JP4296288B2 - ドア閉じ検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアの閉じ性能を評価するためのドア閉じ検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車のドア閉じ性能評価の技術としては、たとえば、ドアの外周縁部にドア側可動部材を取り付け、ボディにボディ側固定部材を取り付けて、ドア側可動部材に固定されている2個一対の被検出部が、ボディ側固定部材に取り付けられている光学式検出器の光をさえぎった速度とタイミング差に基づいて半ドア状態を検出する技術がある(特許文献1参照)。
【0003】
この技術では、2個一対の被検出部の両方が光学式検出器の光をさえぎればドアが完全に閉まったと判定し、2個一対の被検出部のうち一方しか光学式検出器の光をさえぎらなければドアが半ドア状態と判定している。
【0004】
【特許文献】
特開2001−354177号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術では、2個一対の被検出部が、ドアが完全に閉じたときには両方検出され、半ドアの時には一方のみが検出されるように、被検出部を有するドア側可動部材をドアの外縁部に取り付け、光学式検出器を有するボディ側固定部材をボディ側に取り付けなければならない。このため、これらドア側可動部材とボディ側固定部材の取り付け精度を高くしなければ、半ドアの時でも被検出部材が両方とも検出されたり、また、逆に完全に閉まったときでも一方の被検出部材しか検出されないと言ったことが起きてしまい、ドア側可動部材とボディ側固定部材を取り付けのための作業準備時間が長くなってしまうと言った問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、検査準備時間を短縮し、確実にドアの閉じ状態、すなわち、完全にドアが閉じたか、半ドア状態かを自動判定することのできるドア閉じ検査装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、ドアに取り付けられ、ドアの動きに伴って発生する荷重を測定する荷重測定手段と、前記荷重測定手段が計測した荷重値の変化に基づいて、ドアが半ドア状態であるか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とするドア閉じ検査装置である。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、ドアが半ドア状態であるか否かを荷重測定手段を取り付けるだけで、自動的に判定することが可能となり、しかも、荷重測定手段の取り付け位置はドアのどこでもよく、取り付け位置の調整などの面倒な作業は行う必要がないため、検査準備時間を短縮化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態であるドア閉じ検査装置の概略を示す。この検査装置10は、ヒンジを介して車体本体(ドア支持体)に回動可能に取り付けられているドアの閉じ性能を評価するものである。
【0011】
図1に示されるとおり、検査装置10は、ドア閉じ動作中にドアにかかる荷重を測定するための荷重測定手段であるロードセル11と、角速度ωを測定する角速度測定手段である角速度センサ100と、ロードセル11と角速度センサ100に接続されたコンピュータ(以下「PC」と称する)とを備える。
【0012】
ロードセル11は、自動車のドアに取り付けられ、ドアの開閉に伴ってドアにかかる荷重(いわゆる動荷重)を測定するものであり、ひずみゲージを使用して加わった荷重を電圧の変化に変換して測定する。ここで、ドアにかかる荷重とは、ドアの開閉に伴ってドアに加わる力であり、また、ドアが閉まったときにドアがボディ側と当たることによりドアに加わる反力である。
【0013】
このロードセル11には、ロードセル11の一面に、磁石12が取り付けられている。これにより、ロードセル11は、磁石12の磁力によってドアに対して容易に取り付け、取り外すことができる。
【0014】
なお、本実施の形態と異なり、ロードセル11には、磁石の代わりに、たとえば吸盤を有するようにしてもよい。この場合、ロードセル11は、この吸盤によってドアに対して着脱自在となる。
【0015】
角速度センサ100は、自動車のドアに取り付けられ、ドアの開閉角度の時間変化を角速度ωとして測定するものである。好ましくは、各速度センサ100は、コリオリ力に基づいて角速度ωを測定するジャイロ型の角速度センサである。この角速度センサ100にも磁石110が設けられており、磁石110の磁力によってドアに着脱自在となっている。なお、角速度センサ100においても、磁石の代わりに吸盤を設けて、この吸盤によってドアに着脱自在となるようにしてもよい。
