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JP4312376B2 - 茄子漬け方法 - Google Patents
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JP4312376B2 - 茄子漬け方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、茄子漬け方法に関するものであって、特に、袋詰めされた茄子漬け製品段階において、その調味液中には色の溶出を無くし、漬け茄子に本来の天然色が十分に維持され続けたまま透視できて商品価値を高めることができるようにした、新規な茄子漬け方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
生活スタイルが洋風化され、多様な食べ物の摂取が容易になっている現在でも、我が国伝統の各種漬け物は、未だ根強い人気のある惣菜として店頭を飾り、各家庭による漬け物とは別に、多くの家庭の食卓を賑わわせている。この店頭に並べられる漬け物は、消費者の趣向に応え、消費を拡大する目的から、その多くが透明またはそれに近い包装容器に入れられ、内容物である漬け物が透視できるようにして素材の質感や形、色付け具合等の確認が即座に可能となるようにし、農薬や食用色素使用の有無に敏感に反応する等、健康志向の高い消費者からの安心、納得が得られるよう、野菜素材の選択は勿論のこと、その製造方法から包装形態に至るまで、最善の工夫、努力が払われて製品化されている。
【0003】
しかし、このようなメーカー側の努力にも拘わらず、例えば茄子漬けの場合を例に取れば、仮令それが茄子本来の色素に由来して漬け汁が着色されてしまっていたとしても、その色は、消費者にとっては不自然な色に映り、着色料を使用して着色されているものとの誤解を生じる危険性が極めて高く、結果として購買意欲を殺ぎ、消費に繋がっていかないという傾向が見られることから、最近の茄子漬け、特に浅漬け茄子については、袋詰めする際の調味液に茄子からの色が溶出してしまわないようにした商品開発が主流となっている。
【0004】
その代表的な先行技術の一つに、塩およびミョウバンを含有し、pH6〜10の中性からかなり強いアルカリ性溶液とした塩浸漬液に茄子またはその切片を漬ける工程と、その工程によって得られた茄子またはその切片を、ミョウバンおよびサイクロデキストリン類を含有する水溶液であって、浸透圧を800〜1800ミリオズモメーター単位になるようにした保存液に浸漬する工程とを含むナス漬け物の製造方法を提案する特開2000−166465号発明を見い出すことができる。
【0005】
この発明は、茄子漬けの色出しとして従来から最も一般的な技術手段となってきていたミョウバン添加が、過剰のミョウバンを塩漬液中に溶解させ、ミョウバンのpH値降下作用によってpH6以下になってしまい、そのような従前からのpH値の最終調味液では、内容物である漬け茄子がよく見えなくなるほどに茄子紺色素が溶出してしまったり、色移りによって茄子果肉の色までをも茄子紺色に変色させてしまう等して、最近の消費者ニーズに呼応せず、漬け物としての商品価値を落としてしまうという問題に対処するため、逆にミョウバンの溶解を鈍らせて、茄子からの色素の溶出を抑止できることに繋がるpH6〜10という中性以上の調味液中に漬け茄子を保存するようにした手段を提案するものとなっている。
【0006】
この発明によれば、確かに茄子が本来有している天然の色合いを維持し、かつ調味料を含む保存液へのキレート色素の溶出や果肉への色移りを起こさないようにした茄子の漬け物を製造することを可能にするものではあるが、荒漬け、即ち塩浸漬段階で微生物の発生を惹起し易く、この荒漬け工程においてある程度のストックをしておくことが不可能になって製造ラインに無理が掛かる上に、pH6〜10では、茄子漬けの最大の特徴である「茄子紺」の発色を悪くして斑状発色となりがちで、それを改善しようとしてミョウバンを加えると、ミョウバンにはpH値を下げてしまう作用があることから、pH6〜10に維持する目的との兼ね合いがあって、その使用量に制約を受けてしまって十分な発色をこの段階で促し難いという問題が付きまとうことになる。
