JP4300779B2 - トラクタの変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタの変速装置に関するもので、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来からトラクタの走行ミッション装置は、エンジンに近い側にリバ−サクラッチが設けられ、それの伝動下手側に第1副変速装置、主変速装置、第2副変速装置、走行速度と作業速度とを選択して切り替える走行速度切替装置の順序に配置され、エンジン側から入力された回転動力を、一連の変速装置の変速作用の組み合わせによって複数段に変速しながら走行側に出力する構成となっている。そして、従来のこの種走行ミッション装置は、各変速装置ごとに変速レバ−が設けられ、操縦座席の周囲に集中的に配置した構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−170889号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の走行ミッション装置は、各変速装置ごとに変速レバ−が設けられ、これらを操縦座席の周囲に集中的に配置して構成していた。したがって、オペレ−タは、変速操作にあたって煩雑な操作が要求され、操作性が悪く紛らわしくて誤操作の原因になる課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。即ち、請求項1の発明は、走行ミッション装置1は、原動側から入力された回転動力を、リバーサクラッチ10を介して第1副変速装置2から主変速装置3を経由し、更に、第2副変速装置4と走行速度切替装置6を通って走行側に出力する構成とし、前記第1副変速装置2の高、低速度の切替操作と、前記主変速装置3の複数段の変速操作とを1本の主変速レバ−5で切替操作する構成とし、該主変速レバ−5は、前後方向の変速操作で主変速装置3の切替操作を可能とし、左右方向の変速操作で第1副変速装置2の切替操作ができる構成にするとともに、前後方向と左右方向との操作を組み合わせると、飛び越し変速操作が可能な構成とし、前記第1副変速装置2は、前記作業速度と走行速度とを切り替え操作する走行速度切替装置6を走行速度に切り替えると高速位置に保持され、作業速度に切り替えると高、低速度に切替操作が可能となる構成とするとともに、さらに、前記走行速度切替装置6と第2副変速装置4は同一の副変速レバー38による切替操作を行う構成としたことを特徴とするトラクタの変速装置としたものである。
【0006】
原動側から入力される回転動力は、リバーサクラッチ10、第1副変速装置2、主変速装置3、第2副変速装置4、及び、走行速度切替装置6の順番に通って走行側に出力される。
そして、主変速レバ−5は、前後方向の変速操作で主変速装置3の切替操作を行い、左右方向の変速操作で第1副変速装置2の切替操作を行う。さらに、前後方向と左右方向との操作を組み合わせると、飛び越し変速操作ができる。
【0007】
第1副変速装置2は、走行速度切替装置6を走行速度に切り替えると高速位置に保持され、作業速度に切り替えると高、低速度に切替操作が可能となる。さらに、走行速度切替装置6と第2副変速装置4は同一の副変速レバー38によって切替操作が行われる。
【0008】
【発明の効果】
従来、それぞれ別々に変速レバ−を有していた主変速装置と第1副変速装置との2つの変速装置を、1本の変速レバ−によって、前後方向の操作で主変速装置の変速装置を変速操作し、左右方向の変速操作で第1副変速装置の変速操作できる構成にしたものであって、変速レバ−の数を整理して操作性の大幅な向上を図り、誤操作を少なくした特徴を有する。
【0009】
更に、本案に係る発明は、1本の変速レバ−による操作によって、複数段の変速段階において、飛び越し変速を可能にした特徴を併せて有するものである。
主変速装置の4つの変速段数と第1副変速装置の高、低の切替速度との組み合わせによって、合成できる第1速〜第8速の変速段数の切替操作を1本の変速レバ−で行なうことができる。そして、本案に係る発明は、第1速と第5速との間、第2速と第6速との間、第3速と第7速との間、第4速と第8速との間において、相互間の飛び越し変速操作が可能となり、操作性が一段と向上するようになる。