【0016】
PC200は、判定手段として機能するものであり、ロードセル11および角速度センサ100からケーブル30および300を介して受信したロードセル11からの荷重値の測定データ(電圧値)と、角速度ωの測定データを解析することによって、閉じられたドアが半ドア状態か否かについて判定する。また、PC200は、角速度センサ100によって測定された角速度ωに基づいて、ドアが閉じられた速度を算出し、この速度を元にしてドアの移動量を算出する。そして、これらの結果に基づいて、PC200は、ドア閉じ性能を評価する。
【0017】
ここで、「ドアが閉じられた速度」とは、好ましくは、ドアロック機構がドアに設けられているドア部分の移動速度(以下「ドア速度」と称する)である。また、「ドアの閉じ性能の評価」とは、適正範囲の速度でドアを閉めた場合に、閉じられたドアが半ドア状態とならずに確実に閉鎖された状態(以下「完全閉鎖状態」という)となるか否かを判定することを意味する。換言すれば、「ドアの閉じ性能」は、閉じられたドアが完全閉鎖状態となるために必要なドア速度に対応する。もちろん、必要なドア速度が低いほど、ドアの閉じ性能は高くなる。
【0018】
図2はこのドア閉じ検査装置10の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示されるとおり、PC200は、インタフェース210、A/Dコンバータ(ADCカード)220、RAM230、ROM240、プロセッサ250、ディスプレイ260、およびハードディスク270を備える。
【0020】
インタフェース210は、PC200と、ロードセル11および角速度センサ100とを電気的に接続し、ロードセル11および角速度センサ100によって測定された荷重と角速度ωの測定データを受信する。
【0021】
A/Dコンバータ220は、インタフェース210を介して受信された荷重と角速度ωの測定データをアナログデータからデジタルデータへと変換する。
【0022】
RAM230は、デジタルデータに変換された荷重と角速度ωの測定データを一時的に記憶するメモリであり、荷重の変化と角速度ωの変化を解析する際のワーキングエリアとしても機能する。
【0023】
ROM240は、制御プログラムやパラメータをあらかじめ記憶するためのメモリである。
【0024】
プロセッサ250は、得られた荷重および角速度ωの測定データに基づいて種々の演算および制御を実行するものである。プロセッサ250は、検査開始時の判定、半ドア判定、ドア速度算出、および移動量算出を担当する。
【0025】
ディスプレイ260は、プロセッサ250による処理結果を表示する。処理結果には、たとえば、ドアが半ドア状態であるか否かの判定結果、算出されたドア速度の値、ドアの移動量、および/またはドア閉じ性能の評価結果などである。
【0026】
ハードディスク270は、上記の処理結果をデータファイルとして保存する。なお、ハードディスク270には、プロセッサ250によって実行されるプログラムを格納しておく役目もある。
【0027】
なお、図示していないが、さらにプリンタなどを設けて評価結果などをプリントアウトできるようにしておいてもよい。
【0028】
以上のとおり構成される検査装置10におけるデータの流れは、ロードセル11および角速度センサ100からの信号(アナログデータ)がA/Dコンバータ220に入力され、ここで、デジタルの荷重および角速度ωの測定データに変換される。デジタルデータに変換された荷重および角速度ωの測定データはRAM230(メモリ)に一時記憶される。そして、プロセッサ250は、一次記憶された測定データを解析し、検査開始時の判定、半ドア判定、およびドア速度の算出などの各種の処理を実行する。処理結果は、ディスプレイ260に表示するとともに、ハードディスク270に保存する。
【0029】
図3は、ロードセル11および角速度センサ100を自動車のドアに取り付けた状態を説明する説明図である。
【0030】
検査対象となる自動車のドア400の一端は、ヒンジ410を介して自動車本体に連結されている。これにより、ドア400は車体本体に回動自在にとなっている。また、ドア400の他端近傍には、ドアロック機構420が設けられている。このドアロック機構420と、自動車ボディ側のピラー部に設けられたストライカとの噛み合いによってドア400はロックされる。なお、本明細書においては、このドアのヒンジ410とドアロック機構420との間の距離をドア長rと定義する。
【0031】
