オフィスにおいては、OA(Office Automation)機器として、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置が使用されている。
画像形成装置は、画像形成装置本体(以下適宜「装置本体」という。)にて感光ドラム(像担持体)上に形成した静電潜像をトナー像として現像し、このトナー像を記録材(例えば、紙,透明フィルム)に転写した後、記録材に定着して画像を形成する。さらに、装置本体と周辺装置とを組合せた画像形成システムとして用いる場合もある。例えば、複写機は、複写をとる複写機本体だけを使用する場合や、複写機本体に自動原稿搬送装置やソータ、ステイプラ等の周辺装置を任意に組合せて複写システムとして使用する場合がある。
ところで、近年、オフィス内での騒音に対する関心が高まってきている。OA機器を稼動することによって発生するモータの駆動音やモータによって駆動される各部の動作音等の稼動音が、騒音になるとして問題視されている。
OA機器は、主に、金属やプラスチック等の各種材質によって形成された各部材によって構成されている。また、OA機器は、機器内の各部を駆動するためにモータ等の駆動源を備えている。このため、OA機器の稼動時には、モータの駆動音やモータによって駆動される各部の動作音等の稼動音等が発生する。
複写機等の画像形成装置においては駆動源であるモータの回転に伴った共振や振動、紙送り時の紙と搬送ローラなどから発生する音、感光ドラムや現像スリーブ等の回転体、原稿面を走査するスキャナの駆動機構のように機械的振動の発生源がある。
このような機械的振動によって発生する音は、近時では、多量のコピーを高速処理するため、モータを含む駆動系の高速回転に連れて益々大きくなる傾向にある。
また、周辺装置にあっては、自動原稿搬送装置では駆動源のモータの回転に伴う騒音や装置筐体の共振が騒音となり、ソータでは紙と搬送ローラの音やコピー紙を揃えるときの作動音が騒音となり、ステイプラでは紙をホチキス止めするときのピン打ちの作動音などが主な騒音となる。これらの騒音は用紙の出入口及び放熱のための開口部などから外部に放出される。
さらに、複写機は様々な紙種に対応するため、駆動モータのトルクが増加傾向にあり、このことによっても騒音が発生する問題もある。複写機では、帯電、転写、分離等の画像形成プロセスを経て、帯電した現像剤を記録材へ転写するため、帯電、転写、分離等において、高圧でかつ高周波数の電位が印加されている。画像の品質を向上させるため、最近、高周波数帯を用いるケースが増えている。一方で、人に不快感を与える問題が生じている。
このように、複写機から発生する様々な騒音によって、事務室内で業務を行う事務員の作業能率の低下させたり、会話の妨げとなったりしていた。
複写機の設置は、一般的に事務室、実験室、さらには会議を行う領域に設けられている。この事務室、実験室等の暗騒音は35〜40dBであり、複写機等の画像形成装置が発生する騒音は稼動時に周辺1m付近で45〜60dBである。画像形成装置は稼動時には待機時に比べて通常、騒音が10〜20dB上がる。
そこで、ユーザは、事務室、実験室の内部には作業領域の騒音を低減するために、パーテーション等が設けられている。
これに対して、複写機では騒音を低減するために、様々な技術が提案されている。
画像形成装置においては、歯車を平歯車から、はすば歯車にしたり、摺動部に特殊な低摩擦係数の材料を用いたり、吸音材を用いてマウントしたり、遮音材や制振材料を用いたりして静音化や防音化を行ってきた。
特許文献1,特許文献2,特許文献3には、回転体や板状体に取り付けたセンサにより振動を検出し、検出した信号をフーリエ変換して回転体等の固有振動の周波数の振動レベルを調べ、装置の異常を表示し、逆位相の振動を与えて振動を抑制する技術が開示されている。
また、特許文献4には、騒音を測定し、かつ消音するで公開されている。
特許文献5には、レーザビームプリンタや、複写機等から発生する騒音に対するマスキング音を発生する発音体と、この発音体を制御するマスキング音制御手段とを設け、騒音発生時にマスキング音制御手段の制御によって発音体から発生させたマスキング音により騒音を目立たなくすることで、騒音による不快感を軽減させるようにした騒音マスキング装置が開示されている。
特許文献6には、紙種に応じてモータトルクを制御する技術が提案されている。操作部により画像形成対象用紙として厚紙が選択された場合は、駆動電流値を厚紙の給紙・搬送に十分なトルクを出力できる設定値に設定し、操作部により画像形成対象用紙として通常紙が選択された場合は、駆動電流値を通常紙の給紙・搬送に十分なトルクを出力できる設定値に設定する制御を行うCPUを有する画像形成装置が開示されている。
特許文献7には、できるだけ騒音を低減するとともに電力消費量の低減も行うようにした画像形成装置を提供するために、複数の冷却ファンと、画像形成装置の使用条件に応じて前記冷却ファンの作動、不作動又はその冷却ファンによって起こされる風の状態を制御する制御部を備えた構成が開示されている。
特許文献8には、マイクロフォンで検知した外部の騒音のデータを平均化し、ROMから読み出したCPM毎の複写動作時騒音データテーブルの値との和を算出し、RAMから読み出した騒音規制値より小さな値のCPMを選択して、そのCPMに従って、メインモータ、スキャナモータを駆動するとともに、帯電チャージャーや転写・分離チャージャーの電位を適正値に制御する画像形成装置が開示されている。
このように、様々な従来技術があるが、騒音は人によって感じ方が異なる。