【0010】
また、前述のごとく、第1副変速装置と主変速装置を1本のレバーで操作可能にし、さらに、第2副変速装置と走行速度切替装置も同一のレバーで操作可能に構成しているので、レバーの数が減って操作性が向上するようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、走行ミッション装置1は、図3に示すように、原動側に最も近い部位にリバ−サクラッチ10が設けられ、続いて、第1副変速装置2が設けられ、その伝動下手側に主変速装置3を配置して構成している。そして、走行ミッション装置1は、図3から解るように、上記主変速装置3の伝動下手側に接続して第2副変速装置4と走行速度切替装置6との順序に配列して設け、出力軸11の軸端部から走行側に出力する構成としている。
【0012】
そして、上記第1副変速装置2は、図3に示すように、前記リバ−サクラッチ10に接続した原動軸12に大ギヤ13と小ギヤ14とが軸着されており、この原動軸12に対応して平行に軸架した変速軸15には、上記大ギヤ13に噛合している変速小ギヤ16と、上記小ギヤ14に噛合している変速大ギヤ17とを遊嵌させて軸装した構成としている。そして、第1副変速装置2は、図面から解るように、摺動係合具18を上記変速小ギヤ16と変速大ギヤ17との間において、前記変速軸15に軸方向に摺動自由で回転方向には係合させ、シフタ−操作によって図の左右(進行方向前後)に摺動して変速小ギヤ16、又は変速大ギヤ17に係合して高速、低速の切替操作ができる構成としている。なお、操作系の構成は、主変速装置3の操作系と関連させて後述する。
【0013】
つぎに、主変速装置3は、図3に示すように、上記第1副変速装置2から伝動下手側に延長されてきた前記変速軸15上において、上手側に大径の3速ギヤ19と4速ギヤ20とを並べて軸着し、空間部分を隔てて下手側に1速ギヤ21と2速ギヤ22の順に並べて軸着した構成としている。そして、主変速装置3は、上記変速軸15に対応して平行に軸架した主変速軸23に、上記各速度ギヤにそれぞれ対応させて常時噛合させた変速ギヤ、すなわち、第3変速ギヤ24、第4変速ギヤ25、第1変速ギヤ26、第2変速ギヤ27の順に遊嵌させて軸装した構成としている。そして、主変速装置3を構成する各変速ギヤ24〜27は、図面に示すように、第4変速ギヤ25を最も小径に形成して順次大径にして第1変速ギヤ26を最も大径にしており、従来から公知のように、最低速度の第1変速ギヤ26から順次変速され、最高速度の第4変速ギヤ25まで4段階の切替変速ができる構成としている。そして、摺動係合具28は、図3に示すように、主変速軸23に対して左右軸方向(進行方向前後)に摺動して回転方向には係合状態に軸装しており、外部からのシフタ−操作によって上記した第1変速ギヤ26、第2変速ギヤ27、第3変速ギヤ24、第4変速ギヤ25を選択して切替操作ができる構成としている。なお、操作系の構成は、第1副変速装置2の操作系と関連させて後述する。
【0014】
つぎに、第2副変速装置4は、図3に示すように、上記主変速装置3の主変速軸23の軸端部に接続した副変速軸29に、左右軸方向(進行方向前後)に摺動し回転方向には係合した副変速ギヤ30を軸装して構成している。そして、第2副変速装置4は、上記副変速軸29に対応させて平行に軸架している出力軸11に、上手側の大ギヤ31と下手側の小ギヤ32とを一体の構成として常時駆動状態に遊嵌させて軸装している。そして、上記大ギヤ31は、前記主変速軸23の端部に軸装している伝動ギヤ33に常時噛合し、小ギヤ32を伝動する構成としている。そして、第2副変速装置4は、図面から解るように、副変速ギヤ30が図3において、左に移動すると主変速軸23の係合部23aに係合して軸直結の高速側に変速され、右に摺動すると小ギヤ32に噛合して迂回した低速側に変速されて副変速軸29に伝達するように設け、中間位置がニュ−トラル位置になる構成としている。
【0015】
