JP4290966B2 - 大型薄板材料の搬送装置および搬送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚の大型薄板材料を効率的に搬送するための大型薄板材料の搬送装置および搬送方法に関するものであり、特に、高度な清浄度を要求される金属、レアメタル、シリコン、平面型ディスプレイ用のガラス等の大型薄板材料の搬送に最適な搬送装置および搬送方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイテク産業で用いられる薄板状の金属、レアメタル、シリコン、ガラスなどの材料は生産技術の大幅な進展に伴い、要求される寸法形状が加速度的に大きくなり、かつ、板の厚みは従来のミリ単位からミクロン単位と薄くなっている。
【0003】
例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイのように平面型ディスプレイには薄板のガラス材料が利用され、その薄板材料の形状は、ディスプレイの大型化に伴い、最近では2mを超えるサイズのものまで出現している。
【0004】
また、このような大型化した薄板材料においては、その表面に高度な品質が求められ、特に平坦性においては鏡面またはそれに準じるものが要求され、清浄度も非常に厳しい管理が要求される。また、当然のことながら、このような材料に特殊加工を施した場合についても、ミクロンあるいはサブミクロン単位の傷や異物が付着していないことが求められる。
【0005】
このような清浄度を保ちながら一切の汚染を防止し、当該材料を効率よく搬送することは、極めて困難な状況となっている。
【0006】
このような大型薄板材料を搬送する方法としては、従来は、図3に示すように、大型薄板材料3にフィルム等の保護膜を張り合わせ、保護膜付きの大型薄板材料間に緩衝材として合紙10を交互に積層し、大型のパレットなどにより搬送するものが知られている。
【0007】
この方法では、大量のフィルムが必要となるほか、フィルムを大型薄板材料に貼り付けたり剥離するための専用の装置が必要となり、搬送コストを上げるという問題がある。しかも、量産の場合には、フィルムの処置等の点にも多くのコストがかかる上、フィルム材料が再利用できない場合は廃棄せざるを得ず、資源の無駄が発生し、環境問題も懸念される。
【0008】
また、図3に示す方法では、大型薄板材料の表面にフィルムが貼付されるため、高度な表面の清浄状態が保てないという不具合も生じる。
【0009】
この欠点を解消するため、図4に示すように、大型薄板材料3と緩衝材としての額縁状の間隔保持材11とを、交互に積層してその積層物を包装梱包するものも知られている。
【0010】
この方法では、フィルム等の保護膜に係る問題を解消する利点があるものの、額縁部で材料を汚染する点、ガラスなどの破損し易い材料の場合には搬送中に局所的な応力を受けクラックや割れが発生する危険性がある点などの欠点がある。このため、大型薄板材料に、予め余長を付ける必要があり、材料の損失が発生するとともに、再切断の工程が必要となるなど、コスト的な無駄が多い。
【0011】
他方、図5に示すように、厳密な清浄度の管理が求められる場合(例えば数ミクロン以下のゴミ、塵、埃、あるいは搬送中や保管中の湿気などによる結露を許容しない場合)には、非常にコストの高いポリプロピレンなど化学物質で作成された特殊ケース30内に数十ミリ間隔で薄いガラス板31を収納しており、その搬送、輸送コストは非常に高いものとなっている。(例えば特許文献1参照)しかも、特殊ケース30は有機物質で形成されているため、化学物質に汚染されたり、破損したりするなど、利用可能な期間が短い等の欠点に加え、機械的な強度上の問題からなどから、例えば、一辺が2m以上にもなる大型化薄板材料を収納可能なように、ケースを大型化することも難しい。
【0012】
さらに、従来の薄板材料では、要求される寸法は1m×1m以下のものが中心であったが、最近では、ディスプレイの飛躍的な技術革新により、使用される薄板材料の寸法が1m×1mを超え、2m×2mクラスも求められる状況にある。しかも、薄板材料の厚みも2mm、1mm、700μm、400μm、更には、100μm以下の要求も実現化されつつある。
【0013】
