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JP4293589B2 - 異物除去具 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、耳などの中に入った異物を除去するのに好都合な異物除去具に関し、典型的には、患者の耳などに嵌り込んだ小石などを除去するために医師が使用するものである。
【0002】
【従来の技術】
子供が耳の中にふざけて小石、消しゴム、豆などを入れ、これを自力で取り出すことが出来なくなる事故が数多く発生している。耳や鼻或いは喉に異物が嵌り込む事故が発生した場合、医師であってもこれを除去するには困難が伴い、また、細心の注意が必要なるだけでなく、多くの場合、患者に耐え難い苦痛を強いる。
【0003】
一例として、図1に示すように、外耳道1に例えばプラスチックの鉄砲玉2が嵌り込んだ場合、典型的には、医師の手で鉤3を差し込んで鉄砲玉2を取り出すことが多いが、外耳道1の皮膚と鉄砲玉2との間に鉤3を差し入れるときに激痛を伴い、また、患者が小児であるときには治療中に動くことが多いため危険を伴うことが多い。他の例としては、例えば気管内に誤嚥したピーナッツを鉗子で除去しようとするときに、ピーナッツが割れて除去が困難になることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耳などに異物が嵌り込んだ場合にこれを除去するのに好都合な異物除去具を提供することにある。
本発明の他の目的は、異物を取り出すときに患者に苦痛を与えるのを防止することのできる異物除去具を提供することにある。
本発明の更なる目的は、異物の破壊事故を防止することのできる異物除去具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題は、本発明によれば、
外部からアクセス可能な耳、気管、鼻からなる体内の管に嵌り込んだ異物を取り出すのに用いられる異物除去具であって、
前記異物と弾性的に当接する先端部分と、
常温で硬化して前記異物と前記先端部分とを結合させるための接着剤が露出した前記先端部分を異物に差し向けるための、該異物除去具とは別体の挿入用ツールで把持可能な頸部分とを含み、
前記先端部分を前記異物に当接させて前記接着剤が硬化する前の該接着剤の接着力を介して前記異物と接着させた後に前記頸部分を把持する挿入用ツールを解放して前記異物から剥離しない程度に前記先端部分が軽量であることを特徴とする異物除去具を提供することにより達成される。
【0006】
この異物除去具を使用する際、先端部分に接着剤が設けられる。この接着剤は、例えばカプセル化や剥離シールで覆って予め先端部分に設けておき、使用の際にカプセルを破る又はシールを取り除くことにより接着剤を露出させるようにしてもよい。最も簡単な且つ典型的な方法として、異物除去具を使用する際に、先端部分に接着剤を付着させてもよい。
【0007】
医師は、典型的な挿入用ツールとしてピンセットで頸部分を把持して、先端部分をターゲットに差し向け、異物に先端部分を当接させる。これにより、先端部分に設けられた接着剤が異物の表面に沿って広がる。次いで、医師はピンセットから頸部分を解放して、ピンセットだけを取り去る。頸部分からピンセットを解放しても、軽量であるため、先端部分が異物から脱落することなく、そのままの状態を保つ。接着剤が硬化するまでの暫くの間、患者は安静な状態を保つ。接着剤が硬化するのに充分な時間が経過したら、ピンセットで頸部分を把持して静かに異物除去具を抜き去る。体内つまり管内の異物は、異物除去具と接着した状態にあることから、異物除去具と一緒に体外に出る。
【0008】
異物除去具を抜き去る操作を容易にするには、頸部から延びるリード部分を設け、このリード部分を指やピンセットで把持して異物除去具を体内から抜き去るようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に従う異物除去具の好ましい実施の形態では、異物除去具の先端部分が、異物と当接したときに異物の外表面に沿って広がる。これを実現する具体的な形態として、先端部分を複数本の糸の一端を束ねた房で構成してもよく、また、複数の可撓性フィンガーを含んでいてもよい。
