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JP4292082B2 - ケミカルセルロースパルプの連続蒸煮方法 - Google Patents
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ケミカルセルロースパルプの連続蒸煮方法 Download PDF

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Description

本発明は請求項1によるケミカルセルロースパルプの連続蒸煮方法に関する。
セルロースパルプの連続蒸煮に関連して、種々の仕方で増大した収量を得る且つパルプの品質を改良するために幾つかの方法が開発されている。これらの方法の多くは蒸解機(ダイジェスター)中のアルカリ濃度を調節する種々の仕方に焦点を向けてこれによって脱リグニン処理に影響を及ぼす。均一な品質を達成するには、蒸解機の横断面に亘ってアルカリ分布が出来るだけ均一に保持されるのが多大の重要性を有することは確立されている。
蒸解機における蒸煮中にアルカリを調節する種々の提案が蒸煮中のアルカリ分布を均等にする目的で用いられている。例えば、蒸煮液の或る量を蒸解機から抜出し且つアルカリを調節した後に蒸解機に返送する調節循環を用いるか又は抜出され且つ蒸解機に返送される蒸煮液の全部又は一部を希釈液で置換する調節循環を用いることができ、該調節循環の若干は先ず第一に溶解した有機材料即ちDOMと呼ばれる材料の低減を生じ、DOMは主としてヘミセルロース及びリグニンよりなるがセルロース及び木材チップからの別の抽出物質をも含有する。然しながら、幾つかの位置で蒸煮液を抜出し且つ次いで抜出した蒸煮液を別の液体で置換すると収量の減少を生ずる。何故ならば抜出した蒸煮液と一緒に繊維残渣及びヘミセルロースが失われるからである。
アルカリを幾つかの別個の添加物として分割することを伴なうMCC技術、即ち改質した連続蒸煮が1980年代に開発された。この技術によって蒸煮中のアルカリ分布を或る程度まで均等にすることができる。
パルプの品質を改良する別の方法はITC技術即ち等温蒸煮技術の形で開発され、その際蒸煮温度及びアルカリ濃度を従来技術に関して低下させ且つ蒸煮全体中一定の値に保持する。
尚更に蒸煮中のアルカリ分布を均等にする目的で、新規な独創技術は予備含浸容器及び蒸解機の蒸煮帯域できわめて高い液体/木材比を用いるものである。この技術はKvaerner Pulping社によって開発された緻密蒸煮(Compact Cooking;登録商標)の概念における原理の1つを構成する。これによって、有効な中和処理に必要とされるアルカリの量はそれにも拘わらず蒸煮液に存在するのと同時に蒸煮液中のアルカリ濃度を低減させ得る。
収量を増大させる1つの方法は蒸煮中にポリスルフィドを添加するものであるが、ポリスルフィドの特性はパルプに収量増大効果が得られる前に高い蒸煮温度によって或る程度までポリスルフィドが熱分解されることである。
スウェーデン特許第100982−8号は蒸煮の工程に亘って収量を増大することを目的とするシステムを開示している。高い液体/木材比が蒸煮の開始時に確立されるように、但しこの比率は次いで蒸煮過程中に徐々に低減するけれども、下方にある蒸煮帯域から第1の蒸煮帯域に蒸煮液を返送するシステムによって、本発明によるシステムは、典型例では蒸煮液中で24 g/lから6 g/lに変化するアルカリ濃度が蒸煮中により少ない程度に変化するのを確保することができるが;主要な課題は蒸煮の開始時に高濃度のアルカリなしで済ますことができることである。これは、蒸煮の中間段階で多量の白液/アルカリを添加する必要なしに達成され、しかもこれと関連してパルプカラムの全体に亘って白液の均一な装填を確立する強力な循環を導入する必要なしに達成される。