なお、図4には、フロントドアにロードセル11と角速度センサ100を取り付けた場合を示しているが、本発明はこのような場合に限られない。リアドアおよびバックドアなどのその他のドアにおいて、同様である。
【0032】
ここで、ロードセル11および角速度センサ100の取り付け位置について説明する。
【0033】
本実施の形態における検査装置によれば、ロードセル11も角速度センサ100も、その取り付け位置に依存することなく、ロードセル11はドアの閉められたときの荷重を測定することが可能であり、また角速度センサ100は角速度を測定し、そこからドア速度を算出することができる。
【0034】
測定される荷重については、ロードセル11の機能として、ロードセル11が取り付けられているドアが閉じられるときの加速度に応じて、ドア400に加わった荷重を電気信号(電圧値)として出力する。このため、ドア400に対する取り付け位置はどこでもよい。
【0035】
また、角速度センサ100においても、測定しているのは、ドアの角速度であるから、これもまた、ドアのどこに取り付けられていたとしても角速度の測定が可能である。
【0036】
図4は、ドア速度の算出原理について説明するための図である。
【0037】
角速度センサ100は上記のとり、ドアの角速度ωを測定する。ここで、角速度ωは、ドア400の開閉角度θについての単位時間あたりの変化量であり、ω=dθ/dtで表される。ここで、ドアの開閉角度θは、ドア面上のどの点においても同じであるため、角速度センサ100は、ドア面上においても同じ角速度ωを測定することができる。ドア速度は、この角速度ωにドア長rを乗じることによって算出される。そして、この算出された速度を時間積分することで、ドアの移動量が算出される。
【0038】
図5は、本実施の形態のドア閉じ検査装置10による処理手順を示すフローチャートである。
【0039】
ドア閉じ検査の手順は、まず、ロードセル11および角速度センサ100がドア400に取り付けられる(S100)。具体的には、ロードセル11および角度速度センサ100のそれぞれの裏面に設けられた磁石12および110の磁力によって、ロードセル11および角速度センサ100は、ドア400に取り付けられる。
【0040】
そして、上述したドア長rが入力される(S101)。このドア長rは、ドア速度を算出すために用いられる。なお、ドア長rを入力する構成を採用することによって、ドア長rが異なる複数の車種に対して本発明の検査装置を適用することができ、検査装置の汎用性が向上する。
【0041】
次に、実際の評価処理が実行される。まず、検査開始状態(スタンバイ状態)であるか否かが判定される(S102)。検査開始状態であるか否かの判定は、ロードセル11によって測定された荷重値(実際のデータは電圧値)によって判定される(詳細後述)。また、電圧値角速度センサ100によって測定された角速度ωの値に基づいて判定してもよい。
【0042】
検査が開始される場合、作業者は、ドア400を一旦開き、その後、ドア400を閉めるために押す。
【0043】
これにより、ロードセル11がこの作業者によるドア閉め動作によって、ドアにかかる荷重を計測することになる(詳細後述)。そして、荷重の増加を検出することで、ドア400が検査開始状態になったと判定する(S102:YES)。
【0044】
また、角速度ωによる検査開始の判定の場合は、ドアを閉める方向を正方向とすると、ドアの開動作中には、角速度ωが負値を示す状態が比較的長く連続する(図6のS領域参照)。したがって、たとえば、角速度センサ100によって測定された角速度ωが所定時間(たとえば、0.3秒)以上にわたって負の値を示す場合には、ドア400が検査開始状態になったと判定するようにするとよい。
【0045】
このようにして、ドア400が検査開始状態であると判定されるのを待って(S102)、初期化処理が実行される(S103)。初期化処理が実行された後、新たな測定が開始される。初期化処理は、たとえば、処理に使用する変数の初期化や、RAM230内の一次記憶領域のクリア、評価結果をハードディスクに記憶する際の新たな領域の確保などである。
【0046】
そして、初期化と同時に、ロードセル11および角速度センサ100、ドア閉動作中の荷重と角速度ωを測定する(S104)。荷重の測定データおよび角速度ωの測定データは、PC200へ入力され、アナログデータからデジタルデータへ変換された後、RAM230に時系列に一時記憶する(S105)。
【0047】
続いて、プロセッサ250は、時系列に記憶された荷重の測定データおよび角速度ωの測定データを用いて、ドア閉動作に伴う荷重と角速度ωの変化を解析する(S106)。
【0048】
ここで、ステップS106における解析の処理を図6〜図10を用いて、詳細に説明する。
【0049】
