JP4288672B2 - 粒子凝集と希釈による親和性物質の測定方法 - Google Patents
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〔1〕次の工程(1)-(3)または(1’)-(3’)を含む、親和性物質の測定方法において、工程(3)または(3’)の前に、親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーとの結合を強化する手段により反応液を希釈する工程を含む方法。
(1)測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定対象親和性物質とを混合した反応液に、電圧パルスを印加する工程、
(2)工程(1)の後に、測定対象である親和性物質との結合によって形成された担体粒子の凝集塊、および測定対象である親和性物質と結合せず凝集塊を形成しなかった担体粒子のいずれかまたは両方を計数する工程、および
(3)工程(2)の後に、凝集塊の形成レベル、および凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルのいずれか、または両方に基づいて測定対象物質のレベルを決定する工程、または
(1')測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定対象親和性物質とを、凝集試薬成分と混合した反応液に電圧パルスを印加する工程であって、前記担体粒子は凝集試薬によって凝集し、かつ測定対象親和性物質によってその凝集が阻害される工程、
(2')工程(1')の後に、凝集試薬との結合によって形成された担体粒子の凝集塊、および測定対象である親和性物質との結合によって凝集を阻害された担体粒子のいずれかまたは両方を計数する工程、および、
(3')工程(2')の後に、凝集塊の形成レベル、および凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルのいずれか、または両方に基づいて測定対象物質のレベルを決定する工程
〔2〕反応液を希釈する工程が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合する工程である〔1〕に記載の方法。
〔3〕電圧パルスが交流電圧である〔2〕に記載の方法。
〔4〕交流電圧が2KHz〜20MHzの周波数である〔3〕に記載の方法。
〔5〕反応液を希釈する工程が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合後、電場を停止後に更に付加的に担体粒子を希釈する工程を含む〔2〕に記載の方法。
〔6〕反応液を希釈する工程が、測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーの間の結合を強化する結合強化剤を反応液に添加した後に反応液と混合するか、あるいは前記結合強化剤を含む希釈液で反応液を希釈する工程である、〔2〕に記載の方法。
〔7〕反応液を希釈する工程が、測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーの間の結合を強化する結合強化剤を反応液に添加した後に反応液を希釈液と混合するか、あるいは前記結合強化剤を含む希釈液で反応液を希釈する工程である、〔1〕に記載の方法。
〔8〕測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーとの結合が免疫学的な結合である〔7〕に記載の方法。
〔9〕抗原が蛋白質抗原であり、結合強化剤がグルタルアルデヒド、およびカルボジイミドから選択されるいずれか、または両方の化合物である〔8〕に記載の方法。
〔10〕反応液を希釈する工程が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合する工程である〔7〕に記載の方法。
〔11〕工程(1)または(1’)における電圧パルスが交流電圧パルスである〔1〕に記載の方法。
〔12〕工程(1)または(1’)において、電圧パルスを複数回与えることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔13〕工程(1)または(1’)において、電圧パルスを印加後に、担体粒子を分散させてから次の電圧パルスを印加する工程を含む、〔12〕に記載の方法。
〔14〕複数回の電圧パルスが、異なる方向の電圧パルスである〔12〕に記載の方法。
〔15〕担体粒子の平均粒子径が、1μm以上である〔1〕に記載の方法。
〔16〕担体粒子の平均粒子径が、1μm〜20μmである〔15〕に記載の方法。
〔17〕工程(2)または(2’)において、凝集塊および凝集塊を形成しなかった担体粒子のいずれか、または両方を、その三次元情報を指標として計数する〔1〕に記載の方法。
