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JP4306229B2 - 衝突検出装置及び安全装置 - Google Patents
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JP4306229B2 - 衝突検出装置及び安全装置 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Air Bags (AREA)
  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突を検出するための衝突検出装置と、この衝突検出装置を用いたエアバッグシステム、シートベルトシステムなどの安全装置に関するものである。なお、以下、乗員の保護を「拘束(restraint)」ということがある。また、本明細書において、加速度とは、衝突時に車両に生じる減速方向の加速度(速度の時間微分値)である。
【0002】
【従来の技術】
(I) 車両の衝突時にエアバッグを膨張させて乗員を保護するエアバッグ装置や、シートベルト装置のウェビング緩みを除くべくウェビングを所定長さだけ急速に巻き取るプリテンショナ装置は周知である。このエアバッグ装置あるいはプリテンショナ装置を作動させるために、車両の衝突の有無やその規模(衝突激しさ、クラッシュシビアリティ)を判定する必要がある。この衝突の規模は、衝突相手との相対速度と相手物体の質量、硬さに相関する。
【0003】
従来、衝突規模を検出するためには加速度を検出している。例えば特開平11−78769号では、加速度の大きさ、加速度の経時変化及び速度の経時変化(同号公報では、この速度の経時変化を、加速度の時間による積分値から求める。)に基づいて衝突規模を判定している。
【0004】
また、衝突による車両の外材の変形の検出による衝突判定方法が特開平11−78770号に記載されている。同号の判定方法では、車両外材に歪センサを取り付け、外材の変形量、変形速度を検出し衝突判定を行っている。
【0005】
さらに、衝突変形の進行過程における変形速度を検出して衝突判定を行う方法が特開2001−171476号に記載されている。同号の方法では、車体の所定の2箇所に加速度センサを配置し、2箇所のセンサ間における車体の圧縮変形速度を検出し、衝突判定を行っている。
【0006】
(II) 従来のシステムでは主に衝突の判断は車室に配置された加速度センサの信号で行われる。車室内に置かれた加速度センサは、車両衝突が乗員に与える衝撃パルスの全体像を推定するには適しているが、フロントからの距離があるため衝撃を速くキャッチするには適さない。このためによりフロントに近い部分にも加速度センサを置き衝突判定時間の遅れを最小とする技術改善がなされている。
【0007】
通常のエアバッグシステムではエアバッグにガスが充填され十分に展開するのに30msec〜40msecの時間が必要であり、乗員に大きな衝撃が伝わる前に衝突の有無を検出し乗員保護装置を駆動する必要がある。
【0008】
一般的なセダンで50kmhの速度でのフルラップバリアへの衝突による衝撃パルスの継続時間はおよそ70msec〜100msecである。(この時間で車両は速度がゼロとなる。)当然ながら、乗員が移動して車室内に衝突する前に乗員保護装置を駆動する必要がある。乗員が車両に対して10cm程度前方に移動する時間は、衝撃速度が50kmhの場合、衝突後50msec程度である。このときにエアバッグが乗員保護装置として機能するためには、衝突から20msec以内に衝突と判断され駆動信号が起動される必要がある。50kmhの衝突では衝突後10msecでの衝突によるバンパ先端部の潰れストロークは13cm程度、20msec後には25cm程度になる。まず最初の5msecでバンパ部が力を受け衝撃パルスが生じる。10msecを超えると衝突バリアと車両ボディのメインフレームが干渉し大きな衝撃パルスが生じる。
【0009】
エアバッグの作動が必ずしも必要でない18kmh程度の衝突でもバンパ部潰れによる衝撃パルスが生じる。このようなフロント先端部の受ける力による車両全体の減速度を検知して軽度の衝突に反応することなくエアバッグの作動の有無を衝突から20msec以内に判断する機能を制御システムに持たせている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−78769号
【特許文献2】
特開平11−78770号
【特許文献3】
特開2001−171476号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
(I) 上記特開平11−78769号の加速度の検出による衝突判定方法では、衝突部付近の車体構造や衝突相手の硬さ等により衝突判断及び衝突規模の判定結果が影響される。