【0010】
接着剤を用いて異物を接合した異物除去具を引き抜く際の便宜のために、頸部から延びるリード部分に、典型的にはリングである引き抜き操作部を設けるのがよい。医師は、リングに指を掛けて異物除去具を引き抜くことができる。変形例として、リード部分の自由端に指に巻き付けて引き抜くようにしてもよい。
【0011】
【実施例】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を以下に詳しく説明する。
【0012】
図2は第1実施例の異物除去具を示す。この異物除去具1は、外耳道に嵌り込んだ異物を除去することができるように設計されている。異物除去具1は、その先端に、複数本の糸の一端を束ねることにより構成された房2を有する。この房2を構成する糸は、例えば、綿糸、絹糸、合成繊維糸から選択できるが、適度な腰を有する糸を選択するのが好ましく、本数としては、特に限定するものではないが約10〜15本がよく、また、房2を構成する各糸の長さは3mm程度がよい。
【0013】
異物除去具1は、房2と実質的に一体化した頸部3を備えており、この頸部3に続いて、異物除去具1を外耳道の異物に接着したときに、耳の外まで延びるリード部分4を有するのが好ましい。この頸部3は、医師が、典型的な挿入用ツールであるピンセットで頸部3を摘んで異物除去具の房2をターゲットに差し向けるのに用いられる。外耳道の中にピンセットで頸部3を摘んでターゲットに向けて異物除去具1を挿入するときに、ピンセットによって視界が遮られないように、頸部3の断面積はできるだけ小さいのがよい。
【0014】
図2に例示の異物除去具1のリード部分4は、1本の連続した糸を手元端で折り曲げて2つ折りにし、その2つの端を房2に結合することにより、全体としてリング状の形状に作られている。上述した頸部3は、例示の異物除去具1の房2の付け根に例えば接着テープを巻回させることにより形成されている。
【0015】
図3を参照して、外耳道10に嵌り込んだ異物11、例えば一塊の消しゴムを医師が異物除去具1を用いて抜き取る操作手順を説明する。
【0016】
医師は、先ず、指を使って異物除去具1の房2を広げ、次いで、房2の基底部に適量の接着剤を付ける。使用可能な接着剤としては、常温下で速やかに硬化して2つの物体をしっかりと結合することのできる、例えば瞬間接着剤を用いることができ、通常の事例であれば、市販の接着剤で事足りる。
【0017】
医師は、次いで、ピンセットで頸部3を摘んで、房2の基底部を異物11に向けてアクセスさせ、房2に付着させてある接着剤を異物11の外表面に押し付ける。この操作により、房2は弾性的に異物11に当接して異物11の表面に沿って広がり、そして房2に付着した適量の接着剤が、異物11の表面に沿って広がった各糸(房2を構成する複数本の糸)と異物11との間に広がる。
【0018】
医師は、房2が異物11の表面に沿って適度に広がったのを確認したら、接着剤が硬化するのを待つことなく、頸部3からピンセットを解放してピンセットだけを外耳道10から抜き去り、次いで、しばらく安静にするように患者に指示する。ピンセットを外耳道10から抜き去ったとしても、異物除去具1は軽量に作られているため自重で接着剤を剥離させてしまうことはない。もし、房2が異物11から脱落したら、再度、上記の手順を反復すればよい。
【0019】
接着剤が硬化するのに充分な時間が経過したら、医師は患者の耳から露出しているリング状のリード部分4の手元端に指を掛け、異物除去具1を静かに引き抜く。このリード部分4を備えていない異物除去具1であれば、ピンセットで頸部3を把持して異物除去具1を引き抜けばよい。この引き抜き操作によって、異物除去具1の先端つまり房2と接着状態にある異物11を異物除去具1と一緒に外耳道10から取り去ることができる。
【0020】
上述した異物除去具1は、発明者が手元に有る材料を用いて手作りで作成した試作品である。このことから、大量生産技術の手法を用いるのであれば、様々な変形例を考えることができる。
【0021】