〔18〕工程(2)または(2')において、凝集塊または担体粒子の三次元情報を、物理的に測定する〔17〕に記載の方法。
〔19〕三次元情報を物理的に測定するための方法が、電気抵抗法、レーザー回析散乱法、および三次元画像解析法からなる群から選択されたいずれかの方法である〔18〕に記載の方法。
〔20〕以下の要素を含む、測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定すべき親和性物質との結合を、前記担体粒子の親和性物質または凝集試薬による凝集を指標として測定するための測定装置。
a:測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定すべき親和性物質を含む試料を含む反応液、または更に付加的に凝集試薬含む反応液を保持するための空間、
b:反応液に電圧パルスを印加するための手段、
c:反応液を希釈するための手段、および
d:反応液に含まれる担体粒子と担体粒子の凝集塊のいずれか、または両方を計数するための手段
〔21〕反応液を希釈するための手段が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合するための手段である〔20〕に記載の装置。
〔22〕反応液を希釈するための手段が、測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーの間の結合を強化する結合強化剤を反応液に添加するための手段を含む、〔20〕に記載の装置。
すなわち、希釈された担体粒子は、互いに重なって検出される可能性が小さい。その結果、粒子の重なりを誤って凝集塊として検出する誤差を防ぐことができる。一方、凝集塊の構造は結合の強化によって維持される。そのため、希釈に伴って凝集塊が崩壊して検出できなくなる問題を避けることができる。こうして、本発明によって、再現性と感度の向上を実現することができる。
本発明によって、たとえば、担体粒子の凝集を指標とする免疫学的結合反応を利用した測定方法の感度の上昇、あるいは再現性の向上を実現することができる。本発明は、上記反応の最適化に貢献する。
(1)測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定対象親和性物質とを混合した反応液に、電圧パルスを印加する工程、
(2)工程(1)の後に、測定対象である親和性物質との結合によって形成された担体粒子の凝集塊、および測定対象である親和性物質と結合せず凝集塊を形成しなかった担体粒子のいずれかまたは両方を計数する工程、および
(3)工程(2)の後に、凝集塊の形成レベル、および凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルのいずれか、または両方に基づいて測定対象物質のレベルを決定する工程、または
(1')測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定対象親和性物質とを、凝集試薬成分と混合した反応液に電圧パルスを印加する工程であって、前記担体粒子は凝集試薬によって凝集し、かつ測定対象親和性物質によってその凝集が阻害される工程、
(2')工程(1')の後に、凝集試薬との結合によって形成された担体粒子の凝集塊、および測定対象である親和性物質との結合によって凝集を阻害された担体粒子のいずれかまたは両方を計数する工程、および、
(3')工程(2')の後に、凝集塊の形成レベル、および凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルのいずれか、または両方に基づいて測定対象物質のレベルを決定する工程
抗原またはハプテンと抗体との反応(免疫反応)
相補的な塩基配列を有する核酸間のハイブリダイゼーション
レクチンとそのレセプターとの反応
レクチンと糖鎖の反応
リガンドとレセプターの反応
DNAと転写調節因子の反応
腫瘍マーカー:
AFP、CEA、CA19−9、PSA等
凝固線溶糸マーカー:
プロテインC、プロテインS、アンチトロンビン(AT)III、FDP、FDP−D−ダイマー等
感染症マーカー:
CRP、ASO、HBs抗原等
ホルモン:
甲状腺刺激ホルモン(TSH)、プロラクチン、インシュリン等
組織成分:
ミオグロビン、ミオシン、ヘモグロビン等
その他:
DNA等の核酸など
測定対象物質と担体粒子上の結合パートナーとの反応による、担体粒子の凝集が検出される。たとえば、抗原分子を結合パートナーである抗体によって測定する場合が、この原理に含まれる。あるいは逆に、抗原を結合した担体粒子の凝集を指標として、親和性物質である抗体を測定する場合も、この原理に含まれる。直接凝集反応においては、通常、凝集粒子のレベルと測定対象物質である親和性物質の量は正比例する。すなわち、凝集塊の形成レベルが高いときには、親和性物質のレベル(すなわち濃度)が高い。逆に、凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルが高いときには、親和性物質のレベル(すなわち濃度)は低い。
