JP4294880B2 - 画像の位置合わせ方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の位置合わせ方法および装置に関し、詳細には、同一の構造物を有する2以上の画像の位置合わせの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、同一被写体についての2以上の画像を比較読影して、両画像間の差異を調べ、その差異に基づいて被写体の検査などを行うことが、種々の分野において行われている。
【0003】
例えば工業製品の製造分野においては、ある製品について新品の状態の時に撮影された画像と、当該製品の耐久試験後に撮影された画像とを比較読影して、両者の差異の大きな部位に注目することにより、製品の耐久性を向上させるべき部位を検討することが行われており、また医療分野においては、ある患者の疾患部位について時系列的に撮影された複数枚の放射線画像を医師が比較読影することにより、当該疾患の進行状況や治癒状況を把握して治療方針を検討することが行われている。
【0004】
このように2以上の画像を比較読影することが日常的に各種の分野で行われているが、その比較読影のために、これら2以上の画像を画像表示装置等に表示させる場合がある。すなわち画像を濃度信号や輝度信号に変換したうえで、画像表示装置等に表示するのである。
【0005】
ところで比較読影の対象となる2以上の画像を比較する場合、それらの画像を単に並列表示するのが一般的であるが、比較読影を行なう場合に読影者にとって最も関心があるのはこれらの画像間の差異である。しかし、上述したように例えば2つの画像を単に並べて表示させてこの差異を発見するのは、その差異が小さい程困難であり、比較読影の性能向上が求められている。
【0006】
そこで2つの画像中にそれぞれ写し込まれた同一の構造物についての画像の位置関係を対応させるように少なくとも一方の画像を変形させて上記構造物の位置関係を対応させ、その後に両画像の画素を対応(位置を対応)させた減算処理を施すことにより、両画像の差異を表す差分画像(サブトラクション画像)を得、このサブトラクション画像をCRT等の表示手段に表示させることにより、読影者に、両画像間の差異を容易に見い出さしめることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで例えば人体の胸部放射線画像のように、肋骨や背骨等の骨部組織と筋肉や内臓等の軟部組織とが混在した画像において、被写体(人体)の体位(撮影の立ち位置や、向きなど)変動に応じた位置変動量・位置変動向きが骨部と軟部とで異なる値・向きを示す場合がある。従来、骨部/軟部いずれの変動によるものであるかは問わずに、求められた変動量・変動方向に基づいて位置合わせを行なっていた。従って、位置合わせに利用される変動量・変動方向は骨部/軟部変動に基づくものが混在することとなるので、骨部と軟部とが異なる変動量・変動方向を有している場合は、画像部分間で精度よく位置合わせを行なうことができず、骨部のアーティファクトと軟部のアーティファクトとの双方が残存するサブトラクション画像が作成される場合があり、このように多種の構造物のアーティファクトがそれぞれ残存するサブトラクション画像によれば、適切な診断を行なうのが困難であった。例えば、骨部と軟部とが近接していたり重なっていたりする場合(例えば肋骨と血管とが重なっている場合等)、骨部の変動方向は例えば右方向、その隣の軟部の変動方向はその反対の左方向といったことが起こり、これらを用いて位置合わせするとさらに不正確となり、最悪、肋骨1本分以上も位置ずれする場合があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、比較読影の対象となる同一被写体についての2以上の画像について、従来よりも比較対象部分の対照精度を高めることによって、読影性能を向上させることができる、画像の位置合わせ方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像の位置合わせ方法は、2以上の画像を位置合わせする画像の位置合わせ方法において、2以上の画像のそれぞれについて特定の構造物を重視した特定構造物重視画像を取得し、取得された特定構造物重視画像間で構造的対応位置関係を求め、求められた構造的対応位置関係に基づいて、2以上の画像を位置合わせすることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、特定構造物重視画像とは、例えば、2以上の画像の各々が医療用放射線画像であるときには、骨部重視画像や軟部重視画像を示す。
【0011】