特許文献9には、客観的な評価基準に基づいて、装置周辺の人間に対して、装置から発生する音に起因する心理的な不快感を緩和することができる画像形成装置及び音質改善方法を得ることを目的とする技術が開示されている。
その構成は、露光走査装置による像坦持体上への露光走査に際して、装置本体から1m離間した位置で測定される装置本体から発生する稼動音のラウドネス値A及びシャープネス値Bに基づいて取得される稼動音の不快指数Sが、S=0.01024269×A2+0.30996744×B−2.1386517となる範囲内に設定されている。したがって、装置の稼動時に発生する稼動音について、当該音の音質を物理量に基づいて評価することが可能になる。
また、騒音を消音したり、低減したりするとともに、ユーザの有無に応じて騒音を制御する技術も提案されている。
複写機周辺に人がいる場合、不快感を与えないため、騒音を低減する必要がある。
従来の画像読取装置として、ユーザが装置に接近したことを検知するセンサ(以下「人検知センサ」という。)を備えているものがある。例えば複写機では、ユーザが所定時間以上、装置に接近しない場合に、自動的に予熱モードにし、また装置が予熱モードになっている場合にユーザが装置に接近すると、予熱モードを解除するように制御している。
特許文献10では、装置の複雑化及びコストアップを招来することなく、原稿サイズの検知及びユーザの接近検知を行えることを目的とする技術が開示されている。ミラーに代えてプリズムを配置し、圧板の斜め上方に光路を切り換えて、人体検知を行う構成としてもよい。
特開平3−144663号公報
特開平3−219266号公報
特開平4−9968号公報
特開平05−249983号公報
特開平9−193506号公報
特開2001−322734号公報
特開平9−281877号公報
特開平6−202402号公報
特開2002−131684号公報
特開平7−110534号公報
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものでない。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
<実施の形態1>
人間の聴覚は、連続的に発生する音よりも、断続的に発生する音等のように変化のある音に対して敏感に反応する。例えば、画像形成装置に使用されるポリゴンミラーの回転数が2000rpmを超えると、ポリゴンモータ(ポリゴンミラーを高速回転させる駆動モータ)の駆動音や、ポリゴンミラーの風切音が顕著に発生する。このため、従来のデジタル複写機のように、画像形成動作を待機している間には発生しないが、画像形成動作に際してのみ発生するポリゴンモータの駆動音やポリゴンミラーの風切音は、画像形成装置の周辺(周囲を含みさらこれよりも広い範囲をいう。以下同じ。)にいる人間に対して、同様の音が連続して発生している場合よりも強い不快感を与えてしまう。
ここで、人間の耳に聞こえる「音」が、「騒音」として聞こえる原因の一つに、音響パワーレベルが挙げられる。音響パワーレベルは、音源から放射される全音響パワーを、基準の音響パワー(1pW)で除した値の常用対数の10倍の値で表される。すなわち、音響パワーレベルは、物理量として表すことができる値である。音響パワーレベルが過度に大きい場合、人間はその「音」を騒音として感じることがある。
しかし、音響パワーレベルが小さい場合にも、「音」が「騒音」として聞こえる場合がある。このような場合、人間の耳に聞こえる「音」が、「騒音」として聞こえる別の原因として、音質が挙げられる。
従来、音質は、物理量とは異なり、「音」を感じとる人間の感覚によって評価されていた。このため、騒音と感じる「音」に対する改善を施した場合にもその評価を「少し改善された」、「かなり改善された」等のようにしか表現することができず、音質についての客観的な評価を行うことができなかった。
これに対し、近年では、音質を評価する物理量として、心理音響パラメータが考案されている。代表的な心理音響パラメータを以下に列挙する。
●ラウドネス(sone):聞こえの大きさ、
●シャープネス(acum):高周波成分の相対的な分布量、トーナリティ(tu)調音性、純音成分の含有量、
●ラフネス(asper):音の粗さ感、
いずれの心理音響パラメータも、値が大きくなる程、人間に対する不快感が増加するとされている。
心理音響パラメータのうち、ラウドネスについては、ISO532Bで規格化されている。ラウドネス以外の心理音響パラメータは、各メーカによって計算方法やそれに基づいて実行するプログラム等が異なるため、同一の音源に対する距離を等しくして、同一の音源から発生される音を測定した場合にもその測定値が若干異なるのが現状である。
音についての客観的な評価を行うためには、音を物理量としてとらえる必要がある。音を物理量としてとらえることにより、従来、人間の主観によって定量的に評価されていた不快感の程度を、物理量に基づいて予測することが可能である。
一般的に、不快指数は、ラウドネス値とシャープネス値とに依存していることがわかっている。例えば、シャープネス値は、特に4000Hz以上の高周波数成分の含有量を示すため、実用上は、4000Hz以上の高周波数成分の含有量を減少させることにより不快指数を小さくすることができる。
高周波成分を低下させることにより、音響エネルギーも低下して聞こえの大きさも小さくなるので、ラウドネス値も低下する。
図1に、本発明を適用することができる画像形成装置の概略構成を模式的に示す。
