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JP4293100B2 - ハンダ塗布装置およびハンダ塗布方法 - Google Patents
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JP4293100B2 - ハンダ塗布装置およびハンダ塗布方法 - Google Patents

ハンダ塗布装置およびハンダ塗布方法 Download PDF

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本発明は,金属部材同士をハンダ付けあるいはロウ付けによって接合するためのハンダ塗布装置およびハンダ塗布方法に関する。さらに詳細には,アルミ合金製の部材の接合面にハンダを塗布するハンダ塗布装置およびハンダ塗布方法に関するものである。
アルミ合金製の金属部材では,その表面に酸化アルミニウムの強固な不動態皮膜が形成されるため,そのままでは一般的なハンダ付けは難しい。それに対して従来より,超音波振動を利用したハンダ塗布方法が考案されている。この技術では,溶融ハンダ中に浅く振動板を浸漬させるか,振動板で溶融ハンダをすくうかして,振動板上に薄く溶融ハンダが載った状態とする。そして,その上にアルミ合金部材の接合面を載せて,振動板を超音波ホーン等によって振動させるのである。このようにすれば,振動板の振動によりハンダ液にキャビテーションを起こして酸化膜を破壊し,接合面にハンダ材を塗布することができる。なお,本明細書では,特に必要がない限り,ハンダとロウ(鑞)とを区別せず両者を含めてハンダと称する。
このような,アルミ合金部材の接合方法では,より適切なハンダ層を接合面に形成するための種々の考案がなされている(例えば,特許文献1参照。)。この文献に記載の方法では,振動板のうち接合面の中央部に当接する位置に突起を形成している。これによって,接合面の中央部が他の部分より侵食されるので,その部分にハンダを溜めることができ,接合強度が向上されているというものである。
特開2001−225163号公報(第3−4頁,第4図)
しかしながら,前記した従来のハンダ塗布方法では,接合される部材の接合面の中央部に侵食による窪みができる。従って,確実にハンダ材を溜めることができる一方で,接合面同士の間に隙間ができることとなる。そのため,その部分では接合荷重を与えても高い面圧が得られないおそれがあった。またその場合には,十分な接合強度を得られないという問題点があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,接合面全体に適切にハンダ材が塗布され,高い接合強度を得ることのできるハンダ塗布装置およびハンダ塗布方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のハンダ塗布装置は,対象物の対象面にハンダ層を形成するハンダ塗布装置であって,溶融ハンダを収容する浴槽と,浴槽内のハンダを加熱する加熱装置と,浴槽内の溶融ハンダに部分的に浸るとともに,溶融ハンダに浸っている部分が対象物の対象面と対面する振動部材と,振動部材を振動させる振動装置と,振動部材と対象物とを相対的に移動させる移動装置とを有し,移動装置は,移動の方向を,振動部材のうち溶融ハンダに浸っている部分の板面と平行な面内で,少なくとも2方向に反復的に変更することにより,前記振動部材と対象物とを相対的に三角波形状または方形波形状の経路を描くように移動させるものである。
本発明のハンダ塗布装置によれば,浴槽内に溶融ハンダが収容され,振動部材は,その溶融ハンダに浸っている部分が対象物の対象面と対面される。このようにして,振動部材が振動装置によって振動されるので,振動部材と対象物の対象面との間の溶融ハンダにキ
ャビテーションを起こして,対象面の酸化膜を破壊する。従って,対象物がアルミ合金部材であっても,その対象面にハンダを塗布することができる。さらに,移動装置を有するので,振動部材と対象物とを相対的に移動させることができる。このようにすれば,振動部材の振動が定常波的なものであっても,互いの対面部位が移動することから対象面全体にほぼ均一にハンダを塗布することができる。さらに,例えば,振動部材のうち対象物に対面する部分は板状であって,振動部材の板面と対象物の対象面とがともに溶融ハンダの液面に平行に配置されていれば,対象物を固定した状態として振動部材を板面と平行な面内で移動すればよい。特に,この移動の方向を,その面内で少なくとも2方向に反復的に変更することにより,振動部材と対象物とを相対的に三角波形状または方形波形状に移動させることが好ましい。このようにすれば,対象物と振動部材との距離を変化させることなく,相対的に対面する部位を移動させることができる。さらに,定常波の節目部のみが対面する部位をなくすことができる。従って,接合面全体に適切にハンダ材が塗布され,高い接合強度を得ることのできるハンダ塗布装置となっている。