米国特許第5,547,012号(米国特許第5,489,363号のCIP)は、強度特性及び漂白適性に関してパルプの品質を改良する方法であって実効アルカリ(EA)の消費低減及び蒸煮中のH因子の低減を達成する方法を明記している。これは蒸煮液中のDOMと呼ばれる溶解有機物質の全量を低減することにより達成され、その際DOMは主としてヘミセルロース及びリグニンよりなるがセルロース及び木材チップからの他の抽出物質も含有する。該米国特許によると、蒸解機の抜出し循環からのDOM富化蒸煮液を、DOMを何ら含有しないか又はDOM含量の低い蒸煮液で置換する手段により、蒸煮の全体に亘って100 g/l(好ましくは50 g/l以下)を超えないように溶解有機物質の含量を調節すべきである。同時に該米国特許はリグニン含量が50 g/l以下(好ましくは約25 g/l)でありヘミセルロース含量が15 g/l以下(好ましくは約10 g/l)であるのが特に望ましいことを明記している。DOM無含有又はDOM貧化蒸煮液は、水、主にDOM無含有の白液、洗浄濾液、蒸解機の洗浄帯域からの濾液即ちコールドブロー濾液と呼ばれる濾液又はこれらの組合せよりなり得る。該米国特許はDOM貧化液が圧力/加熱処理した黒液よりなり得ると明記している。170〜350℃の温度で、好ましくは約240℃で但し蒸煮温度よりも少なくとも20℃高い温度で5〜90分間好ましくは30〜60分間加圧下に黒液を維持することに在る処理によって、黒液中のDOMが不動態化され、低活性のDOMと呼ばれる黒液を生成し、該処理の若干は改良した品質(増大した漂白適性は別として)のパルプを生成すると言われる。
前記方法の欠点は収量の減損を明らかに生ずることである。何故ならば除去されるか又は不動態化されるDOMは溶解したヘミセルロースとセルロースとの両方を含有するからである。本発明においては、溶解したヘミセルロースはパルプの強度特性に多大のマイナス作用を及ぼすと推量されると記載されしかも除去又は不動態化されるDOMの結果は強度特性が認め得る程に改良されることであると記載される。
欧州特許公開EP−A−313730号はカルシウム沈澱物の問題を低減する目的で蒸煮液の別の外部処理を開示している。この方法は蒸煮液を蒸解機の外部で加熱することを必要とし、その際加熱は、迅速に終了する沈澱過程を開する。加熱は少なくとも300°F(大体148℃)の温度でなければならず、314〜320°F(大体156〜160℃)への加熱さえ推奨される。314〜320°Fへの加熱は大体75%だけ沈澱の問題を解消する。
国際特許WO 0011261号はパルプの叩解適性を改良するのと同時に連続蒸煮における収量増大方法を提示する。該方法の目的は、硬材中の主要なヘミセルロースでありまた軟材中の実質的な割合のヘミセルロースを表わすキシランを返送することである。該方法は、含浸からの抜出したヘミセルロース富化液を蒸解機中の最後の蒸煮帯域に返送してこの様にしてこの終結蒸煮段階中にキシランを繊維上に沈澱させ得ることを特徴とする。この返送は直接行ない即ち抜出した液は実質的な滞留時間を伴なう何れかの形式の処理を受けることなく返送を行なう。比較的緩慢な沈澱行程が操業中に得しかも意図した収量の増大を得る時間があるのを確保するように、終結蒸煮段階でキシラン富化液の滞留時間を典型的には約60分間長く保持するのがこの方法ではきわめて重要である。この場合には時間はきわめて重要なパラメーターである。何故ならば、沈澱は当初きわめて遅い速度で行なわれるが、次後に速度が加速するからである。この型式のキシラン沈澱を用いて収率を2〜5%だけ増大させ得る。
前記の解決策はパルプ中の夾雑物(shives)の含量を増大させてしまうという欠点を受けることが見出された。この問題はチップ材が含浸からのヘミセルロース富化液をたまたま伴なうならば生ずる。その結果として、これらのチップ材の蒸煮条件下での滞留時間が余りにも短くてチップ材が十分に脱リグニン化される時間を有することができない。
スウェーデン特許第225253号(Venemark, 1968)はクラフトパルプを高温で即ち大体100℃で長時間即ち大体2時間アルカリ性(pH 11.5)又は酸性(pH 2.25)水溶液の何れかで処理することにより漂白したパルプの色逆転を成功裡に防止することを示した。パルプは漂白順序の適当な位置で処理される。ベネマルクはパルプ中の残留リグニンの含量及びカルボキシルの含量を含めて色逆転の幾つかの原因を挙げている。然しながら、これらの物質を除去する細心の漂白後にも問題は尚残る。これは色の逆転が、通常用いる漂白条件下に慣用の漂白剤を用いてきわめて緩慢にのみ攻撃されるに過ぎない未知性質の少量の別物質によって生起されるというベネマルクの推測の理由である。
より最近では、色の逆転はパルプ中のヘキセンウロン酸即ちhex−Aによって生起される旨の理論が提出されている。蒸煮行程中に、ヘキセンウロン酸はキシラン中の4−O−メチルグルクロン酸基の若干により形成され、該酸基は4−デオキシ−4−ヘキセンウロン基に転化される。