骨部重視画像とは、例えばエネルギ分布が互いに異なる2つのエネルギサブトラクション用原画像に基づいて生成されるエネルギサブトラクション画像のうちの骨部画像や、画像中の肋骨に相当する直線的なエッジを強調したエッジ強調画像など、骨部を重視して2以上の画像を位置合わせする際に有効な画像を広く意味するものである。また、軟部重視画像とは、エネルギサブトラクション画像のうちの軟部画像や、画像中の水平方向の直線的なエッジ(肋骨に相当する部分)をぼかした画像など、軟部を重視して2以上の画像を位置合わせする際に有効な画像を広く意味するものである。
【0012】
すなわち、上述した本発明の画像位置合わせ方法について、上記2以上の画像を2組以上のエネルギサブトラクション用原画像とし、上記特定構造物重視画像をエネルギサブトラクション用原画像に基づいて各組ごとに取得されたエネルギサブトラクション画像とすることもできる。つまり、2組以上のエネルギサブトラクション用原画像をそれらの組間で位置合わせする画像の位置合わせ方法において、各組のエネルギサブトラクション用原画像に基づいて、各組ごとにエネルギサブトラクション画像をそれぞれ取得し、得られたエネルギサブトラクション画像について各組間で、構造的対応位置関係を求め、求められた、エネルギサブトラクション画像についての構造的対応位置関係に基づいて、エネルギサブトラクション用原画像について前記組間で位置合わせすることを特徴とするものとしてもよい。
【0013】
ここで、少なくとも2つのエネルギ分布が互いに異なる原画像に基づいて、少なくとも1つのエネルギサブトラクション画像を得ることができるため、上記「2組以上のエネルギサブトラクション用原画像」とは、少なくとも1つのサブトラクション画像を得るための原画像(エネルギサブトラクション用原画像)の組が2以上存在することを示すものである。すなわち、骨部重視画像や軟部重視画像にエネルギサブトラクション画像を用いる場合には、全部で最低限4つの原画像が存在することを意味する。例えばエネルギ分布が互いに異なる2つ原画像をS1,S2とすると、これら2つの原画像S1,S2に基づいて、下記減算式により1つのエネルギサブトラクション画像Ssu1を得ることができる。
【0014】
Ssu1=αS1−βS2
この式中のαおよびβは重み付け係数であり、この値を変化させることにより、多数のエネルギサブトラクション画像Ssu1(例えば、骨部重視画像として用いられる骨部画像や、軟部重視画像として用いられる軟部画像)を得ることができる。このとき2つの原画像S1およびS2を、1組のエネルギサブトラクション用原画像と称する。
【0015】
「2組以上のエネルギサブトラクション用原画像(2以上の画像)を位置合わせする」とは、例えば第1組のエネルギサブトラクション用原画像をS11,S12とし、第2組のエネルギサブトラクション用原画像をS21,S22としたとき、第1組の原画像S11と第2組の原画像S21とで位置合わせをすることを意味する。もちろん第1組の原画像S12と第2組の原画像S22とで位置合わせしてもよいし、第1組の原画像S11と第2組の原画像S22とで、または第1組の原画像S12と第2組の原画像S21とで位置合わせをしてもよい。ただし、エネルギサブトラクション用原画像は、高圧強調画像(高圧画像)と低圧強調画像(低圧画像)との2つが用いられるのが一般的であり、低圧画像同士または高圧画像同士で位置合わせを行なうのが好ましく、さらにはノイズ成分が比較的少ない低圧画像同士で位置合わせを行なうのがより好ましい。
【0016】
なお被写体には、人体等の他、動植物、工業製品、地形、天体、風景等あらゆるものが含まれる。
【0017】
また構造的対応位置関係とは、画像として記録されている被写体の構造要素を対応させたときの位置関係を意味するものであり、画像上の構造要素を無視して画像の左端縁から○○cm,上端縁から○×cmという単に形式的な位置を一致させた位置関係を意味するものではない。なお構造とは、単に画像上の外観的な構造物だけでなく、例えば解剖学的な構造物(例えば肺野、胸骨、頸部等)であってもよい。医療分野においては比較読影上、最も関心のある部分だからである。
【0018】
また、本発明の画像位置合わせ方法を、骨部重視画像間の構造的対応位置関係と軟部重視画像間の構造的対応位置関係とを所定の割合で重み付け加算して得られた対応位置関係に基づいて、上記2以上の画像を位置合わせするものとしてもよい。すなわち、第1の画像の骨部重視画像と第2の画像の骨部重視画像とで構造的対応位置関係を求めてP1とし、第1の画像の軟部重視画像と第2の画像の軟部重視画像とで構造的対応位置関係を求めてP2とし、構造的対応位置関係P1とP2とを重み付け加算して得られた対応位置関係P3(=mP1+nP2;ただし、m+n=1)に基づいて第1の画像と第2の画像とを位置合わせしてもよい。さらにmとnとを連続的に変化させて対応する対応位置関係P3も連続的に変化させ、それに伴って連続的に位置合わせ状態も変化させてもよい。
【0019】
また、重み付け加算の際の所定の割合を、2以上の画像の部位ごとに設定してもよい。すなわち、画像における部位別に上記mとnとを適宜変化させて対応位置関係P3を算出してもよい。