一般に、面積が4倍で厚みが半分となると、薄板材料の大半は自重によるたわみが大きくなり、大型薄板材料の搬送中における薄板材料間の間隔も数cmのスペースを確保することが必要となり、搬送容器などの搬送装置内に収容できる枚数を増加させることができず、効率的な搬送が困難となっていた。
【0014】
【特許文献1】
特開平10−310145号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、現在の大型薄板材料の搬送においては、上記のような状況を解決するために、現在多くの提案がなされているが、問題を大きく解決するには至っていない。すなわち、中途半端な方法では、搬送コストのみが安くなっても対策を講じる毎に副資材が必要となったり、特殊な装置を要したり、あるいは工数がかかったり、部分的には最適であっても全体ではプロセスが複雑化したり、コストの高い自動化やロボットシステムが必要となったりして、搬送に係る課題が、大型化や薄板化の技術促進を停滞させているのが現状である。
【0016】
本発明は、上記の種々の問題を解消し、大型薄板材料に対して、清浄度を保持するとともに、一度に搬送できる枚数を増加させ、搬送効率の高い大型薄板材料の搬送装置および搬送方法を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の大型薄板材料の搬送装置は、筐体内に配置された複数の棚の間に大型薄板材料を収容して搬送する大型薄板材料の搬送装置において、
前記棚が、該棚の上面および下面の少なくとも上面に形成された多数の空気噴出孔と、該空気噴出孔に空気を導通する空気流路とを有し、
前記空気流路に空気を送り込むための空気供給手段を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
本発明の大型薄板材料の搬送装置は、棚から噴出する空気により、大型薄板材料を棚の上に浮揚させた状態に保つことが可能となり、棚と大型薄板材料が接触することがないため、常に高い清浄度を維持することができる。しかも、従来のようなフィルム等の保護膜を利用しないため、コスト的に安価で、環境にも優しい搬送が実現できる。
【0019】
さらに、大型薄板材料は、棚から数mm程度の距離に浮揚している状態のため、棚と棚の間隔を10mm以下に近接することも可能となり、一つの搬送装置で、より多くの大型薄板材料を収納でき、搬送効率も格段に向上させることができる。
【0020】
なお、空気供給手段は、必要に応じて、上記筐体を含む搬送装置本体に対して着脱自在とすることも可能である。
【0021】
また、この空気供給手段は、複数の棚のうち、大型薄板材料を筐体から出し入れする棚の空気噴出孔に導通した空気流路にのみ、選択的に空気を送り込むように作動するものとしてもよい。こうすることにより、空気を有効に利用し、大型薄板材料を効率的に浮遊させることができる。
【0022】
前記棚の上面と下面に形成された多数の空気噴出孔の単位面積当りの平均数は、上面の方が下面より多くなるように形成されていることが望ましい。
【0023】
これにより、搬送装置内に収容された大型薄板材料は、下側の棚からの空気による浮揚力と、該浮揚力よりは弱い上側の棚からの空気による押圧力とを受けるため、大型薄板材料の上下方向の位置が安定し、より安全な搬送が可能となる。
【0024】
また、前記各棚の間に収容可能な大型薄板材料を該棚の上面に平行に移動させる移送手段をさらに備えてもよい。
【0025】
移送手段を備えれば、搬送装置内に多数の大型薄板材料を近接して収容する場合でも、搬送装置自体に大型薄板材料を棚の上面に平行に移動させる移送手段を有しているため、搬送装置への大型薄板材料の収納および搬出が、大変容易なものとなる。
【0026】
また、移送手段を備える場合、その移送機構は、筐体を傾斜させる機構、大型薄板材料の周縁部を直接押圧する機構、棚の面の法線方向に対し傾斜して空気を噴出する機構、および前大型薄板材料を電磁力を利用して移動させる機構のうち、いずれか少なくとも一つを有するものとすることができる。
【0027】
これにより、大型薄板材料に非接触または最小限の接触のみにより、大型薄板材料を棚の上面に平行に移動させることが可能となるため、清浄度を維持しながら搬送装置への大型薄板材料の収納および搬出も可能となる。
【0028】