つぎに、走行速度切替装置6は、図3に示すように、副変速軸29を伝動下手側に延長し、一体に形成した小径の作業速ギヤ34と大径の走行速ギヤ35とを回転方向に係止した状態で軸方向に摺動自由に構成している。そして、走行速度切替装置6は、図面から解るように、出力軸11に上記作業速ギヤ34と噛合する大径出力ギヤ36と、走行速ギヤ35と噛合する小径出力ギヤ37とを軸着して構成している。
【0016】
そして、上記走行速度切替装置6と前記第2副変速装置4は、図5、乃至図8に示す実施例の場合、1本の副変速レバ−38による切替操作を可能とし、副変速による高速と走行速とが確実に一体変速できる構成としている。すなわち、副変速レバ−38は、図5、及び図6に示すように、支持軸39の中間位置に左右方向傾倒自由に軸装し、一方側に副変速操作プレ−ト40と、他方側に走行速ギヤ35(作業速ギヤ34と一体)を摺動操作する走行操作プレ−ト41とを配置して構成している。したがって、副変速レバ−38は、図5の実線の位置において、図8に示す直線の操作溝42に沿って前後に操作すれば、一方側の副変速操作プレ−ト40を係止して移動しながら高速位置(H)、ニュ−トラル位置(N)、低速位置(L)との間を切替操作できる構成となっている。上記操作は、通常、作業中(作業速ギヤ34と大径出力ギヤ36の噛合中)に行なう。
【0017】
そして、副変速レバ−38は、図5に仮想線で示すように、右側に傾倒させて走行操作プレ−ト41を同時に係合して図8の走行操作溝43に沿わせて移動操作すると、一方側の副変速操作プレ−ト40と、他方側の走行操作プレ−ト41との両方を同時に操作できる構成となっている。この場合、走行速度切替装置6と第2副変速装置4は、図3、図6、及び図7に示すように、走行速ギヤ35が右側へ摺動させて小径出力ギヤ37に噛合し、副変速ギヤ30が左に摺動して高速側に切替わる構成となっている。
【0018】
このようにして、出力軸11は、副変速ギヤ30が係合部23aに噛合して副変速軸29を高速に切り替え、更に、走行速ギヤ35が小径出力ギヤ37に噛合して高速の走行回転動力が伝動されて走行側に出力する構成となっている。
実施例の場合、一方の副変速操作プレ−ト40は、図6、及び図7に示すように、ロッド44から作動杆45を介してシフタ−46に連結して副変速ギヤ30に接続しており、他方の走行操作プレ−ト41は、連杆47、作動杆48を介してシフタ−49に接続して走行速ギヤ35(作業速ギヤ34)を摺動操作する構成としている。
【0019】
そして、路上走行検出スイッチ50は、図6に示す実施例の場合、走行操作プレ−ト41の作動行程に配置して設け、上記走行操作プレ−ト41が路上走行位置にあることを検出部50aが検出する構成としている。なお、この検出スイッチ50は、例えば、図8に示す走行操作溝43の終端部に設けて副変速レバ−38を検出するように構成してもよい。このように、路上走行検出スイッチ50は、走行操作プレ−ト41の走行速位置を直接検出できる構成を採用すると、常に適確に検出できるから、オペレ−タの操作忘れや誤操作をなくすことができる利点がある。
【0020】
つぎに、主変速装置3と第1副変速装置2の操作装置について説明する。
まず、主変速レバ−5は、図1、及び図2に示すように、前後方向と左右方向とに傾斜回動ができるようにジョイント部材51によって機枠に支持されている連動プレ−ト52に基部が固定され、上方に延長して上部にグリップ部53を設けて構成している。そして、連動プレ−ト52は、図2、及び図4に示すように、前後方向に段数の操作ができる部位に主変速側ロッド54の基部を連結し、左右方向に高低操作が可能な部位に第1副変速側ロッド55の基部をそれぞれ接続して設けた構成としている。そして、第1副変速装置2は、図面から解るように、第1副変速側ロッド55の先端に接続した操作連動ア−ム56、連杆57からシフタ−を介して摺動係合部18(図3参照)を左右(高低)に操作可能に構成している。
【0021】
一方の主変速装置3は、上記主変速側ロッド54の先端部を操作連動ア−ム58に接続してシフタ−を操作して摺動係合部28(図3参照)を切り替えできる構成としている。
