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JP4296708B2 - 画像表示方法 - Google Patents
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JP4296708B2 - 画像表示方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像表示方法に関する。特に画像表示、画像消去を繰り返し行うことができる可逆性画像表示媒体を用いる画像表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日における画像表示は、鉛筆、ペン、絵の具等を用いて紙等の画像表示媒体上に人手により文字、図形等を書き込んだり、コンピュータ、ワードプロセッサ等により作成した文書、図形等をCRTディスプレイ等のディスプレイで表示したり、プリンタで紙等の媒体に出力表示する等によりなされている。
【0003】
また、人手により作成された紙等の媒体上の文書、図形等や、プリンタ出力された紙等の媒体上の文書、図形等を複写機等を用いて別の紙等の媒体上に複写作成したり、ファクシミリ機等で送信して送信先において紙等の媒体上に複写出力することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの画像表示のうち、鉛筆、ペン等を用いて紙等の画像表示媒体に文字、図形等を表示する画像表示や、電子写真方式、インク吹き付け方式、熱転写方式等によるプリンタ、複写機、ファクシミリ機等の画像形成装置によって紙等の画像表示媒体に文字、図形等を表示する画像表示では、高解像度で鮮明に画像表示でき、画像を見るにあたってその画像は人目に優しい。
【0005】
しかし、紙等の画像表示媒体に対して画像表示、画像消去を繰り返すことはできない。鉛筆を用いて文字等を書き込む場合においては、該文字等を消しゴムである程度消すことができるが、該文字等が薄くかかれた場合はともかく、通常の濃さで書かれた場合には完全に消し去ることは困難であり、一旦画像表示された紙等の媒体については、未だ画像表示されていない媒体裏面にも画像表示する場合を除けば、それを再使用することは困難である。
【0006】
そのため、画像表示された紙等の媒体は用済みとなったあとは廃棄されたり、焼却されたりし、多くの資源が消費されていく。プリンタ、複写機等においてはトナーやインクと言った消耗品も消費される。また、新しい紙等の表示媒体、トナー、インク等を得るためにさらに媒体等の資源、媒体等の製作エネルギーが必要となる。このことは今日求められている環境負荷の低減に反する結果となっている。
【0007】
この点、CRTディスプレイ等のディスプレイによる画像表示では、画像表示、画像消去を繰り返すことができる。しかし、ディスプレイに表示される画像は、紙等にプリンタ等によって表示された画像と比べると、解像度が低く、鮮明、精細な画像を得るには限界がある。解像度が低いので、特に文字主体のテキスト文書の表示には不向きである。1画面程度に納まる文章等ならばまだよいが、複数画面に渡って続く文章等は読みずらく、理解し難いこともある。また、比較的解像度が低いことや、ディスプレイからの発光により長時間の目視作業では眼が非常に疲れやすい。
【0008】
なお、画像表示、画像消去を繰り返すことができる画像表示手法として、電気泳動型表示(EPD)や、ツイストボール型表示(TBD)が提案されている。さらに最近では、「Japan Hardcopy ’99 論文集 PP249 〜252 」で紹介されている方式が提案されている。
【0009】
電気泳動型表示手法は、少なくとも一方が透明な2枚の基板をスペーサを介して間隔を開けて対向配置することで密封空間を形成し、その中に、電気泳動能のある粒子をそれとは色の異なる分散媒中に分散させた表示液を充填したもので、静電場にて表示液中の粒子を泳動させることで、粒子の色若しくは分散媒の色で画像表示を行うものである。
【0010】
かかる表示液は通常イソパラフィン系などの分散媒、二酸化チタンなどの微粒子、この微粒子と色のコントラストを付けるための染料、界面活性剤などの分散剤及び荷電付与剤等の添加剤から構成される。
【0011】
しかしながら、この電気泳動型表示では、二酸化チタンなどの高屈折率粒子(無機顔料)と絶縁性着色液体とのコントラスト表示のため、どうしても着色液体の隠蔽度が悪く、そのためコントラストが低くなってしまう。
【0012】
さらに言えば、粒子の電気泳動を可能にするような高抵抗の無極性溶媒に高濃度に溶解する染料の種類は限られ、白色を示すようなものは見当たらず、吸光係数の高い黒色染料も知られていない。よってどうしても背景部に色がついてしまい背景部を白色にしてコントラストを良くすることは困難である。着色液体中に画像形成のための白色粒子を入れる場合には、画像観察側基板へ移動した白色粒子層と基板との間に着色液体が入り混んだり、白色粒子間に着色液体が混ざったりしてコントラストが低下する。また電気泳動する粒子は画像観察側基板に均一に付着し難いから解像度も低い。
【0013】
さらに粒子と表示液中の分散媒との比重差が非常に大きく、粒子の沈降、凝集が発生し易いため、表示のコントラストの低下が起こり易く、長期間安定な画像表示が困難であるうえ、前回の表示残像が発生しやすい。さらに、粒子の液中での帯電は経時変化が大きく、この点でも画像表示安定性が劣る。
【0014】
ツイストボール型表示手法は、内部に絶縁性液体とともに表面の半分と残りの半分とが互いに異なる色又は光学的濃度を示すように処理された微小球を封入したマイクロカプセルを多数保持した画像表示媒体を用い、電界力又は磁気力で該マイクロカプセル内の微小球を回転させて所定の色で画像表示するものである。
【0015】
しかしこのツイストボール型表示では、マイクロカプセル内の絶縁性液体中の微小球で画像表示するため良好なコントラストが得にくい上、特に、マイクロカプセル間にどうしても隙間ができるので解像度が低くなる。解像度を向上させるためにマイクロカプセルサイズを小さくすることはカプセルの製造上困難である。
【0016】
「Japan Hardcopy ’99 論文集 PP249 〜252 」で紹介されている画像表示手法は、電極と電荷輸送層とを積層した2枚の基板を所定間隔をおいて対向させて密封空間を形成し、その中に導電性トナー及びこれと色の異なる絶縁性粒子とを封入し、静電場を付与して導電性トナーに電荷注入して帯電させ、該導電性トナーをクーロン力で移動させて画像表示するものである。
【0017】
しかし、この電荷注入現象利用の画像表示手法では、電荷注入された導電性トナーが移動する際、絶縁性粒子(例えば背景部の色を得るために一緒に入れられている白色粒子)が邪魔になって導電性トナーの移動が困難となり、移動が停止してしまうトナーも出てくる。その結果、十分な画像濃度、コントラストが得られなかったり、画像表示速度が低くなったりする。この問題を解消しようとすると高電圧駆動しなければならない。また、解像度が電極により決定される解像度に制限される。さらに、電極及び電荷注入層並びに導電性トナーを採用することが必須となり、それだけ製造上の制約がある。
【0018】
そこで本発明は、画像表示、画像消去を繰り返し行うことができ、よって従来の画像形成に関係する紙等の画像表示媒体、現像剤、インク等の消耗品の使用を低減することができ、それだけ今日の環境負荷低減に応えることができる画像表示方法を提供することを課題とする。
【0019】
また本発明は、高コントラストで、それだけ高品質な画像を表示できる画像表示方法を提供することを課題とする。
【0020】
また本発明は、高解像度で、それだけ高品質の画像を表示できる画像表示方法を提供することを課題とする。
【0021】
また本発明は、残像が発生しにくく、従って良好な可逆性を示し、この点でも高品質な画像を表示できる画像表示方法を提供することを課題とする。
【0022】
さらに本発明は高速で画像表示できる画像表示方法を提供することを課題とする。
【0023】
また本発明は、駆動電圧が低く済む画像表示方法を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の第1及び第2の画像表示方法を提供する。
(1)第1の画像表示方法
所定のギャップをおいて対向する2枚の基板と、
前記2枚の基板間に形成され、周囲を仕切り壁で囲まれた1又は2以上の現像剤収容セルと、
前記各セルに内包された乾式現像剤とを有しており、
該乾式現像剤は、互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含んでいる可逆性画像表示媒体を準備する工程と、
前記可逆性画像表示媒体内の互いに逆極性に摩擦帯電した現像粒子に形成すべき画像に応じた静電場を外部から印加するとともに振動力を外部から印加して該現像粒子を駆動し画像を表示させる工程と、
該画像表示後、未だ前記静電場印加中に前記振動力の印加を実質上停止する工程と、
を含む画像表示方法。
(2)第2の画像表示方法
所定のギャップをおいて対向する2枚の基板と、
前記2枚の基板間に形成され、周囲を仕切り壁で囲まれた1又は2以上の現像剤収容セルと、
前記各セルに内包された乾式現像剤とを有しており、
該乾式現像剤は、互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含んでいる可逆性画像表示媒体を準備する工程と、
前記可逆性画像表示媒体内の互いに逆極性に摩擦帯電した現像粒子に形成すべき画像に応じた静電場を外部から印加して該現像粒子を駆動し画像を表示させる工程と、
前記静電場印加の終了後、該可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させる工程と、
を含む画像表示方法。
【0025】
本発明に係る第1及び第2のいずれの画像表示方法においても、可逆性画像表示媒体における各セルに内包された現像粒子が摩擦帯電している状態で該現像粒子に対し表示しようとする画像に対応させて静電場を形成することで、クーロン力にて該現像粒子を移動させて現像を行い、画像を表示させる。
【0026】
形成すべき画像に対応する静電場は、媒体構成基板のそれぞれに電極を設け、該電極間に形成すべき画像に対応する電圧を印加することや、片方の基板に形成すべき画像に対応した静電潜像を形成すること等で形成できる。
【0027】
本発明に係る画像表示方法は、所定のギャップをおいて対向する2枚の基板と、前記2枚の基板間に形成され、周囲を仕切り壁で囲まれた1又は2以上の現像剤収容セルと、前記各セルに内包された乾式現像剤とを有しており、該乾式現像剤は、互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含んでいる可逆性画像表示媒体を用いる。従って、一旦画像表示したあとでも異なる静電場を印加したり、交番電場、振動磁界等を印加するなどして画像を消去したり、異なる静電場を印加して画像を書き換えることもできる。従って一旦画像表示された画像表示媒体を廃棄する必要はない。また、現像粒子は前記セルに内包されており、従って外部からの現像剤の供給を要しない。このような可逆性画像表示媒体を用いる本発明に係る画像表示方法では、従来における画像表示にまつわる紙等の画像表示媒体、現像剤等の消耗品の使用を大幅に低減することができる。