図4は、第2実施例の異物除去具20を示す。第2実施例の異物除去具20は、スポンジなどの弾性体を適当な形に成形した先端部分21と、好ましくは、この先端部分21に連結されたリード部分としての紐、糸又はテープ22とを含む。リード部分22は、容易に破断しない棒状のプラスチック成形体から作られてもよいが、変形例として釣り糸のような引っ張り力に対して容易に破断しない合成繊維や天然繊維などの可撓性材料から作られるのがよい。リード部分22の手元端には、引き抜き操作部としてリング23を設けるのが好ましく、或いは、引き抜くときにリード部分22の端部を指に巻き付けることができるようにしてもよい。
【0022】
この第2実施例の異物除去具20は、図2に例示の第1実施例の異物除去具1と対比して、第1実施例で説明した頸部3が、外見上、含まれていない。しかし、この第2実施例の異物除去具20(図4)は、先端部分21がピンセットで容易に把持できる長さを有していれば、この先端部分21の基端21aが、実質的に、第1実施例の頸部3を構成していると言える。
【0023】
先端部分21は、その形状として例えば切頭円錐形状を採用したのであれば、その切頭円錐形状の底面(先端面)21bを、外方に向けて凹をなす中心に向けて滑らかに湾曲した窪み面となるように形成するのが好ましい。また、医師がピンセットで把持し易いように、先端部分21の基端21aの一部を切り欠いた互いに対向する2つの平面を含むようにしてもよい。
【0024】
この第2実施例の異物除去具20を使用するときには、先端部分21の先端面21bの中央に適量の接着剤を付着させた後に、前述の第1実施例で説明した操作手順に従って、典型的な挿入用ツールであるピンセットを用いて異物除去具20をターゲットに差し向けることで、異物除去具20の先端部分21が弾性的に適度なクッション性を発揮しながら異物11と当接しつつ、先端面21bに付着した接着剤が異物11の外表面に沿って広がることになる。その後、医師は、ピンセットだけを抜き去って、接着剤が硬化する適当な時間が経過するまで患者を安静にし、その後、異物除去具20のリング23に指をかけて静かに引っ張ることで、異物除去具20に接合した異物11を異物除去具20と一緒に取り去ることができる。異物除去具20を残してピンセットだけを先に取り去っても、異物除去具20が軽量であるため、その自重によって接着剤が剥離することなく、接着剤が硬化するまで先端部分21は当初の位置を維持し続ける。
【0025】
図5、図6は、第3実施例の異物除去具30を示し、図7、図8はその変形例を示す。この第3実施例の異物除去具30は、例えば皿状に作られた合成樹脂(例えばフッ素樹脂)からなる先端部分31と、好ましくは、この先端部分31に連結されたリード部分32とを含む。リード部分32の具体的な例示は前述のとおりであるが、好ましくは、釣り糸のような容易に破断しない合成繊維や天然繊維から作られるのがよい。リード部分32の手元端にはリング33を設けるのが好ましい。
【0026】
皿状の先端部分31には、その背面の中央に例えば断面矩形の突起34を一体に形成するのがよい。この突起34は、実質的に、第1実施例の頸部3に相当する。この第3実施例の異物除去具30は、パチンコ玉のように所定の球面を備えた異物11を除去するのに好適であり、第1実施例などと同様に、中央に接着剤を付けた先端部分31が異物11に当接するときに、皿状の先端部分31は弾性的に変形しながら異物11の外表面に当たり、そして接着剤が皿状の先端部分31と異物11との間に広がる。その後の手順は、先の第1実施例などと同様である。
【0027】
第3実施例において、外周縁から中央に向けて切り欠いた複数本のスリット35(図7)を含めることにより、先端部分31が異物11と当接したときに、異物11の外表面に沿って広がり易くするようにすれば、様々な外形形状の異物11を除去するのに都合がよい。図8において、先端部分31の隣接するスリット35間に形成される可撓性フィンガー36の初期傾斜角度θ及びその肉厚は任意であり、例えば初期傾斜角度を45度程度に設定し且つ肉厚を比較的薄くすることにより、異物11と当接したときに異物11の外表面に沿って可撓性フィンガー36が広がり易くなる。
【0028】
第3実施例及びその変形例にあっても、異物除去具30を残してピンセットだけを先に取り去っても、異物除去具30が軽量であるため、その自重によって接着剤が剥離することなく、接着剤が硬化するまで先端部分31は当初の位置を維持し続ける。
