以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。また、ディスク装置として磁気ディスク装置を例にとって説明する。なお、以下の図面においては、同じ要素については同じ符号を付しており、説明を省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
図1〜図11は、本発明の第1の実施の形態にかかるヘッド支持装置およびそれを備えたディスク装置を説明するための図である。
図1は、磁気ディスク装置の主要部を示す平面図である。
図2は、磁気ディスク装置に用いるヘッド支持装置のヘッド支持アームを示す平面図である。
図3は、上記ヘッド支持装置の構成を示す平面図で、図4はその側面図、図5はその分解斜視図である。
図6は、ヘッド支持装置において、カラーの構成を示す図で、図6(a)は上面図、図6(b)は側面図、図6(c)は底面図である。
図7は、ヘッド支持装置において、ナットを締付けたときのナットとカラーとの当接状態を示す図で、図7(a)は部分側面図、図7(b)はさらにナットおよびばね部とカラーの当接状態を示す部分右側面図である。
図8は、ヘッド支持装置の他の一例の構成を示す側面図である。
図9は、ヘッド支持装置の他の例の構成を示す部分側面図である。
図10は、ヘッド支持装置の他の例の構成を示す部分側面図である。
図11は、ヘッド支持装置において、ヘッド支持アームにおけるばね部の形状に対する他の一例を示す部分平面図である。
なお、図1においては、上蓋を取り外し、上側ヨークを一部省略した状態で図示している。また、図7(b)はナットとカラー、およびカラーとばね部におけるカラーに当接した部分のクランプ部のみを示し、それ以外は省略した状態で図示している。
図1に示すように、回転中心1の周りに回転するスピンドルモータ(図示せず)の回転軸2に固着されたロータハブ部3に記録媒体4が載置されている。一方、信号変換素子揺動アームであるヘッド支持装置7が回動軸5の周りにベアリング6を介して回動自在に軸支されている。ヘッド支持装置7には、ヘッド支持アーム8のアーム部8aの一方の端部にタブ部8bが形成され、タブ部8bより回動軸5側にヘッドスライダ9が配設されている。また、アーム部8aの他方の端部には、ボイスコイル10が配設されており、ヘッド支持装置7は回動軸5の周りに記録媒体4の半径方向に、かつ記録媒体4の表面と平行に回動する。なお、ヘッドスライダ9には、ジンバル機構を介して信号変換素子である磁気ヘッド(図示せず)が搭載されている。
また、ボイスコイル10に対向するようにして、ボイスコイル10の上方(すなわちヘッド支持装置7に対して記録媒体4とは反対側)に、マグネット11を固着した上側ヨーク12が、シャーシまたは他の筐体(図示せず)に取り付けられている。また、ボイスコイル10を挟むようにして、その下方に下側ヨーク13が、シャーシまたは他の筐体(図示せず)に取り付けられている。このように、ボイスコイル10、ボイスコイル10に対向する上側ヨーク12に固着されたマグネット11および下側ヨーク13によってボイスコイルモータ(以下、VCMという)が構成されている。
また、タブ部8bに当接してヘッド支持装置7を上下にガイドするように、ガイド部が設けられたランプ部14を有するランプブロック15がシャーシまたは他の筐体(図示せず)に取り付けられている。
このような構成において、マグネット11に対向したボイスコイル10に電流を供給することによって、VCMが作動し、ヘッド支持装置7が記録媒体4の半径方向に回動させられる。磁気ディスク装置の動作時は、ヘッド支持装置7が水平回動軸である回動軸5の周りに回動して回転中の記録媒体4のデータ記録領域上を移動する。また、磁気ディスク装置の非動作時には、ヘッド支持装置7を時計方向に回動させて、ヘッド支持装置7を待避位置であるランプ部14の所定の位置まで回動する。
なお、ヘッド支持装置7の時計方向または反時計方向への過度な揺動を阻止するために、クラッシュストップ16、17がシャーシまたは筐体その他の構造部材に設けられている。
なお、図1において、ヘッド支持アーム8の長さ方向の中心線8jおよび2個のピボット部8gを結ぶ線18も示している。
次に、ヘッド支持装置7の構成について図2〜図5を用いて説明する。
図2に示すように、ヘッド支持アーム8には、アーム部8aの一方の端部にタブ部8b、他方の端部に弾性手段としてのばね部8cが形成されている。また、ばね部8cの内側部分には孔部8f、およびばね部8cと孔部8fを挟む位置に一対(2個)のピボット部8gが形成されている。ばね部8cは、後述の軸受部の段差面に当接するクランプ部8dとロード荷重を生じさせるための弾性手段である弾性力発生部8eからなる。ばね部8cは弾性力発生部8eにおける一方の端部がその根元部8hにおいてアーム部8aと連結され、他方の端部がクランプ部8dを構成している。クランプ部8dとアーム部8aとの連結はない。また、2個のピボット部8gは、孔部8fの仮想点8iを通りヘッド支持アーム8の中心線8jに略垂直な線8k上において、仮想点8iからその両側に略同じ距離を有するように設けられている。この仮想点8iは後述するように、ヘッド支持装置7が回動する回動軸5の回動中心に略一致している。さらに、アーム部8aの長手方向の両側側面にはアーム部8aの剛性を高めるための折り曲げ部8lが、アーム部8aに形成された2個のピボット部8gの突出方向と同じ方向に折り曲げられて形成されている。この折り曲げ部8lはタブ部8bの側端部から、ヘッド支持アーム8の両側側面に形成されている。
なお、上記において、折り曲げ部8lは、ピボット部8gの突出方向と逆方向に折り曲げられていてもよいのはいうまでもない。また、図2において、アーム部8aに設けたディンプル8mおよび切り欠き孔8nも示している。
次に、ヘッド支持装置7の細部について、説明する。
