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JP4298484B2 - 玉状綿 - Google Patents
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本発明は、寝装具、家具用クッション材、シートクッション材等に好適に用いられる玉状綿に関するものである。
従来から寝装具、家具用クッション材、シートクッション材等のクッション基材としてポリエステル繊維からなる玉状綿を用いることは良く知られている。例えば、特許文献1にはらせん状に縮れたポリエステル繊維からなる平均寸法1〜10mmのファイバーボールが提案されている。また、特許文献2には微細なスパイラル捲縮を発現しうる潜在捲縮能を有するポリエステル繊維が結晶融点100℃以上の共重合ポリエステルをバインダー成分とするバインダー繊維で点接合された玉状綿が提案されている。
しかしながら、上記のようなポリエステル繊維等の従来から用いられている一般の合成繊維は、その大部分が石油などの限りある貴重な化石資源を原料としている。またこれらは自然環境下ではほとんど分解されず、廃棄処理が問題となっている。それに対し、ポリ乳酸は、トウモロコシなどの植物資源を原料としており、ポリ乳酸を繊維化したポリ乳酸繊維は種々の製品に加工された後、コンポストまたは土壌中等の自然環境下では最終的に炭酸ガスと水に分解される完全生分解性を持つ。なお、特許文献3には、融点の異なる2種類の生分解性ポリマーを偏心的に接合した潜在捲縮性複合短繊維が提案されている。
特開昭62−33856号公報 特開平09−228215号公報 特開平06−212548号公報
本発明は、上記の現状を鑑み、吹き込み法にて、嵩高性、圧縮弾性に優れ、さらには吸放湿性に優れたクッションを得るのに適した玉状綿であり、これを用いて製造したクッション材を廃棄する際には、自然界に存在する物質に変換できる玉状綿を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を達成するものであり、本発明の第1発明は、メルトフローレート値異なる2種類のポリ乳酸(ただし、融点の異なる2種類のポリ乳酸の組み合わせは除く。)を偏心的に接合させたポリ乳酸複合繊維を含有する玉状綿であり、前記2種類のポリ乳酸は、メルトフローレート値の差が20〜50g/10分で、メルトフローレート値20〜30g/10分のポリ乳酸とメルトフローレート値50〜70g/10分のポリ乳酸とによって構成され、前記ポリ乳酸複合繊維が三次元的なコイルバネ状の立体捲縮を有していることを特徴とする玉状綿を要旨とするものである。また、本発明の第2発明は、前記した立体捲縮を有するポリ乳酸複合繊維並びに吸水性繊維を含有することを特徴とする玉状綿を要旨とするものである。
本発明の玉状綿は、植物資源を原料とする生分解性のポリ乳酸からなる複合繊維を含有し、また、この複合繊維の形態が、三次元的なコイルバネ状の立体捲縮を有するものであるため、嵩高性、反発弾性に優れ、独立した玉状の形状をしているため吹き込み法に適したものであり、クッション材等を製造するのに好適に用いることができる。また、植物由来原料の生分解性のポリ乳酸を使用するので、石油資源の節約、トータルでの二酸化炭素放出の削減を図ることができ、使用後の廃棄の際に自然界に存在する物質に変換させることが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の玉状綿は、特定のポリ乳酸からなる立体捲縮を有するポリ乳酸複合繊維を含有する。本発明に用いるポリ乳酸複合繊維を構成するポリ乳酸としては、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)とポリ(L−乳酸)とのステレオコンプレックス、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸またはL−乳酸と脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールとの共重合体あるいはこれらのブレンド体が挙げられる。乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体である場合におけるヒドロキシカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。