【0020】
本発明の画像の位置合わせ装置は上記本発明の画像の位置合わせ方法を実施するための装置であって、2以上の画像を位置合わせする位置合わせ手段を備えた画像の位置合わせ装置において、2以上の画像のそれぞれについて特定の構造物を重視した特定構造物重視画像を取得する構造物重視画像取得手段と、構造物重視画像取得手段において取得された特定構造物重視画像間で構造的対応位置関係を求める構造的対応位置関係算出手段とを備え、位置合わせ手段が、構造的対応位置関係算出手段により求められた構造的対応位置関係に基づいて上記2以上の画像を位置合わせするものであることを特徴とするものである。
【0021】
また、上記2以上の画像の各々を医療用放射線画像とし、上記特定構造物重視画像を骨部重視画像および/または軟部重視画像としてもよい。
【0022】
本発明の画像位置合わせ装置を、骨部重視画像間の構造的対応位置関係と軟部重視画像間の構造的対応位置関係とを所定の割合で重み付け加算して対応位置関係を求める対応位置関係算出手段をさらに備え、位置合わせ手段が、対応位置関係算出手段により求められた対応位置関係に基づいて、上記2以上の画像を位置合わせするものとすることもできる。さらに、対応位置関係算出手段を、重み付け加算の際の所定の割合を上記2以上の画像の部位ごとに設定可能なものとしてもよい。
【0023】
また、構造的対応位置関係算出手段を、特定構造物重視画像間でグローバルな位置合わせを行ない、さらに、グローバルな位置合わせがなされた特定構造物重視画像を仮想的に多数の狭小な小領域に分割し、分割して得られた多数の狭小な小領域をそれぞれ対応させてローカルマッチングを行なうことにより、構造的対応位置関係を求めるものとしてもよい。
【0024】
また、2以上の画像を2組以上のエネルギサブトラクション用原画像とし、特定構造物重視画像を、エネルギサブトラクション用原画像に基づいて各組ごとに取得されたエネルギサブトラクション画像とすることもできる。すなわち、2組以上のエネルギサブトラクション用原画像をそれらの組間で位置合わせする位置合わせ手段を備えた画像の位置合わせ装置において、各組のエネルギサブトラクション用原画像に基づいて、各組ごとにエネルギサブトラクション画像をそれぞれ取得するエネルギサブトラクション手段と、得られたエネルギサブトラクション画像について各組間で、構造的対応位置関係を求める対応位置関係算出手段とを備え、位置合わせ手段が、前記求められた、エネルギサブトラクション画像についての構造的対応位置関係に基づいて、エネルギサブトラクション用原画像について前記組間で位置合わせするものとしてもよい。
【0025】
また、骨部重視画像を、2以上の画像の各々のエッジ強調画像とすることもできる。
【0026】
なお、上記2以上の画像を、撮影時点が互いに異なる時系列の画像としてもよいし、また、比較読影の対象となる、同一被写体についての画像としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明の画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置によれば、2以上の画像を位置合わせする画像位置合わせ方法において、各画像から取得された特定構造物重視画像間で構造的対応位置関係を求め、求められた構造的対応位置関係に基づいて画像を位置合わせするから、上記特定構造物同士についてより精度高く位置合わせすることが可能となり、その結果、アーティファクトが残存する構造物の種類を限定することができ、残存したアーティファクトと上記2以上の画像間の差異とを容易に識別して画像間の差異を読影者に認識させることができる。
【0028】
すなわち2以上の画像に基づいて例えば軟部重視画像を取得し、構造的対応位置関係算出手段により、軟部重視画像同士の構造的対応位置関係を算出し、算出された構造的対応位置関係に基づいて、位置合わせ手段が上記2以上の画像を位置合わせすると、この際には、軟部の対応位置関係に基づいた位置合わせがなされるため、差分画像においては、軟部の同一構造物についてはほぼ消去されるが、軟部に存在する差異(例えば一方の画像にのみ存在する異常陰影等)は残存し、骨部はアーティファクトとして残る。
【0029】
しかし、骨部のアーティファクトは真の輪郭線を挟んだ狭い範囲内で正の濃度(高濃度)と負の濃度(低濃度)との両方が生じるのに対して、軟部の陰影はそのようなことがない。したがって、アーティファクトから軟部の陰影(差異)を明確に峻別することができる。
【0030】
このように本発明の画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置によれば、2以上の画像を位置合わせしてサブトラクション画像を作成するときに、従来のように骨部と軟部等の多種のアーティファクトが残存する中途半端なサブトラクション画像が作成されるのを防止することができ、多様なサブトラクション画像を提供して、適切な診断を行なうことができる。