図3、図4および図5に示すように、ヘッド支持アーム8には、ジンバル機構31(図4、図5参照)を介して磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ9が配設されている。なお、ヘッドスライダ9の中心部分近傍に当接するようにしてディンプル8mをヘッド支持アーム8の下面に設けている。ジンバル機構31を介してヘッドスライダ9をヘッド支持アーム8に取り付けたとき、そのディンプル8mをジンバル機構31またはヘッドスライダ9の上面(磁気ヘッドが搭載された面とは反対側の面)の略中心部に当接させることによって、磁気ディスク装置の動作時におけるヘッドスライダ9の記録媒体4に対するロール方向またはピッチ方向の不要な振動等にも柔軟性よく追従することができる。
さらに、孔部32a(図5参照)を有し、ボイスコイル10が取り付けられたコイルホルダ32が、ヘッド支持アーム8に固着されている。なお、コイルホルダ32は、ボイスコイル10が固着された側とは反対側の一端が、折り曲げ部8lに挟まれたアーム部8aの一部と回動軸5の軸心方向において重複するように構成されている。また、ヘッド支持アーム8とコイルホルダ32を固着するための複数の固着個所のうち少なくとも1ヶ所が、折り曲げ部8lに挟まれたアーム部8aに設けられている。
このように、剛性の高いコイルホルダ32が固着されたこと、折り曲げ部8lが形成されたこと、および両側の折り曲げ部8lに挟まれたアーム部8aにおいてコイルホルダ32が固着されていることによって、ヘッド支持アーム8は全体として高い剛性を有することになる。
また、図4に示すように、軸受部33は、ばね部8cのクランプ部8dと、2個のピボット部8gに当接する段差面を有するフランジ部33aと、ナット34に螺合するねじ部33bと、カラー35に嵌合する外径を有する円筒部33cとからなり、中空つば付き円筒形状に形成されている。
そして、カラー35は、軸受部33の円筒部33cに嵌合する内径を有し、コイルホルダ32の孔部32a(図5参照)を貫通するものであって、かつアーム部8aの切り欠き孔8n(図2参照)の外側部分の形状寸法よりも小さい外径を有している。また、その形状は、当接させるべきヘッド支持アーム8に設けられたばね部8cのクランプ部8dと略同じような形状を有する半円環形状の突出部35aを設けた中空円筒形状に形成されている。
次に、カラー35の突出部35aについて、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、カラー35の突出部35aにおける上面(ヘッド支持アーム8におけるばね部8cのクランプ部8dに当接する側の面)には、3個の押圧部61、62、63が、それぞればね部8cのクランプ部8dに当接する位置に形成されている。
また、押圧部62、63のそれぞれの端部62a、63aにおけるそれぞれのエッジ部62b、63bは、一本の直線67上にあるように形成されることが望ましい。また、エッジ部62b、63bがばね部8cに当接する部分からアーム部8aに対するばね部8cの根元部8hまでの部分(ばね部8cの弾性力発生部8e)が、ヘッド支持装置7にロード荷重を発生させるためのばね性能を発揮する部分となるように構成されている。
なお、押圧部62、63のそれぞれの端部62a、63aにおけるヘッド支持アーム8の長手方向に垂直な方向の幅は、それらのエッジ部62b、63bに当接するヘッド支持アーム8のクランプ部8dの幅よりも大きい幅を有するようにすることが望ましい。この構成によって、カラー35をヘッド支持アーム8のクランプ部8dに当接させたとき、クランプ部8dに対して押圧部62、63がヘッド支持アーム8の長手方向に垂直な方向にずれたとしても、それらのエッジ部62b、63bがクランプ部8dの全幅にわたって当接することになる。
また、エッジ部62b、63bは、直径線66に対して略垂直になるように形成されていることが望ましい。この直径線66は、図2に示す中心線8jの延長線上にくるものである。
また、カラー35の底面(ナット34に当接する側の面)には、図6(c)に示すように、2ヶ所の突起部64、65が形成されている。これらの突起部64、65におけるカラー35の直径線69に近い側のそれぞれのエッジ部64a、65aは、一本の直線68上に配設されるように形成されている。また、それぞれのエッジ部64a、65aは、直径線66(すなわち、ヘッド支持アーム8の長手方向の中心線8j)に対して略垂直になるように形成されるのが望ましい。
また、ヘッド支持アーム8の長手方向において、エッジ部64a、65aは、直径線69に最も近い位置にある押圧部62、63上の2つの点62c、63cと最も遠い位置にある押圧部61上の他の点61cとの間にくるように形成されていることが望ましい。かつ、エッジ部64a、65aは、押圧部62上の点62cと押圧部63上の点63cとの間に位置するように、形成されていることが望ましい。なお、押圧部61、62、63が設けられた半円環形状の突出部35aは必ずしも設ける必要はなく、中空円筒状のカラー35の上部端面に直接押圧部61、62、63を設けてもよい。また、突出部35aの上面に、それぞれ3個の押圧部61、62、63が形成されているように記述しているが、何らこれに限るものではなく、1個以上であればよい。また、カラー35の底面に形成された2個の突起部64、65は、2ヶ所の突起部が繋がった形状としてもよい。
軸受部33のフランジ部33aの段差面が、ヘッド支持アーム8に設けられたピボット部8gのそれぞれの頂点と、それぞれ当接点P1、P2において当接するようにする。すなわち、軸受部33をヘッド支持アーム8の孔部8fに貫通させ、カラー35を軸受部33の円筒部33cに嵌合させて挿入し、さらにナット34を軸受部33のねじ部33bに螺合させる。