ハプテンと呼ばれる低分子抗原は、担体粒子の凝集に必要な抗原を介した架橋構造を作りにくい。そのため、直接凝集反応の原理ではハプテンを検出することができない。そこで、複数分子のハプテンまたはそのエピトープを含む断片を担体に結合したポリハプテンと、担体粒子上の抗体との結合による凝集反応が利用される。ポリハプテンは、複数の抗体分子を架橋することができるので、担体粒子を凝集させる。しかしハプテンが存在すると、ポリハプテンと抗体との反応が阻止され、担体粒子の凝集が阻止される。凝集阻止のレベルは、ハプテンの存在と正比例する。言い換えれば、測定対象物質の量と、凝集反応のレベルは逆比例する。すなわち、凝集塊の形成レベルが高いときには、親和性物質のレベル(すなわち濃度)が低い。逆に、凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルが高いときには、親和性物質のレベル(すなわち濃度)は高い。
ホルモン:
エストロゲン、エストラジオール
薬剤:
テオフィリン
更に複数回の電圧パルスの印加の間に、担体粒子を分散させることもできる。分散工程を介在させることによって、結合パートナーと親和性物質、あるいは凝集試薬との接触の機会を、更に増加させる効果が期待できる。反応液の攪拌、振とう、あるいは反応液に振動を与えることにより、電圧パルスの印加の間に担体粒子を分散させることができる。
a:測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定すべき親和性物質を含む試料を含む反応液、または更に付加的に凝集試薬含む反応液を保持するための空間、
b:反応液に電圧パルスを印加するための手段、
c:反応液を希釈するための手段、および
d:反応液に含まれる担体粒子と担体粒子の凝集塊のいずれか、または両方を計数するための手段
更に、異なる方向の電圧パルスを印加するために、電極を駆動する機構を備えることができる。たとえば、反応液の中で電極を回転させることにより、複数の異なる方向から電圧パルスを印加することができる。更に本発明の装置は、反応液をかくはんする手段、反応液を振とうする手段、あるいは反応液に振動を与える手段を備えることができる。これらの手段は、いずれも、複数回の電圧パルスの間に担体粒子を分散させるための手段として有用である。
たとえば、前記希釈液を保持する空間に、希釈液に対して電圧パルスを印加するための電極を配置することができる。あるいは本発明における希釈手段は、反応液に結合強化剤を添加するための機構を含むことができる。これらの凝集塊を形成している結合を強化するための構成は、単独で、あるいは両者を組み合わせて装備することができる。
本発明の装置には、上記測定方法を実施するための付加的な機構を組み合わせることができる。本発明の装置に組み合わせることができる付加的な機構を、以下に例示する。
試料の分取機構
試料の希釈機構
測定結果の記録機構
測定結果の表示機構
測定結果の印刷機構
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
(1)抗AFP抗体感作ラテックス試薬の調製
0.1mgの抗AFP抗体(ダコ社製)を1mLのグリシン緩衝液(50mMグリシン、50mM塩化ナトリウム、0.09%アジ化ナトリウム含有、以下GBSと略す)に溶解し、2.06μmのラテックス(ポリサイエンス社製、固形分1.0%懸濁液)1mLを加えて37℃で2時間攪拌した後、感作したラテックスを遠心分離して上清を除去した。沈殿を0.5%牛血清アルブミンのグリシン緩衝液(0.5%BSA-GBS)1mLに懸濁させ、抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)測定装置
図1(A)の装置を使用して、生物学的特異的凝集反応(抗原抗体反応)を測定した。検体と試薬1(緩衝液:2試薬系の場合に適用。1試薬系/ラテックス試薬のみの場合は不要)を分注して混合し、更に試薬2(ラテックス試薬)を分注して混合するための分注・攪拌槽温度コントロール機構1を備え、次に反応槽(パルス印加槽)3に反応液を移動させ、電極4を介して電圧パルスを数秒から数十秒間印加して、パールチェイン化させる。反応液はパールチェイン化された後、希釈(希釈槽5)され、粒度分布計6を用いて担体の凝集状態を測定する。(温度コントロール機構1及び2はOFF設定とした。)
図1(B)は、希釈槽5の概略を示す図である。希釈容器103に希釈液が分注され、対向電極101の間に反応液を分注する。
(3)測定方法