【0007】
そのため、この手段によるものでは、次の保存液への浸漬段階に、その発色ムラを補う目的で保存液中にミョウバンを添加せざるを得ないことになり、その結果、製品段階となる保存液中に、ナス果皮に含まれるアントシアニン系天然色素ナスニンとキレートとを形成してしまって青紫色に発色することとなり、大きく商品価値を損なうという弊害も伴うものであり、それを押さえるために浸透圧を規制したものとしなければならないとすれば、製造工程全体が極めて煩雑なものになってしまい、それだけ効率の悪い製造方法になって実用性を欠くことになる。
【0008】
この発明は、既に提案済の上記した茄子漬け方法の欠点に鑑み、従前から一般的に採用されてきているpH6以下の最終調味液中であっても茄子からの色素の溶出を抑制することができるようにし、製造工程にできるだけ煩雑さを無くして十分な茄子紺の発色が可能になり、しかも製品化段階における調味液中には、キレート色素の溶出や果肉への色移りを起こす危険性があるミョウバンの使用を、色出し目的として一切必要無くなるようにする茄子漬け方法の開発、研究に逸早く取り組み、様々な試行錯誤と共に、数多くの実験とを繰り返してきた結果、遂に茲にきて、以下において詳述するとおりの新規な茄子漬け方法の実現化に成功したものである。
【0009】
【発明の構成】
この発明の茄子漬け方法は、基本的に次のとおりの特徴ある新規な構成を要旨とするものである。
即ち、漬け物原材料の茄子を、pH3ないし5程度の塩漬液中で荒漬けし、塩分調整して得られる浅漬け風漬け茄子を、少なくとも適量のキトサンを含む調味液の適量と共に袋詰めすることにより、賞味期間中、袋内の調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにした茄子漬け方法である。
【0010】
この基本的な構成からなるこの発明の茄子漬け方法を、より具体的なものとして示せば、漬け物原材料の茄子を、pH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整した塩漬液中で荒漬けした後、それら荒漬け茄子が、出来上り塩分濃度で略3%以下に揃うよう塩分調整されて得られる浅漬け風とした漬け茄子を、少なくとも適量のキトサンを含む透明調味液の適量と共に袋詰めすることにより、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにした構成を要旨とする茄子漬け方法である。
【0011】
換言すれば、漬け物原材料の茄子を、pH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整して色出し用としてのミョウバン使用量に制限をなくした塩漬液中で荒漬けして十分に色出しした後、それら荒漬け茄子が、出来上り塩分濃度で略3%以下に揃うよう塩分調整されて得られる浅漬け風とした漬け茄子を、改めて色出ム、マグネシウム、アンモニウム等によって呈味に影響する虞れがある上、その後の工程の塩分調整時間にも影響を及ぼすことになるため、漬け物原材料としての茄子の品質やサイズ、あるいは品種等といった素材性状を十分に考慮し、最適な濃度のものを採用する必要があり、一般的には略7重量%程度とするのが望ましいといえる。
【0017】
この荒漬けは、茄子の品質やサイズ、あるいは品種の外、ヘタの有無、丸のままか切片に切断調理されているかどうかや、浸漬温度等の条件によっても異なるが、長くても四日間ほどの期間に渡り、茄子が浮き上がらないようオモシをした上、0ないし10℃程度の温度範囲内に管理して漬け込むようにする必要があり、この段階において、漬け物原材料としての茄子全てが、味に対する影響以外では特にその使用量に制約を受けないミョウバン有効量の使用が可能になることから、ムラを生じさせることなく十分に均質化され、艷やかな「茄子紺」に色出しされることになる。
【0018】