中でも、ヒドロキシカプロン酸またはグリコール酸を用いることがコスト面から好ましい。脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールとしては、セバシン酸、アジピン酸、ドデカン二酸、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。乳酸にその他の成分を共重合させる場合、乳酸単位を80モル%以上とするのが好ましい。80モル%未満であると、融点が低くなりすぎて熱延伸が困難となって、高強度の繊維が得られ難くなるという問題が生じたり、耐熱性、耐摩耗性が低下することがある。
ポリ乳酸中には、必要に応じて、例えば、熱安定剤、結晶化核剤、艶消剤、顔料、耐光剤、耐候剤、滑剤、酸化防止剤、抗菌剤、香料、可塑剤、染料、界面活性剤、難燃剤、表面改質剤、各種無機及び有機電解質、その他類似の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
また、ポリ乳酸中にエポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物などから選ばれた化合物を添加し、ポリマーの末端カルボキシル基やヒドロキシル基を封鎖することにより耐湿熱分解性を向上させても良い。
ポリ乳酸複合繊維は、特定の2種のポリ乳酸からなることにより立体捲縮を有するものであり、2種のポリ乳酸としては、メルトフローレート値の異なる2種のポリ乳酸からなるもの(ただし、融点の異なる2種類のポリ乳酸の組み合わせは除く。)を用いる。
ルトフローレート値の異なるポリ乳酸しては、ASTM D−1238法に準じ、温度210℃、荷重2160gで測定したメルトフローレート値で20〜50g/10分のあるものを用いメルトフローレート値20〜30g/10分のポリ乳酸と、メルトフローレート値50〜70g/10分のポリ乳酸とで構成された複合繊維であって立体捲縮を有するものをいる。メルトフローレート値がこの範囲にあると、強度や耐摩耗性に優れた繊維を生産性良く得ることができる。
なお、本発明において用いる2種のポリ乳酸としては、晶性の高いものを選択することが好ましい。すなわち、ポリ乳酸のホモポリマーであるポリ(L−乳酸)やポリ(D−乳酸)の融点は約180℃であり、D−乳酸とL−乳酸との共重合体の場合、いずれかの成分の割合を10モル%程度とすると、融点はおよそ130℃となる。さらに、いずれかの成分の割合を18モル%以上とすると、融点は120℃未満、融解熱は10J/g未満となって、ほぼ非晶性の性質となり、熱延伸が困難となって、高強度の繊維が得られ難くなるという問題が生じたり、耐熱性、耐摩耗性が低下することがある。なお、ポリ(D−乳酸)とポリ(L−乳酸)とのステレオコンプレックスは融点が200〜230℃と高く、高温染色も可能となるので好ましい。
本発明に用いるポリ乳酸複合繊維を得るには、前記したメルトフローレート値異なる2種類のポリ乳酸を適宜組み合せて、複合紡糸すればよい。
本発明に用いるポリ乳酸複合繊維は、偏芯鞘あるいはサイドバイサイドといった、メルトフローレート値異なる2種類のポリ乳酸を偏心的に接合させた繊維である。このような複合形態とすることによって立体捲縮を有する嵩高性に優れたヘタリ難い繊維とすることができる。ここで、立体捲縮とは、2次元の機械捲縮とは異なる態様であって、いわゆる三次元的なコイルバネ状の捲縮のことである。また、このコイルバネ状の捲縮の一部に捩れが加わった形態であってもよい。この繊維の捲縮特性としては、JIS L1015に規定の方法で測定した捲縮数が6〜20個/25mm、捲縮率が10〜25%であるのが望ましい。このような捲縮特性を有する複合繊維であると、後述する玉状綿の製造に際し、紐状になることなく、きれいな球形状の繊維集合体(玉状綿)を得ることができる。すなわち、捲縮数が6個/25mm未満あるいは捲縮率が10%未満であると、捲縮が大きく、得られる玉状綿がへたりやすい傾向となり、一方、捲縮数が20個/25mmを超えるあるいは捲縮率が25%を超えると、捲縮が微細になって繊維同士が絡みにくく、目的とする球形状の玉状綿を得にくい。
2種類のポリ乳酸の複合比率は紡糸の操業性考慮し、質量比率で20/80〜80/20とすることが好ましい。