【0012】
上記特開平11−78770号の衝突判定方法では、外材に取り付けられたセンサによって、外材そのもののたわみ速度は検出されるものの、必ずしも衝突荷重方向の車体構造の変形速度が検出されるわけではない。また、外材の変形ストロークは一般的に短く、衝突変形の進行過程における変形速度の検出が難しい。
【0013】
従って、この衝突判定方法では、外材だけが変形する小質量高速物体との衝突(安全装置による乗員の拘束が必要なほどには車両減速を生じない衝突)と、車体の変形が大きく、安全装置による乗員の拘束が必要なほどの車両減速が生じる中速度バリア衝突とを衝突の初期に判別することは困難であり、この外材の変形速度から衝突判定及び衝突規模の判定を行うのは難しい。
【0014】
上記特開2001−171476号の衝突判定方法は、車両先端部の変形速度を検出するものではない。1方の加速度センサを車両先端部に設置すると、衝突の初期において、センサに該センサの定格を超える過大な衝撃が加わり、センサ取付部が変形し、センサの検出軸がぶれるおそれがある。センサの検出軸がぶれると、車両先端部の変形速度を正しく検出できない。
【0015】
(II) 上記(I)のシステムには次の(1)〜(3)の課題がある。
(1) 衝突判定の安定性が悪い。衝突の形態が変わっても拘束装置を適切なタイミングで駆動することが望まれるが、実際の衝突では相手の衝突物体の形状、硬さ、速度が様々となる。衝突バリアの形状がオフセットMDBやセンターポールの場合、衝突初期に生じる衝撃が小さく衝突判定時間が大きく遅れる。ポール衝突では初期衝撃は小さいがその後大きな衝撃が発生する、このような場合は衝突判定の遅れが、拘束性能の低下をもたらす。
(2) 衝突判定時間を早くできない。エアバッグは火薬の点火により30msecで高圧、高温のガスを充填するためエアバッグ展開時に大きなエネルギーを持つ。このときに乗員との接触があると乗員に大きな力が作用する。これを緩和するために衝突判定時間を短縮できれば、その分エアバッグの展開時間を長くでき、ガスの展開エネルギーを小さくできる。従来センサシステムでは軽度の衝突や、ラフロード走行、エンジンの縁石への接触などにより生じる大きな衝撃パルスで拘束装置を作動させないため、衝突判定時間は、そのパルスの継続時間よりも長い15msec程度必要でこれを短縮する技術は限界に近づいている。
(3) 衝突の激しさの判別が難しい。乗員保護装置は乗員が大きくても小さくても安全性を高めるように改良が進んでいる。高速の激しい衝突で大きな乗員を十分に拘束するためには圧力の高いエアバッグが必要である。その反面中速度で小柄な乗員をエアバッグがソフトに受け止めるには高い圧力のエアバッグは必要ない。この目的でエアバッグのガス容量を2段階に選択制御する安全装置が導入されている。衝突検出手段が衝突の激しさを衝突の初期に正確に判別できれば、エアバッグの圧力を衝突の激しさに応じて制御でき、乗員保護装置の性能を更に改善できる。そのため精度の高い検出手段が望まれている。
【0016】
その一方でクラッシュ特性を制御するボディ構造が採用され、先端部がある一定の力を受けるとエネルギーを吸収する構造が導入されている。衝突の激しさが異なっても衝突の初期に車体に生ずる減速度はエネルギー吸収機構で緩和される。従って従来検出手段では衝突初期に衝突の激しさを判断しようとしても、初期の衝撃パルスに大きな差が生じずに、精度の高い衝突の激しさ判定が難しい。
【0017】
(III) 本発明は、車両の端部の衝突変形速度を検出することにより早期に且つ精度よく衝突の判断、衝突規模(シビアリティ−)の判定等を行うことができる衝突検出装置と、この衝突検出装置を用いた安全装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)の衝突検出装置は、車両の端部付近の変形速度を検出するミリ波レーダを有し、該ミリ波レーダの検出結果に基づいて車両の衝突を検知する衝突検出装置であって、車両のフレームの前部に高剛性部を介して該高剛性部よりも低剛性の低剛性部が設けられ、該低剛性部の前端にバンパが連結され、該バンパと該低剛性部の間に低剛性のクラッシュボックスが配置され、該高剛性部に固定されたセンサボックスに前記ミリ波レーダが設けられており、該ミリ波レーダは該ミリ波レーダと該バンパとの距離を測定し、該距離の変化から接近速度を検出するものであり、該センサボックスに車両に生じる加速度を検出する加速度検出手段が設けられていることを特徴とするものである。また、本発明の安全装置(請求項19)は、この衝突検出装置の信号に基づいて拘束手段を作動させるようにしたものである。
【0019】