荒漬けによって漬け込まれた荒漬け茄子は、1ないし4日(茄子の品質や大きさその他の条件等によって30分程度位までの短時間で済ます場合も含まれている。)の中に取り出され、次の塩分調整のために洗浄し、塩漬液と共に異物、例えば千切れたヘタ部分や果皮、それに紛れ込んだゴミその他をきれいに除去してから、適宜処理液中で塩分調整をして出来上り塩分濃度で略3%程度、最適には2.5%程度に揃える工程を経ることにより、浅漬け風としてなる漬け茄子とする。
【0019】
こうして塩分調整され、しかも十分な色出しが済んでいる浅漬け風の漬け茄子は、少なくとも色素溶出防止剤としてのキトサンの適量、例えば後述の実施例のように、5%キトサン含有製剤を液比で略0.03%程度の微量を含むものとし、改めて色出し用としてのミョウバンの使用の必要性を無くした(但し、「茄子紺」色を安定させる目的での使用までを排除している訳ではなく、この目的でミョウバンを使用する場合には、当然茄子からの色素の溶出を促す虞れのない最せず、温度0ないし10℃程度に管理して漬け込み、十分に色出しをした荒漬け茄子とする工程。
【0014】
[第三工程]
遅くとも4日間程度の中の最適な時期で、荒漬け茄子の出来上り塩分濃度が略3%以下に達した段階に取り出し、洗浄して塩分調整された浅漬け風の漬け茄子とする第三工程
[第四工程]
それら漬け茄子を、少なくとも色素溶出防止剤としての5%キトサン含有製剤を液比で略0.03%程度の微量と、サイクロデキストリン液比で略0.5%程度とを含ませるものの、改めて色出し用としてのミョウバン使用の必要性を無くした透明調味液の同量ないし半分程度と共に袋詰めし、出来上り塩分濃度で略2.5%程度に調整され、温度0ないし10℃程度に管理してなる茄子漬け製品とする工程。
【0015】
荒漬けは、集荷した茄子を洗浄して汚れや異物を除去した上で漬け物原材料(これには、丸のままの茄子に加え、適当な大きさに調理加工された切片状の茄子を含む。)を、従前から採用されてきているあらゆる公知の酸化防止兼pH緩衝剤の適量、例えばアスコルビン酸やアスコルビン酸Na、またはNa塩等であれば、後述の実施例に取り上げているとおり、塩水に対する液比において略0.025%程度の微量を添加してpH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整すると共に、色出し用としてのミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)を、味に支障を来す虞れのない範囲で十分な色付けに有効な使用量、例えば実施例にも取り上げているように、塩水に対する液比で略0.25%程度を加えてなるものとした、濃度略5ないし10%程度の中の最適濃度の塩漬液中に漬け込む工程となる。
【0016】
なお、この荒漬け段階に用いる塩漬液は、その塩分濃度によっては漬け物としての果肉食感に影響が出たり、塩分に含まれる陽イオン成分、特にカルシウム、マグネシウム、アンモニウム等によって呈味に影響する虞れがある上、その後の工程の塩分調整時間にも影響を及ぼすことになるため、漬け物原材料としての茄子の品質やサイズ、あるいは品種等といった素材性状を十分に考慮し、最適な濃度のものを採用する必要があり、一般的には略7重量%程度とするのが望ましいといえる。
【0017】
この荒漬けは、茄子の品質やサイズ、あるいは品種の外、ヘタの有無、丸のままか切片に切断調理されているかどうかや、浸漬温度等の条件によっても異なるが、長くても四日間ほどの期間に渡り、茄子が浮き上がらないようオモシをした上、0ないし10℃程度の温度範囲内に管理して漬け込むようにする必要があり、この段階において、漬け物原材料としての茄子全てが、味に対する影響以外では特にその使用量に制約を受けないミョウバン有効量の使用が可能になることから、ムラを生じさせることなく十分に均質化され、艶やかな「茄子紺」に色出しされることになる。
【0018】
荒漬けによって漬け込まれた荒漬け茄子は、1ないし4日(茄子の品質や大きさその他の条件等によって30分程度位までの短時間で済ます場合も含まれている。)の中に取り出され、次の塩分調整のために洗浄し、塩漬液と共に異物、例えば千切れたヘタ部分や果皮、それに紛れ込んだゴミその他をきれいに除去してから、適宜処理液中で塩分調整をして出来上り塩分濃度で略3%程度、最適には2.5%程度に揃える工程を経ることにより、浅漬け風としてなる漬け茄子とする。
