JP4294841B2 - 赤外線データ通信モジュールの製造方法および赤外線データ通信モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、いわゆるIrDA(Infrared Data Association )規格に準じた赤外線データ通信などを行うために用いられる赤外線データ通信モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
IrDA準拠の赤外線データ通信モジュールは、ノートパソコンの分野においてその普及が著しく、最近においては、携帯電話や電子手帳などにも普及しつつある。この種の赤外線データ通信モジュールは、赤外線LED、フォトダイオード、変復調回路などをワンパッケージ化して双方向にワイヤレス通信を可能としたものであり、通信速度や通信距離などがバージョンにより統一規格として定められている。このような赤外線データ通信機能の高性能化が推進されるなか、モジュール全体の形態は、ダウンサイジングによりますます小型化され、製造プロセスにおいては、厳しい寸法精度が要求されるとともにコスト低減が叫ばれている。
【0003】
そのため、この種の分野で鋭意研究・開発に努めてきた本願発明者は、赤外線データ通信モジュールの製造方法として優れた方法を新たに完成し、その製造方法を本願とは別の出願によってすでに開示した。その製造方法の概要について説明すると、まず第1の工程では、基板の表面に赤外線LEDおよびフォトダイオードの組を各組ごとに区画化して搭載するためのチップエリアを規則正しく並べた状態に設ける。このチップエリアとは、エリア内に赤外線LEDやフォトダイオード用などのパッド部や電極などからなる配線パターンを有するのに加え、エリア境界付近に基板の厚み方向に貫通するスルーホールが設けられた一定区画の領域をいう。続いて第2の工程では、上記チップエリア内の配線パターンと接続するようにして赤外線LEDやフォトダイオードなどを搭載する。次いで第3の工程では、各チップエリアに搭載された赤外線LEDやフォトダイオードなどを封止するものとして、基板の表面に樹脂成形用の金型を用いて樹脂パッケージを形成する。この際、赤外線LEDおよびフォトダイオードの組は、その2組以上が一括して互いに共通する1つの樹脂パッケージにより封止される。そして最終的には、赤外線LEDおよびフォトダイオードの2組を各組に分離させるように樹脂パッケージと基板とが切断され、さらにシールド部品などを設けて赤外線LEDおよびフォトダイオードの1組からなる赤外線データ通信モジュールの単品が得られる。以上の製造方法によれば、製造過程において赤外線LEDおよびフォトダイオードの組を2組ごとにワンパッケージとすることにより、生産効率を高めて製造コストを低減することができるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記第3の工程において樹脂パッケージを形成する際、基板の表面には、樹脂パッケージの形状に応じたかたちの表面用の金型が圧接される一方、基板の裏面には、樹脂パッケージを形成する必要がないため、平坦な押圧面を有する裏面用の金型が圧接させられる。つまり、基板の表面側においては、表面用の金型と基板との間に充填された樹脂が固化して樹脂パッケージが形成される一方、基板の裏面側には、裏面用の金型が基板の裏面全体に面して密着した状態とされる。
【0005】
ところが、基板の裏面には、スルーホールの開口部に繋がる端子が形成されるのみであって、この端子は極めて薄膜の導体といえども厚みを有するため、基板の裏面にわずかな起伏を生じるので、基板に対する裏面用の金型の密着性に問題があった。要するに、裏面用の金型と基板との密着性が悪い状態では、基板の裏面側におけるスルーホール付近の面圧が不十分となり、特に裏面側の基板と金型に隙間が生じるおそれがある。このようなおそれを抱えた状態で表面用の金型と基板との間に樹脂を充填すると、基板の表面側にあるべき樹脂がスルーホールを通じて基板の裏面側へと回り込んでしまい、基板の裏面側に不要な樹脂が付着してしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、金型を用いて基板の表面に樹脂パッケージを形成する際、基板に対する金型の密着性を高め、スルーホールを通じた基板の裏面側への樹脂の回り込みを十分に防ぐことができる赤外線データ通信モジュールの製造方法、および赤外線データ通信モジュールを提供することをその課題とする。
