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JP4300507B2 - 複合成形品 - Google Patents
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JP4300507B2 - 複合成形品 - Google Patents

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Telephone Set Structure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる部分が、その一部に熱融着された複合成形品に関するものであり、さらに詳しくは、柔軟な感触を有し、熱融着接着力が高く、耐熱性・耐薬品性・耐油性に優れ、機能性や意匠性の高い複合成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合成形品として硬質樹脂に軟質樹脂を被覆した成形品は、成形品の強度を保持しつつ表面の柔軟な感触を付与したり、軟質樹脂により他部品とのシール機能を付与したりすることができるため、よく用いられている。例えば、ポリアルキレンテレフタレートとポリエステルエラストマとを二重成形または二色成形法により一体的に形成されてなる複合成形品が知られている(特許文献1参照)。また、ポリカーボネートやメタクリル樹脂などの硬質樹脂成形体に、熱可塑性弾性体とポリエステルエラストマからなる熱可塑性弾性体組成物を熱融着させた複合成形体も知られている(特許文献2参照)。
【0003】
しかし、前記特許文献1に開示された複合成形品は、剛性の高い部分と柔軟な部分を有し、各種機器部品に好適なものであるが、透光性や透明性がないので、それらが機能として必要な部品に使用できず、また、意匠性も限定されたものしか得られないという制限を受けている。さらに、前記特許文献2に開示された複合成形体は、硬質樹脂で構成される成形体部位と弾性に富んだ熱可塑性弾性体で構成された成形体部位との熱融着特性に優れたものであるが、熱可塑性弾性体樹脂組成物が不透明であるため、ポリカーボネートやメタクリル樹脂のような透明性を有する硬質樹脂と組み合わせて、硬い部分と柔軟で弾性のある部分を合わせ持ち、かつ成形体全体が透光性や透明性を有するものを得ることはむずかしい。一方、ポリカーボネートやメタクリル樹脂のような透明性を有する硬質樹脂成形品は、各種機械部品や構造部品として有用であるが、感触が硬く、耐薬品性や耐油性も十分ではない。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−9187号公報
【特許文献2】
特許第2888305号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる部分が、その一部に熱融着された、柔軟な感触を有し、熱融着接着力が高く、耐熱性・耐薬品性・耐油性に優れ、機能性や意匠性の高い複合成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下のような手段をとる。
(1)2mm厚さのシートで測定した全光線透過率が40%以上で、かつヘイズ値(曇価)が85%以下である透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる成形品と透光性あるいは透明性を有する硬質樹脂からなる成形品の少なくとも一部とが熱融着されている複合成形品であり、
(2)透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物が、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜50重量%と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90〜50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(B)0.2〜20重量部および/またはカルボン酸のアルカリ金属塩(C)0.01〜3重量部および/または有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(D)0.01〜3重量部を配合したものである上記(1)記載の複合成形品であり、
(3)透光性あるいは透明性を有する硬質樹脂が、透光性あるいは透明性を有するABS樹脂、透明性あるいは透光性を有するポリカーボネート樹脂、透明性あるいは透光性を有するアクリル系樹脂、透明性あるいは透光性を有する塩化ビニル樹脂、透明性あるいは透光性を有するポリ−4−メチルテンペン−1から選ばれてなる成形品である上記(1)または(2)に記載の複合成形品であり、
(4)上記(1)〜(3)いずれかに記載の複合成形品が、印字した樹脂成形品に透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物を被覆した複合成形体である複合成形品である。
また、上記複合成形品は、筐体、アンテナカバー、コネクター、ローラー、キャスター、ホース、チューブ、操作ボタン、グリップ、パッキン、ヒンジ付き複合成形体、印字した樹脂成形品に透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物を被覆した複合成形体として好適に用いられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0008】
本発明の複合成形品に用いられる透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物は、2mm厚さのシートで測定した全光線透過率が40%以上で、かつヘイズ値(曇度)が85%以下である。このような物性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物は、目視で半透明から透明なものであり、その数値に応じて、目視で透明であって印刷物の上にこのシートを置いた場合、文字がきわめて明瞭に見えるものから、目視では半透明であるが透光性は有し、印刷物の上にこのシートを置いた場合、文字を十分読むことができるものまで含まれる。2mm厚さのシートで測定した全光線透過率が40%に達せず、かつヘイズ値が85%を越えるものは不透明で透光性も透明性も有しない。この場合は印刷物の上にこのシートを置くと文字は全く読むことができない。