【0019】
こうして塩分調整され、しかも十分な色出しが済んでいる浅漬け風の漬け茄子は、少なくとも色素溶出防止剤としてのキトサンの適量、例えば後述の実施例のように、5%キトサン含有製剤を液比で略0.03%程度の微量を含むものとし、改めて色出し用としてのミョウバンの使用の必要性を無くした(但し、「茄子紺」色を安定させる目的での使用までを排除している訳ではなく、この目的でミョウバンを使用する場合には、当然茄子からの色素の溶出を促す虞れのない最小値に規制しての添加としなければならない。)透明調味液の適量と共に袋詰めし、出来上り塩分濃度で略3%以下の茄子漬けとするものであり、したがって、この段階では、ミョウバン使用の必要性が無いか、仮令使用したとしても、色安定のための最小量に規制した添加とするため、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を殆ど確実に抑制できるものとなる。
【0020】
キトサンは、2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコース(グルコミサン)のβ(1→4)結合多糖類の化学構造されるが、一般には、2−アセトアミノ−2−デオキシ−D−グルコース(N−グルコミサン)のβ(1→4)結合多糖類であるキチン(Citin)の脱アセチル化合の中で、糖鎖中におけるグルコミサン残基の割合(脱アセチル化度)が60%程度以上で、希酸に可溶なものの総称であり、海老の甲殻類や、バッタ、蝉等の昆虫類の外骨格の構成成分として自然界に広く存在するキチンを脱アセチル化することによって得られる高分子化合物であって、天然高分子としては唯一の塩基性ホモ多糖類で、セルロース様の構造をもつ食物繊維の白色ないし淡黄色粉末体として知られる。
【0021】
このキトサンが、血中コレステロール改善作用や整腸作用、血圧調整作用等の生理作用をもち、増粘安定剤、粉末乾燥成分の流動性の改良、嵩の増加、テクスチャー、改善等をもつ物質として、医薬品や化粧品等の分野への応用が既に図れている外、その有機酸(酢酸や乳酸、ギ酸、アスコルビン酸、リンゴ酸等)水溶液は、抗菌活性、カビの生育抑制作用があることから、食品用として、天然系の安全な保存料としての利用も既に公知となっている。
【0022】
したがって、既に白菜やキュウリその他野菜の浅漬けに際し、微生物制菌用の安全な保存剤として既に広く活用されるところとなっているのものではあるが、この発明における極めて重要な構成としての色素溶出防止剤としての作用について報告する文献は全く見出せず、勿論その目的で活用された事実についての存在も知るところではなく、一旦十分に色出しした後、洗浄してしまった浅漬け風の漬け茄子を透明な調味液中に保存した際、色付き漬け茄子からの色素の溶出が抑制されるキトサンの作用を、特に茄子漬けのように際立った着色現象を示す漬け物の色素溶出抑制手段に組み入れた茄子漬け方法の構成は、極めて新規且つ有用ということができる。
【0023】
このキトサンの色素溶出抑制作用が、キトサン物質構造の何に起因してもたらされているものであるかについては、勿論報告がないことから、今後の解明を待つしかないが、実験結果からは、一旦色出しを終えて洗浄し、塩漬液と共に表面の色素を荒い落とし、新たな透明調味液(保存液)中に溶出する色素の程度を少なくした状況下では、殆どそれ以上の色素の溶出が見られない現象を確認済みであって、推測の域を出ないものの、透明調味液中に溶出した低度の色素は、透明調味液中に分散状とならず、何等かの作用で凝縮するかしてしまい、分散状となっていれば光を反射して着色した液体に見える筈のものが、結果として殆ど着色状の液体に見えなくなっているのではないかとの予想が成り立つ。
なお、この段階の色素溶出防止作用をより確実にし、且つまた微生物の制菌作用としても有効になるよう、適量のキトサンにサイクロデキストリンの適量を併用することも有効であることを確認している。
【0024】