1962年にワシントンで木材化学のシンポジウムで提示された論文「或る硬材4−O−メチル−D−グルクロノキシランのアルカリ分解」においてD.W. Claytonは置換基を含有しない直線キシランを製造する目的でキシランからグルクラノシル基を除去する試みを説明した。3種の代表的な4−O−メチル−D−グルクラノキシランを170℃でアルカリ含有水で処理することにより、グルクラノシル基はキシランから除去されることを証明できた。60分の処理後にはコン跡量のグルクラノシル基を証明し得たけれども90分後にはこれらの基は完全に除去された。該論文においてクレイトンは、この行程を行なう速度に温度は重大な影響を有し、該行程は170℃で迅速であることを確認した従来の研究を記載している。然しながら、実験により、クレイトンはグルクラノシル基が従来記載されていたよりもずっと遅く除去されることを示すことができた。
スウェーデン特許第0100982−8号 米国特許第5,547,012号 欧州特許公開第313730号 国際特許第0011261号 スウェーデン特許第225253号 論文「或る硬材4−O−メチル−D−グルクロノキシランのアルカリ分解」木材化学のシンポジウム、ワシントンDC. D.W. Clayton(1962)
本発明の主たる目的は、蒸解機内の収量が増大するのと同時に引裂強度、叩解適性、漂白適性及び低下した色の逆転に関して品質が改良されたパルプを提供する、セルロースパルプの連続蒸煮方法を提供するものである。
本法の別の目的はNaOHの如き蒸煮薬剤の消費かつまたポリスルフィドの消耗を低減させることからなり、しかも蒸解行程中のH因子を低下させるものである。
本発明の方法は、蒸気相型と水圧型との両方の蒸解機(digester)において且つ含浸液と蒸煮液との両方において単一容器の蒸解機システム及び2個容器の蒸解機システムの両方で用い得る。好ましい実施形式においては、本法は、全ての抜出し液特にヘミセルロース富化含浸液はこれを次後の蒸煮帯域に返送する前に蒸解機外部で滞留時間を与えるように用いられる。蒸解機システムにおける全てのスクリーン(篩)部分はこれらのヘミセルロース富化含浸液の抜出し位置を構成でき、こうして含浸容器及び頂部分離器におけるスクリーン及び蒸解機の下流側にある洗浄装置中のスクリーンも包含される。
含浸液に応用される時、含浸液を次後の蒸煮帯域におけるのと同じ温度に加熱し得るという点で、本法は蒸煮液への応用に関して異なる。含浸液はそれが緩衝剤タンクに進行する前に蒸煮温度に加熱するのが好ましい。
本発明の別の特徴及び観点及び利点は次後の請求項及び次の詳細な記載から明らかである。
添付図面を参照するに、図1aは単一容器の蒸煮システムにおいて含浸液への応用を示す図解図であり、
図1bは2個容器の蒸煮システムの移送部分における含浸液への応用を示す図解図であり、
図1cは2個容器の蒸煮システムの移送部分における含浸液への別の応用を示す図解図であり、
図2は、蒸煮液への応用を示す図解図である。
含浸液への本発明の応用
図1a及び1bは本発明が如何にヘミセルロース富化含浸液に応用し得るかを示している。本発明は単一容器及び2個容器の蒸煮システムの両方に適当であり、その際図1a及び図1bにそれぞれ示す如く含浸液はシステムに応じて種々の位置から抜出すことができしかも蒸煮システム外部で滞留時間が与えられて次後にこの同じシステムに返送される。
図1aによる単一容器の蒸煮システムにおいては、チップ材を蒸解機6の頂部にある第1の帯域1で含浸させ、含浸液Qimpをこの帯域直後の第1のスクリーン部分2で抜出す。次後の第1の蒸煮帯域3において、処理温度は含浸帯域1におけるよりも10〜40℃高い。慣用の蒸解機において、温度は、加速した外部循環でスチームの助けにより熱交換器4中で処理液を加熱することにより両帯域間で昇温させる。本発明の方法においては、含浸液を添加しようとする蒸煮帯域の温度Tcookに主に対応する温度に、抜出した後の含浸液Qimpを加熱するのがそれ故都合良い。含浸液に緩衝剤タンク(buffer tank)5の滞留時間tが与えられる前にこの加熱を行なうのが特に都合良い。何故ならばこれによってより良いH因子が得られ、その結果として含浸液Qimpにより短かい滞留時間tが得られるからである。この期間中に含浸液Qimpは緩衝剤タンク5に保持され、含浸中に溶解されたキシランからhex−Aは脱離する。