走査光ビームスポット測定方法及び測定装置をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
本発明の走査光ビームスポット測定装置の1実施例の構成を示す模式図である。 図1の装置を用いたビームスポットの結像状態の測定の原理を説明するための図である。 走査光ビームを1回偏向した場合の水平同期信号を基準とした信号の出力波形を示す図である。 走査光ビームを繰り返し偏向した場合の水平同期信号でトリガーとして出力波形のピーク値を重ね書きしたグラフを示す図である。 図4のグラフに局所的な変動がある場合の図である。 主走査方向に対して互いに相反する方向に向いた2つのスリットを持つスリット板の正面図である。 走査範囲内でビームスポットの楕円の長軸の傾きが連続的に変化する場合の図6のスリットを経て検出される出力波形を模式的に示す図である。 図7のような場合に図6のスリットを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線を模式的に示す図である。 走査範囲内でビームスポットの形状が傾いていて変化しない場合の図8と同様の図である。 図8、図9の場合の水平同期信号に対して得られる出力波形を示す図である。 ビームスポットの寸法より大きなスリットを用いてビームスポットの持つパワーを検出する原理を説明するための図である。 図11のスリットを用いた場合の図4と同様の図である。 ビームウエスト位置を測定する装置の実施例の構成を示す模式図である。 図13の装置を用いて出力波形のピーク値を重ね書きした3次元的なグラフを示す図である。 光軸以外の特定の像高位置でビームウエスト位置を測定する装置の構成を示す模式図である。 4つの異なるスリットを持つスリット板の正面図である。
符号の説明
1a…幅の狭いスリット
1b…幅の広いスリット
1X…+45°の幅の狭いスリット
1Y…−45°の幅の狭いスリット
10…電動ステージ
11…スリット板
12…光センサー
13…移動台
14…反射鏡
15…水平同期検出器(光センサー)
16…オシロスコープ
100…光走査装置
101…光源
102…レンズ
103…ポリゴンミラー
104…走査光学系
105…偏光反射面
a…走査線
B…走査光ビーム
S…ビームスポット
C…局所的な変動
X…+45°の幅の狭いスリットを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線
Y…−45°の幅の狭いスリットを経て検出される出力波形のピーク値を重ね書きした曲線

Claims (3)

  1. 被走査面上を主走査方向に繰り返し移動する光走査装置からの走査光ビームによるビームスポットの特性を連続的に測定する走査光ビームスポット測定方法であって、
    開口幅がビームスポットの主走査方向の寸法より小さく、主走査方向に対して略90°なして配置されたスリットと、主走査方向の開口幅がビームスポットの主走査方向の寸法より小さく、主走査方向に対して相互に異なる角度で傾斜している複数のスリットと、開口幅がビームスポットの主走査方向の寸法より大きく、主走査方向に対して略90°なして配置されたスリットとを主走査方向に並列させて一体に配置し、前記複数のスリットを主走査方向に走査光ビームの移動速度に比較して遅い速度で移動させ、前記複数のスリットの移動中に前記複数のスリットを通過する光量のピーク値を主走査位置に応じて連続的に取得し、それらのピーク値を主走査位置に応じて重畳表示することにより、主走査方向における結像状態の連続的な測定、主走査方向に対して相互に異なる角度で傾斜している方向における結像状態の連続的な測定、及び、主走査方向における光量分布の連続的な測定を同時に行うことを特徴とする走査光ビームスポット測定方法。
  2. 前記ピーク値の重畳表示は、前記光走査装置から出力される水平同期信号を基準として行うことを特徴とする請求項記載の走査光ビームスポット測定方法。
  3. 主走査方向に移動する光走査装置からの走査光ビームの移動速度が、前記光走査装置の使用時の移動速度より低い速度で測定に用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の走査光ビームスポット測定方法。
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