ポリ乳酸複合繊維の断面形状は、特に限定するものではなく丸断面のみでなく、楕円、菱形、T型、井型、三角あるいはそれ以上の多角形であっても、また外形がこれらのいずれかの断面であって、中空断面であってもよい。中空繊維の場合、特に嵩高性が良好なものが得られるので、より好ましい。
本発明に用いるポリ乳酸複合繊維の単糸繊度は特に限定されるものではないが、1〜100デシテックスの範囲とする。単糸繊度が1デシテックスに満たない場合、繊維の生産効率が低く、コストの高いものとなる。一方、100デシテックスを超えるような場合、通常の紡糸装置では冷却が困難であり、特殊な設備が必要となる。
さらに、本発明に用いるポリ乳酸複合繊維にシリコーン系油剤を付与しておくと、非常に良好な、きれいな真球に近い形状の玉状綿とすることができ、また、玉状綿同士がくっつきにくく、より独立したものとなるので好ましい。また、玉状綿の柔軟性も向上するため、柔軟でソフトなクッション体を得ることができる。このようなシリコーン系油剤としては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル等が挙げられる。
本発明に用いるポリ乳酸複合繊維の製造方法について説明する。ルトフローレート値異なる2種類のポリ乳酸を、通常の偏心芯鞘あるいはサイドバイサイド複合紡糸装置を用いて溶融紡糸し、延伸することなく一旦引き取り、未延伸糸を数十万〜二百万デシテックスのトウに集束する。これを熱延伸した後、リラックスさせ、コイルバネ状の立体捲縮を発現させる。また、前記リラックスさせて立体捲縮を発現させた複合繊維をさらに張力のかからない状態で熱セット(100℃以上)してコイルバネ状の立体捲縮を発現、熱固定させる。その後、好ましくは15〜76mmに、より好ましくは20〜38mmにカットして短繊維とする。
本発明の第2発明において、ポリ乳酸複合繊維に併用する吸水性繊維としては、木綿、絹、羊毛、レーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維、ビニロン等の天然繊維、再生繊維や合成繊維等であって、公定水分率が5%以上程度の比較的水を吸いやすい繊維や、ポリアクリル酸系の高吸水性繊維と呼ばれるもので、自重の数十倍〜百倍以上の水分を吸収しうるものが挙げられる。ポリアクリル酸系の高吸水性繊維として、具体的には、「ランシール(東洋紡株式会社製 登録商標)」や「ベルオアシス(カネボウ株式会社製 登録商標)」等が挙げられる。
これらの吸湿性繊維の中でも、溶剤紡糸セルロース繊維は環境問題に対応した素材であり、クッション材としての調湿性能が優れていることから、より好ましい。溶剤紡糸セルロース繊維について述べる。溶剤紡糸セルロース繊維とは主原料であるパルプを副原料のアミンオキサイド溶剤(閉鎖系で繰り返し使用されるため環境を汚染することがない)で物理的に溶解し、セルロース繊維を極力分断せずに繊維化する画期的な製法によって製造される。そのため、既存のセルロース系の繊維、例えばビスコース法で製造するレーヨン等に比べ乾湿強度が高く繊維収縮率が低い。また、ソフトで肌触りが良く、吸湿性や水拡散性に優れるという特徴を有する。
ポリ乳酸繊維は、平衡水分率が0.5%程度と、殆ど吸水性がないため、汗をかいた場合の水分の吸水、拡散性に乏しいという欠点があるが、溶剤紡糸セルロース繊維等の吸水性繊維を併用することにより、この欠点を効果的に補うことができ、寝装具、クッション材として用いたときの使い心地が格段に良くなるのである。
溶剤紡糸セルロース繊維等の吸水性繊維の単糸繊度は、特に限定されるものではないが、一般的には1〜15デシテックスのものが用いられる。
本発明の玉状綿の製造方法を説明する。まず、好ましくは15〜76mm、より好ましくは20〜38mmにカットしたポリ乳酸複合繊維および必要に応じて吸水性繊維を、高速気流下で30秒〜10分間攪拌することにより、直径2〜20mm程度の球形を呈する柔らかい玉状綿を得ることができる。
このようにして得られた玉状綿は、枕やクッション、かけ布団、寝袋といった形状に縫製された側地の中へ圧縮空気とともに吹き込むいわゆる吹き込み法によってスムースに入れることができる。