また、上記大型薄板材料の搬送装置において、前記各棚の間に収容された前記大型薄板材料の移動を抑制するための保持手段をさらに備えてもよい。
【0029】
各棚の間に収容された大型薄板材料の移動を抑制するための保持手段を付加することにより、搬送中の大きな衝撃に対してもより安定した搬送が可能となる。
【0030】
なお、必要に応じて、保持機構を収容している大型薄板材料毎に選択的に保持・解除動作を行うように構成することにより、例えば、搬送装置から大型薄板材料を取り出す際に、搬出中の大型薄板材料の保持手段のみを解除することにより、他の大型薄板材料が搬送装置から滑り出るような不測の事態も、防止することができる。
【0031】
また、前記空気供給部材は、圧縮空気を充填した空気ボンベまたは圧縮空気を供給する空気ポンプのいずれかであることが望ましい。
【0032】
搬送装置内に大型薄板材料を収容して搬送を行っている際でも、空気ボンベや空気ポンプのような搬送装置内に組み込み可能な空気供給部材を有していれば、常に適切な空気の噴出を行うことができ、清浄度の維持効果をより高めることができる。
【0033】
また、空気ボンベを利用した場合には、機械的な駆動部材が不要となり構成がシンプルなものとなる他、清浄な空気を充填することで清浄度の維持にも寄与する。
【0034】
空気ポンプを利用する場合は、空気ボンベのように充填空気の減少による噴出空気圧の低下を心配する必要がなく、常に安定した搬送が可能となる。しかも、密閉された搬送装置内の空気のみを、空気ポンプで循環して利用することにより、外部の塵・埃の侵入を防ぎ、清浄度の維持にも寄与する。
【0035】
本発明の大型薄板材料の搬送方法は、上記本発明の大型薄板材料の搬送装置と、該搬送装置に大型薄板材料を出し入れするための補助装置とを用いて、大型薄板材料の搬送装置への収納または搬出を行うことを特徴とするものである。
【0036】
このように、搬送装置に大型薄板材料を出し入れするための補助装置を用いて、人材を介さずに搬送を行うことにより、上述の本発明の大型薄板材料の搬送装置の特徴である、清浄度の高い維持力、高密度な搬送による高い搬送効率などを損なうことがない。
【0037】
上記大型薄板材料の搬送方法において、前記補助装置は、大型薄板材料を該補助装置上で空気を浮揚させる浮揚手段と略水平方向に移送させる移送手段とを備えるものであることが望ましい。これにより、搬送装置本体と同様に、大型薄板材料を浮揚して搬送するため、高い清浄度を維持することが可能となる。
【0038】
なお、浮揚した大型薄板材料の搬送方法としては、前記筐体を傾斜させる、前記大型薄板材料の周縁部を直接押圧する、前記棚の面の法線方向に対して傾斜して空気を噴出する、および前記大型薄板材料を電磁力を利用して移動させる等の水平方向に負荷の係る各種の方法が採用できる。
【0039】
本発明の別の大型薄板材料の搬送方法は、上記本発明の大型薄板材料の搬送装置に、前記大型薄板材料を収容した状態で該搬送装置を移動させる際に、前記空気供給部材を作動させて、常に前記大型薄板材料が前記棚から浮揚した状態に保持することを特徴とするものである。
【0040】
これにより、搬送装置内に収容された大型薄板材料が、装置の搬送中でも常に浮揚した状態に維持されているため、清浄度の維持が図れると共に、機械的な衝撃が大型薄板材料に直接伝わることがなく、破損の危険性も少ない。
【0041】
また、本発明のさらに別の大型薄板材料の搬送方法は、上記本発明の大型薄板材料の搬送装置に、大型薄板材料を収容した状態で該搬送装置を移動させる際に、大型薄板材料と棚との間に緩衝材を介在させ、大型薄板材料をこの緩衝材上に載置して移動させることを特徴とするものである。
【0042】
これにより、空気供給部材の作動不良などにより清浄な圧力の空気が供給されない場合でも、例えば、大型薄板材料の周縁部のみのように、必要最小限の場所に緩衝材を配置しておくことにより、最悪の状態である破損の危険性を回避することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、詳細に説明する。
【0044】