次に、ナット34を締付けることによって、カラー35を介してヘッド支持アーム8が軸受部33のフランジ部33aとナット34との間において挟持される。その結果、ヘッド支持アーム8は軸受部33にばね部8cを介して弾性的に保持された状態となる。このようにして軸受部33、ジンバル機構を介してヘッドスライダ9、コイルホルダ32を介してボイスコイル10が取り付けられたヘッド支持アーム8、カラー35およびナット34によってヘッド支持装置7が構成される。
カラー35の底面には突起部64、65が形成されているため、ナット34を軸受部33のねじ部33bに螺合させて締付けたとき、ナット34はまずカラー35の突起部64、65に当接する。さらに、ナット34を締付けると、カラー35がさらに押圧され、ヘッド支持アーム8のばね部8cを軸受部33のフランジ部33aに押圧することになる。その結果、それらの押圧に対する反力がカラー35の突起部64、65を介してナット34に作用する。したがって、図7(a)に示すように、ナット34はカラー35の突起部64、65からその反力によって押圧され、ナット34と軸受部33のねじ部33bとの間の微小な間隙によって、ナット34の軸心は軸受部33の軸心に対して傾きを有するようになる。
そのために、カラー35の軸心に対してもナット34は傾くことになり、ナット34の軸心が傾いた状態でカラー35の突起部64、65に当接してカラー35を押圧し、ナット34はカラー35の突起部64、65のそれぞれのエッジ部64a、65aを押し付ける。
次に、カラー35を押圧するナット34の回動軸5の軸心方向の押圧力F1、F2について、図7(a)および図7(b)を参照しながら説明する。押圧力F1、F2は、図6に示す位置関係で、カラー35の直径線69から最も遠い位置にある押圧部61の点61cと、直径線69から最も近い位置にある押圧部62、63のそれぞれのエッジ部62b、63bとの間、および点62c、点63cの間部分に作用する。したがって、図7(b)に示すように、ナット34の締付け力が、押圧部61における押圧力F3、押圧部62における押圧力F4および押圧部63における押圧力F5として、有効にカラー35に伝わる。
さらに、カラー35の押圧力は、カラー35の底面に対する上面の平行度等の精度に関係なく、確実に作用する。また、カラー35の押圧力は、ヘッド支持アーム8のばね部8cにおけるクランプ部8dが当接する軸受部33のフランジ部33aの段差面に垂直方向にクランプ部8dを押圧する力となる。
さらに、ヘッド支持アーム8のばね部8cは、カラー35からの押圧力F3、F4、F5によって、軸受部33のフランジ部33aに確実に押圧される。したがって、カラー35に関して、その底面に対する上面の平行度等の精度を厳しく管理する必要がなく、ばね部8cによる弾性力のバラツキが抑えられる。その結果、バラツキの少ない安定したロード荷重を発生させることができる。
なお、カラー35を介してばね部8cを軸受部33のフランジ部33aとナット34とによって挟持したとき、軸受部33の軸心に対して傾いたナット34がカラー35の突起部64、65以外の部分に当接する場合がある。この場合、ナット34の締付けによるカラー35への押圧力は、カラー35の突起部64、65以外の部分にも分散すると同時に、カラー35を傾けようとする方向の力が発生する。そのため、カラー35への押圧力が弱まり、ヘッド支持アーム8のばね部8cは軸受部33のフランジ部33aに確実に押圧されないことになる。したがって、軸受部33の軸心に対して軸心が傾いたナット34がカラー35の突起部64、65以外の部分に当接しないように、突起部64、65の突起高さを設定することが望ましい。
次に、ヘッド支持アーム8のアーム部8aに設けられた一対のピボット部8gの位置について説明する。一対のピボット部8gは、軸受部33のフランジ部33aの段差面に当接するそれぞれの当接点P1、P2を結ぶ線18(図1および図3参照)が回動軸5の軸心を通り、かつヘッド支持アーム8の長手方向の中心線8jに垂直になるように形成されている。
なお、当接点P1、P2をヘッド支持装置7の回動軸5の軸心に関して互いに対称的な位置にあるように配置して、線18の中点を回動軸5の軸心に略一致させることが望ましい。このように構成することによって、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8は当接点P1、P2において、ヘッド支持アーム8と軸受部33が当接し、線18の周りにかつ記録媒体4の表面に垂直な方向に回動可能となる。すなわち、当接点P1、P2を結ぶ線18が垂直回動軸18aとなり、垂直回動軸18aの周りに記録媒体4の表面に垂直な方向に回動可能となる。さらに、ばね部8cにおける弾性力発生部8eの弾性力によって、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8の一端側が記録媒体4方向へ付勢され、ヘッド支持アーム8を反時計方向に回動し、それぞれの当接点P1、P2には圧縮応力が生じる。したがって、磁気ディスク装置の動作時における記録媒体4に対するヘッドスライダ9のロード荷重は、当接点P1、P2においてピボット部8gによるヘッド支持アーム8に対する記録媒体4方向への圧縮応力によって生じることになる。
このロード荷重は、図4に示すように、ヘッド支持アーム8の材質、ばね部8cの弾性力発生部8eの材質、厚みとばね性能を発揮する部分の長さ、ピボット部8gの高さ、ばね部8cの弾性力発生部8eおよびピボット部8gの位置関係等によって、所望の値に設定することができる。なお、ばね性能を発揮する部分の長さとは、カラー35の押圧部62、63のそれぞれのエッジ部62b、63bに対応する部分からばね部8cの弾性力発生部8eの根元部8hまでの部分の長さ、すなわち弾性力発生部8eの長さである。
また、ピボット部8gはヘッド支持アーム8に一体的に形成されているため、弾性力発生部8eに対するピボット部8gの位置の製造バラツキを非常に小さく抑えることができる。また、ナット34の締付け力が、カラー35の突起部64、65を通して押圧部61、62、63に伝えられ、それによってばね部8cのクランプ部8dに対する押圧力を確実に発生させることができる。その結果、ロード荷重のバラツキを非常に小さく抑え、ロード荷重を安定化したヘッド支持装置7を実現することができると共に、ヘッド支持アーム8のみの設計仕様によってロード荷重を単独に設定することができる。