AFPコントロール血清L(16ng/mL)、M(125ng/mL)、H(1000ng/mL)及びフリー血清(0ng/mL)を検体液として測定した。検体3μLと前述した抗AFP抗体感作ラテックス試薬3μLを試験管にとり、混和し、直ちに電極付き反応セルに注入して、前述の装置を用いて、周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±12V/mmの電解強度で30秒間印加しパールチェインを形成させた。この30秒間の印加後、直ちに電場を切り反応液を生理食塩水に希釈した。希釈は、図1(B)に示す装置を用いて、希釈液に電極を介して周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±0.7V を印加しながら反応液を加えた後、コールター・マルチサイザーを使用してラテックス粒子の粒度分布を測定し、ラテックスの凝集率(AR)を、以下の式により求めた。
AR=(2個以上に凝集した粒子数)/(総粒子数)×100 (%)
(4)結果
結果を図2に示した。
実施例1の各検体と抗AFP感作ラテックス試薬を使用して、実施例1とほぼ同様に測定した。パールチェイン形成後に反応液を希釈する工程において電場は印加せずに希釈した以外は、実施例1と同様に行った。結果を図2に示した。
図2に示すように、AFP 1000ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法53.4%に対して対照である従来法は40.9%である。つまり本発明の方法においては、従来法に比べ、反応液を希釈するときに崩壊する凝集塊、すなわち特異的に凝集した担体粒子の凝集塊の崩壊を約20%軽減することができた。またAFP 0ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法7.4%に対して対照として従来法は10.6%である。0ng/mLの試料を測定したときの凝集率は、非特異的な凝集に伴うバックグランドと考えることができる。つまり、本発明の方法によれば、非特異的な凝集が抑制される。以上の結果から、本発明の測定方法は、凝集率の傾きが大きく直線性が良好である。したがって、本発明によって、高感度に、かつ広い濃度範囲の測定が可能である。
(1)抗AFP抗体感作ラテックス試薬の調製
実施例1と同様にして、抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)測定装置
図1の装置を使用して、親和性物質(抗原抗体反応)を測定した。
(3)測定方法
AFPコントロール血清L(16ng/mL)及びフリー血清(0ng/mL)を検体液として測定した。検体3μLと前述した抗AFP抗体感作ラテックス試薬3μLを試験管にとり、混和し、直ちに電極付き反応セルに注入して、前述の装置を用いて、周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±12V/mmの電解強度で30秒間印加しパールチェインを形成させた。この30秒間の印加後、直ちに電場を切り反応液を生理食塩水20mLに希釈した。希釈は、図1(B)に示す装置を用いて、希釈液に電極を介して周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±0.7V を印加しながら反応液を加えた後、コールター・マルチサイザーを使用してラテックス粒子の粒度分布を測定し、ラテックスの凝集率(AR)を、以下の式により求めた。
AR=(2個以上に凝集した粒子数)/(総粒子数)×100 (%)
前述の操作を同様に5回繰り返して測定を行い、測定結果の平均値および平均値±2SDを求めた。
(1)結果
結果を図3に示した。
実施例2の各検体と抗AFP感作ラテックス試薬を使用して、実施例2とほぼ同様に測定した。パールチェイン形成後に反応液を希釈する工程において電場は印加せずに希釈した以外は、実施例2と同様に行った。結果を図3に示した。
実施例2の各検体と抗AFP感作ラテックス試薬を使用して、実施例2とほぼ同様に測定した。反応液の希釈液に予め実施例2と同じ条件の電場を印加したものを希釈液として使用した以外は、実施例1と同様に行った。結果を図3に示した。
図3に示すように、AFP 15.6ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法35.7%に対して対照である従来法は32.6%である。つまり本発明の方法においては、従来法に比べ、反応液を希釈するときに崩壊する凝集塊、すなわち特異的に凝集した担体粒子の凝集塊の崩壊を約10%軽減することができた。またAFP 0ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法5.6%に対して従来法は11.1%である。0ng/mLの試料を測定したときの凝集率は、非特異的な凝集に伴うバックグランドと考えることができる。つまり、本発明の方法によれば、非特異的な凝集が抑制される。さらにAFP 15.6ng/mLを5重測定したときのCV値は、本法1.16%に対して従来法は4.28%であり、測定の再現性も著しく向上した。したがって、本発明によって高感度かつ高精度な測定が可能である。