本発明の搬送装置および搬送方法では、搬送装置本体を構成する縦型のコンテナー内に、複数段の棚を設け(例えば高さ2mのコンテナーに100段程度の棚を設ける。)、各々の棚の表面には、空気圧力を利用して材料を浮上させるための空気噴出孔が設ける。この空気噴出孔より所定の圧力を有する空気を送出することにより、大型薄板材料は浮揚する。大型薄板材料を浮遊させる棚についてのみ、空気を送るようにしてもよい。空気噴出孔は、大型薄板材料の比重と面積に比例して適切な径のものを適切な数だけ設ければよいい。例えば、2m×2m×0.5mmのガラス材料の場合に、当該材料の100mm×100mmの範囲を一つの区画とし、棚も同様の範囲を一区画として、この棚の一区画に縦横20mmピッチに合計16ヶの径1mmの孔を設けるとの仮定をおけば、孔から噴出す空気圧pは一義的に決定される。
【0045】
全ての孔径と空気圧が一緒であれば、大型薄板材料は空中の所定の位置に垂直に浮揚し静止する。送風を継続すれば、一定位置に停止して浮揚している。
【0046】
なお、本発明では大型薄板材料の上面には、上側の棚から噴出す空気の圧力が働いているため、該圧力も考慮して、最適な空気圧や、孔の径および数を設定することが望ましい。
【0047】
このように空中に浮揚している状況で、当該棚に勾配を設けると大型薄板材料は重力の影響を受け勾配の低い方に向けて自然に移動を始める。この原理を活用すれば、当該材料は、いずれにも接触することなく、移動方向を制御することが可能となる。また、移動の速度は、勾配の大小により制御することができる。
【0048】
また、勾配を設ける代わりに、移動させたい方向と逆方向から空気を吹き付けることにより、当該材料のいずれにも接触することなく、所定の方向と速度で移動を制御することもできる。
【0049】
さらには、大型薄板材料を移動したい方向の逆から、例えばプッシャーなどにより当該材料の周縁部に対して機械的な負荷を与えることにより、移動方向と速度をより正確に制御できることも可能である。
【0050】
その他、大型薄板材料が金属などの場合には、電磁気的な引力を利用して、移動させることも可能である。
【0051】
次に、先に述べたように、本実施例に係るコンテナーは、高さ2mのコンテナーに、例えば、100段の棚を設け、搬送効率を高めることも目的としている。
【0052】
この結果、棚と棚の間隔は20mm以下にする必要がある。更に、棚を保持する間隔(スパン)は2mにも及ぶために、棚の自重と大型薄板材料の荷重を受けるために、たわみが発生する。このたわみを最小限に抑えるためには、棚の厚みを大きくすることが必要となる。
【0053】
このため、上側の棚の下面と下側の棚の上面とで構成されるスペース、すなわち大型薄板材料を収納あるいは取り出しのために利用可能となるスペースは、僅かなものとなる。
【0054】
このような非常に狭い間隔しか取れない状況で、薄板材料の大型化により撓み量が非常に大きくなるため、大型薄板材料を非接触でかつ表面を正常に保ったままハンドリングすること、即ちコンテナー内に収納したり、取り出したりすることは極めて困難である。
【0055】
本発明はこうした点を十分に考慮して、開発されたものであり、僅かな開口部内を2mもある大きな、撓みやすい大型薄板材料を非接触で通過させることを実現するものである。
【0056】
本発明では、このような大板、薄板の撓み防止のために、収納または取り出し時に全てにおいて、薄板材料に対して非接触を具現化し、当該材料の搬送時に発生する摩擦抵抗を最小にし、傷の発生や汚れを防止するものである具体的には、大型薄板材料に対向する各部材の面に、均等に設置した空気噴出孔を設け、空気を送風して(空気圧力を利用して)、大型薄板材料を空中に浮揚させた後、例えば、当該部材をわずかに傾斜させるか、薄板材料に当てるに空気の方向を変更するなどにより、作業台などのワークに一切接触せずに搬送方向と速度を制御することを可能とするものである。
【0057】
薄板材料の移動方向の制御は、与える傾斜方向又は、空気の方向などで制御可能であり、例えば、移動の速度は与える角度の大小又は、空気の圧力・与える範囲・角度で制御可能である。また、機械力により方向と速度を制御できることは言うまでもないが、機構が複雑となる欠点がある。
【0058】
図1は、本発明の搬送装置に対する搬送システムの全体を示す図である。
【0059】