【0028】
また、従来の電子写真方式の画像形成のようにトナーを紙等のシートに熱で溶かして定着することが不要であり、従来のこの種の画像形成で必要とされる作像エネルギーの大半を節約できる。
【0029】
かくして今日の環境負荷低減に応えることができる。
【0030】
また、本発明に係る画像表示方法によると、前記セルに内包される現像剤は、光学的反射濃度の異なる(別の言い方をすれば、「コントラストの異なる」或いは「色の異なる」)少なくとも2種類の現像粒子を含んでおり、しかもその現像粒子は乾式の現像粒子であって一方の種類の現像粒子による他方の種類の現像粒子の隠蔽度が良好であるから、コントラスト良好に画像表示できる。
【0031】
前記セルに内包される現像剤は互いに帯電極性の異なる少なくとも2種類の相互摩擦帯電可能の帯電性乾式現像粒子を含んでおり、画像表示にあたっては摩擦帯電により互いに逆極性に帯電した現像粒子がクーロン力をうけて移動するため、粒子が動き易く、この点でもコントラスト良好に画像表示でき、また前回表示の残像が発生し難く、また高速で画像表示でき、さらに低電圧駆動可能である。
【0032】
乾式現像粒子は、例えば既述の電気泳動型画像表示に用いる表示液における電気泳動可能の粒子と比べると、液体を介在させないため沈降、凝集が発生し難く、この点でも画像表示のコントラストの低下が起こり難く、またそれだけ長期にわたり安定した画像表示を行える。現像粒子の沈降、凝集が発生し難いから、前回表示の残像も生じ難い。さらに乾式現像粒子は液中の粒子と比べると、帯電性能の経時変化が少ないからこの点でも長期にわたり安定した画像表示を行える。
【0033】
また、従来のCRTディスプレイ等による画像表示と比べると、高解像度で眼にやさしく画像表示できる。
【0034】
また、本発明に係る第1の画像表示方法によると、画像表示にあたり可逆性画像表示媒体内の現像粒子に外部から振動力を印加するから、静電場による現像粒子駆動にあたり媒体内現像粒子に攪拌力を作用させることができ、それにより静電場で現像粒子が円滑に移動し易くなり、一層のコントラスト向上と、一層の低電圧駆動が可能となる。
【0035】
また本発明に係る第1の画像表示方法によると、画像表示後、未だ前記静電場印加中に前記振動力の印加を実質上停止するから、画像表示が円滑になされるとともに、一旦表示された画像が外部振動力で乱されることが抑制され、表示画像がそれだけ安定的に保持される。
【0036】
前記乾式現像粒子を構成している互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する現像粒子のうち少なくとも1種類は磁性現像粒子としてもよく、その場合には、前記画像を表示させる工程における現像粒子に対する振動力の印加は振動磁界の印加により行うことができ、前記振動力の印加を実質上停止する工程における該振動力印加の実質上停止は、画像表示後、未だ前記静電場印加中に該振動磁界の印加を実質上停止することで行える。このように画像表示にあたり該媒体内現像粒子に振動磁界を印加すると、静電場による現像粒子駆動にあたり媒体内現像粒子に磁気攪拌力を作用させることができ、それにより静電場で現像粒子が円滑に移動し易くなり、コントラスト向上と、低電圧駆動が可能となる。
【0037】
「画像表示後、未だ静電場印加中に振動磁界の印加を実質上停止する」における「振動磁界の停止」として、a)振動磁場も静磁場も停止する場合(無しにする或いは除く等)、b)静磁場は残っているが振動磁場は停止する場合(無しにする或いは除く等)を挙げることができる。また、振動磁場の「実質上停止」には、振動磁場を完全に停止する場合(完全に無しにする或いは除く等)の他、振動磁場印加が未だあっても、その振動磁場によってはもはや表示画像が乱されないとみなし得る場合も含まれる。
【0038】
なお、外部振動力の印加としては、振動磁界の印加の他、機械的振動力の印加、交番電界(例えばAC電界)の印加、超音波照射等も採用可能である。
【0039】
本発明に係る第1の画像表示方法においては、外部からの振動力印加が何であれ、該振動力印加の実質上停止は、表示された画像を一層確実に保持するために、画像表示後、未だ現像剤(現像粒子)に外部から少なくとも0.5V/μmの静電場が印加されている間に行う場合を例示できる。
【0040】
本発明に係る第1の画像表示方法においては、静電場印加の終了後、前記可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させてもよい。これにより一層安定的に表示画像を保持できる。
【0041】
ここで「表示画像を保持する電位」とは、互いに逆極性に摩擦帯電した現像粒子のうちいずれかの現像粒子帯電極性に一致する電位であり、この帯電により画像表示において画像観察側基板の方へ偏在すべき現像粒子のうち、該帯電電位と同極性の現像粒子に若干の反発力を生じさせはするが、そのこと以上に逆極性の現像粒子を画像観察側基板の方へ積極的に引きつけることで、全体として画像を保持するための電位である。かかる表示画像保持電位は大きすぎるとかえって画像を乱す結果となるので、絶対値で100V以下を例示できる。表示画像保持電位の下限については、表示画像を維持できる以上のものとすればよい。例えば絶対値で10V程度を挙げることができる。
【0042】
また、磁性現像粒子は通常磁性粉を用いて製造され、黒色等の濃色の現像粒子となる場合が多い。このような磁性現像粒子うちに画像表示において画像観察側基板へ偏在するものがある場合において、そのように偏在する磁性現像粒子は、若干該基板から離れる反発力を受けてもなお画像観察側基板を通して視認し易い一方、磁性現像粒子とは逆極性に摩擦帯電する白色等の光学的反射濃度の小さい現像粒子であって画像表示において画像観察側基板へ偏在すべきものは該基板から離れると視認し難くなる。
【0043】
よって、磁性現像粒子を採用するときにおいて、静電場印加の終了後、画像表示媒体表面を表示画像保持電位に帯電させる場合には、該帯電電位の帯電極性を前記磁性現像粒子の帯電極性に一致させてもよい。
【0044】
本発明に係る前記の第1の画像表示方法に関連して述べた、「静電場印加終了後、可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像保持電位に帯電させる」ことは、媒体に内包される現像剤が磁性現像粒子を含んでいる、いないに拘らず実施できる。それによって一層安定的に表示画像を保持できる。
【0045】
従って本発明に係る第2の画像表示方法においては、静電場印加の終了後、可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させる。
【0046】
この場合の「表示画像を保持する電位」は、第1画像表示方法において既に説明したとおりである。また、かかる表示画像保持電位として絶対値で100V以下を、さらに言えば絶対値で100V以下10V以上を例示できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について説明する。
【0048】
本発明の好ましい実施形態である画像表示方法で用いる可逆性画像表示媒体は基本的に次の構成のものである。
【0049】
すなわち、所定のギャップをおいて対向する2枚の基板と、前記2枚の基板の間に形成され、周囲を仕切り壁で囲まれた1又は2以上の現像剤収容セルと、前記各セルに内包された乾式現像剤とを有する可逆性画像表示媒体である。前記乾式現像剤は、互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含んでいる。
【0050】
この可逆性画像表示媒体によると、各セルに内包された現像粒子が摩擦帯電している状態で該現像粒子に対し表示しようとする画像に対応させて所定の静電場を印加することで、静電場と帯電現像粒子との間に働くクーロン力にて該現像粒子を移動させて現像を行い、所定のコントラストで画像を表示することができる。
【0051】
前記静電場は、例えば前記2枚の基板のいずれかの外表面に静電潜像を形成して該静電潜像に基づいて形成できる。静電場の形成は静電潜像の形成と同時的になされても、静電潜像形成後になされてもよい。かかる静電場は、例えば静電潜像を形成する基板とは反対側の基板に、静電潜像形成と同時的に或いは静電潜像形成後にバイアス電圧を印加したり、該反対側基板を接地するなどして該反対側基板を静電場形成のための所定電位に設定することで得られる。
【0052】
基板やセルを形成する仕切り壁等の材質は種々選択採用できる。基板としては、ガラス基板、硬質又は柔軟な合成樹脂基板等を採用できる。柔軟なフイルム状基板も採用できる。
【0053】
媒体を構成する2枚の基板のうち少なくとも一方(画像観察側に配置するもの)は表示画像を視認できるように光透過性を有するものとすればよい。
【0054】
基板に静電潜像を形成するときには、該基板を絶縁性基板とすればよい。
【0055】
静電潜像を形成する基板とは反対側の基板(例えば非画像観察側の基板)については絶縁性基板でも、そうでなくてもよい。絶縁性基板とする場合においてこれを接地電位としたり、これにバイアス電圧を印加する必要があるときには、その絶縁基板のままでもよいが、例えば基板外面に導電性膜を形成したり、基板全体を導電性を有する材料や、導電性材料を含む材料で形成してもよい。このようにすると、要すれば容易に、該基板を接地して接地電位にしたり、該基板にバイアス電圧を印加できる。また、反対側基板が絶縁性基板であってその外面に導電性膜を形成してある場合や、該反対側基板それ自身が導電性基板であるときは、他からの電荷の遮蔽効果があり、画像表示した媒体を重ねるようなときでも、画像が崩れにくく、画像をそれだけ安定に保持することができる。
【0056】
現像剤収容セルの数、大きさ、形状、分布、配列(規則的、不規則)等については、画像表示できるのであれば特に制限はない。基板間には現像剤移動抑制部材や基板間ギャップを維持するスペーサを設けてもよい。セルを構成する仕切り壁が該現像剤移動抑制部材やスペーサを兼ねていてもよい。
【0057】
画像形成にあたり基板に静電潜像を形成するような場合は、基板間のギャップや基板の厚みが大きいと、現像剤に印加される電場が弱くなり、コントラストの低下につながる。また、基板間ギャップが小さすぎると、内包できる現像剤量が少なくなり、コントラストが低くなる。基板の厚みが小さすぎると、基板が撓みやすくなり、基板間ギャップの均一性が得られなくなり、画像ムラが発生し易くなる。このため、基板の厚みは5μm〜100μm、基板間ギャップは20μm〜300μm、媒体全体の厚みは30μm〜500μmが適当である。