次いで含浸液Qimpを蒸解機システムに返送する時は、パルプ中のhex−Aの含量が減少するのと同時にキシランはパルプ中に再沈澱させ得る。この処理によって収量が増大し且つパルプの品質が引裂強度、叩解適性、漂白適性及び低下した色の逆転に関して改良されるという事実により幾つかの効果を有する。所望の効果を得るためには、含浸液Qimpを次後の蒸煮帯域3に返送する前に滞留時間tは30〜120分、好ましくは45〜90分、好ましくは少なくとも90分である。緩衝剤タンク5中の滞留時間t後に、含浸液Qimpはこれを抜出したのと主に同じ位置である処にしかもスクリーン2直前よりも遠くに返送する。「主に同じ位置」とは、含浸液を添加する位置と含浸液を抜出す位置との間の高さの差異が、当該位置が抜出しの高さに達する前にチップカラム中の液体についてせいぜい5〜10分の滞留時間t1に相当するような位置で含浸液を、沈下するチップのカラムに添加することを意味すると理解される。
図1bに示される2個容器の蒸煮システムに応用する時は、含浸容器7中の含浸帯域1と蒸解機の頂部8との間で、含浸されたチップ材と含浸液Qimpと輸送液Qtransとよりなる移送循環物9aから含浸液Qimpを抜出すという事実は別として、操作方法は単一容器の蒸煮システムについての操作方法と同様であり;然しながら含浸液Qimpは含浸容器7の底部のスクリーン部分(図示せず)で抜出し得る。移送循環物9aにおける全ての返送液9bは緩衝剤タンク5に導通されると図1bは示しているけれども、移送循環物9a中の返送液9bの成分量のみが緩衝剤タンク5にまた導通され得る。熱交換器4における場合によっては加熱及び緩衝剤タンク5における保持時間後に、含浸液Qimpはこれを抜出す位置と主に同じ位置に在る処で添加され、これによって添加位置と抜出位置との間の移送部分でチップ材について5〜10分の最大滞留時間t1が得られ、これは含浸されたチップ材を給送する位置で又は輸送液Qtransの一部として次後の高圧フィーダー(図示せず)で含浸容器7の底部に戻して含浸液Qimpを導通することができることにより達成される。この様にして、緩衝剤タンク5からの含浸液はチップ材を蒸解機6に連行する液体の一部を構成する。この手法を用いる時、既に滞留時間を有した含浸液Qimpの或る一部は再び緩衝剤タンク5に抜出すようになることができ、これによって再びこのループで再循環させ得る。
別法として、図1cによると、含浸液Qimpは、熱交換器4における場合によっては加熱及び緩衝剤タンク5での滞留時間後に、蒸解機の頂部8に導通でき、含浸液の若干はスチーム相/液相蒸解機において、含浸液Qimpは頂部分離器8の直下の位置に又は本出願人の米国特許第6,214,171B1号による倒立した頂部分離器の上部に導通されてこれによってチップ材を蒸解機6中に連行することを意味する。次いで含浸液Qimpは次後の蒸煮帯域3で蒸煮液を直接構成するようになる。必要ならば、温度調節の目的で直接スチームQsteamを慣用の要領で蒸解機の頂部8に添加し得る。
本発明の方法は水圧蒸解機で用いることができ、その際移送循環物からの含浸液の抜出しは、前記した手法に沿って次後に取扱うため、蒸解機の頂部で又は含浸容器の底部で慣用のスクリーン部分で実施し得る。
尚別の変更例によると、本発明は国際特許WO 001261号による方法に応用でき、該方法では蒸煮の最終段階でキシランを沈澱させる最終の蒸煮帯域にヘミセルロース富化含浸液を運搬する。前述した如く、これはパルプ中に夾雑物を伴なう問題を生じ、該問題は含浸液を伴なうチップ片に脱リグニンのため十分な時間が与えられなかった時に生ずる。本発明をこの含浸液に応用するとこの問題を是正する方法を提供する。存在し得る何れかのチップ片と一緒に含浸液に、それを蒸解機に返送する前に30〜120分、好ましくは45〜90分の最低滞留時間即ち含浸液を抜出す位置と含浸液を返送する位置との間でチップ材についての滞留時間に相当する時間を提供するならば、またチップ片の実質的な脱リグニンを与えるものであり、これによって夾雑物の危険を解消するものである。
蒸煮液への本発明の応用
好ましい具体例においては、本発明は図2により種々の蒸煮帯域3、12及び13の間にあるスクリーン部分10及び11で蒸煮液の全ての抜出しに好ましくは応用されるけれども、本発明はまた個々の抜出しに応用でき、それにも拘わらず本発明の目的を満たす。特に本発明を最終の向流式蒸煮帯域に応用した時、きわめて良好な結果が得られた。