まず、図6を参照して、このドア閉動作に伴う角速度ωの変化を説明する。図6は、ドア400が開かれてから閉じられるまでに測定される角速度ωの変化を示す図である。
【0050】
まず、作業者がドア400を閉じる方向へ押すと、図6のM領域に示されるように角速度ωは正の値を示す。ドア400の回動が進んで、ドアロック機構420が自動者のピラー側に設けられたストライカに接触すると、角速度ωの値は急速に低下し、ドア閉動作中に角速度ωが最初にゼロになるA点の状態となる。その後、ドア400が、反発力によって反転し、この結果、角速度ωは負の値をとる(この状態を反転状態という)。その後、角速度ωがゼロとなるB点の状態となり、再び角速度ωは正値をとる。このように、A点以降の領域は、角速度ωが周期的に変化する領域となる。ここで、上記のA点以降の角速度ωの変化は、ドアが半ドア状態であるか否かに応じて異なる挙動を示す。
【0051】
そして、この角速度にドア長rをかけることで、ドアの速度が算出される。
【0052】
図7は、閉じられたドアが半ドア状態となった場合におけるドア速度の実測値を示す図であり、図8は、閉じられたドアが完全閉鎖状態となった場合におけるドア速度の実測値を示す図である。なお、ドア速度と角速度ωとは、定数(ドア長r)が乗じられているか否かが異なるだけであるので、角速度ωの実測値の特性は、図7および図8に示されるドア速度の特性と同様である。
【0053】
一般的には、車種に応じて特性は相違するが、図7および図8に示される例では、ドアが半ドア状態となる場合(図7)の方が、ドアが完全閉鎖状態となる場合(図8)に比べて、閉動作中のドア速度がセロになる時点(A点)から次にゼロとなる時点(B点)までの時間が長くなる。
【0054】
このように、半ドア状態の場合と完全閉鎖状態の場合とに応じて、角速度ωの変化が異なる点は、主として、ドアロック機構420のラッチと自動車のピラー側に設けられたストライカとの噛み合いの違いに基づくものである。なお、半ドア状態と完全閉鎖状態との違いについては後に説明する。
【0055】
以上のようにして求められたドア速度を時間で積分することによりドアの移動量が算出される。
【0056】
図9は、閉じられたドアが半ドア状態となった場合における荷重量の変化をドア速度から求めた移動量に対応させた図であり、図10は、閉じられたドアが完全閉鎖状態となった場合における荷重量の変化をドア速度から求めた移動量に対応させた図である。なお、各図において縦軸は荷重量を表すが電圧値をアンプにより増幅しているためロードセル11の出力電圧値そのものではなく電圧値に対応した値で特に単位はつけていない。一方、横軸は先のドア速度を積分することにより求めたドアの移動量である。また、各図において、(b)図は(a)図中の円内部分の拡大図である。
【0057】
図9と図10の比較すると、まず、ドア移動の最初において、両者ともに大きな荷重がかかっている。これは、ドアを閉めるために作業者によってドアに加えられた荷重である(図中A−B間)。その後、作業者がドアを離すことでドアに加わる荷重はなくなるので、荷重値も下がりほぼ0にまで低下する(B−C間)。その後、荷重値は再び急激に上昇して一旦ピークを示した後、0になる(C−D間)。このC−D間における荷重値のピークは、ドアが閉まったときにピラー部から受ける反力によるものである。
【0058】
そして、半ドアのときと(図9)、完全閉鎖のとき(図10)とでは、このC−D間における荷重値のピーク値に差があることがわかる。したがって、このC−D間、すなわち、ドアが閉じられて停止した位置から所定範囲前の荷重値の最大値から、閉じられたドアが半ドア状態かどうかを判定することができる。具体的には、両者のピーク値の間ぐらいにしきい値を設けて、このしきい値以上の場合には完全閉鎖と判定し、しきい値未満のときには半ドア状態であると判定する。なお、しきい値の設定は、測定する車種が違う場合、また、同じ車種であっても測定するドアが違う場合、あるいは、防音/防水用のシール部材を変えたり、ヒンジ部材を変えたりした場合には、それぞれにおいて適切な値を設定する。
【0059】
なお、上記の説明においては、角速度センサによって得られた角速度に基づいてドアの移動量を算出し、その移動量に対応する荷重変化をグラフ化している(図9および図10)が、実際に運用にあたっては、半ドアか否かの判定にはこのようなグラフ化はしなくてもよく(もちろんドア性能評価の一環としてこのようなグラフ化を行ってもよいが)、たとえば、角速度センサによって得られた角速度をドアが閉じられて停止した位置から逆方向に時間積分してドア速度を出し、さらにそのドア速度を同じく逆方向に時間積分することで、ドアが閉じられて停止した位置から所定範囲前の範囲を求め、その範囲内の荷重値の最大値(ピーク値)としきい値を比較することで半ドアか否かを判定するようにしてもよい。