【0031】
また、骨部重視画像間の構造的対応位置関係と軟部重視画像間の構造的対応位置関係とを所定の割合で重み付け加算して得られた対応位置関係に基づいて、2以上の画像を位置合わせすれば、骨部と軟部の双方をある程度消去させたサブトラクション画像を取得することが可能となり、また、所定の割合を適宜変化させることによって様々な種類のサブトラクション画像を得ることができるから、読影者の要望にあわせて、例えば経過観察に適した画像や疾患の発見に適した画像など、種々の画像を生成することが可能になる。
【0032】
さらに、画像における部位ごとに、重み付け加算の際の所定の割合を設定可能とすれば、部位ごとに、その部位の位置ずれ程度の特徴によって、構造的対応位置関係の重み付けを変化させて位置合わせすることが可能になるから、例えば姿勢の変化のため、部位ごとに位置ずれの方向や程度が異なる場合でもある程度適切に部位同士の位置合わせをすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0034】
図1は本発明の画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置の一実施形態である画像位置合わせ装置10を含む医療用画像ネットワーク100を示す図である。
【0035】
図示のネットワーク100には、例えばCT装置(コンピュータ断層像撮影装置)、MRI装置(磁気共鳴像撮影装置)、CR装置(コンピュータラジオグラフィ)50等の医療用画像生成装置と、これらの医療用画像生成装置により生成された各種の診断用医療画像を蓄積記憶するデータベース70と、データベース70に一旦記憶された画像や画像生成装置から直接送られた複数の画像の位置合わせを行なう位置合わせ装置10と、位置合わせ装置10により位置合わせがなされた画像間で減算処理を施すサブトラクション手段20と、サブトラクション手段20により減算処理して得られたサブトラクション画像を可視画像として表示する画像表示手段30などが接続されている。なおネットワーク100には、このネットワーク100上を流通する画像をフイルム等に出力するプリンター等も接続されているが、CT装置およびMRI装置を含めて本図においては図示を省略している。
【0036】
CR装置50は、被写体を透過した放射線を、輝尽性蛍光体層を有するシート状の蓄積性蛍光体シートに照射することにより、蓄積性蛍光体シートに被写体の透過放射線像を蓄積記録し、その後、当該蓄積性蛍光体シートにレーザ光を照射して、シートに蓄積記録されている放射線エネルギに応じた光量で発光する輝尽発光光を光電的に読み取ることにより、被写体の透過放射線像をデジタル画像として取得する装置であり、病院等の医療機関において広く使用されているものである。
【0037】
CR装置50とネットワーク100との間に介在しているQA−WS(画像品質チェック用ワークステーション)60は、上述したCR装置50等の画像生成装置により生成された診断用画像をチェックし、必要な場合は画像生成装置に対して画像の再取得を要求するなどの機能を備えたワークステーションである。本実施形態におけるこのQA−WS60は、CR装置50によって生成されたデジタル画像Pを、データベース70に蓄積記憶する前に表示して、画像濃度、コントラストなどの画質チェック、撮影範囲等のチェックを行うものとして設けられている。
【0038】
画像位置合わせ装置10は、ネットワーク100を介して入力された、撮影時期が組ごとにそれぞれ同日である2組のエネルギサブトラクション用原画像S11,S12およびS21,S22にそれぞれ基づいて対応するエネルギサブトラクション画像Ssu11,Ssu21を算出するエネルギサブトラクション画像作成手段(構造物重視画像取得手段)11と、両サブトラクション画像Ssu11,Ssu21の構造的対応位置関係を求める対応位置関係算出手段(構造的対応位置関係算出手段を含む)12と、得られた対応位置関係に基づいて、エネルギサブトラクション用原画像のうち低圧画像S11,S21同士を位置合わせ処理する位置合わせ手段13とを備えた構成である。
【0039】
次に本実施形態の位置合わせ装置10を含む医療用画像ネットワーク100の作用について説明する。
【0040】