【0058】
現像粒子の摩擦帯電については、現像粒子を現像剤収容セルに収容したのち、これを振動させる等して摩擦帯電させてもよいが、予め2種以上の現像粒子を混合攪拌等にて摩擦帯電させた現像粒子をセル内に収容してもよい。その方が所望状態に摩擦帯電した現像粒子を得やすい。いずれにしても現像粒子は画像表示に先立って摩擦帯電させておく。
【0059】
いずれにしても、可逆性画像表示媒体は、電極を有するものでもよいし、電極を有しないものでもよい。基板に電極を設けないときには、それだけ媒体の簡素化が達成され、基板として柔軟性のあるフィルム基板等を容易に採用できる。
【0060】
電極を有する画像表示媒体として、光透過性を有する一方の基板の内面に電極(好ましくは透明電極)が形成されているとともに、他方の基板の内面に前記電極に対向する電極が形成されているものを例示できる。
【0061】
前記他方の基板内面の電極は画素ごとに形成された個別電極群からなっていてもよい。
【0062】
電極ありの画像表示媒体については、該電極にリードを接続形成するが、該リードは仕切り壁等のある非画像表示領域に設けることが望ましい。
【0063】
現像剤収容セルに内包される現像剤は、互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる(換言すれば「コントラストの異なる」或いは「色の異なる」)少なくとも2種類の乾式現像粒子を含んでいるとよい。代表例として、光吸収性を有する正帯電性(又は負帯電性)の黒色粒子と、光反射性を有する負帯電性(又は正帯電性)の白色粒子とを挙げることができる。
【0064】
乾式現像剤を構成する前記少なくとも2種類の現像粒子のうち少なくとも1種類の現像粒子は非導電性粒子としてもよい。この場合、画像表示媒体が電極を有しているか否かに拘らず、かかる非導電性粒子の存在により該2種類の現像粒子が容易、確実に摩擦帯電することができ、それだけ良好な画像表示を行える。
【0065】
乾式現像剤を構成する前記少なくとも2種類の現像粒子のうち少なくとも1種類は磁性現像粒子としてもよい。このように磁性現像粒子を採用すると、前記静電場による現像粒子駆動にあたり磁場にて乾式現像粒子に振動力(磁気攪拌力)を印加することができ、それにより画像表示のための静電場で現像粒子が円滑に移動し易くなり、一層のコントラスト向上と、一層の低電圧駆動が可能となる。
【0066】
さらに言えば、可逆性画像表示媒体が前記電極を有しているか否かに拘らず、かかる磁性粒子の存在により現像剤(現像粒子)を振動磁場により攪拌することができ、かかる現像剤の攪拌により画像形成(画像表示)にあたり、媒体の初期化或いは前回画像の消去や、画像表示において現像粒子を画像表示のための静電場で動きやすくすることができ、それだけ良好に画像表示できる。現像粒子に振動力を印加するについては、AC電圧等の交番電圧の印加、機械的振動力の印加、超音波照射等も利用できる。
【0067】
なお、1種の現像粒子が非導電性粒子であるとともに磁性粒子であってもかまわない。
【0068】
いずれにしても、現像粒子が小さすぎると、付着力が非常に大きくなり、現像粒子間の固着、現像効率の低下を招く。また現像粒子が小さすぎると、粒子の帯電量が非常に大きくなるため、画像表示にあたり粒子を動かすための電場を大きいものにしなければならず、そのため高い駆動電圧が必要となってしまう。
【0069】
現像粒子が大きすぎると、摩擦帯電がうまく行えず、画像表示のための静電場において十分な現像粒子移動速度が得られなかったり、良好なコントラストが得られなかったりする。
【0070】
これらのことと、所定の特性の現像粒子を得るための材料等に照らし、非導電性現像粒子については粒径1μm〜50μm、磁性現像粒子については粒径1μm〜100μmが適当である。
【0071】
現像粒子は例えばバインダー樹脂、着色剤等から、或いは着色剤単独等で形成することができる。これらについて使用できるものを示すと次のとおりである。・バインダー樹脂
着色剤、磁性体等を分散させることができ、通常結着剤として使用されるものであれば特に限定されない。電子写真用トナーに用いられる結着樹脂が代表例として挙げられる。
【0072】
例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフイン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、フツ素系樹脂、シリコン系樹脂ならびにこれらの共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、及びポリマーブレンドなどを用いることができる。
【0073】
ガラス転移点Tgはかなり高くてもよく、場合によっては熱可塑性樹脂である必要はない。
・着色剤
着色剤としては、以下に示すような、有機又は無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
【0074】
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。
【0075】
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルフアストイエロー、ニッケルチタンエロー、ネーブルスエロー、ナフトールエローS、バンザーイエローG、バンザーイエロー10G、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキなどがある。
【0076】
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどがある。
【0077】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレツド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
【0078】
紫色顔料としては、マンガン紫、フアストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがある。
【0079】
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。
【0080】
緑色教科としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。
【0081】
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などがある。
【0082】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがある。
【0083】
また塩基性、酸性、分散、直接染料などの各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーなどがある。
【0084】
これらの着色剤は、単独で或いは複数組合せて用いることができる。
【0085】
特に白黒表示においては、黒色着色剤としてカーボンブラックが、白色着色剤として二酸化チタンが好ましい。
【0086】
また、特に白色顔料を溶融結着樹脂(バインダー樹脂)と混練して、その混練物から現像粒子を得る場合、白色顔料の使用量は、十分な白色度を得るために、白色粒子の原料モノマー100重量部に対して、10重量部以上、好ましくは、20重量部以上であることが望ましく、白色顔料の十分な分散性を確保するために、60重量部以下、好ましくは50重量部以下であることが望ましい。白色顔料が60重量部を超えてくると、顔料と結着樹脂との結着性、顔料の分散性が悪化し、また白色顔料が10重量部未満であると他の色の現像粒子の十分な隠蔽性が得られない。
【0087】
また、黒色着色剤としてはカーボンブラックが好ましいが、現像粒子に磁性を持たせるような場合にはマグネタイト、フェライト等の磁性体粒子及び磁性体微粉末を着色剤として用いることもできる。
・その他の内添剤
前記バインダー樹脂、着色剤以外に好ましく使用される内添剤として、磁性体、荷電制御剤、抵抗調整剤等が挙げられる。
・荷電制御剤
荷電制御剤としては、現像粒子に摩擦帯電にて電荷を与えるものであれば特に制限はない。
【0088】
正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフエニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。
【0089】
負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。
【0090】
その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、弗素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることができる。
・磁性体
磁性現像粒子の作製には、磁性体粒子及び磁性体微粉末を用いることができ、それらとしては、強磁性の元素及びこれらを含む合金、化合物等で、例えば、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の合金や化合物、その他の強磁性合金等、従来より知られている磁性材料が含有されていればよい。これら磁性粉の形状としては、粒状、針状、薄片状等各種あるが、適宜選択して使用できる。
・抵抗調整剤
抵抗調整剤としては、前述した磁性紛、着色剤と同等なものもあり、薄片状、繊維状、粉末状等の各種形状の金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック等を好ましく用いることができる。
【0091】
次に現像粒子の製造例について説明する。
【0092】
前記した様なバインダー樹脂、磁性粉、着色剤、荷電制御剤、抵抗調整剤及びその他の添加剤等の中から必要なものを選択し、それらを所定量ずつ十分混合後、加圧ニーダや2軸混練装置等により加熱混練し、冷却後、ハンマーミル、カッターミル等により粗粉砕する。次いで、ジェットミル、オングミル等によりさらに微粉砕化した後、風力分級機等を用いて所定の平均粒径になるまで分級し、現像粒子を得る。
【0093】
このようにして得た異なる帯電極性、異なるコントラスト(光学的反射濃度)の粒子を、所定の割合で混合攪拌することにより、所定の帯電量を有する現像剤を調製することができる。このとき流動性向上剤等の第3成分(粒子)を添加、混合してもかまわない。
・かかる流動化剤について
流動性向上剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0094】
特にシリカ、酸化アルミニウム、二酸化チタン、フツ化マグネシウム等の微粉末が好ましく、また流動化剤を単独或いは組み合わせて添加してもよい。
【0095】