乗員拘束においては、車の衝突開始からの加速量(減速量)と加速時間(減速時間)の大小を早期に判定することが重要である。これを早期に且つ高精度に検出(もしくは推定)することが本発明の目的であり、この検出結果から本発明の衝突検出装置における衝突判定及び衝突規模の判定が行われる。
【0020】
かかる本発明では、例えば自動車が前突する場合、自動車最前部付近の変形速度を検出して衝突の有無や規模の判断を行うことができる。自動車の最前部付近は、前突に際し相手方物体に最初に当って圧縮変形を開始するものであるから、この最前部の車体構造の圧縮変形速度を検出することにより、衝突の有無や規模を早期に判定することが可能となる。
【0021】
なお、衝突に伴って自動車には加速度が生じるが、この加速度は衝突に伴って変形する(例えば潰れる)車体部分の剛性によって変化する。例えば、低剛性部分が変形するときには、車体速度の減少は小さいので、車両に発生する加速度は小さい。一方、高剛性部分が潰れるときには、車体速度は急速に減少し、大きな加速度が生じる。
【0022】
車体の最前部付近が、衝突衝撃を吸収するために比較的低剛性に構成されている場合、加速度による衝突検出方式にあっては、最前部付近が潰れつつある衝突最初期の段階では検出される加速度が小さく衝突判定精度が低くなる。これに対し、本発明の変形速度検出方式によれば、最端部の変形速度を検出するため、実質的に最端部のみが変形している衝突最初期の段階で大きな変形速度が観測され、衝突及び衝突規模を高精度にて判定することが可能である。
【0023】
本発明では、車両端部付近の変形速度を検出するには、該端部付近において比較的外方(例えば前方)の第1の部位と、それよりも所定距離だけ内方(例えば後方)の第2の部位との間の距離の経時変形即ち両部位の接近速度を検出するため、検出が簡便である。
【0024】
この2部位の接近速度を検出するには、両部位間の距離を電波、赤外線や超音波等を用いて測定すればよい。なお、接近速度の検出方法はこれに限定されない。
【0025】
本発明の通り、車体が衝撃吸収構造となっており、最外部付近が比較的低剛性の部材となっており、それよりも内方に比較的高剛性の部材が配置されている場合には、該低剛性の部材に第1の部位を設定し、高剛性の部材に第2の部位を設定するこれにより安定した変形速度の検出が可能となる。
【0026】
なお、車体構造(車体フレーム)において、その外方側と内方側とで剛性が同じであっても、衝突に際し、該車体構造は外方側から内方側へと順次変形するので、該第1の部位から第2の部位に対する相対変位及びこの変位速度から、検出すべき変形速度を求めることができる。
【0027】
請求項の通り、本発明では、ミリ波レーダ(以下、変形速度検出手段と称することがある。)を車両前部の左右両側に配置することにより、フルラップ衝突とオフセット衝突とを判別することが容易となる。
【0028】
請求項の通り、本発明の一態様では、所定値以上の変形速度が所定期間検出されたときに、所定規模以上の、例えばエアバッグ装置等の安全装置を作動させるべき規模の衝突が発生したものと判定する。この判定方式は、簡便であると共に、衝突後早期に衝突判定を下すことができる。
【0029】
請求項の通り、本発明の別態様にあっては、変形速度と加速度とを検出し、これらに基づいて所定規模以上の衝突が発生したものと判定する。例えば、変形速度及び加速度がいずれも所定値以上であるとき(請求項)、又はこれらのうちの少なくとも一方が所定値以上であるとき(請求項)には所定規模以上の衝突が発生したものと判定する。この判定方式によると、判定結果の信頼度が高く、高精度にて、あるいは早期に衝突激しさを判定することが可能である。
【0030】
請求項の通り、また、本発明のさらに別の態様では、変形速度と加速度と変形量とを検出し、これらに基づいて所定規模以上の衝突が発生したものと判定する。例えば、該変形速度、加速度及び変形量がいずれも所定値以上であるとき(請求項)に、所定規模以上の衝突が発生したものと判定する。この判定方式であれば、衝突判定の信頼度がさらに向上する。
【0031】
請求項の通り、本発明の異なる態様にあっては、加速度に基づいて衝突判定を行い、且つ変形速度検出手段で検出された変形速度に基づいて、衝突判定の基準を変更する。例えば、変形速度が大きいときには、衝突と判定する閾値を低くし、逆に変形速度が小さいときには衝突と判定する閾値を高くする。これにより、早期にあるいは高精度に衝突を判定することが可能となる。
【0032】
請求項10の通り、バンパービーム、バンパー固定アーム、車両サイドのフロントフォーク等の車両端部付近の各部位が衝突により生じる応力によって圧縮され弾性変形及び塑性変形する変形応力が予め既知であれば、車両端部付近の変形速度と、その所定時間当りの変形量と、変形した部位の変形荷重との積で車両の変形に要した仕事量が検出できる。