袋詰め段階に使用される透明調味液は、内容物である浅漬け風の漬け茄子の質感が、調味期間中も外部からきれいに透視できるようにする必要があるため、使用する調味料にはそれらの条件を満たすものが選択、採用される必要があり、例えば、後述する実施例の如くに、食塩や醤油、アミノ酸、りんご酸、酸味料等の各種調味料の適量と共に、味付け目的としてその他の有機酸、例えば、アジビン酸やグルコン酸、グルコノデルタラクトン、コハク酸とそのナトリウム塩、酢酸とそのナトリウム塩、酒石酸とそのナトリウム塩あるいはカリウム塩、乳酸とそのナトリウム塩、カリウム塩、あるいはカルシウム塩、フマル酸とそのナトリウム塩、リンゴ酸とそのナトリウム塩、クエン酸とそのナトリウム塩、カリウム塩の一種または適宜組合せでの使用や、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等を単独または適宜組み合わせて使用することも可能となる外、酸化防止目的でアスコルビン酸およびそのナトリウム塩の適量を添加することもできる。
【0025】
【関連する発明】
上記のとおりの基本的な構成からなるこの発明の茄子漬け方法に関連し、この発明には、次のとおりの構成の茄子漬け方法を包含する。
即ち、漬け物原材料の茄子を、pH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整した塩漬液中で荒漬けした後、それら荒漬け茄子が、少なくとも適量のキトサンを色素溶出防止剤として含ませてなる処理液中に所定時間漬け込まれ、出来上り塩分濃度で略3%以下に揃うように塩分調整されて得られる浅漬け風とした漬け茄子を、適宜透明調味液の適量と共に袋詰めすることにより、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにした構成を要旨とする茄子漬け方法である。
【0026】
そして、より具体的な構成によるものとして示せば、漬け物原材料の茄子を、pH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整して色出し用としてのミョウバン使用量に制限をなくした塩漬液中で荒漬けして十分に色出しした後、それら荒漬け茄子が、少なくとも適量のキトサンを色素溶出防止剤として含ませてなる処理液中に所定時間漬け込まれ、出来上り塩分濃度で略3%以下に揃うように塩分調整されると共に、予め微生物の繁殖を抑止され、且つ十分に色出しした状態にして得られる浅漬け風とした漬け茄子を、改めて色出し用としてのミョウバン使用の必要性を無くした適宜透明調味液の適量と共に袋詰めすることにより、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにした茄子漬け方法ということができる。
【0027】
更に具体的には、洗浄して汚れや異物を取り除いた漬け物原材料の茄子を、適量のミョウバンと、適量のアスコルビン酸やアスコルビン酸Na、またはNa塩等の酸化防止兼pH緩衝剤とを添加してpH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整した濃度略7%程度の塩漬液中で、浮き上がらせることなく漬け込んで十分に色出しして荒漬け茄子を製造した後、遅くとも4日間程度の中の最適な時期で、荒漬け茄子の出来上り塩分濃度が略3%以下に達した段階に取り出し、洗浄してから、少なくとも適量のキトサンを色素溶出防止剤として含ませてなる処理液中に漬け込まれ、遅くとも2日間程度の中には取り出されて塩分チェックされた上、出来上り塩分濃度で略3%以下に揃うように塩分調整されると共に、予め微生物の繁殖を抑止され、且つ十分に色出しした状態にして得られる浅漬け風とした漬け茄子を、改めて色出し用としてのミョウバン使用の必要性を無くした適宜透明調味液の適量と共に袋詰めすることにより、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにした構成を要旨とする茄子漬け方法となる。
【0028】