【0060】
また、より簡易的に半ドアか否かを判定するためには、荷重変化の値のみから判定するようにしてもよい。これは、図9および10に示したように、荷重値の変化は、ドアが閉められる際に最初大きく上昇し(A−B間)、その後下降してほぼ0になり(B−C間)、そして最後にドアがピラー部に当たった反力で急峻なピーク値が出るため(C−D間)、このような荷重変化に基づいて、たとえば、荷重値がドア閉じ動作中において上昇後低下した後、再び上昇したときの最大値が、あらかじめ決められたしきい値未満である場合に閉じられたドアが半ドア状態であると判定するようにしてもよい。なお、荷重値の変化は、最初上昇した後低下した後、B−C間、特にほぼ0となっている部分にわずかな荷重値の変動があるが、これらの値はドアの振動に起因するものであり、ドアが閉まったときのピーク値より非常に低い値で、設定されるしきい値に達するような値ではないため、ドアが閉まったときのピラー部に当たる反力による荷重値のピークと誤って判定してしまうことはない。
【0061】
したがって、このように荷重値の変化からのみ半ドアか否かの判定を行う場合には、半ドア判定に角速度センサは使用しなくてもよいことになる。
【0062】
このように、本実施の形態は、ロードセル11によって測定された荷重値に基づき半ドアか否か判定しているものである。
【0063】
ここで、半ドアと完全閉鎖の違いについて説明する。
【0064】
図11は、半ドア状態と完全閉鎖状態との違いを説明するための模式図である。図11(A)は、完全閉鎖状態の場合を示し、図11(B)は、半ドア状態の場合を示している。
【0065】
図11(A)に示されるとおり、完全閉鎖状態の場合には、ドアロック機構420のラッチ422とピラー側のストライカ430とは、正規の噛み合い位置で噛み合っており、フルラッチの状態にある。したがって、ストライカ430の位置は、比較的しっかりと固定され、ストライカ430の移動範囲(ストローク)も比較的限られている。この結果、ドアの振動範囲も制限されるため、ドア速度(あるいは角速度ω)が負値となる状態も長く続かない。
【0066】
一方、図11(B)に示されるとおり、半ドア状態の場合には、ドアロック機構420のラッチ422とストライカ430とは、正規の噛み合い位置までにはいたっておらず、ハーフラッチの状態にある。したがって、ストライカ430の位置は、完全閉鎖状態の場合と比べて制限されておらず、ストライカ430の移動範囲も比較的広くなる。この結果、ドア速度(あるいは角速度ω)が負値となる状態が完全閉鎖状態の場合と比べて長くなる。
【0067】
以上のとおり、解析の処理(S106)によって、閉じられたドアがドア半ドアか否かを解析した後、プロセッサ250による処理は、図5のステップS107に進み、プロセッサ250が閉じられたドアが半ドア状態であるか否かを判断する。ここで半ドア状態であると判定された場合には(S107:YES)、その旨がディスプレイ260に表示される(S108)。作業者は、ドアが半ドア状態である旨の表示を見て、ドア閉じ作業をやり直す。作業者が一旦閉じられたドアを再び開くことによって、検査開始状態であると判定されるため(S102:YES)、ステップS103以下の処理が繰り返し実行される。
【0068】
一方、閉じられたドアが半ドア状態でないと判定された場合には(S107:NO)、プロセッサ250は、角速度センサ100によって測定された角速度ωにドア長を乗じることによって算出されたドア閉動作中のドア速度およびドアの移動量に基づいて、ドア性能を評価する。
【0069】
この評価は、算出されたドア閉位置の手前の所定距離間の平均ドア速度が所定の規定値以下であるか否かを判定することにより行われる。すなわち、この処理ステップは、規定値を超える速度でドア400を強く閉じた場合には、仮にドア閉じ性能が低いドア400であっても半ドア状態とならず、検査の意義が失われてしまう点を考慮したものである。なお、規定値は、ドア閉じ性能の内部仕様または顧客との間の仕様に応じて適宜に決定される。
【0070】
判定の結果、算出された速度が規定値を超えていると判断される場合には(S110:NO)、ディスプレイ260は、速度が規定外である旨を表示する(S111)。この結果、作業者は、速度が規定外であった旨を知り、ドア閉じ作業をやり直すことができる。作業者が一旦閉じられたドアを再び開くことによって、検査開始状態であると判定されるため(S102:YES)、ステップS103以下の処理が繰り返し実行される。
【0071】