可逆性画像表示媒体における現像粒子に対する静電場の形成は、既述のとおり、例えば前記2枚の基板のうちいずれか一方(例えば画像観察側の基板)の表面に、表示しようとする画像に対応した静電潜像を形成して、或いは静電潜像を近接して、該静電潜像に基づいて形成することができる。この場合静電場の形成は、静電潜像の形成或いは近接と同時的になされてもよいし、静電潜像形成後になされてもよい。静電場の形成は、例えば静電潜像を形成する基板とは反対側の基板に該静電場形成のための所定電位を設定することで行える。該所定の電位の設定は例えば反対側基板にバイアスを印加するか、又は該基板を接地電位にすることで行える。
【0096】
静電潜像は、例えば直接静電潜像形成装置を用いて媒体表面(基板表面)に直接形成してもよいし、外部静電潜像形成装置を用いて媒体外部で形成した静電潜像を媒体表面(基板表面)に転写して形成してもよい。なお、外部静電潜像形成装置を用いて媒体外部で形成した静電潜像を媒体表面(基板表面)に近接させてもよい。
【0097】
直接静電潜像形成装置としては、表示しようとする画像に応じて媒体表面に放電して静電潜像電荷をのせる各種の放電型静電潜像形成装置、表示しようとする画像に応じて媒体表面に電荷注入して静電潜像電荷をのせる各種の電荷注入型の静電潜像形成装置を例示できる。前者の例としてイオンフロー型の装置や、所定方向(例えば基板を装置で走査するときの主走査方向)に記録電極を配列した静電記録ヘッドを有するマルチスタイラス型の装置を挙げることができ、後者の例として所定方向(例えば基板を装置で走査するときの主走査方向)に記録電極を配列するとともに該記録電極に隣り合わせて隣接制御電極を配列した静電記録ヘッドを有するマルチスタイラス型装置を挙げることができる。
【0098】
外部静電潜像形成装置としては、静電潜像担持体上に表示しようとする画像に対応した静電潜像を形成し、該静電潜像担持体上の静電潜像を前記基板表面に転写する又は近接させるものを例示できる。さらに言えば、感光体のような光導電体上に表示しようとする画像に対応した静電潜像を形成し、該光導電体上の静電潜像を前記基板表面に転写する又は近接させるものや、誘電体上に表示しようとする画像に対応した静電潜像を形成し、該誘電体上の静電潜像を前記基板表面に転写する又は近接させるものを例示できる。
【0099】
画像表示にあたっては、いずれかの静電潜像形成装置を含む電場形成装置を採用することができる。
【0100】
このように転写又は近接であれ、直接形成であれ、画像表示媒体に対し静電潜像を形成すると、画像保持性が良好となる。特に流動性の高い現像剤や、画像表示に先立って現像剤攪拌処理により流動性が高められる現像剤を用いる場合に画像保持の点で有利である。
【0101】
なお、対向電極を有する可逆性画像表示媒体については、該対向電極間に電圧を印加することで画像表示のための静電場を形成できる。この媒体についての電場形成装置は後ほど例示する。
【0102】
また、電極無し可逆性画像表示媒体、或いは一方の基板にしか電極を有しない媒体における現像粒子に対する静電場の形成は媒体の外表面に対し電極を配置し、この電極を介して電圧を印加することでも行える。
【0103】
電極あり、電極無しのいずれの可逆性画像表示媒体を採用する場合であれ、画像表示前に前回表示の画像を消去する画像消去処理を施すようにしてもよい。
【0104】
画像消去処理は、例えば画像表示媒体における現像剤を構成している現像粒子を移動させる電界を形成すること、現像剤に攪拌力を作用させること、又はこれらの両者により行える。攪拌力の付与は、例えば現像剤に対し交番電界を形成する、振動磁場を形成する、超音波を照射する、機械的振動を付与する、これらを組み合わせる等により行える。
【0105】
従ってまた、画像表示にあたっては、画像消去装置として、例えば現像粒子を移動させる電界を形成する電界形成装置を含んでいるもの、現像粒子に攪拌力を作用させる攪拌装置を含んでいるもの、かかる電界形成装置と攪拌装置の双方を含んでいるもの等を適宜採用できる。
【0106】
例えば電界のもとに前記2種類の現像粒子のうち一方の同じ光学的反射濃度の(換言すれば、「同じコントラストの」或いは「同じ色の」)現像粒子を一方の基板側へ集めるとともに、他方の同じ光学的反射濃度の現像粒子を他方の基板側へ集めるようにすれば、画像消去できるとともに、次に新たな画像を形成するとき、画像部のみ現像粒子を移動させるだけでよいから、それだけ画像表示が円滑、確実に、高品質になされる。
【0107】
また例えば現像剤(現像粒子)の攪拌を行うときは、画像が消去され、現像粒子の帯電量、流動性が向上し、この場合もそれだけつぎの画像表示が円滑、確実に、高品質になされる。
【0108】
画像消去を行う電界形成装置としては、可逆性画像表示媒体を間にして配置される一対の電極(通常金属)又は誘電体と、これらにバイアス電圧を印加する電源装置とを含んでいるものを例示できる。
【0109】
この他さらに、画像表示媒体に放電して電界を形成する各種の放電型電界形成装置、可逆性画像表示媒体に電荷注入して電界を形成する各種の電荷注入型電界形成装置を例示できる。前者の例としてコロナ帯電装置、イオンフロー型の電界形成装置、所定方向に電極を配列したヘッドを有するマルチスタイラス型の電界形成装置を挙げることができ、後者の例として所定方向に電極を配列するとともに該電極に隣り合わせて隣接制御電極を配列したヘッドを有するマルチスタイラス型電界形成装置を挙げることができる。
【0110】
また攪拌装置として、次のものを例示できる。
・可逆性画像表示媒体に対し交番電界を形成する装置。
【0111】
この装置は現像剤粒子の少なくとも1種が絶縁性である場合に利用できる。
・可逆性画像表示媒体に対し振動磁場を形成する装置。
【0112】
この装置は現像剤粒子の少なくとも1種が磁性体を含んでいる場合に利用できる。
・可逆性画像表示媒体に対し超音波を照射する装置。
・可逆性画像表示媒体に対し機械的振動を与える装置。
・上記装置を2以上組み合わせた装置。
【0113】
既述のように、現像剤(現像粒子)に振動力を印加して現像剤の攪拌を行うときは、現像粒子の帯電量、流動性が向上し、それだけ次の画像表示が円滑、確実に、高品質になされる。
【0114】
また、画像表示に先立って現像剤を攪拌すると、現像粒子の帯電量が安定し、この点でも良好に画像表示できる。さらに、現像剤の帯電性、流動性の許容幅が広がる利点もある。
【0115】
よって、画像表示にあったっては、電極あり、電極無しのいずれの可逆性画像表示媒体を採用する場合であれ、前記の画像消去処理を兼ねて、或いは画像消去処理とは別途に、現像剤を攪拌してもよい。
【0116】
電極無しの画像表示媒体或いは一方の基板にのみ電極を有する画像表示媒体を採用するときには、例えば画像表示媒体の表面(基板表面)に表示しようとする画像に対応した静電潜像を形成して該静電潜像に基づいて該静電潜像形成と同時的に又は該静電潜像形成後に画像表示のための静電場を形成して現像剤を攪拌してもよい。
【0117】
対向電極を有する画像表示媒体については、電極間に電圧を印加して静電場を形成するようにし、該静電場形成の前、又は該静電場形成と同時的に現像剤を攪拌してもよい。電極の有無に拘らず、現像剤への振動力印加(ひいてはそれによる現像剤の攪拌)は、例えば電場形成装置に対する画像表示媒体の相対的搬送方向において該電場形成装置による静電場形成領域又はそれより上流側で画像表示媒体搬送路に臨んでいる攪拌装置を用いて行える。
【0118】
現像剤攪拌方法や攪拌装置については、前記画像消去処理に関連して例示した攪拌方法、攪拌装置と同様の方法、装置を採用できる。
【0119】
このように画像表示にあたり現像剤を攪拌することでも、一層のコントラスト向上、さらなる駆動電圧の低下が可能である。
【0120】
画像表示にあたり、画像表示媒体の表面(基板表面)に静電潜像を形成するときには、該静電潜像形成前に媒体表面を所定電位に一様に帯電させ、その帯電域に表示しようとする画像に対応する静電潜像を形成してもよい。そして該静電潜像に基づいて現像剤収容セル内の現像粒子に対し表示しようとする画像に対応する所定の静電場を形成することで該現像粒子を移動させて画像表示してもよい。
【0121】
媒体上の静電潜像は、例えば前記予めの帯電工程で帯電した媒体表面に直接形成することで、或いは媒体外部で静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記帯電工程で帯電した媒体表面に転写形成することで形成できる。
【0122】
媒体上に形成される静電潜像の領域の帯電極性は、該静電潜像の形成に先立つ媒体表面の一様な帯電による帯電領域の帯電極性と同極性であっても、異なる極性であっても、或いは0〔V〕であってもよい。
【0123】
このように画像表示媒体表面を予め一様に所定電位に帯電させてから、該帯電域に静電潜像を書き込むと、現像剤収容セル内の帯電現像粒子を移動させることができる。そしてさらには移動した現像粒子をその位置に保持するに十分な静電場が形成される。換言すれば画像表示媒体表面を予め一様に所定電位に帯電させてから、該帯電域に静電潜像を書き込むと、画像保持性が良好となる。特に流動性の高い現像剤や、画像表示に先立って現像剤攪拌処理により流動性が高められる現像剤を用いる場合に画像保持の点で有利である。これらによりコントラストに優れた高品質の画像を長期にわたり安定的に表示できる。
【0124】
以上説明した各種可逆性画像表示媒体によると、高コントラスト、高解像度で高品質な画像を長期にわたり安定的に表示できる。さらに残像が発生しにくく、従って良好な可逆性を示し、この点でも高品質な画像を表示できる。さらに高速で画像表示でき、しかもその割りには駆動電圧を低く済ませることも可能である。
【0125】
以下、現像粒子及び現像剤の具体例を説明し、さらに図面を参照して可逆性画像表示媒体、可逆性画像表示方法、画像形成装置等のそれぞれの具体的例を説明する。
<現像粒子及び現像剤>
・白色現像粒子WP
熱可塑性ポリエステル樹脂(軟化点121℃、ガラス転移点67℃)100重量部と、酸化チタン(石原産業社製:CR−50)40重量部と、負荷電制御剤としてサリチル酸亜鉛錯体(オリエント化学社製:ボントロンE−84)5重量部とをヘンシェルミキサーで十分に混合した後、2軸押し出し機で混練後冷却した。該混練物を粗粉砕し、その後ジェット粉砕機で粉砕し、風力分級して体積平均粒径10.1μmの白色微粉末を得た。その後に該白色微粉末に対し疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル社製:アエロジルR−972)0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーにより混合処理を行い白色現像粒子WPを得た。
・黒色現像粒子BP