【0033】
請求項11の通り、本発明の他の態様にあっては、車両の端部付近の変形に要した仕事量に基づいて衝突の規模を判定する。即ち、変形速度の最大値が相対速度に相関し、変形速度の所定時間の差分速度の2乗でその変形部位における仕事量を割ったものが作用質量に相関することから、衝突開始時において車両と当該車両に衝突した物体との相対速度と作用質量を推定できる。この相対速度と作用質量から、衝突後時間が経過するとどの程度の加速(減速)が車両に生じるか、つまり衝突の規模が判定できる。
【0034】
この態様にあっては、さらに、車両に生じる加速度を検出し、この加速度と仕事量とに基づいて衝突の規模を判定してもよい。車両の加速度が小さい場合には、前記作用質量は衝突物体の等価質量に相当するので、これによって衝突物体の重量を推定できる。
【0035】
なお、加速度を用いて車両前方衝突を検出する場合、例えば変形速度検出手段は車両前端部に置かれ、少なくとも検出部位は車両のバンパー、バンパービーム、バンパー固定アームを含む車両フロントフレーム、又はサイドフレーム先端部に置かれ、外周構造を含む検出部位と固定部位の間の車両の変形による車両正面進行方向の距離又は距離の変化を検出するものであり、上記加速度検出手段は車両フロント部より内側のサイドフレーム又はそれより後部のボデー構造部に置かれる。
【0036】
請求項1315の通り、本発明のさらに異なる態様では、変形速度と変形量を検出し、これらに基づいて所定規模以上の衝突が発生したものと判定する。例えば、変形速度及び変形量がいずれも所定値以上であるとき又は所定値以上の変形速度が検出されている間に検出変形量が所定量を超えたとき(請求項14)、或いはこれらのうちの少なくとも一方が所定値以上であるとき(請求項15)に所定規模以上の衝突が発生したものと判定する。この判定方式も、簡便であると共に、衝突後早期に且つ精度よく衝突判定を下すことができる。
【0037】
なお、衝突判定結果を十分な精度で早期に得ることが可能となることにより、エアバッグ装置の作動開始時期を早めることができる。これにより、出力の小さいインフレータでも容積の大きなエアバッグの膨張に利用することが可能となる。
【0038】
本発明では、衝突の規模を早期に精度よく判定できるので、エアバッグ装置等の安全装置を起動するタイミングを制御しやすい。また、この判定に応じてエアバッグの内圧を制御したり、プリテンショナのウェビング巻取量を制御することも可能となる。
【0039】
請求項16の通り、本発明の衝突検出装置は、衝突規模を判定するものであり、衝突規模に応じ異なった信号を出力する出力手段を備えている構成としてもよい。このように構成した場合には、より一層、安全装置の制御が容易になる。
【0040】
請求項17の通り、前記の通り、フルラップ衝突やオフセット衝突などの衝突形態も併せて判定する場合には、エアバッグ装置やプリテンショナ装置などを種々のパターンにて制御することも可能である。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して参考例及び実施の形態について説明する。図1は参考例に係る衝突検出装置及び安全装置を備えた自動車の概略的な側面構成図、図2は衝突検出装置の構成を示す側面図、図3は自動車の前部のフレーム構成を示す平面図である。
【0042】
自動車の車内にシート10が設置され、このシート10に座った乗員を拘束するためにシートベルト装置12が設置されている。このシートベルト装置12は、リトラクタ14と、該リトラクタ14から引き出されるウェビング16と、該ウェビング16のトング(図示略)を係止するバックル18と、リトラクタ14に設けられたプリテンショナ20とを有する。このプリテンショナ20は、衝突時にウェビング16を所定長さだけ急速に巻き取らせるためのものである。
【0043】
シート10の前方のステアリング22にエアバッグ装置24が設置されている。このエアバッグ装置24は、折り畳まれたエアバッグと、このエアバッグを覆うモジュールカバーと、エアバッグを膨張させるためのインフレータ(ガス発生器)等を有する。
【0044】
自動車のフレーム30は、図3の通り、サイドメンバ32,32と、これらサイドメンバ32,32同士の間に架設されたクロスメンバ34とを有する。このクロスメンバ34からフロアパネルにかけて、自動車の衝突を判断してプリテンショナ20及びエアバッグ装置24に作動電流を供給する制御ユニット36が設置されている。衝突が相当に激しくても、変形はクロスメンバ34にまでは達しないので、制御ユニット36は衝突終了まで制御信号を発信可能である。
【0045】