好ましい具体例においては、本法は、抜出し温度を滞留時間t中は100℃以下に下降させることなく、しかも温度が5℃以上だけ最大蒸煮温度Tcookを越えないように温度を好ましくは主に保持しながら、抜出した蒸煮液Qcookに蒸解機システム外で30分〜120分の滞留時間tを与えるように、応用される。これは、概して蒸煮液(又は前述の如く含浸液)が何ら外部からの加熱なしに抜出されしかも必要ならば精々5℃の或る発熱性の加熱をそれ自体与えてしまう或る薬剤を添加し得ることを意味すると理解される。
蒸解機からの抜出し温度が140℃に等しいか又はそれより高いならば、抜出し液は加熱されない。含浸液について前記したのに従って、抜出した蒸煮液は抜出し位置と主に同じ位置である処に返送すべきであり、添加位置と抜出し位置との間のチップカラムに5〜10分の最大滞留時間t1が得られる。
滞留時間tが与えられる処理した液体Qimp+Qcookの量は、希釈因子を除外して回収のため蒸煮区画システムからの全抜出し流量の少なくとも50〜100%に相当し、好ましくは60%以上、更により好ましくは70%以上に相当する。最低限として、抜出した処理液Qimp+Qcookの少なくとも20%を各々のループで緩衝剤タンク5に導通すべきである。
当該保持温度Tretentionに応じて、滞留時間tは変化し、その若干はH因子と呼ばれるものによって調節される。緩衝剤タンク5中の保持温度Tretentionが低下する時に同じ効果を得るためには、保持時間を増大させるのが好ましい。確立された蒸解機の実施によると、約10℃だけ蒸煮温度が低下すると蒸煮時間の程度を2倍にすることが必要であることをもたらす。従って長い滞留時間を不必要に強制されないためには、滞留時間中に抜出し液の温度を保持することが重要であるが、余りにも高い温度はキシランを分解しそれ故回避しなければならないことを留意すべきである。
本発明の変更例においては、この滞留時間tの効果を増大する目的で種々の添加Qaddを緩衝剤タンクに行い得る(図2参照)。これらの添加Qaddは例えば白液、緑液、黒液、セルロース誘導体例えばCMC(カルボキシメチルセルロース)、有機スルフィド例えば二硫化炭素、メルカプチド類等、AQ(アントラキノン)誘導体等よりなり得る。例えば原料として硬材を用いる蒸解機システムからのヘミセルロースを高含量で含有する抜出し液は、また軟材が原料を構成する平行生産ラインで添加物として用い得る。これらの添加物Qaddを添加でき、しかもその場合に、場合によっては蒸煮区画システムでの次後の処理段階前のアルカリ含量を調節するために、緩衝剤タンク5後に先ず第1に白液、緑液又は黒液を添加し得る。
本発明は、倒立した頂部分離器並びに下方に給送する頂部分離器と共に及び頂部分離器のない型式と共にスチーム相蒸解機と水圧蒸解機との両方に応用でき、しかも亜硫酸法とクラフトパルプ法との両方によりセルロースパルプを製造する時に用い得る。同様に、硬材、軟材、一年生の植物(バガス又はアシ カナリーくさよし種等の)等はセルロース原料を構成し得る。本発明の効果はキシランに富む硬材を原料として用い得る時に最も明らかである。
本発明は繊維上に再沈澱されるヘミセルロースにおけるhex−A/キシラン比を低下させる。何故ならば本法はキシラン連鎖からhex−Aを脱離するからである。hex−Aを脱離するとキシランの蒸煮液中への溶解度を低下させ、これによってhex−Aが抜出し液中に溶解して残留するのと同時に、パルプ中にキシランを再沈澱するのをより容易とさせる。パルプ中のhex−Aの含量が低いと色の逆転を低下させるのに寄与する。
本発明はまた単一容器の蒸解機システムと2個容器の蒸解機システムとの両方に用いることができ、しかも全ての抜出し物に又は個々の含浸帯域及び蒸煮帯域からの抜出し物に応用できる。単一容器の蒸解機システムにおいては、本発明は例えば蒸解行程の中間部分で用いることができ、その際この中間部分に先立って含浸帯域又は少なくとも1個の別型式の蒸煮帯域があり及び/又は別型式の蒸煮帯域又は洗浄帯域を最後に有する。
抜出した処理液の温度を緩衝剤タンクで保持するためには、再循環されなかった処理液の残留量を都合良くは用いることができ、これによって間接的な熱交換により別の熱源例えばスチームの必要性を最小とさせる。
改良したパルプ品質と増大した収量との前記した目的を達成するのに加えて、本法は回収側における装填量(loading)の低下を生起し、さもなければヘミセルロース及び他の溶解した有機材料は装填量を増大させる。回収側における高い装填量は所望の生産増大を実施できない理由であることが多い。