一方、算出された速度が規定値以下であると判断される場合には(S110:YES)、ディスプレイ260は、結果を表示する(S112)。すなわち、適正範囲の速度でドアを閉じた場合に、閉じられたドアが半ドア状態とならないことが確認される。この結果、ドア閉じ性能評価の検査が終了する。ディスプレイ260は、完全閉鎖状態が実現されたときのドア速度を表示し、ドア閉じ性能が合格であった旨を表示する。さらに、各算出結果および判定結果は、ハードディスク270に記録される(S113)。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ドアに取り付けたロードセルによって得られる荷重値に基づいて半ドアか否かを判定することにしたので、半ドア判定を自動的に行うことが可能となる。また、このロードセルは磁石または吸盤によってドアに対して着脱自在としているため、簡単にドアに取り付けることが可能で、しかも取り付け位置もドアのどこでもよく、取り付けの際に位置合わせなどがまったく不要であるので、ドア性能評価の際の準備時間を大幅に短縮可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態であるドア閉じ検査装置の概要を示す図である。
【図2】 上記ドア閉じ検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 上記ドア閉じ検査装置に含まれるロードセルおよび角速度センサを自動車のドアに取り付けた状態を説明する図である。
【図4】 角速度センサの取り付け位置とドアの開閉角度との関係を示す図である。
【図5】 上記ドア閉じ検査装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 ドアが開かれてから閉じられるまでに測定される角速度ωの変化を示す図である
【図7】 閉じられたドアが半ドア状態となった場合におけるドア速度の変化を示す図である。
【図8】 閉じられたドアが完全閉鎖状態となった場合におけるドア速度の変化を示す図である。
【図9】 閉じられたドアが半ドア状態となった場合における荷重値の変化を示す図である。
【図10】 閉じられたドアが完全閉鎖状態となった場合における荷重値の変化を示す図である。
【図11】 半ドア状態と完全閉鎖状態との違いを説明するためにドアロック機構およびストライカの状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10…ドア閉じ検査装置、
11…ロードセル、
100…角速度センサ、
12、110…磁石、
200…コンピュータ、
210…インタフェース、
220…A/Dコンバータ、
230…RAM、
240…ROM、
250…プロセッサ、
260…ディスプレイ、
270…ハードディスク、
30、300…ケーブル、
400…ドア。
Claims (5)
- ドアに取り付けられ、ドアの動きに伴って発生する荷重を測定する荷重測定手段と、
前記荷重測定手段が計測した荷重値の変化に基づいて、ドアが半ドア状態であるか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とするドア閉じ検査装置。 - さらに、前記ドアに取り付けられ、ドア開閉角度の変化を角速度として測定する角速度測定手段を有し、
前記判定手段は、前記角速度測定手段によって測定された前記角速度と、あらかじめ入力されたドア長から、ドア閉じ動作中のドアの速度を算出し、当該算出した速度からドアの移動量を求めて、当該ドアの移動量のなかの前記ドアが閉じられて停止した位置から所定範囲前の範囲内における前記荷重測定手段が測定した荷重値の最大値が、あらかじめ決められたしきい値以下である場合に閉じられたドアが半ドア状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のドア閉じ検査装置。 - 前記判定手段は、前記荷重測定手段が測定した荷重値がドア閉じ動作中において上昇後下降した後、再び上昇したときの最大値が、あらかじめ決められた値以下である場合に閉じられたドアが半ドア状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のドア閉じ検査装置。
- 前記荷重測定手段は、前記ドアに着脱自在とするための磁石を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のドア閉じ検査装置。
- 前記荷重測定手段は、前記ドアに着脱自在とするための吸盤を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のドア閉じ検査装置。
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