【0007】
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
すなわち、本願発明の第1の側面により提供される赤外線データ通信モジュールの製造方法は、基板の表面に、発光素子および受光素子の組を各組ごとに区画化して搭載するための矩形をした複数のチップエリアを複数行複数列に設けるとともに、各チップエリアに上記基板の厚み方向に貫通するスルーホールを設けておき、上記各チップエリアに搭載された上記発光素子および受光素子を封止する際には、上記基板の表面に樹脂成形用の金型を用いて樹脂パッケージを形成する、赤外線データ通信モジュールの製造方法であって、上記基板の裏面には、上記各チップエリアと対極し、かつ各チップエリアと同大の矩形をした複数のダミーエリアが上記基板の裏面全面に一定厚みに形成した導体層を部分的に除去することにより規定され、各ダミーエリア内には、上記スルーホールの下部周辺の上記導体層と、ダミーパターンとしての上記導体層とが残置されていることを特徴としている。
【0009】
上記技術的手段が講じられた本願発明の第1の側面により提供される赤外線データ通信モジュールの製造方法によれば、樹脂パッケージが形成されるべき基板の表面におけるチップエリアに対し、基板の裏面には、上記チップエリアと同じ大きさで対極する箇所にダミーエリアが設けられ、金型を用いて樹脂パッケージを形成する際には、基板のチップエリアおよびダミーエリアとして設けられた部分が他の部分よりも厚手となって金型により強く押圧される。したがって、基板のチップエリアおよびダミーエリアが設けられた部分には、金型により付与される面圧が十分とされ、たとえ基板の表面側からスルーホール内に樹脂が流れ込んでも、基板の裏面側においては、スルーホール付近を含むダミーエリア全体が金型に強く密着するので、スルーホールを通じた基板の裏面側への樹脂の回り込みを十分に防ぐことができる。
【0011】
また、基板の裏面側におけるダミーエリアには、ダミーパターンが設けられるので、基板のチップエリアおよびダミーエリアが設けられた部分がわずかながらも全体的に厚手とされ、そのような厚手の部分における面圧が十分高められることから、基板と金型との密着性がより良好に保たれるとともに、スルーホールを通じた基板の裏面側への樹脂の回り込みを確実に防ぐことができる。
【0013】
さらに、樹脂成形に際して基板の裏面側に平坦面を有する部材を密着させた場合、スルーホール付近を含めて基板の裏面側全体が均一に押圧され、スルーホールを通じた基板の裏面側への樹脂の回り込みを確実に防ぐことができる。
【0014】
他の好ましい実施の形態としては、上記樹脂パッケージを形成する際には、上記発光素子および受光素子の組を2組以上一括にして、互いに共通する1つの樹脂パッケージにより封止する構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、樹脂パッケージと基板とを切断する工程数を少なくし、赤外線データ通信モジュールの生産効率を高めることができる。
【0016】
本願発明の第2の側面により提供される赤外線データ通信モジュールは、本願発明の第1の側面によって提供される赤外線データ通信モジュールの製造方法により製造されたことを特徴としている。
【0017】
このような本願発明の第2の側面により提供される赤外線データ通信モジュールによれば、上記第1の側面によって得られるのと同様な効果を期待できる。
【0018】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1〜図12は、本願発明に係る赤外線データ通信モジュールの製造方法の一例を示す。赤外線データ通信モジュールを製造するには、まず図1および図2に示すような基板1を用いる。図1は、基板1の表面側を表した図であり、図2は、基板1の裏面側を表した図である。この基板1は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、一定方向に延びる帯状または長矩形状を有している。