スチレンーnブチルメタクリレート系樹脂(軟化点132℃、ガラス転移点65℃)100重量部と、カーボンブラック(ライオン油脂社製,ケッチェンブラック)2重量部と、シリカ(日本アエロジル社製 ♯200)1.5重量部と、マグネタイト系磁性粉(RB−BL チタン工業社製)500重量部とをヘンシェルミキサーで充分混合した後、ベント二軸混練装置で混練した。
【0126】
この混練物を冷却後フェザーミルで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、これを風力分級機で分級して体積平均粒径25μmの黒色磁性粒子BPを得た。
・現像剤DLの調製
前記白色粒子30gと各黒色粒子70gをポリエチレン製のボトルに入れ、ボールミル架台にて回転させて30分間混合攪拌を行い現像剤DLを得た。これら現像剤では、白色粒子は負極性に、また黒色粒子は正極性に帯電していた。
<可逆性画像表示媒体>
・可逆性画像表示媒体11
図1及び図2に可逆性画像表示媒体の1例を示す。図1及び図2に示す媒体11は、第1基板111と第2基板112とを含んでいる。これら基板111、112は両者間に所定のギャップをおいて対向している。基板111、112の間には、隔壁113が設けられており、これら隔壁113により両基板間ギャップが所定のものに確保されている.すなわち隔壁113は両基板111、112間のスペーサを兼ねている。また両基板111、112が隔壁113により相互に連結固定されている。
【0127】
第1基板111は透明基板であり、例えば透明ガラス等の光透過性板、透明樹脂フィルム等で形成される。この基板111は画像観察側の基板とされる。
【0128】
隔壁113はまた、現像剤収容セル116(図3参照)を形成する仕切り壁でもある。すなわち隔壁113は、図3に示すように第1基板111の内面に格子状に立設形成され、これにより、それぞれが隔壁113の一部を仕切り壁として四角形状に仕切られた複数の現像剤収容セル116が形成されている。
【0129】
各仕切り壁は幅α、高さhで、隣り合う仕切り壁間隔をptとして形成されている。
【0130】
第1基板111の内面には、第1電極114が形成されている。第1電極114は透明電極であり、複数の個別電極114aが碁盤目状に配列されたものである。各個別電極は例えば透明ITO膜で形成される。個別電極114aは、壁113の厚さαと実質上同じ間隔でセル116のそれぞれに一つずつ配置されている。すなわちここでは一つのセルが一つの画素に対応している。
【0131】
第2基板112は必ずしも透明である必要はないが、例えば透明ガラス等の光透過性板、樹脂フィルム等で形成される。
【0132】
第2基板112の第1基板111と対向する内面に第2電極115が設けられている。第2電極115は基板112の内面の画像表示領域の全体にわたって連続している。第2電極115は必ずしも透明電極である必要はないが、例えば酸化インジウム錫(ITO)等で形成される透明電極に形成してもよい。
【0133】
さらに各セルに相互に摩擦帯電した白色現像粒子WP及び黒色現像粒子BPを含む乾式現像剤DLが収容されている。
【0134】
各セルは密閉されており、該セルから現像剤DLが漏れ出ることはない。
【0135】
この画像表示媒体11における第1電極114を構成している個別電極114aは、図4に示すようにそれぞれにリード部110が接続形成され、これらリード部を介して図1に示すように電極選択回路117に接続される。電極選択回路117には正駆動電圧発生回路118a、負駆動電圧発生回路118b及び表示データ制御部119を接続してある。個別電極114aのそれぞれは独立して電極選択回路117から駆動電圧が印加されるようになっており、また、表示データ制御部119は、図示を省略した表示データ出力手段(例えばコンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリ機等)から表示データが入力され、これに基づいて電極選択回路117を制御する。換言すれば、これら電極選択回路等は対向電極有り可逆性画像表示媒体のための電場形成装置或いは画像形成装置の1例を構成している。
【0136】
かくして画像表示媒体11における第2電極115を例えば接地電極として、或いは必要に応じ電極115に図示省略のバイアス電源からバイアス電圧を印加し、該電極115と各個別電極114aのそれぞれとの間に、表示データ制御部119で所望の画像表示がなされるように制御されている電極選択回路117を介して正駆動電圧発生回路118a又は負駆動電圧発生回路118bから所定の電圧を印加し、各画素ごとに所定の電場を形成する。かくして図1に示すように現像剤DLにおいて現像粒子が混合されている状態から図2に示すように現像粒子WP、BPがそれぞれ電場に応じて移動する。
【0137】
媒体11によると、例えば図5に示すように画像表示できる。図5においてBkは黒色表示部分であり、Wは白色表示部分である。
【0138】
なお、図2に鎖線で示す回転磁極ローラR2、磁石プレートMGPについては後述する。
・可逆性画像表示媒体12、12’
図6に可逆性画像表示媒体の他の例を示す。
【0139】
図6(A)に示す可逆性画像表示媒体12は、図1に示す媒体11において、少なくとも第1基板111を光透過性を有するとともに絶縁性を有する材料で形成し、個別電極114aを省略したものである。
【0140】
その他の点は図1に示す媒体11と同じである。図6(A)において、媒体11と同じ部品、部分については媒体11と同じ参照符号を付してある。
【0141】
図6(B)に示す可逆性画像表示媒体12’は、図1に示す媒体11において、少なくとも第2基板112を光透過性を有するとともに絶縁性を有する材料で形成し、電極115を省略したものである。媒体12’では基板112を画像観察側基板とする。
【0142】
その他の点は図1に示す媒体11と同じである。図6(B)において、媒体11と同様の部品、部分については媒体11と同じ参照符号を付してある。
【0143】
媒体12(又は媒体12’)によると、例えば第2基板112の電極115(媒体12’については電極114a)を接地電極とし、さらに例えば第1基板111(媒体12’については第2基板112)の外表面に対し、a)電極を配置して該電極と接地電極との間に形成すべき画像に応じた電圧を選択的に印加する、b)形成すべき画像に応じた静電潜像を直接形成する、c)形成すべき画像に応じた静電潜像を形成した像担持体を接触(近接を含む)させる等し、それに基づいて現像剤DLに現像粒子駆動電界を印加することで画像を表示させることができる。
【0144】
なお媒体12については電極115、媒体12’については電極114aは中間抵抗値を有する電極が好ましい。
・可逆性画像表示媒体13
図7(A)に可逆性画像表示媒体のさらに他の例を示す。
【0145】
図7(A)に示す可逆性画像表示媒体13は、図1に示す媒体11において、少なくとも第1基板111を光透過性を有するとともに絶縁性を有する材料で形成し、第1基板電極114及び第2基板電極115を省いたものである。
【0146】
その他の点は図1に示す媒体11と同じである。図7において、媒体11と同様の部品、部分については媒体11と同じ参照符号を付してある。
・可逆性画像表示媒体14
図8(A)に可逆性画像表示媒体のさらに他の例を示す。
【0147】
図8(A)に示す可逆性画像表示媒体14は、図1に示す媒体11において、少なくとも第1基板111を光透過性を有するとともに絶縁性を有する材料で形成し、第1基板電極114及び第2基板電極115を省き、さらに格子状の隔壁に代えて媒体14の長手方向辺と平行に延びる複数本の仕切り壁113aからなる隔壁113を採用したものである(図9も参照)。各隣り合う仕切り壁113aの間に現像剤収容セル116が提供されている。各セル116には相互に摩擦帯電した白色現像粒子WP及び黒色現像粒子BPを含む現像剤DLが収容されている。
【0148】
媒体14の周縁部において両基板111、112はヒートシールされて封止部140とされている。封止部140のうち縦仕切り壁113aの長手方向における両端部に連設されて各セルの両端部を封止している部分140aはセル116を形成する仕切り壁を兼ねている。
【0149】
図9に示すように、各仕切り壁113aは幅α、高さhで、隣り合う仕切り壁113a間隔をptとして形成されている。
【0150】
媒体13、14によると、例えばa)形成すべき画像に応じた静電潜像を第1基板111に直接形成する、b)形成すべき画像に応じた静電潜像を形成した像担持体を第1基板111に接触(近接を含む)させる等し、それに基づいて現像剤DLに現像粒子駆動電界を印加することで画像を表示させることができる。必要に応じて第2基板112を接地電位等に設定してもよい。
・可逆性画像表示媒体15、15’
図10に可逆性画像表示媒体のさらに他の例を示す。
【0151】
図10に示す可逆性画像表示媒体15(15’)は、媒体13(14)において第2基板112の外表面に導電性膜112Aを設けたものである。
【0152】
その他の点は媒体13(14)と同じである。図10において、媒体13(14)と同様の部品、部分については媒体13(14)と同じ参照符号を付してある。
【0153】
媒体15、15’による画像表示は、例えば、導電性膜112Aを接地電位等の適当な電位に設定し、a)形成すべき画像に応じた静電潜像を第1基板111に直接形成する、b)形成すべき画像に応じた静電潜像を形成した像担持体を第1基板111に接触(近接を含む)させる等し、それに基づいて現像剤DLに現像粒子駆動電界を印加することで画像を表示させることができる。
【0154】
なお、導電性膜112Aを設けることに代えて第2基板112を導電性材料を分散させた基板とするなどして第2基板112を導電性を有する基板とし、これを接地電位にする等してもよい。
【0155】
以上、図面を参照して説明した各画像表示媒体及びそれを用いた画像表示方法によると、画像表示、画像消去を繰り返すことができる。また現像粒子WP、BPはセルに内包されており、外部からの現像剤供給を必要としない。これらにより従来における画像表示にまつわる紙等の媒体、現像剤等の消耗品の使用を大幅に抑制することができる。また画像表示にあたり従来のようにトナーを媒体に溶着する熱エネルギーを必要としないから作像エネルギーがそれだけ少なく済む。よって今日の環境負荷低減に応えることができる。
【0156】
また、媒体11〜15’のそれぞれは、色の異なる現像粒子WP、BPを含む乾式現像剤DLを採用しているから一方の現像粒子WP(又はBP)による他方の現像粒子BP(又はWP)による隠蔽度が良好であり、それだけコントラスト良好に画像表示できる。
【0157】
また、セル116に内包される現像粒子WP、BPは互いに異なる帯電極性に摩擦帯電しており、画像表示にあたってクーロン力を受けて動き易く、この点でもコントラスト良好に画像表示でき、また前回表示の残像が発生し難く、高速で画像表示でき、さらに低電圧駆動可能である。
【0158】