CR装置50により予め、撮影時期を異にして、それぞれ特定の患者の胸部についてのエネルギサブトラクション用原画像S11,S12およびS21,S22が撮影され、これらの画像S11,S12(S11およびS12は同時に撮影された画像である)およびS21,S22(S21およびS22は同時に撮影された画像である)はQA−WS60により画質等のチェックがされた後にネットワーク100を介してデータベース70に蓄積記憶されている。この蓄積記憶されている各画像S11,S12およびS21,S22には、撮影された患者に固有のID番号と、撮影部位(本説明においては胸部)・撮影体位を表す記号と、撮影日と、エネルギサブトラクション用原画像(高圧画像、低圧画像の別を含む)である旨の情報がヘッダ情報として付帯している。なお2つの原画像S11,S21は撮影日が異なる、同一患者の胸部正面画像であり、時系列的な比較を行おうとする画像である。第1組の第1原画像S11よりも第2組の第1原画像S21の方が撮影時期が新しく、第1組第1原画像S11は過去画像、第2組第1原画像S21は現在の画像ということができるものである。
【0041】
まず位置合わせ装置10のエネルギサブトラクション画像作成手段11に、ネットワーク100を介してデータベース70から同一のID番号、同一の撮影部位記号、同一撮影日のヘッダ情報が付帯している2組のエネルギサブトラクション用原画像のうち第1組第1原画像S11および第1組第2原画像S12が入力される。図2の処理フローに示すように、エネルギサブトラクション画像作成手段11は、入力された2つの原画像S11,S12に基づいてこれらの原画像についてのエネルギサブトラクション画像Ssu11を算出する。エネルギサブトラクション画像は、特開昭59-83484号、特開平3-285475号等により開示されているように、互いにエネルギ分布が異なる両原画像S11,S12をそれぞれ表す原画像信号S11,S12(説明を簡単にするため、原画像S11,S12と同一の符号を付する)について、対応する構造物の位置を合致させた上で、画像中の所定の構造物についての画素の信号値が略一致するように両原画像信号値S11,S12に重み付けを行なって、対応する画素の信号値間で減算処理することにより、当該所定の構造物を略消去した画像(エネルギサブトラクション画像)Ssu11(=αS11−βS12;α,βはそれぞれ重み付け係数)であり、特にエネルギ吸収率の差が大きい複数の構造物を分離して観察するのに効果的である。
【0042】
本実施形態においては、2つの原画像S11,S12にそれぞれ存在する骨部の信号値を略一致させて減算処理することにより、骨部が略消去された軟部画像をエネルギサブトラクション画像Ssu11として得る。
【0043】
同様に、もう1組のエネルギサブトラクション用原画像S21(第2組第1原画像)およびS22(第2組第2原画像)がエネルギサブトラクション画像作成手段11に入力され、これらに基づいて、骨部が消去された軟部画像を表すエネルギサブトラクション画像Ssu21が算出される。
【0044】
このようにして得られた2つのエネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11およびSsu21は対応位置関係算出手段12に入力され、エネルギサブトラクション画像算出の基礎となった各原画像S11,S12およびS21,S22はメモリ14に記憶される。
【0045】
ここで算出された2つのエネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11およびSsu21は、いずれも骨部が消去された軟部画像であるが、第1組の原画像と第2組の原画像とは撮影時期が互いに異なる画像であるため、両組の画像間には撮影時の体位などに差があり、したがってそれらの原画像に基づいて得られた両サブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21間にも、軟部の構造物について対応位置関係に差が存在する。なお、この特定の構造物についての対応位置関係を構造的対応位置関係という。
【0046】
対応位置関係算出手段12は、入力された両サブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21中の構造物の構造的対応位置関係を算出する。すなわち、エネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21間で線形変換によるグローバルな位置合わせを行ない、このグローバルな位置合わせがなされた後のエネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21について、仮想的に多数の狭小な小領域に分割し、分割して得られた多数の狭小な領域をそれぞれ対応させてさらにローカルマッチングを行なうことにより、構造的対応位置関係を求める。