JP4290083B2 - 加熱定着部材 - Google Patents
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近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等のトナー画像形成装置のカラー化が進み、これらに搭載される定着部材は、金属、耐熱樹脂のローラ基材、ベルト基材、フィルム基材に、耐熱性の弾性体を、単層または多層に積層して構成される場合が多い。弾性層はカラー画像の飛び散り、光沢ムラを防止する効果があり、少なくとも100μm以上必要とされ、また、厚いほど効果が認められることが知られている。
該基材上に設けられた、厚さが100μm以上、500μm以下である弾性層と、
該弾性層上に設けられた、フッ素樹脂からなる離型層と、を有し、
該弾性層が、
(a)アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(c)該オルガノハイドロジェンポリシロキサンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された、平均粒径が0.5μm以上、50μm以下の窒化物粉末を30〜60vol%、
を含有する付加型シリコーンゴム組成物を加熱硬化してなるものである無端の定着ベルトであって、
該定着ベルトは、下記工程(1)〜(3)によって得られるシアンの定着トナーからなるベタ画像において目視確認できるニップ跡を生じさせないものであることを特徴とする定着ベルトに関する:
(1)基材の外径を24mmとした前記無端の定着ベルトを、加圧力20kgfで、ニップ幅7.0mmとなるように加圧ローラと当接させ、定着温度220℃、プロセススピード180mm/secで150時間空回転させる工程、
(2)該工程(1)で得た定着ベルトを、加圧力20kgfで、ニップ幅が7.0mmとなるように加圧ローラと当接させ、定着温度200℃、プロセススピード180mm/secにて10分間、空回転させた後、加圧力20kgfで、ニップ幅が7.0mmで、加圧ローラと静止状態で20時間当接させる工程、及び
(3)該工程(2)で得た定着ベルトを、加圧力20kgfで、ニップ幅が7.0mmとなるように加圧ローラと当接させ、定着温度200℃、プロセススピード180mm/secにて、82g/m 2 紙上のシアンの未定着トナーで形成されたベタ画像を定着させる工程。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の定着部材は、図1に示す様に基材1上に弾性層2と、弾性層2を介して離型層3を備えている。
本発明の定着部材の基材1には、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じてそれ自体公知のものの中から適宜選択して使用することができる。これら基材の材質としては、耐熱性、機械的強度に優れ、熱導伝性が良好である材質ならば特に制限はないが、例えば、ロール状のものであれば、アルミニウム、SUS、鉄、銅、ニッケル等の金属、合金、セラミックス等が挙げられる。ベルト状の部材に適する基材の材料としては、前記材料の他に、例えば、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂等の150〜180℃で使用可能な耐熱性樹脂材料が挙げられる。特に、これらベルト状基材に関しては、継ぎ目があると定着時にその部分の加圧力が変わり、画質に影響を及ぼすため、無端ベルトがより好ましい。
本発明の定着部材の弾性層2は、窒化物粉末を30〜60vol%含有する付加型シリコーンゴム組成物を加熱硬化したものが使用される。また、窒化物粉末は、付加型シリコーン(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)との反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理されている。
付加型シリコーンゴム組成物に含有される高熱伝導材としての窒化物粉末にはシラン化合物で表面処理された窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等が挙げられる。本発明のシラン化合物で表面処理された窒化物粉末を得るためにはまず、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等を準備する。これらの材料は市販品であっても良く、例えば、窒化アルミとしては、TOYALNITE−FLA(東洋アルミ(株)製)、窒化アルミ粉末シェイパル((株)トクヤマ)等、窒化ホウ素としてはデンカボロンナイトライド(電気化学工業(株))等、窒化ケイ素としては、窒化ケイ素粉末SH、HM、UH(小野田セメント(株)製)、窒化ケイ素粉末HM−5(屋久島電工(株)製)窒化ケイ素粉末G.S.A(日本鋼管(株))等、あるいはその分級品が用いられる。
弾性層2の厚みは、用途や設置する機械装置の構造、目標とする弾性、用いる材料の硬度等を勘案して適宜設定されるが、一般的には100μm〜3mmの範囲に設定されることが多い。特に、ベルト状基材に形成される場合は、100μm〜500μmの範囲で形成されたものが定着ベルトの機能を最も良く出現させる。勿論、これより厚い膜厚に成形した後に研磨等により必要な膜厚に加工してもよい。
本発明の定着部材の離型層3は、フッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いて形成する。耐久性の観点からフッ素樹脂がより好ましく用いられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等任意のものが選択でき、それらを2種以上の混合物として用いてもよい。これらの材料形態としては、ディスパージョン、粉体等のいずれでもよく、また、チューブ状等に成形されていてもよい。耐熱性や離型性(非汚染性、非粘着性)の観点から、PTFE、PFA、FEPのいずれか、あるいはその2種以上の混合物がより好ましく用いられる。
平均粒径14.4μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLAの分級品)を0.5質量%ビニルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8311)水溶液中に浸した後、ろ過して水を除き、120℃で充分、乾燥させ、表面ビニル処理窒化アルミ粉末(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を準備した。つづいて、この表面ビニル処理窒化アルミ粉末を、液状付加型シリコーンゴム組成物DY35−561A/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に45vol%になるよう万能混合攪拌機を用いて混合し、本発明の弾性層に用いる液状付加型シリコーンゴム組成物を得た。