【0009】
このようなポリエステルエラストマ樹脂組成物としては、例えば、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜50重量%と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90〜50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(B)0.2〜20重量部および/またはカルボン酸のアルカリ金属塩(C)0.01〜3重量部および/または有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(D)0.01〜3重量部を配合したものが好適に用いられる。
【0010】
また、さらにヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(c)0.05〜2.5重量部と過酸化物分解剤(d)0.05〜2.5重量部の組み合わせからなる酸化防止剤(E)、光安定剤(F)0.1〜5重量部、可塑剤(G)1〜50重量部の3種類の中から選ばれた1種類以上を配合したものが好適に用いられる。
【0011】
本発明に好適に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであっても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
【0012】
本発明に好適に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)は、脂肪族ポリエーテルである。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルのなかで、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物などが好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
【0013】
本発明に好適に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)における高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量は10〜50重量%、低融点重合体セグメント(b)の共重合量は90〜50重量%であることが好ましい。
【0014】
本発明に好適に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)は公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、および低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。また、あらかじめ高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法。高融点結晶性セグメントと低融点重合体セグメントを鎖連結剤でつなぐ方法。さらにポリ(ε−カプロラクトン)を低融点重合体セグメントに用いる場合は、高融点結晶性セグメントにε−カプロラクトンモノマを付加反応させるなど、いずれの方法をとってもよい。
【0015】
本発明に好適なポリエステルエラストマ樹脂組成物に用いられる成分の一つである側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(B)は、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン系不飽和カルボン酸との共重合体を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオンなどで中和したもので、これらは、例えばデュポン社から”サーリン”または三井・デュポンポリケミカル社から”ハイミラン”として市販されているものである。中でもナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオンで中和したものが好ましい。これらの側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(B)の配合量は0.2〜20重量部であることが好ましい。
【0016】
本発明に好適なポリエステルエラストマ樹脂組成物に用いられる成分の一つであるカルボン酸のアルカリ金属塩(C)としては、脂肪族、脂環族または芳香族のカルボン酸のナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩が挙げられるが、中でも炭素数10以上の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩、および/またはダイマー酸のアルカリ金属塩が好ましい。これらのカルボン酸のアルカリ金属塩(C)の配合量は、0.01〜3重量部であることが好ましい。
【0017】
本発明に好適なポリエステルエラストマ樹脂組成物に用いられる成分の一つである有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(D)としては、脂肪族、脂環族または芳香族のリン酸エステル化合物のナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩が挙げられるが、中でも芳香族有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩が好ましい。これらのカルボン酸のアルカリ金属塩(D)の配合量は、0.01〜3重量部を配合するのが好ましい。
【0018】