この自動車では、この自動車の前方への衝突(前突)を検出するために、変形速度センサ40と加速度センサ42,48とが設置されており、これらのセンサ40,42,48の検出信号が制御ユニット36内の制御回路に入力される。
【0046】
なお、変形速度センサ40及び加速度センサ42は、フレーム30の左右のサイドメンバ32の前部にそれぞれ配置されている。加速度センサ48は制御ユニット36に内蔵されている。
【0047】
この変形速度センサ40は、車体の前端部付近の変形によってロッド44を後退させ、このロッド44の後退速度を検出して該前端部付近の変形速度を検出するようにしたものである。
【0048】
図2の通り、フレーム30の前部に高剛性部50を介して低剛性部52が設けられている。この低剛性部52の前端にバンパ54が連結されている。バンパ54と低剛性部52の間にはクラッシュボックス53が配置されており、このクラッシュボックス53も低剛性となっている。前記ロッド44は、車体前後方向に延在しており、その前端はブラケット56及びロッド固定座58を介してバンパ54に固定されている。
【0049】
ロッド44の後部は、ガイド60に摺動自在に保持されている。このロッド44の後端近傍はセンサボックス62内に遊挿されている。このセンサボックス62は前記高剛性部50に固定されている。
【0050】
ロッド44には、その長手方向に所定間隔をおいてN極、S極の配置方向が入れ替わるマグネットが連続的に多数配置されている。センサボックス62には、このマグネットからの磁束に感応するコイル、ホール素子などの磁気検出器64が設けられている。この磁気検出器64は、ロッド44が後退し、各マグネットが該磁気検出器64を通過する度に1パルスの電気信号を出力する。そのため、単位時間当りに発生するパルス数をカウントすることにより、ロッド44の後退速度が検出される。
【0051】
なお、この参考例では、センサボックス62内に加速度センサ42が併せて設置されている。また、前記ガイド60は該センサボックス62と一体となっている。そのため、センサボックス62を設置することにより、併せて加速度センサ42及びガイド60も高剛性部50に設置される。符号66は、センサボックス62を高剛性部50に取り付けるためのボルトを示す。なお、磁気検出器64からの信号を出力するための回路と加速度信号を出力する回路を一部共用してもよく、両者を共通の回路基板に設けてもよい。
【0052】
このように構成された衝突検出装置及び安全装置を備えた自動車が衝突した場合、まず、低剛性であるクラッシュボックス53が主として潰れるように変形する。その衝突が中規模である場合は低剛性部52も潰れて変形し、衝突規模が比較的大きいときには、その後さらに高剛性部50も潰れるように変形する。このクラッシュボックス53は、衝突後まず潰れ始める部位であると共に、低剛性であるため、変形速度の立ち上りが早い。そのため、自動車が相手方物体に当った直後から比較的大きい速度でロッド44が後方に移動し、この後退速度が磁気検出器64からのパルスによって検出される。クラッシュボックス53が潰れきってもまだ衝撃が持続している場合は、低剛性部52も潰れて変形し、ロッド44は後退し続ける。このロッド44の後退速度が自動車前端部付近の変形速度であり、この変形速度は自動車と相手方物体との相対速度にほぼ比例する。この相対速度が大きいほど、衝突が激しいことになる。従って、このロッド44の後退速度を磁気検出器64の発生パルスから検出することにより、衝突時の相手方物体との相対速度すなわち衝突の激しさを判定することができる。
【0053】
この参考例では、自動車の左右に変形速度センサ40を配置しているので、自動車の左側と右側との変形速度を別個に測定することができ、従って衝突がフルラップ衝突であるかオフセット衝突であるか判定することもできる。
【0054】
また、この参考例では、ロッド44の後退速度をモニターする磁気検出器64を含むセンサボックス62が車両前端部から離間した位置に設置されている。これにより、衝突による車両の変形や歪みが直接センサボックス62に影響を及ぼすことがなく、バンパ付近のみが変形するような小規模衝突にてセンサボックス62が破損せず、修理・交換のコストを省くことができる。
【0055】
図4は実施の形態に係る衝突検出装置の構成図である。図4では高剛性部50のセンサボックス62にミリ波レーダ67を設け、該ミリ波レーダ67とバンパ54との距離を測定している。衝突時におけるこの距離の変化からバンパ54の該ミリ波レーダ67への接近速度即ち低剛性部52の変形速度を検出することができる
【0056】
検出部位を限定するには導波管などの導波路を設け伝搬波をガイドするか、検出部位に反射板を固定するか、指向性アンテナ、誘導レンズ、音響レンズ等により伝搬波を収束させてエリアを絞ることができる。
【0057】