実施例1の表面ビニル処理窒化アルミ粉末が30vol%であること以外は実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
実施例1の表面ビニル処理窒化アルミ粉末が60vol%であること以外は実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径18.3μmの窒化ホウ素粉末(電気化学工業社製デンカボロンナイトSGP)を0.5質量%ビニルトリアセトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SZ6075)水溶液中に浸した後、ろ過して水を除き、120℃で充分、乾燥させ、表面ビニル処理窒化ホウ素粉末(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を準備した。つづいて、この表面ビニル処理窒化アルミ粉末を、液状付加型シリコーンゴム組成物DY35−561A/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に45vol%になるよう万能混合攪拌機を用いて混合し、本発明の弾性層に用いる液状付加型シリコーンゴム組成物を得た。これを用いて実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径16.7μmの窒化ケイ素粉末(小野田セメント社製UH−44の分級品)を0.5質量%γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SZ6030)水溶液中に浸した後、ろ過して水を除き、120℃で充分乾燥させ、表面メタクリル処理窒化ケイ素粉末(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を準備した。つづいて、この表面ビニル処理窒化アルミ粉末を、液状付加型シリコーンゴム組成物DY35−561A/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に45vol%になるよう万能混合攪拌機を用いて混合し、本発明の弾性層に用いる液状付加型シリコーンゴム組成物を得た。これを用いて実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径3.1μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLAの分級品)(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を用いること以外、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径10.1μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLAの分級品)(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を用いること以外、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径23.5μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLGの分級品)(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を用いること以外、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径29.8μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLGの分級品)(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を用いること以外、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径41.6μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLGの分級品)(付加型シリコーンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された窒化物粉末)を用いること以外、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
実施例1で用いた平均粒径14.4μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLAの分級品)を表面処理することなく液状付加型シリコーンゴム組成物DY35−561A/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に45vol%になるよう万能混合攪拌機を用いて混合し、本発明の弾性層に用いる液状付加型シリコーンゴム組成物を得た。これを用いて実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
実施例1で用いた平均粒径14.4μmの窒化アルミ粉末(東洋アルミニウム社製TOYALNITE−FLAの分級品)を0.5質量%ヘキサメチルジシラザン(GE東芝シリコーン社製TSL8802)水溶液中に浸した後、ろ過して水を除き、120℃で充分、乾燥させ、表面ビニル処理窒化アルミ粉末を準備した。つづいて、この表面メチル化処理窒化アルミ粉末を液状付加型シリコーンゴム組成物DY35−561A/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に45vol%になるよう万能混合攪拌機を用いて混合し、本発明の弾性層に用いる液状付加型シリコーンゴム組成物を得た。これを用いて実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
実施例1の表面ビニル処理窒化アルミ粉末が20vol%であること以外実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