同図に示す画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置であり、像担持体として、電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)を備えている。感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、感光ドラム1表面を一様に帯電する一次帯電器2、帯電後の感光ドラム1表面を露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像にトナーを付着してトナー像として現像する現像装置4、このトナー像を記録材P上に転写する転写装置5、トナー像転写後の感光ドラム1表面を清掃するクリーニング装置6が配設されている。
上述の記録材Pは、給紙カセット7に収納されていたものが、給紙ローラ8、搬送ローラ9等を介してレジストローラ10に搬送され、このレジストローラ9により、感光ドラム1上のトナー像にタイミングを合わせるようにして供給されたものである。
トナー像転写後の記録材Pは、搬送ベルト11によって定着装置12に搬送され、ここで、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後の記録材Pは、排紙ローラ14によって排紙トレイ15上に排出される。これにより、1枚の記録材Pに対する画像形成(コピー)が終了する。なお、図1中の排紙ローラ14の近傍には、記録材Pを排出するための開口部(排紙口)18が設けられている。
上述の画像形成装置において、画像読み取り部(不図示)によって読み込まれた画像情報は、画像処理部(不図示)によって画像信号に変換される。上述の露光装置3は、この画像信号に応じてレーザ光を発生させ、このレーザ光によって帯電後の感光ドラム1表面を照射(露光)するレーザスキャナ(不図示)を有している。このレーザスキャナは、ポリゴンミラー(不図示)及びこれを高速回転させるポリゴンモータ(不図示)を有している。このポリゴンモータは、高速回転するために、騒音発生源となる。またポリゴンミラーも風切り音(騒音発生源)となる。騒音について、ポリゴンミラー及びポリゴンモータを例に説明する。
特に図示しないが、実験により、不快と感じる4000Hz以上の高波数成分の音の音源は、ポリゴンモータの駆動音やポリゴンミラーの風切音であることがわかっている。
例えば、ポリゴンモータは、相互に嵌合されるスリーブと軸のいずれか一方からなる回転部材と、他方からなる固定部材と、回転部材の回転を支持する動圧空気軸受け又は玉軸受けなどの回転軸受けと、この回転部材に取り付けた永久磁石と、固定部材に設置した環状鉄心に電磁コイルを巻回して構成される磁気回路とを有しており、これらにより回転トルクを発生するポリゴンモータである。なお、軸方向に回転体を保持する磁気軸受けの機能を兼ね備えた磁気回路を有するものである。
ポリゴンモータは、上述のような構成であるため、その始動時に騒音が発生する。この場合のポリゴンモータの回転数の変化に伴い発生する騒音ついて説明する。
図2に示すように、ポリゴンモータの回転数の変化によって騒音が発生し変化する。
図2のタイミングチャートは、画像形成装置の電源を入れてから一連の画像形成が終了するまでのプロセスにおいて発生する騒音の一例を示したものである。横軸は時間(駆動モータの回転距離)、縦軸は騒音量dBである。
この騒音量の変化は、駆動機構の主体の駆動モータの回転数の変化とほぼ同様なものとなる。すなわち、駆動モータの単体の回転数の変化を説明すると、図3に示すようになる。図3において、横軸は時間であり、縦軸は騒音量(dB)でなく、駆動モータの回転数f(Hz)である。この騒音量dB値自身(音の大きさ)は、駆動モータの回転数により変化することはほとんどなく、回転数の変化によって発生する騒音の周波数(音色)の変化が耳ざわりに聞える。
画像形成装置において生産性を高めるため、ポリゴンモータは、一般の駆動モータより高い回転数で使用されるように構成されている。回転数は5000回転以上、場合によっては10000回転以上になる。この場合、ポリゴンモータには立ち上がり時に大きな電流を流し、回転数を急速に上昇させるので、このとき、非常に大きな騒音が発生する。この騒音は回転数の変動に連動した変動音であり、人間の耳には非常に気になる耳ざわりな音で、不快感を与える音である。
その騒音は、回転数に連動した変動音であるが、人間は音の変化に対しては敏感であるので変動に気付く。
この変動音の周波数スペクトルを解析すると、広い周波数帯域になだらかな分布と、いくつかの周波数帯域においてベーススペクトルから突出した鋭いピークとを有しており、その鋭いピークが変動することが分かる。
鋭いピークの中でも音圧レベルが大きい主成分周波数は、数百Hz〜数kHzとなっており、この帯域の周波数の音に対しては、人間の聴覚は感度がよいため、大きな不快感を与える音となっている。
つまり、この音はかん高いと感じる高周波音の変動音であり、その変動に気付いてその音を聞いてしまうと、かん高いことから非常に不快感を与える音であると認識してしまうのである。
図4は、画像形成装置の騒音に対して、ユーザ(使用者、操作者)が感じる不快度をモニターした結果を示す。画像形成装置の停止時、稼動時、電源オン時、などに発生する低周波数帯から高周波数帯の騒音について、10名のモニター(A氏〜J氏)が5段階で評価した。この結果、高周波数帯で不快(評価4以上)を示している割合は10人中6名で、かなり敏感である。さらに、モニターによって各周波数帯の不快度が異なっている。例えば、D氏は低周波数帯で不快を示すが、高周波数帯ではそれほど不快に感じない。A氏,B氏などは、高周波数帯で不快に感じている。一方で、J氏は、低周波数帯、高周波数帯ともに、不快に感じている。このように、騒音に対する感度は、ユーザによって異なっている。