基板1の表面10aには、1つの赤外線データ通信モジュールに必要とされる配線パターン(その一部は図示略)70が各チップエリア19ごとに区切って形成されている。この配線パターン70は、後述する発光素子、受光素子、LSIチップを搭載するためのパッド部や、電極端子部などを有したものであり、図1においては、パッド部のみが示されている。チップエリア19は、基板1の長手方向および幅方向のそれぞれに複数並べて設けられている。このようなチップエリア19として区画された長手方向境界付近には、基板1の厚み方向に貫通するスルーホール7が一列に並んだ状態に設けられている。一方、基板1の裏面10bには、上記チップエリア19と対極するように、そのチップエリア19と同じ大きさのダミーエリア21が形成されている。ダミーエリア21内には、チップエリア19内における配線パターン70の全体面積と同程度の大きさを有したダミーパターン22が設けられている。そして、ダミーエリア21の境界付近にも、基板1の厚み方向に貫通形成されたスルーホール7が位置している。
【0021】
さらに図3および図4も参照して詳しく説明すると、基板1の表面10aにおけるチップエリア19は、その表面10a全体に導体層10を薄膜形成した後、チップエリア19に相当する矩形区画領域をエッチング処理などで除去して形成されたものである。このエッチング処理などの際、チップエリア19内には、配線パターン70として必要な導体部分が残された状態とされる。また、スルーホール7は、軸方向に沿う内壁部分に導体膜7aを有するとともに、その導体膜7aが導体層10に繋がったかたちとされている。一方、基板1の裏面10bにおけるダミーエリア21は、上記チップエリア19と同様に、基板1の裏面10b全体に導体層20を薄膜形成した後、ダミーエリア20に相当する矩形区画領域をエッチング処理などで除去して形成されたものである。このエッチング処理などの際、ダミーエリア21内には、ダミーパターン22として必要な部分が残された状態とされる。そして、スルーホール7は、その内壁部分の導体膜7aが導体層20に繋がったかたちとされている。つまり、基板1の表面10aには、チップエリア19の外形を縁取ってスルーホール7の上部周辺にまで至る導体層10と、チップエリア19内の配線パターン70とが、互いに同等の厚みを有して形成される。一方、基板1の裏面10bには、ダミーエリア21の外形を縁取ってスルーホール7の下部周辺にまで至る導体層20と、ダミーエリア21内のダミーパターン22とが、互いに同等の厚みを有して形成される。したがって、基板1の裏面10b側は、ダミーパターン22を含む多数のダミーエリア21と、これらを縁取る導体層20とによって全体的に起伏の少ないほぼ平坦な面とされる。なお、ダミーエリア21を設けた理由については、後述する。
【0022】
また、基板1には、その長手方向に間隔を隔てて複数のスリット18が設けられており、これら複数のスリット18は基板1の幅方向に延びている。これら複数のスリット18は、後述するように基板1上に樹脂パッケージを形成した際に、基板1がその長手方向に反り変形することを防止するのに役立つ。
【0023】
続いて基板1の表面10aにおける各チップエリア19には、図5ないし図7によく表れているように、上記配線パターン70のパッド部に面して発光素子2、受光素子3およびLSIチップ6が搭載される。発光素子2は、たとえば赤外線発光ダイオードからなる。受光素子3は、たとえば赤外線を感知可能なPINフォトダイオードからなる。LSIチップ6は、発光素子2および受光素子3による赤外線の送受信動作を制御するものであり、具体的には、変復調回路や波形整形回路などが造り込まれたものである。さらに、発光素子2、受光素子3およびLSIチップ6は、配線パターン70の電極端子部に対してワイヤボンディングにより接続される。このような発光素子2、受光素子3、およびLSIチップ6は、配線パターン70を介してスルーホール7と電気的に接続された状態とされている。なお、基板1の裏面10bにおいて各スルーホール7の導体膜7aに繋がった導体層20の一部を端子71という。
【0024】