さらに、現像剤として乾式現像剤DLを採用しているので、現像粒子の沈降、凝集が起こり難く、それだけ画像表示におけるコントラストの低下が少なく、長期にわたり安定した画像表示を行える。現像粒子の沈降、凝集が起こり難いから前回表示画像の残像も生じ難い。乾式現像剤DLは経時変化が少ないからこの点でも長期にわたり安定した画像表示を行える。
【0159】
また、いずれの画像表示媒体11〜15’を用いて画像形成する場合でも、黒色現像粒子BPは磁性現像粒子であるから、画像表示にあたり該媒体内現像剤DLに振動磁界を印加することで、媒体内現像粒子に振動力(磁気攪拌力)を作用させることができ、それにより静電場で現像粒子が円滑に移動し易くなり、一層のコントラスト向上と、一層の低電圧駆動が可能となる。
【0160】
また画像表示後、未だかかる静電場印加中に振動磁場の印加を実質上停止することで、画像表示が円滑になされるとともに、一旦表示された画像が同じ振動磁界で乱されることが抑制され、表示画像がそれだけ安定的に保持される。
【0161】
振動磁場印加の実質上停止は、表示された画像を一層確実に保持するために、画像表示後、未だ現像剤(現像粒子)に外部から少なくとも0.5V/μmの静電場が印加されている間に行うことができる。
【0162】
静電場印加の終了後、画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させて、一層安定的に表示画像を保持することもできる。
【0163】
かかる表示画像保持電位として絶対値で100V以下10V以上程度を挙げることができる。
【0164】
静電場印加の終了後、画像表示媒体表面を表示画像保持電位に帯電させる場合、該帯電電位の帯電極性を磁性現像粒子BPの帯電極性に一致させるとよい。
【0165】
なお、以上説明した黒色現像粒子BPは磁性現像粒子であるが、非磁性黒色現像粒子を用いることもできる。この場合には画像表示にあたり現像剤の磁気攪拌はできないが、交番電界の印加等にて現像剤に振動力を印加することができる。
【0166】
また、静電場印加の終了後、画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させて、一層安定的に表示画像を保持することもできる。かかる表示画像保持電位として絶対値で100V以下10V以上程度を挙げることができる。
【0167】
媒体11〜15’のいずれについても、従来の電気泳動型表示等に比べると高解像度に画像表示できる。媒体11を除く他の媒体では、媒体11のように解像度が画素電極114aの大きさに左右される、ということがないから、一層高解像度で画像表示できる。
【0168】
次に媒体12、12’、13、14、15、15’を用いて画像表示する例を画像形成装置とともに説明する。
【0169】
図11に示す画像形成装置は、図中矢印方向に回転駆動される感光体ドラムPCを含んでいる。この感光体ドラムPCの周囲にスコロトロン帯電器CH、レーザー画像露光装置EX、イレーサランプIRが配置してある。感光体ドラムPCの下方には回転駆動される電極ローラR1を配置してある。電極ローラR1は画像表示のための静電場を形成するための現像電極ローラである。ローラR1には電源PW1からバイアス電圧を印加できる。ローラR1はローラR1とは反対方向に回転駆動される(或いは往復回転駆動される)回転磁極ローラR2を内蔵してもよい。
【0170】
かかる感光体ドラムPC表面を帯電器CHにより帯電させた後、その帯電域に露光装置EXにより画像露光してドラムPC上に静電潜像EIを形成する。一方、電極ローラR1には電源PW1からバイアスを印加する。なお、場合によっては電極ローラR1を接地電位としてもよい。
【0171】
そして感光体ドラムPC上の静電潜像EIと同期をとって該ドラムと電極ローラR1との間に例えば媒体13或いは14を送り込む。このとき媒体13(14)の表面をコロナ帯電器等の帯電器CRHで予め所定電位に一様に帯電させてもよい。
【0172】
かくして、媒体13(14)の各セル116に内包された現像剤DLの現像粒子BP、WPに対し静電潜像EIに基づく静電場が形成され、これにより該静電場と帯電現像粒子との間に働くクーロン力にて該現像粒子が移動する。そして、図7(A)或いは図8(A)に示すように現像剤DLにおいて白黒粒子WP、BPが混合されている状態から図7(B)或いは図8(B)に例示するように白色粒子WP、黒色粒子BPがそれぞれ電場に応じて移動する。このようにして所定のコントラストで画像を表示することができる。
【0173】
以上のように画像表示したのちは、次回のプリントに備えて、感光体ドラムPC表面の電荷をイレーサーランプIRで消去しておく。
【0174】
またこの画像表示にあたり、磁極ローラR2を設け、これを回転させて振動磁界を印加すると、各セル116内の現像剤DLが攪拌されて現像粒子BP、WPが移動しやすくなり、駆動電圧も低くて済むようになる。
【0175】
前記の図1及び図2に示す媒体11についても、図2に鎖線で示すようにかかる回転磁極ローラR2を採用できる。また回転磁極ローラR2に代えて、媒体11の第2基板112の下方にN極、S極を交互に設けた磁石プレートMGPを配置これを図示省略の駆動装置にて媒体11と平行に振動させることで振動磁界を形成してもよい。或いは、磁極ローラR2に代えて、図11に鎖線で例示するように、媒体搬送路の下流側にN極、S極を交互に有する磁石板MGを設けて、これにより媒体通過に伴う振動磁界を形成することもできる。
【0176】
しかし、静電潜像EIに基づく静電場の印加が終了したのちも振動磁界が印加されていると一旦形成された画像が乱されるおそれがあるときには、画像形成後、未だ該静電場が印加されている間に振動磁界を実質上停止することが望ましい。
【0177】
この点につき図2を参照して説明すると、画像表示にあたっては磁石プレートMGPの振動にて振動磁界を形成し、画像表示後に磁石プレートMGPの振動を停止させ、さらにその後に対向電極114a、115間の電圧印加を停止することができる。
【0178】
また、例えば、図15に示す画像形成装置を用いて画像形成することができる。図15に示す画像形成装置は図11に示す画像形成装置の変形例である。図15の画像形成装置では、画像表示媒体の搬送路において感光体ドラムPCに回転磁極ローラR2及びその下流側の媒体支持ローラRXを臨ませてある。そして、例えば媒体13(又は14)を感光体ドラムPC上に形成される静電潜像EIと同期をとってドラムPCとローラR2の間、さらにドラムPCとローラRXの間に通過させ、且つ、ローラR2及びローラRXの間では媒体13(14)をドラムPC上の静電潜像EIに接触させ、さらに媒体13(14)の基板112に電極Ebを介して電源PW1’から適当な画像形成用バイアス電圧を印加する。
【0179】
この画像表示方法(画像形成方法)によると、媒体13(14)は、振動磁界を提供するローラR2とドラムPCの間を通過するにつれ画像を表示していき、しかもローラRXのある部位でドラムPCから離れるまで静電潜像に基づく静電場の印加が続き、該静電場が未だ印加されているうちに、振動磁界が実質上停止する(無くなる)ローラRXの部位でドラムPCから離れていく。かくして一旦形成された表示画像がローラR2の振動磁場で乱されることが避けられる。
【0180】
このような振動磁界の実質上停止は、それには限定されないが、例えば現像剤に画像表示に寄与する静電場が少なくとも0.5V/μm印加されている間に行う場合を挙げることができる。
【0181】
なお図15中図11に示す画像形成装置におけると同じ部品、部分には図11と同じ参照符号を付してある。
【0182】
媒体12、12’や媒体15、15’についてもこの画像形成装置で画像形成できる。これらに画像形成するときは、電極ローラR1を用いる代わりに、媒体12については電極115を、媒体12’については画素電極114aを、媒体15、15’については導電性膜112Aを接地したり、これらにバイアスを印加したりできる。
【0183】
図12の画像形成装置は、イオンフロー型の直接静電潜像形成装置CR2を含んでいる。装置CR2は、コロナイオンを発生させるコロナイオン発生部c2と、該発生部で発生するコロナイオンを例えば媒体13(又は14)の第1基板111表面へ導くための書き込み電極e2と、正(又は負)のコロナイオンを表示しようとする画像に応じて基板111表面の画素対応部分へ導くための電圧を書き込み電極e2へ印加する書き込み電極制御回路f2とを含んでいる。
【0184】
コロナイオン発生部c2はシールドケースc21内に、それには限定されないが、例えば60〜120μm径の金メッキタングステン線を張設してコロナワイヤc22とし、このワイヤに電源Pc2からプラス(又はマイナス)の電圧(例えば4kV〜10kV)を印加してコロナイオンを発生させるものである。
【0185】
書き込み電極e2は、媒体13(又は14)の第1基板111に向けられたシールドケースc21の部分に臨設されており、上部電極e21と下部電極e22とからなり、それらの中央の透孔をコロナイオン流が通過できる。
【0186】
電極制御回路f2は、制御電源Pc21、バイアス電源Pc22及び制御部f21を含んでおり、制御部f21は、媒体13へ向け導出しようとするイオンの極性に応じたイオン引出し電圧を電極e21、e22に印加できる。
【0187】
ここでは制御部f21の指示のもとに、上部電極e21に正電圧を、下部電極e21に負電圧を印加すると、正コロナイオンを媒体へ導くことができる(図12(A))。上部電極e21に負電圧を、下部電極e21に正電圧を印加すると、正コロナイオンを閉じ込めておくことができる(図12(B))。
【0188】
また書き込み電極e2に対向させて電極ローラR1を設け、これに電源PW1からバイアス電圧を印加するか、或いはローラR1を接地電位とする。ローラR1は回転駆動される磁極ローラR2を内蔵している。
【0189】
かくして媒体13(又は14)の表面をコロナ帯電器等の帯電器で予め所定電位に一様に帯電させ、そのように予め帯電させた媒体13(又は14)を装置CR2に対し相対的に移動させつつ、且つ、電極ローラR1を媒体送り方向に、磁極ローラR2を反対方向に回転させつつ、表示しようとする画像に応じて、制御部f21の指示のもとに、第1基板111表面の複数の画素対応部分のうち表示しようとする画像に応じた所定の画素対応部分については図12(A)に示すように正コロナイオンを導き、他の画素については図12(B)に示すようにイオンの流出を阻止する。このようにして媒体13や14に図7(B)や図8(B)に例示するように画像を表示させることができる。
【0190】
なお、媒体13(14)の表面を予め帯電させることは必ずしも要しない。
【0191】
また、装置CR2における放電ワイヤc22は固体放電素子に代えることもできる。
【0192】
媒体12、12’や媒体15、15’についてもこの画像形成装置で画像形成できる。これらに画像形成するときは、電極ローラR1を用いる代わりに、媒体12については電極115を、媒体12’については電極114aを、媒体15、15’については導電性膜112Aを接地したり、これらに適当なバイアスを印加すればよい。