具体的には、エネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21について、第1に、一方のサブトラクション画像(例えば、第1組のサブトラクション画像Ssu11)を基準として他方のサブトラクション画像(同、第2組のサブトラクション画像Ssu21)の構造物(軟部画像中の構造物)が略一致するように、アフィン変換等の線形変換による全体的な概略位置合わせ(グローバルな位置合わせ)を行ない、このグローバルな位置合わせがなされた後の両エネルギサブトラクション画像Ssu11,Ssu21について、第2に、一方のサブトラクション画像(例えば、第1組のサブトラクション画像Ssu11)を仮想的に多数の狭小な小領域(テンプレート領域)に分割し、他方のサブトラクション画像(例えば、グローバルな位置合わせ処理が施された後の第2組のサブトラクション画像Ssu21)に、一方のサブトラクション画像のテンプレート領域にそれぞれ対応させた、当該テンプレート領域よりも広い領域のテンプレート探索領域を設定した上で、一方のサブトラクション画像中の各テンプレート領域の画像部分と、他方のサブトラクション画像中の対応するテンプレート探索領域の画像部分とが略一致するように、テンプレート領域をテンプレート探索領域内で移動させて、各テンプレート/テンプレート探索領域ごとに対応位置関係を算出(ローカルマッチング)する。なお、このローカルマッチングによれば、狭小な領域ごとに対応位置関係が異なるため、第1のグローバルな位置合わせとは異なる非線形の位置合わせとなる。
【0047】
このようにして両サブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21間の構造的対応位置関係が算出されると、この構造的対応位置関係が位置合わせ手段13において原画像を位置合わせする際の対応位置関係として位置合わせ手段13に入力される。位置合わせ手段13は、入力された対応位置関係に基づいて、メモリ14から入力された第1組第1の原画像S11と第2組第1の原画像S21(いずれも低圧画像)とを位置合わせ処理する。
【0048】
ここで、位置合わせ手段13に入力された対応位置関係は、エネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21についての構造的対応位置関係であるため、両原画像S11,S21中の軟部画像についての構造的対応位置関係である。したがって、位置合わせ手段13により位置合わせされるのは、両原画像S11,S21中の軟部画像部分のみである。
【0049】
このように軟部画像部分が略位置合わせされた後の両原画像S11,S21は、位置合わせ装置10から出力され、サブトラクション手段20に入力される。サブトラクション手段20は、軟部画像部分が位置合わせされている両原画像S11,S21について、所定の重み付けを行なった上で、画素を対応させて減算処理を行なう。この結果、得られた第1組画像と第2組画像との間のサブトラクション画像Ssuは、骨部のアーティファクトは残存するものの、軟部のアーティファクトは殆ど残存せずに、軟部組織における経時変化部分のみが現れた画像となる。そしてこのサブトラクション画像Ssuは表示手段30に入力され、表示手段30は入力されたサブトラクション画像Ssuを可視的に表示し、医師等の画像読影者に対して、診断用画像として供される。
【0050】
ここで骨部のアーティファクトと軟部組織の経時変化部分とは、画像読影者が明確に識別可能である。すなわち画像間の位置ずれに起因してサブトラクション画像に現れるアーティファクトは、位置ずれが無いとしたときの本来の基準濃度に対して高濃度部分と低濃度部分との両方が極近接して現れるのに対して、軟部組織の経時変化部分はそのようなことが無く、単に高濃度または低濃度の画像部部として出現する。したがって、骨部のアーティファクトが残存していても、軟部組織の経時変化部分と識別し難い軟部組織のアーティファクトが略消去されることにより、医師等の画像読影者に対して、非常に診断性能の高い画像となる。
【0051】
このように本実施形態の画像の位置合わせ装置によれば、比較読影の対象となる同一被写体についての2以上の画像について、従来のように骨部と軟部等の多種のアーティファクトが残存する中途半端なサブトラクション画像が作成されるのを防止することができ、多様なサブトラクション画像を提供して、適切な診断を行なうことができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態について以下に説明する。なお、その構成および作用は上記第1の実施形態とほぼ同様であるため、構成図として図1を採用し、上記第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0053】
本実施形態において、エネルギサブトラクション画像作成手段11は、骨部が略省略されたエネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11およびSsu21とともに、軟部が略省略されたエネルギサブトラクション(骨部)画像Ssu12およびSsu22を作成し、作成されたエネルギサブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21と、エネルギサブトラクション(骨部)画像Ssu12,Ssu22とが対応位置関係算出手段12に入力される。また、エネルギサブトラクション画像算出の基礎となった各原画像S11,S12およびS21,S22はメモリ14に記憶される。