また,本発明のハンダ塗布方法は,対象物の対象面にハンダ層を形成するハンダ塗布方法であって,溶融ハンダ内で対象物の対象面と振動部材とを対面させ,振動部材を振動させつつ,振動部材と対象物とを相対的に,振動部材のうち溶融ハンダに浸っている部分の板面と平行な面内で,移動の方向を少なくとも2方向に反復的に変更しつつ三角波形状または方形波形状の経路を描くように移動させるものである。
本発明のハンダ塗布方法によれば,振動部材の振動状態が定常的なものであっても,対象物の対象面と振動部材との対面位置が相対的に移動するので,接合面全体に適切にハンダ材が塗布され,高い接合強度を得ることができる。さらに,その移動の方向を少なくとも2方向に反復的に変更しつつ三角波形状または方形波形状に移動させれば,接合面全体にほぼ均一にハンダ材が塗布される。
本発明のハンダ塗布装置およびハンダ塗布方法によれば,接合面全体に適切にハンダ材が塗布され,高い接合強度を得ることができる。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,アルミ合金等の金属部材を接合するために,その接合面にハンダを塗布するハンダ塗布装置に本発明の接合方法を適用したものである。
本形態のハンダ塗布装置1は,図1に示すように,ハンダ溶融槽11と,そのハンダ溶融槽11内を高温に保つためのヒータ12とを備えている。ハンダ溶融槽11の槽内には,ハンダ13が収容される。また,振動板14は,階段状に曲げられたSUS等の金属板であり,その下段部がハンダ13のごく浅い位置に浸漬される。振動板14の上段部には,超音波発振器15に接続された超音波ホーン16が取り付けられている。
さらに,図1と図2に示すように,超音波ホーン16の上端部はロボットハンド17によって把持されている。ロボットハンド17と超音波ホーン16との間には,緩衝材18が挟み込まれ,振動板の固有振動数が一定となるようにされている。ロボットハンド17は,一般的な産業用ロボット30に取り付けられ,3次元的に移動させることができる。
このハンダ塗布装置1によってハンダを塗布されるワーク21は,アルミ合金部材等の金属部材である。ワーク21は,図1に示すように,ハンダを塗布する接合面をハンダ13中にごく浅く浸漬した状態で水平に保持される。さらに言えば,ワーク21の接合面は,振動板14の下段部の上側で,振動板14の下段部上面にごく近接した深さ位置に配置される。図1では,2つのワーク21が,2本のワーク固定棒22によってともに貫通されて,それらの接合面が水平に保持されている例を示している。ワーク21がアルミ合金部材である場合には,ハンダ13としては亜鉛アルミ系または亜鉛アルミ銅系のハンダを用いることが好ましい。
このハンダ塗布装置1では,超音波発振器15を駆動して超音波ホーン16を振動させることにより,振動板14全体を振動させることができる。振動板14の各部での振動の様子を解析したところ,図3に示すように,格子状に振幅の大きい山谷部(図中黒丸)が配置される定常波振動となることが分かった。さらに,それらの間には,振幅のごく小さい節目部(図中白丸)が配置される。例えば,図3のA−A断面では,図4に示すように,5箇所の山谷部(P1〜P5)と4箇所の節目部(Q1〜Q4)ができている。なお,図3に示したのは,振動板14の振動モードの一例である。実際の振動モードは,振動板14の形状等の種々の要因によって異なるものとなる。例えば,六方配置等となることもある。
次に,このハンダ塗布装置1によるハンダ塗布方法について説明する。このハンダ塗布装置1では,まず,ハンダ溶融槽11にハンダ13を入れ,ヒータ12によって加熱する。そして,ハンダ溶融槽11内をハンダ13の融点+20℃程度に保つ。一般に,このハンダ13の融点が高いものをロウ付け,低いものをハンダ付けと呼んで区別することがあるが,このハンダ塗布装置1は,そのいずれにも適用可能である。