伝搬波としては、電磁波、ミリ波、光、音響波などが利用できる。検出法としては、ドプラー効果を用いた相対速度検出法、パルス波の伝搬遅延時間を用いた距離検出法など各種の技術が応用可能である。好適なセンサの一例としては40kHz〜500kHz超音波センサ、赤外線レーザーセンサ、1GHz〜24GHzレーダーが挙げられるが、これに限定されない。
【0058】
記の実施の形態においても、クラッシュボックスを含む低剛性部の変形は衝突直後、高剛性部の変形に先行して発生するものであり、この低剛性部の変形速度から衝突激しさを判定することができる。
【0059】
この衝突激しさの判定結果に応じてエアバッグ装置24やプリテンショナ20の作動を開始させる。衝突の瞬間から判定結果を得るまでの時間が短いので、エアバッグ装置24及びプリテンショナの動作を比較的ゆっくりとしたものとすることが可能であり、例えばエアバッグ用インフレータとして低出力のものを用いることが可能となる。また、衝突激しさに応じてエアバッグ内圧やプリテンショナの巻取量を制御することも可能である。
【0060】
なお、衝突形態(フルラップ衝突、オフセット衝突)をも加味して衝突激しさを判定するようにしてもよい。
【0061】
本発明では、上記の変形速度と加速度の双方に基づいて衝突の有無や激しさを判定してもよい。例えば、変形速度及び加速度の双方からみて衝突と判定される場合に最終的に衝突と判定を下す。これにより、判定の精度が高くなる。加速度センサから算出した減速度、変形量を合わせて変形速度の有効性を判断することで検出値の確実性を増し、悪路走行や縁石接触、ハンマーインパクトなどの衝撃での乗員拘束保護装置の誤作動耐性を高める効果がある。
【0062】
この場合の加速度は、加速度センサ48で検出されたもののみでもよいし、さらに加速度センサ42で検出されたものを組み合わせて判断してもよい。
【0063】
本発明では、上記の変形速度と加速度のうちのいずれか一方の検出値が所定値以上となったときに衝突の判定を下ようにしてもよい。このようにした場合には、きわめて早期に衝突判定を下すことができる。
【0064】
さらに、加速度センサの算出値を衝突判定の判定値よりも小さく設定することでセーフティングセンサとして用い、これとの理論積を取ることで変形速度センサでの判定の電気、機械的誤作動を防止できる効果がある。
【0065】
また1つのセンサが故障しても従来方法である複数の加速度センサだけの判定、また複数の変形速度センサだけの判定とOR構成又は多数決で衝突判定すれば信頼性を上げることができる。
【0066】
本発明では、加速度検出手段で検出された加速度と、その加速度値から加速度検出手段が固定される車体ボデーの速度変化又はその積算である移動距離変化又はそれぞれに対応する相当量を算出する手段と、その算出量の値により上記速度検出手段からの検出値、又は検出値を基に判定された結果、を有効無効にする手段とを備えてもよい。
【0067】
なお、変形速度及び加速度の双方に基づいて判定を行う場合、変形速度の大きさに応じて両者の評価の重みづけを変更するようにしてもよい。
【0068】
また、本発明では、加速度センサ42で検出される加速度を閾値と比較対照して衝突であるか否か、あるいは衝突の激しさを判定するようにし、且つこの閾値を変形速度に基づいて設定するようにしてもよい。
【0069】
本発明では、さらに、車体に生じる変形量を検出する変形量検出手段を設け、この変形量と前記変形速度とに基づいて判定を行うようにしてもよい。また、この変形量と変形速度と、さらに前記加速度とに基づいて判定を行うようにしてもよい。
【0070】
なお、この変形量を検出する方法としては、例えば、上記の第1〜3図の参考例では、磁気検出器64からのパルスのカウント数からロッド44の後退量を検出する方法や、第4図の実施の形態では、ミリ波レーダ67により計測された該ミリ波レーダ67とバンパ54との距離の変化量から車体の変形量を検出する方法などが挙げられるが、特に制限はなく、これ以外の各種の方法及び計測機器等を用いることができる。
【0071】
このように構成した場合には、例えば、上記の変形速度と変形量のうちのいずれか一方の検出値が所定値以上となったときに衝突の判定を下ようにしてもよい。このようにした場合には、きわめて早期に衝突判定を下すことができる。また、変形速度及び変形量の双方からみて衝突と判定される場合に最終的に衝突と判定を下してもよい。これにより、判定の精度が高まる。
【0072】
変形量と変形速度と加速度とに基づいて判定するようにした場合には、例えば、上記の変形速度と変形量と加速度のいずれからみても衝突と判定される場合に最終的に衝突と判定を下してもよい。この場合には、判定の精度が一層高まる。
【0073】