次に、装置本体(画像形成装置本体)の周辺にいる人を検知するための人検知手段について説明する。
周辺環境の障害物(物体)を検知する方法として、超音波方式、赤外線方式、レーザ照射方式、などがある。人の有無を検知する場合、赤外線方式が一般に用いられている。赤外線方式は、障害物の熱を感知し、この障害物が移動したことを感知することにより、人の存在(有無)を検知する方式である。赤外線方式は、一般的な建築物に照明の点灯、消灯や、ドアの開閉などに用いられている。画像形成装置による人検知手段は、前述の従来技術に記したレーザ方式などが用いられている。
一般的に、事務室や家電製品において、人検知手段として、焦電素子を用いた赤外線又は熱線センサが広く用いられている。焦電素子は、熱を一旦、素子の温度上昇に変換し、温度の変化を電荷の変量とする熱電変換素子であって、電荷の変化が生じなければ信号として取り出せないため、焦電素子への熱入力変化を効果的に発生させる必要がある。
その他、被検知体を検知するための焦電素子を利用したセンサとしては、多面体凹面鏡と焦点近傍の焦電素子によるセンサがあるが、収容する筐体が大きい。
また、静止状態の被検知体を検知するには、等価的に被検知体の動きを作るため、焦電素子に入射する赤外線をシャッタでチョッピングするのにモータを用いる方法もある。
本発明では、焦電素子の検知面前方にスリットを設け、このスリットに所定のパターンを生成し、このパターンの種類を被検知体の検知状況に応じて選択し、この選択したパターンを移動させるようにした。これにより、従来のセンサの機械的チョッピング処理を電子化し、装置の小型化と低コスト化を可能した人検知センサを構成することができる。
図5(a),(b)は、本発明の人検知手段の動作を説明する図である。また図6は、人検知手段のブロック図である。被検知体としての人体は、その体温により赤外線又は熱線を放射する。人検知手段は、人検知フィルタ(フィルタ)32、赤外線検知素子(赤外線検知部材)としての焦電素子31、信号処理回路33、コントローラB34等から構成されている。
人検知フィルタ32は、焦電素子31の検知面31aの前方に配置されている。人検知フィルタ32にはコントローラB34の出力により、図7(a),(b)にそれぞれ示すような縦縞状のパターンA、斜縞状のパターンB等の複数のパターンを表示させることができる。人検知フィルタ32は、コントローラB34からの信号を人検知フィルタ駆動ドライバ36、人検知フィルタ駆動モータ35へ送信することで制御され、そのスリット32aの形状が縦縞状のパターンAから斜縞状のパターンBの順に逐次切り替えられる。なお、パターンの切り替えを、適宜、フィルタの切り替えという。
信号処理回路33は、焦電素子31に生じる電荷の変量を電圧に変換し、増幅、ノイズ除去、コントローラB34に適した信号形態への変換等の処理をする。コントローラB34は、信号処理回路33によって処理した検知信号の変化パターンを所定のフローチャートで処理し、被検知体である人体の有無、状態を判断し、人検知フィルタ32の切替信号を出力し、また、人検知フィルタ32を移動させるとともに、信号処理回路33を制御する。
次に、図6に示した人検知手段を含むシステムの動作概要を、画像形成装置に適用した場合を例として説明する。ユーザの人体から放射される赤外線又は熱線が、人検知フィルタ32を通過する。図7は、焦電素子31の検知面31aの前方に配置される人検知フィルタ32に生成されるスリット32aのパターンの例を示したものである。焦電素子31の検知面31aの前方に人検知フィルタ32を配置することによって、図5中の人体Mの像が、図5(a),(b)に示すように、焦電素子31の検知面31a上に人検知フィルタ32に基づくスリット32aの数だけ結像することになる。
人検知フィルタ32、焦電素子31が図5(a)のような位置関係にある場合、人体Mが静止していれば、焦電素子31の検知面31a上には静止した像が得られる。また、人体Mが図5(a)の位置から図5(b)の位置に移動すれば、移動する像が得られる。さらに、人体Mは静止していても、人検知フィルタ32のパターンが所定方向に移動すれば、その複数の像も移動することになる。
したがって、焦電素子31の検知面31aの前面に配置する人検知フィルタ32のパターンを所定の方向に絶えず移動するようにしておくことにより、人体Mが静止した状態にあっても焦電素子31に誘起する電荷は変化するから、人体の検出が可能である。
そして、焦電素子31は特定の赤外線波長域に感応し、赤外線の入射量に応じた電荷を誘起する。
人検知フィルタ32は、以上のような作用を有するもので、コントローラB34によって図7(a),(b)に例示したようなパターンが生成されるとともに、このパターンが適宜の方向へ、適宜の速度で移動するように駆動される。
被検知体である人体Mの動き量が大きい場合はスリット32a,32a間の間隔を広く、動きの少ない場合はスリット32a,32a間の間隔を狭くすることで検知感度の切り替えが可能である。また、この検知感度は動きの方向によって変わるが、絶対検出感度は、焦電素子31の検知面31a上に入射される赤外線量の相対変化量に比例するので、人検知フィルタ32に生成するパターンの開口率を大きくすることが望ましい。
しかし、パターンの開口率が変動すると、入射する赤外線の総入力量の変動が生じるので、人検知フィルタ32のパターンを切り替えても開口率を一定に維持する必要がある。