実施例1の表面ビニル処理窒化アルミ粉末が65vol%であること以外実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径18.2μmのアルミナ粉末(昭和電工社製AS−30の分級品)を(比較例2)と同様に表面処理を施し、表面メチル化処理窒化アルミナ粉末を準備した。つづいて、この表面メチル化処理窒化アルミナ粉末を液状付加型シリコーンゴム組成物DY35−561A/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に40vol%になるよう万能混合攪拌機を用いて混合し、本発明の弾性層に用いる液状付加型シリコーンゴム組成物を得た。これを用いて実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
平均粒径14.1μmの炭化ケイ素粉末(屋久島電工社製GC800Sの分級品)を(比較例2)と同様に表面処理を施し、表面メチル化処理炭化ケイ素粉末を準備した。つづいて、この表面メチル化処理炭化ケイ素粉末を液状付加型シリコーンゴム組成物DY35−561A/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に40vol%になるよう万能混合攪拌機を用いて混合し、本発明の弾性層に用いる液状付加型シリコーンゴム組成物を得た。これを用いて実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
以上、実施例、比較例を表1にまとめて示す。
まず、性能評価に用いた加熱定着装置について説明する。
図2は性能評価に用いた加熱定着装置200の横断面模型図である。加熱定着装置200は加熱体としてセラミックヒータを用いたベルト加熱方式の装置であり、定着ベルト210として先の実施例、比較例の定着ベルトを搭載する。
定着温度は200℃に設定された上記加熱定着器1に評価用ベルトを装着、10分間の空回転を行い、充分加熱定着装置・定着ベルトを暖めた後、電源をオフにし20時間、加圧状態のまま放置、その後、再度電源をオンにして、シアンの未定着トナー画像を通紙、定着ベタ画像のニップ跡を目視で確認した。記録紙は標準厚みの82g/m2紙で評価した。加熱定着装置のニップ巾は7.0mm(加圧力20Kgf)、プロセススピードは180mm/secに設定してある。
上記加熱定着装置2に本実施例、比較例の定着ベルトを装着、定着温度を220℃で空回転処理を行い、50時間毎に取り出し、上記ニップ跡評価方法にのっとり評価を行った。結果を表2に示す。すなわち、表2の「50H後」とは、定着温度220℃で50時間、空回転処理を行った後、このベルトをニップ跡評価方法として今度は定着温度が200℃に設定された加熱定着器に装着、10分間の空回転を行い、充分加熱定着装置・定着ベルトを暖めた後、電源をオフにし20時間、加圧状態のまま放置、その後、再度電源をオンにして、シアンの未定着トナー画像を通紙、定着ベタ画像のニップ跡を目視で確認するものである。「100H後」とは、この後、更に定着温度220℃で50時間、空回転処理を行い同様のニップ跡評価を行うものである。以後、このような処理を50時間づつ繰り返して行い、「150H後」、「200H後」の評価を行う。なお、空回転処理時の条件はニップ巾は7.0mm(加圧力20Kgf)、プロセススピードは180mm/secに設定してある。
実施例1〜5、実施例7〜9のベルトは200時間、空回転処理後のニップ跡評価においてもニップ跡は認められず、良好な耐熱性が確認された。実施例6、10のベルトも150時間、空回転処理後のニップ跡評価においてニップ跡は認められず、良好な耐熱性が確認された。しかしながら、実施例6のベルトは200時間、空回転処理終了時にゴム層の亀裂が確認された。これは、小粒子径の熱伝導剤を高充填したゴムで硬度が高くなったためと考えられる。また、実施例10のベルトにおいては200時間、空回転処理後のゴム層軟化に起因すると考えられる紙シワが発生した。
2 弾性層
4 離型層
200 加熱定着装置
210 定着ベルト
212 セラミックヒータ
216C ベルトガイド
222 加圧用剛性ステイ
230 加圧部材(加圧ローラ)
240 摺動板
N 定着ニップ部
t トナー画像
P 被記録材
Claims (5)
- 金属または合金からなる、厚さが15μm以上、100μm以下である基材と、
該基材上に設けられた、厚さが100μm以上、500μm以下である弾性層と、
該弾性層上に設けられた、フッ素樹脂からなる離型層と、を有し、
該弾性層が、
(a)アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(c)該オルガノハイドロジェンポリシロキサンとの反応性を有する不飽和基を含有するシラン化合物で表面処理された、平均粒径が0.5μm以上、50μm以下の窒化物粉末を30〜60vol%、
を含有する付加型シリコーンゴム組成物を加熱硬化してなるものである無端の定着ベルトであって、
該定着ベルトは、下記工程(1)〜(3)によって得られるシアンの定着トナーからなるベタ画像において目視確認できるニップ跡を生じさせないものであることを特徴とする定着ベルト:
(1)基材の外径を24mmとした前記無端の定着ベルトを、加圧力20kgfで、ニップ幅7.0mmとなるように加圧ローラと当接させ、定着温度220℃、プロセススピード180mm/secで150時間空回転させる工程、
(2)該工程(1)で得た定着ベルトを、加圧力20kgfで、ニップ幅が7.0mmとなるように加圧ローラと当接させ、定着温度200℃、プロセススピード180mm/secにて10分間、空回転させた後、加圧力20kgfで、ニップ幅が7.0mmで、加圧ローラと静止状態で20時間当接させる工程、及び
(3)該工程(2)で得た定着ベルトを、加圧力20kgfで、ニップ幅が7.0mmとなるように加圧ローラと当接させ、定着温度200℃、プロセススピード180mm/secにて、82g/m 2 紙上のシアンの未定着トナーで形成されたベタ画像を定着させる工程。 - 前記窒化物粉末が、窒化アルミ粉末、窒化ホウ素粉末及び窒化ケイ素粉末からなる群から選択された少なくとも一種の粉末であることを特徴とする請求項1に記載の定着ベルト。
- 前記窒化物粉末が、平均粒径が10.1μm以上、29.8μm以下の窒化アルミ粉末であることを特徴とする請求項1に記載の定着ベルト。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載の定着ベルトと、
該定着ベルトに当接し、該定着ベルトと共にニップ部を形成する加圧ローラと、
該定着ベルトを加熱するヒータと、を具備することを特徴とする加熱定着装置。 - 請求項4に記載の加熱定着装置のニップ部に、未定着のトナー画像を有する被記録材を通過させて該トナー画像を該被記録材に定着させる工程を含む画像形成方法。
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