(1)抗PSA抗体感作ラテックス試薬(試薬2)の調製
0.1mgの抗PSA抗体(ダコ社製)を1mLのグリシン緩衝液(50mMグリシン、50mM塩化ナトリウム、0.09%アジ化ナトリウム含有、以下GBSと略す)に溶解し、2.06μmのラテックス(ポリサイエンス社製、固形分1%懸濁液)1mLを加えて37℃で2時間攪拌した後、感作したラテックスを遠心分離して上清を除去した。沈殿を0.5%牛血清アルブミンのグリシン緩衝液(0.5%BSA-GBS)1mLに懸濁させ、抗PSA抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)Tris塩酸緩衝液(試薬1)の調製
0.5%牛血清アルブミンの50mM−Tris塩酸緩衝液(50mM Tris、50mM塩化ナトリウム、0.09%アジ化ナトリウム含有、pH8.4)にポリエチレングリコール(分子量20000、以下PEG20000と略す)を0.25%含有する反応促進試薬を調製した。
(3)測定装置
図1の装置を使用して、親和性物質(抗原抗体反応)を測定した。
(4)測定方法
PSAコントロール血清L(9.5ng/mL)、M(32ng/mL)及びフリー血清(0ng/mL)を検体液として測定した。検体1μLと前述したTris塩酸緩衝液及び抗PSA抗体感作ラテックス試薬3μLを試験管にとり、混和し、直ちに電極付き反応セルに注入して、前述の装置を用いて、周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±12V/mmの電解強度で30秒間印加しパールチェインを形成させた。この30秒間の印加後、直ちに電場を切り反応液をGBS 20mLに希釈した。このときの希釈倍率は、約3300倍である。希釈は、図1(B)に示す装置を用いて、希釈液に電極を介して周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±0.7V を印加しながら反応液を加えた後、コールター・マルチサイザーを使用してラテックス粒子の粒度分布を測定し、ラテックスの凝集率(AR)を、以下の式により求めた。
AR=(2個以上に凝集した粒子数)/(総粒子数)×100 (%)
(5)結果
結果を図4に示した。
実施例3の各検体とTris緩衝液及び抗PSA感作ラテックス試薬を使用して、実施例2とほぼ同様に測定した。パールチェイン形成後に反応液を希釈する工程において電場は印加せずに希釈した以外は、実施例1と同様に行った。結果を図4に示した。
実施例3の各検体とTris緩衝液及び抗PSA感作ラテックス試薬を使用して、実施例2とほぼ同様に測定した。反応液の希釈液に予め実施例3と同じ条件の電場を印加したものを希釈液として使用した以外は、実施例2と同様に行った。結果を図4に示した。
図4に示すように、PSA 32ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法35.7%に対して対照である従来法は30.3%である。つまり本発明の方法においては、従来法に比べ、反応液を希釈するときに崩壊する凝集塊、すなわち特異的に凝集した担体粒子の凝集塊の崩壊を約20%軽減することができた。またPSA 0ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法1.73%に対して従来法は2.45%である。0ng/mLの試料を測定したときの凝集率は、非特異的な凝集に伴うバックグランドと考えることができる。つまり、本発明の方法によれば、非特異的な凝集が抑制される。以上の結果から、本発明の測定方法は、凝集率の傾きが大きく直線性が良好である。したがって、本発明によって、高感度に、かつ広い濃度範囲の測定が可能である。
(1)抗AFP抗体感作ラテックス試薬の調製
実施例1と同様にして、抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。但し、2.0μmのラテックス(積水化学工業社製)、3μm(ポリサイエンス社製)及び4.5μm(ポリサイエンス社製)を固形分1.0%懸濁液として使用して、3種類の抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)測定装置
図1の装置を使用して、親和性物質(抗原抗体反応)を測定した。
(3)測定方法
前述した3種類のラテックス試薬を使用して、実施例1と同様に測定した。
(4)結果
結果を図5、図6及び図7に示した。