コントローラB3は、人検知フィルタ駆動ドライバ36へ信号を送り、焦電素子31の検知信号の変化パターンを検知し、後述の図8に示す所定のフローチャートに従って処理し、その判定結果に基づいて人検知フィルタ32を切り替えるように指示し、また適宜の速度で人検知フィルタ駆動モータ35によってパターンを移動するように人検知フィルタ32を駆動する。
上述の各処理を繰り返し、図8のフローチャートに基づく判定結果に応じてコントローラB34より状況検知信号を出力する。そして、装置本体周辺に人が存在すると判断したときは、様々な動作に移る。
次に、コントローラB34により実現される上述の機能を図8のフローチャートに沿って説明する。
人検知手段のスイッチをオンしてスタートすると(図8のステップS1:以下「S1」のように略記する。)、最初に、人検知フィルタ32に形成される複数種のパターンのうち、標準のパターンにする(S2)。
人検知フィルタ32のパターンが上述の標準のパターンであるとき、焦電素子31からの検知信号出力の有無を判断し、検知信号出力が有れば(S3のYes)、検知信号の出現をパターン化して所定時間第1回目のサンプリングをする(S6)。
次いで、所定時間以降の検知信号の出現を第1回目のサンプリングと同様に所定時間第2回目のサンプリングをする。第1回目、第2回目のサンプリングが完了したことを判断し、未完了であれば上述のサンプリングを繰り返す。
サンプリング完了であれば上述の第1回目、第2回目のサンプリング結果を比較し、両サンプリング結果のパターンの差がある閾値の所定範囲内であるか否かを判断する(S7)。閾値以上であれば、人体は活動中、つまり動的であると判断し(S8,S9)、閾値以上でなければ、人体は存在するが静止していると判断する(S10)。
また、サンプリングした信号値の絶対値によって人数を正確に把握することができる(S11〜S14)。ただし、ユーザ同士が接近している場合、精度が低下する可能性もある。
第1回目、第2回目サンプリングパターンの差が所定範囲外であれば、再度パターンのサンプリングを行うことにより、人体の挙動変化が大のとき、人体の状態を判断しない。
上述のS3において、人検知フィルタ32により標準のパターンAを生成している状態のとき、検知信号出力がなければ(S3のNo)、人検知フィルタ32を別のパターンBに切り替える(S4)。複数種すべてのパターンが切り替えられたか否かを判断し(S5)、複数種すべてのパターンが切り替えられてないならば(S5のNo)、再度、検知信号の有無を判断する(S3)。
複数種すべてのパターンを切り替え、残っている人検知フィルタ32が無くなれば(S5のYes)、不在と判断し(S16)、処理を終了する。
このようなフローチャートによって、装置本体周辺の静止している人の有無、及び動いている人の有無を正確に認識することができる。
人検知手段は、装置本体に取り付け、ある時間間隔で周辺の障害物の移動について有無を検知する。人検知手段は、例えば、装置本体の正面と、左右側面と、背面とにそれぞれ取り付け、それぞれの検知に基づく人体Mの移動量を計算し、装置本体周辺の人密度を予測する。
ここで、人密度とは、ある一定期間内に人の移動回数や移動距離、及び静止時間等である。静止した場合の密度を人静止密度、移動して画像形成装置領域に進入した場合の密度を人動作密度とする。
上述の人検知フィルタ方式を用いると、静的人密度、動的人密度を推測することが可能である。例えば、コントローラB34に入力される信号値の絶対値の大きさと、入力される信号の分布によって、何人いるが判断できる。さらに、信号値の変化量と信号の分布から、動的人密度の人数と移動スピードを推定することが可能になる。
一方で、上述の人検知方式を用いずに、ユーザがみずから人密度を設定する方法もある。例えば、装置本体周辺にパーテーションが存在する場合は、装置本体の操作パネル17(図6参照)から操作アプリケーションによって、代表のユーザ又はサービスマンが、検知する時間帯ごとの人密度、例えば、例えば、朝,午前中,正午,午後,夕方,深夜の分類毎に人密度を入力するようにしてもよい。なお、検知する時間帯は、ユーザがみずから決定するようにしてもよい。さらに、月末,年末等、細かく分類することで、各ユーザに適用することが可能になる。
検知距離については、大きくなるほど検知精度が低下し、かつコストが高くなる傾向にある。画像形成装置が設置される環境は、専用の部屋やデスク脇、又は廊下など様々である。したがって、装置本体周辺に常時、人がいない場合は、ユーザの操作側となる、装置本体正面側の1〜2m程度の範囲で検知すればよい。しかし、周辺に人が多数いる場合には、装置本体周辺の全方向について、例えば2mの範囲で検知することが好ましい。
次に、騒音の検知について説明する。
画像形成装置においては、装置本体にはその構造上、記録材の出入口となる開口部(給排紙用の開口部)や放熱用ファンによる放熱のための開口部(放熱用の開口部)があり、これらの開口部から周囲に騒音が放射されることが多い。
そこで、例えば、開口部の1つである排紙口18(図1参照)近傍にマイクロフォン21(騒音検知手段)を取り付け、このマイクロフォン21が騒音を騒音源信号として観測して電気信号に変換する方式がある。
別の騒音の原因としてモータなどの振動が挙げられる。モータなどの振動を振動ピックアップで観測し、例えばメインモータの振動を振動ピックアップで観測して電気信号に変換する。なお、上述のマイクロフォン21と振動ピックアップとは双方とも設けてもよいが、いずれか一方だけを設けるようにしてもよい。