薄板、大板などの搬送用のコンテナー1の中に、棚2が設けられ、その上に、棚状に薄板、大板などの大型薄板材料3が収納されている。この材料3の収納および取り出し時にはリフター4が使用される。リフター4には、コンテナー1から取り出された材料5がリフター4上で浮揚するように、空気を供給するための多数の噴出孔6(図示せず)が設けられている。このリフター4は、例えばコンテナー1内に上下方向に設けられた100段の各棚2の位置で止まれるように上下動をする。床には、浮揚された材料3を重力によって所定方向に移動させるために棚2に勾配を与えるためと、コンテナー1の正確な位置を決めるための台座7が設けられている。材料3の生産ラインと材料の収納および取り出し用リフター4を接続するため、コンベヤー8が設けられている。
【0060】
図2(a)は、図1に示すコンテナーの"A”部の詳細部を示す。コンテナーの支柱21、コンテナー1内を正常に保つための壁22、大型薄板材料3を収納するための棚23a、上段の棚23bにより、コンテナー1内に材料3を収容する。図2(b)は、コンテナー内の構造寸法を説明するためのものである。棚の厚みをt、上下の棚の間隔をdとする。高さ2mのコンテナー内に100段の棚を設けるとすると、一段当たりの棚の厚みtと材料を取り扱うスペースを設けた場合の間隔Dは、20mm以下にせざるを得ないので、その結果、材料を投入することが可能な間隔dは以下のようになる。
【0061】
d(mm)=2000(mm)/100(枚)−D(mm)=20(mm)−D(mm)
一方、本発明が対象とする薄板でかつ、大きな寸法を有する材料は、支持する支点距離が大きくなると自重による撓みが非常に大きくなる。例えば1ミリの鉄鋼板を2メートルの間隔で支持すると、鋼板は大きく撓み、支持は不可能となる。
【0062】
従って、このような自重による撓みを防止することがまず求められる。
【0063】
この問題解決のために材料の下部即ち棚上部より空気圧力を等分布的に与え、材料の撓み防止を計ると同時に、エアーリフトにより所定位置に、僅か数百ミクロンから数ミリの浮揚高さで、空中に何にも接触すること無しに水平状態に保つことが可能となる。
【0064】
図2(c)は棚23a,23bの上面を、図2(d)はその下面の孔の配置の例を示すものである。
【0065】
なお、上記の原理はコンテナー内に限らず、該材料を収納あるいは取り出し用のリフターでも同様に効果を発揮することは言うまでもない。
【0066】
搬送装置を構成するコンテナー1内には、空気ボンベや空気ポンプなどの空気供給部材を配置し、搬送装置を単独で移動させても常に空気を噴出可能とするように構成することもできる。
【0067】
また、コンテナー1内の空気流路の確保に際しては、配管などをコンパクトに組み込むため、筐体を構成するコンテナーの骨組み部材の内部の空洞などを空気流路として活用することもできる。
【0068】
さらに、大型薄板材料の不要な移動を抑制するため、当該材料の周縁部の一部を機械的に押圧する保持機構をコンテナー内に設けることもできる。また、これらを選択的に駆動させることにより、所定の大型薄板材料のみを移動可能又は固定状態に置くことも可能である。
【0069】
本発明は、基本的には大型薄板材料を浮揚状態に保持することを特徴とするが、搬送中の大きな衝撃にも耐えうるように、合紙などのような緩衝部材等を薄板と棚との間に配置することも可能である。ただし、緩衝部材の配置形状については、薄板材料の清浄度を、可能な範囲で損なわないように配慮することが望ましい。
【0070】
また、棚部材の形状としては、大型薄板材料がある程度撓むことも考慮の上、表面又は下面を当該材料と同様の方向に湾曲した形状とすることも可能である。これにより、収容された大型薄板材料を撓み状態に沿って均等に空気圧力が働き、収容状態における当該材料の位置が安定化するという利点もある。
【0071】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、大型薄板材料を空気で浮遊させるという物理的現象を最大限に利用することにより、複雑な機械装置や無駄となるフィルム、あるいはハンドリングをサポートする治具を必要とすることなく、薄板の大判材料を清浄にかつ、どこにも接触することなくハンドリングできる非常に効果の高い搬送装置および搬送方法を実現するものである。
【0072】
しかも、大型薄板材料の収納や取り出し時に必要となるロボットや、専用の大型のハンドリング装置を不要とすることもできる。