さらに、図5に示すように、ヘッド支持装置7において一対の当接点P1、P2を結ぶ線18、すなわち垂直回動軸18aの周りに回動する部材の重心位置を垂直回動軸18aの中点に略一致させるように質量(重量)を設定したバランサ36をコイルホルダ32の一端に固着するようにすることが望ましい。すなわち、ヘッド支持装置7において、垂直回動軸18aの周りに回動する部材の重心位置が、回動軸5の軸心に略一致するように構成することが望ましい。ここで、垂直回動軸18aの周りに回動する部材とは、ばね部8cを除くヘッド支持アーム8、ジンバル機構31、ヘッドスライダ9、コイルホルダ32およびボイスコイル10をさす。
なお、近似的には、ジンバル機構31を介してヘッドスライダ9が取り付けられ、コイルホルダ32を介してボイスコイル10が取り付けられたヘッド支持アーム8を、上述のように回動軸5の軸心に略一致するようにしてもよい。または、ヘッド支持装置7の重心位置を、上述のように回動軸5の軸心に略一致するようにしてもよい。この場合、ヘッド支持装置7において、垂直回動軸18aの周りに回動する部材の重心位置とのズレは、実用上は問題にはならない。また、バランサ36はコイルホルダ32の一端に固着するように説明したが、ヘッド支持装置7を構成するそれぞれの構成部品の質量(重量)配分によっては、ヘッド支持アーム8のヘッドスライダ9側に設ける場合もある。
このようにヘッド支持装置7を構成することによって、垂直回動軸18aを中心として記録媒体4の表面に垂直な方向にヘッド支持装置7が回動する部材の重心が、垂直回動軸18aの上を通ることになる。また、ヘッド支持装置7における垂直回動軸18aの周りに回動する部材の重心は、その垂直回動軸18aを含む記録媒体4に垂直な平面上にあるように構成される。したがって、ヘッド支持装置7が外部から記録媒体4に垂直な方向の衝撃等による衝撃力を受けたときでも、2個のピボット部8gの当接点P1、P2を結ぶ垂直回動軸18aの周りにヘッド支持装置7を回動させる力は働かない。その結果、記録媒体4に対するロード荷重に変動を与えるようなこともなく、また、ヘッドスライダ9が記録媒体4の表面に衝突して損傷を与えるようなことがなく、ロード荷重を安定させ、信頼性を向上することができる。
また、ヘッド支持装置7を上述のように構成し、必要なロード荷重を実現するためのばね部8cの弾性力発生部8eの仕様(材質、厚み、幅、長さ等)を設定し、ヘッド支持アーム8に折り曲げ部8lを設けることによって、コイルホルダ32を固着することと併せてアーム部8aの剛性を非常に大きくすることができる。その結果、外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性が向上すると共に、ヘッド支持アーム8の共振周波数を高くすることができる。したがって、従来から問題になっていた振動モードが発生せず、セトリング動作の必要がなくなる。これにより、ヘッド支持装置7を高速で回動および位置決めすることができ、磁気ディスク装置のアクセス速度を向上させることができる。
また、ばね部8cの弾性力発生部8eが一体に形成されたアーム部8aに折り曲げ部8lを設け、コイルホルダ32を固着することによって、アーム部8aの剛性を大きくしている。そのため、ヘッドスライダ9へのロード荷重を大きくすること、柔軟性を高くすること、さらに構造体の剛性を大きくすること、という相反する要請にも対応することができる。
すなわち、高剛性に形成されたアーム部8aと柔軟性を有するばね部8cの弾性力発生部8eを、それぞれ別々の独立した構成要素とすることによって実現することができる。したがって、ヘッド支持装置7の設計が簡易になると共に、その設計の自由度を広げることができる。また、従来のヘッド支持アームのような、非常に精密な板ばね部のフォーミング加工を必要とせず、容易にヘッド支持アームを形成することができる。
さらに、ばね部8cの厚み、材質等を単独で設定することができ、ばね部8cの強度およびばね定数を所定の望む値に設定することができる。また、アーム部8aとして必要とする剛性を確保するためにアーム部8aの両側に設ける折り曲げ部8lの高さを適切に設定することによって、アーム部8aの剛性を単独に大きくすることができる。さらに、ヘッド支持アーム8のアーム部8aに一体にばね部8cを設けているため(図4、図5参照)、ヘッド支持装置7を構成する部材の部品点数を削減することができ、安価な自己バランス式ヘッド支持装置を実現することができる。
なお、上述の本実施の形態においては、ばね部8cとアーム部8aとが一体に形成されてヘッド支持アーム8を構成しているが、何らこれに限ることはなく、ばね部とヘッド支持アームとを分離して別個の部材としてもよい。
また、図8にその一例を示すが、図20に示す従来例におけるカラー199の代わりに、本実施の形態におけるカラー35を用いた構成、すなわちヘッド支持アーム81とばね部82とを別々の部材とした構成としてもよい。この場合には、ヘッド支持アーム81は非常に大きな剛性を有する材料を用いて形成し、ばね部82は柔軟な材料を用いて形成する。そして、ヘッド支持アーム81にはヘッドスライダ9側とは反対側の面に一対のピボット部81a、81b(ピボット部81bは図示せず)が形成される。また、ばね部82の一端がヘッド支持アーム81のヘッドスライダ9側の面に固着され、剛性の大きなヘッド支持アーム81とばね部82が一体化された構成となるように形成する。その結果、本実施の形態におけるヘッド支持アーム8と似た構成とすることができる。その他の構成および機能、効果については、本実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、このような構成においては、ヘッド支持アーム81はそれ自身で剛性が高いため、本実施の形態におけるヘッド支持装置7のように、ヘッド支持アーム81の剛性を高めるような形状、すなわちヘッドスライダ9側へコイルホルダ83を伸ばす必要はない。