図9に示すように、マイクロフォン21からの騒音源信号は、信号処理回路であるコントローラA24において適切な信号処理を受け、スピーカ(付加音発生手段)25により音波に変換されて出力される。このスピーカ25は、装置本体に対するユーザの操作位置(装置本体の前面)又は操作パネル17に配置されて、ユーザの頭部近傍に音波を照射するようになっている。
コントローラA24を含む信号処理回路は、図9のブロック図に示すように構成されている。
マイクロフォン21からの騒音源信号をノイズ除去フィルタ22を通してアナログ/デジタル(A/D)変換回路23によりA/D変換する。このA/D変換回路23の出力信号WはコントローラA24を通ってデジタル/アナログ(D/A)変換回路27によりD/A変換され、ノイズ除去フィルタ22を通ってパワーアンプ76により増幅された後にスピーカ25により音波に変換される。この際、装置本体内部で発生して消音すべき領域に伝わった騒音からの制御音が互いに打ち消し合うように、コントローラA24を設計する必要がある。
画像形成装置を使用するユーザがいる場所は、様々である。
例えば、ユーザが画像形成装置を操作する際に移動する領域はそれほど大きく変動しない場合や、周辺装置を含めたシステムの構成によってユーザの移動領域が若干異なる場合などがある。
このような場合、画像形成装置の設置時や電源投入時などに、ユーザの移動領域を想定し、1つ又は複数本のマイクロフォン21を設置すべきである。
このマイクロフォン21の出力信号によりコントローラA24の出力信号を決定する。
本実施の形態では、一例として、1つのマイクロフォン21でかつ1つの消音スピーカを用いる場合を例に説明する。
上述の図9に示すように、マイクロフォン21とスピーカ25との間には、ノイズ除去フィルタ22、A/D変換回路23、コントローラA24、D/A変換回路27、パワーアンプ26が設けられている。
マイクロフォン21の設置位置における騒音はマイクロフォン21により観測され、ノイズ除去フィルタ22、A/D変換回路23を伝達関数Aで伝送されてコントローラを伝達関数Wで通過する。
このコントローラA24の出力信号Sは、D/A変換回路27を伝達関数で伝送されてパワーアンプ26により増幅された後に、スピーカ25により音波に変換される。そして、この音波が外界を伝達関数Dで伝送されてマイクロフォン21の設置されている消音領域に伝達されるとともに、外界を伝達関数Dで伝送されてマイクロフォン21の設置されている消音領域に伝達される。
次に、ここで騒音を消音するために発生させる付加音について、時間変化と周波数の関係について説明する。
駆動モータ近傍から発生する音の種類は、前述のように、一般に、駆動モータに流す電流を切り替えるときに電磁コイルや鉄心より発生する電磁音、回転多面鏡と空気との摩擦による風切り音、及び軸と軸受けの機械的な接触による軸受け音の3種類である。
ここでの電磁音は、狭い周波数帯域に鋭くピークを持つ純音に近い音であり、風切り音は、広い周波数帯域になだらかなピークを持つ流体騒音である。また、軸受け音は、玉軸受けを用いている場合に形状や寸法により多くの鋭いピークを持つ純音に近い音であり、空気軸受けではみられず、また、これらの音の周波数は駆動モータの回転数と比例関係にあることが知られている。
このように帯域制限された雑音を、横軸に周波数、また縦軸に雑音成分の強さで表すと、図10に示すような周波数分布(周波数の確率分布)の雑音となる。同図において、実線で示された駆動モータの立ち上がり時に発生する主成分周波数は、周波数f0からf1に変動する。
このとき、主成分周波数は帯域制限された雑音の付加音と判別できなくなるため、主成分周波数の変動が聴覚的に検知されにくくなる。しかも、ここで付加する雑音は、帯域制限されているため、騒音の音量の増加はほとんどなく、このため、いわゆる「うるささ」も聴覚的には検知されにくい。
また、付加音とする帯域制限された雑音を、図11(a),(b)に示すように、雑音の成分の強さが周波数に対して反比例の分布形態を持つようにする。これにより、「(1/f)の揺らぎ」の効果により、一層騒音の増加は聴覚的には検知されにくくなり、聴感的には心地よく聞こえるようになる。
これは、一般的に、変動する周波数に対して変動する強さが反比例する分布形態を持つもの、いわゆる「(1/f)の揺らぎ」を持つものは、人にとって心地よく感じられる傾向にあることが、数多くの研究で明らかになっており、この「(1/f)の揺らぎ」としての効果を利用するものである。
本実施の形態では、操作パネル17から好みに合うように付加音の振幅を設定する信号をコントローラA24に送る。つまり、ユーザが操作パネル17から好みに合うように振幅を設定し、ここから適宜の信号がコントローラA24に送られる。
この信号をコントローラA24により変化させて、スピーカ25から付加音の音波として発生させる。これにより、騒音の主成分周波数よりも聴感的に広帯域な音となるように、帯域制限された雑音を付加する。
ユーザは振幅の設定により、騒音の認識度合いを調整し、ユーザやその周辺の人が主成分周波数による音を認識しない程度に設定する。このため、それぞれの人にあった不快感の抑制を行うことができる。
上述した、騒音検知、人検知結果に応じて、騒音レベルを最適化する消音方式について図12にフローチャートを示す。
ユーザは、装置本体の前面に設置された操作パネル、例えばテンキーと液晶画面とを有する操作パネルによって、騒音の大きさと省エネの優先度とを選択する(S21,S22,S23))。生産性優先が選択されなかった場合、つまり騒音優先度が高い場合(騒音を抑えたい場合)には、騒音低減が行われる(S24)。一方、生産性優先が選択された場合、つまり騒音優先度が低い場合には、自動騒音制御の有無を選択する(S25,S26)。