単一容器での蒸煮システムで含浸液への応用を示す本発明の図解図である。 2個容器での蒸煮システムの移送部分で含浸液への応用を示す本発明の図解図である。 2個容器での蒸煮システムの移送部分で含浸液への別の応用を示す本発明の図解図である。 蒸解機における蒸煮液への応用を示す本発明の図解図である。
符号の説明
1. 第1の含浸帯域
2. 第1のスクリーン部分
3. 第1の蒸煮帯域
5. 緩衝剤タンク
6. 蒸解機
7. 含浸容器
8. 頂部分離器
10、11. スクリーン部分
12、13. 蒸煮帯域

Claims (8)

  1. 向上したパルプ品質及び/又は増大した収量を有するケミカルパルプの連続蒸煮方法であって、蒸解機システムはチップ材と処理液との混合物を供給する入口を含有する、セルロース含浸及び蒸煮用の少なくとも1個の容器よりなり、その際チップ材は先ず既定の含浸温度Timpで含浸されついで含浸帯域におけるよりも10〜40℃高い蒸煮帯域での既定の蒸煮温度Tcookで蒸煮され、その後に蒸解機システムで溶解したパルプは蒸解機システムの出口から送出し、
    (イ)処理液の多数、n、の抽出は、蒸解機システムの入口と出口との間の相異なる位置で行ない、その際第1の抽出は蒸解機システムで最初に設けられ、nは少なくとも1であり、
    (ロ)チップ材は蒸解機システム内の多数回(n+1)、の処理帯域を通過し、その際第1の処理帯域は蒸解機システムの最初に設けられ、前記の抽出は処理帯域間で行ない、
    (ハ)処理帯域におけるチップ材の滞留時間は10〜120分の期間であり、その際チップ材は少なくとも60分間既定の蒸煮温度Tcookで蒸煮する、ケミカルパルプの連続蒸煮方法において、前記の抽出nの何れか1つから連続的に出される処理液は140℃以上に何ら加熱することなく少なくとも30分間の滞留時間t中は蒸解機システムの外側の位置に少なくとも一部は保持され、これによって、ヘキセンウロン酸は処理液に溶解したヘミセルロース中のキシラン連鎖から脱離し、しかる後に処理液は抜出しの高さに達する前にチップカラム中の液体についてせいぜい5〜10分の滞留時間t 1 に相当する位置で又は抜出しの下流側にある位置で蒸解機システムに返送され、これによってキシランがパルプに再沈澱される次後の処理帯域で処理液の一部を構成することを特徴とする、ケミカルパルプの連続蒸煮方法。
  2. 処理液が蒸解機システムの外側の位置に滞留する滞留時間tは45〜90分の間であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 処理液を蒸解機システムに返送するとき、処理液はTmin−Tmax(但しTmin=100℃、Tmax=140℃)の間隔にある温度Treturnであることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 滞留時間t後に蒸解機システムに返送される処理液の一部は、抜出される処理液の少なくとも20%を構成することを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 滞留時間t後に蒸解機システムに返送される処理液の全量は、回収のため蒸解機システムからの全抜出し量の少なくとも50%を構成することを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 蒸解機システムの外部で保持される処理液に白液、緑液、黒液、セルロース誘導体又はアントラキノンの少なくとも1回の添加を行なうことを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 処理液への滞留時間の作用を増大するため、抜出した処理液に蒸解機システム外部の滞留時間を与える前に、抜出した処理液に少なくとも白液、緑液、黒液、セルロース誘導体又はアントラキノンの添加を行なうことを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 添加は白液、緑液、黒液、セルロース誘導体、有機スルフィド、メルカプチド又はアントラキノン誘導体よりなり得ることを特徴とする請求項7記載の方法。
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