また、本実施の形態においては、一対のピボット部8gはヘッド支持アーム8のアーム部8aと一体に形成されており、ピボット部8gのそれぞれの頂点がそれぞれ当接点P1、P2において軸受部33のフランジ部33aに当接して、ヘッド支持アーム8が記録媒体4に垂直な方向に回動する構成となっている。
しかしながら、図9に示すような構成としてもよい。図9では、一対のピボット部91a、91b(ピボット部91bは図示せず)は、軸受部91においてねじ部91cが形成された方向に突出するようにフランジ部91dに形成されている。それらのピボット部91a、91bが、これらに対応してフラットな面が形成されたヘッド支持アーム92にそれぞれ当接するようにしてもよい。
このような構成においても、一対のピボット部91a、91bのそれぞれの頂点がヘッド支持アーム92に当接するそれぞれの当接点Q1、Q2を結ぶ線を垂直回動軸として、ヘッド支持アーム92を記録媒体の表面に垂直な方向に回動させることができる。その他の構成および機能、効果については、上述の本実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、図10に示すような構成としてもよい。図10では、一対のピボット部101a、101b(ピボット部101bは図示せず)は、軸受部102に形成されず、別に設けたピボット軸受101に形成されている。そのピボット軸受101をヘッド支持アーム103のばね部103aのクランプ部103bおよびカラー35と共に、軸受部102とナット34とによって挟持するようにしている。このような構成においても、一対のピボット部101a、101bの頂点が当接するそれぞれの当接点R1、R2を結ぶ線を垂直回動軸として、ヘッド支持アーム103を記録媒体の表面に垂直な方向に回動させることができる。その他の構成および機能、効果については、上述の本実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、図2においては、ヘッド支持アーム8に形成されたばね部8cの形状が円弧状である場合を示したが、必ずしもその必要はない。例えば、図11に示すように矩形形状であってもよい。ただし、このときには、カラー35の突出部35aの形状も同様に矩形形状にすることが必要である。
以上のように本実施の形態によれば、ナットの締付け力が、カラーの底面に形成された突起部から伝わり、さらにカラーに形成された3ヶ所の押圧部(特に回動軸心側に近い2ヶ所の押圧部)によってクランプ部に伝わり、確実に押圧力が発生する。その結果、ばね部のクランプ部を軸受部のフランジ部に確実に押圧することができる。したがって、カラーの加工精度を厳しく管理する必要がなくなる。この結果、カラーの製造コストを低減すると共に、安定したロード荷重が得られ、耐衝撃性が高く、安価でかつ高い信頼性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
さらに、このようなヘッド支持装置を搭載することによって、安定したロード荷重を有し、耐衝撃性が高く、かつヘッド位置決め制御特性の向上が可能で、しかも磁気ヘッドを目標のトラック位置に高速で移動させることでアクセス時間を大きく短縮できるディスク装置を実現することができる。
(第2の実施の形態)
図12および図13は、本発明の第2の実施の形態にかかるヘッド支持装置を説明するための図である。
また、図14から図18は、本実施の形態にかかるヘッド支持装置におけるヘッド支持アームと補強プレートとの固着方法を説明するための図である。なお、図12はヘッド支持装置の構成を示す側面図で、図13はその構成を示す分解斜視図である。
また、図14は複数のヘッド支持アームが保持連結部および連結部を介して保持されたばね材薄板の平面図で、図15は図14に示すヘッド支持アームの一部を拡大した部分拡大図である。さらに、図16は多数の補強プレートが保持連結部および連結部を介して保持された補強プレート用平板の平面図である。なお、図17は図16に示す1つの補強プレートを拡大した部分拡大図である。また、図18は補強プレートが固着されたヘッド支持アームにおける補強プレート固着部分近傍の部分拡大平面図である。
本実施の形態にかかるヘッド支持装置120の構成は、以下の点が第1の実施の形態と異なる。すなわち、本実施の形態では、補強プレート121を、ヘッド支持アーム8に配設されたばね部8cのクランプ部8dにおいてヘッドスライダ9側の面に固着している。
以下、第1の実施の形態と異なる主な点について、図12および図13を用いて説明する。
図12および図13に示すように、大きな剛性を有する材料を用いて作製された補強プレート121が、クランプ部8dのヘッドスライダ9側の面(軸受部33のフランジ部33aに当接する側とは反対側のクランプ部8dの面)において、所定の位置に精度よくスポット溶接等の周知の技術によって固着されている。
補強プレート121の形状は、補強プレート121が固着されるクランプ部8dの形状と略同じような形状を有する略半円環形状(馬蹄形形状)である。補強プレート121が固着された部分で、ばね部8cのクランプ部8dは剛性が高められ、その部分は略剛体となる。
ばね部8cにおいて、補強プレート121が固着された部分の端部121aにおけるエッジ部121bが当接する部分からばね部8cの根元部8hまでの部分が、ヘッド支持装置120にロード荷重を発生させるためのばね性能を発揮する部分となる。