また、低融点のポリ乳酸を鞘部、ポリ乳酸ホモポリマーあるいはポリ乳酸ステレオコンプレックスポリマーといった高融点のポリ乳酸を芯部に概ね同心状に配置した、いわゆるバインダー繊維を、全体の10〜40質量%程度混合して玉状綿とすることも可能である。この場合には、玉状綿をある型枠や側地の中に吹き込んだ後、バインダー繊維の鞘部のポリ乳酸の融点以上、主体となる立体捲縮を有するポリ乳酸複合繊維のそれぞれのポリマーの融点未満の温度で熱処理することにより、特定の形状に保型することもできる。なお、型枠内で加熱する場合、熱風を片側から吹き込み、もう一方から吸引する、いわゆるサクションタイプの熱処理機を用いるのが、加熱時間が少なくて済み、効率的である。また、型枠内で加熱してから所定の形状にホットプレスあるいはコールドプレスで成形加工してもよい。
以下、実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例に記述した諸物性の評価法は次のとおりである。
(1)ポリ乳酸のメルトフローレート値(g/10分)
ASTM D−1238法の記載の方法に準じて測定した。なお、測定条件は温度210℃、荷重2160gとした。
(2)融点(℃)および融解熱(J/g)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を使用し、昇温速度20℃/分の条件で測定した。
(3)短繊維の強伸度
JIS L1015 8.7.1標準時試験により、つかみ間隔20mm、引張速度20mm/分で測定した。
(4)玉状綿の嵩高性
1000cm3のメスシリンダーに玉状綿5gを少しづつ投入し、投入後、上下逆にひっくり返すことを5回繰り返す。その後、単位面積当たりの質量が0.5g/cm2のメスシリンダー内壁に沿って水平状態でスムーズに移動できる押さえ板(メスシリンダーの内径とほぼ同形)を玉状綿の上に軽く載せて、玉状綿の占める容積を測定し、嵩高性(cm3/g)を求める。
(5)玉状綿の圧縮弾性
玉状綿20gを20cm四方で厚さ2cmに縫製したミニ布団側地に圧縮空気で吹き込んで、吹き込み口を縫製により閉じてミニ布団を作成した。これを用い、JIS K6401に準じて50%圧縮応力(当初の厚みに対して50%の厚みになるのに要する力)を測定し圧縮弾性の尺度とした。
実施例1
融点170℃、融解熱38J/g、光学純度98.5%(L体主体:ラクチドを原料として重合する時のL,D体の仕込み割合によりコントロールされる)で、メルトフローレート値(以後、MFRと略記する)が23g/10分のポリ乳酸(以後、PLA1と略記する)チップと、融点170℃、融解熱45J/g、光学純度98.5%で、MFRが58g/10分のポリ乳酸(以後、PLA2と略記する)のチップとを減圧乾燥した後、紡糸温度240℃で通常の中空サイドバイサイド複合溶融紡糸装置を使用して、複合比(容量比)を1/1として複合溶融紡糸した。紡出糸条を冷却風で冷却した後、引取速度1000m/分で引き取って未延伸糸条を得た。得られた糸条を集束し、33万dtexのトウにして、延伸倍率3.2倍で延伸し、リラックスしてコイルバネ状の立体捲縮を発現させた後、高級アルキル燐酸エステルK塩、エステル型ノニオン、エーテル型ノニオン混合の仕上げ油剤を0.2%付与した。その後120℃の乾燥機で熱処理して乾燥および捲縮の熱固定を行った後、長さ32mmに切断した。得られた短繊維は、単糸繊度6.6dtex、強度3.3cN/dtex、伸度64%、捲縮数10.5個/25mm、捲縮率21.4%であった。この短繊維を用いて渦巻き状の高速気流が流れている容器中、常温で5分間攪拌して、本発明の玉状綿を得た。得られた玉状綿の直径は平均5mmであり、玉状の形状は良好で大きさもほぼ揃った均一なものであり、玉状綿の嵩高性は165cm3/g、圧縮応力は62.72N/400cm2であった。
参考迄に、玉状綿にする前の短繊維(サンプルローラーカードで開繊したカードウエブ)自体の嵩高性をJIS L1097の5.2比容積(かさ高性)に準じて測定すると、127cm3/gであった。
また、同じカードウエブを用い、JIS K6401に準じて50%圧縮応力を測定すると圧縮応力は26.46N/400cm2であり、いずれも玉状綿の値に比べて低いものであった。
参考例
ポリ乳酸複合繊維に替えて、ポリエチレンテレフタレートからなる中空サイドバイサイド型複合繊維(ユニチカファイバー社製<H38F> 単糸繊度6.6dtex、繊維長32mm、捲縮数9.7個/25mm、捲縮率22.3%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして玉状綿を得た。玉状綿の直径は平均5mmであり、また、玉状綿の嵩高性は166cm3/g、圧縮応力は46.06N/400cm2であった。