実施例4の各検体と抗AFP感作ラテックス試薬を使用して、実施例4とほぼ同様に測定した。パールチェイン形成後に反応液を希釈する工程において電場は印加せずに希釈した以外は、実施例4と同様に行った。結果を図5、図6、及び図7に示した。
図5に示すように、AFP 15.6ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法35.8%に対して対照である従来法は24.1%であり、特異的に凝集した凝集塊の崩壊を30%軽減することができた。また図5において、AFP 0ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法5.3%に対して従来法は8.0%である。図6では、AFP 15.6ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法29.5%に対して対照である従来法は23.6%であり、特異的に凝集した凝集塊の崩壊を20%軽減することができた。また、図6において、AFP 0ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法13.6%に対して従来法は17.8%である。さらに図7では、AFP 15.6ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法11.5%に対して対照である従来法は3.0%であり、特異的に凝集した凝集塊の崩壊を70%軽減することができた。また、図7において、AFP 0ng/mLの測定結果(凝集率)は、本法4.1%に対して従来法は2.5%である。すなわち、本発明は従来法に比べ特異的に凝集した担体粒子の凝集塊の崩壊を軽減できる。さらに、希釈の際に生じる非特異的な凝集も抑制することができた。したがって、本発明によって高感度な測定が可能である。
(1)抗AFP抗体感作ラテックス試薬の調製
2.2mgの抗AFP抗体(ダコ社製)0.1mLと1.716μmのラテックス(ポリサイエンス社製、固形分2.5%懸濁液)0.5mL及びカルボジミドキット(ポリサイエンス)を使用し、キットのマニュアルに従って操作を行い、抗AFP抗体とラテックス粒子とを化学結合させて抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)測定装置
図1の装置を使用して、親和性物質(抗原抗体反応)を測定した。
(3)測定方法
AFPコントロール血清H(1000ng/mL)を検体液として測定した。検体3μLと前述した抗AFP抗体感作ラテックス試薬3μL試験管にとり、混和し、直ちに電極付き反応セルに注入して、前述の装置を用いて、周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±12V/mmの電解強度で30秒間印加しパールチェインを形成させた。この30秒間の印加後、直ちに電場を切り反応液にグルタルアルデヒド0.25%〜25%液(以下GA液と略す)16μLを加え、37℃で60秒間インキュベーションした後、生理食塩水20mLに希釈した。この反応希釈液について、コールター・マルチサイザーを使用してラテックス粒子の粒度分布を測定し、ラテックスの凝集率(AR)を、以下の式により求めた。
AR=(2個以上に凝集した粒子数)/(総粒子数)×100 (%)
次に反応希釈液の残りに超音波を30秒、60秒と印加した後、同様に操作して粒度分布を測定した(崩壊性過酷試験)。
(4)結果
結果を図8に示した。
実施例5の各検体と抗AFP感作ラテックス試薬を使用して、実施例5とほぼ同様に測定した。GAを含まない生理食塩水に希釈した以外は、実施例5と同様に行った。結果を図8に示した。希釈直後の凝集率を比較すると、GA処理を行ってから希釈したものは21%の凝集率であったのに対し、GA未処理では16%と、5%の崩壊が認められた。更に崩壊性過酷試験では、25%GA処理では顕著に崩壊性が改善されたのがわかる。以上のことから、本発明は従来法に比べ特異的に凝集した担体粒子の凝集塊の崩壊を軽減でき、高感度に測定できることがわかる。
(1)抗AFP抗体感作ラテックス試薬の調製
実施例5と同様にして、抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)測定装置
図1の装置を使用して、親和性物質(抗原抗体反応)を測定した。
(3)測定方法
AFPコントロール血清H(1000ng/mL)を検体液として測定した。検体3μLと前述した抗AFP抗体感作ラテックス試薬3μL試験管にとり、混和し、直ちに電極付き反応セルに注入して、前述の装置を用いて、周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±12V/mmの電解強度で30秒間印加しパールチェインを形成させた。この30秒間の印加後、直ちに電場を切り反応液にグルタルアルデヒド25%液(以下GA液と略す)16μLを加え、37℃で0〜60秒間インキュベーションした後、生理食塩水に希釈した。この反応希釈液について、コールター・マルチサイザーを使用してラテックス粒子の粒度分布を測定し、ラテックスの凝集率(AR)を、以下の式により求めた。