【0054】
ここで算出された2つのエネルギサブトラクション(骨部)画像Ssu12およびSsu22は、上記第1の実施形態における軟部画像と同様に、撮影時期が異なる原画像に基づいて得られた画像であるため、画像間には撮影時の体位などに差がある。なお、この差によって表われる骨部画像同士の構造的対応位置関係の差は、軟部画像同士の構造的対応位置関係の差とは必ずしも一致するものではなく、その体位によって異なる方向に差が表われる場合もある。
【0055】
対応位置関係算出手段12は、まず、入力されたサブトラクション(骨部)画像Ssu12,Ssu22中の構造物の構造的対応位置関係(骨部)P1と、サブトラクション(軟部)画像Ssu11,Ssu21中の構造物の構造的対応位置関係(軟部)P2とを算出し、さらに、算出された構造的対応位置関係(骨部)P1と構造的対応位置関係(軟部)P2とを所定の割合で重み付け加算して対応位置関係(原画像)P3(=mP1+nP2;ただし、m+n=1)を算出する。
【0056】
ここで、重み付け加算の際の所定の割合(m、n)を、原画像における部位1〜3(図3、胸部画像参照)ごとに切り替えて、部位ごとに対応位置関係P3を算出する。例えば、部位1と部位3ではm=1、n=0として構造的対応位置関係(骨部)P1を対応位置関係P3とし、部位2ではm=0、n=1として構造的対応位置関係(軟部)P2を対応位置関係P3とし、それ以外の中間部分では部位間で線形補間するようにmとnを設定して対応位置関係P3を算出する。上記各部位の位置(範囲)は、例えば特願2000-298100に示すような胸郭検出方法を用いれば自動的に設定することができるため、各部位における重み付け加算の所定の割合(m、n)を予め部位ごとに設定して自動的に部位ごとの対応位置関係P3を算出するようにしてもよい。また、読影者が手動で部位の位置や重み付け加算の所定の割合(m、n)の設定をするようにしてもよい。
【0057】
位置合わせ手段13は、対応位置関係算出手段12から入力された部位ごとの対応位置関係P3に基づいて、メモリ14から入力された第1組第1の原画像S11と第2組第1の原画像S21(いずれも低圧画像)とを部位ごとに対応位置関係P3を変化させて位置合わせ処理する。
【0058】
ここで、位置合わせ手段13に入力された部位ごとの対応位置関係は、原画像の部位ごとの特徴(位置ずれ方向や程度の特徴)に合わせて構造的対応位置関係を部位別に重み付け加算して得られた対応位置関係であるため、各部位ごとにある程度精度よく位置合わせをすることができる。すなわち、姿勢の変化があったために部位ごとに異なる方向に位置ずれした画像でも、各部位ごとに適切な方向に合わせて位置合わせすることができるから、少なくとも各部位においてはある程度精度よく位置合わせすることができる。
【0059】
なお上記第1の実施形態の画像の位置合わせ装置においては、エネルギサブトラクション画像作成手段11が、骨部画像を消去した軟部画像を作成するものとしたが、本発明の画像の位置合わせ方法および装置はその実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば上記実施形態とは反対に、軟部画像を消去した骨部画像を作成するものとしてもよいし、骨部画像と軟部画像とをそれぞれ作成して、骨部画像(エネルギサブトラクション画像としての)同士を位置合わせして主として骨部が消去されたサブトラクション画像Ssuと軟部画像(エネルギサブトラクション画像としての)同士を位置合わせして主として軟部が消去されたサブトラクション画像Ssu′との2つの経時サブトラクション画像を作成し、これら2つのサブトラクション画像をそれぞれ表示してもよいし、これら2つのサブトラクション画像を例えば重み付け加算して得られた画像Ssu″(=(m・Ssu+n・Ssu′)/(m+n);m,nは定数)を表示するようにしてもよい。さらにこの定数mおよびnを連続的に変化させて得られるモーフィング画像として表示するようにしてもよい。
【0060】
また、上記各実施形態においては、構造物重視画像(骨部重視画像、軟部重視画像)としてエネルギサブトラクション画像を利用した例を示したが、本発明における構造物重視画像はこれに限るものではなく、例えば、骨部重視画像としては、特願2000-303743に記載されているように肋骨に相当する直線的なエッジを強調した画像を用いてもよく、軟部重視画像としては、水平方向の直線的なエッジ(肋骨に相当する部分)をぼかした画像を用いてもよい。
【0061】
また上記各実施形態の画像位置合わせ装置によれば、エネルギサブトラクション画像同士に基づいて得られた対応位置関係を、原画像のうち低圧画像について適用したが、高圧画像について適用してもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像位置合わせ装置を含む医療用画像ネットワークを示す図