実施例1と参考例(ポリエチレンテレフタレート繊維からなる玉状綿)とを比較すると、繊維としては同様の形態(単糸繊度、繊維長、捲縮形態)を有するものの、ポリ乳酸繊維は、繊維間摩擦が高いためか、荷重をかけた時に玉状綿が潰れにくく、一定寸法の側地に一定質量の玉状綿を詰めてクッション体を得た場合、ポリ乳酸複合繊維からなる本発明の玉状綿からなるクッション体(実施例1)の方が、ポリエチレンテレフタレート玉状綿(参考例)からなるクッション体よりも圧縮応力が高く、底付き感のないものを得ることができた。
実施例
実施例1において用いた仕上げ油剤に代えて、ポリエーテル変性シリコーンオイルおよびアミドタイプカチオン混合の仕上げ油剤を用いること以外は実施例1と同様にして実施した。
得られた玉状綿の直径は平均5mmであり、玉状の形状は良好で大きさもほぼ揃った均一なものであった。玉状綿の風合いは滑らかで、いわゆるフェザータッチといえるものであった。また、玉状綿同士の滑り性が良好であり、吹き込みも極めてスムースに行うことができた。さらに、玉状綿の圧縮弾性の評価にて作成したミニ布団の内部の玉状綿を強制的に片側に片寄せた場合でも、ミニ布団を軽く叩くだけでもとの形状に回復した。
この玉状綿の嵩高性は166cm3/g、圧縮応力は35.28N/400cm2であった。
実施例
実施例で得られたシリコーン系油剤を付与したポリ乳酸複合繊維70%に対し溶剤紡糸セルロース繊維であるレンチング社製「レンチングリヨセル」6.6dtex、30mm切断長の短繊維30%を混合して用いて、渦巻き状の高速気流が流れている容器中、常温で5分間攪拌して、本発明の玉状綿を得た。得られた玉状綿の直径は平均5mmであり、玉状の形状は良好で大きさもほぼ揃った均一なものであった。
この玉状綿の嵩高性は131cm3/g、圧縮応力は31.36N/400cm2であった。
比較例1
実施例1にて用いたPLA1を用いて通常の溶融紡糸を行い、PLA1の単一成分からなる未延伸糸条を得た。得られた糸条を集束し、33万dtexのトウにして、延伸倍率3.2倍で延伸し、120℃のヒートドラムで熱セットしてからクリンパーにて機械的に捲縮を付与した。その後、高級アルキル燐酸エステルK塩、エステル型ノニオン、エーテル型ノニオン混合の仕上げ油剤を0.2%付与した後、長さ32mmに切断した。得られた短繊維は、単糸繊度6.8dtex、強度3.6cN/dtex、伸度67%、捲縮数9.3個/25mm、捲縮率8.7%であった。この短繊維を用いて渦巻き状の高速気流が流れている容器中、常温で5分間攪拌したが、得られた製品は紐状に繊維が集合したような形状で、本発明が目的とする玉状にはならず、吹き込みの試験は行わなかった。

Claims (5)

  1. メルトフローレート値異なる2種類のポリ乳酸(ただし、融点の異なる2種類のポリ乳酸の組み合わせは除く。)を偏心的に接合させたポリ乳酸複合繊維を含有する玉状綿であり、前記2種類のポリ乳酸は、メルトフローレート値の差が20〜50g/10分で、メルトフローレート値20〜30g/10分のポリ乳酸とメルトフローレート値50〜70g/10分のポリ乳酸とによって構成され、前記ポリ乳酸複合繊維が三次元的なコイルバネ状の立体捲縮を有していることを特徴とする玉状綿。
  2. ポリ乳酸複合繊維が中空繊維である請求項1記載の玉状綿。
  3. ポリ乳酸複合繊維がシリコーン系油剤を付与したものである請求項1又は請求項2記載の玉状綿。
  4. メルトフローレート値異なる2種類のポリ乳酸(ただし、融点の異なる2種類のポリ乳酸の組み合わせは除く。)を偏心的に接合させたポリ乳酸複合繊維並びに吸水性繊維を含有する玉状綿であり、前記2種類のポリ乳酸は、メルトフローレート値の差が20〜50g/10分で、メルトフローレート値20〜30g/10分のポリ乳酸とメルトフローレート値50〜70g/10分のポリ乳酸とによって構成され、前記ポリ乳酸複合繊維が三次元的なコイルバネ状の立体捲縮を有していることを特徴とする玉状綿。
  5. 吸水性繊維が溶剤紡糸セルロース繊維である請求項4記載の玉状綿。
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