本発明に好適なポリエステルエラストマ樹脂組成物においては、さらにヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(c)と過酸化物分解剤(d)の組み合わせからなる酸化防止剤(E)を配合することによって、透光性や透明性を保ちつつ熱による変色に対する耐性を向上させることができる。ここで用いるヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(c)としては、分子量が500以上のヒンダードフェノール系化合物が好ましい。過酸化物分解剤(d)としてはホスファイト系化合物および/またはチオエーテル系化合物が好ましい。ホスファイト系化合物としては、分子中に2個以上のリン原子を有するものがさらに好ましい。
【0019】
本発明に好適なポリエステルエラストマ樹脂組成物においては、光安定剤(F)を配合することによって、透光性や透明性を保ちつつ光による変色に対する耐性を向上させることができる。ここで用いる光安定剤(F)としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物などが好ましい。これらを単独で用いてもよいが、ベンゾトリアゾール系化合物あるいはベンゾフェノン系化合物などの紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系化合物を組み合わせて用いるとさらに好ましい。これらの光安定剤(E)は0.1〜5重量部を配合するのが好ましい。
【0020】
本発明に好適なポリエステルエラストマ樹脂組成物においては、可塑剤(G)を配合することによって、透光性や透明性を保ちつつ柔軟性や溶融流動性を向上させることができる。ここで用いる可塑剤(F)としては、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、グリコールジベンゾエート系可塑剤などの芳香族エステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤、ペンタエリスリット系可塑剤、芳香族スルホンアミド系可塑剤、フェノール系誘導体のアルキレンオキサイド付加物系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、脂肪族エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤などが好ましい。これらの中でも芳香族エステル系可塑剤が特に好ましい。これらの可塑剤(G)は1〜50重量部を配合するのが好ましい。
【0021】
本発明に好適なポリエステルエラストマ樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルブロック共重合体、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体、酸化防止剤をはじめとする他の添加物を一緒に配合した原料をスクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、まずポリエステルブロック共重合体を供給して溶融し、さらに他の供給口より側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体、および酸化防止剤をはじめとする他の添加物を供給混練する方法など、適宜採用することができる。
【0023】
発明の複合成形品は、透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる部分が、透光性あるいは透明性を有する硬質樹脂からなる成形品に熱融着されていることも好ましい。このような硬質樹脂としては、透明性あるいは透光性を有するABS樹脂、透明性あるいは透光性を有するポリカーボネート樹脂、透明性あるいは透光性を有するアクリル系樹脂、透明性あるいは透光性を有する塩化ビニル樹脂、透明性あるいは透光性を有するポリ−4−メチルテンペン−1などを挙げることができる。
【0026】
本発明の複合成形品は、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形等を用い、例えば、多色成形、インサート成形、アウトサート成形等により、熱融着した複合成形品として一体成形される。場合により、複合成形表面には、シボ加工やコーティングといった表面加工も施すことができる。
【0027】
本発明の複合成形品は、筐体、例えば無線機や電話のアンテナカバー、コネクター、ローラー、キャスター、ホース、チューブ、操作ボタン、グリップ、パッキン、ヒンジ付き複合成形体、インク等で印字した樹脂成形品に透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物を被覆した複合成形体として好適に用いられる。
【0028】
シート状の透明な硬質樹脂を、透明なポリエステルエラストマ樹脂組成物からなるヒンジでつなぎ合わせた複合成形体の場合、ヒンジ部の屈曲疲労性が優れるため、商品寿命の長い透明製品を提供することができる。
【0029】
透明な硬質樹脂成形品の表面にインキで印字したものの上に、透明なポリエステルエラストマ樹脂組成物を被覆して複合成形品とし、その裏側から光を当てた操作ボタンの場合、表面が柔軟で押した感触が良く、印字の読みとりが容易で、また印字が摩耗によって不明瞭になることを防ぐことができる。さらに、表面の透明なポリエステルエラストマ樹脂組成物の耐熱性が高いので、使用する雰囲気の制限を受けにくく、耐薬品性や耐油性も優れるので、汚れた手で操作したり、機械油等が付着する環境で使用しても表面が劣化しにくい。
【0030】
【実施例】
以下に実施例によって本発明の効果を説明する。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない場合すべて重量基準である。また、実施例中に示される物性は次のように測定した。
・相対粘度
o−クロロフェノールを溶媒とした0.5%のポリマ溶液を25℃で測定した。
・融点
差動走査熱量計(デュポン社製DSC−910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
・溶融粘度指数(MFR値)
ASTM D−1238に従って、温度220℃、荷重2160gで測定した。
・硬度(ショアDスケール)
ASTM K−7215に従って測定した。
・全光線透過率およびヘイズ値