AR=(2個以上に凝集した粒子数)/(総粒子数)×100 (%)
次に反応希釈液の残りに超音波を30秒、60秒と印加した後、同様に操作して粒度分布を測定した(崩壊性過酷試験)。
(4)結果
結果を図9に示した。
実施例6の各検体と抗AFP感作ラテックス試薬を使用して、実施例6とほぼ同様に測定した。GAを含まない生理食塩水に希釈した以外は、実施例6と同様に行った。結果を図9に示した。希釈直後の凝集率を比較すると、25%GA処理を行ってから希釈したものは処理時間(15秒、30秒、60秒)に関わらず21%の凝集率であったのに対し、処理時間0秒(混ぜた直後に希釈)では18%、GA未添加のものは16%の凝集率であった。更に崩壊性過酷試験においても、25%GA処理(処理時間15〜60秒)ではほぼ同等に崩壊性が改善されたのがわかる。以上のことから、本発明は従来法に比べ特異的に凝集した担体粒子の凝集塊の崩壊を軽減でき、高感度に測定できることがわかる。
(1)抗AFP抗体感作ラテックス試薬の調製
実施例1と同様にして、抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。但し、2.0μmのラテックス(積水化学工業社製)、2.8μm(ポリサイエンス社製)及び1.7μm(ポリサイエンス社製)を固形分1.0%懸濁液として使用して、3種類の抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)測定装置
図1の装置を使用して、親和性物質(抗原抗体反応)を測定した。
(3)測定方法
前述した3種類のラテックス試薬を使用して、実施例6と同様に測定した。
(4)結果
結果を図10、図11及び図12に示した。
実施例7の各検体と抗AFP感作ラテックス試薬を使用して、実施例7とほぼ同様に測定した。GAを含まない生理食塩水に希釈した以外は、実施例6と同様に行った。結果を図10、図11及び図12に示した。以上、図10、図11及び図12から、本発明は従来法(結合強化剤を含まない希釈液)に比べ特異的に凝集した担体粒子の凝集塊の崩壊を軽減でき、高感度に測定することができることがわかる。
(1)抗AFP抗体感作ラテックス試薬の調製
実施例5と同様にして、抗AFP抗体感作ラテックス試薬を調製した。
(2)測定装置
図1の装置を使用して、親和性物質(抗原抗体反応)を測定した。
(3)測定方法
AFPコントロール血清L及びMを検体液として測定した。検体3μLと前述した抗AFP抗体感作ラテックス試薬3μL試験管にとり、混和し、直ちに電極付き反応セルに注入して、前述の装置を用いて、周波数200KHzの交流電圧(矩形波)±12V/mmの電解強度で30秒間印加しパールチェインを形成させた。この30秒間の印加後、直ちに電場を切り反応液にグルタルアルデヒド25%液(以下GA液と略す)16μLに加え、37℃で0〜60秒間インキュベーションした後、生理食塩水に希釈した。この反応希釈液について、コールター・マルチサイザーを使用してラテックス粒子の粒度分布を測定し、ラテックスの凝集率(AR)を、以下の式により求めた。
AR=(2個以上に凝集した粒子数)/(総粒子数)×100 (%)
前述の操作を10回繰り返して測定し再現性試験を行った。
(4)結果
結果を表1に示した。
Claims (22)
- 次の工程(1)-(3)または(1’)-(3’)を含む、親和性物質の測定方法において、工程(3)または(3’)の前に、親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーとの結合を強化する手段により反応液を希釈する工程を含む方法。
(1)測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定対象親和性物質とを混合した反応液に、電圧パルスを印加する工程、
(2)工程(1)の後に、測定対象である親和性物質との結合によって形成された担体粒子の凝集塊、および測定対象である親和性物質と結合せず凝集塊を形成しなかった担体粒子のいずれかまたは両方を計数する工程、および
(3)工程(2)の後に、凝集塊の形成レベル、および凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルのいずれか、または両方に基づいて測定対象物質のレベルを決定する工程、または