そして、上記実施例の場合、主変速レバ−5を前後方向と左右方向とに移動操作したとき、第1副変速側ロッド55の基部(上部)が前後方向の回動支点側方上に位置し、主変速側ロッド54の基部(上部)が左右方向の回動支点前方にある構成をとっており、前後方向の操作時には第1副変速側ロッド55は静止状態を保ち、左右方向の操作時には主変速側ロッド54が静止状態を保つ構成になっている。
【0022】
以上述べたように、主変速レバ−5は、図4に示す実施例の場合、後部の第1速位置から順次前方側に第2速、ニュ−トラル、第3速、第4速と、前後方向の移動操作によって4速の変速を可能とする構成となっている。そして、主変速レバ−5は、図4から解るように、左右方向の切替操作によって第1副変速装置2を高、低に切替えができる構成になっており、第1速と第5速、第2速と第6速、ニュ−トラルゾ−ンを挟んで、更に前方に回動操作すると、第3速と第7速、第4速と第8速のそれぞれの間で飛び越し変速ができる特殊な構成としている。
【0023】
このように、主変速レバ−5は、1本のレバ−で第1副変速装置2と主変速装置3との変速段数を合成した8段の変速操作が可能でありながら、更に、上述のように、前後方向と左右方向との操作を組み合わせると、飛び越し変速操作ができる特徴がある。
【0024】
つぎに、走行速度切替装置6と第1副変速装置2との連動と規制に関する別の構成例を、図9に示す略図で説明する。
既に、走行速度切替装置6は、図3に示すように、走行速ギヤ35を小径出力ギヤ37に噛合して高速の走行速度に切り替えると、第2副変速装置4も連動して高速に切り替わる操作上の連動構成(図6参照)については説明したが、図9に示す略図は、第1副変速装置2との間にも連動操作を可能にする装置を示したものである。
【0025】
すなわち、連動プレ−ト60は、図9に示すように、一方を走行速度切替装置6の作動杆48(図6参照)に連結して設け、他方に設けた長孔61に、第1副変速装置2の操作連動ア−ム56(図2参照)を係合して構成している。したがって、連動プレ−ト60は、図6、及び図9に示すように、副変速レバ−38を傾倒させて走行操作プレ−ト41を係止して、連杆47、作動杆48を介して走行速度切替装置6の走行速ギヤ35を摺動操作して小径出力ギヤ37に噛合すると、同時に連動して長孔61内の操作連動ア−ム56を連動して第1副変速装置2を高速側に強制的に切替操作を行なう構成になっている。
【0026】
このように、第1副変速装置2は、走行速度切替装置6を路上走行側に切り替えると連動して高速側に切り替わり、第2副変速装置の高速と合成されて最高速度で路上走行が可能であるが、走行速度切替装置6を作業速ギヤ34側に切り替えたときには、長孔61の範囲内において高、低速に切替えできる構成になっている。
【0027】
これに対して、従来の通常の構成は、走行速度切替装置6と第1副変速装置2との連動機構を設けていないものであったから、両方の装置を別々に切替操作する必要があり、路上走行時には第1副変速装置2も必ず高速側に操作することにしていた。
【0028】
このように、走行速度切替装置6は、従来から第1副変速装置2が高速のときにのみ路上走行を可能としているが、誤操作を防止して安全を確保するために、もし、第1副変速装置が低速位置にあって、副変速レバ−38を路上走行側に操作すると、リバ−サクラッチ10の出力を停止できる牽制機構を設けると効果的である。
【0029】
そして、上記牽制機構は、これが作動すると、操縦席のパネル上に液晶によって「リバ−サクラッチ出力停止」を画面表示し、オペレ−タに警告する構成とすれば、安全性が更に増し実用的効果が高くなる。
つぎに、他の別実施例を説明する。
【0030】
ここに述べる他の別実施例は、図5、乃至図8によって、既に説明した走行速度切替装置6と第2副変速装置4とを副変速レバ−38によって走行操作溝43(図8参照)に操作したとき、路上走行検出スイッチ50によって副変速レバ−38を検出し、これに基づいて主変速装置3を変速制御する構成に関するものである。
【0031】