そして、最も望ましい工程による、次のとおりの第一ないし四工程、特に第三工程と第四工程とを、前記したこの発明の基本的な構成による茄子漬け方法と異にするものとした茄子漬け方法によっても、賞味期間中、袋内の調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止することができるようにした茄子漬け方法とすることができる。
即ち、第一工程と第二工程とは、前記したこの発明の基本的な構成による茄子漬け方法と同じ工程によるものとする。
【0029】
[第三工程]
遅くとも4日間程度の中の最適な時期で、荒漬け茄子の出来上り塩分濃度が略3%以下に達した段階にはそれら荒漬け茄子を取り出し、洗浄して異物を除去した上、少なくとも色素溶出防止剤としての5%キトサン含有製剤を液比で略0.06%程度の微量と、サイクロデキストリン液比で略1%程度とを含ませ、略0.025%程度の微量のアスコルビン酸やアスコルビン酸Na、またはNa塩等の酸化防止兼pH緩衝剤を添加した処理液中に漬け込まれ、遅くとも2日間程度の中には取り出され、洗浄して異物を除去して塩分チェックされた上、出来上り塩分濃度で略2.5%程度に揃うように塩分調整されると共に、予め微生物の繁殖を抑止され、且つ十分に色出しした浅漬け風の漬け茄子とする工程。
【0030】
[第四工程]
上記工程によって十分に色出しした浅漬け風の漬け茄子を、改めて色出し用としてのミョウバン使用の必要性を無くした適宜透明調味液の同量ないし半分程度と共に袋詰めし、出来上り塩分濃度で略2.5%程度に調整され、温度0ないし10℃程度に管理してなる茄子漬け製品とする第四工程。
【0031】
この発明の基本をなす茄子漬け方法に関連する上記した構成の茄子漬け方法においては、基本をなす茄子漬け方法の場合と異なり、荒漬け段階と袋詰め段階の間に、塩分調整も兼ねた手段として、袋詰めする浅漬け風の漬け茄子を、予め色素溶出防止処理として、少なくとも適量のキトサンを色素溶出防止剤として含ませてなる処理液中に漬け込む前処理を実施してしまうものであり、袋詰めに際して使用する透明調味液中には色素溶出防止剤としてのキトサンを添加する必要がなく、この手段によるものでも、前記したこの発明の基本をなす茄子漬け方法の場合と略同様に、賞味期間中、袋内の調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出が抑制されてしまうことを確認済である。
【0032】
この手段による茄子漬け方法の場合、基本的な発明による茄子漬け方法のように、透明調味液に添加、混入したキトサンが何等かのメカニズムで凝縮作用を及ぼすのではなく、前記同様に推測の域を脱していないが、前処理段階で漬け茄子表皮から果肉の一部にまでキトサンが含浸し、洗浄工程を経た後にもそれらの部分に一部そのまま含浸状となって透明調味液と共に封入され、漬け茄子表皮から遊離、溶出し易かった色素分子を凝縮状として止め、透明調味液中に溶出し難くしている結果ではないかと予想される。
なお、この茄子漬け方法の場合にも、基本的な発明による茄子漬け方法と同様、この色素溶出防止作用をより確実にし、且つまた微生物の制菌作用としても有効になるよう、適量のキトサンにサイクロデキストリンの適量を併用すべきである。
【0033】
【実施例1】
集荷した茄子を洗浄して汚れや異物を取り除いた漬け物原材料を、液比で0.25%のミョウバンと、0.025%のアスコルビン酸とが添加され、pH3.8に調整した濃度7%の塩漬液中に、当該塩漬液と略同重量のものとして投入し、茄子を浮き上がらないようにオモシした状態にし、温度10℃程度に管理して漬け込み、4日間程度の中で、漬け物原材料の性状から推して、出来上り塩分濃度が略2.5%当りに達したと経験的に判断した段階に荒漬け茄子を取り出して洗浄し、塩漬液と共に異物等をきれいに除去して浅漬け風の漬け茄子を製造する。
【0034】