プレス成形法によって作成した厚さ約2mmのシートを用い、直読ヘイズメーター(東洋精機社製NO.206型)で測定した。
・機械的強度
プレス成形法によって作成した厚さ約2mmのシートを、JIS 2号型ダンベル試験片に打ち抜き、JIS K−6301に従って歪み速度500%/分で引張破断強度と引張破断伸度を測定した。
・耐熱変色性
複合成形品を80℃の恒温槽中で4週間熱処理し、取り出した後、変色の状態を目視で観察した。
・耐光変色性
複合成形品をポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる部分に光が照射されるよう紫外線カーボンアークランプを光源とするフェードオーメーター中で、槽内温度50℃で10時間処理し、取り出した後、変色の状態を目視で観察した。
参考例
ポリエステルブロック共重合体(A−1)の製造
テレフタル酸234部、1,4−ブタンジオール228部および数平均分子量約2000のエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体(EO/THFモル比40/60)グリコール754部を、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1330(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で3時間30分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
ポリエステルブロック共重合体(A−2)の製造
テレフタル酸348部、1,4−ブタンジオール340部および数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール645部を、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
ポリエステルブロック共重合体(A−3)の製造
ジメチルテレフタレート373部、ジメチルイソフタレート124部、1,4−ブタンジオール415部およびポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(数平均分子量約1400)467部を、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間加熱して、理論メタノ−ル量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1010を0.75部添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間20分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
[ポリエステルブロック共重合体(A−4)の製造]
ジメチルテレフタレート320部、ジメチルイソフタレート93部、1,4−ブタンジオール345部、エチレンオキシドで末端をキャッピングしたポリ(プロピレンオキシド)グリコール(数平均分子量2200、EO含量26.8%)550部を、チタンテトラブトキシド2部およびトリメリット酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1010 0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで、50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で1時間50分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
表1にA−1、A−2、A−3、A−4の組成と物性を示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004300507
【0032】
透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物の製造
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体として三井・デュポンポリケミカル社製の”ハイミラン”1707(イオンタイプはナトリウム)(B−1)、ステアリン酸ナトリウム(C−1)、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム(旭電化社製”アデカスタブ”NA−11)(D−1)、チバガイギー社製のヒンダードフェノール系酸化防止剤(”イルガノックス”1010)(E−1)、旭電化社製のホスファイト系酸化防止剤(”アデカスタブ”PEP−8)(E−2)、チバガイギー社製のベンゾトリアゾール系光安定剤(”チヌビン”327)(F−1)、チバガイギー社製のヒンダードアミン系光安定剤(”チヌビン”144)(F−2)、グリコールジベンゾエート系可塑剤(ジプロピレングリコールジベンゾエート)(G−1)を、表2に示すような配合になるようにドライブレンドし、45mmφのシリンダー径を有する二軸押出機を用いて、表2に示す温度で溶融混練したのちペレット化した。このペレットを80℃で3時間乾燥後、ポリテトラフルオロエチレン製シート(ニチアス(株)製”ナフロン”テープ、TOMBO 9001)にはさみ、溶融混練温度と同じ成形温度でプレスし、60℃で冷却したのち、ポリテトラフルオロエチレン製シートを剥がして、厚み約2mmのシートを成形した。このプレスシートについて、表面硬度と全光線透過率およびヘイズ値を測定するとともに、透明性を外観と印刷物の上にシートを置いた時の文字の見え方で評価した。さらに機械的強度を測定した。結果を表3に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004300507
【0034】
【表3】
Figure 0004300507
【0035】
比較例1
東レ(株)製ABS樹脂”トヨラック”100を220℃で射出成形して、図1((1)は平面図、(2)はA−A断面図)の成形品1を得た。次いで、参考例で得られた透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−1)を220℃で射出成形して図2に示す被覆層2を形成し、複合成形品とした。得られた複合成形品の界面は強固に融着していた。また、複合成形品の外側表面は柔軟な感触で、透明感を有していた。