【0029】
以上、本発明の幾つかの実施例として、耳の中に嵌り込んだ異物を取り出すのに好適な具体例を説明したが、気管や鼻の中に嵌り込んだ異物を除去するのに本発明を好適に適用することができる。また、本発明は上述した実施例に限定されることなく、例えば、異物除去具の房や先端部分の中心に予め所定量の接着剤を設けておき、医師が異物除去具を使用するときに、例えばシールテープを剥がすことにより接着剤を露出させるようにしてもよい。この予め接着剤を異物除去具に設けることに関し、接着剤をカプセルで包囲しておき、医師が異物除去具を使用するときに、例えば針をカプセルに突き刺すことで接着剤を外部に流出させるようにしてもよい。
【0030】
また、例えば上述した第1実施例の異物除去具1では、リング状のリード部分4が設けられているが、このリード部分4を単に一本の糸又は紐や細長いテープで構成し、医師が異物除去具1を引き抜くときに糸や紐の手元端を指に巻き付けた後に、異物除去具1を引っ張るようにしてもよい。また、第2、第3実施例の異物除去具20、30からリード部分22、32を省いてもよく、この場合には、体内の管に嵌り込んだ異物11に接着した異物除去具20、30を取り出すときに、異物除去具の頸部つまり先端部分21の基端21a又は突起34をピンセットで把持して異物除去具20、30を引き出すようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉤を使って耳の中に嵌り込んだ異物を取り出す従来の方法を説明するための図である。
【図2】第1実施例の異物除去具を側方から見た図である。
【図3】第1実施例の異物除去具を使って耳の中に嵌り込んだ異物を取り出す方法を説明するための図である。
【図4】第2実施例の異物除去具を側方から見た図である。
【図5】第3実施例の異物除去具を側方から見た図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】第3実施例の変形例を正面から見た図である。
【図8】図7のVII−VII線に沿って切断した断面図である。
【符号の説明】
1 異物除去具
2 房
3 頸部
4 リード部分
10 外耳道
11 異物

Claims (9)

  1. 外部からアクセス可能な耳、気管、鼻からなる体内の管に嵌り込んだ異物を取り出すのに用いられる異物除去具であって、
    前記異物と弾性的に当接する先端部分と、
    常温で硬化して前記異物と前記先端部分とを結合させるための接着剤が露出した前記先端部分を異物に差し向けるための、該異物除去具とは別体の挿入用ツールで把持可能な頸部分とを含み、
    前記先端部分を前記異物に当接させて前記接着剤が硬化する前の該接着剤の接着力を介して前記異物と接着させた後に前記頸部分を把持する挿入用ツールを解放して前記異物から剥離しない程度に前記先端部分が軽量であることを特徴とする異物除去具。
  2. 前記先端部分が、前記異物と当接したときに、該異物の外表面に沿って広がる、請求項1に記載の異物除去具。
  3. 前記先端部分が、複数の糸の端を束ねた房で構成されている、請求項2に記載の異物除去具。
  4. 前記先端部分が、外周縁から中央に向けて切り欠くことにより形成された周回り方向に複数の可撓性フィンガーを含む、請求項2に記載の異物除去具。
  5. 前記先端部分が前方に向けて窪んだ皿状の形状を有する、請求項1に記載の異物除去具。
  6. 前記先端部分が多孔質の弾性体から作られている、請求項1に記載の異物除去具。
  7. 前記頸部分が前記先端部分と一体に作られている、請求項4〜6のいずれか一項に記載の異物除去具。
  8. 前記頸部分から延びるリード部分を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の異物除去具。
  9. 前記リード部分が引き抜き操作部を含み、該引き抜き操作部に指を掛けて前記異物除去具を抜き取ることができる、請求項に記載の異物除去具。
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