次に,ワーク21をワーク固定棒22によって所定の位置に保持する。このとき,保持されるワーク21は,1個でも良いし,ハンダ溶融槽11に浸漬できる範囲内であれば同時に複数個でも良い。そして,超音波発振器15を駆動し,超音波ホーン16によって振動板14を振動させる。それと同時に,産業用ロボット30を駆動してロボットハンド17を移動させる。この移動経路は,図1に示したように,振動板14の下段部がハンダ13のごく浅い位置に浸漬された状態となる水平面内であり,ワーク21の接合面と振動板14の下段部上面との距離は一定に保たれる。
このとき,振動板14の振動には上記のように山谷部や節目部ができ,その山谷部や節目部の位置は振動板14とともに移動する。ここで,山谷部は振動板14の振幅が大きく,ワーク21の接合面に対するキャビテーションのエネルギーが大きい。従って,ワーク21の表面のうち山谷部に相対する箇所では,酸化膜が容易に破壊され,ワーク21の素材とハンダ13とが金属接触する。その一方,節目部では,振動板14の振幅が小さいことから,ワーク21の接合面に対するキャビテーションのエネルギーも小さく,酸化膜が破壊されにくい。このため,節目部では,山谷部のように金属接触が起こるには至らない。すなわち,振動板14の定常波振動により,キャビテーションのエネルギーを山谷部に集中させ,局所的に酸化膜を破壊しているのである。
ここで,ロボットハンド17の移動経路の例を図5と図6に示す。これらの図で,振動板14の複数の丸印は,振動の山谷部を視覚的に示したものである。山谷部は,図3にも示したように,格子状の規則的な配置となる。ここで,図5に示したのは,振動板14を斜め方向へ移動させる第1経路M1である。この経路は,振幅が山谷部の間隔程度であり,波長が山谷部の間隔の2倍程度の三角波形状である。
この第1経路M1によれば,ある山谷部は,図中実線で示したように移動する。他の山谷部は,図中破線で示したように移動する。このため,初めの配置では山谷部に該当していなかった部分をも,山谷部が通過することとなる。特に,4点の山谷部の中心位置は節目部に相当し,この経路によればその位置を山谷部が通過する。すなわち,ワーク21の接合面のうち,節目部のみが対面する部分はない。従って,ワーク21の接合面の多くの部分を山谷部が通過することとなり,広い面積でハンダが付着する。
また,図6に示したのは,振動板14を直角方向へ移動させる第2経路M2である。この経路は,振幅が山谷部の間隔以上であり,波長が山谷部の間隔の3倍程度の方形波形状である。この第2経路M2によれば,ある山谷部は,図中実線で示したように移動する。他の山谷部は,図中破線で示したように移動する。このため,初めの配置では山谷部に該当していなかった部分をも,山谷部が通過することとなる。特に,この第2経路M2では,ワーク21の接合面のうち同じ面積内に対して,第1経路M1より長い距離を通ることとなる。それだけ山谷部が対面する箇所も多くなり,さらに広い面積でハンダが付着する。また,これらの経路では,経路波形の振幅や波長を変えてもよい。
このようにロボットハンド17を移動させるために,産業用ロボット30の指示操作パネルを利用して,経路を記憶させる。あるいは,産業用ロボット30に直接,ティーチングによって記憶させても良い。また,ワーク21の接合面の大きさに基づいて,自動的に経路を選択させても良い。
このハンダ塗布装置1では,振動板14を水平面内でジグザグに移動させるので,ワーク21の接合面に対して,振動板14の各山谷部が移動していく。ここで,ワーク21の素材とハンダ13とが一旦金属接触した箇所では,山谷部が去っていっても金属接触が維持される。このため,振動板14の移動によりワーク21の接合面の至る所で金属接触が起こる。これにより,ワーク21の接合面の全体にハンダ13が塗布される。
このとき,ワーク21と振動板14とが近接している時間は,振動板14の移動速度によって異なる。そのため,振動板14の移動速度は,振動板14の幅に対して適宜設定されることが好ましい。また,振動板14の移動範囲は,ワーク21の後端部と振動板14の前端部とが重なる位置から,ワーク21の前端部を振動板14の後端部が通り過ぎるまでとすることが好ましい。その範囲内で,上記のように移動方向を変更しながら移動させる。このようにすれば,ワーク21の接合面の全ての部位に同程度の時間だけ振動板14が近接していることになる。