自動騒音制御の希望があれば(S26)、人検知フローへ進み(S27)、希望がなければ消音制御フローへ進む(S37)
人検知フロー(S27)では、まず、メインコントローラからコントローラBへ信号を送り、人の有無の確認及び静的人密度、動的人密度の値を検知する(S28)。結果、人の確認ができない場合、不在と認識し画像形成装置の騒音を減少させない(S29)。また、人の存在が確認されれば、まず、静的人密度をカウントする(S30)。結果、密度が高い場合(S36)、例えば3人以上の場合、騒音をなるべく低減すべきと判断し、消音制御フローへ進む(S37)。逆に、静的人密度が少ない場合、次に動的人密度をカウントする(S31)。動的人密度が多い場合、人の移動が活発であると判断し(S32)、消音制御を実施しない(S33)。また、動的人密度が少ない場合、例えば5分当たり2人程度であれば、装置本体周辺を通過するユーザが少ないため(S34)、一時的に消音を実施する(S35)。
図13に、静的人密度と動的人密度の組み合わせによる消音制御の方向性を示す。動的人密度が高く、静的人密度が高い場合、人の移動量が多いと判断し、消音レベルを低くする。動的人密度が高く静的人密度が低い場合、装置本体周辺でほとんどの人が移動しているため、消音制御を実施しない。また、動的人密度が低く、静的人密度が高い場合、ほとんどの人が移動しないため、極力消音制御を実施する。動的人密度が低くかつ静的人密度も小さい場合、ユーザへ不愉快さを与えることが無いため、省エネの観点から消音制御を実施しない。
次に、消音制御フローについて説明する。操作パネル17からユーザが、消音したい周波数及び振幅を設定する(図12のS38,S39)。今回は、最も不快感を与える高周波数のみ、又はすべての周波数を除去するか選択する(S40,S45)。全周波数であれば(S45)、コントローラAからすべての周波数を除去する信号を伝達し(S46)、音源となる領域に消音を与える。一方、高周波数のみであれば(40)、まず、マイクロフォンで騒音の周波数と大きさ、つまりシャープネスとラウドネスを検知する。結果、ある一定の閾値と比較し(S41)、閾値よりも小さい場合には、変更しない(S42)。これに対し、閾値よりも大きい場合には、出力する周波数帯と振幅を決定しS43)、さらに消音を与える(S44)。一例として、図11(a)、(b)に全周波数消音波形と高周波数消音波形を示す。
実験結果によると、本実施の形態によれば、「ユーザのニーズにあっているか?」の評価項目では、従来の1.5倍の人が効果ありと判断し、「不快さ」及び「かん高さ」の評価項目では、従来に比べ、約1.21倍の改善効果がみられた。この結果から、人検知及び騒音検知の結果、さらにはユーザのニーズに応じて、騒音レベルを制御することで、生産性を不要に低下させることなく、ユーザへの不快感を低減することができる。
<実施の形態2>
実施の形態2では、人検知及び騒音検知の結果、ユーザの入力に応じて、消音、ポリゴンモータ回転スピード、駆動モータの電流、吸引ファンの回転等を制御するものである。
前述の実施の形態1で説明したように、人検知手段によって、装置本体周辺の静的人密度や動的人密度を正確に検知することができる。また、マイクロフォンによる騒音検知手段によって、消音を効率よく制御することができる。
本実施の形態2では、さらに、上述の2つの制御手段(人検知手段及び騒音検知手段)及びユーザの希望に応じて、騒音の音源でもあるポリゴンモータの回転数や駆動モータの回転数などを制御する実施の形態について述べる。
前述のように、画像形成装置の生産性を向上させるためには、ポリゴンモータの回転数を上げなければならない。一方で、回転数を上げると不快感を与える高周波数が発生する。また、生産性を向上させるために感光ドラムや紙搬送ローラ、現像ローラ等の回転体の回転速度を高くするとともに、騒音が増加することは明瞭である。
他にも騒音の音源が存在する。画像読み取り部であるリーダ、及びファンの騒音について述べる。
画像形成装置の画像読み取り部は、原稿に光を当てる照明部、原稿からの反射光を感光ドラムに案内するためのミラー及びレンズなどにより構成されている。この種の画像読み取り部は、照明部及びミラーを保持するキャリッジ(移動ユニット)を、原稿に沿って移動させることで、原稿の画像を感光ドラムに伝達する。
画像読み取り部、特にキャリッジからの耳障りな音は、ステッピングモータのトルク、モータの巻線電流の大きさ、キャリッジの重量、キャリッジとレールとの間の摩擦、キャリッジとステッピングモータとの間のワイヤ又はベルトの張力、などが複雑に影響していることにより、ステッピングモータが過負荷状態に陥った場合、及びこの逆に、ステッピングモータの駆動力が大きすぎる場合に、特に顕著となる。
また、画像形成装置には、装置本体内の熱を外部に放出するための放熱用ファンや、装置本体内の塵,汚れを除去するための吸引ファンが配設されている。
画像形成装置の熱を低減するために、放熱ファンの出力を増加すると騒音も大きくなる。また、画像形成装置内には、記録材からの紙粉やトナー、コロナ帯電気による放電生成物、摩耗粉などが浮遊している。これらの異物が感光ドラムに付着すると、画像上に白い筋が発生する場合がある。さらに状況が悪化すると、各部品の寿命を低下させるおそれがある。このため、吸引ファンによる装置本体内の浮遊物の除去は非常に重要である。一方で、ファンによる騒音がユーザへ不快感を与えるケースがある。