【0073】
また、材料を非接触でハンドリングできるため、品質保持、特に重要とされるミクロン単位の表面の傷発生や汚れを防止することができる。
【0074】
その上、搬送効率は、現在使用されている方法に比して、遥かに大きいため、大幅なコストダウンが可能となり、実用上の利点は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送システムの概略図
【図2】コンテナーの一部の拡大図および棚の表裏面状態を示す図
【図3】フィルム等の保護膜を利用した搬送方法を示す図
【図4】額縁型の緩衝材を利用した搬送方法を示す図
【図5】特定のケースを利用した搬送方法を示す図
【符号の説明】
1 コンテナー
2、23a 棚
3、5、24 大型薄板材料
4 リフター
6 噴出孔
7 台座
8 コンベア−
10 合紙
11 間隔保持材
21 コンテナーの支柱
22 コンテナー内を正常に保つための壁
23b 上段の棚
Claims (11)
- 筐体内に配置された複数の棚の間に大型薄板材料を収容して搬送する大型薄板材料の搬送装置において、
前記棚に勾配を与えるための台座が前記筐体の下側に設けられ、
前記棚が、該棚の上面および下面の少なくとも前記上面に形成された多数の空気噴出孔と、該空気噴出孔に空気を導通する空気流路とを有し、
前記空気流路に空気を送り込むための空気供給手段を備えたことを特徴とする大型薄板材料の搬送装置。 - 前記空気供給手段が、前記複数の棚のうち、前記大型薄板材料を前記筐体から出し入れする棚の空気噴出孔に導通した前記空気流路にのみ、選択的に空気を送り込むように作動するものであることを特徴とする請求項1記載の大型薄板材料の搬送装置。
- 前記多数の空気噴出孔が、前記棚の上面と下面に形成されており、該空気噴出孔の単位面積当りの平均数が、前記上面の方が前記下面より多くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の大型薄板材料の搬送装置。
- 前記各棚の間に収容可能な大型薄板材料を該棚の上面に平行に移動させる移送手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3記載の大型薄板材料の搬送装置。
- 前記移送手段が、前記筐体を傾斜させる機構、前記大型薄板材料の周縁部を直接押圧する機構、前記棚の面の法線方向に対して傾斜して空気を噴出する機構、および前記大型薄板材料を電磁力を利用して移動させる機構のうち、いずれか少なくとも一つを有するものであることを特徴とする請求項4記載の大型薄板材料の搬送装置。
- 前記各棚の間に収容された前記大型薄板材料の移動を抑制するための保持手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の大型薄板材料の搬送装置。
- 前記空気供給手段が、圧縮空気を充填した空気ボンベまたは圧縮空気を供給する空気ポンプのいずれかであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の大型薄板材料の搬送装置。
- 請求項1から7のいずれかに記載の大型薄板材料の搬送装置と、該搬送装置に前記大型薄板材料を出し入れするための補助装置とを用いて、前記大型薄板材料の前記搬送装置への収納または搬出を行うことを特徴とする大型薄板材料の搬送方法。
- 前記補助装置が、前記大型薄板材料を該補助装置上で空気を浮揚させる浮揚手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の大型薄板材料の搬送方法。
- 請求項1から7のいずれかに記載の大型薄板材料の搬送装置に、前記大型薄板材料を収容した状態で該搬送装置を移動させる際に、前記空気供給部材を作動させて、常に前記大型薄板材料が前記棚から浮揚した状態に保持することを特徴とする大型薄板材料の搬送方法。
- 請求項1から7のいずれかに記載の大型薄板材料の搬送装置に、前記大型薄板材料を収容した状態で該搬送装置を移動させる際に、前記大型薄板材料と前記棚との間に緩衝材を介在させ、前記大型薄板材料を該緩衝材上に載置して移動させることを特徴とする大型薄板材料の搬送方法。
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