【0193】
また図12に示す静電潜像形成装置CR2は放電現象を利用したものであるが、これら装置の他、各種放電型静電潜像形成装置を利用できる。
【0194】
図13の画像形成装置は、マルチスタイラス方式の直接静電潜像形成装置CR3を備えている。装置CR3は、例えば媒体15(又は15’)に対する主走査方向に配列されて第1基板111に近接配置される複数の電極e3を有するマルチスタイラスヘッドH3を含んでいる。各電極e3に表示しょうとする画像に応じて第1基板111表面の画素対応部分に静電潜像電荷を付与すべく信号電圧が印加される。媒体15(15’)は、第2基板112の導電性膜112Aに例えばバイアスを印加され、或いは導電性膜112Aが接地される。そして該ヘッドH3に対し相対的に搬送され、これにより画像表示される。
【0195】
なお、媒体12、12’についても、この画像形成装置により画像形成できる。その場合、媒体12の電極115或いは媒体12’の電極114aに必要に応じバイアス印加等するとよい。
【0196】
また、媒体13、14についても、第2基板112の外面に、必要に応じてバイアスを印加できる、或いは接地できる外部電極を接触させる等して、この画像形成装置により画像形成できる。
【0197】
図14に示す画像形成装置は電荷注入型の直接静電潜像形成装置CR4を含んでいる。装置CR4は媒体に対する主走査方向に複数の記録電極e4を配列するとともに記録電極e4に隣り合わせて隣接制御電極e41を配列した静電記録ヘッドH4を有するマルチスタイラス型装置である。このヘッドを例えば媒体に近接配置し、ヘッドH4の制御電極e41に画像記録に必要な電圧(記録電圧)の約1/2の電圧を順次シーケンシヤルに印加し、記録電極e4に記録電圧の約1/2の画信号電圧を印加することにより、記録電極直下に位置する媒体に静電潜像を形成することができる。
【0198】
なお、媒体11〜15’のいずれを用いて画像形成する場合であれ、画像表示後に静電場の印加が停止される場合においては(例えば図1、図2に示す媒体11において画像表示後、対向電極114a、115間の電圧印加が停止される場合)、表示画像を安定的に維持するために、画像表示媒体の画像観察側表面(画像観察側基板の表面)を表示画像を保持する電位に帯電させてもよい。このとき磁性現像粒子BPの帯電極性と同極性に100V〜10Vの大きさに帯電させるとよい。
【0199】
図16はそのような帯電装置の例を示している。図16に示す帯電装置は、例えば媒体11を支持ローラSRで支持しつつ搬送しながら、媒体11の画像観察側表面を水を含ませた、且つ、電源PWXから所定電圧を印加される帯電ブラシBRで摺擦して該媒体表面を表示画像保持電位に帯電させるものである。
【0200】
次に可逆性画像表示媒体のさらに具体例とそれを用いた画像表示について説明する。
〔可逆性画像表示媒体D1〕
図8及び図9に示す可逆性画像表示媒体14に類似の媒体、すなわち媒体14において第2基板112の内面に全画素共通の透明電極を有し、画像観察側の第1基板111の内面に各セル116のための個別電極を有するものである。
【0201】
さらに説明すると、ITOからなる導電性膜(透明電極)を形成した透明ガラス基板112の該透明電極上に厚さ150μmで紫外線硬化型樹脂膜を形成し、この樹脂膜に所定パターンで開口部を形成したフォトマスクを被せ、その上から紫外線を照射した。その後現像、洗浄してガラス基板112の電極上に複数本の平行な連続仕切り壁113aを形成した。仕切り壁113aの厚さ(幅)α=50μm、高さh=150μm、壁間隔pt=300μmである。
【0202】
次いで、基板112上の隣合う仕切り壁間の連続溝状セル116のそれぞれに、前記の現像剤DLを入れた。現像剤は連続溝状セルの容積に対し34vol%の充填率で入れた。
【0203】
そして各仕切り壁113aの頂面のみに光硬化性接着剤を薄く塗布したのち、第1基板として予めセル116に対応する位置に透明個別電極を形成するとともに仕切り壁113aに対応する位置に個別電極からの引出しリード部を形成したガラス基板111を、その個別電極をセル側に向けて仕切り壁113aの接着剤に密着させ、該接着剤を紫外線照射によって硬化させ、さらに両ガラス基板の周縁部をシール剤で封止した。
【0204】
かくして図8及び図9に示す媒体14に類似する媒体D1を得た。
(媒体D1を用いる画像表示)
媒体D1の、共通電極を有する第2基板112の下方に図2に鎖線で示すような磁石プレートMGPを配置するとともに、画像観察側基板111の個別電極に図1に示すと同様の画像形成装置を接続した。
【0205】
磁石プレートMGPは表面磁力300ガウスのラバー磁石プレートである。これを図示省略の駆動装置にて画像表示媒体と平行に振動駆動できるようにした。
【0206】
画像表示にあたっては、各個別電極に成形すべき画像に応じて+200V又は−200Vを印加するとともに共通電極を接地電位に設定し、磁石プレートMGPを振動させ、画像表示媒体に振動磁界を印加し、各セル内の現像剤に攪拌作用を及ぼした。
【0207】
かくして画像形成したのち、磁石プレートMGPの振動を停止し、振動磁界を停止した。その後に各個別電極への電圧印加を停止した。
【0208】
このようにして形成した画像について、反射濃度計(X−Rite社製 310TR アパチャ径2mm)を用いてガラス基板の上から画像濃度を測定したところ、黒色表示部の反射濃度は1.7、白色表示部の反射濃度は0.2であり、良好な画像を確認できた。
【0209】
比較例画像表示として、前記のとおり画像形成したのち、先に各個別電極への電圧印加を停止し、その後に振動磁界を停止した。
【0210】
このようにして形成した画像について、前記の場合と同様に画像濃度を測定したところ、黒色表示部の反射濃度は0.9、白色表示部の反射濃度は0.7であった。
【0211】
以上のことから、画像表示後、未だ画像表示のための静電場印加中に振動磁場の印加を実質上停止することが好ましいことが分かる。
〔可逆性画像表示媒体D2〕
図10(B)に示す可逆性画像表示媒体15’と同タイプの媒体であって次のように形成したもの。
【0212】
すなわち、透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを加熱型押し成形して、第1基板111相当の厚さ25μmのベース部上に複数本の連続仕切り壁113aを形成した。連続仕切り壁113aの壁厚さ(幅)α=20μm、高さh=100μm、隣合う仕切り壁間隔pt=200μmである。
【0213】
次いで、基板111上の隣合う仕切り壁間の連続溝状セル116のそれぞれに、前記の現像剤DLを入れた。現像剤は連続溝状セルの容積に対し34vol%の充填率で入れた。
【0214】
次に各基板111上の壁113aの頂面のみに光硬化性接着剤を薄く塗布したのち、第2基板112として、外表面にアルミニウム導電性膜112Aを蒸着形成した厚み30μmのPETフィルムをその内面で該接着剤に密着させた。該接着剤を紫外線照射によって硬化させてフィルムを接着した。
【0215】
その後、第1、第2基板111、112の周縁をヒートシールした。
【0216】
かくして図10(B)に示すタイプの媒体D2を得た。
(媒体D2を用いる画像表示(その1))
この媒体D2を用いた実施例画像表示(実施例1〜9)及び比較例画像表示(比較例1〜11)を説明する。
【0217】
媒体D2による画像形成には図15に示す画像形成装置を採用した。
【0218】
図15の画像形成装置では、感光体ドラムPC表面を帯電器CHにより負極性の表面電位V0 に帯電させ、その帯電域に露光装置EXにより画像露光して静電潜像EIを形成する。一方、搬入されてくる媒体D2の導電性膜112Aには電源PW1’からV0 /2を印加する。
【0219】
かくして媒体D2を、感光体ドラムPC上の静電潜像EIと同期をとって感光体ドラムPCと振動磁場を形成している回転磁極ローラR2との間に送り込む。このようにして送り込まれて来た媒体D2には画像表示のための静電場が印加されるとともに振動磁界が印加され、媒体D2の搬送に伴って順次画像が形成されていく。媒体D2の画像表示された部分は感光体ドラムPC表面と接触しながら、換言すれば静電潜像EIに基づく静電場を印加されながら、しかし振動磁場は次第に減少する状態で感光体ドラムPCと支持ローラRXとの間を通って搬出されていく。
【0220】
ここでは媒体D2が感光体ドラムPCから離れる位置Aでの磁力を種々変化させて画像形成した。かかる磁力の変更は、ローラR2の表面磁力を300ガウス〜1000ガウスの間で種々変化させること及び(又は)ローラR2とローラRXとの距離を変化させることで行った。
【0221】
また、媒体D2内の現像剤に印加される電界強度を帯電器CHによる感光体表面帯電電位を種々変化させることで変更して画像形成した。媒体D2の上下面に働く電位差Vは、感光体表面電位と電源PW1’によるバイアスとの差になる。このとき現像剤収容セル中の現像剤に印加される電界強度Eとして、

【0222】
E=V/〔(t1 /ε1 )+(t2 /ε2 )+(t3 /ε3 )〕を採用した。
【0223】
ここで、t1 は画像観察側基板の厚み、ε1 はその比誘電率、
2 は現像剤収容セル層の厚み(実質上基板間隔)、ε2 はセル層の比誘電率、
3 は反対側基板の厚み、ε3 はその比誘電率である。
【0224】
セル層の比誘電率ε2 は、セル中に存在する現像剤DL及び空気層並びにセルを形成している仕切り壁の部分それぞれの体積割合から算出した合成値を用いた。
【0225】
形成された画像についてソリッド部(黒色部)の反射濃度(ブラックBk反射濃度)と背景部の白色部の反射濃度(W反射濃度)を測定し、これらから反射濃度比〔B(Bk) /W〕を求めることで画像評価した。該反射濃度は、X−Rite社製の反射濃度計310TRを用い、アパチャ径2mmで測定した。
【0226】
反射濃度比(B/W)が5.0以上はコントラスト良好(○)とし、5.0より小さいと満足できるコントラストではない(×)とした。
【0227】
画像評価結果を、A位置での磁力〔ガウス〕、現像剤に印加された電界強度E(V/μm)等とともに表1にまとめて示す。
【0228】
A位置での磁力は DENSHIJIKI INDUTRY 社製のGaussMeterで測定した。
【0229】
【表1】
Figure 0004296708
【0230】
表1から分かるように、本発明に係る実施例1〜9では、現像剤へ印加する電界の強度が0.5V/μm以上、且つ、静電場の印加が解除される位置Aでの振動磁場の磁力が100ガウス以下であり、コントラスト良好な画像が得られている。一方、比較例1〜11では現像剤へ印加する電界の強度が0.5V/μmより小さいか、静電場の印加が解除される位置Aでの振動磁場の磁力が100ガウスより大きく、コントラストの点で満足できる画像が得られなかった。