本発明では、車体各部の変形応力が既知である場合には、さらに、車体に変形が生じた際にその変形に要する仕事量を検出する仕事量検出手段を設け、この仕事量検出手段で検出された仕事量に基づいて衝突規模を判定してもよい。この場合、仕事量は、前記の検出変形速度と、その所定時間当りの変形量と、変形した部位の変形応力との積で求められる。
【0074】
この検出変形速度の最大値が相対速度に相関し、該変換速度の所定時間の差分速度の2乗でこの仕事量を割ったものが作用質量に相関することから、衝突開始時において車両と当該車両に衝突した物体との相対速度と作用質量を推定できる。この相対速度と作用質量から、その衝突が持つ総エネルギーを推定でき、衝突後時間が経過するとどの程度の加速(減速)が車両に生じるか、つまり衝突の規模が判定できる。
【0075】
このように仕事量から衝突規模を判定する方法によると、きわめて精度よく衝突の規模の判定を下すことができる。
【0076】
また、このように構成した場合には、この仕事量と前記加速度とに基づいて衝突規模を判定するようにしてもよい。車両の加速度が小さい場合には、前記作用質量は衝突物体の等価質量に相当するので、これによって衝突物体の重量を推定できる。これを用いれば、さらに高精度に衝突規模を判定することが可能となる。
【0077】
なお、車両端部付近の各部の変形応力(剛性)が既知であれば、この変形応力と、変形速度検出手段で検出された変形速度の経時変化とから衝突エネルギーを検出できる。車両に生じる速度変化(減速度)はこの衝突エネルギーに比例する。本発明では、この衝突エネルギーに基づいて衝突規模の判定を行ってもよい。この衝突エネルギーから車両に生じる速度変化を検出して衝突の有無を判定したり、衝突規模を判定することにより、きわめて高精度に衝突及び衝突規模の判定を下すことが可能である。
【0078】
上記実施の形態では、前突を検出するように変形速度センサを自動車の前端に配置しているが、変形速度センサを側方あるいは後方の端部に配置し側突や後突を検出するようにしてもよい。
【0079】
側突検出の場合、変形速度検出手段は例えば車両側端部に置かれ、少なくとも検出部位は車両のドア外装パネル、ドアフレーム、フロントフェンダー、Bピラーを含む車両側端外周部に置かれ、外周構造を含む検出部位と固定部位の間の車両の変形による車両側面方向の距離又は距離の変化を検出する物であり、上記加速度検出手段はサイドシル、Bピラー、センタートンネルを含む車両ボデーフレーム部に置かれる。
【0080】
後突検出の場合、変形速度検出手段は、例えば車両後端部に置かれ、少なくとも検出部位は車両のバンパー、バンパービーム、バンパー固定アームを含む車両リアエンド先端部に置かれ、外周構造を含む検出部位と固定部位の間の車両の変形による車両後方進行方向の距離又は距離の変化を検出する物であり、上記加速度検出手段は車両リヤエンド部より内側のボデー構造部に置かれる。
【0081】
本発明の実施の形態において、変形速度センサで検出される変形速度や、加速度センサで検出される加速度は、センサからの生の出力に限らず、フィルター処理やデジタル処理により変形速度や加速度に相関する特徴を抽出するような演算を施したものであっても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると自動車等の衝突を正確に早期に検出することが可能となる。また、本発明によると、これにより乗員保護装置を的確に作動させたり、あるいはエアバッグ装置のインフレータの低出力化を実現したりすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係る衝突検出装置及び安全装置を備えた自動車の側面図である。
【図2】 参考例に係る衝突検出装置の側面図である。
【図3】 参考例に係る衝突検出装置及び安全装置を備えた自動車のフレームの平面図である。
【図4】 施の形態に係る衝突検出装置の側面図である
【符号の説明】
12 シートベルト装置
20 プリテンショナ
24 エアバッグ装置
40 変形速度センサ
42,43 加速度センサ
44 ロッド
50 高剛性部
52 低剛性部
53 クラッシュボックス
64 磁気検出器

Claims (19)

  1. 車両の端部付近の変形速度を検出するミリ波レーダを有し、該ミリ波レーダの検出結果に基づいて車両の衝突を検知する衝突検出装置であって、
    車両のフレームの前部に高剛性部を介して該高剛性部よりも低剛性の低剛性部が設けられ、該低剛性部の前端にバンパが連結され、該バンパと該低剛性部の間に低剛性のクラッシュボックスが配置され、該高剛性部に固定されたセンサボックスに前記ミリ波レーダが設けられており、該ミリ波レーダは該ミリ波レーダと該バンパとの距離を測定し、該距離の変化から接近速度を検出するものであり、
    該センサボックスに車両に生じる加速度を検出する加速度検出手段が設けられていることを特徴とする衝突検出装置。