(1')測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定対象親和性物質とを、凝集試薬成分と混合した反応液に電圧パルスを印加する工程であって、前記担体粒子は凝集試薬によって凝集し、かつ測定対象親和性物質によってその凝集が阻害される工程、
(2')工程(1')の後に、凝集試薬との結合によって形成された担体粒子の凝集塊、および測定対象である親和性物質との結合によって凝集を阻害された担体粒子のいずれかまたは両方を計数する工程、および、
(3')工程(2')の後に、凝集塊の形成レベル、および凝集塊を形成しなかった担体粒子のレベルのいずれか、または両方に基づいて測定対象物質のレベルを決定する工程 - 反応液を希釈する工程が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合する工程である請求項1に記載の方法。
- 電圧パルスが交流電圧である請求項2に記載の方法。
- 交流電圧が2KHz〜20MHzの周波数である請求項3に記載の方法。
- 反応液を希釈する工程が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合後、電場を停止後に更に付加的に担体粒子を希釈する工程を含む請求項2に記載の方法。
- 反応液を希釈する工程が、測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーの間の結合を強化する結合強化剤を反応液に添加した後に反応液と混合するか、あるいは前記結合強化剤を含む希釈液で反応液を希釈する工程である、請求項2に記載の方法。
- 反応液を希釈する工程が、測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーの間の結合を強化する結合強化剤を反応液に添加した後に反応液を希釈液と混合するか、あるいは前記結合強化剤を含む希釈液で反応液を希釈する工程である、請求項1に記載の方法。
- 測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーとの結合が免疫学的な結合である請求項7に記載の方法。
- 抗原が蛋白質抗原であり、結合強化剤がグルタルアルデヒド、およびカルボジイミドから選択されるいずれか、または両方の化合物である請求項8に記載の方法。
- 反応液を希釈する工程が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合する工程である請求項7に記載の方法。
- 工程(1)または(1’)における電圧パルスが交流電圧パルスである請求項1に記載の方法。
- 工程(1)または(1’)において、電圧パルスを複数回与えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 工程(1)または(1’)において、電圧パルスを印加後に、担体粒子を分散させてから次の電圧パルスを印加する工程を含む、請求項12に記載の方法。
- 複数回の電圧パルスが、異なる方向の電圧パルスである請求項12に記載の方法。
- 担体粒子の平均粒子径が、1μm以上である請求項1に記載の方法。
- 担体粒子の平均粒子径が、1μm〜20μmである請求項15に記載の方法。
- 工程(2)または(2’)において、凝集塊および凝集塊を形成しなかった担体粒子のいずれか、または両方を、その三次元情報を指標として計数する請求項1に記載の方法。
- 工程(2)または(2')において、凝集塊または担体粒子の三次元情報を、物理的に測定する請求項17に記載の方法。
- 三次元情報を物理的に測定するための方法が、電気抵抗法、レーザー回析散乱法、および三次元画像解析法からなる群から選択されたいずれかの方法である請求項18に記載の方法。
- 以下の要素を含む、測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定すべき親和性物質との結合を、前記担体粒子の親和性物質または凝集試薬による凝集を指標として測定するための測定装置。
a:測定対象親和性物質との結合活性を有する結合パートナーを結合した担体粒子と、測定すべき親和性物質を含む試料を含む反応液、または更に付加的に凝集試薬含む反応液を保持するための空間、
b:反応液に電圧パルスを印加するための手段、
c:反応液を希釈するための手段、および
d:反応液に含まれる担体粒子と担体粒子の凝集塊のいずれか、または両方を計数するための手段 - 反応液を希釈するための手段が、電圧パルスの印加条件下で反応液と希釈液を混合するための手段である請求項20に記載の装置。
- 反応液を希釈するための手段が、測定対象親和性物質と結合パートナー、または凝集試薬と結合パートナーの間の結合を強化する結合強化剤を反応液に添加するための手段を含む、請求項20に記載の装置。
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