例えば,移動板14の幅が約10cmの場合には,その移動速度を5〜20cm/秒とする。このようにすれば,ワーク21の接合面の各部位に対して,振動板14が1〜2秒間近接することになる。この近接時間が長すぎると,ワーク21の接合面が侵食されるおそれがあるので好ましくない。また,近接時間が短すぎると,ワーク21の接合面の酸化膜が完全に破壊されないうちに通過してしまうおそれがあるのでやはり好ましくない。
このハンダ塗布装置1によってワーク21にハンダ13を塗布すれば,ワーク21の接合面の各小領域に対して,振動板14が近接して振動している時間はいずれも同程度である。さらに,振動板14をジグザグに移動させているので,接合面の各小領域に近接している振動板14の部分が時間とともに変化する。従って,特定の箇所に山谷部や節目部のみが近接することはなく,接合面の各小領域によるハンダ13の塗布状況の差はごく小さくなる。
このハンダ塗布装置1によるハンダ塗布方法は,次のような用途に適用できる。例えば,シリンダヘッドとシリンダブロックとの接合では,シリンダヘッドとシリンダブロックとそれぞれの接合面に,ハンダ塗布装置1によってハンダ13を塗布する。その後,両接合面を予熱して合わせ加圧する。あるいは,シリンダブロックにシリンダライナーを接合する場合にはシリンダライナーの接合面に,ハンダ塗布装置1でハンダ13を塗布する。そのシリンダライナーを予熱して,ダイカスト金型にセットし,シリンダブロックを鋳ぐるみ鋳造する。
以上詳細に説明したように,本発明のハンダ塗布装置1によれば,振動板14を振動させつつジグザグに移動させることができるので,ワーク21の接合面の各部位に対し,近接する山谷部や節目部の位置が変化する。従って,ワーク21の接合面の各部位にほぼ均等にハンダ13を塗布することができる。これにより,接合面全体に適切にハンダ材が塗布でき,高い接合強度を得ることができる。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記の形態では,ワーク21をワーク固定棒22で保持するとしたが,接合面を適切な位置に保持できればその保持方法はこれに限るものではない。例えば,他のロボットハンドや吸着装置等によって保持することもできる。
また例えば,上記の形態では,ロボットハンド17によって振動板14が移動するとしたが,振動板14とワーク21とが相対的に移動すればよい。振動板14に代えてワーク21を移動させても良い。
また例えば,移動経路は上記の2種類に限らず,所定の平面内で移動方向を変更しつつ移動させるものであればかまわない。例えば,曲線的な移動経路であっても良い。
本形態のハンダ塗布装置を示す概略構成図である。 振動板を移動させるロボットを示す概略構成図である。 振動板の振動状態を示す説明図である。 振動板の振動状態を示す説明図である。 振動板の移動経路を示す説明図である。 振動板の移動経路を示す説明図である。
符号の説明
1 ハンダ塗布装置
11 ハンダ溶融槽(浴槽)
12 ヒータ(加熱装置)
13 ハンダ
14 振動板(振動部材)
15 超音波発振器(振動装置)
16 超音波ホーン(振動装置)
17 ロボットハンド(移動装置)
21 ワーク(対象物)
30 産業用ロボット(移動装置)

Claims (2)

  1. 対象物の対象面にハンダ層を形成するハンダ塗布装置において,
    溶融ハンダを収容する浴槽と,
    前記浴槽内のハンダを加熱する加熱装置と,
    前記浴槽内の溶融ハンダに部分的に浸るとともに,溶融ハンダに浸っている部分が対象物の対象面と対面する振動部材と,
    前記振動部材を振動させる振動装置と,
    前記振動部材と対象物とを相対的に移動させる移動装置とを有し,
    前記移動装置は,移動の方向を,前記振動部材のうち溶融ハンダに浸っている部分の板面と平行な面内で,少なくとも2方向に反復的に変更することにより,前記振動部材と対象物とを相対的に三角波形状または方形波形状の経路を描くように移動させることを特徴とするハンダ塗布装置。
  2. 対象物の対象面にハンダ層を形成するハンダ塗布方法において,
    溶融ハンダ内で対象物の対象面と振動部材とを対面させ,
    振動部材を振動させつつ,振動部材と対象物とを相対的に,振動部材のうち溶融ハンダに浸っている部分の板面と平行な面内で,移動の方向を少なくとも2方向に反復的に変更しつつ三角波形状または方形波形状の経路を描くように移動させることを特徴とするハンダ塗布方法。
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