次に、図8によく表れているように、基板1の表面10a上には、複数の樹脂パッケージ4を形成する。各樹脂パッケージ4は、たとえば顔料を含んだエポキシ樹脂からなり、可視光に対しては透光性を有しない反面、赤外線については十分良好に透過させるようになっている。各樹脂パッケージ4には、1つのエリア19上の1組の電子部品群のみを封止するのではなく、基板1の長手方向において互いに隣り合う2つのチップエリア19上の組の電子部品群、すなわち2つずつの発光素子2、受光素子3、LSIチップ6およびそれらの周辺領域を一括して封止するように形成されている。したがって、基板1の表面10a上にたとえば8つのチップエリア19が並んで設けられている場合には、その方向に計4つの樹脂パッケージ4が並べて形成されることとなり、それら4つの樹脂パッケージ4の各間の隙間92は、合計3箇所となる。
【0025】
このように、上記した樹脂パッケージ4の形成工程によれば、1つのチップエリア19の電子部品群ごとに独立して樹脂パッケージを形成する場合と比較すると、隙間92の総数を少なくすることができる。このため、本実施形態においては、基板1上の無駄なスペースを少なくし、基板1の長手方向における赤外線データ通信モジュールの取り数を増加させることが可能となる。また、基板1の長手方向おいて、隙間92が適当数設けられていれば、基板1の表面10aのみに樹脂パッケージ4が密着して設けられたことに起因して基板1がその長手方向に反り変形することを適切に防止し、または抑制する効果が得られることとなる。
【0026】
一方、基板1の幅方向においては、1つのチップエリア19に1つの樹脂パッケージ4が対応するように、複数の樹脂パッケージ4を形成する。このため、基板1の幅方向においても、複数の樹脂パッケージ4どうしの間の隙間93が適当数設けられることとなる。このようにすれば、基板1上に樹脂パッケージ4を設けたことに起因して基板1がその幅方向に反り変形することも適切に防止し、または抑制することができることとなる。
【0027】
このような各樹脂パッケージ4は、図9によく表れているように、表面用および裏面用の金型P1,P2を用いてたとえばトランスファモールド法により成形することができ、たとえば次のように形成する。すなわち、表面用の金型P1には、樹脂パッケージ4の形状に応じたキャビティ部4aを有するものが用いられるが、裏面用の金型P2には、基板1の裏面10b側に面して平坦な押圧面P2aを有するものが用いられる。表面用の金型P1におけるキャビティ部4aは、そのうちの基板1の幅方向に沿う各列がゲート(図示略)を介して空間を共有するように繋げられている。そして、表面用の金型P1は、各キャビティ部4aがチップエリア19の2つ分を包囲するように、基板1の表面10a上において正確に位置合わせされる。一方、裏面側の金型P2は、基板1の裏面10b全体に面して単に押圧するだけである。このようにして両金型P1,P2の間においては、基板1が両金型P1,P2によって押圧保持された状態とされ、ライナー4bを通じてキャビティ部4a内に樹脂を注入した後、樹脂が硬化してから両金型P1,P2を開くことにより図8に示す成形品を得る。
【0028】
このような樹脂パッケージ4の成形の際、チップエリア19上にある樹脂は、図10によく表れているように、スルーホール7を通じて基板1の裏面10b側に回り込む可能性が考えられる。しかしながら、基板1の裏面10b側におけるスルーホール7の近傍には、導体層20や端子71に加えてそれらと同じ厚みを有するダミーパターン22により、できる限り起伏の少ない平坦な面が形成されている。したがって、両金型P1,P2が基板1を押圧する状態では、基板1の表裏両面10a,10bに向けて均一に押圧力が作用するとともに、チップエリア19とダミーエリア21との重なる部分の面圧が十分高められる。特に、裏面用の金型P2の押圧面P2aは、基板1の裏面10b上におけるスルーホール7付近を含む導体層20、端子71、ならびにダミーパターン22と隙間なくぴったりと密着した状態とされる。要するに、スルーホール7は、基板1の裏面10bにおいて金型P2の平坦な押圧面P2aにより確実に塞がれ、たとえ基板1の表面10a側からスルーホール7内に樹脂が流れ込んでも、裏面10b側においては、スルーホール7外に樹脂が溢れることなく樹脂の回り込みが防止されるのである。
【0029】