比較例2〜4
ポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−1)の代わりに、参考例で得られたポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−2)、(X−3)、(X−4)を用いて、比較例1と同様に複合成形品を製造した。得られたいずれの複合成形品の界面も強固に融着していた。また、複合成形品の外側表面は柔軟な感触で、透明感を有していた
施例
東レ(株)製透明ABS樹脂”トヨラック”900を220℃で射出成形して、図1((1)は平面図、(2)はA−A断面図)の透明な成形品1を得た。次いで、参考例で得られた透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−6)を220℃で射出成形して図2に示す被覆層2を形成し、複合成形品とした。得られた複合成形品の界面は強固に融着していた。また、複合成形品の外側表面は柔軟な感触で、複合成形品全体が透明性を有していた。この複合成形品の耐熱変色性と耐光変色性を評価したが、処理による外観の変化はなかった。
実施例
ポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−6)の代わりに、参考例で得られた透明なポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−7)を用いて、実施例と同様に複合成形品を製造した。得られた複合成形品の界面は強固に融着していた。また、複合成形品の外側表面は柔軟な感触で、複合成形品全体が透明性を有していた。この複合成形品の耐熱変色性と耐光変色性を評価したが、処理による外観の変化はなかった。
実施例
三菱エンプラ(株)製ポリカーボネート樹脂”ユ−ピロン”S3000を260℃で射出成形して、図1((1)は平面図、(2)はA−A断面図)の透明な成形品1を得た。次いで、参考例で得られた透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−6)を220℃で射出成形して図2に示す被覆層2を形成し、複合成形品とした。得られた複合成形品の界面は強固に融着していた。また、複合成形品の外側表面は柔軟な感触で、複合成形品全体が透明性を有していた。この複合成形品の耐熱変色性と耐光変色性を評価したが、処理による外観の変化はなかった。
実施例
ポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−6)の代わりに、参考例で得られたポリエステルエラストマ樹脂組成物(X−7)を用いて、実施例と同様に複合成形品を製造した。得られた複合成形品の界面は強固に融着していた。また、複合成形品の外側表面は柔軟な感触で、複合成形品全体が透明性を有していた。この複合成形品の耐熱変色性と耐光変色性を評価したが、処理による外観の変化はなかった。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる部分が、その一部に熱融着された、柔軟な感触を有し、熱融着接着力が高く、機能性や意匠性の高い複合成形品を得ることができる。また、ポリエステルエラストマは耐油性と耐薬品性に優れるため、油、洗浄剤、化粧品等にさらされる環境でも使用できる。そして本発明の複合成形品は、筐体、無線機や電話のアンテナカバー、コネクター、ローラー、キャスター、ホース、チューブ、操作ボタン、グリップ、パッキン、ヒンジ付き複合成形体、インク等で印字した樹脂成形品に透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物を被覆した複合成形体として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、硬質樹脂からなる箱型成形品を示し、(1)は平面図、(2)はA−A断面図である。
【図2】図2は、本発明の箱型複合成形品を示し、(1)は平面図、(2)はB−B断面図である。
【符号の説明】
1:硬質樹脂からなる成形品
2:被覆層

Claims (4)

  1. 2mm厚さのシートで測定した全光線透過率が40%以上で、かつヘイズ値(曇価)が85%以下である透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる成形品と透光性あるいは透明性を有する硬質樹脂からなる成形品の少なくとも一部とが熱融着されている複合成形品。
  2. 透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物が、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜50重量%と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90〜50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(B)0.2〜20重量部および/またはカルボン酸のアルカリ金属塩(C)0.01〜3重量部および/または有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(D)0.01〜3重量部を配合したものである請求項1記載の複合成形品。
  3. 透光性あるいは透明性を有する硬質樹脂が、透光性あるいは透明性を有するABS樹脂、透明性あるいは透光性を有するポリカーボネート樹脂、透明性あるいは透光性を有するアクリル系樹脂、透明性あるいは透光性を有する塩化ビニル樹脂、透明性あるいは透光性を有するポリ−4−メチルテンペン−1から選ばれてなる成形品である請求項1または2に記載の複合成形品。
  4. 請求項1から3いずれかに記載の複合成形品が、印字した樹脂成形品に透光性あるいは透明性を有するポリエステルエラストマ樹脂組成物を被覆した複合成形体である複合成形品
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