なお、補強プレート121の端部121aにおけるヘッド支持アーム8の長手方向に垂直な方向の幅は、その端部121aのエッジ部121bに当接するヘッド支持アーム8のクランプ部8dの幅よりも大きい幅を有するようにすることが望ましい。このことにより、補強プレート121をクランプ部8dに固着するとき、補強プレート121がヘッド支持アーム8の長手方向に対して垂直な方向にずれたとしても、補強プレート121のエッジ部121bがクランプ部8dの全幅にわたって当接することになる。また、ヘッド支持アーム8のクランプ部8dと補強プレート121との固着については、補強プレート121のそれぞれの端部121a近傍で少なくとも1ヶ所、固着されていることが望ましい。
また、カラー35は、第1の実施の形態と同じような形状を有している。さらに、カラー35の突出部35aに形成された押圧部62、63のエッジから軸受部33、すなわち回動軸5の直径線までの距離が、補強プレート121の回動軸心に近い側の端部121aから回動軸5の直径線までの距離よりも小さくなるようにする。そのことによって、補強プレート121を押圧したとき、突出部35aの押圧部が補強プレート121の両側端部121aからはみ出すようにする。すなわち、図12における距離L1(補強プレート121の端部121aからの突出部35aのはみ出し量)が0より大きい値(L1>0)となるように形成されている。
また、ヘッド支持装置120は、軸受部33、ヘッドスライダ9とボイスコイル10と補強プレート121とが固着されたヘッド支持アーム8、カラー35およびナット34によって構成されている。したがって、ヘッド支持装置120を構成するヘッド支持アーム8は、一対のピボット部8gの当接点S1、S2において軸受部33と当接し、当接点S1、S2を結ぶ線の周りにかつ記録媒体4の表面に垂直な方向に回動可能となる。すなわち、当接点S1、S2を結ぶ線が垂直回動軸となり、ヘッド支持アーム8のばね部8cにおける弾性力発生部8eの弾性力によって、ヘッド支持装置120を構成するヘッド支持アーム8の一端側が記録媒体4方向へ付勢される。
その結果、ヘッド支持アーム8を反時計方向に回動し、それぞれの当接点S1、S2には圧縮応力が生じることになる。したがって、磁気ディスク装置の動作時における記録媒体4に対するヘッドスライダ9のロード荷重は、当接点S1、S2においてヘッド支持アーム8のピボット部8gによるヘッド支持アーム8に対する記録媒体4方向への圧縮応力によって生じることになる。
このロード荷重は、ヘッド支持アーム8の材質、すなわちばね部8cの弾性力発生部8eの材質と厚みとばね性能を発揮する部分の長さ(固着された補強プレート121のエッジ部121bに対応する部分から弾性力発生部8eの根元部8hまでの部分の長さ)、ピボット部8gの高さ、ばね部8cの弾性力発生部8e、およびピボット部8gの位置関係等を考慮して所望の値に設定することができる。
なお、ピボット部8gはヘッド支持アーム8に一体に形成されているため、弾性力発生部8eに対するピボット部8gの位置の製造バラツキは非常に小さく抑えられる。また、ばね部8cのクランプ部8dに対して精度よく補強プレート121を位置決めして固着することによって、補強プレート121のエッジ部121bに対応する部分からばね部8cの根元部8hまでの部分の長さ、すなわち弾性力発生部8eの長さのバラツキを抑えることができる。その結果、ヘッド支持アーム8のばね部8cにおける弾性力発生部8eの弾性力の製造バラツキを小さく抑えることができる。したがって、ロード荷重の製造バラツキを小さく抑えることができる。
さらに、図7に示すように、カラー35を押圧するナット34の締付け力による押圧力F1、F2は、押圧部61において押圧力F3、押圧部62において押圧力F4および押圧部63において押圧力F5として有効にカラー35に伝わる。そして、カラー35に形成された押圧部61、62、63によって補強プレート121に対する押圧力を確実に発生させることができる。そのため、安定したロード荷重を得ることができ、信頼性の高いヘッド支持装置120を実現することができる。
また、上述のように、本実施の形態におけるヘッド支持装置120の構成は、第1の実施の形態にかかるヘッド支持装置7の構成に対して、補強プレート121をばね部8cのクランプ部に追加した構成としたものである。したがって、第1の実施の形態にかかるヘッド支持装置7と少なくとも同じ以上の効果を得ることができる。
なお、補強プレート121の厚み(記録媒体4の表面に垂直な方向の距離)がヘッド支持アーム8のピボット部8gの突出高さ(ピボット部8gが形成されたアーム部8aの表面からその突出部分の先端部分までの距離)より充分に大きければ、カラー35に突出部35aを設ける必要はない。すなわち、カラー35の軸心に垂直な両側端面が平行なリング状の両側端面のそれぞれの面に、押圧部61、62、63と、突起部64、65が形成された形状であってもよい。
また、第1の実施の形態において説明したのと同様に、ばね部とヘッド支持アームとを分離して別個の部材とした構成、一対のピボットが軸受部に形成された構成、または一対のピボットがピボット軸受部に形成された構成を、本実施の形態におけるヘッド支持装置に適用することもできる。また、ヘッド支持アーム8に形成されたばね部8cの開放端部分の形状を矩形形状としてもよい。
次に、ヘッド支持アームの所定の位置に、精度よく補強プレートを固着する方法について、図面を用いて説明する。
図14に示すように、ヘッド支持アーム142の形状を複数の保持連結部143で保持した状態を、ばね材薄板141をエッチング等の周知の技術を用いて形成する。ばね材薄板141は所望のロード荷重を生じさせるために(すなわち、弾性力発生部142aに所定の弾性力を発生させるために)必要な設計仕様を満足する材料を用いる。
図15にヘッド支持アームの部分拡大図を示す。ヘッド支持アーム142は、アーム部142bの両側において保持連結部143によってばね材薄板141に連結保持された状態で形成される。また、ヘッド支持アーム142のクランプ部142cの小径側(回動軸5の回動中心側)には、逃げ部となる略矩形状の凹部144が形成される。この凹部144に突出するように連結部145が設けられ、その連結部145の他端側に切り落とし部146が設けられている。