その後、それら漬け茄子を、全くミョウバンは添加せず、色素溶出防止剤としての5%キトサン含有製剤、例えば「キトクリアー」(焼津水産化学工業株式会社製製品)を液比で0.03%と、それを強化するサイクロデキストリン液比で0.5%、それに食塩0.5%(浅漬け風漬け茄子の出来上り塩分濃度が略2.5%よりも高いときには、この割合を減らし、逆のときには増やすよう調整する必要がある。)、調味料としての醤油0.05%とアミノ酸1%、酸味料0.2%、酸化防止剤としてのアスコルビン酸0.1%とを含ませた、漬け茄子と略重量に計量した透明調味液と共に透明袋に袋詰めして茄子漬け製品とし、温度10℃程度に管理、流通するようにすることにより、内容物としての漬け茄子の出来上り塩分濃度が略2.5%程度に調整されいて、しかも賞味期間中も、袋内の透明調味液が青紫色に着色することがなく、微生物の繁殖も抑止するようにした茄子漬け方法を実施する。
【0035】
【実施例2】
前記実施例1と同様にして荒漬け茄子まで製造した後、色素溶出防止剤として5%キトサン含有製剤、例えば「タックルK−100」(株式会社協和発酵社製製品)を液比で0.06%と、その補助剤としてサイクロデキストリンを液比で1%とを含み、酸化防止兼pH緩衝剤としてアスコルビン酸Naを液比で0.025%添加してなる3%塩水からなる処理液中に、前記工程で製造した荒漬け茄子を略同重量分だけ漬け込み、遅くとも2日間程度の中で、それら荒漬け茄子の出来上り塩分濃度が略2.5%程度に塩分調整されたと判断した時期に取り出し、洗浄して塩漬液、異物等を除去すると共に塩分チェックをし、浅漬け風漬け茄子を製造する。
【0036】
続いて、浅漬け風とした漬け茄子を、重量比で、食塩0.5%(浅漬け風漬け茄子の出来上り塩分濃度によって適宜増減調整する。)、調味料としての醤油0.05%やアミノ酸1%、酸味料0.2%、必要に応じて酸化防止剤としてアスコルビン酸0.1%程度からなり、ミョウバンは一切添加されていない透明調味液中に、その重量で略半分程度となる量にして袋詰めし、内容物である漬け茄子出来上り塩分濃度が略2.5%程度に調整されるようにし、且つ温度10℃程度に管理して茄子漬け製品とするようにした茄子漬け方法である。
【0037】
【作用効果】
以上のとおりの構成を要旨とするこの発明の茄子漬け方法は、既に提案済となっているpH6〜10の中性からかなり強いアルカリ性溶液とした塩浸漬液に茄子またはその切片を漬け、それら茄子またはその切片を、更にミョウバンおよびサイクロデキストリン類を含有する水溶液であって、浸透圧を800〜1800ミリオズモメーター単位になるようにした保存液に浸漬するようにしたナス漬け物の製造方法のように、製造工程が煩雑となって実用性に欠けるという欠点を解消できるよう、従前からの茄子漬け方法で繁用されていたpH3ないし5、特にpH3.8といったかなり強い酸性を示す塩漬液中で、漬け物原材料である茄子全ての発色を確実に実現し、新たに知見したキトサンの色素溶出防止作用を利用して、それら十分に発色済とした漬け茄子でも、透明調味液中で殆ど色素を溶出した状態には外見できないようにする新規な茄子漬け方法を実現し得たものであり、従前からの製造方法を略踏襲できる極めて簡便な製造方法によって極めて効率的に茄子漬けをすることができ、しかも、最近の消費者ニーズに呼応した商品価値のある漬け茄子を安価に提供することができるという大きな特徴を有するものである。
【0038】
特に実施例に取り上げた各茄子漬け方法は、上記した特徴を確実に実施、実現するを確認済とするものであり、直ぐにでも実用化することができるという利点がある上、袋詰めした透明調味液の中に、先行する発明のように、高いpH値に維持するために食品添加物としてのリン酸塩を含ませる必要は一切なく、それら提案済の手段によるものでは、資材コストを高めて単価に影響を及ぼしてしまうと同時に、日本人に少ないとされるカルシウムの吸収を疎外し、健康上に支障を来す元をなしてしまうといった心配等も一切無用となる極めて安全な健康食品としての漬け茄子を提供できることになるという秀れた効果が期待できるものとなっている。
【0039】
叙述の如く、この発明の茄子漬け方法は、その新規な構成によって所期の目的を普く達成可能とするものであり、それまでの漬け茄子の製造手段を殆ど踏襲可能とするものであって、当然製造が簡便なものとなり、それだけ安価であって、しかも、天然の安全な食品添加剤によって製造可能とするものとなることから、厳しい競争関係に置かれている漬け物業界からは固よりのこと、何よりも最近益々健康志向にこだわる一般消費者から高い評価がなされ、広く普及していくものになると予想される。