まず、コントロ−ラ65は、図10に示すように、制御プログラムや基準デ−タ等を内蔵したメモリを有するマイクロコンピュ−タの演算制御部であって、算術、論理および比較演算等を行なう構成となっている。そして、コントロ−ラ65は、入力側に、車速センサ66、路上走行検出スイッチ50、主変速センサ67、副変速センサ68をそれぞれ接続して各情報を入力する構成としている。そして、コントロ−ラ65は、出力側に、マルチアイ69(表示装置)、主変速ソレノイド70をそれぞれ接続して、出力される制御信号に基づいて、操縦座席のパネル上の画面表示と主変速装置3の変速制御とを自動的に行なう構成としている。
【0032】
そして、コントロ−ラ65は、図8に示す走行操作溝43に副変速レバ−38が操作されると、路上走行検出スイッチ50が検出し、検出情報に基づいて出力側に制御信号を出力して主変速ソレノイド70によって主変速装置3を最高速度乃至はその近傍の変速位置に自動的に変速制御する構成としている。更に、コントロ−ラ65は、上記主変速装置3の変速位置をマルチアイ69に表示してオペレ−タに変速位置まで知らせることができる構成としている。
【0033】
このように、他の別実施例に係る機構は、路上走行をする場合、副変速レバ−38を走行操作溝43に沿わせて操作すると、既に述べたように、第2副変速装置4が高速側に変速されると同時に、走行速ギヤ35が小径出力ギヤ37に噛合し、更に、路上走行検出スイッチ50が検出して、制御に基づく自動変速操作によって主変速装置3が高速位置に変速されるものである。
【0034】
したがって、上記実施例の場合、オペレ−タは、路上走行時には単に副変速レバ−38を走行操作溝43に沿わせて路上走行位置に操作するだけで、主変速装置3の自動変速が行われ、高速走行ができるものとなった。そして、マルチアイ69は、上記自動変速の位置が画面上に表示されて操縦席のオペレ−タに告知され、安全にトラクタの運転操作ができる実用性の高い特徴がある。
【0035】
つぎに、図11、及び図12に示す他の実施例を説明する。
以下に説明する他の実施例は、パワ−シフトとメカシフトとの操作上の違いを配慮して、一方のパワ−シフトにはそれに適する変速段数を構成し、他方のメカシフトには、オペレ−タの手動操作で変速レバ−を操作するときの操作性と、機構上に配慮して構成したものである。
【0036】
まず、パワ−シフト用の変速装置は、図11に示すように、第1副変速装置75と主変速装置76とから構成され、両者の変速段数を合成して8段の変速ができる構成としている。すなわち、主変速装置76は、図面から解るように、1速ギヤ77、2速ギヤ78、3速ギヤ79、4速ギヤ80をそれぞれ変速軸81上に配列して出力軸82上に軸装した対応する変速ギヤ83、84、85、86に噛合して構成している。なお、10はリバ−サクラッチである。
【0037】
つぎに、第1副変速装置75は、高速と低速との2段の変速を可能とする構成としているが、上記主変速装置76との変速段数の組み合わせにおいて、従来に例をみない特殊な組み合わせに構成している。
すなわち、第1副変速装置75の変速と前記主変速装置76の各変速段数との組み合わせを、副変速を低速と高速と交互に切り替え、主変速を1速から順次変速して4速で8段に組み合わせると、低速と1速、高速と1速、低速と2速、高速と2速のように車速を段階的に変速できる変速比に構成した。このように、8段の変速段数は、主変速4段の各変速を低速、高速と繰り返し変速して組み合わせる(L1,H1,L2,H2,L3,H3,L4,H4)ことにより段階的速度になるような変速比率を設定している。
【0038】
このように、パワ−シフトでは第1副変速装置75と主変速装置76とを自動変速するものであるから、上記のごとき両方の変速装置の変速比率を組み合わせることにより段階的に変速することが可能となる。
つぎに、図12に示す他の実施例の場合、第1副変速装置90と主変速装置91とを有する構成にし、第1副変速装置90を高速と低速とに切り替え変速を可能とし、主変速装置91を1速〜4速の変速ができる構成としている。そして、第1副変速装置90と主変速装置91とは、オペレ−タの手動操作で比較的容易に変速操作ができるように、変速レバ−の操作性を配慮して操作をやり易くするために、低速側の4段の変速に高速側の4段の変速を加えた順番(L1,L2,L3,L4,H1,H2,H3,H4)で順次高速の車速が得られる構成としている。
【0039】