なお、図14および図15においては、連結部145は2個としているが、何らこれに限ることはなく、1個以上設ければよい。また、連結部145および切り落とし部146は必ずしも設けなくてもよい。
一方、図16に示すように、剛性が高く、所定の厚さを有する補強プレート用平板161に、複数個の補強プレート162がその外形を複数の連結部163と保持連結部166とで連結した状態で形成されている。
また、図17に補強プレートの部分拡大図を示す。ヘッド支持アーム142のクランプ部142cと同じような形状を有する半円環状の補強プレート162の小径側(回動軸5の回動中心側)に、逃げ部となる略矩形状の凹部164を形成している。その凹部164に突出するようにして連結部163が形成されている。この連結部163は、切り落とし部165と保持連結部166とを介して補強プレート用平板161と連結されている。この補強プレート用平板161にばね材薄板141を重ねたとき、連結部163と保持連結部166とは、ばね材薄板141に設けられたヘッド支持アーム142のそれぞれの連結部145と保持連結部143とに重なる。また、連結部163と保持連結部166との幅は、ヘッド支持アーム142のそれぞれの連結部145と保持連結部143との幅よりも少なくとも大きくなるように形成されている。
なお、切り落とし部165は必ずしも設ける必要はなく、連結部163と保持連結部166とが直接繋がっていてもよい。また、上述のヘッド支持アーム142における連結部145と同様に、連結部163は1個以上の連結部であればよい。また、保持連結部166はヘッド支持アーム142の保持連結部143に重なる位置に配置される必要はなく、補強プレート162を補強プレート用平板161に保持し、ヘッド支持アーム142との固着後の補強プレート用平板161からの分離が可能な位置であればよい。
補強プレート用平板161に複数個の補強プレート162を対応させる方法は、下記のようにして行う。
まず、補強プレート用平板161にばね材薄板141を重ねたとき、複数のヘッド支持アーム142のクランプ部142cに対応した位置に、複数個の補強プレート162が重なるようにする。
次に、別の1枚のばね材薄板141を、図16に示すy方向にピッチをずらして補強プレート用平板161に重ねたとき、図15に示すクランプ部142cに対応した位置に複数個の補強プレート162が重なるようにする。このようにして、1枚のばね材薄板141に形成されているヘッド支持アーム142の長手方向にピッチをずらして、複数枚のばね材薄板141を1枚の補強プレート用平板161に重ねたとき、それぞれのばね材薄板141に形成された複数のクランプ部142cに対応した位置に補強プレート用平板161に形成された複数個の補強プレート162のすべてが重なるようにする。なお、加工後の補強プレート用平板161の材料廃棄部分が少なくなるように効率的な材料の利用を考慮し、補強プレート用平板161には多数の補強プレート162を縦横に配置する。
図14に示すように、ばね材薄板141に、例えば一対の位置決め基準孔141aを設け、この一対の位置決め基準孔141aを基準として、ばね材薄板141に形成される複数のヘッド支持アーム142の位置を決める。さらに、図16に示す補強プレート用平板161のy方向ピッチに対応させて、ばね材薄板141にそれぞれ一対の位置決め基準孔141b、141cが設けられている。また、補強プレート用平板161には、ばね材薄板141に設けられた一対の位置決め基準孔141aに対応させて一対の位置決め基準孔161aが設けられている。
この位置決め基準孔161aを基準にして、ばね材薄板141に形成されたクランプ部142cに対応した位置に複数個の補強プレート162が形成されている。すなわち、クランプ部142cの縦横のピッチと同じピッチで、複数の補強プレート162の位置が決められている。さらに、ばね材薄板141の別の位置決め基準孔141bに補強プレート用平板161の位置決め基準孔161aを対応させてばね材薄板141のピッチをずらしたとき、位置決め基準孔141bに対するクランプ部142cに対応した位置に、複数個の補強プレート162が形成されているように補強プレート162を配置している。
また、ばね材薄板141の別の位置決め基準孔141cに補強プレート用平板161の位置決め基準孔161aを対応させてばね材薄板141のピッチをずらしたときにも同様であり、ここでの説明は省略する。
このように、1枚の補強プレート用平板161に形成されたすべての補強プレート162は、複数枚のばね材薄板141に形成されたすべてのヘッド支持アーム142に対応させることができ、ヘッド支持アーム142のクランプ部142cの所定位置に補強プレート162が位置決めされることになる。
すなわち、1枚の平板に効率よく配置しようとすれば、図14に示すヘッド支持アーム142のy方向のピッチは、図16に示す補強プレート162のピッチとは合わない。それを解決したのが図14に示す位置決め基準孔141aに対する位置決め基準孔141b、141cである。
次に、ヘッド支持アーム142に補強プレート162を固着する工程について説明する。
まず、補強プレート用平板161に設けられた位置決め基準孔161aにばね材薄板141に設けられた位置決め基準孔141aを位置合わせして重ねる。次に、ばね材薄板141に形成されたそれぞれのヘッド支持アーム142のクランプ部142cと、それに重なった補強プレート用平板161のそれぞれの補強プレート162を各々スポット溶接等の周知の技術によって固着する。
その後、ヘッド支持アーム142に連結した保持連結部143と連結部145、および補強プレート162の保持連結部166と連結部163を、それぞれレーザ加工またはプレス加工等による周知の技術を用いて切断する。このようにして、補強プレート162がクランプ部142cに固着されたヘッド支持アーム142を作製することができる。