【0231】
このことから、良好な画像形成のためには現像剤へ印加する電界の強度は0.5V/μm以上であることが好ましいこと、画像形成後、未だ静電場印加中に振動磁場の印加を実質上停止させることが好ましいことが分かる。
(媒体D2を用いる画像表示(その2))
先ず図15に示す画像形成装置を用い、帯電器CHによる感光体表面の帯電電位を−400Vに、電源PW1’によるバイアス電圧を−200Vに設定し、ローラR2として表面磁力600ガウスのものを用いて画像形成し、Bk反射濃度1.45、W反射濃度0.2を示し、反射濃度比(B/W)が7.3である画像を表示する媒体D2を複数準備した。
【0232】
この媒体D2の画像観察側表面を図16に示す帯電装置を用いて種々の電位に帯電させ(但し一つについては帯電させずに)、その後媒体D2に機械的振動を与え、画像の変化を調べた。
【0233】
機械的振動は20gの重りを媒体D2のサイドから半径15cmの振り子として45°の高さから5回与えることで印加した。
【0234】
画像変化は機械的振動付与後に画像のソリッド部のBk反射濃度と背景部のW反射濃度を測定し、これらから反射濃度比〔B(Bk) /W〕を求めることで調べた。反射濃度は、前記と同様にX−Rite社製の反射濃度計310TRを用い、アパチャ径2mmで測定した。
【0235】
反射濃度比(B/W)が5.0以上は画像変化が抑制されていると認められ(○)、5.0より小さいと画像が乱れたと認められる(×)。
【0236】
評価結果を表2に示す。
【0237】
【表2】
Figure 0004296708
【0238】
表2から分かるように、画像形成装置から搬出された画像表示媒体については、その画像観察側表面を帯電させることで画像維持安定性が増すことが分かる。中でも、絶対値で100V以下に帯電させることで画像維持安定性が増すことが分かる。
【0239】
また、磁性現像粒子と同じ極性に帯電させるとコントラストを良好に維持できることが分かる。
【0240】
前記の媒体11、12、12’、13、14、15と同じタイプの画像表示媒体についても同じことが言える。
【0241】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、画像表示、画像消去を繰り返し行うことができ、よって従来の画像形成に関係する紙等の画像表示媒体、現像剤、インク等の消耗品の使用を低減することができ、それだけ今日の環境負荷低減に応えることができる可逆性画像表示媒体を提供することができる。
【0242】
また本発明によると、高コントラストで、それだけ高品質な画像を表示できる可逆性画像表示媒体を提供することができる。
【0243】
また本発明によると、従来の電気泳動型画像表示媒体やツイストボール型画像表示媒体に比べると高解像度で、また、対向電極によらずに静電潜像に基づく等して画像表示すればさらに高解像度で、それだけ高品質の画像を表示できる可逆性画像表示媒体を提供することができる。
【0244】
また本発明によると、画像を長期にわたり安定的に表示できる可逆性画像表示媒体を提供することができる。
【0245】
また本発明によると、残像が発生しにくく、従って良好な可逆性を示し、この点でも高品質な画像を表示できる可逆性画像表示媒体を提供することができる。
【0246】
また本発明によると、高速で画像表示できる可逆性画像表示媒体を提供することができる。
【0247】
また本発明によると、画像表示のための駆動電圧が低く済む可逆性画像表示媒体を提供することができる。
【0248】
特に、画像表示にあたり可逆性画像表示媒体内の現像粒子にその駆動のために外部から静電場を印加するとともに振動力を印加する場合に、画像表示後、未だ静電場印加中に振動力の印加を実質上停止することで、画像表示を円滑になしえるとともに、一旦表示された画像が外部振動力で乱されることを抑制でき、表示画像をそれだけ安定的に保持できる。
【0249】
また、静電場印加の終了後、可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させることで、安定的に表示画像を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】対向電極付きの可逆性画像表示媒体の1例の画像表示前の断面図である。
【図2】図1に示す媒体の画像表示状態の断面図である。
【図3】図1に示す媒体における第1基板とこれに形成された格子状隔壁等の斜視図である。
【図4】図1に示す媒体における第1基板とこれに形成された個別電極の平面図である。
【図5】図1に示す媒体の画像表示例を示す図である。
【図6】図6(A)は可逆性画像表示媒体の他の例の断面図であり、図6(B)は可逆性画像表示媒体のさらに他の例の断面図である。
【図7】可逆性画像表示媒体のさらに他の例を示すもので、図7(A)は可逆性画像表示媒体の画像表示前の断面図であり、図7(B)は画像表示時の1例の断面図である。
【図8】可逆性画像表示媒体のさらに他の例を示すもので、図8(A)は可逆性画像表示媒体の画像表示前の断面図であり、図8(B)は画像表示時の1例の断面図である。
【図9】図8に示す媒体の一部を切り欠いて示す平面図である。
【図10】図10(A)は可逆性画像表示媒体のさらに他の例の断面図であり、図10(B)は可逆性画像表示媒体のさらに他の例の断面図である。
【図11】外部静電潜像形成装置を備えている画像形成装置例の概略構成を示す図である。
【図12】イオンフロー方式の直接静電潜像形成装置を備えている画像形成装置例の概略構成を示す図である。
【図13】マルチスタイラス方式の直接静電潜像形成装置を備えている画像形成装置例の概略構成を示す図である。
【図14】隣接制御電極を有するマルチスタイラス型静電潜像形成装置を備えている画像形成装置例の概略構成を示す図である。
【図15】図11の画像形成装置の変形例の概略構成を示す図である。
【図16】静電場の印加終了後に画像表示媒体表面を帯電させる装置の例を示す図である。
【符号の説明】
11 可逆性画像表示媒体
111 第1基板
112 第2基板
113 隔壁
113a 仕切り壁
α 仕切り壁の厚さ
pt 隣り合う仕切り壁間隔
h 仕切り壁の高さ
114 第1電極
114a 個別電極(画素電極)
115 第2電極
116 現像剤収容セル
110 リ一ド部
117 電極選択回路
118a 正駆動電圧発生回路
118b 負駆動電圧発生回路
119 表示データ制御部
DL 現像剤
WP 白色現像粒子
BP 黒色現像粒子
Bk 黒色表示部分
W 白色表示部分
12、12’、13、14、15、15’ 可逆性画像表示媒体
140 封止部
140a 封止部120の部分
112A 導電性膜
PC 感光体ドラム
CH スコロトロン帯電器
EX レーザー画像露光装置
IR イレーサランプ
R1 電極ローラ
R2 回転磁極ローラ
MGP 磁石プレート
PW1 バイアス電源
CRH 帯電器
MG 磁石板
CR2 イオンフロー型の直接静電潜像形成装置
c2 コロナイオン発生部
e2 書き込み電極
f2 書き込み電極制御回路
c21 シールドケース
c22 コロナワイヤ
Pc2 電源
e21 上部電極
e22 下部電極
Pc21 制御電源
Pc22 バイアス電源
f21 制御部
CR3 マルチスタイラス方式の直接静電潜像形成装置
e3 電極
H3 マルチスタイラスヘッド
CR4 隣接制御電極を有するマルチスタイラス型静電潜像形成装置
e4 記録電極
e41 制御電極
H4 静電記録ヘッド
Eb 電極
PW1’ バイアス電源
PWX 帯電用電源
RX 媒体支持ローラ
BR 帯電ブラシ
A 静電場印加終了点

Claims (7)

  1. 所定のギャップをおいて対向する2枚の基板と、
    前記2枚の基板間に形成され、周囲を仕切り壁で囲まれた1又は2以上の現像剤収容セルと、
    前記各セルに内包された乾式現像剤とを有しており、
    該乾式現像剤は、互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含んでいる可逆性画像表示媒体を準備する工程と、
    前記可逆性画像表示媒体内の互いに逆極性に摩擦帯電した現像粒子に形成すべき画像に応じた静電場を外部から印加するとともに振動力を外部から印加して該現像粒子を駆動し画像を表示させる工程と、
    該画像表示後、未だ前記静電場印加中に前記振動力の印加を実質上停止する工程と、
    を含むことを特徴とする画像表示方法。
  2. 前記乾式現像剤を構成している互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する現像粒子のうち少なくとも1種類の現像粒子は磁性現像粒子であり、
    前記画像を表示させる工程における現像粒子に対する振動力の印加は振動磁界の印加により行い、
    前記振動力の印加を実質上停止する工程における該振動力印加の実質上停止は、画像表示後、未だ前記静電場印加中に前記振動磁界の印加を実質上停止することで行う請求項1記載の画像表示方法。
  3. 前記振動力印加の実質上停止は前記画像表示後、未だ前記現像剤に外部から少なくとも0.5V/μmの静電場印加中に行う請求項1又は2記載の画像表示方法。
  4. 前記静電場印加の終了後、前記可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させる請求項1、2又は3記載の画像表示方法。
  5. 前記乾式現像剤を構成している互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する現像粒子のうち少なくとも1種類の現像粒子は磁性現像粒子であり、
    前記可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させるにあたり、該帯電電位の帯電極性を前記磁性現像粒子の帯電極性に一致させる請求項4記載の画像表示方法。
  6. 所定のギャップをおいて対向する2枚の基板と、
    前記2枚の基板間に形成され、周囲を仕切り壁で囲まれた1又は2以上の現像剤収容セルと、
    前記各セルに内包された乾式現像剤とを有しており、
    該乾式現像剤は、互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含んでいる可逆性画像表示媒体を準備する工程と、
    前記可逆性画像表示媒体内の互いに逆極性に摩擦帯電した現像粒子に形成すべき画像に応じた静電場を外部から印加して該現像粒子を駆動し画像を表示させる工程と、
    前記静電場印加の終了後、該可逆性画像表示媒体の画像観察側表面を表示画像を保持する電位に帯電させる工程と、
    を含むことを特徴とする画像表示方法。
  7. 前記表示画像を保持する電位は絶対値で100V以下である請求項4、5又は6記載の画像表示方法。
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