図12に示す構成例の場合は、オペレ−タの手動による操作性の問題と、併せて、湿式クラッチを使用するため高速と低速との減速比を大きくすると、構成上に課題(クラッチ枚数が多数になる)があり、低速4段と高速4段とを連続にして変速8段としたものである。
【0040】
以上述べたように、本案実施例に係る発明は、従来、それぞれ別々に変速レバ−を有していた主変速装置3と第1副変速装置2との2つの変速装置を、1本の主変速レバ−5によって変速操作を可能としている。この場合、主変速レバ−5は、前後方向の操作で一方の変速装置3を変速操作し、左右方向の変速操作で他方の変速装置2の変速操作できる構成にしたものであって、変速レバ−の数を整理して操作性の大幅な向上を図り、誤操作を少なくした点に優れた特徴がある。
【0041】
そして、更に、本案に係る発明は、1本の変速レバ−による操作によって、複数段の変速段階において、飛び越し変速を可能にした特徴を併せて有するものである。
そして、本案の場合、第1副変速装置2は、走行速度切替装置6を路上走行側に操作すると、高速位置に保持され、作業速度に切り替えると高、低速度の切替操作が可能となっており、操作上の安全性を高めて操作性を向上し、誤操作の発生を少なくすることができる。
【0042】
そして、実施例の具体的な変速操作上の特徴は、主変速装置3の4つの変速段数と第1副変速装置2の高、低の切替速度との組み合わせによって、合成できる第1速〜第8速の変速段数の切替操作を1本の変速レバ−で行なうことができるのは上述したとおりであるが、実施例の発明は、図4から解るように、第1速と第5速との間、第2速と第6速との間、第3速と第7速との間、第4速と第8速との間において、相互間の飛び越し変速操作が可能となり、操作性が更に向上したものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例であって、主変速レバ−の正面図である。
【図2】 本発明の実施例であって、操作機構の側面図である。
【図3】 本発明の実施例であって、展開して示す走行ミッション装置である。
【図4】 本発明の実施例であって、作用側面図である。
【図5】 本発明の実施例であって、作用正面図である。
【図6】 本発明の実施例であって、作用側面図である。
【図7】 本発明の実施例であって、作用正面図である。
【図8】 本発明の実施例であって、操作レバ−案内溝の平面図である。
【図9】 本発明の実施例であって、連動プレ−トの側面図である。
【図10】 本発明の別実施例であって、制御機構のブロック回路図である。
【図11】 本発明の他の実施例であって、展開して示す走行ミッション装置である。
【図12】 本発明の他の実施例であって、展開して示す走行ミッション装置である。
【符号の説明】
1 走行ミッション装置 2 第1副変速装置
3 主変速装置 4 第2副変速装置
5 主変速レバ− 6 走行速度切替装置
10 リバーサクラッチ 38 副変速レバー
Claims (1)
- 走行ミッション装置(1)は、原動側から入力された回転動力を、リバーサクラッチ(10)を介して第1副変速装置(2)から主変速装置(3)を経由し、更に、第2副変速装置(4)と走行速度切替装置(6)を通って走行側に出力する構成とし、前記第1副変速装置(2)の高、低速度の切替操作と、前記主変速装置(3)の複数段の変速操作とを1本の主変速レバ−(5)で切替操作する構成とし、該主変速レバ−(5)は、前後方向の変速操作で主変速装置(3)の切替操作を可能とし、左右方向の変速操作で第1副変速装置(2)の切替操作ができる構成にするとともに、前後方向と左右方向との操作を組み合わせると、飛び越し変速操作が可能な構成とし、前記第1副変速装置(2)は、前記作業速度と走行速度とを切り替え操作する走行速度切替装置(6)を走行速度に切り替えると高速位置に保持され、作業速度に切り替えると高、低速度に切替操作が可能となる構成とするとともに、さらに、前記走行速度切替装置(6)と第2副変速装置(4)は同一の副変速レバー(38)による切替操作を行う構成としたことを特徴とするトラクタの変速装置。
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