Claims (3)

  1. 漬け物原材料の茄子を、pH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整して色出し用としてのミョウバン使用量に制限をなくした塩漬液中で荒漬けして十分に色出しした後、それら荒漬け茄子が、色素溶出防止剤としての5%キトサン含有製剤を液比で略0.03%程度の微量と、サイクロデキストリン液比で略1%程度とを少なくとも含ませてなる処理液中に所定時間漬け込まれ、出来上り塩分濃度で略3%以下に揃うように塩分調整されると共に、予め微生物の繁殖を抑止され、且つ十分に色出しした状態にして得られる浅漬け風とした漬け茄子を、改めて色出し用としてのミョウバン使用の必要性を無くした状態で適宜透明調味液の適量と共に袋詰めすることにより、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにしたことを特徴とする茄子漬け方法。
  2. 洗浄して汚れや異物を取り除いた漬け物原材料の茄子を、適量のミョウバンと、適量のアスコルビン酸やアスコルビン酸Na、またはNa塩等の酸化防止兼pH緩衝剤とを添加してpH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整した濃度略7%程度の塩漬液中で、浮き上がらせることなく漬け込んで十分に色出しして荒漬け茄子を製造した後、遅くとも4日間程度の中の最適な時期で、荒漬け茄子の出来上り塩分濃度が略3%以下に達した段階に取り出し、洗浄してから、色素溶出防止剤としての5%キトサン含有製剤を液比で略0.03%程度の微量と、サイクロデキストリン液比で略1%程度とを少なくとも含ませてなる処理液中に漬け込まれ、遅くとも2日間程度の中には取り出されて塩分チェックされた上、出来上り塩分濃度で略3%以下に揃うように塩分調整されると共に、予め微生物の繁殖を抑止され、且つ十分に色出しした状態にして得られる浅漬け風とした漬け茄子を、改めて色出し用としてのミョウバン使用の必要性を無くした状態で適宜透明調味液の適量と共に袋詰めすることにより、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにしたことを特徴とする茄子漬け方法。
  3. 集荷した茄子を洗浄して汚れや異物を取り除き、漬け物原材料とする第一工程、液比で略0.25%程度のミョウバンと、略0.025%程度の微量のアスコルビン酸またはNa塩とが添加され、pH3ないし5程度の比較的強い酸性液に調整した濃度略7%程度の塩漬液中に、当該塩漬液と略同重量の原材料の茄子を投入し、茄子を浮き上がらせず、温度0ないし10℃程度に管理して漬け込み、十分に色出しをした荒漬け茄子とする第二工程、遅くとも4日間程度の中の最適な時期で、荒漬け茄子の出来上り塩分濃度が略3%以下に達した段階にはそれら荒漬け茄子を取り出し、洗浄して異物を除去した上、色素溶出防止剤としての5%キトサン含有製剤を液比で略0.06%程度の微量と、サイクロデキストリン液比で略1%程度とを少なくとも含ませ、略0.025%程度の微量のアスコルビン酸やアスコルビン酸Na、またはNa塩等の酸化防止兼pH緩衝剤を添加した処理液中に漬け込まれ、遅くとも2日間程度の中には取り出され、洗浄して異物を除去して塩分チェックされた上、出来上り塩分濃度で略2.5%程度に揃うように塩分調整されると共に、予め微生物の繁殖を抑止され、且つ十分に色出しした浅漬け風の漬け茄子とする第三工程、それら漬け茄子を、改めて色出し用としてのミョウバン使用の必要性を無くした状態で適宜透明調味液の同量ないし半分程度と共に袋詰めし、出来上り塩分濃度で略2.5%程度に調整され、温度0ないし10℃程度に管理してなる茄子漬け製品とする第四工程、以上第一ないし四工程により、賞味期間中、袋内の透明調味液に浅漬け茄子からの色素の溶出を抑制すると共に、微生物の繁殖を抑止するようにしたことを特徴とする茄子漬け方法。
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