図14に、メインコントローラ16による各モータの制御ブロック図を示す。メインコントローラ16からの信号に応じて、ポリゴンモータ50を駆動させるコントローラC42をインターフェースとしてポリゴンモータ駆動回路45を制御する。出力値はポリゴンモータ50に伝達され、指定された回転数で駆動する。ステッピングモータA47、ステッピングモータB48、ステッピングモータC49は、インターフェースであるコントローラE41からの信号をステッピングモータ駆動回路144で駆動信号へ変換し駆動している。装置本体内、例えば、一次帯電器の吸引ファンや、定着排熱ファン、現像剤吸引ファンなどのファンA51、ファンB52は、インターフェースであるコントローラD43からの信号をファンモータ駆動回路46で駆動信号へ変換し駆動している。
図15,図16のフローチャートに、人検知、騒音検知、あるいはユーザの希望に応じて、消音したり、ポリゴンモータやステッピングモータや吸引ファンなどを制御して耳障りな音をコントロールしたりする際の流れを示す。なお、図15,図16は、一連のフローチャートであるが、スペースの都合で便宜的に分割してある。
まず、ユーザが操作パネルから生産性の優先度を入力する(S51,S52,S53,S54,S55)。次に、騒音の優先度を入力する(S56)。騒音を現状維持(S57)又は自動で調整したい場合(S58)は、人検知を開始する(S61)。装置本体周辺に人がいなければ(S63,S64)、騒音による不快感を与えることが無いので、生産性を向上させる。本実施の形態では、一例としてポリゴンモータ、駆動モータ、ファンの出力をすべて2倍にしている。この結果、生産性が2倍、つまり単位時間当たりのコピーできる枚数が2倍になる。
次に、周辺に人がいる場合、実施の形態1と同様、静的人密度と動的人密度を検知する。それぞれの人数に応じて消音制御を実施する(S65,S67)。また、さらに、消音にラチチュードがある場合、生産性を向上させかつ消音制御レベルを上げることもできる。本実施の形態では、まず、静的人密度が少なく(S65)、動的人密度が多い場合(S67,S68)、生産性を上げるため(S69)、ポリゴンモータ出力、駆動モータ回転速度、ファン出力をすべて1.5倍にしている(S70)。この結果、生産性も1.5倍に向上する。
動的人密度が少ない場合(S67,S71)、一時的に騒音を低減させて(S72)、消音制御をスタートする(S73)。消音レベルはマイクロフォンの出力結果と目標値、さらにユーザの選択によって、生産性を向上させる(S76,S77)、または特定の周波数(S75)、振幅の消音を発生させる、または全周波数の消音(S81)を発せさせるか選択する。さらに、生産性の優先度を考慮して(S79,S82,S80,S83)、生産性を2倍(S84)、1.5倍(S85)、1.2倍(S86)に分類している。
本実施の形態2によると、前述の実施の形態1に比べ、人検知、騒音検知、ユーザのニーズに応じた、生産性、騒音を制御することができる。特に、騒音も減らしたいが生産性も上げたいユーザにとって、周辺環境の人の密度に応じて騒音、生産性を両立することができるメリットが非常に大きい。
<実施の形態3>
図17は、画像形成装置の帯電、現像、転写分離の高圧信号を制御する制御回路のブロック図である。メインコントローラ16から高圧、シーケンス等を制御するコントローラF61に信号が伝達され、さらにインターフェース62を介して各高圧基板制御回路、すなわち帯電基板制御回路63、現像高圧基板制御回路64、転写分離高圧基板制御回路65に信号が伝わる。そして、それぞれの回路から、高圧電圧成分である交流(AC)電圧66,68,70電圧、直流(DC)電圧67,69,71に分岐し、各電圧を出力させている。
前述のように、高圧の周波数が高いほど、人への不快感が高まる。特に4000Hz以上になると、シャープネスが大きくなり、ユーザからクレームが発生する場合もある。一方で、画像形成における周波数は、非常に大きな意味をもつ。特に現像剤を、帯電状態の感光ドラム上に飛翔させる場合、ある一定以上の周波数を有する高圧を印加することで、高画質を得ることができる。
図18,図19に、実施の形態3のフローチャートを示す。なお、図18,図19は、一連のフローチャートであるが、スペースの都合で便宜的に分割してある。
人検知、騒音検知、モータ制御等は、上述の実施の形態2の図15,図16と同じである。すなわち、図18,図19のS91〜S126は、この順に、図15,図16のS51〜S86に対応しているので、説明は省略する。
本実施の形態3では、消音制御、生産性制御を実施した後に、ユーザが操作パネル17から画質モードを選択する(図19のS127)。その結果に応じて、高画質モード(S128)、普通モード(S129)、騒音対応モード(S130)を設けている。
高画質モードでは、周波数を高めに設定することで、普通モードに比べ、画像の粒状性や孤立ドット再現性が格段に向上する。一方で、高周波数を出力する欠点がある。しかし、図示していないが、消音制御との両立から、新たに発生した周波数帯を消音することも可能である。
騒音対策モードでは、帯電、現像、転写分離の各周波数を普通モードに比べ下げている。この結果、画質は低下するが、気になる高周波数を出さないというメリットがある。さらに、図示していないが、画質より生産性を優先し、しかし騒音が気になる場合は、生産性を数倍に上げ、消音制御を最大出力にして、騒音を極力低減することが可能である。
本実施の形態によると、実施の形態2に比べ、高圧の制御を実施することで、ユーザのニーズに応じた画質の設定、騒音の設定を適切に行うことができる。
なお、図20に示すブロック図は、上述の実施の形態1〜3における、メインコントローラ16と、各コントローラA24,B34,C42,D43,E41,F61との関係を示すブロック図である。