こうして成形された各樹脂パッケージ4は、図10および図11によく表れているように、基板1の表面10aから上方に起立した複数の側面40と、これら複数の側面40の上端42に繋がった天井面41とを有している。複数の側面40は、表面用の金型P1におけるキャビティ部4aに抜き勾配が設けられていることに起因してそれらのいずれもが傾斜面となっている。天井面41は、発光素子2および受光素子3の上方に位置しており、この天井面41には、その一部分を上向きの半球状に膨出させた一対のレンズ43a,43bが設けられている。これら一対のレンズ43a,43bは、発光素子2の発光特性および受光素子3の受光特性に指向性を付与するためのものである。なお、図10によく表れているように、各スルーホール7内には、その開口部を適当なレジスト膜(図示略)によって塞ぐことにより通常は樹脂が流入しない形態とされる。そうした形態でもレジスト膜が高温の樹脂とともに溶融する場合などがあり、そうすると基板1の裏面10b側にスルーホール7を通じて樹脂が回り込もうとする。しかしながら、スルーホール7の開口部は、裏面用の金型P2の押圧面P2aが密着することで確実に塞がれていることから、基板1の裏面10b側に樹脂が付着することはない。
【0030】
上記樹脂パッケージ4を形成した後には、基板1の切断作業を行う。ただし、その際には、樹脂パッケージ4の切断作業をも併せて行う。より具体的には、図12の仮想線La〜Ldで示す位置において、基板1および樹脂パッケージ4を切断する。仮想線Laで示す位置を切断する第1の切断工程は、樹脂パッケージ4の天井面41を、レンズ43a,43bの基部45(本実施形態において、基部45は、天井面41の平坦な部分とレンズ43a,43bとの境界部分を意味する)または近傍において切断するようにして、樹脂パッケージ4および基板1をそれらの厚み方向に切断する工程である。その切断箇所は、側面40の上端42よりも適当な寸法Saだけ樹脂パッケージ4の幅方向内方寄りである。この切断作業は、後述する所定の厚みを有する駆動回転可能なブレード5を用いて行うことが可能であり、そのブレード5の一側面を仮想線Laに沿わせて移動させて行う。なお、スルーホール7は、仮想線La上に位置するように設けられており、上記第1の切断工程は、スルーホール7を分割するようにして行う。
【0031】
第2の切断工程は、樹脂パッケージ4の幅方向中央部に相当する箇所を切断する工程であり、仮想線Lb,Lcで示す位置を切断する。仮想線Lb,Lcは、いずれもレンズ43a,43bの基部45またはその近傍を通過するが、仮想線Lcはスルーホール7をも通過する。ブレード5の厚みtは、2つの仮想線Lb,Lcの間隔と同寸法である。したがって、この第2の切断工程においては、1回の切断作業により、2つの仮想線Lb,Lcの位置で樹脂パッケージ4および基板1を切断することができる。第3の切断工程は、仮想線Ldで示す位置を切断する工程であり、この工程は実質的には上記した第1の切断工程と同様である。基板1の長手方向においては、以下上記と同様にして樹脂パッケージ4および基板1をそれらの厚み方向に切断していく。
【0032】
基板1の切断作業は、基板1の幅方向においても行う。この場合、たとえば図11に示す仮想線Leの位置で樹脂パッケージ4および基板1を切断する。この切断作業は、図12に示した仮想線La,Ldを切断箇所とする切断工程と同様に、レンズ43aあるいは43bの基部45またはその近傍において、樹脂パッケージ4および基板1を切断する作業である。
【0033】
このような一連の作業工程によれば、図13〜図15に示す赤外線データ通信モジュールAが複数個製造されることとなる。この赤外線データ通信モジュールAは、矩形状に切断された基板1a上に、発光素子2、受光素子3およびLSIチップ6のそれぞれが1つずつ搭載され、かつこれらがその四方を切断された樹脂パッケージ4aによって封止された構造となっている。樹脂パッケージ4からは、基板1aに対して傾斜していた複数の側面40がいずれも除去されている。樹脂パッケージ4aの複数の側面40aは、いずれも滑らかな平面状の切断面であり、基板1aの切断面11と面一となっている。したがって、赤外線データ通信モジュールAの複数の外面としては、切断面11と側面40aとが面一状に繋がった2つずつの平面8A,8Bがある。各平面8Aは、この赤外線データ通信モジュールAの長手方向に延びており、各平面8Bはそれと直交する面である。1つの平面8Aには、複数のスルーホール7が分割されることによって形成された複数の凹部7Aが設けられており、複数の端子71に繋がったそれらの導体膜7aが外部に露出した構造となっている。