  2. 請求項1において、前記ミリ波レーダが車両の前部の左右にそれぞれ配置されていることを特徴とする衝突検出装置。
  3. 請求項1又は2において、さらに、前記ミリ波レーダで検出された変形速度又は該変形速度の最大値が所定値以上である場合に衝突と判定する判定手段を備えたことを特徴とする衝突検出装置。
  4. 請求項において、前記判定手段は、前記変形速度と加速度とに基づいて衝突を判定するものであることを特徴とする衝突検出装置。
  5. 請求項において、該判定手段は、前記ミリ波レーダで検出された変形速度又は該変形速度の最大値が所定値以上であり、且つ該加速度検出手段で検出された加速度又は該加速度を時間積分して得られた速度変化量が所定値以上である場合に衝突と判定することを特徴とする衝突検出装置。
  6. 請求項において、該判定手段は、前記ミリ波レーダで検出された変形速度又は該変形速度の最大値と、該加速度検出手段で検出された加速度又は該加速度を時間積分して得られた速度変化量とのうち少なくとも一方が所定値以上である場合に衝突と判定することを特徴とする衝突検出装置。
  7. 請求項において、さらに、車両の端部付近の変形量を検出する変形量検出手段を備えており、
    前記判定手段は、前記変形速度と前記加速度と該変形量とに基づいて衝突を判定するものであることを特徴とする衝突検出装置。
  8. 請求項において、該判定手段は、前記ミリ波レーダで検出された変形速度又は該変形速度の最大値が所定値以上であり、且つ前記加速度検出手段で検出された加速度又は該加速度を時間積分して得られた速度変化量が所定値以上であり、且つ該変形量検出手段で検出された変形量が所定値以上である場合に衝突と判定することを特徴とする衝突検出装置。
  9. 請求項1又は2において、該加速度検出手段の検出加速度と衝突判定基準とに基づいて衝突を判定する判定手段を備えており、
    該判定手段は、前記ミリ波レーダで検出された変形速度に基づいて衝突判定基準を変更するものであることを特徴とする衝突検出装置。
  10. 請求項1又は2において、さらに、前記ミリ波レーダで検出された変形速度と、変形した車両端部付近の既知の変形応力とから該車両の端部付近の変形に要した仕事量を検出する検出手段と、該仕事量検出手段で検出された仕事量に基づいて衝突を判定する判定手段とを備えていることを特徴とする衝突検出装置。
  11. 請求項10において、前記判定手段は、前記仕事量検出手段で検出された仕事量と、該加速度検出手段で検出された加速度とに基づいて衝突を判定するものであることを特徴とする衝突検出装置。
  12. 請求項ないし及び11のいずれか1項において、前記加速度検出手段は、前記ミリ波レーダよりも車両内方に配置されていることを特徴とする衝突検出装置。
  13. 請求項において、さらに、車両の端部付近の変形量を検出する変形量検出手段を備えており、
    前記判定手段は、前記変形速度と該変形量とに基づいて衝突を判定するものであることを特徴とする衝突検出装置。
  14. 請求項13において、該判定手段は、前記ミリ波レーダで検出された変形速度又は該変形速度の最大値が所定値以上であり、且つ該変形量検出手段で検出された変形量が所定値以上である場合に衝突と判定することを特徴とする衝突検出装置。
  15. 請求項13において、該判定手段は、前記ミリ波レーダで検出された変形速度又は該変形速度の最大値と、該変形量検出手段で検出された変形量とのうちの少なくとも一方が所定値以上である場合に衝突と判定することを特徴とする衝突検出装置。
  16. 請求項ないし15のいずれか1項において、前記判定手段は、さらに、衝突規模を判定するものであり、衝突規模に応じ異なった信号を出力する出力手段を備えていることを特徴とする衝突検出装置。
  17. 請求項ないし16のいずれか1項において、前記判定手段は、さらに、衝突形態を判定するものであることを特徴とする衝突検出装置。
  18. 請求項ないし17のいずれか1項において、車両のフレームの前部に高剛性部を介して該高剛性部よりも低剛性の低剛性部が設けられており、該高剛性部のセンサボックスに前記ミリ波レーダが設けられており、
    加速度検出手段が少なくとも該センサボックスに設けられていることを特徴とする衝突検出装置。
  19. 車両の乗員を保持する乗員保護手段と、該乗員保護手段を作動させるための制御手段と、該制御手段に衝突検出信号を与える衝突検出装置と
    を有する安全装置において、
    該衝突検出装置が請求項1ないし18のいずれか1項に記載の衝突検出装置であることを特徴とする安全装置。
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