次に、補強プレート用平板161に設けられた位置決め基準孔161aに別の1枚のばね材薄板141に設けられた位置決め基準孔141bを位置合わせして重ねる。
次に、ばね材薄板141に形成されたそれぞれのヘッド支持アーム142のクランプ部142c、およびそれに重なった補強プレート用平板161のそれぞれの補強プレート162を各々スポット溶接等の周知の技術によって固着する。その後、ヘッド支持アーム142に連結した保持連結部143と連結部145、および補強プレート162のそれぞれの保持連結部166と連結部163を、それぞれレーザ加工またはプレス加工等による周知の技術を用いて切断する。このようにして、補強プレート162がクランプ部142cに固着されたヘッド支持アーム142を複数個作製することができる。
同じようにして、さらに別の1枚のばね材薄板141に設けられた位置決め基準孔141cを用いて、補強プレート用平板161とさらに別の1枚のばね材薄板141との位置を合わせて重ねる。
次に、クランプ部142cとそれに重なった補強プレート162を各々スポット溶接等の周知の技術によって固着する。その後、ヘッド支持アーム142の保持連結部143と連結部145、およびそれらに重なった補強プレート162の保持連結部166と連結部163をそれぞれ切断し、補強プレート162がクランプ部142cに固着されたヘッド支持アーム142を複数個作製する。
クランプ部142cに補強プレート162を固着した状態を図18に示した。次に、ヘッド支持アーム142の保持連結部143と連結部145、およびそれらに重なった補強プレート162の保持連結部166と連結部163をそれぞれ切断位置C1、C2にて切断する。このようにして、補強プレート162がクランプ部142cに固着されたヘッド支持アーム142を得る。
なお、ヘッド支持アーム142の保持連結部143と連結部145、および補強プレート162の連結部163と保持連結部166との切断に関しては、下記の点を考慮する必要がある。すなわち、ヘッド支持アーム142の保持連結部143とそれらに重なった補強プレート162の保持連結部166との切断に対しては、ヘッド支持アーム142のアーム部142bにできるだけ近い部分を切断位置C1とすることが望ましい。また、ヘッド支持アーム142の連結部145とそれらに重なった補強プレート162の連結部163との切断に対しては、補強プレート162に形成された凹部164の開口部において、補強プレート162の小径側内側面を構成する円弧状の線164aより凹部164側に切断位置C2を設定することが望ましい。
したがって、ヘッド支持アーム142に固着された補強プレート162には、凹部164において、補強プレート162の凹部164側側面から切断位置C2までの連結部163が補強プレート162の突出部162aとして残存することになる。
また、ヘッド支持アーム142のクランプ部142cと補強プレート162を固着するスポット溶接等の固着位置に関しては、図18に黒丸点Tにて示すように、補強プレート162のそれぞれの端部162bの近傍において固着することが望ましい。
このようにして補強プレート162が固着されたヘッド支持アーム142を用いてヘッド支持装置を組み立てたとき、ヘッド支持アーム142におけるクランプ部142cと弾性力発生部142aからなるばね部142dは、補強プレート162のエッジ部から浮き上がるようなことはない。さらに、補強プレート162のエッジ部に当接する部分で変形することになる。このことから、ヘッド支持装置としてロード荷重を発生させるばね部142dの弾性力発生部分の長さが、補強プレート162のエッジ部に当接する当接部分142eからアーム部142bに対するばね部142dの根元部142fまでの距離となる。
したがって、上述したように、位置決め基準孔を基準として複数のヘッド支持アーム142と複数の補強プレート162の位置を決めて固着することによって、ヘッド支持アーム142に対する補強プレート162の取り付け位置のバラツキを非常に小さく抑えることができる。さらに、ヘッド支持装置として組み立てたときのロード荷重のバラツキを非常に小さく抑えることもできる。
このようにして補強プレート162が固着されたヘッド支持アーム142を用いて、ヘッド支持装置120を作製することによって、ヘッド支持アームのばね部の仕様に関するバラツキを非常に小さく抑えることができるため、ヘッド支持装置としてロード荷重のバラツキを抑制することができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるだけでなく、さらにヘッド支持アームにおけるばね部のクランプ部に固着される補強プレートの固着位置に関するバラツキの発生も抑止できる。また、ロード荷重を発生させるための弾性力発生部の寸法仕様、特に長さのバラツキを非常に小さくできる弾性力発生部を容易に形成することができる。さらに、ピボット部の高さや、弾性力発生部とピボット部との位置関係等、ロード荷重を発生させる他の影響因子のバラツキも非常に小さくすることができる。その結果、ヘッド支持アームの弾性力発生部に生じる弾性力の製造バラツキを非常に小さくでき、したがってロード荷重のバラツキを非常に小さくできる。この結果、製造品質が高く、安定したロード荷重を生じ、耐衝撃性が高く、かつ信頼性の高いヘッド支持装置を実現することができる。
さらに、このようなヘッド支持装置を搭載することによって、製造バラツキが小さく、安定したロード荷重を有し、耐衝撃性の高いディスク装置を実現できる。その結果、ヘッド位置決め制御特性を向上させ、磁気ヘッドを目標のトラック位置に高速で移動させることができ、かつアクセス時間を大きく短縮することができる。
なお、上述の第1の実施の形態および第2の実施の形態の説明においては、磁気ディスク装置を例にとって説明したが、何らこれに限ることはなく、光磁気ディスク装置や光ディスク装置等の非接触型のディスク記録再生装置に適用することも容易にできる。