【0034】
上述した一連の作業工程によれば、図13〜図15に示すような赤外線データ通信モジュールAの単品を複数個製造できるが、特に樹脂パッケージ4を形成する工程においては、基板1のチップエリア19およびダミーエリア21の部分に金型P1,P2による面圧が十分付与される。したがって、基板1の裏面10b側においては、スルーホール7付近の端子71とともにダミーパターン22が形成されているダミーエリア21全体に裏面用の金型P2が強く密着した状態とされ、スルーホール7を通じて基板1の裏面10b側へと樹脂が回り込むことなく、基板1の表面10a側にのみ樹脂パッケージ4aを有した赤外線データ通信モジュールAを得ることができる。
【0035】
なお、本願発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0036】
たとえば、樹脂パッケージ4を形成して発光素子2や受光素子3を封止する場合には、必ずしもそれらを2組にして一括封止させる必要もない。たとえば、3組あるいはそれ以上の組数の発光素子および受光素子を一括して封止するようにしてもかまわない。本願発明においては、1つの樹脂パッケージによって封止される発光素子および受光素子の組合せ数を増やすほど、複数の樹脂パッケージの相互間に形成される隙間の数を減らすことができ、1つの成形品から取り出される赤外線データ通信モジュールの単品数を増加させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる赤外線データ通信モジュールの製造方法に用いられる基板の表面側を示す斜視図である。
【図2】図1に示す基板の裏面側を示す斜視図である。
【図3】図1のII−II断面図である。
【図4】図1のIII−III断面図である。
【図5】図1に示す基板上に電子部品群を搭載した状態を示す斜視図である。
【図6】図5のIV−IV断面図である。
【図7】図5のV−V断面図である。
【図8】図5に示す基板上に樹脂パッケージを形成した状態を示す斜視図である。
【図9】図8に示す成形品を金型を用いて成形する際の状態を示した斜視図である。
【図10】図8のVI−VI断面図である。
【図11】図8のVII−VII断面図である。
【図12】樹脂パッケージおよび基板の切断工程を示す断面図である。
【図13】本願発明にかかる製造方法を経て製作された赤外線データ通信モジュールの一例を示す断面図である。
【図14】図13のIX−IX断面図である。
【図15】図13の左側面図である。
【符号の説明】
A 赤外線データ通信モジュール
P1 金型(表面用の)
P2 金型(裏面用の)
1,1a 基板
2 発光素子
3 受光素子
4,4a 樹脂パッケージ
6 LSIチップ
10 導体層
19 チップエリア
20 導体層
21 ダミーエリア
22 ダミーパターン
70 配線パターン
Claims (3)
- 基板の表面に、発光素子および受光素子の組を各組ごとに区画化して搭載するための矩形をした複数のチップエリアを複数行複数列に設けるとともに、各チップエリアに上記基板の厚み方向に貫通するスルーホールを設けておき、上記各チップエリアに搭載された上記発光素子および受光素子を封止する際には、上記基板の表面に樹脂成形用の金型を用いて樹脂パッケージを形成する、赤外線データ通信モジュールの製造方法であって、
上記基板の裏面には、上記各チップエリアと対極し、かつ各チップエリアと同大の矩形をした複数のダミーエリアが上記基板の裏面全面に一定厚みに形成した導体層を部分的に除去することにより規定され、各ダミーエリア内には、上記スルーホールの下部周辺の上記導体層と、ダミーパターンとしての上記導体層とが残置されていることを特徴とする、赤外線データ通信モジュールの製造方法。 - 上記樹脂パッケージを形成する際には、上記発光素子および受光素子の組を2組以上一括にして、互いに共通する1つの樹脂パッケージにより封止する、請求項1に記載の赤外線データ通信モジュールの製造方法。
- 請求項1または2に記載の赤外線データ通信モジュールの製造方法により製造されたことを特徴とする、赤外線データ通信モジュール。
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