【図2】図1に示した医療用画像ネットワークにおける、主として画像位置合わせ装置の処理フローチャートを示す図
【図3】胸部画像における部位1〜3を示す図
【符号の説明】
10 画像位置合わせ装置
11 エネルギサブトラクション画像作成手段
12 対応位置関係算出手段
13 位置合わせ手段
14 メモリ
20 サブトラクション手段
30 表示手段
50 CR装置
60 QA−WS
70 データベースサーバー
100 ネットワーク
Claims (11)
- 2以上の医療用放射線画像を位置合わせする画像の位置合わせ方法において、
前記2以上の医療用放射線画像のそれぞれについて骨部および軟部を重視した骨部重視画像および軟部重視画像を取得し、
該取得された骨部重視画像間および軟部重視画像間で構造的対応位置関係を求め、
該求められた骨部重視画像間の構造的対応位置関係と軟部重視画像間の構造的対応位置関係とを所定の割合で重み付け加算して得られた対応位置関係に基づいて、前記2以上の医療用放射線画像を位置合わせすることを特徴とする画像の位置合わせ方法。 - 前記所定の割合を、前記2以上の医療用放射線画像の部位ごとに設定することを特徴とする請求項1記載の画像の位置合わせ方法。
- 前記2以上の医療用放射線画像が2組以上のエネルギサブトラクション用原画像であり、前記骨部重視画像および軟部重視画像が、前記エネルギサブトラクション用原画像に基づいて各組ごとに取得されたエネルギサブトラクション画像であることを特徴とする請求項1または2記載の画像の位置合わせ方法。
- 前記骨部重視画像が、前記2以上の医療用放射線画像の各々のエッジ強調画像であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の画像の位置合わせ方法。
- 2以上の医療用放射線画像を位置合わせする位置合わせ手段を備えた画像の位置合わせ装置において、
前記2以上の医療用放射線画像のそれぞれについて骨部および軟部を重視した骨部重視画像および軟部重視画像を取得する構造物重視画像取得手段と、
該構造物重視画像取得手段において取得された骨部重視画像間および軟部重視画像間で構造的対応位置関係を求める構造的対応位置関係算出手段と、
該構造的対応位置関係算出手段において求められた前記骨部重視画像間の構造的対応位置関係と前記軟部重視画像間の構造的対応位置関係とを所定の割合で重み付け加算して対応位置関係を求める対応位置関係算出手段とを備え、
前記位置合わせ手段が、前記対応位置関係算出手段により求められた前記対応位置関係に基づいて、前記2以上の医療用放射線画像を位置合わせするものであることを特徴とする医療用放射線画像の位置合わせ装置。 - 前記対応位置関係算出手段が、前記所定の割合を、前記2以上の医療用放射線画像の部位ごとに設定可能なものであることを特徴とする請求項5記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記構造的対応位置関係算出手段が、前記骨部重視画像および軟部重視画像間でグローバルな位置合わせを行ない、さらに、該グローバルな位置合わせがなされた前記骨部重視画像および軟部重視画像を仮想的に多数の狭小な小領域に分割し、分割して得られた多数の狭小な小領域をそれぞれ対応させてローカルマッチングを行なうことにより、前記構造的対応位置関係を求めるものであることを特徴とする請求項5または6記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記2以上の医療用放射線画像が2組以上のエネルギサブトラクション用原画像であり、前記骨部重視画像および前記軟部重視画像が、前記エネルギサブトラクション用原画像に基づいて各組ごとに取得されたエネルギサブトラクション画像であることを特徴とする請求項5から7いずれか記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記骨部重視画像が、前記2以上の医療用放射線画像の各々のエッジ強調画像であることを特徴とする請求項5から8いずれか記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記2以上の医療用放射線画像が、撮影時点が互いに異なる時系列の医療用放射線画像であることを特徴とする請求項5から9いずれか記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記2以上の医療用放射線画像が、比較読影の対象となる、同一被写体についての医療用放射線画像であることを特徴とする請求項5から10いずれか記載の画像の位置合わせ装置。
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